以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1〜図12に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技板11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成されている。その遊技領域R1の中央部には、遊技板11に略横長矩形の表示開口11Kが貫通形成され、その表示開口11Kの奥部に表示装置30が備えられている。そして、表示開口11Kを介して、表示装置30の液晶表示画面30B(本発明の「表示画面」に相当する)が前方に臨んでいる。
遊技領域R1のうち表示開口11Kより下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち表示装置30の両側には、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21がそれぞれ設けられ、ガイドレール12に沿った両側端部には、サイドランプ22,22が設けられている。なお、遊技領域R1全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。
遊技板11の所要の各部位について詳説する。一般入賞口20,21は、遊技板11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された図示しない普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、液晶表示画面30Bの一角に設けられた普通図柄表示部18Hにおいて図柄が変動表示される。具体的には、「0」〜「9」までの数字からなる数字図柄が所定期間に亘って変動表示された後、所定の数字図柄が停止表示される。
始動入賞口14も、一般入賞口20,21と同様に、ポケット構造をなしている。始動入賞口14の開口の左右両側には可動翼片14A,14Aが備えられている。これら両可動翼片14A,14Aは、常には起立状態になっており、このとき両可動翼片14A,14Aに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。そして、普通図柄表示部18Hで停止表示された数字図柄が奇数になると、遊技板11の裏に設けた図示しないソレノイドが駆動されて、可動翼片14A,14Aが所定期間(例えば、0.4秒間)に亘って横に倒される。すると、始動入賞口14の両脇を流下する遊技球が可動翼片14Aに受け止められて始動入賞口14に案内されるようになって始動入賞口14に入賞し易くなる。
始動入賞口14に遊技球が入球すると、液晶表示画面30Bにおいて図柄が変動表示される。具体的には、液晶表示画面30Bには、通常、3つの特別図柄31A,31B,31Cが横並びに表示されている。これら各特別図柄31A,31B,31Cには、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類がそれぞれ備えられ、通常は、何れかの種類の特別図柄31A,31B,31Cが停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄31A,31B,31Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄31A,31C,31Bが停止表示される。また、全ての特別図柄31A,31B,31Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。
なお、液晶表示画面30Bにおいて特別図柄31A,31B,31Cが変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口14に入賞した場合、その入賞球は最大で4個まで保留記憶され、特別図柄31A,31B,31Cが停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄31A,31B,31Cが変動表示される。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて前方に開放しており、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技板11の裏に設けた図示しないソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば15ラウンドまで継続される。
上述したパチンコ遊技機10の前面側は、下端寄り位置の一部を除いて全体が前面枠83によって覆われている。そして、前面枠83に形成されたガラス窓85Wを通して上記遊技領域R1が視認可能となっている。
パチンコ遊技機10の前面のうちガラス窓85Wの下方には、第1膨出部26Bが備えられ、その下方には第2膨出部27Bが備えられている。また、パチンコ遊技機10の前面の右下角部には、操作ノブ28が備えられている。
第1膨出部26Bには、上方に開放した上皿26が形成されている。また、第2膨出部27Bには、上方に開放した下皿27が形成され、その下皿27の右側方には球抜ボタン29が設けられている。
上皿26の内側面には、操作ノブ28から離れた側の端部に、第1球出口が設けられる一方、操作ノブ28に近い側の端部に遊技球送給口が設けられている(図示せず)。また、上皿26の底面は、操作ノブ28から離れた側の端部から操作ノブ28に近い側の端部に向かって下るように傾斜し、遊技球送給口内の送給経路(図示せず)に1列になって流れ込む。そして、操作ノブ28を操作すると、送給経路を通過した遊技球が、パチンコ遊技機10内の図示しない発射装置に1球ずつ取り込まれて、遊技領域R1に弾き出される。また、遊技領域R1における上記した各入賞口14,15,20,21に遊技球が入球すると、その賞球として複数の遊技球が第1球出口から上皿26内に払い出される。
下皿27の底面には、操作ノブ28寄り位置に円形の排出孔が貫通形成され、底面は排出孔に向かって緩やかに下るように傾斜している(図示せず)。その排出孔は常には閉じており、球抜ボタン29を押すと開く。また、下皿27の内側面のうち操作ノブ28から離れた側の端部には、第2球出口27Kが設けられている。そして、上皿26が満杯の状態で上記各入賞口14,15,20,21に遊技球が入球した場合には、その賞球としての複数の遊技球が第2球出口27Kから下皿27内に払い出される。下皿27が満杯になった場合には、排出孔の下方に図示しない受容箱(所謂、ドル箱)を配置して、球抜ボタン29の操作により排出孔を開くことで、下皿27から受容箱(所謂、ドル箱)へと遊技球を排出することができる。
なお、上皿26と発射装置との間を連絡する上記した送給経路の中間部分からは、第2球出口27Kの奥部に連絡されたバイパス経路(図示せず)が備えられ、パチンコ遊技機10の前面に備えた図示しない球排出ボタンを操作すると、上皿26内の遊技球が送給経路とバイパス経路とを通って下皿27に排出される。
ところで、本実施形態では、液晶表示画面30Bを覆うことが可能な、1対の演出カーテン60,60が備えられている。図2〜図6には、それら1対の演出カーテン60,60を含むカーテンユニット80が示されている。このカーテンユニット80は、図6に示すように、表示枠40に複数の部品を組み付けてなる。そして、表示枠40が、遊技板11の後面(遊技者が対峙する面登坂対側の面)に宛がわれてネジ止めされ、その表示枠40の後面に表示装置30が固定されている。以下、表示枠40に係る全ての部品に関し、遊技板11側を「前側」又は「前方」といい、表示装置30側を「後側」又は「後方」ということにして各部品について詳説する。
表示枠40は、遊技板11の後面に直交しかつ、表示開口11K(図1参照)に対応した横長矩形状の囲壁41を備え、その囲壁41の後端縁から直角内側に後面壁43を張り出して備えている。これにより、表示枠40の後面側には、囲壁41よりも一回り小さな横長矩形の表示窓部40Hが形成されている。また、図5に示すように、表示窓部40Hを囲むように後面壁43の後面から矩形嵌合壁43Bが突出形成されている。そして、表示装置30は、板状になっており、矩形嵌合壁43Bの内側に嵌め込まれて外縁部が表示窓部40Hの開口縁に宛がわれ、液晶表示画面30Bが表示窓部40Hを介して前方に臨んでいる。
なお、矩形嵌合壁43Bの外側面には、側方に向かって複数のケーブル押さえ壁43Tが形成され、後面壁43とケーブル押さえ壁43Tとの間で図示しないケーブルを挟んで保持している。
図4に示すように、表示枠40のうち囲壁41の前端部には、上辺部分に上部前面壁45が備えられる一方、下辺部分に下部前面壁46が備えられている。これにより、表示枠40の上辺部分には、上部前面壁45と後面壁43と囲壁41からなりかつ下面が開放した上辺溝部40Wが形成される一方、表示枠40の下辺部分には、下部前面壁46と後面壁43と囲壁41とからなりかつ上面が開放した下辺溝部40Vが形成されている。
なお、図6に示すように、上部前面壁45及び下部前面壁46は、囲壁41及び後面壁43とを備えた枠本体部40Mに対して別部品になっている。そして、枠本体部40Mにネジにて組み付けられている。
図4に示すように、表示枠40の下辺溝部40V内には、発光基板47が設けられている。発光基板47は、下辺溝部40Vの内幅に対応した横長の帯板状をなし、その上面には複数の発光素子(図示せず)が実装されている。また、発光基板47は、基板ホルダ48(図6参照)と共に下辺溝部40Vの底部に配置されて、下辺溝部40V内の基板ホルダ48に保持されている。
基板ホルダ48は、透明な樹脂で構成され、横長帯板状の樹脂板における両端縁から下方に1対の溝形係止部(図示せず)を垂下した構造になっている。そして、それら1対の溝形係止部に、発光基板47の長手方向の両端部が前後方向から挿入されて保持され、発光基板47の上面が基板ホルダ48にて覆われている。また、基板ホルダ48は、下部前面壁46を貫通したネジにて下部前面壁46に固定されている。さらに、基板ホルダ48には、発光基板47に実装された複数の発光素子との対向部分に複数の円丘状のレンズ部48Tが備えられている。そして、複数の発光素子からの光が、レンズ部48Tを通して上方に向かうようになっている。
図4に示すように、発光基板47の下面には、コネクタ47Kが設けられている。そして、下辺溝部40Vの底壁としての囲壁41には、コネクタ47Kとの対向位置にコネクタ操作孔47Wが貫通形成され、このコネクタ操作孔47Wを通して、図示しない相手コネクタをコネクタ47Kに着脱操作することができるようになっている。
囲壁41の両側辺における前縁部の複数箇所(例えば上下2箇所ずつ)からは、両外方に向かって複数の取付壁42が張り出されている。また、囲壁41の上辺における上縁部には、内方に向かって取付壁42が張り出されている。さらに、それら取付壁42には複数のネジ孔42Nがそれぞれ形成されている。そして、ネジ孔42Nに挿通したネジを遊技板11に締め付けて表示枠40が遊技板11に固定されている。
図6には、カーテンユニット80に備えたカーテンセット50が示されている。カーテンセット50は、カーテンレール70Kに演出カーテン60,60を取り付け、さらに、それら演出カーテン60,60を電気駆動にて開閉するためのカーテン駆動機構50Kを備えている。そして、それらカーテンレール70K及びカーテン駆動機構50Kが表示枠40における上辺溝部40Wの内部に組み付けられている。詳細には、上辺溝部40Wのうち後面壁43寄り位置には、横方向に延びた内部支持板44が備えられている。また、内部支持板44から上部前面壁45に向かって複数の支柱44Sが突出しており、それら支柱44Sが上部前面壁45に突き当てられ、上部前面壁45を貫通したネジが支柱44Sに締め付けられている。
そして、図6に示すように、上部前面壁45を枠本体部40Mから離脱し、上部前面壁45と内部支持板44とを分離した状態で、それら内部支持板44と上部前面壁45との間にカーテンレール70K及びカーテン駆動機構50Kが組み付けられ、上部前面壁45と内部支持板44とをネジ止めしてから、上部前面壁45を枠本体部40Mにネジ止めして、カーテンレール70K及びカーテン駆動機構50Kが上辺溝部40W内に組み付けられている。
図10に示すように、カーテンレール70Kは、水平に延びた1対のベースレール70,70を、表示枠40(図6参照)の前後方向に対向配置して備えている。それらベースレール70,70は、互いの対向面にベース溝74(図10には、一方のベースレール70のベース溝74のみが示されている)をそれぞれ備えている。また、一方のベースレール70には、その長手方向の両端部と中央部との3箇所に突き当て突部70Tが形成されており、それら一方のベースレール70の突き当て突部70Tを他方のベースレール70に突き当てて、両ベースレール70,70の両端部が互いにネジ止めされている。また、両ベースレール70,70の中央部には、クリップ係止孔75,75がそれぞれ前後方向に貫通形成されている。そして、クリップ59がそれらクリップ係止孔75,75を貫通した状態で抜け止めされている。
これらにより、両ベースレール70,70の間で対向したベース溝74,74から本発明に係る球体ガイド溝74M(図7参照)が構成されている。即ち、両ベースレール70,70からなるカーテンレール70Kには、下方に向かって開放し、その下面開口より奥側が幅広になった球体ガイド溝74Mが備えられ、その球体ガイド溝74Mが、カーテンレール70Kの長手方向中央で2分されている。即ち、本実施形態のカーテンレール70Kには、1対の球体ガイド溝74M,74Mが備えられている。
図8には、ベースレール70の後面が示され、図9には、ベースレール70の前面が示されている。これら図8及び図9に示すように、カーテンレール70Kの前面と後面とには、それぞれスライダガイド突条71,71が形成されている。図9に示されたベースレール70の前面側のガイド突条71は、カーテンレール70Kにおける長手方向の中央より、カーテンレール70Kに前方から向かって右側のみに形成されている。そして、カーテンレール70Kの前面のうち向かって左側には、ガイド突条71の延長線上に、ガイド突条71より段付き状に前方に張り出した補強リブ71Lが形成され、その補強リブ71Lとガイド突条71との段差部分が、クローズストッパ71Aになっている。また、カーテンレール70Kの前面における右側端部にも、ガイド突条71の延長線上に、ガイド突条71より段付き状に前方に張り出した補強リブ71Lが形成されており、その補強リブ71Lとガイド突条71との段差部分がオープンストッパ71Bになっている。
カーテンレール70Kの後面においても、カーテンレール70Kに前方から向かって左側のみにガイド突条71が形成され、カーテンレール70Kの前後でガイド突条71及びクローズストッパ71A及びオープンストッパ71Bの配置が点対称になっている。
図8及び図9に示すように、カーテンレール70Kの前面のスライダガイド突条71には、駆動スライダ54Rがスライド可能に係合され、その駆動スライダ54Rと次述する連結突片54Wを除いて同形状の駆動スライダ54Lが、カーテンレール70Kの後面のスライダガイド突条71にスライド可能に係合されている。
図10に示すように、駆動スライダ54Rは、上部前面壁45(図6参照)と平行になった主板部54Aを備え、その主板部54Aからカーテンレール70K側に向けて突出した突壁54B,54Cを上下に並べて備えている。また、それら突壁54B,54Cの間のスライド係合溝54Xにスライダガイド突条71がスライド可能に係合した状態で、上部前面壁45によって駆動スライダ54Rがスライダガイド突条71から離脱しないように位置決めされている。
下側の突壁54Cからは、カーテンレール70Kの長手方向の中央に向かって下端突部54Zが突出している。そして、駆動スライダ54Rがカーテンレール70Kの長手方向の中央に移動したときに、主板部54Aと上側の突壁54Bの端面が、クローズストッパ71Aに当接して駆動スライダ54Rが位置決めされ、このとき下端突部54Zの先端面がカーテンレール70Kのうちクローズストッパ71Aの下方に備えた補助ストッパ71H(図10参照)に突き合わされる。一方、駆動スライダ54Rがカーテンレール70Kの長手方向の端部に移動したときに、主板部54Aと突壁54B,54Cの端面が、オープントッパ71Bに当接して駆動スライダ54Rが位置決めされる。
上側の突壁54Bからは上方に向かって1対の挟持壁54D,54Dが起立しており、前後方向で互いに対向している。それら挟持壁54D,54Dの対向面には、図示しない突条が前後に延びている。さらに、それら挟持壁54D,54Dのうち上部前面壁45(図6参照)と反対側に位置した挟持壁54Dからは、上部前面壁45から離れる側に向かって連結突片54Wが突出している。
前述したように、カーテンレール70Kの後面側の駆動スライダ54Lは、前記連結突片54Wを備えておらず、それ以外はカーテンレール70Kの前面側の駆動スライダ54Rと同じ構造をなしている。そして、内部支持板44(図6参照)によって駆動スライダ54Lがスライダガイド突条71から離脱しないように位置決めされている。
図9に示すように、カーテンレール70Kの長手方向の一端部上方(カーテンレール70Kに前方から向かって左側端部上方)には、駆動源支持プレート53Pが上部前面壁45と内部支持板44(図6参照)との間に差し渡されている。その駆動源支持プレート53Pの上面には、減速機53Gが取り付けられ、その減速機53Gの上面にはモータ53が取り付けられている。また、モータ53の出力回転軸(図示せず)は減速機53Gに連結され、減速機53Gの出力軸53S(図10参照)は、駆動源支持プレート53Pに形成された貫通孔を通して駆動源支持プレート53Pの下方に突出している。そして、その出力軸53Sにプーリ51Lが取り付けられている。
図9に示すように、カーテンレール70Kの長手方向の他端部上方(カーテンレール70Kに前方から向かって右側端部上方)には、固定ブロック90と可動ブロック91とが差し渡されている。その可動ブロック91は、固定ブロック90よりモータ53から離れた側の端部に配置され、カーテンレール70Kの長手方向に直動可能となるように上部前面壁45及び内部支持板44に支持されている。また、図10に示すように、可動ブロック91には、上下で対向した1対の対向壁91A,91Bが備えられ、それら対向壁91A,91Bに両端部を支持せれたシャフト93Sに、プーリ51Rが回転可能に軸支されている。そして、上記した1対のプーリ51L,51Rの間にベルト52が架け渡され、モータ53を駆動源にしてベルト52が左右任意の方向に回転する。
図9に示すように、ベルト52のうちプーリ51L,51Rを間に挟んで平行に延びた部分は、カーテンレール70Kの前後両面におけるスライダガイド突条71,71の上方に位置している。また、ベルト52のうちプーリ51L,51Rより前側で直線状に延びた部位の一部は、駆動スライダ54Rにおける挟持壁54D,54Dの間に挟持される一方、ベルト52のうちプーリ51L,51Rより後側で直線状に延びた部位の一部は、駆動スライダ54Lにおける挟持壁54D,54Dの間に挟持されている。
そして、モータ53によりプーリ51Lが一方に回転すると1対の駆動スライダ54L,54Rが、共にクローズストッパ71A,71A側に向かう一方、モータ53によりプーリ51Lが他方に回転すると、1対の駆動スライダ54L,54Rが共にオープンストッパ71B,71Bに向かうように動作する。このように、本実施形態では、1対の駆動スライダ54L,54Rの間で、それら1対の駆動スライダ54L,54Rを駆動するためのベルト52を共有したので、部品点数の削減が図られる。
図6に示すように、カーテンレール70Kのうち右側半部の上方側には、位置検出装置56Uが備えられている。図10に示すように、位置検出装置56Uは、カーテンレール70Kと平行に延びた第1補助ガイドプレート56の前側に、同じくカーテンレール70Kと平行に延びた第2補助ガイドプレート58を重ね合わせてネジ止めして備え、それら第1補助ガイドプレート56と第2補助ガイドプレート58の間に位置検出スライダ57を備えている。第1補助ガイドプレート56は、内部支持板44の前面にネジ止めされると共に、第1補助ガイドプレート56のうち第2補助ガイドプレート58との対向面には、カーテンレール70Kと平行に延びたガイド溝56Mが形成され、そのガイド溝56Mに位置検出スライダ57から突出した係合片57Tが係合している。
位置検出スライダ57の下端部は、第2補助ガイドプレート58から下方に突出しており、その突出部分から前方に向かって1対の摘み片57S,57Sが突出している。そして、摘み片57S,57Sの間に駆動スライダ54Rの連結突片54Wが挟持されている。これにより、駆動スライダ54Rと共に位置検出スライダ57が直動する。また、第1補助ガイドプレート56の長手方向の両端部には、検出基板55A,55Bが取り付けられており、それら検出基板55A,55Bにそれぞれ実装された検出スイッチ55S,55Sが実装されている。そして、各検出スイッチ55Sには、検出スリット55Mが備えられ、位置検出スライダ57が可動範囲の一端又は他端に位置すると、何れかの検出スイッチ55Sに備えた検出スリット55Mに位置検出スライダ57の係合片57Tが突入し、駆動スライダ54L,54Rがクローズストッパ71Aとの当接位置に移動したか、オープンストッパ71Bとの当接位置に移動したかを検出することができる。
図7に示すように、カーテンレール70Kに備えた1対の球体ガイド溝74M,74Mには、それぞれ例えば、10個ずつの帯形プレート62がスライド可能かつ回転可能に係合している。そして、それら球体ガイド溝74M毎に係合した10個ずつの帯形プレート62が図示しない紐部材65(本発明の「プレート連絡部材」に相当する)にそれぞれ連結されて演出カーテン60が構成され、これにより、1対の演出カーテン60,60が左右対称に備えられている。
帯形プレート62は、図12に示したベースプレート63と支持骨プレート64とを合体させてなる。支持骨プレート64は、透明で薄肉の樹脂で構成され、液晶表示画面30Bの縦長と略同じ長さの帯板状をなして上下方向に延びている。
支持骨プレート64の上方部には、支持骨プレート64の一部を支持骨プレート64の板厚方向の一方に膨出させてなる1対の係止膨出部64B,64Bがそれぞれ形成されている。また、それら係止膨出部64B,64Bの下面には、係止孔64Hが形成されている。さらに、上側の係止膨出部64Bの上面B1は、支持骨プレート64の幅方向に対して傾斜している。
一方、ベースプレート63は、上下方向に延びた帯板状をなし、その長さは、例えば、液晶表示画面30Bの縦長の半分程度になっている。また、ベースプレート63の上端寄り位置と下端寄り位置とには、それぞれベースプレート63に門形孔63A,63Aが形成されている。これにより、ベースプレート63のうち門形孔63A,63Aの下方に残された部分が、上方に突出した突片状の係止突起63T,63Tになっている。また、上側の門形孔63Aにおける上辺T1は、ベースプレート63の幅方向に対して斜めになっている。
そして、門形孔63Aの上辺T1と、上記した支持骨プレート64における係止膨出部64Bの上面B1との傾斜方向が同じになるように配置して、各門形孔63Aにおける係止突起63Tの上方に各係止膨出部64Bを受容してから支持骨プレート64をベースプレート63に対して下方にずらされる。これにより、1対の係止孔64H,64Hにベースプレート63の1対の係止突起63T,63Tが挿入されて(図12参照)、ベースプレート63と支持骨プレート64とが合体した状態になっている。
ベースプレート63の上端部における幅方向の中央からは、断面円形の棒体61Bが上方に向かって延び、その棒体61Bの上端部には球体形状の上端球体部61Aが形成されている。本実施形態では、これら棒体61Bと上端球体部61Aとから本発明に係るスライド係合部61が構成されている。そして、各ベースプレート63における上端球体部61Aが、球体ガイド溝74M(図7参照)にそれぞれ収容されている。そして、上端球体部61Aにおける前後の2箇所が球体ガイド溝74Mを構成する1対のベース溝74,74にそれぞれ受容され、棒体61Bが球体ガイド溝74Mの下面開口から下方に垂下された状態になっている。これにより、帯形プレート62群が、ベース溝74に対してスライド可能かつ回転可能になってカーテンレール70Kから吊り下げられ、各演出カーテン60,60が各球体ガイド溝74M,74Mに案内されて伸縮される。
それら各演出カーテン60,60を自動で開閉するために、各演出カーテン60に備えた帯形プレート62群のうちカーテンレール70Kの長手方向の端部側に配置された帯形プレート62は、図7に示すように、各球体ガイド溝74Mの一端部にスライド不能に固定されている。具体的には、各球体ガイド溝74Mの一端寄り位置には、球体ガイド溝74Mの下面開口を横切る規制壁74Zが備えられ、球体ガイド溝74Mの端部壁と規制壁74Zとの間に各演出カーテン60の一端の帯形プレート62における棒体61Bが配置されている。なお、その帯形プレート62は、球体ガイド溝74Mに対してスライド不能ではあるが、回転は可能になっている。
また、カーテンレール70Kに向かって左側に配置された演出カーテン60における帯形プレート62群のうちカーテンレール70Kの長手方向の中央側に配置された帯形プレート62は、駆動スライダ54Lに連結されている。そのために、駆動スライダ54Lには、図10に示すように、カーテンレール70Kの下方においてそのカーテンレール70Kの幅方向の中央に向かって突出した1対の連結突部54J,54Pが備えられている。それら1対の連結突部54J,54Pは、駆動スライダ54Lの直動方向に間隔をあけて設けられると共に、上下にずれた配置になっている。そして、1対の連結突部54J,54Pの間に、上記した帯形プレート62の棒体61Bが配置されて、帯形プレート62が駆動スライダ54Lに連結されている。
右側の演出カーテン60における帯形プレート62群のうち、カーテンレール70Kの長手方向の中央側に配置された帯形プレート62も同様にして、駆動スライダ54Rに連結されている。これにより、各演出カーテン60,60は、一端部を固定端としてカーテンレール70Kの長手方向の両端部に固定される一方、他端部を可動端として駆動スライダ54L,54Rに固定された構造になっている。また、図4に示すように、両演出カーテン60,60は、それらの下端部が表示枠40における下辺溝部40V内に受容された状態になっている。そして、発光基板47によって、演出カーテン60,60に下方から光を照射することが可能になっている。
演出カーテン60,60は、モータ53を駆動源とした駆動スライダ54L,54Rの直動により伸縮される。即ち、演出カーテン60,60は、カーテンレール70Kにおける可動範囲の全体に亘って10個ずつ計20個の帯形プレート62を分散配置して液晶表示画面30Bを前方から覆う展開状態(図2参照)と、カーテンレール70Kの両端に帯形プレート62を10個ずつ纏めて液晶表示画面30Bを視認可能とする折畳状態(図1及び図3参照)とに変更される。
折畳状態にしたときには、帯形プレート62同士が板厚方向を液晶表示画面30Bの横方向に向けて重ね合わされ、展開状態にしたときには、各帯形プレート62の板厚方向が折畳状態に比べて液晶表示画面30Bの前後方向側を向くように構成されている。そして、表示枠40の下端に形成された溝が本発明の「カーテン下端部ガイド」に相当し、演出カーテン60,60の下端部を受容し、演出カーテン60,60が、液晶表示画面30Bの前後方向に動くことを規制する。また、液晶表示画面30Bの下方向から照明することにより、豪華な演出を提供することができるとともに、演出カーテン60,60の下部が透明なフィルム形状の支持骨プレート64によって構成されているので、光がフィルムを通過して、趣向性に長けた演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、上記したベルト52とプーリ51L,51R及び駆動スライダ54L,54Rが本発明の「伝達機構」に相当する。また、スライド係合部61が本発明の「移動係合部」に相当し、帯形プレート62が本発明の「隠蔽部」に相当し、本発明の「隠蔽部材」を構成している。演出カーテン60,60は、本発明の「可動隠蔽装置」に相当し、展開状態が本発明の「第1状態」、折畳状態が本発明の「第2状態」に相当する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、上記構成からなる本実施形態の作用・効果を説明する。パチンコ遊技機10は、遊技を実行していない状態では、例えば、演出カーテン60,60は液晶表示画面30Bの両側部に折畳状態になっている。これにより、液晶表示画面30Bに表示された待ち受け画像が視認可能になっている。
遊技者が操作ノブ28を操作して遊技を開始すると、遊技球が遊技領域R1に打ち込まれる。そして、それら遊技球の一部が始動入賞口14に入球して液晶表示画面30B上の特別図柄31A,31B,31Cが変動し、それらの停止図柄から大当たりが確定すると、例えば、演出カーテン60,60が折畳状態から展開状態に移行して、液晶表示画面30B全体が演出カーテン60,60によって隠される。また、演出カーテン60が展開状態になったことは、検出基板55Aの検出スイッチ55S(図10参照)によって確認することができる。
大入賞口15が開いた大当たり遊技が開始されると、発光基板47からの光が演出カーテン60,60に照射されて豪華な雰囲気を演出しつつ、演出カーテン60,60が左右に分かれるようにして徐々に開かれ、液晶表示画面30Bが横方向の中央から徐々に露出されていく。このとき、液晶表示画面30Bには、例えば、歌謡ステージの中央にお辞儀をした状態の歌手が映され、演出カーテン60,60が開かれるにしたがって、その全貌が明らかになっていく。また、演出カーテン60,60を開く過程で、各帯形プレート62の板厚方向が液晶表示画面30Bの前後方向を向いた状態から横方向を向いた状態に移行していき、各演出カーテン60における蛇腹の山も変化し、各演出カーテン60が折り畳まれていく。
ここで、各演出カーテン60は、各帯形プレート62から上方に突出した棒体61Bの上端の上端球体部61Aを、カーテンレール70Kにおける球体ガイド溝74Mに係合した構造になっているので、スムーズにスライド及び回転し、演出カーテン60,60の展開状態と折畳状態との間の変更がスムーズに行われる。また、演出カーテン60,60の下端部は、表示枠40の下辺溝部40Vに受容されているので、カーテンレール70Kから離れた演出カーテン60,60の下端部を、安定して展開状態と折畳状態とに変更される。そして、演出カーテン60,60が折畳状態になると、そのことが検出基板55Bの検出スイッチ55S(図10参照)によって確認され、例えば、液晶表示画面30Bに映された歌手が顔を上げて歌い始める。これにより、大当たり遊技中に遊技者を楽しませることができる。
大当たり遊技が終了すると、例えば、一度、演出カーテン60,60を閉じてから、再び開かれる。そして、液晶表示画面30Bに表示された画面には、歌謡ステージとは異なる画像が映され、通常の遊技状態になる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、カーテンレール70Kに吊り下げた1対の演出カーテン60,60を展開状態と折畳状態とに変更して、液晶表示画面30Bの露出状態を変更することができる。また、演出カーテン60,60を展開状態と折畳状態とに変更すると、その演出カーテン60,60を構成する帯形プレート62群がカーテンレール70Kに対してスライドしながら回転して板厚方向の向きを変え、演出カーテン60,60全体の形状が変化する。これにより、本実施形態では、一定形状の引き戸形カバーをスライド移動する従来の遊技機と異なり、新鮮な演出にて液晶表示画面30Bの露出状態を変更することができる。また、演出カーテン60,60に下方向から光が照射されることで、豪華な演出を提供することができる。また、帯形プレート62は、支持骨プレート64とベースプレート63とを合体してなるので、例えば、紐部材65に支持骨プレート64を連結してから、各支持骨プレート64を各ベースプレート63に係合することができ、組み付け性においても優れている。
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)図13に示すように、前記実施形態における駆動スライダ54L,54Rの連結突部54J,54Pに係合する帯形プレート62Vを、中心が折れ曲がる形状にしてもよい。そして、演出カーテン60,60の展開状態では帯形プレート62Vが真っ直ぐになり(図13(A)参照)、展開状態から折畳状態へ変化するとき及び折畳状態になったときに、帯形プレート62Vの中心が移動方向に突出して折れ曲がって(図13(B)参照)演出カーテンの上下方向の中心が絞られるようにしてもよい。
(2)帯形プレート62Vが、折れ曲がったり真っ直ぐになったりするように、規制部材66を備えてもよい(図13参照)。
(3)前記実施形態では、各々1対の演出カーテン60,60及び駆動スライダ54L,54Rを左右に配置し、演出カーテン60,60が、両端から中心に向かって移動して液晶表示画面30Bを隠蔽する構成にしているが、例えば、演出カーテン60を一方のみにし、液晶表示画面30Bの半分のみを隠蔽する構成でもよい。また、1枚の演出カーテン60が、端から端へ移動して、液晶表示画面30Bの全てを隠蔽する構成にしてもよい。