JP2002372097A - 気体ばね式除振装置 - Google Patents
気体ばね式除振装置Info
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Abstract
支持体の荷重を支持するようにした気体ばね式除振装置
において、ロードディスク22を支持するサポートロッ
ド23の下端部とこれを枢支するウエルスラグ20との
間の位置ずれを防止して、そのことによる水平方向の微
小な位置ずれを実質的に解消する。 【課題手段】 ロードディスク22を支持するサポート
ロッド23の下端部に鋼球24を配設する一方、ピスト
ン本体13から下方に延びるピストンウエル18の底部
にウエルスラグ20を配設し、これによりサポートロッ
ド23の鋼球24を転動自在に当接支持する。サポート
ロッド23の下端側からウエルスラグ20に亘って、鋼
球24を覆うようにゴム弾性体からなる保持部材25を
形成して、加硫接着する。保持部材25の外周に水平方
向全周の溝部25aを設ける。
Description
や精密計測装置等を床振動から略絶縁した状態で設置す
るために、それらの荷重を気体ばねを介して支持するよ
うにした除振装置に関し、特に、気体ばねのピストンに
ジンバル機構を組み込んだもの(以下、ジンバルピスト
ンともいう)において空気圧の低下時等に発生する水平
方向の微小な位置ずれの対策に係る。
えば特公昭62−7409号公報に開示されるように、
ダイヤフラム形の空気ばねを使用した除振装置のピスト
ンにジンバル機構を組み込んで、被支持体と床との間の
水平方向変位をピストンの揺動に変換することにより、
水平方向のばね特性を非常に柔らかな特性としたものが
知られている。このような除振装置では、図8に概略構
成を示すように、空気ばねのピストンaを円盤状のロー
ドディスクb(荷重受部材)とその下方に位置する円筒
状のピストン本体cとに分割し、このピストン本体cの
外周をゴムのダイヤフラムd(可撓性部材)により保持
するとともに、そのピストン本体cの底部に下方に延出
する延出部c1を設けて、前記ロードディスクbから下
方に垂下するサポートロッドe(支持柱)をダイヤフラ
ムdよりも下方に位置するピストン本体cの延出部c1
の底部においてピボット支持している。
ドディスクb、サポートロッドe及びピストン本体cが
一体的に空気ばねにより支持されて、上下方向振動の固
有振動数(系に固有の共振周波数)が例えば約1Hzく
らいと極めて低くなることから、広い周波数領域に亘っ
て優れた除振効果が得られるとともに(図4参照)、水
平方向の振動に対しては、ピストン本体cを保持するダ
イヤフラムdが該ピストン本体cを挟んでそれぞれ上下
にうねるように撓むことで、同図に矢印で示すようにピ
ストン本体cが揺動し、これにより振動の吸収がなされ
ることになる。この際、前記したように、サポートロッ
ドeを介してのロードディスクbの支持点がピストン本
体cのダイヤフラムdによる保持位置よりもずっと低い
位置にあることで、ロードディスクbの水平方向変位に
対するダイヤフラムdのばね特性は非常に柔らかなもの
となり、その固有振動数が上下方向と同様に十分に低く
なって、優れた除振効果が得られるものである(図5参
照)。
前記従来例のようなジンバルピストンを用いた気体ばね
では、図9(a)にも示すように、サポートロッドeの下
端部に埋設した鋼球fをピストン本体cの延出部c1の
底部において転動自在に支承するという構造なので、該
サポートロッドeの下端側に位置決めのためのゴム弾性
リングgを取り付けていても、それだけでは微小な位置
ずれの発生を防止し得ないという不具合がある。
に空気ばねの空気を抜いたときや、或いは何らかの事情
で空気ばねの圧力が低下したときに、同図(b)に示すよ
うにピストン本体cが降下すると、サポートロッドeの
下端の鋼球fはピストン延出部c1の底部から離間する
ことになり、こうなると、その後に空気圧が回復してピ
ストン本体cが上昇し、再び同図(a)に示す状態に復帰
したとしても、鋼球fの位置は厳密には元に戻ることは
なく、極く僅かな(例えば100μmくらい)位置ずれ
が発生する。そして、その結果としてロードディスクb
の位置が極く僅かにずれることが、例えばサブミクロン
の精度を要求する半導体製造設備等を搭載する場合に問
題となる虞れがある。
であり、その目的とするところは、気体ばね式除振装置
においてジンバルピストンを用いる場合に、該ピストン
の荷重受部材の支持柱をピストン本体部材に対して支持
する部分の構造に工夫を凝らし、その荷重受部材の微小
な位置ずれを実質的に解消することにある。
に、本発明の解決手段では、ピストンの荷重受部材の支
持柱をピストン本体部材の下方延出部の底部に枢支する
構造において、両者のいずれか一方に球面状の突出部
を、また、他方に当接受部をそれぞれ設けて、該突出部
及び当接受部を互いにゴム弾性体により連結するものと
した。
の荷重を支持するピストンをケース部材上面の開口部に
内挿して、該ピストンの下端面をケース部材の内部の気
体室に臨ませるとともに、該ピストンの外周から前記開
口部の周縁まで環状の可撓性部材により閉塞して、前記
被支持体の荷重を弾性的に支持する気体ばねを構成した
気体ばね式除振装置を対象とする。そして、前記ピスト
ンを、被支持体の荷重を受ける荷重受部材と、この荷重
受部材の下方に離間して前記可撓性部材が連結された筒
状のピストン本体部材とからなるものとし、そのうちの
荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部材の
中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延びる支
持柱を設ける一方、ピストン本体部材には、その下端面
の内周側から前記支持柱を囲むように略鉛直下方に向か
って延びる有底筒状の下方延出部を設けて、この下方延
出部の底部において前記支持柱の下端部を枢支させる。
そして、前記支持柱の下端部又は前記下方延出部の底部
のいずれかに球面をなす突出部を設ける一方、他方には
該突出部が転動自在に当接する当接受部を設け、かつ該
突出部及び当接受部を互いにゴム弾性体により連結して
なるものとする。
式除振装置では、まず、従来例のものと同様に、ピスト
ンが気体ばねにより支持されていることで、上下方向の
振動に対して広い周波数領域に亘る優れた除振効果が得
られるとともに、水平方向の振動に対しても、ピストン
本体部材の揺動によってばね特性が非常に柔らかなもの
となることで、上下方向と同様の優れた除振効果が得ら
れる。
際に、荷重受部材を支持する支持柱の下端部とこれを枢
支するピストン本体部材の下方延出部の底部との間で、
球面状の突出部と当接受部とによるスムーズな転動運動
が行われることになり、これにより、前記の水平方向の
除振効果を十分に得ることができる。
ゴム弾性体により連結されているため、何らかの理由で
気体室の圧力が低下して、ピストン本体部材が降下した
としても、前記突出部と当接受部とが離間することがな
くなり、従って、両者の位置ずれに起因する荷重受部材
の位置ずれを実質的に解消することができる。尚、その
ように突出部と当接受部とをゴム弾性体により連結して
も、そのことが前記したピストン本体部材の揺動に大き
な悪影響を及ぼすことはない。
端部に設ける一方、当接受部はピストン本体部材の下方
延出部の底部上面に設け、さらに、ゴム弾性体を前記支
持柱の下端側から当接受部に亘って、前記突出部を覆う
ように形成するものとする。このことで、突出部を覆う
ように支持柱の下端側から当接受部に亘って形成された
ゴム弾性体によって、該突出部及び当接受部の位置ずれ
が確実に防止されて、請求項1の発明の作用効果が十分
に得られる。
けるゴム弾性体の外周に、水平方向の全周に亘って溝部
を形成するものとする。こうすることで、ゴム弾性体
は、突出部全体を覆うように形成されていても、極めて
容易に撓んで水平方向の全方向に曲がり変形するように
なるから、ゴム弾性体がピストン本体部材の揺動運動に
及ぼす影響をさらに軽減できる。
けるゴム弾性体を、支持柱の下端側、突出部及び当接受
部に加硫接着するものとする。こうすることで、ゴム弾
性体の形成が容易に行えるようになり、製造コストも低
減できる。
いて、突出部の下端縁部と当接受部との間の所定範囲
を、非接着部とするものとする。こうすれば、突出部と
当接受部との間の転動運動が一層、スムーズに行えるよ
うになり、ゴム弾性体がピストン本体部材の揺動運動に
及ぼす影響を極小化できる。
基いて説明する。
を使用した精密除振台Aの一例を示し、この精密除振台
Aは、例えば、図示しない半導体検査装置や電子顕微
鏡、光学式計測装置等の精密機器を搭載して、それらの
機器を床からの振動と略絶縁した状態で設置するための
ものである。すなわち、前記精密除振台Aの概略構成
は、図示の如く、床面に設置される下側構造部1と、そ
の下側構造部1の上面の4隅にそれぞれ配設された空気
ばね式のアイソレータ2,2,…(除振装置)と、該4
つのアイソレータ2,2,…の上部に搭載された搭載盤
3とからなる。
部材を概ね直方体形状となるように櫓組みしたものであ
り、それぞれ上下方向に延びる4本の脚部4,4,…
と、その隣接する2本の脚部4,4同士を下端側で連結
するように水平方向に延びる下梁部5,5,…と、それ
ら4本の脚部4,4,…の上端側外周を囲んで平面視で
略矩形の枠状となるように配置され、それぞれ内側面が
脚部4,4,…の外側面に接合されるとともに、上面が
該脚部4,4,…の上端面と同一平面上に位置付けられ
た上梁部6,6,…とからなる。そして、前記各脚部4
の上端面からその外側を囲む上梁部6,6の上面に亘っ
て、水平板7,7,…が配設されていて、この各水平板
7上にそれぞれアイソレータ2が配設されている。ま
た、下側構造部1の長手方向に延びる2つの下梁部5,
5の下面には、移動用のキャスター8,8,…が2つず
つ配設されるとともに、各脚部4の下端面にはそれぞれ
高さ調整用のレベラー9,9,…が配設されている。
2は、図2に詳細を示すように、基本的には従来例(特
公昭62−7409号公報)のものと同様の構成を有
し、ダイヤフラム形空気ばねのピストンにジンバル機構
を組み込んで、水平方向のばね特性を非常に柔らかな特
性としたものである。詳しくは、アイソレータ2のケー
シング11(ケース部材)は、高さ寸法が横幅よりも大
きい四角柱状とされ、鋼製厚板からなる周壁部11aの
下端に同じく鋼製の底板11bが接合される一方、同様
に周壁部11aの上端に接合された鋼製天板11cの略
中央部には、鉛直方向の軸線Zと略直交する円形の開口
部12が形成されている。
12には、ドーナツ状のピストン本体13が内挿されて
いる。このピストン本体13はアルミニウム合金製であ
り、断面円形の中心孔13aが軸線Zに沿って上下方向
に貫通する一方、外周の下側約半分には下端側に向かっ
て僅かに縮径するテーパ面13bが形成されている。そ
して、該ピストン本体13の下端面13cから外周側の
テーパ面13bを覆ってさらに外周側に延び、そこから
開口部12の周縁までを閉塞するように、環状のダイヤ
フラム14が配設されている。すなわち、前記ダイヤフ
ラム14及びピストン本体13によりケーシング11の
上端開口部12が閉塞されて、空気室15が区画されて
おり、該ピストン本体13の下端面13cが該空気室1
5に臨んでその空気圧を受けることで、主に上下方向の
荷重を支持するように空気ばねが構成されている。
維の織物を補強材として埋設したゴム弾性膜からなり、
図3に仮想線で示すように一旦、中心部分に丸穴が空い
たハット状に形成した後に、そのハットの周壁部分を途
中で湾曲させて下方に折り返すようにして、同図に実線
で示す深皿形状としたものである。すなわち、ダイヤフ
ラム14は、ハットの鍔の部分に相当する外周フランジ
部14aの内周端縁に連続して、上方に凸に湾曲する環
状ロール部14bが形成され、このロール部14bの内
周端縁部が前記外周フランジ部14aよりも下方まで延
びていて、そこからさらに内周側に向かって、前記の丸
穴を囲むように内周フランジ部14cが形成されてい
る。
ラム14の内周フランジ部14cがピストン本体13の
下端面13cに接着されて、その下方からワッシャ16
によりピストン本体13に対して強固に圧着されてい
る。一方、ダイヤフラム14の外周フランジ部14a
は、ケーシング11の天板11cの上面に接着されてい
て、その上部に配設された締付けリング17が図示しな
いボルトにより天板11cに締結されることで、該締付
けリング17と天板11cとにより強固に挟持されてい
る。
ラム14は、環状ロール部14bがピストン本体13と
締付けリング17との間で上下にうねるように大きく撓
むことにより、ピストン本体13の上下方向の変位に対
して大きな可撓性を有し、また、ピストン本体13を挟
む左右両側のロール部14bがそれぞれ上下方向の反対
の向きに撓むことによって、ピストン本体13が水平方
向の軸の周りに容易に揺動するようになっている(図6
参照)。一方、ダイヤフラム14はピストン本体13の
水平方向の変位に対しては可撓性が極めて小さいため、
該ピストン13は水平方向には殆ど変位しないことにな
る。
は、その内周側から略鉛直下方に延びるように円筒状の
ピストンウエル18が取付けられている。このピストン
ウエル18は、ピストン本体13と同じアルミ合金製又
は銅製であり、その上端部がやや縮径されて、ピストン
本体13の中心孔13aに螺入される縮径部18aとさ
れている。そして、この縮径部18aの外周に螺設され
た雄ネジが中心孔13bの内周に螺設された雌ねじと螺
合することにより、ピストンウエル18の上端側がワッ
シャ16と共にピストン本体13に対して締結されてい
る。また、前記ピストンウエル18の中空部18bの上
端はピストン本体13の中心孔13aに連通し、一方、
該中空部18bの下端は円盤状のキャップ19により閉
止されている。
びキャップ9によって、ピストン本体13の下端面の内
周側から下方に向かって延びる有底円筒状の下方延出部
が構成されている。そして、前記キャップ19の上面に
は、それよりもやや小径で厚肉の円盤形状を有する鋼製
のウエルスラグ20が接合されて、ボルト21,21に
よりキャップ19に締結されており、このキャップ19
及びウエルスラグ20がピストンウエル18の底部とな
っている。尚、前記ウエルスラグ20の上面は、表面硬
度を高めるための焼き入れ処理が施されている。
被支持体である搭載盤3及び搭載機器の荷重を上方から
受けるように、円盤状のロードディスク22がピストン
本体13から離間して配置されている。このロードディ
スク22の直径はピストン本体13の外径よりも大き
く、締付けリング17の外径と略同じとされており、前
記図2に示すように空気室15に適度の空気圧が供給さ
れている状態では、ロードディスク22の下面外周側
は、下方の締付けリング17と離間しかつこの締付けリ
ング17の上面と対向した状態になる。
は、上下方向に延びるサポートロッド23(支持柱)の
上端部が結合され、このサポートロッド23がピストン
本体13の中心孔13a及びピストンウエル18の中空
部18bを貫通して略鉛直下方に延びていて、その下端
部がピストンウエル18の底部に枢支されている。すな
わち、サポートロッド23の下端部には相対的に小径の
縮径部23aが形成され、この縮径部23a先端面(サ
ポートロッド23の下端面)に開口する凹部に鋼球24
が収容されていて、その鋼球24の下側部分(球面状の
突出部)がサポートロッド23の下端から突出して、前
記ウエルスラグ20の上面に転動自在に当接している。
ートロッド23を介してピストンウエル18の底部、即
ちピストン本体13に対して、水平方向の任意の軸の周
りに回動自在に支持されている。
明の特徴部分として、前記サポートロッド23の縮径部
23aの外周からウエルスラグ20の外周までを覆うよ
うに、ゴム弾性体からなる保持部材25を配設してい
る。この保持部材25は、例えばフッ素ゴムを主成分と
するもので、前記サポートロッド23の縮径部23aの
外周から鋼球24を覆い、さらにウエルスラグ20の上
面から外周面全体を覆うように、それら縮径部23a外
周、鋼球24及びウエルスラグ20に一体に加硫接着さ
れて、それらを連結している。
縮径部23a上端から下方に向かって徐々に拡径し、ピ
ストンウエル18の中空部18aの内周に全周で密着し
ながら下方に延びる略円柱状とされている。さらに、該
保持部材25の外周には、水平方向から見て、サポート
ロッド23の縮径部23aの下端部に重なるように、即
ちサポートロッド23の縮径部23aの下端部に相当す
る上下方向位置において水平方向全周に亘る環状の溝部
25aが形成されている。この溝部25aが形成されて
いることで、保持部材25は極めて容易に撓んで、水平
方向の全方向に曲がり変形するようになる(図6参
照)。
ウエル18の外周から略水平に拡がるように設けられた
鍔状の部材であり、また、符号27は、前記鍔状の部材
26の所定距離上方に離間するようにケーシング11の
周壁部11a内側に固定された規制部材である。この規
制部材27の下面と鍔状の部材26の上面とが当接する
ことによって、ピストンの過度の上下動が規制される。
給排通路であって、図示しないが、空気パイプにより空
気のリザーバタンクに接続されていて、このリザーバタ
ンクと空気室15との間で空気の給排をするものであ
る。該空気パイプの途中には、空気の流通抵抗によって
空気圧の変動を減衰させるオリフィスや、空気室15か
ら大気中へ空気を排出するためのバルブ等が配設されて
いる。
は、ロードディスク22やピストン本体13等からなる
ジンバルピストンが空気ばねにより支持されていて、そ
の非常に柔らかな上下方向のばね特性によって搭載盤3
上の機器に対する床からの上下方向振動を略絶縁するこ
とができる。すなわち、このアイソレータ2における上
下方向の振動伝達率は、例えば図4に示すようなものと
なり、空気ばねの特性として固有振動数が略0.7〜
1.5Hzと極めて低い周波数域に現れるとともに、そ
れ以上の広い周波数域に亘って優れた除振性能の得られ
ることが分かる。
ジンバルピストンの動作を示すように、ロードディスク
22及びサポートロッド23が水平方向に変位すると、
ピストン本体13がダイヤフラム14により保持されつ
つ、水平方向の任意の軸(図例では紙面に垂直な軸)の
周りに揺動し、これにより振動が吸収されることにな
る。この際、ピストン本体13のダイヤフラム14によ
る保持位置よりも、サポートロッド23の下端部がウエ
ルスラグ20に支持されている位置の方がずっと低い位
置にあることで、ダイヤフラム14のばね特性が非常に
柔らかなものとなり、このことで、水平方向の除振性能
も例えば図5に示すように、上下方向と同様の優れたも
のとなる。
めに空気室15から空気を抜いたときや、或いは何らか
の事情で空気室15の圧力が低下したときには、図7に
示すようにピストン本体13が降下し、ロードディスク
22の下面外周側が締付けリング17の上面に当接し
て、該締付けリング17を介してケーシング11に支持
される状態になる。このとき、ピストン本体13やピス
トンウエル18は直接には支持されない状態になるが、
サポートロッド23の下端側とピストンウエル18の底
部のウエルスラグ20とが保持部材25により連結され
ているから、該サポートロッド23下端の鋼球24がウ
エルスラグ20から離間することはない。このため、そ
の後、空気室15の圧力が回復してピストン本体13が
上昇し、再び前記図2に示す状態に復帰したとき、鋼球
24のウエルスラグ20に対する相対位置は厳密に元に
戻ることになり、両者の間には位置ずれは生じない。
台Aによれば、まず、従来例(特公昭62−7409号
公報)のものと同様に、空気ばねにジンバルピストンを
用いたことで、上下及び水平方向の振動について広い周
波数領域に亘る優れた除振効果が得られるようになる。
ードディスク22を支持するサポートロッド23の下端
部を、保持部材25によってウエルスラグ20に連結す
る構造としたので、空気圧の低下時等にピストンが降下
しても、サポートロッド23とピストンウエル18、即
ちピストン本体13との間で位置ずれが発生することを
防止することができ、前記従来例のようなロードディス
ク22の微小な位置ずれを実質的に解消することができ
る。
より形成しかつ外周に溝部25aを設けたので、この保
持部材25は極めて容易に撓んで水平方向の全方向に曲
がり変形できるようになり、従って、この保持部材25
を設けたことはピストン本体13の揺動運動に殆ど悪い
影響を及ぼさない。
ド23の下端部から鋼球24及びウエルスラグ20にか
けて加硫接着するようにしているので、これらの部材を
一体として先に加硫接着した上で、ピストンウエル18
に組み付けるようにすれば、その組み付け作業も容易に
行えて、製造コストも低減できる。
記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の
構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態の
アイソレータ2では、サポートロッド23の下端部に鋼
球24を配設し、これをウエルスラグ20により転動自
在に当接支持するようにしているが、これに限らず、ピ
ストンウエル18の底部に球面をなす突出部を設けて、
これをサポートロッド23の下端面と当接させるように
してもよい。
23下端の鋼球24とウエルスラグ20とを連結するた
めに、それら全部にゴム弾性体の保持部材25を加硫接
着しているが、必ずしも全部を接着する必要はなく。例
えば鋼球24の下端部とウエルスラグ20との間の所定
範囲を非接着状態とすることも可能である。このように
すれば、鋼球24とウエルスラグ20との間の転動運動
が一層、スムーズなものとなり、保持部材25がピスト
ン本体13の揺動運動に及ぼす影響を極小化できる。
形態のものに限定されず、例えば、上下方向の空気ばね
以外に水平方向の空気ばねを備えるものであってもよ
い。また、空気ばねの代わりに、例えば窒素ガス等を充
填した気体ばねを用いることも可能である。
ータ2を用いて除振台Aを構成するようにしているが、
このような除振台に限らず、例えば、半導体製造装置等
の防振支持のために、それらの装置に合わせて専用に設
計した搭載盤を3〜4本のアイソレータ(除振装置)に
より支持する構成としたり、或いは、クリーンルームの
グレーチング床へ埋め込む可動床を同様にアイソレータ
により支持する構成とすることもできる。
に係る空気ばね式除振装置によると、ジンバルピストン
を介して気体ばねにより被支持体の荷重を支持するよう
にした気体ばね式除振装置において、該ピストンの荷重
受部材を支持する支持柱と、ピストン本体部材の下方延
出部の底部とのいずれかに球面状の突出部を、他方に当
接受部をそれぞれ設けて、該突出部及び当接受部を互い
にゴム弾性体により連結する構造とすることで、ピスト
ンの揺動運動に大きな影響を及ぼすことなく、気体圧の
低下時等にも前記突出部と当接受部との間の位置ずれを
防止して、このときのピストンの荷重受部材と本体部材
との間の微小な位置ずれを実質的に解消することができ
る。
支持柱の下端側から当接受部に亘って突出部を覆うよう
に形成することで、突出部及び当接受部の位置ずれを確
実に防止して、請求項1の発明の効果を十分に得ること
ができる。
平方向の溝部によって極めて容易に撓ませて曲がり変形
させることができ、これにより、ピストン本体部材の揺
動運動に及ぼす影響をさらに軽減して、水平方向の除振
性能を向上できる。
持柱の下端側、突出部及び当接受部に加硫接着すること
で、その形成が容易に行えて製造コストも低減できる。
部と当接受部との間の所定範囲を非接着状態とすること
で、ゴム弾性体がピストン本体部材の揺動運動に及ぼす
影響を極小化できる。
成を示す斜視図である。
対する取付け構造を示す分解斜視図である。
を示すグラフ図である。
を示すグラフ図である。
2相当である。
図2相当図である。
タの模式図である。
態(b)とを対比して示す図8相当図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 被支持体の荷重を支持するピストンをケ
ース部材上面の開口部に内挿して、該ピストンの下端面
をケース部材の内部の気体室に臨ませるとともに、該ピ
ストンの外周から前記開口部の周縁まで環状の可撓性部
材により閉塞して、前記被支持体の荷重を弾性的に支持
する気体ばねを構成した気体ばね式除振装置であって、 前記ピストンは、被支持体の荷重を受ける荷重受部材
と、この荷重受部材の下方に離間して前記可撓性部材が
連結された筒状のピストン本体部材とからなり、 前記荷重受部材には、その下部から前記ピストン本体部
材の中心孔を貫通するように略鉛直下方に向かって延び
る支持柱が設けられている一方、 前記ピストン本体部材には、その下端面の内周側から前
記支持柱を囲むように略鉛直下方に向かって延びる有底
筒状の下方延出部が設けられていて、該下方延出部の底
部において前記支持柱の下端部が枢支されており、 前記支持柱の下端部又は前記下方延出部の底部のいずれ
かに球面をなす突出部が設けられる一方、他方には該突
出部が転動自在に当接する当接受部が設けられ、かつ該
突出部及び当接受部が互いにゴム弾性体により連結され
てなることを特徴とする気体ばね式除振装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 突出部が支持柱の下端部に設けられる一方、当接受部
は、ピストン本体部材の下方延出部の底部に設けられ、 ゴム弾性体は、前記支持柱の下端側から当接受部に亘っ
て、前記突出部を覆うように形成されていることを特徴
とする気体ばね式除振装置。 - 【請求項3】 請求項2において、 ゴム弾性体の外周には、水平方向の全周に亘って溝部が
形成されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。 - 【請求項4】 請求項2において、 ゴム弾性体は、支持柱の下端側、突出部及び当接受部に
加硫接着されていることを特徴とする気体ばね式除振装
置。 - 【請求項5】 請求項4において、 突出部の下端縁部と当接受部との間の所定範囲が非接着
状態とされていることを特徴とする気体ばね式除振装
置。
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