JP2005030963A - 位置検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アライメントマークからのアライメント信号の非対称性による誤差を低減し、高精度に位置検出を行うことができる位置検出方法を提供する。
【解決手段】 被検出体上に形成された複数のマークエレメントから構成されるアライメントマークの像の信号を用いて当該被検出体の位置を検出する位置検出方法であって、前記信号の全体の形状から近似される前記アライメントマークの中心位置を表す第1の位置情報を取得するステップと、前記信号の全ての変曲点から算出される前記アライメントマークの中心位置を表す複数の第2の位置情報を取得するステップと、前記複数の第2の位置情報から、前記第1の位置情報に基づいて所定の距離にある前記第2の位置情報を前記アライメントマークの中心位置として選択するステップとを有することを特徴とする位置検出方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般には、位置検出方法に係り、特に、ICやLSIなどの半導体チップ、液晶ディスプレイ(LCD)、CCD、磁気ヘッド等の各種デバイスを製造する際に使用される露光装置において、ウェハ等の物体の位置を検出する位置検出方法に関する。本発明は、例えば、レチクルとウェハとの相対的な位置合わせなどに好適である。
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなってきている。半導体素子を製造するためのフォトリソグラフィー(焼き付け)方法としては、レチクル又はマスク(本出願では、これらの用語を交換可能に使用する。)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する投影露光装置が従来から使用されている。
投影露光装置の解像度(転写できる最小の寸法)は、露光に用いる光の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、波長を短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。このため、近年の半導体素子の微細化への要求に伴い、投影光学系のNAを上げると共に、露光光源は超高圧水銀ランプ(i線(波長約365nm))からKrFエキシマレーザー(波長約248nm)、Arエキシマレーザー(波長約193nm)、更に、より短波長紫外線光のFレーザー(波長約157nm)やシンクロトロン(SR:Synchrotron Radiation)光と短波長化が進められている。
一方、投影露光装置では、回路パターンの微細化(即ち、解像度の向上)に伴い、レチクルとウェハの相対的な位置を合わせるアライメントについても高精度化が要求されている。アライメントの要求精度は、一般に、回路パターンの1/3以下とされており、例えば、1GビットDRAMの回路パターンのデザインルールを0.18μmとすると、60nm以下のオーバーレイ精度が必要とされる。ここで、オーバーレイとは、露光領域全体のアライメントを意味するものである。露光装置において、半導体素子の性能及び製造の歩留まり(スループット)を向上させるためには、ウェハでの重ね合わせ精度を高精度化することが必須であるといえる。
そこで、ウェハ上に形成された図20及び図21に示すようなアライメントマークAM1及びAM2を明視野照明し、アライメントマークAM1及びAM2で発生する散乱光及びかかる散乱光の干渉によって得られる図22に示すようなアライメント信号に信号処理を施してアライメントを行う方法が多数提案されている。図20及び図21は、ウェハ上のアライメントマークAM1及びAM2の一例を示す概略図であって、図20(a)及び図21(a)は平面図、図20(b)及び図21(b)は断面図である。図22は、アライメントマークAM1及びAM2を明視野照明して得られる一般的なアライメント信号の一例を示す概略波形図である。また、実際にはアライメントマークAM1及びAM2上にレジストが塗布されているが、図20及び図21では図示を省略している。
アライメントマークAM1は、計測方向であるX方向に4μm、非計測方向であるY方向に30μmの矩形のマークエレメントM1AM1乃至M4AM1を、X方向に20μmピッチで4つ並べて構成されている。また、マークエレメントM1AM1乃至M4AM1は、図20(b)に示すように、エッチングにより凹形状の断面構造をしている。一方、アライメントマークAM2は、マークエレメントM1AM1乃至M4AM1の輪郭部分を0.6μmの線幅で置き換えた形状を有するマークエレメントM1AM2乃至M4AM2で構成されている。なお、図20に示すアライメントマークAM1、図21に示すアライメントマークAM2のどちらを用いても図22に示すようなアライメント信号を得ることができるが、明視野画像の特徴として、アライメントマークAM1ではマークエレメントM1AM1乃至M4AM1の輪郭部が暗く、アライメントマークAM2ではマークエレメントM1AM2乃至M4AM2の凹部が暗くなる。
明視野照明による信号処理としては、基準となるマークからの信号波形をモデル画像とし、かかるモデル画像と得られたアライメント信号の波形画像との相関度を比較してアライメントマークの中心を検出するパターンマッチングが多く用いられる(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、別の信号処理として、アライメント信号の輝度の階調が急に変化する編曲点(一般には、エッジと呼ばれる。)を検出し、エッジ間の距離からエッジ間の中心を求めることでアライメントマークの中心を検出する方法も知られている。エッジを検出する際に1次微分及び2次微分を行い、輝度勾配の最も急な変化点をエッジとして検出する。(以下、前記方法をエッジ微分法と呼ぶことにする。)従って、エッジ微分法は、アライメント信号に高周波ノイズが混入している場合、微分した際にノイズ成分が顕著に現れてしまうが、前処理としてフィルター等でランダムなノイズを除去すれば、アライメント信号のベースラインのノイズ変動、左右の信号レベル差の非対称性による影響を受けずにアライメントマークに対応したエッジの位置を正確に検出することができる(例えば、特許文献3及び4参照。)。
特開平6−151274号公報 特開平11−295056号公報 特開2001−267203号公報 特開平10−256350号公報
しかし、パターンマッチングやエッジ微分法による信号処理は、ウェハプロセスを要因とするアライメント信号の非対称(WIS:Wafer Induced Shift)によって検出結果に大きな誤差が生じ、アライメント精度が劣化してしまう場合がある。換言すれば、ノイズがアライメント信号に重畳されると、信号処理の種類によって位置検出の変動量にばらつきはあるものの、総じて位置検出の精度が悪化してしまう場合がある。
ノイズの発生要因は様々であり、ウェハプロセス及びアライメントマークの検出方法による光学的なノイズや、電気的なノイズが常に含まれ、更に、これらのノイズには、ランダムな成分と系統的な成分とが含まれている。例えば、ウェハ表面の荒れやアライメントマークの微少な非対称性などの影響を受けて、アライメント信号にランダムなノイズ又は系統的なノイズが重畳される。また、レジストは、通常、スピンコートによって塗布されるため、ウェハ表面の荒れやアライメントマークの非対称性がなくても、アライメントマークの段差(即ち、凹形状の断面構造)によってレジストの膜厚ムラがマーク付近で生じ、これが系統的なノイズの原因となる。更に、微少な欠陥及び異物などもランダムなノイズの原因となる。
従来、アライメントマークからのアライメント信号が非対称な波形として検出されることによる誤差は実用的に大きな問題となることはなかった。しかし、レチクルとウェハの相対的な位置を合わせるアライメントへの高精度化の要求が大きくなるにつれて、アライメント信号の非対称性による検出誤差を低減する必要が生じている。
パターンマッチングによる信号処理は、ノイズに関してエッジ微分法に対して比較的に精度劣化は少ない(ロバスト性がある)が、位置検出精度はエッジ微分法に対して劣る。一方、エッジ微分法は、位置検出精度は高いが、ノイズの影響を受けやすいという欠点がある。つまり、総合的に見て、アライメント信号の非対称性(WIS)に対して高精度に位置検出を行うことができる位置検出方法が存在していなかった。ここで、ロバスト性(頑強性)とは、アライメント信号にノイズが重畳しても位置検出の変動量が少ないことを意味するものである。
そこで、本発明は、アライメントマークからのアライメント信号の非対称性による誤差を低減し、高精度に位置検出を行うことができる位置検出方法を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての位置検出方法は、被検出体上に形成された複数のマークエレメントから構成されるアライメントマークの像の信号を用いて当該被検出体の位置を検出する位置検出方法であって、前記信号の全体の形状から近似される前記アライメントマークの中心位置を表す第1の位置情報を取得するステップと、前記信号の全ての変曲点から算出される前記アライメントマークの中心位置を表す複数の第2の位置情報を取得するステップと、前記複数の第2の位置情報から、前記第1の位置情報に基づいて所定の距離にある前記第2の位置情報を前記アライメントマークの中心位置として選択するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、アライメントマークからのアライメント信号の非対称性による誤差を低減し、高精度に位置検出を行うことができる位置検出方法を提供することことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての位置検出方法について説明する。なお、各図において同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、折り返し対称処理法に関して特徴を詳しく説明する。折り返し対称処理法は、パターンマッチングの信号処理の一種であり、アライメント信号の波形を折り返して一致度が良い位置を探す処理法である。
折り返し対称処理法は、アライメント信号の波形の形状が変化してもパターン(即ち、アライメントマーク)の中心に対する対称性が維持されていれば、パターンの中心を示す極値は鮮鋭に現れ、高精度に位置検出をすることが可能である。しかし、アライメント信号の波形の形状が非対称に変化すると、周辺の極値とパターンの中心の極値のレベルが近くなるために誤差を生じ易く、誤った位置検出をする場合がある。従って、折り返し対称処理法は、プロセスが変化してもアライメント信号の波形の対称性が崩れない限り、ランダムなノイズに対する位置検出の変動量は少ないといえる。
従来の折り返し対称処理法は、アライメント信号をある折り返し位置において対称に折り返した左右の波形の一致度を算出し、かかる一致度が最大となる折り返し位置をアライメントマークの中心位置とする。一致度は、折り返したアライメント信号の左右の波形の差分から算出することができる。
図7は、アライメント信号の一例を示すグラフである。同図は、横軸に画素番号、縦軸に輝度を採用している。なお、図7(a)は、図22で示したアライメント信号の波形と同一(即ち、図21のアライメントマークAM2を照明して得られるアライメント信号)であり、図7(b)は、図21に示すアライメントマークAM2を構成する4つの矩形のマークエレメントM1AM2乃至M4AM2のうち1つのマークエレメントM1AM2からの波形を抽出している。
図8を参照して、アライメント信号の波形から中心位置を求めるための折り返し処理を行う領域(処理範囲)について説明する。図8は、図7(b)で示したマークエレメントM1AM2の波形から中心位置を求めるための折り返し処理を行う領域の一例を示す概略波形図である。アライメント信号を折り返して波形を重ねる領域は、仮想中心HOから離れた位置に設定されたウィンドウ位置Cからウィンドウ幅Wで示される領域である。ウィンドウ位置Cからウィンドウ幅Wで示される領域の面積を比較することで一致度を評価する。一致度の評価は、アライメント信号の位置xにおける一致度R(x)として、以下に示す数式1又は数式2で具体的に計算することができる。
Figure 2005030963
Figure 2005030963
一致度R(x)は、アライメント信号の位置xの関数であり、また、対称性を評価する関数ともみなせるために評価関数と換言することもできる。なお、数式1と数式2で示される評価関数の違いは、数値範囲であり、どちらを用いてもよい。
図9は、アライメント信号を仮想中心で折り返した際の評価関数を示すグラフである。同図は、図7(b)に示すアライメント波形の評価関数を数式1から求めたものであり、横軸に画素番号、縦軸に一致度を採用している。評価関数が最大値となる位置は、折り返しの一番よい位置であり、対称性が一番よい画素位置を示している。また、評価関数が最大値となる位置は、各位置xでの一致度に対して重心計算や2次関数近似等を行うことにより、更に、センサーの分解能以下の精度で求めることができる。
次に、アライメント信号の波形の非対称性に対する検出位置の変動及びエッジ微分法の特徴について説明する。本発明者は、プロセス変動に対して実際のアライメント信号を解析し、図10に示すようなアライメント信号の波形が存在することを発見した。図10は、アライメント信号の波形の非対称性による位置検出の変動を説明するための概略波形図である。同図は、図21に示すアライメントマークAM2のマークエレメントM1AM2乃至M4AM2からの4つの波形を重ねたものである。
図10を参照するに、このアライメント信号は、折り返し対称処理法を行うと、中心位置が左側に数画素変動するとがわかる。4つのマークエレメントM1AM2乃至M4AM2の波形を比較してみると、マークエレメントM1AM2の内側のエッジ部分が目視でも左側に変動している波形がある。実際に、重ね合わせ検査の結果と比較しても位置検出座標が左側に数画素変動していることがわかった。マークエレメントM1AM2乃至M4AM2の波形の外側のエッジ部分は重なりがよいため、マークエレメントM1AM2乃至M4AM2の外側のエッジ部分を検出し、かかるエッジ間の平均値から中心位置を求めるエッジ微分法を用いれば位置検出の変動量がないと推測でき、実際にそうなった。
図11は、アライメント信号にノイズが重畳した場合の折り返し対称処理法とエッジ微分法による位置検出精度の影響を説明するための概略波形図である。アライメント信号の右側のベース部分にノイズが混入している。折り返し対称処理法では、アライメント信号にノイズが混入している分、ノイズがないと想定した波形に対して右側の波形の面積が増え、検出される中心位置が変動する。
一方、エッジ微分法は、微分した際にノイズ部分の勾配がエッジ部分の勾配よりなだらかな場合は、ピーク信号の最大値がエッジ部分の勾配よりも低いためにノイズの影響を受けにくい。図12は、ノイズが混入したアライメント信号をエッジ微分法で処理した際の影響を説明するための概略波形図である。同図は、エッジ部分の勾配よりも急激な勾配を有するノイズをアライメント信号に混入して、1次微分、2次微分の影響をみている。
図12(a)は基のアライメント信号の波形、図12(b)は図12(a)のアライメント信号に波形を微分した1次微分波形、図12(c)は図12(b)の1次微分波形を更に微分した2次微分波形である。図12を参照するに、アライメント信号に急激な勾配を有するノイズがある場合は、1次微分波形及び2次微分波形に影響が発生する。
図13は、図12に示すアライメント信号に混入したノイズを低減したアライメント信号をエッジ微分法で処理した際の影響を説明するための概略波形図である。同図は、位相シフトを抑えた0位相フィルター(位相シフトが発生しないフィルター)をノイズが混入したアライメント信号にかけることでノイズを抑えた例を示している。図13(a)は図12(a)に示すアライメント信号に6次の0位相フィルターを書けた場合の波形、図13(b)は図13(a)のアライメント信号に波形を微分した1次微分波形、図13(c)は図13(b)の1次微分波形を更に微分した2次微分波形である。図13を参照するに、フィルター効果でノイズの発生は抑えられている。しかしながら、フィルターの次数を増やすことは、アライメント信号全体を歪ませることになるため、検出するエッジ(輝度の最大傾斜点又は変曲点)も歪ませてしまう。従って、歪みの分だけ位置検出が変動することになるため、高次のフィルターをかけられないという問題がある。かかる問題は、後述するように、関数フィッティングを用いることで解決される。
次に、折り返し対称処理法では位置検出の変動が生じるが、エッジ微分法では位置検出の変動が生じない例を示す。図14は、アライメント信号の非対称性が折り返し対称処理法とエッジ微分法の位置検出精度に与える影響を説明するための概略波形図である。同図は、アライメント信号の左右の波形レベルが非対称になった例を示している。
図14を参照するに、アライメント信号Sg2は、アライメント信号Sg1に対して、左側のピーク信号pk1よりも右側のピーク信号pk2の方が大きい。従って、折り返し対称処理法を用いてアライメント信号Sg1及びSg2を処理すると、アライメント信号Sg2の波形の中心位置が右側に変動することが数式1又は数式2の評価関数よりわかる。このような非対称な波形のアライメント信号Sg2に対しても外側のエッジを検出するようにエッジ微分法で処理することで、中心位置の変動は抑えることができる。
以上のことから、本発明者は、異なる信号処理を複合化し、それぞれの信号処理の特徴を生かした位置検出方法を提案する。
図1は、本発明の一側面である位置検出方法100を説明するためのフローチャートである。本発明の位置検出方法100は、アライメントマークを構成するマークエレメントの中心位置を求め、個々のマークエレメントの中心位置を平均することでアライメントマーク全体の中心位置を検出する。但し、図1においては、アライメントマークを構成するマークエレメントの中心位置を求めるまでを示している。
図1を参照するに、まず、折り返し対称処理法によりアライメントマークを構成する1つのマークエレメントの中心位置を求める(ステップS101)。折り返し対称処理法でマークエレメント全体のマクロ的な中心位置を求めるためである。次に、求めたマークエレメントの中心位置を中心として、エッジ微分法でエッジ(即ち、変曲点)を検出するウィンドウ領域を設定する(ステップS102)。ウィンドウ領域のウィンドウ位置とウィンドウ幅は、折り返し対称処理法で取得された中心位置に対して振り分けてもよいし、複数に分割して複数のウィンドウ領域を設定してもよい。
図2は、アライメント信号のエッジを検出するウィンドウ領域を折り返し対称処理法で求めたマークエレメントの中心位置を中心として設定した場合の一例を示す概略波形図である。同図は、横軸に相対画素を、縦軸に相対輝度を採用している。図2(a)は、マークエレメントからのアライメント信号の波形、図2(b)は図2(a)のアライメント信号に波形を微分した1次微分波形、図2(c)は図2(b)の1次微分波形を更に微分した2次微分波形である。図2(a)の波形を関数S(x)として表すと、図2(b)の波形は関数S’(x)、図2(c)の波形は関数S’’(x)と表される。図2(a)の横軸にウィンドウ領域の例として、ウィンドウ位置C及びC1、ウィンドウ幅W及びW1を示す。ウィンドウ位置C及びC1、ウィンドウ幅W及びW1は、折り返し対称処理法で取得した中心位置Xpoに対して振り分けして設定してもよいし、ウィンドウ位置C=0としてウィンドウ幅Wを広くしてもよい。図中、ウィンドウ幅W1はウィンドウ領域を広く取った場合、ウィンドウ幅Wはウィンドウ領域をある程度限定した場合を示している。また、折り返し対称処理法のウィンドウ領域と同じにしてもよい。図2(b)に示すアライメント信号を1次微分した1次微分波形を参照するに、アライメント信号の変曲点でピーク信号が発生する。
ピーク信号の位置とアライメント信号の元の波形の関係について説明する。図2(a)に示すアライメント信号の波形は、輝度変化を示す勾配が4つある。かかる4つの勾配をSol、Sil、Sir、Sorとして図中に示す。なお、添え字o、i、l、rは、それぞれ外側エッジ、内側エッジ、左側、右側を表している。図3は、アライメントマークとアライメント信号との相対的な位置関係を示す概略相関図である。なお、同図は、右側のマークエレメントのみマークエレメントの段差とアライメント信号の勾配Sol、Sil、Sir、Sorとの関連を示しているが、残りのマークエレメントについても同様である。
図3を参照するに、マークエレメントの段差に対応してアライメント信号の輝度勾配が生じていることがわかる。これは、一次微分波形のピーク信号の位置と相関があることを示している。即ち、一次微分波形のピーク信号の位置は、アライメント信号の勾配の変曲点を示している。従来のエッジ微分法では、この変曲点と後述する2次微分波形の0クロス点からエッジを定義している。アライメント信号の歪みにより変曲点が多数存在した場合に勾配に複数のピークが発生する場合がある。
一次微分波形のピークをpht1乃至pht7及びphtxで図2(b)に示す。ピークphtxは、アライメント信号の元の波形に、図2(a)で示すようなノイズNSGが混入したサイに発生するピークを示している。図2(c)を参照するに、1次微分波形のピークpht1乃至pht7及びphtxの位置は、2次微分波形ではS’’(x)=0としたときの方程式の解として表されるHzt1乃至Hzt7及びHztxに相当する。実際のアライメント信号の波形は、画素ごとの離散値であるために関数近似の処理が必要となる。関数近似に関しては関数近似を行う領域によって近似する関数及び近似方法を変えることが望ましい。多項式近似を行うと複雑なアライメント信号の波形でも関数近似できるというメリットがある。
図1に戻って、アライメント信号を0位相フィルターでフィルターリングしてノイズを除去する(ステップS103)。フィルター次数を多くするとアライメント信号の波形の変形が大きくなるので、2次程度の少ない次数でフィルターリングを行う。アライメント信号によってはノイズが少ない波形もあり、ノイズが少ないアライメント信号についてはフィルターリングの必要ない。
次に、アライメント信号の波形に関数フィッティングを行う(ステップS104)。アライメント信号の波形に関数フィッティングを行い、画素の離散値を関数フィッティングすることでエッジをサブピクセル(小数点以下の画素)で検出することが可能となる。関数としては多項式で近似する。本実施例では多項式近似の例を示すが、多項式以外ではGAUSS関数などの非線形関数を用いても良い。
図4は、多項式近似による関数フィッティングを行ってノイズを除去したアライメント信号を示す概略波形図である。図4(a)は、アライメント信号の元の波形と多項式近似による関数フィッティングを行った波形を示している。本実施形態では、16次の高次関数で関数フィッティングを行った例を示す。図4(b)は、図4(a)に示す関数フィッティングを行ったアライメント信号の波形を微分した1次微分波形、図4(c)は図4(b)の1次微分波形を更に微分した2次微分波形である。図4を参照するに、図12(b)に示したような、ピーク信号は削除することができる。但し、関数フィッティングの場合も、フィルターリングの場合と同様に、多項式の次数を低くするとノイズの除去率はよいが、アライメント信号の元の波形との差が大きくなってしまうという問題がある。従って、多項式近似を行う際には注意が必要である。また、多項式近似を行う区間を複数の区間に分けて、複数の区間ごとに多項式近似を行うことで近似を比較的に低い次数で行えるスプライン補間もある。しかし、演算処理時間が長くなるので、要求される精度と必要処理時間の兼ね合いから選択するようにすればよい。
図5は、アライメント信号の波形を微分した1次微分波形のピーク信号が割れた場合を示す概略波形図である。図5を参照するに、1次微分波形のピーク信号が割れているために、どこが真のピーク信号であるのか判別しにくい。このような場合も、アライメント信号の元の波形を予め多項式近似することで、ノイズの成分を除去することができる。なお、複数の次数で多項式近似を行い、複数の波形の中からステップS101で検出したマークエレメントの中心位置を基に選択することで近似次数を最適化することができる。
再び、図1に戻って、アライメント信号を1次微分した1次微分波形において、ウィンドウ領域内のピーク信号の位置を検出し(ステップS105)、ステップS102で設定したウィンドウ領域内のピーク信号の位置を選択する(ステップS106)。ステップS102で設定したウィンドウ領域により、例えば、ウィンドウ幅W1を設定した場合、最小ピーク値の候補として図2(b)で示したピークpht2、pht4及びpht6、最大ピーク値の候補として図2(b)で示したピークpht1、pht3、pht5、pht7及びphtxが得られる。最小ピーク値はマークエレメントの左側のエッジ候補、最大ピーク値はマークエレメントの右側のエッジ候補となる。
サブピクセルでの数値解は、上述した多項式近似を行い、関数S’’(x)=0の方程式を解いて実数解のみを選択する(ステップS107)。一次微分波形のピーク値でピーク値候補を予め決めた個数、即ち、最小値、最小値から2番目に大きい値、3番目に大きい値と数値範囲を検出することでピーク値を求めておく。それらのピーク値と関数S’’(x)=0の方程式を解いた実数解とを比較して最小ピーク値、最大ピーク値に近い実数解の選別を行っておく。これがマークエレメントの左側のエッジの位置及びマークエレメントの右側のエッジの位置の候補値になる。
ステップS108では、ステップS107で得られたマークエレメントの左側のエッジの位置及びマークエレメントの右側のエッジの位置の候補値の全ての組み合わせからマークエレメントの仮の中心位置を複数算出する。
ステップS108で得られたマークエレメントの複数の中心位置からステップS101において折り返し対称処理法で得られたマークエレメントの中心位置との差が最も小さい中心位置をマークエレメントの真の中心位置とする(ステップS109)。なお、ステップS101で得られたマークエレメントの中心位置との差が小さいものから順番に選別し、予め設定した誤差範囲内の値を平均化してマークエレメントの真の中心位置としてもよい。これにより、アライメントマークからのアライメント信号の非対称性による誤差を低減し、高精度に位置検出を行うことができる。
図1において、ステップS103、S104及びS107でアライメント信号のノイズ除去としてフィルターリング及び多項式近似による関数フィッティングを行った。また、エッジの位置をサブピクセル精度で検出するために多項式近似を用いた。ノイズ除去は、プロセスにより高周波のノイズが少ない場合も多いため、選択可能とすることもできる。サブピクセルのエッジ位置は、アライメント信号の1次微分波形のピーク範囲部分の一部を重心により算出してもよい。
また、図6は、アライメント信号のエッジを検出するウィンドウ領域を1次微分波形から限定する場合を示す概略波形図である。図6(a)はアライメント信号の元の波形と20次の多項式で関数近似した波形、図6(b)は図6(a)に示す20次の多項式で関数近似した波形を微分した1次微分波形、図6(c)は図6(b)の1次微分波形を更に微分した2次微分波形である。1次微分波形から最小ピーク値と最大ピーク値の絞り込みが困難な場合、最大ピーク値と最小ピーク値の差分が、アライメント信号の波形から設定した設定範囲に近いものから最大ピーク値、最小ピーク値を選択してもよい。ウィンドウ幅WR及びWLを仮設定し、折り返し対称処理法で得られた中心位置から設定するウィンドウ位置Cとウィンドウ幅Wの値をウィンドウ幅WR及びWLの範囲とオーバーラップするように設定することでウィンドウ領域を更に絞り込むことができる。
なお、本発明の位置検出方法100において、折り返し対称処理法の代わりに別のパターンマッチングであるテンプレートマッチング又は幾何学パターンマッチングを用いてもよい。
テンプレートマッチングにおいては、適切に選択されたテンプレートを用いれば、比較的マクロな特徴がとらえられるため、中心位置を示す極値を明確にすることができ、アライメント信号の波形の変化に対し誤検出を少なくすることができる。但し、アライメント信号の波形の変化によっては中心位置を示す極値の鮮鋭度が低下し、中心位置の変動量が大きくなるということもあるので注意が必要である。
幾何学パターンマッチングは、テンプレートマッチングを改良したものでアライメント信号の波形の変化に強いという特徴を有している。アライメント信号の波形の特長となるところをテンプレートとするためにテンプレートの特長が失われていなければ、ライメント信号の波形の一部が欠けたり、相似変形しても位置検出精度に影響がでにくい。
以下、図15乃至図17を参照して、本発明の例示的な露光装置200について説明する。図15は、本発明の一側面としての露光装置200の例示的一形態を示す概略構成図である。露光装置200は、図15に示すように、回路パターンが形成されたレチクル220を照明する照明装置210と、照明されたレチクルパターンから生じる回折光をウェハ240に投影する投影光学系230と、ウェハ240を所定の位置に位置決めするウェハステージ250と、ウェハ240上のアライメントマークAM2の位置を計測するアライメント光学系260と、アライメント信号を信号処理する処理手段270と、制御部280とを有する。
露光装置200は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクル220に形成された回路パターンをウェハ240に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、レチクルに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してレチクルパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
照明装置210は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル220を照明し、光源部212と、照明光学系214とを有する。
光源部212は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、光源の種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約153nmのFレーザーやYAGレーザーを使用してもよいし、その光源の個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー
相互間のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さらにスペックルを低減するために光学系を直線的又は回動的に揺動させてもよい。また、光源部212にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部212に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系214は、レチクル220を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系214は、軸上光、軸外光を問わずに使用することができる。オプティカルインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。
レチクル220は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル220から発せられた回折光は、投影光学系230を通りウェハ240上に投影される。レチクル220とウェハ240は、光学的に共役の関係にある。本実施形態の露光装置200はスキャナーであるため、レチクル220とプレート240を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりレチクル220のパターンをウェハ240上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、レチクル220とウェハ240を静止させた状態で露光が行われる。
投影光学系230は、レチクル220上のパターンを反映する光をウェハ240上に投影する光学系である。投影光学系230は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
ウェハ240は、被処理体であり、図21に示すアライメントマークAM2が形成されており、その上には、フォトレジストが塗布されている。なお、ウェハ240に形成されるアライメントマークは、例えば、アライメントマークAM1であってもよく、アライメントマークAM2に限定するものではない。
ウェハステージ250は、ウェハチャック255を介してウェハ240を支持する。ウェハステージ250は、当業界で周知のいからなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ウェハステージ250は、リニアモーターを利用してXY方向にウェハ240を移動することができる。レチクル220とウェハ240は、例えば、同期走査され、ウェハステージ250と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ウェハステージ250は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系230は、例えば、床等に載置されたベースフレーム上にダンパを介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
アライメント光学系260は、ウェハ240上のアライメントマークAM2を検出し、ウェハ240の位置を計測する。アライメント光学系260は、図16に示すように、光源261と、ビームスプリッタ262及び265と、レンズ263及び264と、光電変換素子266及び267とを有する。図16は、図15に示すアライメント光学系260の例示的一形態を示す概略構成図である。
図16を参照するに、光源261からの照明光は、ビームスプリッタ262で反射し、レンズ263を介して、ウェハ240上のアライメントマークAM2を照明する。アライメントマークAM2からの回折光は、レンズ263、ビームスプリッタ262、レンズ264を通り、ビームスプリッタ265で分割されて、それぞれCCDセンサー等の光電変換素子266及び267で受光される。ここで、アライメントマークAM2は、レンズ263及び264により100倍程度の結像倍率で拡大され、光電変換素子266及び267に結像される。光電変換素子266及び267は、アライメントマークAM2のX方向のずれ計測用及びアライメントマークAM2のY方向のずれ計測用になっており、光軸に対して90度回転させて設けられている。
処理部270は、アライメント光学系260からのアライメント信号に対してアライメントマークAM2の位置を得るための処理、即ち、上述した位置検出方法100を行う。図17は、図15に示す処理部270が内蔵する主な機能モジュールを示す概略ブロック図である。
図17を参照するに、光電変換素子266及び267からのアライメント信号は、A/D変換器271と通してデジタル化される。デジタル化されたアライメント信号は、記録装置272に内蔵される図示しない各種信号処理回路によってノイズ成分を除去され、メモリに記録される。位置検出部273は、記録されたデジタル化したアライメント信号に信号処理を行う。位置検出部273は、デジタル化したアライメント信号用の演算素子によって、上述した位置検出方法100を行い、アライメントマークAM2の中心位置を検出する。CPU274は、A/D変換器271、記録装置272、位置検出部273と接続しており、コントロール信号を出力して動作制御を行っている。通信ブロック275は、図15に示す制御部280と通信を行い、必要なデータ、コントロール指令等のやりとりを行っている。
制御部280は、図示しないCPU、メモリを有し、露光装置200の動作を制御する。制御部240は、照明装置210、図示しないレチクルステージ、ウェハステージ250、処理部270と電気的に接続されている。制御部280は、処理部270からのアライメントマークAM2の中心位置に基づいて、ウェハステージ250を介してウェハ240の位置決めを行う。CPUは、MPUなど名前の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。メモリは、ROM及びRAMより構成され、露光装置200を動作するファームウェアを格納する。
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりレチクル220を、例えば、ケーラー照明する。レチクル220を通過してレチクルパターンを反映する光は、投影光学系230によりウェハ240上に結像される。露光装置200は、位置検出方法100によって高精度にアライメントが行われているので、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図18及び図19を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図18は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図19は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重の回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の一側面である位置検出方法を説明するためのフローチャートである。 アライメント信号のエッジを検出するウィンドウ領域を折り返し対称処理法で求めたマークエレメントの中心位置を中心として設定した場合の一例を示す概略波形図である。 アライメントマークとアライメント信号との相対的な位置関係を示す概略相関図である。 多項式近似による関数フィッティングを行ってノイズを除去したアライメント信号を示す概略波形図である。 アライメント信号の波形を微分した1次微分波形のピーク信号が割れた場合を示す概略波形図である。 アライメント信号のエッジを検出するウィンドウ領域を1次微分波形から限定する場合を示す概略波形図である。 アライメント信号の一例を示すグラフである。 図7(b)で示したマークエレメントの波形から中心位置を求めるための折り返し処理を行う領域の一例を示す概略波形図である。 アライメント信号を仮想中心で折り返した際の評価関数を示すグラフである。 アライメント信号の非対称性による位置検出の変動を説明するための概略波形図である。 アライメント信号にノイズが重畳した場合の折り返し対称処理法とエッジ微分法による位置検出精度の影響を説明するための概略波形図である。 ノイズが混入したアライメント信号をエッジ微分法で処理した際の影響を説明するための概略波形図である。 図12に示すアライメント信号に混入したノイズを低減したアライメント信号をエッジ微分法で処理した際の影響を説明するための概略波形図である。 アライメント信号の非対称性が折り返し対称処理法とエッジ微分法の位置検出精度に与える影響を説明するための概略波形図である。 本発明の一側面としての露光装置の例示的一形態を示す概略構成図である。 図15に示すアライメント光学系の例示的一形態を示す概略構成図である。 図15に示す処理部270が内蔵する主な機能モジュールを示す概略ブロック図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図18に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。 ウェハ上のアライメントマークの一例を示す概略図である。 ウェハ上のアライメントマークの一例を示す概略図である。 図20及び図21に示すアライメントマークを明視野照明して得られる一般的なアライメント信号の一例を示す概略波形図である。
符号の説明
200 露光装置
210 照明装置
220 レチクル
230 投影光学系
240 ウェハ
250 ウェハステージ
260 アライメント光学系
270 処理部
271 A/D変換器
272 記録装置
273 位置検出部
274 CPU
280 制御部
AM1及びAM2 アライメントマーク

Claims (12)

  1. 被検出体上に形成された複数のマークエレメントから構成されるアライメントマークの像の信号を用いて当該被検出体の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記信号の全体の形状から近似される前記アライメントマークの中心位置を表す第1の位置情報を取得するステップと、
    前記信号の全ての変曲点から算出される前記アライメントマークの中心位置を表す複数の第2の位置情報を取得するステップと、
    前記複数の第2の位置情報から、前記第1の位置情報に基づいて所定の距離にある前記第2の位置情報を前記アライメントマークの中心位置として選択するステップとを有することを特徴とする位置検出方法。
  2. 被検出体上に形成された複数のマークエレメントから構成されるアライメントマークの像の信号を用いて当該被検出体の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記信号の全体の形状から近似される前記アライメントマークの中心位置を表す位置情報を取得するステップと、
    前記位置情報に基づいて所定の距離にある前記信号の変曲点を検出するステップと、
    前記検出ステップで検出された前記変曲点から前記アライメントマークの中心位置を算出するステップとを有することを特徴とする位置検出方法。
  3. 前記第2の位置情報取得ステップは、
    前記信号に含まれるノイズを低減するステップと、
    前記ノイズ低減ステップで前記ノイズが低減された前記信号を微分して得られる1次微分信号からピーク信号を求めるステップと、
    前記1次微分信号を更に微分した2次微分信号の解を求めるステップと、
    前記2次微分信号の解のうち、前記第1の位置情報取得ステップで取得した前記第1の位置情報及び前記ピーク信号に最も近い値の解を前記変曲点として選択するステップとを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
  4. 前記ノイズ低減ステップは、前記信号に対するフィルター処理を用いることを特徴とする請求項3記載の位置検出方法。
  5. 前記ノイズ低減ステップは、前記信号に対する関数フィッティングを用いることを特徴とする請求項3記載の位置検出方法。
  6. 前記変曲点選択ステップは、更に前記アライメントマークの中心位置の設計値に最も近い値の解を前記変曲点として選択することを特徴とする請求項3記載の位置検出方法。
  7. 前記第1の位置情報取得ステップは、テンプレートマッチング法を用い、
    前記第2の位置情報取得ステップは、エッジ微分法を用いることを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
  8. 前記第1の位置情報取得ステップは、幾何学パターンマッチング法を用い、
    前記第2の位置情報取得ステップは、エッジ微分法を用いることを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
  9. 前記第1の位置情報取得ステップは、折り返し対称処理法を用い、
    前記第2の位置情報取得ステップは、エッジ微分法を用いることを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の位置検出方法を行うことができる処理手段を有することを特徴とする位置検出装置。
  11. 請求項10記載の位置検出装置を有することを特徴とする露光装置。
  12. 請求項11記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
    露光した前記被処理体に所定のプロセスを行うステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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