JP4278544B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
また上記した駆動力伝達部材は、前述したとおり自由に変形できない剛性に形成されているため、該駆動力伝達部材に連結した可動部材(開閉扉)は、開状態または閉状態の何れの状態においても固定されていた。このため、どのような角度から遊技球が衝突してもこれを跳ね返すのみで、可動部材(開閉扉)の姿勢が変化することはなかった。しかし遊技球の特質として、狭い空間内において遊技球が各種の障害物と衝突を繰り返しながら流下していくことを鑑みれば、遊技球が乱舞する遊技領域にあって、例え様々な角度から遊技球が衝突することによっても、それによる可動部材の姿勢等への反映、或いは影響が全く生じないことは、パチンコ遊技としての興趣に今一つ欠けるものであった。
更に駆動手段と可動部材に介在する駆動力伝達部材は、駆動手段からの駆動力を可動部材に対して伝達するか否か、また伝達するとしても正方向か逆方向か、といった正に機械的な構成であり、その作用は柔軟性のない無機質なものであった。このため連結された可動部材の動作態様は単純なものとなり、パチンコ遊技の興趣の低下を招き、よりファジーな面白みのある動作態様を実現可能な駆動力伝達部材の開発が強く求められていた。
上記において「全体として屈曲自在な綱状に形成され」という意味は、綱状部材の全体の全てが屈曲自在な材料だけで構成されている場合の他、綱状部材のうちの一部は屈曲性の乏しい剛性の材料で構成されているものの、全体として屈曲自在といえる場合も含む意味である。
また本発明の遊技機は、上記第1の特徴に加えて、開口が完全に閉成された状態から開閉部材による開口の開放動作を開始させる開放動作開始時期に先立って、綱状部材を弛みがある遊び状態から弛みがない緊張状態へと修正動作させる構成としたことを第2の特徴としている。
また本発明の遊技機は、上記第2の特徴に加えて、綱状部材の繰り込み速度は、修正動作における速度において、開閉部材を開放動作させるときの速度よりも遅い速度で行う構成としたことを第3の特徴としている。
また本発明の遊技機は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、綱状部材が弛んでいる状況を明示する弛み状況明示部材を設けてあることを第4の特徴としている。
また駆動力伝達部材としての綱状部材に遊技球が種々の方向から種々の衝突力で衝突することによる可動部材の姿勢への反映を可能とし、或いはまた遊技球が可動部材に対して種々の方向から種々の衝突力で衝突することによって綱状部材を緊張させたり弛緩させたりすることにより、その影響を可動部材に帰還させて反映させることができる。またこれにより可動部材の動作態様をファジーな面白みのあるものにすることができる。
また綱状部材の繰り込み長さ或いは繰り出し長さを調整することで、開閉部材による最大の開放度合いを変更調整することができ、或いは開閉部材による最小の開放度合い(開放度ゼロを含む)を変更調整することができる。
また綱状部材の繰り込み速度或いは繰り出し速度を調節することで、開閉部材による開口の開放動作速度或いは閉成動作速度を調整することができる。
また綱状部材の繰り込み速度或いは繰り出し速度を変化させることで、開閉部材による開口の開放動作速度或いは閉成動作速度を途中で変化させることができる。
綱状部材は紐状のものや糸状のもの、その他の線状のものを用いることができる。またチェーン状のものを状況に応じて自由に選んで用いることができる。
以上のように綱状部材を用いることで、簡単な構成で遊技機の遊技盤面での開閉部材による開口の開閉動作を斬新に行うことができる。
勿論、綱状部材が弛みを解消してゆく修正動作をしても、緊張状態にならない限りは開口が完全に閉成された状態は何ら変化することがないので、その間において遊技球の受け入れ度合いが増加することはなく、よって所定の受け入れ確立を確実に保障することができる。結果として遊技者及び遊技店の双方において、確率変化による不利益を被らせることがない。
図1は本実施形態の遊技機としてのパチンコ機の遊技盤面の正面図、図2−Aは開閉扉の閉成状態を説明する正面図、図2−Bは開閉扉の閉成状態を説明する断面図、図3−Aは開閉扉の開放状態を説明する正面図、図3−Bは開閉扉の開放状態を説明する断面図、図4はワイヤー部材に弛みがある場合における弛み状況明示部材の状態を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図である。図5はワイヤー部材に弛みがない場合における弛み状況明示部材に状態を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図である。図6は弛み状況明示部材の付勢状態を説明する概略斜視図、図7は開閉扉の付勢状態を説明する図で、(A)は概略斜視図、(B)は側面図である。
先ず、本発明の実施形態の概要について説明する。
本実施形態は、綱状部材としてのワイヤー部材10の一側端部を開閉扉6に連結し、他側端部を駆動手段であるステッピングモータ12に連結し、該ステッピングモータ12によってワイヤー部材10を繰り込むことにより開閉扉6は大入賞口5を開放し、繰り出すことにより大入賞口5を閉成する。ワイヤー部材10は、開閉扉6が大入賞口5を閉成してもなお繰り出し可能な長さに形成され、これにより生じる弛み状態によって開閉扉6の開放動作に関する予告報知を行う。
1.綱状部材としての2本のワイヤー部材10の各々一側端部を、開閉部材としての大入賞口5の開閉扉6の上方且つ両側端部に連結して、他側端部を駆動手段としてのステッピングモータ12の回転軸13に連結する。
2.開閉扉6は、大入賞口5を常に閉成する方向に付勢される。
3.ワイヤー部材10は、開閉扉6が大入賞口5を完全に閉成した後に更に繰り出して所定の弛み状態となることが可能な長さに形成される。
4.弛み状況明示部材(16a、16b、17a、17b)はワイヤー部材10が巻き掛けられる位置に設けられる。
5.弛み状況明示部材(16a、16b、17a、17b)はワイヤー部材10の所定の弛み状態において、ワイヤー部材10を所定の緊張状態に維持するように付勢される。
6.ワイヤー部材10は、遊技盤1の表側の開閉扉6に連結され、次いで遊技盤1の表側に一部が露出して設けられた第1ローラ部材8に巻き掛けられ、更に遊技盤1の裏側に設けられた第2ローラ部材9に巻き掛けられ、遊技盤1の裏側を上方に向かって通って、ステッピングモータ12の回転軸13へ連結される。
7.ワイヤー部材10の設置に伴い障害となるセンターケース3には、繰り出し及び繰り込みにおける可動領域を含めた箇所にワイヤー部材挿通穴21が設けられる。
1.開閉扉6は、ステッピングモータ12の回転によるワイヤー部材10の繰り込みに伴い開放動作を行い、また繰り出しに伴い閉成動作を行う。
2.弛み状況明示部材(16a、16b、17a、17b)は、開閉扉6が閉成して更にワイヤー部材10が繰り出されると、これに伴い弛み状況明示部材が付勢される方向に向かってワイヤー部材10を所定の緊張状態に維持するように変位する。
ワイヤー部材10は開閉扉6が大入賞口5を閉成した後、更に繰り出されて弛む長さに形成されている。これにより遊技者は、ワイヤー部材10の弛み、即ち遊び状態を視認することで、現時点が開閉扉6の開状態への作動開始時期に対する猶予期間であることを認識することができる(請求項3対応)。
センターケース3は略矩形状に形成されると共に、遊技盤1の前面側から裏面に窪んだ凹状に形成される。当該凹状に形成された領域の略中央には、略矩形状に形成されると共に図柄等の識別情報を可変表示する液晶パネル11が設けられる。液晶パネル11の上方には、回転軸13を備えたステッピングモータ12が設けられる。液晶パネル11とステッピングモータ12の間には、意匠駆動軸14a、14bが挿通するのに移動可能な幅寸法であって、長穴状に形成された軸ガイド穴15が設けられている。
意匠駆動軸14aには上述したハート意匠16aとカーテン意匠17aが設けられ、意匠駆動軸14bにはハート意匠16bとカーテン意匠17bが設けられる。意匠駆動軸14aは図面上で右側方に配置され、意匠駆動軸14bは左側方に配置される。なお図示しないが、カーテン意匠17aの右側端部とカーテン意匠17bの左側端部は、それぞれセンターケース3に固着されて構成される。
カーテン意匠17a、17bは、詳細には、蛇腹状に形成されると共に、それぞれが最も広がったとき、即ち意匠駆動軸14a、14bが最も中央へ移動したとき、液晶パネル11の前面を被覆する大きさに形成される。
ハート意匠16a、16bは、詳細には、ハート意匠16aの左側方及びハート意匠16bの右側方は、複数の山形形状に形成されると共に、当該山形形状は互いにちょうど嵌り合う形状に形成されている。従ってハート意匠16aとハート意匠16bが最も接近したとき、1個のハートの意匠として見えるように構成される。
更に意匠駆動軸14a、14bは、先述したようにそれぞれ所定の方向に向かって付勢されている。つまり意匠駆動軸14aは右側方へ、意匠駆動軸14bは左側方へ向かって意匠付勢バネ24により付勢されている(図4、図5、図6)。
開閉扉6は、大入賞口5を常に閉成する方向に向かって付勢されている。即ち、大入賞口取付基板7の最奥部に一側端部を連結して設けられた開閉扉付勢バネ18の他端部を開閉扉6の球誘導壁部19に連結して構成されている(図7参照)。即ち、開閉扉6は上記開閉扉付勢バネ18の付勢力とワイヤー部材10の引っ張り力のバランスにより姿勢を維持するものである。つまり、剛性のある駆動力伝達部材によって固定的に姿勢を維持するものではない。換言するなら、遊技球が開閉扉6に対して、開放方向、即ちワイヤー部材10の弛緩する方向に衝突したとき、その条件に従って姿勢が変化するものである。即ち、本実施例においては、上記した条件下で、遊技球の開閉扉6への衝突する状態を開閉扉6の姿勢に反映することができると共に、これにより開閉扉6の動作態様をファジーな面白みのあるものにすることができる(請求項1、2対応)。
なお開閉扉付勢バネ18は、上記した意匠付勢バネ24より強い付勢力を発生するように構成されている。
また第1ローラ部材8は、該第1ローラ部材8の前方部が上記ローラ部材開口部20から僅かに前方、即ち遊技者側に突出するような位置に配置される。第1ローラ部材8から遊技盤1の裏側方向には、図2−Bに示すような第2ローラ部材9が回動自在に軸支されて設けられる。
このように本発明の駆動力伝達部材としてのワイヤー部材10は、上記したように屈曲自在に形成されるため、スペースの確保し難い遊技盤1の裏側においても、上記したワイヤー部材挿通穴21を貫設する等の簡易な手段により容易に設置空間を確保することができ、設置場所の選択に関して自由度が増し、空間の有効利用が可能となる(請求項1、2対応)。
前記ワイヤー部材挿通穴21は、センターケース3の図示しない取り込み口から取り込んだ遊技球を転動させるステージ面25に設ける。
図2−A、図2−Bは、開閉扉6が大入賞口5を閉成した後、更にワイヤー部材10が繰り出された状態を示している。
ステッピングモータ12の回転軸13が反時計方向に回転することにより、ワイヤー部材10を繰り出すと、該ワイヤー部材10が連結された開閉扉6は、開閉扉付勢バネ18の付勢力により大入賞口5を閉成する。この時点ではワイヤー部材10には弛みが発生しておらず、上述したように開閉扉付勢バネ18は意匠付勢バネ24より強い付勢力を発生するように構成されているため、繰り出しにより変化するのは開閉扉6のみとなる。つまり、このときの意匠駆動軸14a、14bは共に最も中央に寄った状態、即ち図3−Aに示す状態である。
更に繰り出しが進むと、ワイヤー部材10の弛み量が大きくなるにつれて、意匠駆動軸14a、14bはそれぞれ左右両側方に変位する。そして最も繰り出されたとき、図2−Aに示すように、液晶パネル11の略全領域が視認可能な状態までカーテン意匠17a、17bが開いた状態となる。またハート意匠16a、16bも同様に左右両側方に変位することにより、1個のハート意匠が分離した状態となる。
遊技者は、このカーテン意匠17a、17b及びハート意匠16a、16bの態様を視認することにより、現在が開閉扉6による大入賞口5の開放動作に関する猶予期間であることを認識することができる。また後述する弛み状態が解消していく変化態様を、カーテン意匠17a、17b及びハート意匠16a、16bを介して認識できるため、更に見落とし難くなる。このため、開閉扉6の開放状態への作動の予告報知を、より遊技者へ確実に行うことができる(請求項6対応)。
この繰り込み動作に従って、それぞれ左右両側方に付勢されていた意匠駆動軸14a、14bは、徐々に中央に向かって変位し、これに伴いカーテン意匠17a、17b及びハート意匠16a、16bも変位する。
即ち本発明は、開閉扉6を閉状態から開状態へと開放動作させる開放動作開始時期に先立って、ワイヤー部材10を遊び状態から緊張状態へと多少の時間をかけて修正動作させるように構成されるものである。
これにより遊技者は、遊び状態の解消動作を視認することで、開閉扉6の開状態への作動開始時期が近づきつつあることを認識することができ、開閉扉6の開状態への作動の予告報知をワイヤー部材10の弛み状態によって行うことで、従来にはない面白みのある報知が可能となる(請求項4対応)。
遊技機のコントローラは、ワイヤー部材10の弛みが完全に解消されたことをステッピングモータ12の回転数に基づいて検知すると、続いてステッピングモータ12を高速回転で時計方向に回転するよう制御する。これにより回転軸13が回転してワイヤー部材10の繰り込みを開始し、当該繰り込み動作に従って開閉扉6が素早く遊技者側に、即ち前方に向かって回動することで、大入賞口5を開放状態とする。
即ち本実施形態では、ワイヤー部材10の繰り込み速度は、修正動作における速度において、開閉扉6を開放動作させるときの速度より遅い速度で行うよう構成される。これにより遊技者は、弛み状態が解消してゆく変化態様を見落とし難くなり、開閉扉6の開状態への作動に係る予告報知を確実に行うことが可能となる(請求項5対応)。
また開閉部材は大入賞口5の開閉扉6を例示したが、遊技球を受け入れる開口への受け入れ度合いを変更するものであれば、大入賞口の開閉扉6である必要はない。また開閉部材は開閉扉に限定されるものではなく、開閉扉以外の開閉片やその他の開閉部材を対象として含むものである。
また上記コントローラは、パチンコ遊技機の遊技の進行を制御する主基板(図示せず)に搭載されたCPUの一機能として構成されたものでもよい。
また本実施形態においては、ワイヤー部材10を繰り出し或いは繰り込む手段として、ステッピングモータ12を用いているが、これに限定されるものではない。要するにワイヤー部材等の綱状部材を繰り出し或いは繰り込むことができる駆動手段であればよい。本発明はそのような駆動手段をその範囲に含むものである。
2 遊技領域
3 センターケース
4 始動入賞口
5 大入賞口
6 開閉扉
7 大入賞口取付基板
8 第1ローラ部材
9 第2ローラ部材
10 ワイヤー部材
11 液晶パネル
12 ステッピングモータ
14a、14b 意匠駆動軸
15 軸ガイド穴
16a、16b ハート意匠
17a、17b カーテン意匠
18 開閉扉付勢バネ
19 球誘導壁部
20 ローラ部材開口部
21 ワイヤー部材挿通穴
22、23 フランジ部
24 意匠付勢バネ
25 ステージ面
Claims (4)
- 遊技球が流下する遊技盤に設けられ且つ所定の動作可能な可動部材と、該可動部材が前記所定の動作を行うための駆動力を発生する駆動手段と、該駆動手段から前記可動部材に対して前記駆動力を伝達する駆動力伝達部材とを備えた遊技機であって、
前記駆動力伝達部材は、全体として屈曲自在な綱状に形成され、且つ該綱状の一側端部と他側端部が引っ張り合うときは緊張すると共に前記一側端部と他側端部が押し合うときは弛緩する遊技盤面上で視認することができる綱状部材を用い、
前記可動部材は、遊技球が流下する遊技盤に該遊技球を受け入れるために備えられた開口への遊技球の受け入れ度合いを変更するための開閉扉、開閉片等の開閉部材とし、
駆動手段によって綱状部材を繰り込むことにより前記開閉部材を開放動作させ、或いは駆動手段によって綱状部材を繰り出すことにより前記開閉部材を閉成動作させる構成とし、且つ前記開口が完全に閉成された状態において、綱状部材を遊技盤面上において弛みがない緊張状態から弛みがある遊び状態に保持する構成としたことを特徴とする遊技機。 - 開口が完全に閉成された状態から開閉部材による開口の開放動作を開始させる開放動作開始時期に先立って、綱状部材を弛みがある遊び状態から弛みがない緊張状態へと修正動作させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 綱状部材の繰り込み速度は、修正動作における速度において、開閉部材を開放動作させるときの速度よりも遅い速度で行う構成としたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
- 綱状部材が弛んでいる状況を明示する弛み状況明示部材を設けてあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
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