JP4278054B2 - 感震器 - Google Patents

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Description

本発明は感震器に係り、特に、振動を感知するための感震部を揺動可能に吊り下げてなる感震器の構造に関する。
一般に、地震などの振動を感知する感震器は、ガスメータ、石油ストーブ、エレベータ、化学プラントなどの各種機器や装置に取り付けられている。この種の感震器としては、支持体に対して揺動自在に吊り下げられた感震部を備え、振動が感震部にて感知されると、所定の信号を出力するように構成される。ここで、感震器は感震部の自動調心機能を備えており、支持体が各種機器や装置に固定されたとき、支持体の取付姿勢に拘らず常に感震部が垂直に吊り下げられた状態となるように構成されている。これは、設置場所や設置状態に影響を受けずに感震部の姿勢を常に一定とすることにより、感震部の感度を一定に保つためである。また、感震器は感震部の制振機能を備えており、感震部の被制動部分がダンパー部によって制動された状態となっている。これによって感震部自体の振動が抑制され、地震等の振動を感震部の内部で確実に検出できるように構成される。
従来の感震器としては、感震部において球体を転動可能に収容したケース体を備えた球体方式の感震器(例えば、以下の特許文献1又は2参照)があり、この種の感震器では、地震等の振動を受けることによって球体がケース体内にて転動し、これによってスイッチが閉成するようになっている。また、感震部において基体に振り子を揺動自在に吊り下げてなる振り子方式の感震器(例えば、以下の特許文献3乃至5参照)もあり、この種の感震器では、地震等の振動を受けることによって振り子が揺動し、基体と振り子の基部との相対的位置関係の変化によりスイッチが閉成するようになっている。
上記のいずれの方式の感震器においても、感震部を垂直姿勢に保つための自動調心機能と、感震部の振動を抑制する制振機能とを両立させる必要があり、このために種々の工夫がなされてきた。例えば、支持体に対して感震部を球面で回動自在に軸支することによって自動調心機能を確保し、また、オイルなどの粘性液体を収容したダンパー部を設けることによって制振機能を確保した構造が一般的である。また、ダンパー部では、粘性液体の内部に吊り下げ軸に接続された制振体を配置する構造(以下の特許文献1又は2)が多いが、このような構造では、ダンパー部の内部に吊り下げ軸を導入する必要があるため、ダンパー部における吊り下げ軸の導入部分のシール性を確保することが難しく、耐久性やメンテナンス性に欠けるという問題点があった。
一方、可撓性薄膜で画成される制動空間内にオイルなどの粘性流体を収容し、可撓性薄膜の外面に感震部の一部(被制動部分)を当接させた状態とすることで、制振機能を確保しつつ、粘性流体のシールを容易にし、耐久性やメンテナンス性も向上させることのできる構造(以下の特許文献3乃至5)がいくつか提案されている。これらの構造ではダンパー部の内部に吊り下げ軸を導入する必要がないので、オイル漏れなどのシール不良の恐れが低減されるという利点がある。
実公平6−7332号公報 特開2002−174548号公報 特開平3−261831号公報 特開平4−116426号公報 特開平4−122822号公報
しかしながら、前述の如く、単に可撓性薄膜の外面に感震部の被制動部分を当接させた構造(特許文献3及び5)では、粘性液体のシール性には問題が生じないものの、被制動部分が可撓性薄膜の外部にて制動されるに過ぎないため、感震部の制振効果を充分に得ることができないという問題点がある。すなわち、水まくらの外面に被制動部分を当接させているようなものであり、粘性液体の粘性自体による本来のダンパー効果を充分に得ることができないということである。
一方、特許文献4においては、粘性液体を収容する可撓性薄膜を挟むようにその内外に円盤状制振部材と円盤状可動部材を配し、この円盤状制振部材の中央部には、ケースの頂部内面に形成された凹状球面部に摺動可能に嵌合される球面部が設けられた構造を採用している。これによって、感震部が振動しようとすると、円盤状可動部材に接続されたベースの振動が抑制されるようになっている。しかしながら、この構造でも、円盤状可動部材が可撓性薄膜及び円盤状制振部材を介してケースの頂部内面に形成された凹状球面部に摺動可能に支持されていることにより、可撓性薄膜に収容された粘性液体と円盤状制振部材とが常にほぼ同じ方向に傾動することから、粘性液体内において円盤状制振部材が粘性液体により受ける制動力は僅かであり、また、ケースの頂部内面と、円盤状制振部材及び可撓性薄膜との摺接抵抗により円盤状可動部材の自動調心機能が制約を受けるので、自動調心機能と制振機能のバランスを得ることが難しいという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、可撓性薄膜によって画成された制動空間内に制動用流動体が収容されてなるダンパー部を備えた感震器において、制動用流動体のシールが容易で、かつ、充分な制振効果を得ることができる感震器の構造を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の感震器は、支持体と、該支持体に対して揺動可能に吊り下げられた感震部と、該感震部の被制動部分を制動して前記感震部の振動を抑制するダンパー部とを具備する感震器において、前記ダンパー部は、少なくとも一部が可撓性薄膜によって画成された制動空間と、該制動空間内に収容された制動用流動体と、前記制動空間内に配置された制振体とを有し、前記可撓性薄膜は、その外面の中央に前記制動空間内に向けて凹状に構成された凹入部を有し、前記被制動部分は前記凹入部に嵌合して前記可撓性薄膜の外面に常に当接した状態とされ、前記制振体は、前記凹入部の内面上に当該内面以外には位置規制されない状態で配置され、前記凹入部の内面上から周囲に張り出した周縁部を有することを特徴とする。
この発明によれば、ダンパー部においては、少なくとも一部が可撓性薄膜により画成された制動空間内に制動用流動体が収容され、感震部の被制動部分が可撓性薄膜の外面に常に当接した状態となっているので、制動空間内に被制動部分を導入する部分が不要であることから、制動用流動体の密閉性を容易に確保することができる。また、支持体に対して感震部が揺動すると、その被制動部分が可撓性薄膜の凹入部を変形させ、これにより、凹入部の内面上に配置された制振体も移動する。このとき、制振体は凹入部の内面以外には位置規制されていないため、凹入部の変形とともに制振体が制動用流動体内を移動し、しかも、制振体の周縁部は凹入部の内面上から張り出しているので、周縁部が制動用流動体から有効に制動力を受ける。さらに、凹入部の内面以外には制振体が位置規制を受けないので、感震部の揺動時において生ずる摺動抵抗を低減できる。したがって、感震部の自動調心機能を確保しつつ、感震部の制振効果を充分に得ることができる。なお、この場合において、制振体は可撓性薄膜における凹入部の内面に固着されていてもよく、或いは、後述するように離反可能な状態で密接しているだけであってもよい。
本発明において、前記制振体が前記凹入部の内面に対し移動可能な状態で密接配置されていることが好ましい。これによれば、凹入部の内面に対して制振体が移動可能な状態で密接配置されていることにより、可撓性薄膜と制振体とを接着したり融着したりする必要がなくなるので、製造の手間とコストを低減できる。また、過剰な外力を受けたときには可撓性薄膜と制振体とが相互に離反できるため、可撓性薄膜の損傷を防止することができる。
また、別の感震器は、支持体と、該支持体に対して揺動可能に吊り下げられた感震部と、該感震部の被制動部分を制動して前記感震部の振動を抑制するダンパー部とを具備する感震器において、前記ダンパー部は、少なくとも一部が可撓性薄膜によって画成された制動空間と、該制動空間内に収容された制動用流動体と、前記制動空間内に配置された制振体とを有し、前記可撓性薄膜は、その外面の中央に前記制動空間内に向けて凹状に構成された凹入部を有し、前記被制動部分は前記凹入部に嵌合して前記可撓性薄膜の外面に常に当接した状態とされ、前記制振体は、前記凹入部の内面に対し移動可能な状態で密接配置され、前記凹入部の内面上から周囲に張り出した周縁部を有することを特徴とする。
この発明によれば、ダンパー部においては、少なくとも一部が可撓性薄膜により画成された制動空間内に制動用流動体が収容され、感震部の被制動部分が可撓性薄膜の外面に常に当接した状態となっているので、制動空間内に被制動部分を導入する部分が不要であることから、制動用流動体の密閉性を容易に確保することができる。また、支持体に対して感震部が揺動すると、その被制動部分が可撓性薄膜の凹入部を変形させ、これにより、凹入部の内面上に配置された制振体も移動する。このとき、制振体は凹入部の内面に対して移動可能な状態で密接配置されているため、凹入部の変形とともに制振体が制動用流動体内を移動することが可能であり、しかも、制振体の周縁部は凹入部の内面上から張り出しているので、周縁部が制動用流動体から有効に制動力を受けるように構成できる。さらに、凹入部の内面上で制振体が移動可能に配置されているので、感震部の揺動時において生ずる摺動抵抗を低減できる。したがって、感震部の自動調心機能を確保しつつ、感震部の制振効果を充分に得ることができる。その上、過剰な外力を受けたときには可撓性薄膜に対して制振体が相互に移動できるため、可撓性薄膜の損傷を防止することができる。なお、この場合において、制振体は、次に述べるように粘性液体の表面張力によって凹入部の内面に密接していてもよいが、粘性流体の表面張力にはよらず、例えば制振体の自重などによって凹入部の内面に対して移動可能な状態で密接していても構わない。
本発明において、前記制動用流動体は粘性液体であり、該粘性液体の表面張力により前記制振体が前記凹入部の内面に密接していることが好ましい。これによれば、粘性液体の表面張力により制振体が凹入部の内面に密接することで、製造時において特別な配慮を行わなくても、大きな外力を受けない限り制振体が凹入部の内面上に配置され、当該内面から離反することのないように構成でき、しかも、制振体が凹入部に対して移動可能な状態とすることができる。
本発明において、前記制振体は、前記凹入部の内面上から離反する方向に突出する突起部を備えていることが好ましい。これによれば、制振体が凹入部の内面上から離反する方向に突出する突起部を備えていることにより、当該突起部を押しやることによって制振体を凹入部の内面に押し付けることができるため、製造時において容易にダンパー部を構成することが可能になる。また、この突起部は、感震器が大きな外力を受けた場合などにおいて、制振体が凹入部の内面上から離反して、例えば、凹入部の反対側において制動空間を画成している(たとえば蓋体などの)内面部分に密着するといったことを防止し、制振体を凹入部の内面上に保持する機能をも有している。さらに、上記の突起部は、上記の周縁部と同様に、感震部の被制動部分が移動したときに制動用流動体内で制動力を受ける部分としても機能しうるので、感震部の制振効果を高めることが可能になる。
本発明によれば、感震部の制振効果を得るためのダンパー部における制動用流動体のシールが容易で、かつ、充分な制振効果を得ることができる感震器の構造を提供できるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は、本実施形態の感震器100の主要部の構成を示す概略構成縦断面図である。この感震器100は、ガスメータや燃焼装置などの各種部位に取り付けられて地震などの外来振動を感知するものであり、支持体110と、この支持体110に対して揺動可能に吊り下げられた感震部120と、この感震部120の被制動部分122bを制動して感震部110の振動を抑制するダンパー部130とを具備する。
支持体110は、図示しない取付構造によって上記各種部位に取付固定されるようになっている。また、支持体110は、感震部120を収容する容器状に構成される(すなわち、外部ケースとして構成される)ことがより望ましい。支持体110には、支持部材111と、この支持部材111に固定された容器状の支持ケース112とが設けられている。支持ケース112は、下部開口112aと、上部開口112bとを有する。図示例では、支持ケース112の下部開口112aはケース底面の中央に穿設された円形孔である。また、支持ケース112の上部はほぼ全体が開放されて上部開口112bとなっている。
感震部120は、上部枠121及びこれに接続された容器123によって構成される感震ケース構造を有し、この感震ケース構造の内部に、転動可能に配置された感震球124が収容されている。感震球124の上方には、感震ケース構造に固定された支持枠125が設けられ、この支持枠125に対し上方に移動可能に係合した保持板126により複数の連動球127が保持されている。これらの連動球127の上方には第1電極128及び第2電極129が順次に配置されている。なお、第1電極128は感震ケース構造の外部に突出した第1端子128aを備え、第2電極129は感震ケース構造の外部に突出した第2端子129aを備えている。なお、容器123の下部には錘123xが固定されている。
また、感震部120の上部には吊り下げ軸122が固定されている。吊り下げ軸122の中間部分には球面状の摺動部122aが形成され、この摺動部122aは、上記支持ケース112の下部開口112aに摺動自在に係合している。また、吊り下げ軸112の上部には、ダンパー部130に当接する被制動部分112bが設けられている。さらに、吊り下げ軸122の下部122cは、上記の感震ケース構造の上部枠121にネジ止め、圧入、融着などの適宜の方法によって固定されている。
ダンパー部130は、上記支持ケース112の内部に配置される可撓性薄膜131と、この可撓性薄膜131の外縁を支持部110に固定する固定部材132と、可撓性薄膜131とともに制動空間Sを画成する蓋体133と、制動空間S内に収容される制動用流動体134と、制動空間S内において制動用流動体134中に配置される制振体135とを有する。
可撓性薄膜131はゴムや軟質樹脂材料などの可撓性材料で構成され、外縁シール部131aと、その内側において下方に袋状に伸びる外周部131bと、中央に構成され、外周部131bの内側において制動空間側へ凹状に構成された凹入部131cとを備えている。外縁シール部131aはその他の部分よりも厚肉に構成され、支持部材111、支持ケース112、及び、固定部材132に対して気密に接続されている。より具体的には、支持ケース112の上部開口112bの開口縁と支持部材111との嵌合部には環状の溝112cが構成され、この溝112cに対して外縁シール部131aが係合し、この外縁シール部131aを上方から固定部材132が押付固定することにより、外縁シール部131aと支持部110との気密性が確保されている。
可撓性薄膜131における外縁シール部131aの内側部分は、基本的には下方に伸びて容器状に構成されている。ただし、当該部分の底部中央には、上方に向けて凹状に構成された上記凹入部131cが構成されている。この凹入部131cには、下方から上記吊り下げ軸122の上端部、すなわち被制動部分122bが嵌合し、これによって可撓性薄膜131の外面に被制動部分122bが常に当接した状態となっている。ここで、可撓性薄膜131は、凹入部131cの凹形状が自立的に維持される態様に構成され、この凹形状に被制動部分122bが圧入されることで、凹入部131cと被制動部分122bとが完全に一体化された状態となっていることが好ましい。この場合、可撓性薄膜131(特にその外周部131b)は、被制動部分122bが移動したときに、弾性復元力がきわめて小さくなるように高い可撓性を有するように構成されていることが望ましい。通常は、可撓性薄膜131を合成ゴムなどの可撓性の高い素材で構成し、上記外縁シール部131a以外の部分を0.05〜0.2mm程度のきわめて薄いものとする。これは、感震部120に対する自動調心機能(すなわち、支持体110の姿勢に拘らず感震部120を自動的に垂直姿勢に維持する機能)を上記弾性復元力が阻害するからである。
蓋体133は、固定部材132に圧入されることによって制動空間Sを密閉できるように構成されている。実際には、可撓性薄膜131の内部に制動用流動体134及び制振体135を収容した後に蓋体133を固定部材132に圧入し、制動空間Sが気密に構成されるようにする。
制動用流動体134は、オイルなどの粘性液体の他に、制動作用を呈する各種の流体、粉体などの各種の流動体で構成することができる。特に、充分な流動性及び粘性を有するものを容易に入手できるという点で、シリコーンオイルなどの粘性液体を用いることが好ましい。
制振体135は、金属、合成樹脂などの任意の素材で構成できる。制振体135は、凹入部131cの内面上に配置される板状部135aと、この板状部135aの中央から上方へ突出する突起部135bとを備えている。板状部135aは可撓性薄膜131の凹入部131cの内面上から周囲に張り出した周縁部を備えている。すなわち、板状部135aは、凹入部131cよりも平面的に広い範囲を覆うように大きく構成されている。
制振体135は、凹入部131cの内面上に配置され、しかも、当該内面以外には位置規制を受けない状態とされる。すなわち、制振体131cは、感震部120の予定されている揺動角度範囲においては、凹入部131cの内面以外の他の部材(図示例では可撓性薄膜131の他の内面部分や蓋体133)には接触しない状態とされる。例えば、突起部135bの先端は蓋体133の内面に接触していない。もちろん、制振体135は制動用流動体134には接触しているが、この制動用流動体134は、その流動性により制振体135を位置規制しない。
本実施形態では、制動用流動体134としてオイルなどの粘性液体が用いられ、この粘性液体の表面張力によって制振体135が凹入部131cの内面に密接した状態とされている。すなわち、凹入部131cの内面と制振体135の下面との間の圧力が周囲の粘性液体の液体圧より低い場合には粘性液体が入り込もうとするが、当該粘性液体の表面張力によってその入り込みが妨げられるので、凹入部131cの内面と制振体135の下面の圧力は周囲よりも低くなり、これによって制振体135が凹入部131c上から自力では離反することができなくなり、密接した状態となる。ただし、制振体135は外力などによって移動可能な状態にある。
なお、上記のように制振体135が凹入部131cの内面以外には位置規制されない状態にあるならば、制振体135は凹入部131cの内面上に接着や溶着などによって固着されていても構わない。一方、上記のように制振体135が凹入部131cの内面上に密接して配置されているが、外力などによって移動可能な状態にある場合には、制振体135の一部が可撓性薄膜131の凹入部131c以外の内面部分や蓋体133などに位置規制されていても構わない。また、この場合において、制振体135は、粘性液体の表面張力にはよらず、例えば制振体135の自重などによって凹入部131cの内面に対して移動可能な状態で密接していても構わない。
図2(a)は、本実施形態の支持体110、感震部120及びダンパー部130の係合部分の構造、すなわち、感震部120の吊り下げ構造を示す分解斜視図である。本実施形態では、支持部材111の開口部111a、支持ケース112、吊り下げ軸122、可撓性薄膜131、蓋体133、及び、制振体135はすべて軸線を中心とする回転体形状を有し、かつ、同軸に配置されている。特に、吊り下げ軸122の摺動部122a及び支持ケース112の下部開口112aが軸線を中心とする回転体形状を有することにより、感震部120は支持体110に対して全ての方位に向けて同様の揺動抵抗を示すように構成され、また、可撓性薄膜131及び制振体135が軸線を中心とする回転体形状を有することにより、感震部120は支持体110に対して全ての方位に向けて同等の制動力を有するように構成される。
図2(b)は、上記実施形態とは異なる構成例の構造を、図2(a)と対比した状態で示す。この構成例では、支持ケース112′の上部開口112b′に対して蓋体133′が直接嵌合するように構成されている。そして、支持部材111′は支持ケース112′のみに取付固定されるように構成されている。具体的には、支持ケース112′の外周に形成された段部112d′に支持部材111′の開口部111aを係合させた状態で固定する。ここで、この構成例において、他の部材、すなわち、吊り下げ軸122、可撓性薄膜131、制振体135は全て上記実施形態と同様であるので、図2(b)においては図示を省略してある。この構成例では、上部開口112b′の開口縁に環状の溝112c′が独立して(すなわち支持部材111′と組み合わされなくても存在するように)形成され、この溝112c′に上記可撓性薄膜131の外縁シール部131aが圧入される。そして、この外部シール部131aは、上記蓋体133′を支持ケース112′の上部開口112b′に嵌合させたときに蓋体133′から締付力を受けた状態とされることにより、気密に固定される。
この構成例では、支持部材111′とは無関係に支持ケース112′と蓋体133′とを嵌合させてダンパー部130を完成させることができるので、制動用流動体を密封してダンパー部130を完成させるまでの組み込み部品点数や組立作業数が少なくなることから、組立作業や工程管理が容易になるという利点がある。
次に、上記感震器100の作用効果について説明する。本実施形態では、地震などにより外来振動が到達すると、感震部120内の感震球124が転動し、この感震球124により連動球127が上方に移動し、第1電極128を上方へ押し上げるので、第1電極128が第2電極129に接触し、両者が短絡するので、第1端子128aと第2端子129aに接続された所定の検出回路により振動を検知することが可能になる。
本実施形態においては、支持体110に対して感震部120が揺動可能に吊り下げられているので、支持体110が図1に示す水平姿勢に対して、ある程度の範囲であれば所定の傾斜角度を有する姿勢で設置された場合でも、図3に示すように、支持体110に対して上記傾斜角度θだけ感震部120が傾動することにより、感震部120の垂直姿勢が保たれる。このとき、吊り下げ軸122の摺動部122aは球面状の摺動面を有し、この摺動面が支持体110の支持ケース112の下部開口112aの開口縁に対して摺動自在に係合しているため、感震部120の揺動中心は上記摺動部122aの摺動面の曲率中心と一致する。したがって、感震部120の揺動中心は基本的に常に一定位置にあり、その結果、上記の被制動部分122bもまたその揺動中心を中心に回動することになる。
ダンパー部130と上記揺動中心との位置関係は本来任意であり、感震部120の揺動に伴って上記の被制動部分122b及び凹入部131cは種々の回動動作を行う。例えば、図示例の場合、図3に示すように、揺動中心Pは可撓性薄膜131の底部よりも更に下方に配置されているので、上記の被制動部分122b及び凹入部131cは、感震部120の揺動とともに左右に傾動する。このとき、本実施形態では、被制動部分122bが可撓性薄膜131の中央の凹入部131cに嵌合しているので、従来のように可撓性薄膜131を内外で挟み込むなどといった構成を採らなくても、被制動部分122bと可撓性薄膜131との一体性が維持され、被制動部分122bの動作を確実に凹入部131cに伝えることができる。
また、本実施形態では、制動空間S内に配置された制振体135が凹入部131cの内面以外に位置規制を受けない状態となっているので、上記の凹入部131cの動作を、この凹入部131cの内面上に配置された制振体135にも確実に伝えることができる。したがって、制振体135が制動空間S内において制動用流動体134から充分な制動力を受けるように動作させることが可能になるから、感震部120に対する制振効果を充分に得ることができる。さらに、上記のように制振体135の位置規制が被制動部分122bに制動力を伝えるだけの最小限に留められているために、摺動部122bの摺動を妨げにくくなることから、感震部120の自動調心機能を高めることができるという利点もある。
さらに、本実施形態では、可撓性薄膜131によってその少なくとも一部が画成された制動空間Sが密閉され、感震部120の被制動部分122bが可撓性薄膜131を介して制動力を受けるように構成されているので、被制動部分122bを制動空間Sの内部に導入する必要がなく、その結果、制動空間Sに対する導入部のシール性が問題になることもない。したがって、制動用流動体134のシールを容易に行うことができるため、製造が容易になり、しかも耐久性が向上するなどといった効果が得られる。
本実施形態において、制振体135は、制動用流動体134である粘性液体の表面張力によって凹入部131cの内面上に密接されているので、可撓性薄膜131を介して確実に被制動部分122bを制動できる。また、上記の構成により、大きな外力が加わったときに、それによって感震部120が想定範囲を越える揺動角を有することとなった場合などにおいて、制振体135と可撓性薄膜131とが相互に離反できるため、可撓性薄膜131の損傷を防止できる。特に、本実施形態では、制振体135が凹入部131cの内面以外には位置規制されていない状態にあるため、揺動角が想定角度範囲を越えていても、或る程度の角度以下であれば、制振体135が他の部分に接触するといったことは生じない。
なお、図3に点線で示すように、蓋133の内面の中央に凹状部を設け、感震部120が揺動したときに制振体135の突起部135bに接触することを避けるように構成されていることが望ましい。このようにすると、感震部120の姿勢が変化しても、制動空間S内の制振体135の制動状態が変化しにくくなり、安定した制振効果を得ることができるようになる。
尚、本発明の感震器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態では感震部120は球体方式の感震構造を有するが、感震部が振り子構造となっていても構わない。
本発明に係る感震器の実施形態の主要部を示す概略縦断面図。 同実施形態の吊り下げ部分の分解斜視図(a)及び他の構成例の分解斜視図(b)。 同実施形態のダンパー部の拡大部分縦断面図。
100…感震器、110…支持体、111…支持部材、112…支持ケース、112a…下部開口、112b…上部開口、120…感震部、121…上部枠、122…吊り下げ軸、122a…摺動部、122b…被制動部分、130…ダンパー部、131…可撓性薄膜、131a…外縁シール部、131b…外周部、131c…凹入部、132…固定部材、133…蓋体

Claims (5)

  1. 支持体と、該支持体に対して揺動可能に吊り下げられた感震部と、該感震部の被制動部分を制動して前記感震部の振動を抑制するダンパー部とを具備する感震器において、
    前記ダンパー部は、少なくとも一部が可撓性薄膜によって画成された制動空間と、該制動空間内に収容された制動用流動体と、前記制動空間内に配置された制振体とを有し、
    前記可撓性薄膜は、その外面の中央に前記制動空間内に向けて凹状に構成された凹入部を有し、
    前記被制動部分は、前記凹入部に嵌合して前記可撓性薄膜の外面に常に当接した状態とされ、
    前記制振体は、前記凹入部の内面上に当該内面以外には位置規制されない状態で固着され、前記凹入部の内面上から周囲に張り出した周縁部を有することを特徴とする感震器。
  2. 支持体と、該支持体に対して揺動可能に吊り下げられた感震部と、該感震部の被制動部分を制動して前記感震部の振動を抑制するダンパー部とを具備する感震器において、
    前記ダンパー部は、少なくとも一部が可撓性薄膜によって画成された制動空間と、該制動空間内に収容された粘性流体で構成される制動用流動体と、前記制動空間内に配置された制振体とを有し、
    前記可撓性薄膜は、その外面の中央に前記制動空間内に向けて凹状に構成された凹入部を有し、
    前記被制動部分は、前記凹入部に嵌合して前記可撓性薄膜の外面に常に当接した状態とされ、
    前記制振体は、前記凹入部の内面に対し移動可能な状態で密接配置され、前記凹入部の内面上から周囲に張り出した周縁部を有し、
    前記制振体が前記凹入部の内面に対し前記制動用流動体の表面張力により密接していることを特徴とする感震器。
  3. 支持体と、該支持体に対して揺動可能に吊り下げられた感震部と、該感震部の被制動部分を制動して前記感震部の振動を抑制するダンパー部とを具備する感震器において、
    前記ダンパー部は、少なくとも一部が可撓性薄膜によって画成された制動空間と、該制動空間内に収容された制動用流動体と、前記制動空間内に配置された制振体とを有し、
    前記可撓性薄膜は、その外面の中央に前記制動空間内に向けて凹状に構成された凹入部を有し、
    前記被制動部分は、前記凹入部に嵌合して前記可撓性薄膜の外面に常に当接した状態とされ、
    前記制動体は、前記凹入部の内面に対し移動可能な状態で密接配置され、前記凹入部の内面上から周囲に張り出した周縁部を有し、
    前記制動体が前記凹入部の内面に対し自重により密接していることを特徴とする感震器。
  4. 前記制振体は前記凹入部の内面以外には位置規制されない状態で当該内面上に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の感震器。
  5. 前記制振体は、前記凹入部の内面上から離反する方向に突出する突起部を備えていることを特徴とする請求項乃至4のいずれか一項に記載の感震器。
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