JP4723775B2 - ダンパー及びその取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダンパーに関し、特にCDやDVDなどのディスク状記録媒体から非接触読取り方式で記録データの読出しを行う音響機器や情報機器等の振動減衰に好適なダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、車載用CDプレーヤ1の防振構造を示す図で、その筐体2の内部には被支持体である音楽用CDを再生するプレーヤ本体3がコイルスプリング4にて支持されている。筐体2に固定してある5はダンパーで、プレーヤ本体3の底面部から突設した樹脂や金属等の硬質材で形成した軸体6を保持しており、プレーヤ本体3に作用する振動を減衰させるものである。
【0003】
即ち、図9で示すように、ダンパー5は、例えばポリプロピレン等の硬質樹脂で形成した周壁部7を備えており、その上側開口端はスチレン系熱可塑性エラストマー等のゴム状弾性体で形成した弾性浮動壁8にて密封されている。その下側開口端は、周壁部7と同材質の蓋9にて密封されており、密封された内部空間には、シリコーンオイル等でなる粘性流体10が充填されている。なお、周壁部7、弾性浮動壁8、蓋9及び後述の軸受け部11によって密封状の容器本体5aが構成される。
【0004】
こうした概略構成のダンパー5の弾性浮動壁8には、その中央頂部に外側面が有底円筒形状で内側面が凹形状の軸受け部11が形成されており、プレーヤ本体3に作用する振動は、軸体6を保持する軸受け部11を通じてダンパー5へ入力されて、弾性浮動壁8の弾性変形と、粘性流体10の流動による粘性抵抗とによって減衰される。したがって、この従来例のダンパー5では、プレーヤ本体3の軸体6が軸受け部11から抜けてしまうと減衰効果が発揮されなくなってしまうため、軸体6に形成した大径円盤状の抜止め頭部12と実質上隙間無く係合する係合凹部13を軸受け部11の内側面11aに形成し、この係合凹部13と抜止め頭部12との隙間無い係合によって軸体6の抜け防止を図るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のダンパー5にあっては、プレーヤ本体3に共振周波数付近(特に10〜30Hzの低い周波数付近)の振動入力がなされたり、例えば悪路走行時等にプレーヤ本体3に高加速度の衝撃が加わると、プレーヤ本体3が大きく鉛直・水平方向に振幅して、図10で示すように、ゴム状弾性体製の軸受け部11が硬質樹脂製の周壁部7や同じく硬質樹脂製の蓋9に対して衝突し、特に薄肉の係合凹部13が圧縮応力の集中によって破断することがある。そして、破断してしまうと、密封した粘性流体10が破断箇所から漏出するため本来の減衰効果を発揮できなくなるだけでなく、漏れた粘性流体10により機器内部を汚してしまうことがある。
【0006】
こうした問題は、粘性流体10の流動による粘性抵抗を利用するダンパー5に限られるものではなく、粘性流体10に代えて空気の流入・流出による粘性抵抗を振動減衰に利用するエアーダンパーと称されるダンパーであっても、破断部分からの空気漏れによって本来の減衰効果を発揮できなくなる点で、同様の問題を抱えている。
【0007】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明であって、その目的は、振動により被支持体が大きく振幅することで被支持体の軸体を保持する軸受け部が容器本体の内側面と衝突しても、軸受け部が破断し難いダンパーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、被支持体が大きく変位した場合であっても、軸体と容器本体の部分とで、ゴム状弾性体でなる軸受け部を直接挟み押圧しないようにし、軸受け部に直接挟み押圧による圧縮応力集中が生じさせないようにするという知見に基づいている。
【0009】
そして、こうした知見に基づく一の本発明は、振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体を、該被支持体から突出する軸体の挿入を受けて保持するゴム状弾性体でなる凹形状の軸受け部を有し、該軸受け部に伝達される振動を流動による粘性抵抗力にて減衰させる流体を封入した容器本体を備えるダンパーについて、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触となる軸受け部の内側面に、軸心方向で軸体に対して突き当たる当接面を形成したことを特徴とする。
【0010】
この本発明では、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触となる軸受け部の内側面に、軸体に対して該軸心方向で突き当たる当接面を形成したので、軸心方向で被支持体が大きく変位して軸受け部の底部と容器本体とが衝突しても、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触の状態で、軸体は軸受け部の当接面で止まっているため、その軸心方向端末部が内底面と接触しない。つまり、ゴム状弾性体でなる軸受け部の底部が、硬質材でなる軸体の軸心方向端末部と容器本体と接触して挟まれることがなく、仮に挟まれたとしても破断に至るまでの衝撃をもって接触することはないので、該軸心方向端末部による圧縮応力の集中を回避できる。よって、軸受け部底部の破断を阻止することができる。また、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触であるということは、軸受け部の底部が容器本体と衝突した際に、その非接触空間である空隙部の分だけ軸受け部の底部に若干の変形代を与えられることとなる。そのため、該変形代によって衝突による衝撃吸収性能も高められる。
【0011】
また、前記知見に基づく他の本発明は、振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体を、該被支持体から突出する軸体の挿入を受けて保持するゴム状弾性体でなる凹形状の軸受け部と、該軸受け部の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂材でなる周壁部を有し、該軸受け部に伝達される振動を流動による粘性抵抗力にて減衰させる流体を封入した容器本体を備えるダンパーについて、軸体の軸交差方向端末部が軸受け部の内周面と非接触となる軸受け部の内側面に、軸交差方向で軸体に対して突き当たる当接面を形成したことを特徴とする。
【0012】
この本発明では、軸体の軸交差方向端末部が軸受け部の内周面と非接触となる軸受け部の内側面に、軸体に対して該軸交差方向で突き当たる当接面を形成したので、軸交差方向(軸体の軸心に対する直角方向を含む交差方向)で被支持体が大きく変位して軸受け部と容器本体の周壁部とが衝突しても、軸体の軸交差方向端末部が軸受け部の内周面と非接触の状態で、軸体は軸受け部の当接面で止まっているため、その軸交差方向端末部が内周面と接触しない。つまり、ゴム状弾性体でなる軸受け部の内周面が、硬質材でなる軸交差方向端末部と接触して硬質樹脂材でなる周壁部との間で挟まれることはなく、仮に挟まれたとしても破断に至るまでの圧縮応力はかからないので、該軸交差方向端末部による圧縮応力の集中を回避できる。よって、軸受け部側部の破断を阻止することができる。また、このダンパーにおいても、非接触領域に対応する空隙部により変形代を与えることができるため、衝撃吸収性能も高められることになる。
【0013】
上記ダンパーの容器本体の具体的構成としては、軸受け部の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂でなる周壁部と、該周壁部の一端開口を閉塞する硬質樹脂材、軟質樹脂材、又は軸受け部底部との対向する中央部分が軟質樹脂材で該中央部分の外側部分が硬質樹脂材でなる蓋部と、軸受け部を該周壁部の他端開口と繋いで弾性変形により該軸受け部を浮動支持する浮動支持壁と、を備えるものとできる。
【0014】
また、上記ダンパーについては、容器本体内にシリコーンオイルを主材とする粘性流体を封入したものとして構成できる。
【0015】
さらに、本発明は、前記一の本発明によるダンパーと同様の作用・効果を発揮する別の手段として、振動伝達路の一次側又は二次側の何れかに位置する被支持体に軸体を突設する一方で、該一次側又は二次側の何れか他方に位置するダンパーにゴム状弾性体である凹形状の軸受け部を形成し、軸体を軸受け部に挿入して被支持体をダンパーにて防振支持するダンパーの取付構造について、軸受け部の内側面に軸体に対して挿入方向で突き当たる当接面を形成し、この当接面に軸体を突き当てた状態で、軸体の軸心方向端末部と軸受け部の内底面との間に空隙部を設定したことを特徴とするダンパーの取付構造を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記他の本発明によるダンパーと同様の作用・効果を発揮する別の手段として、振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体に軸体を突設する一方で、該一次側又は二次側の何れか他方に位置するダンパーに、該軸体の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂材でなる周壁部と、深さ方向が該軸心方向に沿う凹形状としたゴム状弾性体でなる軸受け部とを形成し、軸体を軸受け部に挿入して被支持体をダンパーにて防振支持するダンパーの取付構造について、軸受け部の内側面に軸体に対して軸交差方向で突き当たる当接面を形成し、この当接面に軸体を突き当てた状態で、軸体の軸交差方向端末部と軸受け部の内周面との間に空隙部を設定したことを特徴とするダンパーの取付構造を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態によるダンパーとその取付構造について、図面を参照しつつ説明する。なお、従来技術と同じ部分については同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0018】
第1実施形態〔図1,図2,図3〕: 本形態のダンパー15は軸受け部16に特徴があり、図1で示す軸体17が取付けられるものである。なお、その他の構成は従来例のダンパー5(図8参照)と同じである。軸受け部16の内側面18における略円筒状の内周面18aには、軸体17に形成した大径円盤状の抜止め頭部17aと実質上隙間無く係合する係合溝19が形成されている。そして、軸受け部16の内側面18における内底面18bは、該係合溝19よりも一段深い位置に形成されている。
【0019】
以上のような、軸体17を軸受け部16に挿入して取付ける際には、軸体17の軸心方向端末部に形成した円柱状の小突起17bを軸受け部16の開口端16aにあてるようにする。こうすることで、軸体17を挿入初期の位置合わせを容易に行うことができる。
【0020】
位置合わせを終えて軸心方向に沿って挿入していくと、軸体17は、抜止め頭部17aの段差面17dが軸受け部16の係合溝19における当接面19aと突き当たるまで進入する。そして、段差面17dが当接面19aに対して突き当たると、図2で示すように抜止め頭部17aが係合溝19と隙間無く係合する。
【0021】
このように軸体17を軸受け部16と係合させると、軸体17(小突起17b)の底面部(軸心方向端末部)17cは、軸受け部16の内底面18bと隙間d1を空けた非接触の状態となっている。この隙間d1による空隙部20を設けたことが大きな特徴である。即ち、図示しない軸体17の基端側に固定した防振対象物である例えば車載用CDプレーヤのプレーヤ本体(図7参照)が振動を強く受けて軸心方向に沿う図中下向きに大きく振幅すると、ゴム状弾性体でなる軸受け部16が硬質樹脂材でなる蓋(底壁部)9に対して強く衝突するが(図9(a)参照)、こうした衝突が起こっても軸体17の底面部17cは、抜止め頭部17aの段差面17dが係合溝19の当接面19aと突き当たっていて下向きへの移動が阻止されるために、軸受け部16の内底面18bと接触せず空隙部20の範囲内に位置したままであるか、軸体17の底面部17cと軸受け部16の内底面18bとが接触したとしても、軸受け部16の底部16bにかかる圧縮応力の集中を回避できる。
【0022】
従って、この実施形態のダンパー15とその取付構造では、特に、防振対象物が軸心方向に沿って大きく振幅して軸受け部16が蓋9と強く衝突することがあっても、軸受け部16の底部16bの部分が破断するのを防ぐことができ、破断による粘性流体10の漏出を防止することができる。
【0023】
以上のような第1実施形態のダンパー15は、例えば図3で拡大段面で示す変形形態の軸受け部21,22,23を有していても、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触の状態で、軸受け部の内側面に軸心方向で軸体に対して突き当たる当接面21a,22a,23aを備えており、破断防止効果は同様に発揮することができる。なお、これらの変形形態についても軸受け部21,22,23を除く他の構成は、第1実施形態のダンパー15と同じである。
【0024】
なお、ここでは軸受け部16,21,22,23以外の構成は従来例と同様として説明したが、容器本体5aが、周壁部7、弾性浮動壁8、蓋(蓋部)9及び軸受け部16,21,22,23によって構成される形態に限られるものではなく、容器本体は、周壁部がなく、弾性浮動壁が直接蓋部につながった構成や、周壁部と蓋部が一体となって、周壁部と蓋部の区別がつかないような構成などであってもよい。
【0025】
第2実施形態〔図4〕: 本形態の軸受け部24は、特に、図示しない防振対象物が左右方向に大きく振幅して硬質樹脂材でなる周壁部7と強く衝突することに備えたものである。即ち、この軸受け部24の内側面25における略円筒形状の内周面25aには、軸体26に形成した抜止め頭部26bと上下方向では隙間無く係合する係合溝27が形成されている。
【0026】
そして、軸体26の抜止め頭部26bを軸受け部24の係合溝27に係合させると、軸体26の軸交差方向端末部をなす抜止め頭部26bの外周面26cは、軸受け部26の係合溝27の内周壁27aと隙間d2を空けて非接触の状態となっていて空隙部28が形成される。従って、図示しない軸体26の基端側に固定した防振対象物(車載用CDプレーヤのプレーヤ本体(図7参照))が振動を強く受けて軸交差方向に大きく振幅すると、ゴム状弾性体でなる軸受け部24が硬質樹脂材でなる周壁部7に対して強く衝突することがあるが(図9(b)参照)、こうした強い衝突が起こっても軸体26の外周面26cは、軸体26の軸部26aが、「当接面」としての軸受け部24の内周面25aと突き当たっていて軸交差方向への移動が阻止されるため、軸体26の抜止め頭部26bの外周面26cは、係合溝27をなす内周壁27aと接触せず空隙部28の範囲内に位置したままであるか、軸体26の抜止め頭部26bの外周面26cと、軸受け部24の係合溝27における内周壁27aが接触したとしても、軸受け部24の側部24aにかかる圧縮応力の集中を回避できる。
【0027】
従って、この実施形態の軸受け部24を備えるダンパーとその取付構造では、特に、防振対象物が軸体26の軸交差方向へ大きく振幅して軸受け部24が周壁部7と強く衝突することがあっても、軸受け部24の側部24aの部分が破断するのを防ぐことができ、破断による粘性流体10の漏出を防止することができる。
【0028】
なお、この第2実施形態の軸受け部24も、第1実施形態の軸受け部16の変形形態を示したのと同様に、軸体における軸交差方向端末部が軸受け部の内周面と非接触となるように軸体の軸交差方向端末部と軸受け部の内周面との間に空隙部を設ける変形形態で実施することが可能である。
【0029】
第3実施形態〔図5〕: この実施形態の軸受け部30は、第1実施形態の軸受け部16の構成と第2実施形態の軸受け部24の構成を併せ持つものである。従って、詳細な説明は重複説明となるため省略するが、この実施形態の軸受け部30を備えるダンパー及びその取付構造によれば、防振対象物が軸体31の軸心方向と軸交差方向に大きく振幅してゴム状弾性体でなる軸受け部30が硬質樹脂材でなる周壁部7や蓋(底壁部)9と強く衝突しても破断せず、粘性流体10が漏出しないようになっている。
【0030】
なお、この第3実施形態の軸受け部30も、第1実施形態の軸受け部16の変形形態を示したのと同様に、軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触となるように、軸体の軸心方向端末部と軸受け部の内底面との間に空隙部設け、且つ、軸体における軸交差方向端末部が軸受け部の内周面と非接触となるように軸体の軸交差方向端末部と軸受け部の内周面との間に空隙部を設ける変形形態で実施することが可能である。
【0031】
第4実施形態〔図6〕: 以上の第1実施形態から第3実施形態の軸受け部16,24,30はいずれも外形形状が長手方向に沿って等径の円筒形状である例を示したが、本形態の軸受け部33のように軸体34の外形形状に対応させて長手方向に沿って異径の円筒形状としてもよい。これによっても第1〜第3実施形態と同様の破断防止効果を得ることができる。
【0032】
第5実施形態〔図7〕: 以上の第1,第3,第4実施形態の軸受け部16,30,33は、何れも軸心方向端末部と突き当たる当接面19aを底部側に形成した構造としたが、それを形成する深さ位置についてはどこでもよく、例えば図7で示すようなダンパー36にあっては軸受け部37の長手方向における軸体38の挿入口寄りの位置に形成してもよい。これによっても第1〜第4実施形態と同様の破断防止効果を得ることができる。なお、軸体の軸交差方向端末部と当接する当接面の形成位置も同様である。
【0033】
なお、第1〜第5実施形態において、軸受け部16,24,30,33及び弾性浮動壁8は、ゴム状弾性体で作成され、公知の合成ゴム、熱可塑性エラストマーから適宜選択されて用いられる。合成ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等が挙げられ、熱可塑性エラストマーとしてはスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、塩化ビニル系等の各種エラストマーが挙げられる。
【0034】
また、以上の第1〜第4実施形態では、周壁部7や蓋9のような硬質樹脂部分(ポリプロピレン樹脂製)を含む容器本体5aを例示したが、例えば粘性流体を封入したゴム状弾性体でなる袋状物を容器本体とし、その袋状物を硬質樹脂製の有底筒状のケース内に収納して成るダンパーに本発明を適用してもよい。
【0035】
さらに、以上の第1〜第4実施形態における蓋(底壁部)9は、硬質樹脂や金属等の剛性のある素材であっても、あるいは上述のようなゴム状弾性体であっても良く、それらを部分的に組合せた構造のものを用いてもかまわない。どのような素材を用いるかは、ダンパーの用いられる場所、支持体との組み付け方法等により決定され、場合により自由に変えることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明のダンパー及びその取付構造によれば、軸受け部の破断を防止できるため、振動減衰に寄与する流体が破断箇所から漏出して防振性能が低下することを防ぐことができ、また流体として液状の粘性流体を使用した場合には機器内部の汚損を防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるダンパーの断面図。
【図2】図1のダンパーにおける軸受け部の拡大断面図。
【図3】図1のダンパーの変形形態による軸受け部の拡大断面図。
【図4】第2実施形態によるダンパーにおける軸受け部の拡大断面図。
【図5】第3実施形態によるダンパーにおける軸受け部の拡大断面図。
【図6】第4実施形態によるダンパーにおける軸受け部の拡大断面図。
【図7】第5実施形態によるダンパーにおける軸受け部の拡大断面図。
【図8】一従来例によるダンパーの使用状態説明図。
【図9】図8のダンパーの使用状態拡大断面図。
【図10】図8のダンパーの挙動を示す説明図。
【符号の説明】
5,15 ダンパー
5a 容器本体
6,17,26,31,34,37 軸体
7 周壁部
8 弾性浮動壁
9 蓋(蓋部)
10 粘性流体
11、16,21,22,23,24,30,33,36 軸受け部
16b 底部
18,25 内側面
18a,25a 内周面
18b 内底面
19a,21a,22a,23a 当接面
20,28 空隙部
24a 側部
Claims (6)
- 振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体を、該被支持体から突出する軸体の挿入を受けて保持するゴム状弾性体でなる凹形状の軸受け部を有し、該軸受け部に伝達される振動を流動による粘性抵抗力にて減衰させる流体を封入した容器本体を備えるダンパーにおいて、
軸体の軸心方向端末部が軸受け部の内底面と非接触となる軸受け部の内側面に、軸心方向で該内底面側から軸体に対して突き当たる当接面を形成し、この当接面が軸体に設けた段差面に対して突き当たり係合することを特徴とするダンパー。 - 振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体を、該被支持体から突出する軸体の挿入を受けて保持するゴム状弾性体でなる凹形状の軸受け部と、該軸受け部の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂材でなる周壁部を有し、該軸受け部に伝達される振動を流動による粘性抵抗力にて減衰させる流体を封入した容器本体を備えるダンパーにおいて、
軸受け部の内側面に軸体に対して軸交差方向で突き当たる当接面を形成し、この当接面に軸体を突き当てた状態で、軸体の軸交差方向端末部との間に空隙部を形成する内周面を軸受け部に設けたことを特徴とするダンパー。 - 容器本体が、軸受け部の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂でなる周壁部と、該周壁部の一端開口を閉塞する硬質樹脂材、軟質樹脂材、又は軸受け部底部との対向する中央部分が軟質樹脂材で該中央部分の外側部分が硬質樹脂材でなる蓋部と、軸受け部を該周壁部の他端開口と繋いで弾性変形により該軸受け部を浮動支持する浮動支持壁と、を備える請求項1または請求項2記載のダンパー。
- 容器本体内にシリコーンオイルを主材とする粘性流体を封入した請求項1〜請求項3何れか1項記載のダンパー。
- 振動伝達路の一次側又は二次側の何れかに位置する被支持体に軸体を突設する一方で、該一次側又は二次側の何れか他方に位置するダンパーにゴム状弾性体である凹形状の軸受け部を形成し、軸体を軸受け部に挿入して被支持体をダンパーにて防振支持するダンパーの取付構造において、
軸受け部の内側面に軸受け部の内底面側から軸心方向で軸体に対して突き当たる当接面を形成し、この当接面に軸体を突き当てた状態で、軸体の軸心方向端末部と軸受け部の内底面との間に空隙部を設定し、
前記当接面が、軸体に設けた段差面に対して突き当たり係合することを特徴とするダンパーの取付構造。 - 振動伝達路の一次側又は二次側に位置する被支持体に軸体を突設する一方で、該一次側又は二次側の何れか他方に位置するダンパーに、該軸体の軸心方向に沿って筒状とした硬質樹脂材でなる周壁部と、深さ方向が該軸心方向に沿う凹形状としたゴム状弾性体でなる軸受け部とを形成し、軸体を軸受け部に挿入して被支持体をダンパーにて防振支持するダンパーの取付構造において、
軸受け部の内側面に軸体に対して軸交差方向で突き当たる当接面を形成し、この当接面に軸体を突き当てた状態で、軸体の軸交差方向端末部と軸受け部の内周面との間に空隙部を設定したことを特徴とするダンパーの取付構造。
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