JP4424473B2 - 防振装置及びこれを用いた防振対象装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高い防振効果が必要とされる光ディスク製造装置、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、特殊な光学系実験装置や回転機構を有するオーディオ装置、ビデオ装置など防振対象装置に用いて好適な防振装置及びこれを用いた防振対象装置に関する。
図5に示すように、防振を必要とする防振対象装置1は、通常、防振装置10を介して大地に設置される。防振装置10は大地より伝播する外乱としての機械振動を何らかの方法で吸収または遮断して防振対象装置1への振動を限りなくゼロに近づけることが要求される。
防振装置には大きく分けてアクティブ型とパッシブ型に分けることができるが、一般的にアクティブ型は高い防振効果が期待できる反面、非常に高価であり、大規模な装置が必要となるため、特殊な光学系実験、光ディスク製造装置、半導体設備など、その用途は限定されている。逆にパッシブ型は安価ではあるが、防振効果には或る程度の限界があるため、高い制振レベルを要求される場合には他の防振装置との組み合わせが必要であった。パッシブ型にはエアコンディショナーの台座などによく見られるようなゴム或いはスプリングなどの緩衝材により振動を自らが吸収し、制振する構造部材により振動を吸収するタイプが一般的である。
しかし、焼結合金のような減衰効果のある高剛性材料を用いて振動を遮断するする防振装置も少数ではあるが音響製品用などに存在する。この防振装置20は、図6に示したように、高剛性部材である円錐型スパイク21と台座22との接触を限りなく点接触に近付けたものが使われるようになってきた。この高剛性剛部材を用いる場合、大地との接触部分をできるだけ点に近い状態で接触させ、その部分で伝播する振動を遮断するが、接触部分はできるだけ点に近くすることにより高い防振効果が期待できる。
しかし、この防振装置20は防振対象装置自体の重量が重い場合、自重により円錐型スパイク21の先端が変形し、実際には点接触としての効果が期待できなくなってくる。このため音響製品でよく見られる三角錐型スパイクは、たとえ先端部分を焼入れすることにより剛性を高めても、非常にミクロに見れば自重により台座22受け面23と面接触または線接触に近い状態にあり、その効果には疑問がある。
そこで一般工業用部品として安価に入手可能な市販の硬球を用い、簡単な機械構造でほぼ理想的な状態の点接触を実現することができる防振装置が使われている。その数例を挙げるならば、先ず、図7に示したような鋼球を用いた防振装置30が特開平5−203404に開示されている。この公開特許公報における防振装置30は、走査プローブ顕微鏡などの防振装置に用いられており、プローブPを有するプローブヘッドPHのハウジングHが3点接触脚を構成する3個の鋼球31に支持されている。これらの鋼球31はハウジングHの下端面に形成されている凹部Haに収容されている。そしてこれらの鋼球31は台座32の水平な座面33に点接触状態で当接している。またハウジングHは鋼球31に支持されていると共に板バネ34を介して固定台Bに固定されている。
また、図8に示す鋼球を用いた第2の従来技術の防振装置40は、特開2002−276725に開示されているもので、エンジンマウント機構に適用されている。この防振装置40は、エンジンEの振動を車体Bdに出来るだけ伝達されないように、エンジンEを支持するように配設されていて、マウントブラケットBrに溶接された上面板41と下面板42との間に介在するゴム43とからなるラバーマウント44がプレート45の上面にねじ止めされ、プレート45の下面にボルト46で固定されている上面体47と車体Bdに固定されている下面体48と、これらの間に介在する鋼球49と中空の鼓状ゴム50とからなる鋼球入りゴムマウント51とから構成されている。
この防振装置40は、プレート45に設けられた孔に嵌合離脱可能なピン先52を有するソレノイドピン53を備えている。
ラバーマウント44のゴム43は、エンジンEの重量による静荷重による歪み量が余り大きくならないように比較的堅いゴムが使用されており、エンジンEからの上下方向と横方向の振動の両方に対しても効果的に振動を低減する。
鋼球入りゴムマウント51の鋼球49では、上面体47と下面体48との間に弱い剪断力が掛かった場合でも、両者は若干(約8mm程度)剪断方向に相対変位出来るので、エンジンEのロール軸周りの振動を特に効果的に低減する。このように前記防振装置40は構成されている。
前記従来技術の2例は、何れも鋼球が平面に接する構造のものであるが、図9に示したように、鋼球を受ける台座の座面が鋼球の半径よりも大なる半径で湾曲面で構成されていて、鋼球を回転自在に当接させた構造の防振装置が特開平9−296847に開示されている。
この防振装置60は家具や構造物Fuと床Fとの間に設置することにより地震が発生し、床Fが振動しても、家具や構造物Fuに振動が伝達されないように構成されているもので、曲率半径rの窪み球面の座面を備えた受皿61に鋼球62が当接し、この鋼球62が受皿61の座面を転動する。この鋼球62をボールベアリング64を介して支える鋼球保持器63は家具や構造物Fuの底部に取り付けられ、受皿61は床Fに取り付けられており、受皿61と鋼球保持器63とは自由に相対的に移動できる構造となっている。地震が発生しない常時は受皿61と鋼球保持器63とは電磁ストッパーSにより固定されている。
特開平5−203404(第4頁、図2) 特開2002−276725(第3〜4頁、図1) 特開平9−296847(第3頁、図1)
しかし、前記[特許文献1](特開平5−203404)及び前記[特許文献2](特開2002−276725)の課題は、鋼球が平面上を自由に転げる構造であることから、鋼球の位置決めを行うための特別な位置決め手段を必要とする。例えば、[特許文献2]では、図8に示したチューブ状のゴム50が必要である。
また、前記[特許文献3](特開平9−296847)の防振装置60は一見本発明の構成に似ているが、この防振装置60における鋼球62も自由に回動するものであり、点接触による振動遮断を一切用いていない。そして位置決め装置として電磁ストッパーSが必要とされている。また、鋼球保持器63で半球状に配列したボールベアリング64を介して鋼球62を保持する構造は製作上非常に困難なものである。
更に、これら従来技術の防振装置30、40、60はそれぞれの台座32、下面体48、受皿61側が固定され、鋼球31、49、62より上方側が移動する構造で構成されている。
そして本発明の防振装置は、下面中央部に凹部が形成され、該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座の前記座ぐり面の周りの平面と同一面を形成する平面を備え、前記台座が埋め込まれ、そして前記鋼球に対して可動するベースとを備えて構成されている。そして前記ベースの前記平面に、前記台座を取り囲むように前記鋼球の前記露出部が落ち込める大きさの滑り止め凹溝を形成しておくことが好ましい。
また、本発明の第2の防振装置は、下面の外周部に鍔が、中央部に凹部が形成され、そして該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とが収容できる凹部が形成され、そして前記鋼球に対して可動するベースと、該ベースの前記凹部に前記台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とを収容した状態で前記鍔部分の上面を抑えている抜け防止プレートを備えて構成されている。
何れの防振装置の台座も焼き入れしたステンレス鋼のような鋼材が好ましく、ベースは砲金のような減衰効果のある鋼材であることが望ましい。
更に、本発明の防振対象装置は、下面中央部に凹部が形成され、該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座の前記座ぐり面の周りの平面と同一面を形成する平面を備え、前記台座が埋め込まれ、そして前記鋼球に対して可動するベースとを備えた防振装置が少なくとも3個、前記取付ネジで底面に取り付けられて防振対策が採られていることを特徴とする。
そして更に、本発明の防振対象装置は、下面の外周部に鍔が、中央部に凹部が形成され、そして該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とが埋め込まれる凹部が形成され、そして前記鋼球に対して可動するベースと、該ベースの前記凹部に前記台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とを埋め込んだ状態で前記鍔部分の上面を抑えている抜け防止プレートを備えた防振装置が少なくとも3個、前記取付ネジで底面に取り付けられて防振対策が採られていることを特徴とする。
防振対象装置は前記取付ネジを回動させることにより高さを調節できる。
本発明の防振装置によれば、
1.硬球は一切回転せず、かつ平面上を動くこともなく、鋼球支持部材に対して圧入され 、完全にその動きは拘束されていることから防振効果の高い点接触によるパッシブ型の 防振装置を構築することができ、微小振動の高周波振動を防振することができる
2.従来技術の防振装置に見られた振幅の大きい低周波の振動は従来のゴムやばねを利用 したパッシブ型の防振装置で十分対処できる
3.硬球を鋼球支持部材に圧入するだけなので製造工程も非常に単純になり、比較的安価 に製造できる。従って、民生用のオーディオ、ビデオ機器などにも十分に使用可能とな る
など、数々の優れた効果が得られる。
先ず、本発明の防振装置の原理を図を用いて説明する。
図1は本発明の防振装置の原理図で断面図で示した。この防振装置100は一個の鋼球110と、その鋼球110の曲率半径rより僅かに大なる曲率半径Rの座ぐり面121が形成されている台座120とから構成されており、そして鋼球110を圧入などの回転できない状態で防振対象装置130の底面に取り付けられていて、その鋼球110は台座120の座ぐり面121に点接触させた構造を採っている。
従って、硬球110は一切回転せず、かつ平面上を動くことでもなく、防振対象装置に対して固定され、その動きを完全に拘束して硬球110の自由度を完全になくしてしまっていることから、点接触により伝播経路を限りなく最小化しているため振動を遮断でき、微小振動の外乱でも防振することができる。なお、振幅の大きい低周波の振動は従来のゴムやばねを利用したパッシブ型の防振装置で十分対処できる。
以下、図を用いて、前記原理を適用した本発明の実施例を説明する。
図2は本発明の第1実施例の防振装置を取り付けた状態の本発明の第1実施例の一部の防振対象装置の断面側面、そして図3は図2に示した防振装置及びこの防振装置を備えた防振対象装置の断面側面図である。
図2において、符号200は本発明の第1実施例の防振装置を、そして符号250は本発明の第1実施例の防振対象装置を指す。この防振装置200は防振対象装置250のハウジング251の底面の、例えば、四隅に、防振装置200の上部に形成されている雄ネジ222をねじ込んで取り付けられている。
防振装置200は鋼球210、鋼球支持部材220、台座230、ベース240から構成されている。
鋼球210は一般に市販されているものでよく、大きさは、例えば、直径が7mm程度である。
鋼球支持部材220は円盤形をしており、その下面は中央部で下方に膨出した構造で形成されている。その下面の中央部には鋼球210を、例えば、圧入できる大きさの断面が円形の凹部221が形成されている。その深さは鋼球210の半径に相当する深さかやや深い深さである。そしてその凹部221に鋼球210が圧入されている。鋼球210と鋼球支持部材220との接合方法は圧入方法の他に一般的な機械的接続で十分であるが、硬球210の圧入方法が一般的である。鋼球支持部材220の上面の前記凹部221の上方には、その上面に対して垂直に雄ネジ222が植設されている。この雄ネジ222のねじ込み量によって防振対象装置250の水平度が出される。なお、符号223は凹部221に通じるエアー抜き孔を指す。
鋼球支持部材220の直径は28mm程度、厚みはその最も厚い中央部で12.5mm程度であり、雄ネジ222の直径は6mm程度、その長さは14mm程度である。
台座230には焼入れしたステンレス鋼の円柱状鋼材が用いられている。この台座230の表面には、図1に示したように、鋼球210の曲率半径rよりもやや大なる曲率半径Rの座ぐり面121が形成されている。その詳細な説明は重複説明を避けるために省略する。台座230の直径は、例えば、12mm程度である。厚さは取り扱い易い、或いは、製作し易い適当な厚みでよい。座ぐり面121の深さは、例えば、1.5mm程度である。
ベース240は、例えば、砲金の鋼材で円盤状に形成されており、その水平な上面中央部に凹部231が形成されている。この凹部231の直径及び深さは前記の台座230が圧入でき、台座230の上面水平面とベース240の上面水平面とが同一の水平な平面を形成される寸法の大きさである。前記台座230はこのベース240の凹部231に圧入されている。そしてベース240の上面の凹部231の外周部に一条のV字型にカットされた滑り止め凹溝232が形成されている。この滑り止め凹溝232は防振対象装置250が大きく振動して鋼球210が台座230の座ぐり面(図1の符号121に相当する部分)から外れた時に、鋼球210がこの滑り止め溝232に落ち込んで、この滑り止め溝232でこれ以上の移動ができないようにするために設けてあるものである。ベース240の直径は74mm程度、厚みは32mm程度である。なお、符号233は凹部231に通じるエアー抜き孔を指す。
本実施例における防振対象装置250は前記のような構造の防振装置200を防振対象装置250のハウジング251の底面の四隅に取り付けられて具備している。取り付けに当たっては雄ネジ222をハウジング251の底面に予め形成されている雌ねじの穴にねじ込んで雄ネジ222がほぼ垂直になるようにして鋼球支持部材220を装着する。台座230自身は床F上に固定せずに鋼球210の直下に配設する。防振対象装置250の水平度は鋼球支持部材220を回動し、雄ネジ222のねじ込み量を調節することにより確保できる。
台座230自身を固定せず、ただ鋼球210の直下に設置することにより、台座230は防振対象装置250自身の自重で硬球210の中心軸上に移動して(台座230が床Fなどの設置面上を移動して)最適な位置に固定されることになる。
また、通常、硬球210を圧入する鋼球支持部材220は防振対象装置250とは別部品として作製され、図3に示すように、雄ネジ222を設けて防振対象装置250に垂直に取り付けることになるが、ネジによる結合は一般的に完全な垂直ではなく、或る一定の傾き、例えば、約5度傾いた角度をもって固定されるものである。そのような場合にも、本発明は台座230側の半球状の座ぐり面(図1の符号121に相当する面)の曲率半径Rは硬球210の半径rよりも僅かに大きいため、取り付けにおける角度誤差をも吸収して理想的な点接触を実現できる。
以上説明したような構造で構成された本実施例の防振装置200及び防振対象装置250は、鋼球210が座ぐり面(図1の符号121に相当する面)に点接触していることから高周波振動エネルギーの通路が極めて狭くなり、前記のような高周波振動はこれらの接点で遮断され、防振対象装置250の方には伝達されることはない。高周波振動としては、例えば、床F上に設置されたオーディオ用スピーカが出す高周波振動などがあり、このような高周波振動が床Fを通じて台座230に伝達されるような場合が考えられる。
次に、図4を用いて、本発明の第2実施例の防振装置及びこの防振装置を備えた防振対象装置350の構造及び構成を説明する。
図4は図3に相当する本発明の第2実施例の防振装置及びこの防振装置を備えた防振対象装置の断面側面図である。
図4において、符号300は本発明の第2実施例の防振装置を、そして符号350は本発明の第2実施例の防振対象装置を指す。
第1実施例の防振装置200が、実用上、台座230と鋼球210を圧入した鋼球支持部材220とが別部品となっているために、防振対象装置250の搬送時にこれらがが分離してしまい、不便である。この課題を解決するために発明されたのが第2実施例の防振装置300である。即ち、図4に示した防振装置300は台座と鋼球310を圧入した鋼球支持部材320とが一体となった構造のもので、実用的である。この第2実施例の防振装置300も機能的には図2及び図3に示した第1実施例の防振装置200と全く同等である。
この防振装置300は鋼球310、鋼球支持部材320、台座330、ベース340から構成されている。
鋼球310は第1実施例の防振装置200における鋼球210と同一であって、大きさは、例えば、直径が7mm程度である。
鋼球支持部材320は円盤形をしており、その下面は平面で、その中央部には鋼球310を、例えば、圧入できる大きさの断面が円形の凹部321が形成されている。その深さは鋼球310の半径に相当する深さかやや深い深さである。そしてその凹部321に鋼球310が圧入されている。鋼球支持部材320の下部周辺部には鍔322は形成されている。そして凹部321に通じるエアー抜き孔323が形成されている。鋼球支持部材320の上面中央部の前記凹部321の上方には、その上面に対して垂直に雄ネジ324が植設されている。この雄ネジ324の下方にねじ込み量を調節する摘み325が取り付けられている。この摘み325を回動することによってねじ込み量を調整でき、防振対象装置350の水平度を出すことができる。
台座330には焼入れしたステンレス鋼の円柱状鋼材が用いられている。この台座330の表面には、図1に示したように、鋼球310の曲率半径rよりもやや大なる曲率半径Rの座ぐり面121が形成されている。その詳細な説明は重複説明を避けるために省略する。
ベース340は、第1実施例におけるベース240と同様に、例えば、砲金の鋼材で円盤状に形成されており、その上面に後記する抜け防止プレートを嵌め込める直径の浅い円形凹部341が形成されており、その凹部341の水平な底面に同心円的に、前記鋼球支持部材320の鍔322の直径よりやや大なる直径で、深さは鍔322がその上面まで十分に収容できる深さの凹部342が形成されている。更に、その凹部342の底面中央部に凹部343が形成されている。この凹部343の直径及び深さは前記の台座330が圧入でき、台座330の上面水平面と凹部342の底面水平面が同一の水平な平面を形成される寸法の大きさである。前記台座330はこのベース340の凹部343に圧入されている。ベース340の下面中央部には凹部343に通じるエアー抜き孔344が形成されている。ベース340が砲金で形成されている場合は、指紋などの手垢が付き易いので、その外周部にステンレス鋼のリング345が嵌め込まれている。
この防振装置300は、凹部342に鋼球310付き鋼球支持部材320を収容した後、凹部341に鋼球支持部材320の鍔322部分を抑える円環状の抜け防止プレート346を嵌め込み、ビス347でベース340の上面に固定する。このように抜け防止プレート346を嵌めることにより、鋼球支持部材320の鍔322が抑えられて、鋼球支持部材320とベース340とを一体化することができる。抜け防止プレート346を固定した後、雄ネジ324に摘み325を取付れば、本実施例の防振装置300が完成する。
本実施例における防振対象装置350には前記のような構造の防振装置300が防振対象装置350のハウジング351の底面の四隅に取り付けられている。取り付けに当たっては雄ネジ324をハウジング351の底面に予め形成されている雌ねじの穴にねじ込んで雄ネジ324がほぼ垂直になるようにして鋼球支持部材320を装着する。防振対象装置350の水平度は鋼球支持部材320を回動し、雄ネジ324のねじ込み量を調節することにより確保できる。
以上の説明から明らかなように、防振対象装置350を移動させても、本実施例の防振装置300は鋼球支持部材320と台座330とが分離することがなく、移動先に本防振対象装置250をそのまま載置するだけで済む。
第1実施例の防振対象装置250においても、また第2実施例の防振対象装置350においても防振装置の設置数は防振対象装置1台に対し通常3点あれば十分であるが、防振対象装置を設置する場所の条件に合わせて4点用いれば安定する。例えば、設置場所の平面度があまり確保されていない場合は3点では安定せず、4点のうち1点は高さ調整に使われることになる。これは家庭で使われる可能性が高いオーディオ装置、ビデオ装置での使用例が多いと予想される。
本発明の防振装置はオーディオ装置、ビデオ装置のみならず、光ディスク製造装置、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、特殊な光学系実験装置、電子顕微鏡などの精密装置などに利用することができる。
本発明の防振装置の原理を示す断面側面図である。 本発明の第1実施例の防振装置を取り付けた状態の本発明の第1実施例の一部の防振対象装置の断面側面図である。 図2に示した防振装置及びこの防振装置を備えた防振対象装置の断面側面図である。 図3に相当する本発明の第2実施例の防振装置及びこの防振装置を備えた防振対象装置の断面側面図である。 一般的な防振装置を備えた防振対象装置の概念図である。 円錐形スパイクを用いた従来技術の防振対象装置の概念図である。 従来技術の第1の防振装置の断面側面図である。 従来技術の第2の防振装置の断面側面図である。 従来技術の第3の防振装置の断面側面図である。
符号の説明
100 本発明の防振装置
200 本発明の第1実施例の防振装置
300 本発明の第2実施例の防振装置
220,320 鋼球支持部材
110,210,310 鋼球
120,230,330 台座
121 座ぐり面
130,250,350 防振対象装置
240,340 ベース
222,324 雄ネジ
325 摘み
231,321,341,342,343 凹部
322 鋼球支持部材320の鍔
346 抜け防止プレート

Claims (7)

  1. 下面中央部に凹部が形成され、該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、
    該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、
    該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、
    該台座の前記座ぐり面の周りの平面と同一面を形成する平面を備え、前記台座が埋め込まれ、そして前記鋼球に対して可動するベースと
    を備えた防振装置。
  2. 前記ベースの前記平面に、前記台座を取り囲むように前記鋼球の前記露出部が落ち込める大きさの滑り止め凹溝が形成されていることを特徴とする請求項に記載の防振装置。
  3. 下面の外周部に鍔が、中央部に凹部が形成され、そして該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、
    該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、
    該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、
    該台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とが収容できる凹部が形成され、そして前記鋼球に対して可動するベースと、
    該ベースの前記凹部に前記台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とを収容した状態で前記鍔部分の上面を抑えている抜け防止プレート
    を備えた防振装置。
  4. 前記台座は焼き入れしたステンレス鋼からなり、前記ベースは砲金からなることを特徴とする請求項、請求項に記載の防振装置。
  5. 下面中央部に凹部が形成され、該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座の前記座ぐり面の周りの平面と同一面を形成する平面を備え、前記台座が埋め込まれ、そして前記鋼球に対して可動するベースとを備えた防振装置が少なくとも3個、前記取付ネジで底面に取り付けられて防振対策が採られていることを特徴とする防振対象装置。
  6. 下面の外周部に鍔が、中央部に凹部が形成され、そして該凹部に通じるエアー抜き孔が形成されており、上面の前記凹部の上方に相当する部分に取付ネジが形成されている鋼球支持部材と、該鋼球支持部材の前記凹部に、一部を露出させて圧入、支持されている一個の鋼球と、該鋼球が点接触できるように前記鋼球の曲率半径より大なる曲率半径の座ぐり面が形成されている台座と、該台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とが埋め込まれる凹部が形成され、そして前記鋼球に対して可動するベースと、該ベースの前記凹部に前記台座全体と前記鋼球支持部材の前記鍔とを埋め込んだ状態で前記鍔部分の上面を抑えている抜け防止プレートを備えた防振装置が少なくとも3個、前記取付ネジで底面に取り付けられて防振対策が採られていることを特徴とする防振対象装置。
  7. 前記取付ネジを回動させることにより高さを調節できることを特徴とする請求項または請求項に記載の防振対象装置。
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