JP4773282B2 - 制動機構及び感振装置 - Google Patents

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Description

本発明は制動機構及び感振装置に係り、特に、揺動可能に構成された吊り下げ軸に対してダンパー効果を発揮するように構成された制動機構の構造に関する。
一般に、ガスメータ等に装備され、地震を検知したことを知らせるための感震装置として、支持体に対して揺動自在に吊り下げられた感震部と、この感震部の揺動を抑制するための制動部とを有するものが知られている。上記の感震部は、例えば、容器内に感震球を転動自在に収容するとともに、感震球の転動によって上方へ押し上げられるように構成されたプランジャーと、当該プランジャーの上下動によって接点が開閉動作するように構成されたスイッチとを含んでなる。また、上記の制動部は、オイル等の粘性流動体を収容し、この粘性流動体の粘性抵抗によって感震部の揺動を抑制するように構成されている。
上記感震装置の制動部の構造としては、上記感震部に固定された吊り下げ軸を揺動自在に支持するケース状のオイルダンパ部の内部に、その開口内縁が吊り下げ軸の上部に設けられた流体抵抗部の裏面(下面)に接合されたシールパッキンと、このシールパッキンの上側に収容されるオイルと、を有するものが知られている(例えば、以下の特許文献1参照)。また、吊り下げ軸と一体化されたダンパー部の外周部に溝を設け、この溝にベローズの内縁を嵌合させてなる構造も知られている(例えば、以下の特許文献2参照)。さらに、吊り下げ軸と一体化された流体抵抗部を設け、この吊り下げ軸の上記流体抵抗部より下方の部分に環溝を設け、この環溝にベローズの開口内縁を嵌合させてなる構造も知られている(例えば、以下の特許文献3参照)。
一方、可撓性薄膜の中央に開口及びシール部を設ける必要のない構造、具体的には、ケースカバーと可撓性薄膜の間に粘性液体を収容し、感震部を吊り下げる吊り下げ片の上面を可撓性薄膜の下面に当接させてなる制動部を有するものも知られている(例えば、以下の特許文献4参照)。
実公平4−30507号公報 実公平3−53139号公報 実公平4−3237号公報 特開平3−261831号公報
しかしながら、前述の特許文献1及び2に記載の制動機構においては、シールパッキンの開口内縁が吊り下げ軸と一体の流体抵抗部に設けられた溝に嵌め込まれるとともに、当該溝に隣接して設けられた溝に固定リングの内側端が嵌め込まれてシールパッキンが押さえられ、この状態でシールパッキン、流体抵抗部及び固定リングを溶着して一体化させたり、或いは、金属製リングで圧着させたりしているので、シールパッキンの開口内縁のシール作業が煩雑であるという問題点がある。また、シールパッキンの開口内縁が流体抵抗部の裏面や外周に接合されることにより、オイルが流体抵抗部の裏面の広い範囲に接触することができないか、或いは、裏面には全く接触できないため、流体抵抗部がオイルから大きな制動抵抗を得ることができないという問題点もある。
また、上記特許文献3に記載の制動機構においては、可撓性薄膜の内縁が吊り下げ軸の環溝に嵌合しているだけであるので、可撓性薄膜の開口内縁や環溝の断面形状が事後的に相互に嵌合可能に構成されていなければならないといった制約があり、充分な密閉性を得ることができず、温度変化等に起因する容積の増減等によりオイル等の粘性液体が漏出する虞があるという問題点がある。
一方、吊り下げ片の上面を可撓性薄膜の下面に当接させてなる制動部を有する感震装置においては、可撓性薄膜の中央に開口を設ける必要がなく、従ってシール部を設ける必要もないという利点があるものの、吊り下げ片が外部から可撓性薄膜の下面に当接しているだけであるので、粘性液体の粘性抵抗を制動力として十分に利用することができず、制動作用が不足する場合があるという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、可撓性膜のシール性を確保しつつ、シール構造の簡易化及びシール作業の容易化を図ることができる制動機構及びこれを用いた感振装置を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の制動機構は、支持体と、内側開口及び前記支持体に固定された外周部を備えた可撓性膜と、該可撓性膜上に収容された粘性流動体と、前記支持体に対して揺動自在に支持され、前記可撓性膜の下方に配置される吊り下げ部を有する吊り下げ軸と、前記可撓性膜の上側に配置される制動翼部を有する制動部材と、を具備し、前記吊り下げ軸と前記制動部材は前記可撓性膜の前記内側開口を通して相互に固定されてなり、前記可撓性膜の前記内側開口の開口内縁が前記吊り下げ軸と前記制動部材との間に挟圧保持されていることを特徴とする。
この発明によれば、吊り下げ軸と制動部材との間に可撓性膜の開口内縁が挟圧保持されていることにより、吊り下げ軸と制動部材による挟圧作用でシール性が充分に確保されるとともに、従来技術において用いられていた固定リング等の部品が不要になるなど、シール構造を簡易化することができ、しかも、吊り下げ軸と制動部材とを所定の態様に固定するだけでシール状態を得ることができるため、シール作業を容易に行うことが可能になる。
本発明において、前記吊り下げ軸と前記制動部材のうちの一方の挿入部が他方の収容部に収容されるように嵌合する嵌合構造を有し、該嵌合構造の前記挿入部及び前記収容部の外周側において前記開口内縁が環状に挟持されていることが好ましい。これによれば、吊り下げ軸と制動部材とを嵌合させることで開口内縁が両者により環状に挟持されるため、構造を簡易に構成できるとともに、組み立て作業も容易に行うことができる。
この場合において、前記一方には前記他方の前記収容部の端部に対向し外側へ環状に張り出してなる外周張出部が設けられ、前記開口内縁は前記外周張出部と前記他方の前記端部との間に上下から挟圧保持されていることが好ましい。これによれば、一方に設けられた外周張出部と他方の端部とが上下から可撓性膜の開口内縁を挟圧保持することにより、外周張出部によって適宜の挟圧面積を確保できるため、シール性をより向上させることができる。
また、前記他方における前記収容部に臨む端部内縁には前記一方の前記挿入部の軸心側に斜めに向いたテーパ面が設けられ、該テーパ面により前記開口内縁が前記挿入部の外周面に押圧されていることが好ましい。これによれば、吊り下げ軸と制動部材の一方に設けた挿入部を他方に設けた収容部に挿入する態様で両者を嵌合させたとき、他方の収容部に臨む端部内縁に設けたテーパ面により挟圧力が嵌合方向だけでなく半径方向内側へも加わることから、可撓性膜の開口内縁が挿入部の外周面に押圧されるため、可撓性膜のシール性をさらに向上させることができる。
本発明において、前記吊り下げ軸若しくは前記制動部材における前記開口内縁と対向する領域には環状溝が形成され、前記開口内縁が前記環状溝に嵌入していることが好ましい。これによれば、可撓性膜の開口内縁が吊り下げ軸若しくは制動部材の環状溝に嵌入していることにより、可撓性膜のシール性をさらに向上させることができる。
本発明において、前記制動部材は、前記粘性流動体中に張り出した制動翼部と、該制動翼部の基部より軸線方向下方に突出する軸体部とを有し、該軸体部の下端部が前記開口内縁に当接していることが好ましい。これによれば、制動部材の制動翼部と可撓性膜との間に制動部材の軸体部による隙間が介在するため、制動翼部の粘性流動体に対する接触面積を増大させることができることから、制動翼部が粘性流動体から受ける制動力を増大させることができる。
次に、本発明の感振装置は、上記のいずれかに記載の制動機構と、前記吊り下げ部に固定されて吊り下げられてなる感振機構とを具備することを特徴とする。このような感振装置としては、例えば、中心部から外周部へ向けて上方に向かうように傾斜した内底面を備えた感振ケース内に感振球を転動自在に収容し、当該感振球の転動に応じて上方へ押し上げられるプランジャーと、このプランジャーの上下動によって開閉動作する接点を備えたスイッチとを有する感振機構を具備するものが挙げられる。この場合、制動機構は感振装置の自動調芯機構として機能する。なお、本発明の感振装置は、上記感震装置に限らず、種々の振動検出に用いることができるものを包含する。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明に係る制動機構110の拡大縦断面図である。制動機構110は、ケース状に構成された支持体111と、この支持体111の底板部中央に設けられた円形の開口軸支部111aを挿通し、支持体111により揺動自在に支持された吊り下げ軸112と、内側開口113aを有するとともに外周部113cが支持体111に固定された、薄膜状のゴム材料やベローズ等からなる可撓性膜113と、可撓性膜113の内側開口113aを通して吊り下げ軸112に固定された制動部材114と、可撓性膜113上に収容された粘性流動体115と、を備えている。
支持体111は、上記開口軸支部111aを備えた底板部の外周から上方へ突出した側壁部を有する平面視円形の皿形状を有し、側壁部の上端部には上方へ突出した上縁部111bと、この上縁部111bの内側に形成された環状溝111cとがそれぞれ環状に設けられている。支持体111の内部には上方へ開口し、上記側壁部に囲まれてなる収容空間111dが形成されている。また、側壁部の内部には、上端が上記環状溝111cの内部に開口し、下端が底面に開口してなる貫通路111eが設けられている。この貫通路111eは上記環状溝111cの周回方向に沿って複数(好ましくは等間隔に)設けられていることが好ましい。
吊り下げ軸112は支持体111の開口軸支部111aを挿通して上下に伸びるように設けられ、その上下方向中間部には下方に向いた半球状の被支持面112aが形成され、この被支持面112aが開口軸支部111aの円形の開口縁に当接した状態とされることで、吊り下げ軸112が支持体111に対して任意の方向へ揺動自在に支持されている。吊り下げ軸112の下端には適宜の吊り下げ物に取付けるための吊り下げ部112bが設けられている。また、上記被支持面112aの上方には外側へ環状(鍔状)に張り出してなる外周張出部112cが設けられている。また、この外周張出部112cのさらに上方に突出する軸状の挿入部112eには環状溝112dが形成されている。この挿入部112eの上端112fは粘性流動体115中に配置され、粘性流動体115の粘性抵抗を受ける他には拘束されない自由端となっている。なお、この環状溝112dの断面形状はシール性の観点から適宜の形状とされ、例えば、V溝やR溝などで構成することが好ましい。
可撓性膜113は全体として上方に開口した椀状に構成され、その中央に上記内側開口113aが設けられるとともに、その外縁には外側へ張り出したフランジ状の外周部113cが設けられている。この外周部113cには下方へ突出する厚肉部が形成され、この厚肉部が上記支持体111の環状溝111cに嵌合している。外周部113cは後述するカバー116によって支持体111に固定されている。なお、上記内側開口113aは図示例のように可撓性膜113の中心に設ける必要は必ずしもないが、内側開口113aを可撓性膜113の中心に設け、可撓性膜113aの形状を内側開口113aの軸線を中心とする適宜の回数の回転対称形状、好ましくは回転体形状とすることで、全方位に亘りほぼ均等な制動特性を得ることができる。
可撓性膜113の上方には粘性流動体115が収容されている。この粘性流動体115は結果として吊り下げ軸112に対して所要の制動力を与えるに充分な粘性を備えているものであればよく、例えば、シリコーンオイル等の各種のオイル、グリース等の粘性液体の他に、各種のゲル状素材、粉粒体などの適宜の材料で構成することができる。この粘性流動体115は、可撓性膜113とカバー116とにより画成される密閉空間内に封入されている。
制動部材114には、上記吊り下げ軸112の上部(可撓性膜113の内側開口113aを挿通して上方へ突出する部分である挿入部112e)が挿入される収容孔(上記の収容部に相当する。)114aが設けられている。また、制動部材114は、上部に形成される制動翼部114bと、この制動翼部114bの基部より下方に突出する軸体部114cとを備えている。制動翼部114bは周囲に張り出してなる形状を有し、図示例の場合には円盤状に構成され、軸体部114cは制動翼部114bよりも小径に構成されている。軸体部114cは図示例では収容孔114aが設けられていることにより筒状に構成されている。軸体部114cの下端の収容孔114aに臨む端部内縁には、吊り下げ軸112の挿入部112eの軸心側に傾斜した(図示例の場合には円錐面状に構成された)テーパ面114dが設けられている。
制動部材114は、その収容孔114aに吊り下げ軸112の上部である挿入部112eを嵌合させる態様で吊り下げ軸112に対して上方から装着されている。そして、軸体部114cの端部(図示下端)は吊り下げ軸112の外周張出部112cと対向し、軸体部114cの端部と外周張出部112cとによって可撓性膜113の開口内縁113bが上下から挟圧保持されている。
ここで、可撓性膜113の開口内縁113bの挟圧保持される範囲は、軸体部114cの端部と外周張出部112cの対向範囲によって決定される。本実施形態の場合、当該挟圧保持される範囲を調整することで、シール性の確保と可撓性膜113の変形可能範囲の確保とを両立させることができる。特に、本実施形態では、従来の構造とは異なり、内側開口113aの開口径を小さくしても吊り下げ軸112と制動部材114の固定は可能であるため、上記開口径を小さくすることで開口内縁113bの上記挟圧保持される範囲を確保してシール性を維持しつつ、当該挟圧保持される範囲の外径を小さくして吊り下げ軸112の揺動に伴う可撓性膜113の変形量を低減し、可撓性膜113の寿命を増大させるといったことが可能である。
また、上記テーパ面114dは、開口内縁113bを吊り下げ軸112の挿入部112eの外周面に押圧し、また、これによって開口内縁113bの半径方向に沿った断面が屈折若しくは曲折した形状となるため、シール性がさらに向上している。その上、テーパ面114dに対向する上記挿入部112eの外周面上に形成された環状溝112dに開口内縁113bの縁端113dが嵌入しているので、シール性はより完全なものとされる。すなわち、本実施形態のシール構造では、可撓性膜113の開口内縁113bが吊り下げ軸112と制動部材114により上下から挟持されているだけでなく、上記テーパ面114dにより開口内縁113bが挿入部112eの外周面にも押圧され、さらに、環状溝112dに開口内縁113bの縁端113dが嵌入していることにより、2重ないし3重のシール構造が実現されている。
制動部材114の上面(図示例では制動翼部114bの上面)は、上記吊り下げ軸112の上端112fよりも下方に位置するように構成されている。すなわち、吊り下げ軸112の挿入部112eは制動部材114を貫通して上方へ突出し、その上端112fが制動部材114の上面よりも上方に位置するように構成されている。したがって、図示例のように平坦に構成された制動部材114の上面がカバー116の内面に表面張力により張り付くことが防止される。その結果、何らかの理由で吊り下げ軸112が上方へ持ち上げられて制動部材114の上面がカバー116の内面に表面張力によって張り付くことにより、吊り下げ軸112の持ち上げ力が解除されても吊り下げ軸112が降下しないといった事態が生ずることを回避できる。
以上のように構成された制動機構110は以下の方法で組み立てられる。まず、吊り下げ軸112の挿入部(上部)112eを可撓性膜113の内側開口113aに下方から挿通し、次に、吊り下げ軸112の挿入部(上部)112eに対して上方から制動部材114の収容孔(収容部)114aを嵌合させる。このとき、制動部材114の収容孔114aと吊り下げ軸112の挿入部112eとを所定の締め代を有する関係にて嵌合可能に構成し、制動部材114を吊り下げ軸112に圧入することで、吊り下げ軸112に対する制動部材114の装着と同時に制動部材114が吊り下げ軸112に固定されるようにすることが望ましい。もっとも、吊り下げ軸112と制動部材114は結果的に固定されていればよいので、例えば、両者を接着剤等を用いて接着固定したり、カシメ固定したり、溶着等によって接合したりしても構わない。
上記の吊り下げ軸112に対して、制動部材114は、上記のように可撓性膜113の開口内縁113bが吊り下げ軸112の外周張出部112cと制動部材114の軸体部114cの端部(下端)との間に挟圧され、また、制動部材114のテーパ面114dによって開口内縁113bが吊り下げ軸112の挿入部112eに押し付けられ、さらに、上記の挟圧力や押付力によって開口内縁113bの一部である縁端113dが吊り下げ軸112に設けられた環状溝112dに嵌入するように装着される。そして、この状態で最終的に吊り下げ軸112と制動部材114とが固定される。その結果、開口内縁113bは挿入部112eと収容孔114aの嵌合構造の外周側において環状に挟持された状態に保持される。
その後、上記のように組み立てられた吊り下げ軸112、可撓性膜113及び制動部材114は、支持体111の収容空間111d内に挿入され、吊り下げ軸112の吊り下げ部112bが支持体111の開口軸支部111aを挿通して下方に突出するように構成され.、被支持面112aが開口軸支部111aの開口縁で支持された状態とされる。また、可撓性膜113の外周部113cは支持体111の環状溝111cに嵌合した状態とされる。なお、可撓性膜113に吊り下げ軸112を挿通させた後に可撓性膜113を支持体111に装着し、しかる後に制動部材114を装着しても構わない。
その後、所定量の粘性流動体、例えばオイル等を上方から可撓性膜113上に導入する。最後に、支持体111に対してカバー116を上方から装着することによって粘性流動体115が密閉空間内に封入される。カバー116は例えば支持体111の取り付け部112bの内側に圧入固定されることが好ましい。ただし、支持体111とカバー116は、接着固定、カシメ固定、溶着固定などの各種の固定態様で固定することもできる。ここで、支持体111とカバー116の間は可撓性膜113の外周部113cによって密閉されるため、別体のシールパッキン等が不要になる。
上記の支持体111に対するカバー116の装着時には、可撓性膜113とカバー116の間に残留した空気が密閉空間内に閉じ込められる虞があるが、本実施形態では上述のように貫通路111eを設けているので、カバー116を取り付ける際に余分な空気は支持体111と可撓性膜113の間及び貫通路111eを通って外部へと排出される。このとき、可撓性膜113上へ与えられる粘性流動体115の量が適正であれば、結果的に上記密閉空間内に残留する空気をほとんどなくすことができる。
以上のように構成された制動機構110においては、可撓性膜113の開口内縁113bが吊り下げ軸112と制動部材114の間に挟圧保持されているため、可撓性膜113のシール性を高めることができると同時にシール構造を簡易に構成でき、しかも、シール作業をきわめて容易に行うことが可能になる。また、簡易な構造で構成できるため、各部の形状精度を高めることが可能になることから制動特性の均一性や再現性を向上させることができ、さらに、生産性の向上及び製造コストの低減も図ることができる。
また、本実施形態では可撓性膜113の開口内縁113bを吊り下げ軸112と制動部材114で挟圧保持しているために充分なシール性を確保することができるが、上述のように2重ないし3重のシール構造を有するため、シール性をさらに高めることが可能であり、しかも、シール範囲を低減して可撓性膜113の変形範囲を大きくし、その耐久性を向上させることもできる。さらに、制動部材114の軸体部114cによって形成された隙間によって制動翼部114bの下面が広範囲に粘性流動体115に接触することにより制動力を高めることができ、或いは、同じ制動力を得ても小型化若しくは粘性流動体115の使用量の低減を図ることが可能である。特に、本実施形態の場合には制動翼部114bの表裏両面が共に粘性流動体115に接触しているので、制動力を高めつつ小型化若しくは粘性流動体の使用量の低減が可能である。
なお、上記の制動機構110においては、吊り下げ軸112の挿入部112eが制動部材114の収容孔114aに嵌合するように構成されているが、上記収容孔114aは貫通しない凹穴であってもよく、また、上記とは逆に、吊り下げ軸112に収容孔若しくは凹穴を設け、この収容孔若しくは凹穴に嵌合可能な挿入部を制動部材114に設けてもよい。また、上記の制動機構110においては、吊り下げ軸112に外周張出部112cを設け、この外周張出部112cと制動部材114の端部(下端)とで上下から可撓性膜113の開口内縁113bを挟持する構造となっているが、これとは逆に、制動部材114に外周張出部を設け、この外周張出部と吊り下げ軸の端部(上端)とで上下から可撓性膜の開口内縁を挟持する構造としてもよい。さらに、上記環状溝112dは吊り下げ軸112の挿入部122eの外周面に設けられているが、開口内縁113bと対向する領域内でさえあれば、吊り下げ軸112の他の部位に設けられていてもよく、また、制動部材114に設けられていてもよい。
図2は上記制動機構110を用いた感振装置100の構成例を示す概略縦断面図である。この感振装置100は地震の震動その他の振動を検出し、これを知らせるための装置である。ただし、本発明の感振装置はこれに限定されるものではなく、各種の振動検出に用いることができる。この感振装置100は、上記の制動機構110と、この制動機構110を支持する支持梁101と、この支持梁101に接続される外部ケース102とを有する。ここで、支持梁101や外部ケース102は感振装置を適宜の場所に取り付けるための取付部材に相当し、いずれか一方のみを設けてもよい。例えば、支持梁101を直接に適宜の場所に取り付ける場合、外部ケース102は省略できる。制動機構110の上記吊り下げ軸112の吊り下げ部112bには感振機構120が固定され、吊り下げられた状態とされている。感振機構120は、感振ケース121及びこの感振ケース121の上部に取り付けられた蓋体122を備え、感振ケース121の内部には感振球123が転動自在に収容され、感振ケース121の内底面は中央部から外周部へ進むに従って上方に向かうように傾斜している。感振球123の上方には軸線周りに配置された複数の検出球(上記のプランジャーに相当する。)124が上下動可能に保持され、これらの検出球124の上方には接点ばね125及び126を有するスイッチが配置されている。なお、上記検出球124の変わりに適宜の形状の部材をプランジャーとして用いてもよい。
支持梁101若しくは外部ケース102を適宜の場所に設置すると、支持梁101若しくは外部ケース102が多少傾斜した姿勢で取り付けられていても、感振機構120はその軸線が垂直になる姿勢に変化する(自動調芯機構としての機能)。そして、外来振動が支持梁101又は外部ケース102を介して伝達されても、当該振動に起因する感振機構120の揺動は上記制動機構110の制動作用によって抑制される。これにより感振機構120の振動検出感度が向上する。外来振動は感振機構120の内部で感振球123を転動させ、感振球123が転動すると感振ケース121の内底面の傾斜によって感振球123が複数の上記検出球124のうちの少なくとも一つを上方へ押し上げる。検出球124が上方へ押し上げられると、当該検出球124は接点ばね126を上方へ撓ませるので、接点ばね126と、その上方にある接点ばね125とが接触し、接点が閉鎖する。これによって、接点ばね125と126に接続された検出回路(図示せず)等によって振動が電気的に検出される。
尚、本発明の制動機構及び感振装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記制動機構110は感振装置100において感振機構120を吊り下げた状態で揺動を抑制する機能を備えたものであるが、本発明の制動機構はこのような用途に限らず、吊り下げ軸の吊り下げ部に固定されて吊り下げられる各種の物体の姿勢を調整したり、その揺動を抑制したりするための制動機構として広く用いることができるものである。また、上記制動部材の制動翼部は平坦な円盤状に構成されているが、制動翼部の形状は任意であり、要求される制動特性に応じて適宜に設定すればよく、例えば、表裏少なくともいずれかの面上に凹凸を有する形状(例えば、リング状の凹溝や凸条)を備えたものであっても構わない。さらに、上記支持体は一体の部材で構成されているが、例えば、可撓性膜の外周部を固定する部材と、吊り下げ軸を支持する部材とが別体に構成されているなど、複数の部材で構成されたものであってもよい。
本発明に係る制動機構の実施形態の拡大縦断面図。 図1の制動機構を備えた感振装置の概略縦断面図。
符号の説明
100…感振装置、110…制動機構、111…支持体、111a…開口軸支部、111b…上縁部、111c…環状溝、111d…収容空間、111e…貫通路、112…吊り下げ軸、112a…被支持面、112b…吊り下げ部、112c…外周張出部、112d…環状溝、112e…挿入部、112f…上端、113…可撓性膜、113a…内側開口、113b…開口内縁、113c…外周部、113d…内縁端、114…制動部材、114a…収容孔、114b…制動翼部、114c…軸体部、114d…テーパ面、115…粘性流動体、116…カバー

Claims (7)

  1. 支持体と、内側開口及び前記支持体に固定された外周部を備えた可撓性膜と、該可撓性膜上に収容された粘性流動体と、前記支持体に対して揺動自在に支持され、前記可撓性膜の下方に配置される吊り下げ部を有する吊り下げ軸と、前記可撓性膜の上側に配置される制動翼部を有する制動部材と、を具備し、
    前記吊り下げ軸と前記制動部材は前記可撓性膜の前記内側開口を通して相互に固定されてなり、
    前記可撓性膜の前記内側開口の開口内縁が前記吊り下げ軸と前記制動部材との間に挟圧保持されていることを特徴とする制動機構。
  2. 前記吊り下げ軸と前記制動部材のうちの一方の挿入部が他方の収容部に収容されるように嵌合する嵌合構造を有し、該嵌合構造の前記挿入部及び前記収容部の外周側において前記開口内縁が環状に挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の制動機構。
  3. 前記一方には前記他方の前記収容部の端部に対向し外側へ環状に張り出してなる外周張出部が設けられ、前記開口内縁は前記外周張出部と前記他方の前記端部との間に上下から挟圧保持されていることを特徴とする請求項2に記載の制動機構。
  4. 前記他方における前記収容部に臨む端部内縁には前記一方の前記挿入部の軸心側に斜めに向いたテーパ面が設けられ、該テーパ面により前記開口内縁が前記挿入部の外周面に押圧されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の制動機構。
  5. 前記吊り下げ軸若しくは前記制動部材における前記開口内縁と対向する領域には環状溝が形成され、前記開口内縁が前記環状溝に嵌入していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制動機構。
  6. 前記制動部材は、前記粘性流動体中に張り出した制動翼部と、該制動翼部の基部より軸線方向下方に突出する軸体部とを有し、該軸体部の下端部が前記開口内縁に当接していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制動機構。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制動機構と、前記吊り下げ部に固定されて吊り下げられてなる感振機構とを具備することを特徴とする感振装置。
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