JP4277448B2 - マーク検知方法及びマーク検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マーク検知方法及びマーク検知装置に係り、特に半導体基板や液晶表示素子等の物体に形成された位置計測用マークを検知するマーク検知方法及びマーク検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶表示素子の製造にあっては、種々のプレーナ技術が活用されている。プレーナ技術では、露光装置を用いてフォトマスクやレチクル(以下、レチクルという)に形成された微細なパターンの像を、フォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウェハやガラスプレート等の基板(以下、ウェハという)上に投影露光することが行われる。
【0003】
レチクルのパターンは、例えばステップ・アンド・リピート方式の露光装置を用い、レチクルの位置とウェハの位置とを高精度に調整(アライメント)して、ウェハ上に既に形成されているパターンに重ね合わせて投影露光される。
近年、特に半導体回路はより高密度化が要求されている。従って露光装置のアライメントにおいても、半導体回路等のパターンの微細化に伴い、より高精度なアライメントが行えるよう要求が高まっており、アライメントにはさまざまな工夫がなされている。
【0004】
レチクルのアライメントは露光光を用いるものが一般的である。
レチクルのアライメント方式には、露光光をレチクル上に描画されたアライメントマークに照射し、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測するVRA(Visual Reticle Alignment)方式等がある。
【0005】
ウェハのアライメントセンサの種類としては、以下のものがある。
(1)LSA(Laser Step Alignment)
このセンサは、レーザ光をウェハ上のドット列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出するセンサである。
(2)FIA(Field Image Alignment)
このセンサは、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光をドット列状のアライメントマークに照射し、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測するセンサである。
(3)LIA(Laser Interferometric Alignment)
このセンサは、ウェハ上の回折格子状のアライメントマークに周波数を僅かに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置を計測するセンサである。
【0006】
これらの光学式アライメントにおいては、まずレチクル上のアライメントマークを検出、処理し、位置座標を計測する。次に、ウェハ上のアライメントマークを検出、処理し、位置座標を計測することで、重ね合わされるショットの位置を求める。これらの結果をもとに、ショット位置にレチクルのパターン像が重なるようにウェハをウェハステージにより移動させて位置合わせを行い、レチクルのパターン像をウェハ上に投影露光する。
【0007】
上記のアライメント方式のうちのいくつかは、アライメント信号として1次元画像又は2次元画像を得たのち、処理することになる。
2次元画像の場合、マーク部分を被計測方向に積算することによって、1次元信号として扱うこともできる。
【0008】
これらの信号は、本来は位置に対して連続に分布する信号であるが、撮像装置の信号送信の都合上、ある間隔で標本化された信号として取り出されることになる。例えば、撮像装置として、CCDカメラやラインセンサなどの画像処理センサを用いた場合、ピクセルサイズは有限であるため、このピクセルサイズで決まる間隔で標本化されることになる。理想的には撮像装置から出力される信号は、標本化装置によって、撮像装置のピクセルサイズに対応する間隔で標本化されることが望ましい。
これらの標本化された信号に対し、エッジ検出や相関法等を用いることにより、マーク位置を計測する。
【0009】
ところで、一般に、アライメントセンサに要求される精度は、撮像装置の最小分解単位と比較して極めて高いものである。そのため、最終的には標本化間隔以下の精度で位置を決定しなければならない。
従来、エッジ検出や相関法においては、標本化された信号に対して処理を行い、最終的な位置結果を算出する際には、標本化点間を1次又は2次関数等の適当な関数にフィッティングし、関数を解くことによって、標本化間隔以下の分解能を得ていた。通常、標本化間隔が細かい方が精度が良くなる。
【0010】
一方、物体上の標本化間隔を小さくするために光学系の倍率を大きくすると、CCDカメラの画素数の制限から視野が狭くなる。
装置の構成上、アライメントマークの大きさ、位置合わせ計測の前に行われる予備位置合わせ(プリアライメント)の精度などの条件により、センサの視野はある程度確保されなければならない。
【0011】
また、信号の高周波成分が、標本化によって低周波成分に変換される現象(エイリアシング)が生じない為には、撮像装置の最小分解単位が像に含まれる最小周期成分の0.5倍以下という条件が必要である。
信号の最小周期成分は、例えば光学顕微鏡を用いた画像処理センサの場合、像の最小周期成分の下限値をPminとして、
【数4】
Figure 0004277448
が与えられる。
【0012】
ただし、照明条件によってもこの値は変わってくる。この値を用いて、標本化周期Pを、
<0.5×Pmin
とすることによって、上記の条件を満たすことができる。
【0013】
しかし、エッジ計測、相関計測をおこなった際の標本化による誤差は、標本化周期Pを大きくしていったとき、0.5×Pminに達する前から、つまり0.2×Pmin程度から顕著に悪くなってくる。
【0014】
図14は、エッジ検出を行う際の処理を説明するための図である。
エッジ検出の典型的なアルゴリズムでは、まず最大傾斜点を見つける。通常標本化周期は一定の周期であるため、隣接する標本化点の図中V方向の差ΔVが最大となる箇所を求める。図14の例では符号Pが付された点が最大傾斜点である。
【0015】
そこから山登り及び山下りによって、最も近い極大及び極小を見つける。図14に示した例では、符号Pを中心として図中H,H方向へ図中V方向の差ΔVが最小となる点を見つける。これをもって、そのエッジの最大値及び最小値とする。図14の例では標本化点Pがエッジの最大値となり、標本化点Pがエッジの最小値となる。
エッジの最大値及び最小値を求めた後、スライスレベルSLを、例えばこれらの中問値として、スライスレベルを横切る位置でもってエッジ位置E,Eとする。
【0016】
標本化周期がある程度大きくなってくると、標本化の位置と信号エッジの位置との関係によって、上述値のエッジの最大値と最小値がばらつくことになる。そのため、スライスレベルSLがばらつくことにより、結果として計測結果がばらつく。
また、エッジ位置E,Eを求める際に、1次又は2次関数等でフィッティングするため、ここでも誤差が生ずる。
相関法においても、標本化位置と信号との位置関係によっては、マーク信号が重心を変えるような変形をおこし、計測結果がばらつくことになる。
また、相関法においても、標本化間隔より小さい分解能の結果を、2次関数等へのフィッティングによって算出することになるため、ここでも補間誤差が生ずる。
また、従来は、精度を上げるため、アライメントマークには通常複数本のマークが使用され、1本1本のマークが異なる位相で標本化されることによる平均化によっても精度を上げていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、露光装置で重ね合わせを行う際には、コマ収差が原因でアライメントマーク構造によって像のシフトが起こる現象が問題となる。しかしながら、最近になってこのコマ収差がNAを大きくすることにより改善できることが明らかになった。
また、同レベルのノイズが含まれる信号に対してエッジの勾配が急なほど測定精度が良くなるため、アライメントに用いられる光学系のNAを上げてアライメント精度を上げる必要も生じている。
【0018】
しかしながらアライメント光学系のNAを大きくすると、像に含まれる最小周期成分Pmin、即ち、
【数5】
Figure 0004277448
がNAの増加とともに小さくなることが問題となる。
現状では、視野を狭めることが困難であるため、P<0.2×Pmin程度を満たすことは困難な状況になってきた。
【0019】
加えて、高速化のためにX、Y計測を同時に行うXY同時マーク(詳細は特開平2−272305号公報を参照されたい)を使用するにあたっては、アライメントマーク本数を減らさざるを得ず、前述の平均化の効果も低下することになる。
【0020】
以下、シミュレーション結果を用いて標本化周期と位置計測誤差との関係について説明する。
図15,16は、6μmラインの段差マークに対し、異なる標本化周期で標本化を行った場合の位置計測誤差を示す図である。図15は、波長0.6μm、照明シグマ=1、NA=0.6の光学系で撮像した場合の位置計測誤差を示す図であり、図16は波長0.6μm、照明シグマ=1、NA=0.3の光学系で撮像した場合の位置計測誤差を示す図である。図15,16において、横軸は標本化周期であり、縦軸は位置計測誤差である。
【0021】
このシミュレーションにおいては、上記像に含まれる最小周期成分Pminは、NAが0.3の場合は1μm、NAが0.6の場合は0.5μmである。
図15,図16に示されたように、標本化周期を変化させた場合、周期的に位置計測誤差が小さくなる結果となったが、この位置計測誤差が小さくなる標本化周期は、ライン幅に依存して変化する。
【0022】
露光装置等のアライメントにおいて、要求されるトータルオーバーレイ(総合重ね合わせ精度)は、基板上に焼き付けられる回路パターンの線幅によっても異なるものであるが、一般的にはこのトータルオーバーレイは、焼き付けられる回路パターンにおける最小線幅の1/4以下の精度が要求される。一般的にトータルオーバーレイは約50nmの精度が要求される。この要求を満足するためには、アライメントセンサで許容される計測誤差は約3〜5nm程度である。
いま、アライメントで許容される計測誤差を5nmとする。
図15及び図16を見て明らかなように、NAが0.6及び0.3の何れの場合であっても、標本化周期Pが0.2×Pmin<P<0.39×Pminのとき、及びP>0.41×Pminのときには位置計測誤差が許容誤差を超えてしまう。
【0023】
図17は、正規化相互相関を用いた場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。
図17に示されたように、標本化周期Pが長くなるに従って、なだらかに位置計測誤差が大きくなるが、P<0.2×Pmin程度を目安として、精度悪化が許容できなくなる。
【0024】
次に、アライメントマークの本数を増やしてエッジ検出を行った結果を示す。
図18〜図20は、アライメントマークの本数を変化させた場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。図18はライン・スペース(以下、L&Sと称する)が3本の場合の結果を示す図であり、図19はL&Sが6本の場合の結果を示す図であり、図20はL&Sが9本の場合の結果を示す図である。
【0025】
一般的に、アライメントマークの本数が増加するに従って位置計測誤差は小さくなるが、図18〜図20に示される結果からアライメントマークの本数を増加しても余り位置計測誤差が小さくならない標本化周期があることが分かる。
また、図18〜図20を参照すると、位置計測誤差が極めて小さくなる標本化周期が周期的に現れる。標本化周期をこの標本化周期にあわせるよう光学系の倍率を設定するようにしてもよいが、製造における倍率精度を厳しくする必要があることと、異なるマーク周期に対応できないため、あまり望ましいことではない。
【0026】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、標本化周期が最小周期成分の下限値の0.2倍程度以上に設定せざるを得ない場合であっても、マーク位置の計測誤差を軽減することのできるマーク検知方法及びマーク検知装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、標本化周期が最小周期成分の下限値の0.5倍以上であっても、つまり標本化定理を満足しない場合であってもエリアシングによって生ずる位置計測誤差を防止することのできるマーク検知方法及びマーク検知装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のマーク検知方法は、物体上に形成されたマークに検知ビームを照射し、前記マークの像を結像系を介して撮像し、所定のピクセルサイズPを有する撮像素子上に結像した前記マークの像を電気的な画像信号に変換して、該画像信号に関する信号を、前記所定のピクセルサイズの周期を含む所定の標本化周期で出力し、前記標本化周期で出力された画像信号から、所定の周期以下の成分を除去する平滑化演算を行い、前記平滑化された画像信号に関する信号を、前記所定の標本化周期以下の周期で補間する方法であって、前記所定のピクセルサイズPは、前記撮像素子上に結像される像の最小周期成分Pminの所定倍であり、前記平滑化演算では、前記所定のピクセルサイズPと前記最小周期成分Pminとで示される1/(1/P−1/Pmin)以下の周期成分を除去することを特徴とする。
この発明によれば、撮像素子の最小分解単位が、像の最小周期成分の0.2倍以上とならざるを得ない場合において、所定の周期で標本化されたマークの画像信号を、当該所定の標本化周期以下の周期で補間することにより、マークの位置計測誤差を大きく軽減することが可能となるという効果がある。
また、この発明によれば、撮像素子の最小分解単位Pが、像の最小周期成分Pminの0.5倍以上とならざるを得ない場合においてエリアシングノイズを除去することができ、物体の像を完全に復元することができない条件においても誤差精度を向上させることができるという効果がある。
その結果、例えばアライメントマークの像を、粗い標本化周期で位置計測を行うことができるため、NA拡大、あるいは視野の拡大が従来の撮像素子を用いても可能となる。
更に、この発明では、平滑化を伴う補間演算を行っているため、補間処理とローパスフィルタリングによる平滑化とを別個に行う場合に比べて処理時間を短縮できるという効果がある。
ここで、前記所定のピクセルサイズPは、前記最小周期成分Pminの0.5倍より大きいことが好ましい。
前記平滑化演算は、具体的には、前記画像信号に対して平滑化を行う平滑点を設定する工程と、前記画像信号から、前記平滑点を含む所定の範囲の標本化された前記画像信号を選択する工程と、前記平滑点の位置と選択された前記画像信号の位置との距離に応じて前記1/(1/P−1/Pmin)より小さい周期成分を除去する関数に対して前記画像信号の標本化周期と同一の周期で標本化を行う工程と、選択された前記画像信号と標本化された前記関数との積を前記所定範囲に含まれる前記画像信号各々に対して求めて加算する工程とを含むもの、又は、前記画像信号に対して補間を行う補間点を設定する工程と、前記補間点の位置に最も近接する前記画像信号の最近接位置を求める工程と、前記画像信号から、前記最近接位置を含む所定の範囲の標本化された前記画像信号を選択する工程と、選択された前記画像信号と、選択された前記画像信号の位置との距離に応じて前記1/(1/P−1/Pmin)より小さい周期成分を除去する関数との積を前記所定範囲に含まれる前記画像信号各々に対して求めて加算する工程とを含むものである。
また、この発明は、前記画像信号が、前記所定の標本化周期で標本点として出力され、前記所定の標本化周期以下の周期の任意点を、該任意点の近傍に位置する複数の前記標本点の線形結合を含む変換による補間方法により補間する。この補間方法は、前記複数の標本点を用いた重み付け演算を含む。
また、この発明は、前記補間された画像信号に基づいて、前記物体の位置を計測する。ここで、所定の標本化周期は、前記計測における位置計測誤差量に基づき決定される。ここでいう物体は、回路パターンが転写される基板であり、前記所定の標本化周期における前記位置計測誤差量は、トータルオーバーレイが前記基板上に転写された前記回路パターンの最小線幅の1/4以下となる値である。
また、この発明は、前記補間が、前記画像信号そのものに対して行われる
本発明のマーク検知装置は、物体上に形成されたマークに検知ビームを照射する照射系と、前記マークの像を結像面上に結像させる結像系と、前記結像面上に配置され且つ所定のピクセルサイズPを有する撮像素子を有し、前記マークの像を電気的な画像信号に変換し、該画像信号に関する信号を、前記所定のピクセルサイズの周期を含む所定の標本化周期で出力する標本化手段と、前記標本化手段により前記標本化周期で出力された信号から、所定の周期以下の成分を除去する平滑化手段と、前記平滑化された画像信号に関する信号を、前記所定の標本化周期以下の周期で補間する補間手段と、を有し、前記所定のピクセルサイズPは、前記撮像素子上に結像される像の最小周期成分Pminの所定倍であり、前記平滑化手段は、前記所定のピクセルサイズPと前記最小周期成分Pminとで示される1/(1/P−1/Pmin)以下の周期成分を除去することを特徴としている。
ここで、前記ピクセルサイズPは、前記最小周期成分Pminの0.5倍より大きいことを特徴としている
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるマーク検知方法及びマーク検知装置について詳細に説明する。
【0029】
〔露光装置〕
まず、本発明の一実施形態によるマーク検知方法が適用される露光装置について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるマーク検知方法が適用される露光装置の概略構成を示す図である。
図1において、1は超高気圧水銀ランプやエキシマレーザ等の光源である。4は光源1から出射された照明光を反射する反射鏡である。5は波長波長選択フィルタであり、露光に必要な波長の光のみを通過させる。6はフライアイインテグレータ6であり、波長選択フィルタ5を通過した照明光を均一な強度分布の光束に調整するものである。
【0030】
7は開口Sを有するレチクルブラインドであり、開口Sの大きさを変化させて後述するレチクル10に対する照明光の照明範囲を調整するものである。
波長選択フィルタ5、フライアイインテグレータ6、及びレチクルブラインド7は同一の光軸C1上に順に配される。
8は光軸C1を曲げるための反射鏡であり、9は反射鏡8で反射された照明光をレチクルに照射するためのレンズ系である。
【0031】
レチクル10はレンズ系9が配された光軸C2上に配される。このレチクル10には、後述するウェハ12に転写するショットパターンや位置計測のためのアライメントマークが形成されている。
11は、光軸C2上に配された投影光学系であり、レチクル10を透過した照明光を集束するものである。
【0032】
ウェハ12はシリコン等の半導体基板であり、その表面にはレジスト(図示省略)が塗布されている。
13はステージであり、ウェハ12を真空吸着して保持する。また、ステージ13は、互いに直行する方向へ移動可能な一対のブロックを重ね合わせた周知の構造を有している。21はモータ等の駆動手段であり、ステージ13を上記の互いに直交する方向によって形成されるステージ移動座標系内で移動させるものである。よって、駆動手段21がステージ13を移動させることにより投影光学系11の露光視野と重なるウェハ12上のショット位置が調整される。
【0033】
また、ステージ13の所定位置には移動鏡14が固定されている。20はレーザ干渉計であり、ステージ13に配された移動鏡14にレーザ光15を照射することによってステージ移動座標系内におけるステージ13の位置を検出する。
前述した駆動手段21及びレーザ干渉計20は、ステージ制御系36に制御されている。
また、ステージ13の所定位置にはウェハ12の表面と同じ高さを有する基準マーク部材33が固定されている。基準マーク部材33の表面にはアライメントの基準となるマークが形成されている。このマークを計測することにより、アライメントセンサの基準位置を決定することができ、ステージ13とレチクル10との位置関係を計測することができる。
【0034】
ステージ制御系36は、主制御系37から出力される制御信号に基づいて駆動手段21を制御することによってステージ13の移動制御を行う。
また、ステージ制御系36から主制御系37へはレーザ千渉計20の検出結果が供給されており、主制御系37はその情報に基づいてステージ制御系36へ制御信号を出力する。
【0035】
本実施形態における露光装置には、レチクル10に形成されたアライメントマークを検出するレチクルアライメントセンサ31と、基準マーク部材33上の基準マーク、若しくはウェハ12に形成されたアライメントマークを検出するウェハアライメントセンサ32とが備えられている。
レチクルアライメントセンサ31は、不図示の光源(照射系)から、例えば照明光(露光光)と同一波長の光(検知ビーム)を用いて、レチクル10のアライメントマークを検出する。予めレチクルアライメントセンサ31の検出原点(例えば、指標マークの中心)と投影光学系の光軸AXとの相対位置及び、レチクルに描画された回路パターン領域の中心とアライメントマークとの相対位置は求められているので、アライメントマークを検出し、検出原点とのずれ量を求めることにより、レチクルの回路パターンの中心と投影光学系の光軸AXとの位置合わせを行うことができる。
【0036】
ウェハアライメントセンサ32は、投影光学系11の外側に別設されている、いわゆるオフアクシスアライメントセンサであり、投影像面側ではウェハアライメントセンサ32の光軸と投影光学系11の光軸とが平行となっている。ウェハアライメントセンサ32は、基準マーク部材33に設けられた基準マーク、若しくはウェハ12に形成されたアライメントマークを検出することで、これらの検出したマークとアライメントセンサ32の内部に形成された指標マークとの相対位置関係を計測する。尚、不図示の光源(照射系)から上記基準マーク又はアライメントマークへは検知ビームが照射される。
レチクルアライメントセンサ31及びウェハアライメントセンサ32は、アライメントマーク及び基準マーク等の像を撮像装置へ結像させる結像系を備える。
また、このウェハアライメントセンサ32は、前述したセンサの種類すべてが適用可能であるが、本実施形態ではFIAアライメントセンサとしてのウェハアライメントセンサ32を例に挙げて説明する。
35はアライメント制御系であり、レチクルアライメントセンサ31とウェハアライメントセンサ32が接続され、これらのアライメントセンサ31,32から出力されるアライメント信号を処理し、前述の主制御系37へ出力する。
【0037】
上記構成において、超高気圧水銀ランプや、エキシマレーザ等の光源1から射出された照明光は、反射鏡4で反射されて波長選択フィルタ5に入射する。波長選択フィルタ5は、露光に必要な波長の光のみを通過させ、波長選択フィルタ5を通過した照明光はフライアイインテグレータ6によって均一な強度分布の光束に調整されてレチクルブラインド7に到達する。
【0038】
レチクルブラインド7は、開口Sの大きさを変化させて照明光によるレチクル10上の照明範囲を調整する。レチクルブラインド7の開口Sを通過した照明光は反射鏡8で反射されてレンズ系9に入射し、このレンズ系9によってレチクルブラインド7の開口Sの像がレチクル10上に結像され、レチクル10の所望範囲が照明される。
【0039】
レチクル10の照明範囲に存在するショットパターン又はアライメントマークの像は、投影光学系11によりレジストが塗付されたウェハ12上に結像され、これによりウェハ12の特定領域にレチクル10のパターン像が露光される。
レチクルアライメントセンサ31はレチクル10に形成されたアライメントマークの位置を検出し、ウェハアライメントセンサ32はステージ13に固定された基準マーク部材33上の基準マーク位置を検出しアライメント信号を出力する。このアライメント信号がアライメント制御系35へ出力され、レチクル10とステージ13との基準位置が設定される。
【0040】
次に、主制御系37は、ウェハ12に形成されたアライメントマークが、ウェハアライメントセンサ32によって検出されるよう制御信号をステージ制御系36へ出力する。ステージ制御系36はこの制御信号に基づいてステージ13を駆動するとともに、レーザ干渉計20から出力される検出信号を主制御系37へ供給し、フィードバックをかけることによって制御する。
このようにして、主制御系37がステージ13を制御して移動させ、ウェハ12に形成されたアライメントマークの位置を計測し、レチクル10とウェハ12との位置とを計測して、位置合わせを行って、位置合わせが終了した時点において、レチクル10に形成されたショットパターンをウェハ12に塗布されたレジストに転写する。
【0041】
レチクルアライメントセンサ31及びウェハアライメントセンサ32から出力されるアライメント信号から、アライメントマーク位置を決定する手順について詳細に説明する。
撮像装置の最小分割単位は、アライメント光学系により、撮像装置上に結像される像の最小周期成分の0.2倍〜0.5倍であれば、補間を行うことが有効である。
【0042】
撮像装置上に結像されたマーク像は、電気信号として、標本化手段たる標本化装置に送られ、ディジタル画像信号として処理系へ送られる。この処理系は、補間手段、平滑化手段、規格化手段、計測手段をなす。
撮像装置としては、ラインセンサやCCDカメラなどを用いることが可能であり、前者の場合ディジタル画像信号は、1次元、後者の場合は2次元となる。
また、標本化装置から出カされるディジタル画像信号の標本化周期は、通常、撮像装置の最小分割単位に一致させることが望ましい。こうすることによって、撮像装置のもつ分解能を効率良く利用できる。
【0043】
〔マーク検知方法〕
次に、本発明の一実施形態によるマーク検知方法について詳細に説明する。
〈画像信号の補間〉
まず、上記撮像装置から得られたディジタル画像信号の補間を行う方法について説明する。
説明を簡単にするため、1次元の場合について説明する。2次元画像の場合でも、走査線1本を取り出すか、あるいは1方向に積算することにより、1次元画像として取り扱うことも可能である。
【0044】
図2は、1次元画像に対して補間を行う様子を説明するための図である。図2においては、説明を簡単にするため、1次元画像として取り扱う場合の補間について説明する。
標本化周期がTである1次元ディジタル画像信号f(k:0,1,…,n)を、T′<Tなる周期T′で補間する場合を考える。補間後の信号をf′′(k′:0,1,…,n′)とする。補間を行うためには、kの示すディジタル画像上での位置X(k)とk′の示す位置X′(k′)とが一致あるいは最も近い点K(以下、最近接点と称する)と、その前後数点を用いて、補間フィルタS(k,k′)によって畳み込み演算を行えばよい。
【0045】
より具体的に図2を参照して説明する。図2において、f〜fは標本化周期がTである1次元ディジタル画像信号を示している。これら1次元ディジタル画像信号f〜fの位置座標は各々X〜Xである。
いま、この1次元ディジタル画像信号を周期T′で補間する場合について考える。1次元ディジタル画像信号fとfとの間を補間する場合、補間後の信号をf′とし、その位置座標をX′とする。
【0046】
補間後の信号の位置座標に最も近接する1次元ディジタル画像信号はfであり、この1次元ディジタル画像信号fが最近接点Kに該当し、その値はK=5となる。
よって、補間を行う場合には、この最近接点Kの前後数点、例えば1次元ディジタル画像信号f,fを用い、以下の(1)式を用いて補間を行う。
【数9】
Figure 0004277448
【0047】
上記(1)式において、補間フィルタS(k,k′)は、一般に、kとk′の関数であるが、通常位置計測を行う場合には、相対位置dx=|X(k)−X(k′)|だけに依存する補間フィルタS(dx)を用いる。
また、標本化周期TとT′が整数比であれば、相対位置dxのとりうる値は有限個であり、それらすべてをあらかじめ記憶装置に保持し、補間の際に記憶装置から数値を読み出すことによって補間演算が行える。尚、(1)式中で用いられている変数mは、補間の精度等を考慮して決定される変数である。
また、図2において、f′を求める場合には、X′の位置座標と1次元ディジタル画像信号fの位置座標Xは同一であるためfが最近接点Kに該当し、その値はK=4となる。
【0048】
上記補間フィルタS(dx)として(2)式に示されるサンプリング関数を用いれば、理論的にもとの信号を復元できる。
【数10】
Figure 0004277448
ただし、撮像装置の画素の面積、補間において近傍のデータしか用いないことに起因する誤差は生じる。
後者の誤差は、補間フィルタS(dx)が端部においてなめらかに0に収束しない場合、顕著に現れる。
【0049】
そのため、実際には、有限長の補間フィルタS(dx)に対して、その長さ、つまり補間を行う際に考慮される変数mで定まる距離に合った窓関数W(dx)の積をとったものが補間フィルタS(dx)として用いられる。(3)式は、この補間フィルタS(dx)を示す式である。
【数11】
Figure 0004277448
【0050】
上記窓関数としては、例えば(4)式に示されるハニングウィンドウ等を用いればよい。
【数12】
Figure 0004277448
以上説明した方法においては、位置座標X(k′)が位置座標X(k)に一致する場合、相対位置dx=0の点を除いてすべて0になるため、この点は、補間前のデータをそのまま用いることによって処理速度の向上を図っても良い。
また、以上の説明においては撮像装置から得られた画像信号を1次元画像として扱う場合について説明したが、2次元画像として扱う場合にも同様に処理することができる。
【0051】
〈ノイズの除去〉
また、処理対象である画像信号にはノイズが含まれている場合が多々ある。このノイズは、周囲から発生される電気的なノイズであったり、アライメントマークがプロセス処理された時に生ずる欠陥やゴミ等である。
特に、エッジ検出のような斬化的な処理を行う場合、高周波のノイズが誤検出などを引き起こして大きな計測誤差となることがある。
【0052】
そのため、位置計測をする場合、普通前処理としてローパスフィルタリングが行われるのが一般的である。
前述したように、本実施形態では得られた画像信号を補間しており、その後フィルタリングを行うと補間後の標本化周期でフィルタリングを行うことになる。補間を行うと、画像信号の標本化周期よりも補間後の標本化周期の方が短くなる。従って、補間後にフィルタリングを行う場合には多くの演算を必要とし、処理時間が長くなる。
【0053】
また、補間前にフィルタリングを行うことも可能であるが、この場合、フィルタリングという処理が補間演算にとってはノイズとなるため、精度が劣化することになってしまう。
しかし、上記のような補間演算は、フィルタリングの演算と基本的に同じ畳み込み演算である。そこで、補間演算とフィルタリング演算とを同時に行って精度の劣化を防止するとともに、処理速度を向上させることについて考える。
【0054】
いま、所定のローパスフィルタをR(x)とする。
前述の(2)式や(3)式で表された補間フィルタS(x)を用いて補間を行った後にローパスフィルタリングを行う場合には、まず画像信号に対して補間フィルタS(x)を用いて処理を行った後、ローパスフィルタR(x)を用いて処理を行うことになる。
【0055】
以上の処理と等価な処理ではないが、以下の(5)式を用いると、ほぼ同様の処理が行われる。
【数13】
Figure 0004277448
そこで、撮像装置から得られる画像信号を、(5)式に示されるLPS(x)を用いて処理することにより、補間及びフィルタリングが行われた信号が得られるとともに、これらの処理が同時になされるので、処理時間を短縮することができる。
【0056】
前述のローパスフィルタR(x)としてsinc関数を用いた場合の演算は、(2)式に示される補間フィルタS(x)のsinc関数の周期を変えることに相当する。
従って、この場合には、(5)式に示されたLPS(x)は、H<Tなる変数Hを用いて、以下の(6)式のように表すことができる。
【数14】
Figure 0004277448
【0057】
また、(3)式に示された窓関数W(dx)を用いる場合には、(7)式のように表される。
【数15】
Figure 0004277448
(6)式や(7)式を用いて、撮像装置から得られる画像信号に対して処理を施すことにより補間とローパスフィルタリングとを更に高速に行うことができる。
上記窓関数Wは以下の(8)式で表される。
【数16】
Figure 0004277448
【0058】
〈2次元画像信号の補間〉
次に、撮像装置から得られる画像信号が2次元画像である場合について詳細に説明する。
2次元画像を用いて位置計測を行う場合、2方向の位置座標を同じ画像データから求めることも行われるし、1方向のみの座標を求めることもある。
本実施形態においては、少なくとも1つの計測方向において、撮像装置の最小分割単位が、その方向の像の最小周期成分の0.2倍程度以上の場合に、少なくともこの方向についてディジタル画像の標本化周期が撮像装置の最小分割単位よりも小さくなるよう補間を行う。
【0059】
2次元画像信号fkx,ky(x方向の標本化周期T、y方向の標本化周期T)を補間し、T>T′,T>T′のうち少なくとも一方を満たす、周期T′,T′で標本化された信号fkxky′(kx′:0,1,…,nx′;ky′:0,1,…,ny′)に変換する場合について考える。
【0060】
求める補間後の画像信号fkxky′の各値は、kx、kyに対応する2次元画像上での位置P(kx)、P(ky)とk′、k′に対応する位置P′(kx′)、P′(ky′)が一致又は最も近い点(P,P)を中心に、1以上の有限個の近傍点の信号fkx,ky(P−mx<kx<P+nx、P−my<ky<P+ny)と、k及びk′に依存する任意の補間フィルタS(kx,kx′,ky,ky′)とを用いて、以下の(9)式によって求める。尚、上記変数mは精度に関係して設定される変数である。
【数17】
Figure 0004277448
【0061】
以上の処理に関する理解を容易にするために、図3を参照して具体例を挙げて説明する。
図3は、2次元画像信号の補間を行う様子を説明するための図である。図3においては、説明を簡単にするため、2次元画像の2方向(図2中ではx方向とy方向)の標本化周期が同一のTである場合について説明する。
図3において、(P(2x),P(3y))〜(P(6x),P(6y))は撮像装置によって標本化された点であるとする。
いま、T′<Tなる標本化周期T′で補間をする場合について考える。尚、理解を容易にするため、補間を行う場合には、x方向及びy方向の何れの方向においても標本化周期T′で補間を行う場合について説明する。
【0062】
補間後の標本化点を図3に示されたように、(P′(3x′),P′(5y′))〜(P′(9x′),P′(10y′))とする。
いま、図3に示されるように、(P′(5x′),P′(8y′))の点Qについて補間を行う場合を考える。まず、補間を行う点Qに最も近接する点(以下、最近接点という)を求める。図3では、(P(4x),P(5y))が最近接点となる。
次に、この最近接点の近傍点を少なくとも1つ選ぶ。図3に示した例においては、q1〜q8の点が選択されている。これらの近傍点を選択した後、上記(9)式に示した演算を行う。
【0063】
2次元画像信号の補間は、1次元画像信号を補間する場合と同様に位置計測において、補間フィルタS(kx,kx′,ky,ky′)は、kの示す2次元画像信号上での位置と、k′の示す位置とに依存する関数であり、これらの位置の差を用いて表す場合が多い。
これらの位置のx方向の距離をdx=|P(kx)−P′(kx′)|、y方向の距離をdy=|P(ky)−P′(ky′)|とした場合、上記補間フィルタS(kx,kx′,ky,ky′)は、補間フィルタS(dx,dy)と表される。
【0064】
また、標本化周期Tと標本化周期T′は整数比であれば、上記(9)式の演算を実行する際に、前記変数dx、dyの取り得る全ての補間フィルタS(dx,dy)の値を予めを記憶装置に記憶させ、補間演算を行う際に読み出すということができることも、1次元画像信号を補間する場合と同様である。
2次元画像信号を補間する場合の補間フィルタS(dx,dy)は、各々の方向の補間フィルタs,sの積となり、(10)式で表される。
【数18】
Figure 0004277448
【0065】
補間フィルタs,sが有限フィルタであることによるノイズの影響を削減するための窓関数、ローパス効果を持たせるためのフィルタリングなどは、すべて補間フィルタs(dx),s(dy)のそれぞれに窓関数、ローパスフィルタリングを行ってからその積を用いれば1次元の場合と同様のことが可能となる。
【0066】
また、1次元画像信号に対してノイズ除去を行う場合と同様に、(10)式で示した補間フィルタs(dx),s(dy)として、標本化周期H<T、H<Tを満たすH、Hを用いて、(10)式を(11)式とすることにより、ローパスフィルタリング及び補間を同時に行うことができる。
【数19】
Figure 0004277448
また、(10)式中のS(dx,dy)と窓関数W(dx,dy)との積を求め、ノイズ除去を行った際に補間フィルタの端部において値が滑らかに0に収束しないという不具合を解消するようにしてもよい。
【0067】
上記窓関数W(dx,dy)の一例は(12)式で与えられる。
【数20】
Figure 0004277448
【0068】
〈エイリアシング現象の除去(平滑化)〉
一般的に、ある像について標本化を行い、標本化を行って得られた信号からもとの像を得るためには、標本化周期が像に含まれる最小周期の0.5倍以下でなければならない。ここで、光学系の最小周期成分は、照明に用いられる光の波長λ、光学系の開口数NAである場合、λ/(2×NA)である。
【0069】
しかしながら、露光装置においては、アライメントマークをまず検出するため、光学系の倍率を小さくして視野を広げ、アライメントマークを検出した後、光学系の倍率を上げてアライメントが行われる。
このような場合には、撮像装置の最小分割単位は、アライメント光学系により、撮像装置上に結像される像の最小周期成分の0.5倍以上となってしまうことがある。以下、このような場合においても位置計測誤差を小さくすることのできるマーク検知方法について説明する。
【0070】
上記の条件が満たされない場合、撮像装置による標本化の際に、像の短周期成分が長周期成分に変換されるエリアシング現象が起こる。このため、補間を行っただけでは、原理的に信号を復元できないという問題がある。
本実施形態においては、このような場合にエリアシングによる擬信号成分を含めて除去する。
【0071】
撮像装置の最小周期成分をP、アライメント光学系により撮像装置上に結像される像の最小周期成分Pminとすると、擬信号の最小周期成分は、1/(1/P−1/Pmin)である。
従って、この周期以下の成分を除去するフィルタリングを行えば良い。
そのためには、1/(1/P−1/Pmin)以下の周期成分を近似的に含まないフィルタF(k,k′)を用いて、以下の(13)式の演算を行えばよい。
【数21】
Figure 0004277448
【0072】
また、上記(13)式において、右辺と窓関数W(dx)との積を求め、ノイズ除去を行った際に補間フィルタの端部において値が滑らかに0に収束しないという不具合を解消するようにしてもよい。
更に、実際の処理においては、(13)式の演算を予め求め、テーブル形式で記憶装置に記憶しておき、補間演算を行う際に、この値を当該記憶装置から読み出して処理をするようにしてもよい。このようにすることで、演算処理時間を短縮でき、時間の更なる短縮化が図れる。
【0073】
更に、2次元画像信号fkx,ky(kx:0,1,…,nx;ky:0,1,…ny;nx,ny>=1、nx、nyの内少なくとも一方は>1、x方向標本化周期T、y方向標本化周期T)に対するローパスフィルタリングを行う場合について説明する。いま、ローパスフィルタリングを行った後の信号をf′kxky′とする。
まず、f′kxky′の各値を、kx、kyに対応するディジタル画像上での位置P(kx),P(ky)と、kx′,ky′に対応する位置P′(kx′)、P′(ky′)が一致あるいは最も近い点(P、P)を求める。
【0074】
次に、この点(P、P)を中心に、1以上の有限個の近傍点の信号fkx,ky(P−mx<kx<P+nx、P−my<ky<P+ny)に対して、kとk′とに依存する任意の関数S(kx,kx′,ky、ky′)と、少なくとも1方向について、近似的に1/(1/P−1/Pmin)より小さい周期成分を含まないと見なせる関数F(x,y)を周期T、Tで標本化することによって得られる数値列Fi,jを用いて(14)式で示される演算を行うことにより2次元信号のローパスフィルタリングが行える。
【数22】
Figure 0004277448
【0075】
また、ローパスフィルタリングと共に補間を行う場合について説明する。
上記2次元画像信号fkx,kyの変換後の信号をf′kxky′(kx′:0,1,…,nx′;ky′:0,1,…,ny′)とする。この変換後の信号は、T>T′、T>T′の内少なくとも一方を満たすT′、T′の標本化周期を有する。
【0076】
ローパスフィルタリングと共に補間を行う場合は、まず、f′kxky′の各値を、kx、kyに対応するディジタル画像上での位置P(kx),P(ky)と、kx′,ky′に対応する位置P′(kx′)、P′(ky′)が一致あるいは最も近い点(P、P)を求める。
【0077】
次に、この点(P、P)を中心に、1以上の有限個の近傍点の信号fkx,ky(P−mx<kx<P+nx、P−my<ky<P+ny)と、kとk′とに依存する任意の関数S(kx,kx′,ky、ky′)とを用いて(15)式に示される演算を行うことにより2次元信号のローパスフィルタリング及び補間が行える。
【数23】
Figure 0004277448
【0078】
ここで、関数S(kx,kx′,ky、ky′)は、変数dx=P(kx)−P′(kx′)、dy=P(ky)−P′(ky′)に依存する関数S(dx,dy)であり、この関数S(dx,dy)は少なくともx方向又はy方向の何れかの方向において、近似的に1/(1/P−1/Pmin)とみなせる関数である。
【0079】
また、関数S(dx,dy)は、
{x}>0.5×P{x}maxである場合に、
=1/(1/P(x)−1/P{x}max
{y}>0.5×P{y}maxである場合に、
=1/(1/P(y)−1/P{y}max
(ここで、記号{}はx又はyの方向を示す)
であるH、Hを用いて、(16)式で表される。
【数24】
Figure 0004277448
更に上記関数S(dx,dy)として、(16)式中に示されたS(dx,dy)に対して更に窓関数W(dx,dy)を掛けたものを用いてもよい。
【0080】
更に、実際の処理においては、(16)式の演算を予め求め、テーブル形式で記憶装置に記憶しておき、補間演算を行う際に、dx,dyの値に応じた値を当該記憶装置から読み出して処理をするようにしてもよい。このようにすることで、演算処理時間を短縮でき、時間の更なる短縮化が図れる。
【0081】
(14)式中のフィルタFkx−kx,ky−ky′は、kx−kx′、ky−ky′各々に依存する有限長フィルタF(dkx,dky)とするのが良い。フィルタの種類は様々あるが、たとえば、sinc関数に適当な窓関数W(dx)をかけたものを用いる。
擬信号の最小周期成分をP=1/(1/P−1/Pmin)とすると、フィルタF(dx)は(17)式で表される。
【数25】
Figure 0004277448
【0082】
その他、例えばSavitzky-Golayのフィルタは、フィルタサイズを大きくするほど相対的に最小周期成分が大きくなるため、適当なサイズのものを用いることによっても同様の効果が得られる。
以上の説明においては、1次元のエリアシング現象の除去について説明したが、2次元の場合についても補間の場合と同様、各方向についてフィルタ関数を求め、その積を用いることによって達成できる。
【0083】
更に、ローパスフィルタリングと補間を同時に行うこともできる。先に、ノイズの除去を補間と同時に行う方法を示したが、補間フィルタが、1/(1/P−1/Pmin)以下の周期成分を近似的に含まないという条件を満たせば、撮像装置の最小分割単位が、像の最小周期成分の0.5倍以上の場合にでも精度の良い計測を行うことが可能である。
【0084】
さて、以上で補間演算の説明を行ったが、以下では、位置計測において補間をどのように用いるかを説明する。
マーク検知方法としては、エッジ検出、相関法が有名である。
エッジ検出は、入力画像の微分画像信号を計算することにより、エッジを特定し、そのエッジの対して所定の方法でスライスレベルを定め、スライスレベルを横切るエッジの位置を内装することにより、ディジタル画像データの標本化周期以下の精度で計測を行う。
【0085】
相関法としては、たとえばテンプレート画像信号を予め用意し、テンプレート画像信号と入力画像信号との正規化相互相関を、テンプレート画像信号と入力画像信号との相対位置をずらしながら計算し、相対位置に依存する相関関数を算出し、相関関数のピーク位置を求める正規化相互相関法がある。
【0086】
また、相関法として、入力画像に対称性がある場合に用いられる自己相関法がある。
自己相関法は、信号を対称点近傍と思われる位置で2分し、対象点を基準に一方の位置座標を反転させて相関を計算する。
この計算を、2分する中点をずらしながら行い、相関関数を算出する。相関関数のピークを求めることにより、画像の対称点位置を計測できる。これらの方法で位置計測を行う際に、補間を行う方法の1つとして、フィルタリングなどの前処理と同様に用いる方法がある。
つまり、フィルタリングや、補間を行った後に計測を行う方法である。この方法の場合、正規化相互相関法などでは、テンプレート画像信号も、補間後の標本化周期のものを用いなければならない。
【0087】
また、計測の中間状態で補間を用いる方法もある。エッジ検出においては、微分信号と元の信号との両方が用いられるが、微分信号に関しては、エッジ位置を「認識」することが目的であるので、補間をする必要がない場合が多い。
この場合は、入力画像信号を微分したものと、補間及び平滑化を行ったものとを用いれば、処理速度においてメリットがある。
【0088】
また、相関法においては、相関関数というものは、入力画像信号同士あるいは入力画像信号とテンプレート画像信号との相対位置の関数となるが、これは通常画像データの標本化周期で標本化された信号となっている。
従って、この相関関数に対し補間を行い、ピーク検出の際の精度向上を図ることも可能である。
【0089】
以下に、従来及び本実施形態を用いた場合の標本化計測誤差のシミュレーション結果を示す。
図4は、NA0.6、波長0.6μm、照明シグマ=1.0の条件の光学系によって、撮像装置上に結像される段差マーク像の1次元射影である。これはシミュレーションによって得たものである。
像に含まれる最小周期成分は、光学系の倍率等を考慮して換算すると、ウェハ12上換算で0.6/(2×0.6)=0.5μmである。
【0090】
図5、図6は、図4に示された像を0.24μmの標本化周期で標本化して得られた信号である。この結果には本発明の一実施形態によるマーク検知方法は用いていない。
図5と図6との相違は、標本化の位相を異ならせた場合のシミュレーション結果である点である。つまり、実際の装置では、CCDカメラ等の撮像装置の位置を移動させた場合の測定結果に相当する。
図5及び図6を比較すると、信号の形状が明らかに異なり、エッジ検出、相関計測などを行ったときに誤差が生ずるであろうことが予想される。
【0091】
像の位置と撮像装置の位置との位相関係によって、計測位置が変わると、それが標本化による誤差となる。
そこで、この誤差を評価するために、像のデータを標本化周期/100μmずつ移動させながら、周期0.24μmで標本化を行ったのち、エッジ計測を行い、移動量と計測値との差を調べると図7のようになる。図7は、撮像装置に対する像の位置を移動させた場合のエッジ位置のずれ量を示す図である。
【0092】
標本化周期を変化させながら、移動量と計測値とのずれのばらつき量を表したものを図15に示す。図15を参照すると、エッジ検出であるため周期的な振る舞いをしているが、サンプリング周期0.2以降、誤差が大きくなっていくことが分かる。この条件が、標本化周期が像の最小周期成分の0.4倍程度の条件になっている。
【0093】
さて、本発明の一実施形態によるマーク検知方法においては、計測の際に補間を行っている。
図8、図9は、それぞれ図5,6に示された信号に対し、標本化された各々の標本化点間を3点補間したシミュレーション結果を示す図である。
また、図10は、補間を行った撮像装置に対する像の位置を移動させた場合のエッジ位置のずれ量を示す図である。
【0094】
図10を参照すると、移動量に対してエッジ位置のずれ量がほとんどなく、補間を行ったことにより、精度が大幅に向上したことが分かる。
図15は、前述したように、前処理を行わなず、標本化周期を変化させた場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
また、図11は、標本化周期を変化させて補間のみを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
図12は、標本化周期を変化させてローパスフィルタリングのみを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
図13は、標本化周期を変化させて補間及びローパスフィルタリングを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
【0095】
図11を参照すると、3点補間を行うことにより、標本化周期が像の最小周期成分の0.6倍、つまり標本化周期が0.3μmまで、計測精度が良いことが分かる。
この条件においては、理論上はエリアシングが発生し、計測精度が悪化しているのであるが、像に含まれる最小周期成分の振幅は、相対的にあまり大きくなく、計測への寄与が少ないためと思われる。標本化周期が像の最小周期成分の0.6倍を超えると、図示したように精度が悪くなってくる。
【0096】
図12、図13では、周期成分1μm以下の周期成分を除去するフィルタリングを行っている。P=1/(1/P−1/Pmin)から逆算すると、P<0.33μmなら問題となるエリアシング成分が除去され、精度が良いはずである。
ローパスフィルタリングのみを行った場合(図12参照)は、前処理なし(図15参照)と比較すれば僅かながら精度が上がっているが、エリアシング以外の標本化による誤差が大きく、あまり効果があるとは言えない。全体的に標本化周期の長い方へシフトしているのが分かる。
【0097】
一方、ローパスフィルタリング及び補間を共に行った場合(図11参照)、補間のみを行った場合(図12)と比較して精度がよくなっている。図13を参照すると、標本化周期PがP=0.33μmまで極めて精度の良いシミュレーション結果が得られた。
以上のシミュレーションにより、本実施形態によるマーク検知方法は、標本化周期を像の最小周期成分に対して0.5倍以下に設定できない場合に極めて有効であることが分かる。
【0098】
ここで再度、図15(開口数NA=0.6、Pmin=0.5μm)、図16(開口数NA=0.3、Pmin=1μm)に示したシミュレーション結果について更に述べる。前述したように、「0.2×Pmin<P<0.39×Pmin」の領域、及び「P>0.41×Pmin」の領域内において、どのNAに対しても、精度が悪くなっている(位置計測誤差が許容される誤差約3〜5nmよりも大きくなっている)。
しかしながら「0.39×Pmin<P<0.41×Pmin」では精度が良くなっている。
【0099】
以上のシミュレーション結果をふまえれば、撮像装置のピクセルサイズPを、「0.39×Pmin<P<0.41×Pmin」の条件を満たすように決定すれば、マーク位置(エッジ位置)の計測誤差を許容値以内(図15では、5nm)に抑えることができ、計測精度を向上できる。換言すれば、ピクセルサイズPが変更できない場合(固定ピクセルサイズの場合)には、「0.39×Pmin<P<0.41×Pmin」の条件を満たすように光学系(マークを観察して撮像装置上に結像させる結像光学系)の倍率を決定すれば、マークの計測精度を向上させることができる。
【0100】
また、上記シミュレーション結果をふまえれば、観察されるマーク(周期性を持つマーク)の形状(ピッチ)とピクセルサイズPとの間で、「マークのライン幅=(2n+1)×P/2」という条件を満足していれば、即ちサンプリング位置とマークのエッジ位置とをずらすようにすれば、位置計測誤差を許容誤差内に抑えることができる(精度が良くなる)。よって、「マークのライン幅=(2n+1)×P/2」という条件を満足するようなマークを使用することによっても、マーク計測精度を向上できる。換言すれば、「マークのライン幅=(2n+1)×P/2」の条件を満たすように、結像光学系の倍率を決定すれば、マーク計測精度を向上できる。尚、この方法は、補間が必要な条件「P>0.2Pmin」の場合にも、又はエリアシングの発生する条件「P>0.5Pmin」の場合にも有効である。
【0101】
またマークのライン幅をマーク内で不均一に形成することによっても、サンプリング位置とマークのエッジ位置とをずらすことができ、このようなマークを計測に使用すれば、マーク計測精度を向上することができる。またこのような不均一マーク(複数のライン&スペースによって構成され、且つライン幅、スペース幅が視野内(マーク内)で異なるマーク)を使用すれば、平均化効果により全てのピクセルサイズにおいて計測誤差を平均的に低減できる。尚、この方法も補間が必要な条件「P>0.2Pmin」の場合、或いはエリアシングの発生する条件「P>0.5Pmin」の場合にも有効である。
【0102】
ところで上述した実施形態における補間方法は、標本点(図2のf〜f)の間の位置の強度(例えば輝度)を、標本点の強度(例えば輝度)の線形結合により求める方法である。
より具体的に言えば、補間しようとする任意点(例えば図2の説明において既述したf′)の最近接点(前述した図2のf)とその前後数点の標本点(前述した図2のf、f)を用いて重み付け演算を行って、任意点(補間点f′)を求める方法である。
この線形結合(重み付け演算)で使用される各標本点(図2における近傍標本点f〜f)に対応する係数は、各標本点からの寄与、即ち重み付け(重み付け係数)に相当する。なおこの重み付けには負の値も含まれる。
【0103】
ところで標本化定理によれば、標本化前の連続データを復元するためには、この重み付けの重みの総和が常に一定である、という条件を満たさなければなければならない。無限の標本点を使用すれば(無限個の係数の和をとれば)重みの総和を一定にすることができ、上記条件を満たすことができる。
しかしながら、実際の補間処理においては、有限領域で(有限の標本点で)重み付け演算を行う。ところが有限領域で補間を行うと、重みの総和が一定にならず、周期的なノイズが標本化周期で発生してしまい、コントラストの低い信号に対してS/N比を低下させる原因となる。この問題を解決するためには、上述した補間フィルタ(重み付け関数、sinc関数)の規格化処理を行う必要がある。
【0104】
以下に、補間フィルタの規格化処理について説明する。
上記(2)式の有限長の補間フィルタS(dx)と既述した窓関数W(dx)との積で示される上記(3)式の補間フィルタS(dx)を規格化する場合について説明する。
まず、この(3)式の補間フィルタS(dx)を使用してある任意点(補間すべき点)の値を計算する前に、補間フィルタS(dx)で求められる係数の和(総和)を計算する。
【0105】
次に、求めた総和で、この演算に用いる各標本点の係数の値(補間フィルタで求められた各標本点の係数)を除する。これにより、全ての場合において(全ての任意の補間点において)、重み付けの総和を「1」(一定値)にすることができる。このため上述したようなノイズを発生することは無い。そしてこの除した結果をその標本点の重み係数として使用する。
【0106】
ここで、図2において説明した任意の補間点f′を、その近傍の標本点f、f、fを用いて補間する場合を例にとって、この規格化処理を具体的に説明する。補間フィルタS(dx)によって求められる各標本点f、f、fの重み係数をそれぞれa、a、aとする。このa〜aの総和Σaを求める。そして、各係数a〜aを総和Σaで除したa/Σa、a/Σa、a/Σaを、それぞれ標本点f、f、fの重み係数として決定する。
【0107】
次に補間フィルタの別の態様について説明する。
補間を行った後に微分を行う、または微分を行った後に補間を行うことは、処理時間の低下につながる。そこで微分を補間と同時に行って処理時間の短縮を図ることができる態様について説明する。
sinc関数S(dx)によるフィルタリングを行った後に微分を行うことは、標本化周期をTとすると以下の(18)式に示した関数f(x)でフィルタリングを行うことと同等である。
【数26】
Figure 0004277448
【0108】
このフィルタf(x)を用いて補間を行ってデータを復元するためには、「ある任意の補間点を計算するための寄与の総和(重み係数の総和)は常に0」という条件(以下、和の条件と称する)を満足しなければならず、且つ「モーメントΣf(x)・xが常に一定」(以下、モーメントの条件と称する)という条件をも満たさなければならない。ところが既述したように、有限領域で(有限の標本点で)重み付け演算を行うので、この2つの条件を自然に満たすことができない。このため、条件を満足せぬままこのフィルタf(x)を用いて補間を行うと、周期的なノイズが標本化周期で発生してしまい、コントラストの低い信号に対してS/N比を低下させる原因となる。よって、この関数f(x)を用いてフィルタリングを行う場合においても、規格化処理を行う必要がある。
【0109】
まず、フィルタf(x)で求められる各標本点における係数の和(総和)Σf(x)を計算する。
次に、求めた総和Σf(x)を、線形結合(重み付け演算)に利用する標本点の数nで除算し、その除したものΣf(x)/nを、各標本点の係数の値(フィルタf(x)で求められた各標本点の係数)から減算する。各係数を表す関数f(x)は、以上のように変換されて関数f′(x)、即ち、「f′(x)=f(x)−Σf(x)/n」となる。
【0110】
次に、変換関数f′(x)を用いて、各標本点における係数のモーメントf′(x)・xの総和「Σf′(x)・x」を求め、このモーメントの総和で、先ほど求めた変換関数f′(x)による各係数を除算する。そしてこの除した結果「f′(x)/Σf′(x)・x」をその標本点の重み係数として使用する。
以上によってフィルタ関数f(x)の規格化、即ち上述した和の条件、モーメントの条件を満たすことが可能となる。
【0111】
ここで、図2において説明した任意の補間点f′を、その近傍の標本点f、f、fを用いて補間する場合を例にとって、この規格化処理を具体的に説明する。補間フィルタf(x)によって求められる各標本点f、f、fの重み係数をそれぞれb、b、bとする。このb〜bの総和Σbを求める。そして標本点の数n(この場合は3つ)で総和Σbを除算したもの「Σb/n」を、各係数b〜bから減算した「b−Σb/n」、「b−Σb/n」、「b−Σb/n」を求める。この「b−Σb/n」、「b−Σb/n」、「b−Σb/n」をそれぞれb′、b′、b′とする。
【0112】
次に、各標本点における係数のモーメントを求める。標本点f、f、fにおいて、関数f′(x)の原点からの距離をそれぞれc、c、cとすると、各係数b〜bのモーメントはそれぞれ、「c・b′」、「c・b′」、「c・b′」となる。次に、これら各モーメントの総和Σx・f′(x)を求める(即ち「Σx・f′(x)=c・b′+c・b′+c・b′」となる)。
そして先ほど求めたb′〜b′を、モーメントの総和Σx・f′(x)で除算した「b′/Σx・f′(x)」、「b′/Σx・f′(x)」、「b′/Σx・f′(x)」を、それぞれ標本点f、f、fの重み係数として決定する。
【0113】
尚、以上説明した本発明の実施形態によるマーク検知方法及び露光装置においては、ウェハのアライメントを例に挙げて説明したが、本発明は以上の実施形態に制限されない。
例えば、CCDやラインセンサ等有限の最小分割単位を有する画像センサを用いる位置計測において、マスクや基準板等の他の物体に対する位置計測にも使用可能である。
また、本実施の形態で説明した、離散化された信号を補間する方法及び、エイリアシングを除去するフィルタを用いる方法は、光学像から位置を検出する場合に限らず使用することが可能である。
【0114】
すなわち、例えば上述したLSAタイプのアライメントセンサのように、ウェハステージをアライメント光に対して相対移動(スキャン)しながらアライメントマークに関する信号を取りこんで位置検出する場合、同様にして離散化された位置に対する光強度信号が得られる。この信号から位置を検出する場合、信号の標本化周期は信号の最小周期成分より十分小さくなくなければならない。標本化周期は、電気系のクロック周波数とウェハステージの移動速度(スキャン速度)によって決定されるが、標本化周期を大きく取って補間を行うことにより、精度を落とさずにスキャン速度を速くすることができる。このため、スループットを向上することができるほか、電気系のクロック周波数を落としてS/N比を向上させることも可能である。
【0115】
また、投影光学系の光軸方向に関しいくつかの点で像のコントラストを計測し、投影光学系の焦点位置に依存する焦点位置計測信号を得て、投影光学系のベストフォーカス位置を求められる場合、同様にして離散化された焦点位置に関する焦点位置計測信号が得られる。この場合も、焦点位置計測信号に対して本発明の補間を用いることにより計測精度を落とさずに計測点数を減らすことができ、大幅に計測速度を向上させることができる。
【0116】
尚、本実施形態に係る露光装置(図1)は、ウェハ12を精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、前述の照明系1〜9、レチクルアライメント系31、ウェハアライメント系32、投影光学系11等の図1に示された各要素が電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0117】
次に、本実施形態の露光装置及び方法を使用したデバイスの製造について説明する。
図21は、本実施形態におけるデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートである。図21に示されるように、まず、ステップS301(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS302(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS303(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0118】
次に、ステップS304(ウェハプロセスステップ)において、ステップS301〜ステップS303で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS305(組立ステップ)において、ステップS304において処理されたウェハを用いてチップ化する。このステップS305には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。
【0119】
最後に、ステップS306(検査ステップ)において、ステップS305で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0120】
図22は、半導体デバイスの場合における、上記ステップS304の詳細なフローを示すフローチャートである。図22において、ステップS311(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS312(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS313(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS314(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS311〜ステップS314各々は、ウェハプロセスの各段階の前工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0121】
ウェハプロセスの各段階において、前工程が終了すると、以下のようにして後工程が実行される。この後工程では、まず、ステップS315(レジスト処理ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布し、引き続き、ステップS316(露光ステップ)において、上記で説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに焼付露光する。次に、ステップS317(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、引き続き、ステップS318(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS319(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0122】
これらの前工程と後工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上のようにして、精度良く微細なパターンが形成されたデバイスが、高い量産性で製造される。
【0123】
尚、本実施形態の露光装置として、マスクと基板とを同期移動してマスクのパターンを露光する走査型の露光装置(USP5,473,410)にも適用することができる。また、本実施形態の露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置にも適用することができる。更に、本実施形態の露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用することができる。
【0124】
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0125】
本実施形態の露光装置の光源は、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができる。
【0126】
投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良い。
投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、FレーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればいい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0127】
ウエハステージやレチクルステージにリニアモータ(USP5、623,853又はUSP5、528、118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもいい。
【0128】
ステージの駆動装置としては、2次元に磁石を配置した磁石ユニットと、2次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力によりステージを駆動する平面モ−タを用いてもいい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設ければいい。
【0129】
ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報(USP5、528、118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもいい。
レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもいい。
【0130】
また、上記実施形態においては、補間を行う場合にsinc関数を用いた場合について説明したが、例えばスプライン関数を用いたフィッティングによる補間であっても良い。入力された画像信号そのものを補間する場合に、当該画像信号に基づいて作成された相関関数を補間するようにしても良い。
【0131】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、撮像素子の最小分解単位が、像の最小周期成分の0.2倍以上とならざるを得ない場合において、所定の周期で標本化されたマークの画像信号を、当該所定の標本化周期以下の周期で補間することにより、マークの位置計測誤差を大きく軽減することが可能となるという効果がある。
また、撮像素子の最小分解単位Pが、像の最小周期成分Pminの0.5倍以上とならざるを得ない場合においてエリアシングノイズを除去することができ、物体の像を完全に復元することができない条件においても誤差精度を向上させることができるという効果がある。
その結果、例えばアライメントマークの像を、粗い標本化周期で位置計測を行うことができるため、NA拡大、あるいは視野の拡大が従来の撮像素子を用いても可能となる。
更に、本発明では、平滑化を伴う補間演算を行っているため、補間処理とローパスフィルタリングによる平滑化とを別個に行う場合に比べて処理時間を短縮できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるマーク検知方法が適用される露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】 1次元画像に対して補間を行う様子を説明するための図である。
【図3】 2次元画像信号の補間を行う様子を説明するための図である。
【図4】 NA0.6、波長0.6μm、照明シグマ=1.0の条件の光学系によって、撮像装置上に結像される段差マーク像の1次元射影である。
【図5】 図4に示された像を0.24μmの標本化周期で標本化して得られた信号である。
【図6】 図4に示された像を0.24μmの標本化周期で標本化して得られた信号である。
【図7】 撮像装置に対する像の位置を移動させた場合のエッジ位置のずれ量を示す図である。
【図8】 図5に示された信号に対し、標本化された各々の標本化点間を3点補間したシミュレーション結果を示す図である。
【図9】 図6に示された信号に対し、標本化された各々の標本化点間を3点補間したシミュレーション結果を示す図である。
【図10】 、補間を行った撮像装置に対する像の位置を移動させた場合のエッジ位置のずれ量を示す図である。
【図11】 標本化周期を変化させて補間のみを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】 標本化周期を変化させてローパスフィルタリングのみを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】 標本化周期を変化させて補間及びローパスフィルタリングを行った場合の位置計測誤差のシミュレーション結果を示す図である。
【図14】 エッジ検出を行う際の処理を説明するための図である。
【図15】 6μmラインの段差マークを、異なる標本化周期で標本化を行った場合の位置計測誤差を示す図である。
【図16】 6μmラインの段差マークを、異なる標本化周期で標本化を行った場合の位置計測誤差を示す図である。
【図17】 正規化相互相関を用いた場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。
【図18】 アライメントマークの本数が3本の場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。
【図19】 アライメントマークの本数が6本の場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。
【図20】 アライメントマークの本数が9本の場合の標本化周期と位置計測誤差との関係を表すシミュレーション結果を示す図である。
【図21】 デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートである。
【図22】 半導体デバイスの場合における、図21中のステップS304の詳細なフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 光源
5 波長選択フィルタ
6 フライアイインテグレータ
7 レチクルブラインド
10 レチクル
11 投影光学系
12 ウェハ
13 ステージ
20 レーザ干渉計
21 駆動手段
31 レチクルアライメントセンサ
32 ウェハアライメントセンサ
35 アライメント制御系
36 ステージ制御系
37 主制御系

Claims (12)

  1. 物体上に形成されたマークに検知ビームを照射し、
    前記マークの像を結像系を介して撮像し、
    所定のピクセルサイズPを有する撮像素子上に結像した前記マークの像を電気的な画像信号に変換して、該画像信号に関する信号を、前記所定のピクセルサイズの周期を含む所定の標本化周期で出力し、
    前記標本化周期で出力された画像信号から、所定の周期以下の成分を除去する平滑化演算を行い、
    前記平滑化された画像信号に関する信号を、前記所定の標本化周期以下の周期で補間する方法であって、
    前記所定のピクセルサイズPは、前記撮像素子上に結像される像の最小周期成分Pminの所定倍であり、
    前記平滑化演算では、前記所定のピクセルサイズPと前記最小周期成分Pminとで示される1/(1/P−1/Pmin)以下の周期成分を除去する
    ことを特徴とするマーク検知方法。
  2. 前記所定のピクセルサイズPは、前記最小周期成分Pminの0.5倍より大きいことを特徴とする請求項1記載のマーク検知方法。
  3. 前記平滑化演算は、
    前記画像信号に対して平滑化を行う平滑点を設定する工程と、
    前記画像信号から、前記平滑点を含む所定の範囲の標本化された前記画像信号を選択する工程と、
    前記平滑点の位置と選択された前記画像信号の位置との距離に応じて前記1/(1/P−1/Pmin)より小さい周期成分を除去する関数に対して前記画像信号の標本化周期と同一の周期で標本化を行う工程と、
    選択された前記画像信号と標本化された前記関数との積を前記所定範囲に含まれる前記画像信号各々に対して求めて加算する工程と
    を含むことを特徴とする請求項2記載のマーク検知方法。
  4. 前記平滑化演算は、
    前記画像信号に対して補間を行う補間点を設定する工程と、
    前記補間点の位置に最も近接する前記画像信号の最近接位置を求める工程と、
    前記画像信号から、前記最近接位置を含む所定の範囲の標本化された前記画像信号を選択する工程と、
    選択された前記画像信号と、選択された前記画像信号の位置との距離に応じて前記1/(1/P−1/Pmin)より小さい周期成分を除去する関数との積を前記所定範囲に含まれる前記画像信号各々に対して求めて加算する工程と
    を含むことを特徴とする請求項2記載のマーク検知方法。
  5. 前記画像信号は、前記所定の標本化周期で標本点として出力され、
    前記所定の標本化周期以下の周期の任意点を、該任意点の近傍に位置する複数の前記標本点の線形結合を含む変換による補間方法により補間する
    ことを特徴とする請求項1記載のマーク検知方法。
  6. 前記補間方法は、前記複数の標本点を用いた重み付け演算を含むことを特徴とする請求項5記載のマーク検知方法。
  7. 前記補間された画像信号に基づいて、前記物体の位置を計測することを特徴とする請求項1記載のマーク検知方法。
  8. 前記所定の標本化周期は、前記計測における位置計測誤差量に基づき決定されることを特徴とする請求項7記載のマーク検知方法。
  9. 前記物体は、回路パターンが転写される基板であり、
    前記所定の標本化周期における前記位置計測誤差量は、トータルオーバーレイが前記基板上に転写された前記回路パターンの最小線幅の1/4以下となる値である
    ことを特徴とする請求項8記載のマーク検知方法。
  10. 前記補間は、前記画像信号そのものに対して行われることを特徴とする請求項1記載のマーク検知方法。
  11. 物体上に形成されたマークに検知ビームを照射する照射系と、
    前記マークの像を結像面上に結像させる結像系と、
    前記結像面上に配置され且つ所定のピクセルサイズP を有する撮像素子を有し、前記マークの像を電気的な画像信号に変換し、該画像信号に関する信号を、前記所定のピクセルサイズの周期を含む所定の標本化周期で出力する標本化手段と、
    前記標本化手段により前記標本化周期で出力された信号から、所定の周期以下の成分を除去する平滑化手段と、
    前記平滑化された画像信号に関する信号を、前記所定の標本化周期以下の周期で補間する補間手段と、を有し、
    前記所定のピクセルサイズP は、前記撮像素子上に結像される像の最小周期成分P min の所定倍であり、
    前記平滑化手段は、前記所定のピクセルサイズP と前記最小周期成分P min とで示される1/(1/P −1/P min )以下の周期成分を除去する
    ことを特徴とするマーク検知装置。
  12. 前記ピクセルサイズP は、前記最小周期成分P min の0.5倍より大きいことを特徴とする請求項11記載のマーク検知装置。
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