JP3517397B2 - 住戸の水抜き構造 - Google Patents

住戸の水抜き構造

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JP3517397B2
JP3517397B2 JP2000340043A JP2000340043A JP3517397B2 JP 3517397 B2 JP3517397 B2 JP 3517397B2 JP 2000340043 A JP2000340043 A JP 2000340043A JP 2000340043 A JP2000340043 A JP 2000340043A JP 3517397 B2 JP3517397 B2 JP 3517397B2
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眞澄 北川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住戸の水抜き構造
に関するものであり、特に、住戸の一部としてメーター
ボックスを備えたマンション等において、メーターボッ
クス内、またはそれに隣合う水廻り空間内で生じた漏水
を、容易に排出することが可能な住戸の水抜き構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、マンションの各住戸
56には、メーターボックス57が配設されている。こ
のメーターボックス57は、外部廊下58(共用廊下)
に臨む形で居住空間59内に形成され、その内部には、
各住戸56における電気、ガス、水道等の各種メータや
給湯器が設けられ、給水管及びガス配管等の配管が配設
されている。また、メーターボックス57を外部廊下5
8側から開放することができるように、外部廊下58と
居住空間59とを仕切る戸境壁60には、開閉扉61が
設けられている。
【0003】また、図8に示すように、居住空間59内
には、メーターボックス57に隣合う形で、洗面所、浴
室、トイレ、台所等の水廻り空間62が設けられてお
り、水廻り空間62の床板63とスラブ64(コンクリ
ート製の床)との間には、給水管や排水管等の水管65
が配設されている。
【0004】一方、メーターボックス57と水廻り空間
62とは、スラブ64の上に形成された仕切壁66によ
って仕切られている。なお、この仕切壁66としては、
複数のコンクリートブロックをモルタルを介して積上げ
形成したものが一般的である。
【0005】ところで、メーターボックス57内に配設
された水管65から水が漏れた場合、その漏水はメータ
ーボックス57内のスラブ64上に溜まり、外部に排出
させることができなかった。しかも、上述のように仕切
壁66にモルタルが使用されている場合には、メーター
ボックス57内に溜まった漏水が、透水性のモルタルを
通過し、水廻り空間62に流れ込む恐れがあった。
【0006】そこで、図8に示すものでは、メーターボ
ックス57内のスラブ64の上に傾斜面67を形成して
いる。この傾斜面67は、水廻り空間62側ほど高くな
り、且つ、床面の最も低い部分すなわち外部廊下58側
の床面の高さを開閉扉61の下端位置に一致させるよう
にしたものである。これによれば、漏水は傾斜面に沿っ
て外部廊下58側に流れ、外部廊下58側に集められ
る。そして、開閉扉61の下端と戸境壁60との間に隙
間がある場合はその隙間から外部廊下へ排出され、隙間
がない場合は開閉扉61を開いた際に、開口部から排出
される。したがって、メーターボックス57内において
水管65から水が漏れても、水廻り空間62側に流れ込
むことが阻止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構造で
は、メーターボックス57内での漏水に対処できるもの
の、トイレや洗面所等の水廻り空間62においてスラブ
64上に水が漏れた場合には、外部に排出することがで
きなかった。
【0008】つまり、メーターボックス57内で傾斜面
67を形成した場合、メーターボックス57内の床面、
特に水廻り空間62側の床面の高さが、水廻り空間62
におけるスラブ64の上面より高くなり、仕切壁66を
境として段差が生じることから、水廻り空間62のスラ
ブ64上に溜まった漏水をメーターボックス57側へ流
すことができなくなった。特に、洗濯機のホースが外れ
た場合等、多量の水が漏れたときには、寝室や居間等の
床面にも水が溢れ、家具の浸水等、被害が拡大する恐れ
があった。
【0009】そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、メ
ーターボックス内における漏水も、メーターボックスと
隣合う水廻り空間における漏水も、外部に排水すること
ができる住戸の水抜き構造の提供を課題とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
住戸の水抜き構造は、スラブ上に形成され、外部廊下と
居住空間とを仕切る戸境壁と、前記外部廊下に臨む形で
前記居住空間内に形成され、内部に水管が配設されたメ
ーターボックスと、該メーターボックスの隣りに設けら
れた、洗面所、浴室、トイレ等の水廻り空間と、前記メ
ーターボックスと前記水廻り空間とを仕切る透水性の仕
切壁とを有する住戸において、前記戸境壁を貫通し、前
記メーターボックス内における前記スラブ上の水を前記
外部廊下に排出可能な水抜孔を設けたものである。
【0011】ここで、「外部廊下」とは、各住居におけ
る居住空間の外部に形成された共用の廊下であり、居住
空間におけるスラブと一体に成形されたものである。ま
た、「透水性の仕切壁」とは、水を通過させることが可
能な仕切壁であり、例えば、コンクリートブロックを積
み重ねて形成する場合には、透水性のコンクリートブロ
ックを用いてもよく、コンクリートブロック同士を透水
性のモルタルによって接合するようにしてもよい。
【0012】したがって、請求項1の発明の水抜き構造
によれば、メーターボックス内において水管から水が漏
れると、漏水はメーターボックス内のスラブの上に落
ち、スラブの上面において広がる。ここで、メーターボ
ックスと外部廊下とを仕切る戸境壁には、水抜孔が穿設
されているため、スラブの上面に溜まった漏水は、水抜
孔を通り外部廊下に排出される。
【0013】また、トイレや洗面所等の水廻り空間にお
いて水が漏れると、水廻り空間のスラブ上に漏水が一旦
溜まるものの、水廻り空間とメーターボックスとの間に
は段差が形成されておらず、しかも、仕切壁は透水性を
有していることから、水廻り空間のスラブ上に溜まった
漏水は、仕切壁を通過し、メーターボックス側へと流れ
る。そして、メーターボックス内に流れ込んだ漏水は、
上述したように、水抜孔を通って外部廊下に排出され
る。したがって、水廻り空間に、それほど多くの漏水が
溜まるようなことはなく、時間の経過とともに徐々に排
出され少なくなる。
【0014】請求項2の発明にかかる住戸の水抜き構造
は、複数のスラブによって区切られ上下方向に積層され
た複数の内部空間と、前記各スラブ上に形成され、各階
の内部空間を外部廊下と居住空間とに仕切る戸境壁と、
前記外部廊下に臨む形で前記居住空間内に形成され、内
部に水管が配設されたメーターボックスと、該メーター
ボックスの隣りに設けられた、洗面所、浴室、トイレ等
の水廻り空間と、前記メーターボックスと前記水廻り空
間とを仕切る透水性の仕切壁とを有する住戸において、
前記スラブを貫通し、前記メーターボックス内における
前記スラブ上の水を一階下のメーターボックス内に排出
可能な水抜孔を設け、さらに、一番下の階のメーターボ
ックスのスラブに埋設され、上の階から送られてきた水
を一番下の階の外部廊下の下方に排出する略L字形の水
抜管を設けたものである。
【0015】したがって、請求項2の発明の水抜き構造
によれば、請求項1の発明の作用と同様、メーターボッ
クス内における漏水、及び水廻り空間内における漏水
は、メーターボックスに形成された水抜孔を通って排水
される。但し、この水抜孔は、スラブを上下方向に貫通
して穿設されているため、メーターボックス内の漏水は
一階下に形成されたメーターボックス内に流出する。そ
して、全てのメーターボックスにおいて同じ構成を採用
することにより、上下方向に積層された複数のメーター
ボックスを順に通って一番下の階のメーターボックスへ
送ることが可能となる。
【0016】請求項3の発明にかかる住戸の水抜き構造
は、複数のスラブによって区切られ上下方向に積層され
た複数の内部空間と、前記各スラブ上に形成され、各階
の内部空間を外部廊下と居住空間とに仕切る戸境壁と、
前記外部廊下に臨む形で前記居住空間内に形成され、内
部に水管が配設されたメーターボックスと、該メーター
ボックスの隣りに設けられた、洗面所、浴室、トイレ等
の水廻り空間と、前記メーターボックスと前記水廻り空
間とを仕切る透水性の仕切壁とを有する住戸において、
前記スラブを貫通し、前記メーターボックス内における
前記スラブ上の水を一階下の外部廊下に排出可能な水抜
孔を設けたものである。
【0017】したがって、請求項3の発明の水抜き構造
によれば、請求項1の発明の作用と同様、メーターボッ
クス内における漏水、及び水廻り空間内における漏水
は、メーターボックスに形成された水抜孔を通って排水
される。但し、この水抜孔は、スラブを貫通して穿設さ
れているため、メーターボックス内の水は、その階の外
部廊下には流れず、一階下の外部廊下に流出する。
【0018】請求項4の発明にかかる住戸の水抜き構造
は、請求項1または請求項3に記載の住戸の水抜き構造
において、前記外部廊下は、外側ほど低くなるように形
成された傾斜床面と、該傾斜床面の外側端部に設けられ
た排水溝とを有するものである。
【0019】したがって、請求項4の発明の水抜き構造
によれば、請求項1または請求項3の発明の作用に加
え、外部廊下に排出された漏水は、傾斜床面の傾きによ
り、外側端部側へと流れる。外側端部側に達した後、排
水溝を介し、外部廊下の伸延方向に沿って排水される。
【0020】請求項5の発明にかかる住戸の水抜き構造
は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の住戸
の水抜き構造において、前記スラブ上における、前記水
廻り空間と該水廻り空間に隣接する前記メータボックス
以外の居住空間との境界に設けられ、前記水廻り空間内
の前記スラブ上に溜まった漏水が所定量を超えるまで、
前記メータボックス以外の居住空間へ流れることを阻止
する防水手段をさらに備えるものである。
【0021】ここで、「メータボックス以外の居住空
間」には、居間、寝室、または内部廊下等が含まれる。
また、「防水手段」には、防水シートが含まれる。
【0022】したがって、請求項5の発明の水抜き構造
によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの発明
の作用に加え、水廻り空間において生じる単位時間当り
の漏水量が、透水性の仕切壁を通過できる水量よりも多
い場合には、水廻り空間のスラブ上に一時的に漏水が溜
まることになるが、水廻り空間とメータボックス以外の
居住空間との間には、防水手段が設けられているため、
溜まった漏水が所定量より少ない場合、すなわち防水手
段を越えない水位であれば、居間や寝室等の居住空間に
流れ込むことはない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施形態であ
る住戸の水抜き構造について、図1及び図2に基づき説
明する。図1は第一実施形態である住戸の構成を示す平
面図であり、図2は第一実施形態である住戸の水抜き構
造を示す部分拡大断面図(図1におけるA部のB-B断
面図)である。
【0024】マンション等の高層建築物では、上下方向
が複数のスラブ2(コンクリート製の床)によって区切
られており、スラブ2,2間に内部空間3が形成されて
いる。また、各階の内部空間3は、共用通路となる外部
廊下4と、個々の住戸7となる居住空間5とを含んでお
り、それらの境界に垂設された戸境壁6によって仕切ら
れている。
【0025】居住空間5には、外部廊下に臨む形で形成
されたメーターボックス8と、トイレ9、洗面所10、
浴室11、及び台所13の一部(流し台の部分)から構
成された水廻り空間12とが設けられている。また、そ
の他、居間14、寝室15、内部廊下16、及びベラン
ダ(図示しない)等も居住空間5内に設けられている。
なお、メーターボックス8と水廻り空間12との間は仕
切壁17によって仕切られ、各部屋の境界は間仕切18
によって仕切られている。また、メーターボックス8を
外部廊下4側から開放することができるように、戸境壁
6には、メーターボックス8に対応して開閉扉20が設
けられている。さらに、水廻り空間12には床板22が
張られており、メーターボックス8側から延設された給
水管21や排水管等の水管が、床板22とスラブ2との
間の空間に配設されている。
【0026】仕切壁17は、複数のコンクリートブロッ
ク23をモルタル24を介して接合し積上げ形成したも
のである。なお、最下段に配置されたコンクリートブロ
ック23とスラブ2の上面との間にもモルタル24が介
在されている。ここで、モルタル24は透水性を有して
いるため、隣接するコンクリートブロック23同士の
間、及びコンクリートブロック23とスラブ2との間か
ら水を通過させることが可能である。
【0027】このような構成の住戸7において、メータ
ーボックス8内、または水廻り空間12内での漏水を速
やかに排出するため、本実施形態では水抜き構造25を
備えている。具体的には、メーターボックス8の内部と
外部廊下4とを連通するパイプ状の水抜管26が、戸境
壁6の下部(スラブ2の近傍)に埋設されており、メー
ターボックス8内のスラブ2上の漏水を、水抜管26の
内部の開口すなわち水抜孔27を介して、外部廊下4へ
排出可能としている。なお、この水抜孔27の大きさは
特に限定されるものではないが、本実施形態では直径が
約25mmの大きさに設定されている。
【0028】また、スラブ2上において、水廻り空間1
2と内部廊下16との境界には、水廻り空間12を囲む
ように、防水シート28が設けられている。この防水シ
ート28は、断面略L字形の形状を呈した非透水性の帯
状部材であり、防水シート28を構成する水平片28a
がスラブ2の上面に、また鉛直片28bが間仕切18の
壁面に夫々貼着されている。ここで、防水シート28が
本発明の防水手段に相当する。
【0029】一方、外部廊下4は、スラブ2と一体に成
形されており、外側(図2では左側)ほど低くなるよう
に形成された傾斜床面30と、傾斜床面30の先端から
鉛直方向に延設された手摺壁31と、傾斜床面30の外
側端部に設けられた排水溝32とを有している。なお、
排水溝32は外部廊下4の伸延方向に沿って形成されて
おり、外部廊下4の端部近傍に配設された縦樋33に連
通している。なお、これらの排水溝32及び縦樋33
は、漏水を導くために新たに設けるようにしてもよい
が、外部廊下4に降り注いだ雨水等を処理するために設
けられた既存のものを利用してもよい。
【0030】次に、第一実施形態における水抜き処理に
ついて説明する。メーターボックス8内において給水管
21から水が漏れた場合、漏水はメーターボックス8内
のスラブ2の上に落ち、スラブ2の上面において広が
る。そして、漏水の量が多い場合には、スラブ2の上面
に溜まろうとするが、スラブ2近傍の戸境壁6には、メ
ーターボックス8と外部廊下4とを連通する水抜管26
が埋設されているため、メーターボックス8内の漏水
は、水抜孔27を通って外部廊下4に排出される。した
がって、メーターボックス8内に漏水が溜まることが防
止される。
【0031】一方、トイレ9や洗面所10等の水廻り空
間12において水が漏れた場合、水廻り空間12のスラ
ブ2上に漏水が一時的に溜まるものの、水廻り空間12
とメーターボックス8との間に段差は形成されておら
ず、しかも、仕切壁17のモルタル24は透水性を有し
ていることから、水廻り空間12のスラブ2上に溜まっ
た漏水は、仕切壁17の下端近傍を通過し、メーターボ
ックス8側へと流れる。そして、メーターボックス8内
に流れ込んだ漏水は、水抜孔27を通って外部廊下4に
排出される。したがって、水廻り空間12に、それほど
多くの漏水が溜まるようなことはなく、しかも時間の経
過とともに徐々に排出され少なくなる。特に、本実施形
態では、水廻り空間12と、メーターボックス8以外の
居住空間との間に防水シート28が設けられているた
め、水廻り空間12内のスラブ2上に一時的に漏水が溜
まっても、漏水が鉛直片28bの上端を越えるまで、換
言すれば鉛直片28bの上端から溢れるまで、内部廊下
16側へ流れることはない。
【0032】そして、外部廊下4に排出された漏水は、
傾斜床面30の傾きにより、外側端部側へと流れ、その
後、排水溝32及び縦樋33を介して路上に設けられた
側溝へ送られる。
【0033】このように、第一実施形態の水抜き構造2
5では、メーターボックス8内、または水廻り空間12
内のどちらで水漏れが生じた場合でも、水抜孔27を介
して容易に排出させることができるため、メーターボッ
クス8内のスラブ2上に漏水が溜まることを防止できる
とともに、水廻り空間12内のスラブ上に漏水が溜まっ
ても比較的速やかに排出させることができる。したがっ
て、居間14や寝室15等への被害を低く抑えることが
できる。
【0034】また、第一実施形態の水抜き構造25で
は、外部廊下4に排出された漏水を、排水溝32に集め
処理することができるため、外部廊下4に漏水が溜まる
ことを防止できる。つまり、漏水によって歩行が困難と
なることを回避できる。
【0035】さらに、上記の水抜き構造25では、水廻
り空間12とメーターボックス8以外の居住空間との間
に、防水シート28が設けられているため、水廻り空間
12内のスラブ2上に漏水が溜まっても、それが所定量
より少なければ、居間14や寝室15等の居住空間へ流
れ込むことを確実に防止することができる。
【0036】続いて、本発明の第二実施形態である住戸
の水抜き構造34について、図3に基づき説明する。図
3は水抜き構造34を示す部分拡大断面図である。な
お、第一実施形態と同じ構成については同一の番号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0037】この実施形態では、床面を形成するスラブ
35の一部、具体的にはメーターボックス8の略中央か
ら水廻り空間12の略全域にわたる部分に、落込スラブ
36が形成されている。この落込スラブ36は、バリア
フリーを目的として水廻り空間12の床板22の高さを
低くするために形成されたものである。つまり、凹部3
6aを形成することによって、給水管21等の配管スペ
ースを確保したものである。このような落込スラブ36
を設けたものにおいては、メーターボックス8内、また
は水廻り空間12内で水が漏れると、漏水は凹部36a
内に流れ込み溜まってしまう。
【0038】そこで、本実施形態では、水抜き構造34
として、凹部36aの側面と、外部廊下4の下方(一階
下の外部廊下4の上方)とを連通する水抜管37を、ス
ラブ35(一階下の戸境壁6の上端)に埋設している。
つまり、凹部36a内の漏水は、水抜孔38を介して、
一階下の外部廊下4へ排出される。
【0039】なお、水抜き処理における作用について
は、第一実施形態と略同様であるため、説明を省略す
る。
【0040】このように第二実施形態の水抜き構造34
では、第一実施形態の水抜き構造25の効果に加え、落
込スラブ36が形成されたマンションであっても、メー
ターボックス8内、または水廻り空間12内における漏
水を容易に排出させることができる。
【0041】続いて、本発明の第三実施形態である住戸
の水抜き構造40について、図4に基づき説明する。図
4は水抜き構造40を示す部分拡大断面図である。な
お、第一実施形態と同じ構成については同一の番号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0042】この実施形態では、水抜き構造40とし
て、上下に位置する二つのメーターボックス8,8同士
を連通する水抜管41を、スラブ2に垂直に埋設してい
る。つまり、水抜孔42を介して下方のメーターボック
ス8に排出することを可能としている。
【0043】水抜き処理について説明すると、メーター
ボックス8内における漏水、または水廻り空間12にお
ける漏水は、水抜孔42を通って排水される。但し、こ
の水抜孔42は、スラブ2を上下方向に貫通して穿設さ
れているため、メーターボックス8内の漏水は一階下に
形成されたメーターボックス8内に流出する。そして、
全てのメーターボックス8は同じ構成となっているた
め、漏水は、上下方向に積層された複数のメーターボッ
クス8を順に通って一番下の階のメーターボックス8に
送られる。なお、一番下の階のメーターボックス8にお
いては、図5に示すように、略L字形の水抜管43がス
ラブ2に埋設されており、送られてきた水を外部廊下4
の下方に排出するようにしている。
【0044】このように、第三実施形態の水抜き構造4
0では、漏水が外部廊下4に排出されないため、共用通
路である廊下を濡らすことなく漏水を処理することがで
きる。
【0045】なお、第三実施形態の水抜き構造40を、
落込スラブ36が形成されたマンションに適用すると、
図6に示すようになる。すなわち、水抜き構造44とし
て、水抜管45が落込スラブ36に埋設されており、凹
部36a内の漏水は、水抜孔46を介して、一階下のメ
ーターボックス8へ排出される。つまり、この場合も、
漏水は、上下方向に積層された複数のメーターボックス
8を順に通って一番下の階のメーターボックス8に送ら
れる。
【0046】以上、本発明について好適な三つの実施形
態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限
定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変
更が可能である。
【0047】すなわち、第一乃至第三実施形態の水抜き
構造では、パイプ状の水抜管を使用し、中空の水抜孔を
形成するものを示したが、水抜孔の内部に透水性のモル
タルを充填するようにしてもよい。特に縦方向に形成さ
れた水抜孔にモルタルを充填すれば、下の階のメーター
ボックス8に小物を落としたりすることが防止される。
【0048】また、第一乃至第三実施形態の水抜き構造
では、水抜管を埋設することにより、戸境壁6やスラブ
2に水抜孔を形成するものを示したが、水抜管を用いる
ことなく、戸境壁6やスラブ2に水抜孔を直接穿設する
ようにしてもよい。このように構成すれば、水抜き構造
における材料費が低減される。
【0049】さらに、第一乃至第三実施形態の水抜き構
造では、水抜孔を一つのみ形成するものを示したが、複
数個の水抜孔を並設するようにしてもよい。このように
すれば、排水可能な水量が増えるため、給水管等から瞬
時に多量の水が漏れても、速やかに排出することが可能
となる。
【0050】また、第一乃至第三実施形態の水抜き構造
では、透水性のモルタルを介して水を通過させるように
したが、透水性のコンクリートブロックを用いて、仕切
壁17の全面から水を透過させるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至請求項3の
いずれかの発明の水抜き構造は、メーターボックス内、
または水廻り空間内のどちらで水漏れが生じた場合で
も、水抜孔を介して容易に排出することができるため、
メーターボックス内のスラブ上に漏水が溜まることを防
止できるとともに、水廻り空間内のスラブ上に漏水が溜
まっても比較的速やかに排出させることができる。した
がって、居間や寝室等、他の居住空間への被害を低く抑
えることができる。
【0052】請求項4の発明の水抜き構造は、請求項1
または請求項3の発明の効果に加えて、外部廊下に排出
された水を、排水溝に集め処理することができるため、
外部廊下の床面に水が溜まることを防止できる。つま
り、排出された水が歩行等の障害となることを防止でき
る。
【0053】請求項5の発明の水抜き構造は、請求項1
乃至請求項4のいずれか一つの発明の効果に加えて、水
廻り空間内のスラブ上に漏水が溜まっても、比較的少な
い水量であれば、居間や寝室等、他の居住空間へ流れ込
むことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態である住戸の構成を示す
平面図である。
【図2】本発明の第一実施形態である住戸の水抜き構造
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第二実施形態である住戸の水抜き構造
を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の第三実施形態である住戸の水抜き構造
を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第三実施形態である住戸の水抜き構造
の変形例を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の第三実施形態である住戸の水抜き構造
の変形例を示す拡大断面図である。
【図7】従来の住戸の構成を示す平面図である。
【図8】従来の住戸の水抜き構造を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
2 スラブ 3 内部空間 4 外部廊下 5 居住空間 6 戸境壁 7 住戸 8 メーターボックス 9 トイレ 10 洗面所 11 浴室 12 水廻り空間 17 仕切壁 21 給水管(水管) 25,34,40,44 水抜き構造 27,38,42,46 水抜孔 28 防水シート(防水手段) 30 傾斜床面 32 排水溝 35 スラブ 36 落込みスラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 1/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ上に形成され、外部廊下と居住空
    間とを仕切る戸境壁と、 前記外部廊下に臨む形で前記居住空間内に形成され、内
    部に水管が配設されたメーターボックスと、 該メーターボックスの隣りに設けられた、洗面所、浴
    室、トイレ等の水廻り空間と、 前記メーターボックスと前記水廻り空間とを仕切る透水
    性の仕切壁とを有する住戸において、 前記戸境壁を貫通し、前記メーターボックス内における
    前記スラブ上の水を前記外部廊下に排出可能な水抜孔を
    設けたことを特徴とする住戸の水抜き構造。
  2. 【請求項2】 複数のスラブによって区切られ上下方向
    に積層された複数の内部空間と、 前記各スラブ上に形成され、各階の内部空間を外部廊下
    と居住空間とに仕切る戸境壁と、 前記外部廊下に臨む形で前記居住空間内に形成され、内
    部に水管が配設されたメーターボックスと、 該メーターボックスの隣りに設けられた、洗面所、浴
    室、トイレ等の水廻り空間と、 前記メーターボックスと前記水廻り空間とを仕切る透水
    性の仕切壁とを有する住戸において、 前記スラブを貫通し、前記メーターボックス内における
    前記スラブ上の水を一階下のメーターボックス内に排出
    可能な水抜孔を設け さらに、一番下の階のメーターボックスのスラブに埋設
    され、上の階から送られてきた水を一番下の階の外部廊
    下の下方に排出する略L字形の水抜管を設けた ことを特
    徴とする住戸の水抜き構造。
  3. 【請求項3】 複数のスラブによって区切られ上下方向
    に積層された複数の内部空間と、 前記各スラブ上に形成され、各階の内部空間を外部廊下
    と居住空間とに仕切る戸境壁と、 前記外部廊下に臨む形で前記居住空間内に形成され、内
    部に水管が配設されたメーターボックスと、 該メーターボックスの隣りに設けられた、洗面所、浴
    室、トイレ等の水廻り空間と、 前記メーターボックスと前記水廻り空間とを仕切る透水
    性の仕切壁とを有する住戸において、 前記スラブを貫通し、前記メーターボックス内における
    前記スラブ上の水を一階下の外部廊下に排出可能な水抜
    孔を設けたことを特徴とする住戸の水抜き構造。
  4. 【請求項4】 前記外部廊下は、外側ほど低くなるよう
    に形成された傾斜床面と、該傾斜床面の外側端部に設け
    られた排水溝とを有することを特徴とする請求項1また
    は請求項3のいずれかに記載の住戸の水抜き構造。
  5. 【請求項5】 前記スラブ上における、前記水廻り空間
    と該水廻り空間に隣接する前記メータボックス以外の居
    住空間との境界に設けられ、前記水廻り空間内の前記ス
    ラブ上に溜まった漏水が所定量を超えるまで、前記メー
    タボックス以外の居住空間へ流れることを阻止する防水
    手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれか一つに記載の住戸の水抜き構造。
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