JP2814538B2 - 位置合わせ装置及び位置合わせ方法 - Google Patents

位置合わせ装置及び位置合わせ方法

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JP2814538B2
JP2814538B2 JP1094965A JP9496589A JP2814538B2 JP 2814538 B2 JP2814538 B2 JP 2814538B2 JP 1094965 A JP1094965 A JP 1094965A JP 9496589 A JP9496589 A JP 9496589A JP 2814538 B2 JP2814538 B2 JP 2814538B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体素子や液晶表示素子等の製造に使用
される露光装置に関し、特に回路パターンが形成された
レチクル(マスクと同義)と、この回路パターンが転写
される感光基板(ウエハ)とを相対的に位置合わせ(ア
ライメント)する装置に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、半導体素子製造のリソグラフィ工程では、レチ
クルパターンを高分解能でウエハ上に転写する装置とし
て、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光
装置、所謂ステッパーが多用されるようになっている。
この種のステッパーには、レチクルパターンの投影像と
ウエハ上にマトリックス状に形成された回路パターン
(チップ)とを正確に重ね合わせるアライメント光学系
として、TTL(Through The Lens)方式のレーザ・ステ
ップ・アライメント(LSA)系が設けられている。LSA系
の構成については、例えば特開昭60−130742号公報に開
示されているので説明は省略するが、細長い帯状スポッ
ト光を投影レンズを介してウエハマーク(回折格子マー
ク)上に照射し、マークから発生する回折光(又は散乱
光)を光電検出するものである。従って、LSA系はマー
ク検出可能範囲(サーチ範囲)が広く、しかも高速なア
ライメント計測が可能となるため、現在ではLSA系によ
るエンハンスメント・グローバル・アライメント(EG
A)が、ステッパーのアライメント方式の主流となって
いる。尚、EGAについては特開昭61−44429号公報に開示
されており、ウエハの中心及びその外周付近に位置する
複数チップの座標値を計測し、これら計測値から統計的
手法により算出したチップ配列に従ってウエハステージ
をステッピングさせ、レチクルパターンの投影像とチッ
プとを正確に重ね合わせるものである。しかし、LSA系
はレジストの塗布むら、アルミニウム層のスパッタリン
グによるウエハの表面荒れ、或いは各種処理プロセスに
よる回折格子のエッジ破壊等を要因として光電信号のS/
N比が悪くなり、ランダム誤差の発生によってアライメ
ント計測精度が低下してしまうこともある。
そこで、例えば特開昭61−215905号公報に開示された
ように、ウエハ上に形成された1次元の回折格子マーク
を光学的に検出して、そのピッチ情報からウエハの位置
を高分解能に検出する方式が提案されている。この開示
された方式は回折格子マークに対して2方向から平行な
レーザビームを同時に照射して1次元の干渉縞を作り、
この干渉縞を使ってマーク位置を特定するものであり、
干渉縞を使うことから干渉縞アライメント法とも呼ばれ
ている。このような干渉縞アライメント法にも2つの方
法があり、2方向から照射されるレーザビームに一定の
周波数差を与えるヘテロダイン法と、周波数差のないホ
モダイン法である。ホモダイン法では回折格子マークと
平行に静止した干渉縞が作られ、位置検出にあたっては
回折格子マーク(物体)をそのピッチ方向に微動させる
必要があり、マーク位置は干渉縞を基準として求められ
る。これに対してヘテロダイン法ではレーザビームの周
波数差(ビート周波数)のため、干渉縞がその縞方向
(ピッチ方向)にビート周波数で高速に流れることにな
り、マーク位置は干渉縞を基準として求められず、専ら
干渉縞の高速移動に伴う時間的な要素(位相差)を基準
として求めることになる。このヘテロダイン法或いはホ
モダイン法を採用したアライメント光学系(以下、Lase
r Interferometric Alignment;LIA系と呼ぶ)は、複数
の長い格子エレメント(バーパターン)が平行に配列さ
れた回折格子マーク(デューティは1:1)を用いるた
め、ウエハの表面荒れや各種処理プロセスに対して強
く、しかもマークからの回折光強度に応じた光電信号の
位相(正弦波)が、格子ピッチPの1/2の位置ずれに対
して360度変化するため、高分解能の計測を行うことが
可能となっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の如きLIA系は高分解能である反
面、位置ずれ量がP/2ずれる毎に位相差が2πだけ回っ
て元に戻ることになる。このため、2本のレーザビーム
によって作られる干渉縞に対して、少なくとも±P/4内
に回折格子マークを位置決め(プリアライメント)して
おかないと、P/2の整数倍のアライメント誤差が生じる
という問題点があった。そこで、このマーク検出可能範
囲(±P/4)が狭いLIA系とは別に、干渉縞に対してマー
クを±P/4内にプリアライメントするためのアライメン
ト光学系、例えばLSA系を設けることが考えられる。上
述した如くLSA系はサーチ範囲が広く、高速計測が可能
であるため、プリアライメントを行うのに好適なアライ
メント光学系であるが、同種の機能を有するLIA系とLSA
系とを別々にステッパーに設けることは、スペース、コ
スト、光学調整等の点で極めて不利となる。特にスペー
スにおいて、狭いレクチル周辺にアライメント光学系が
集中することは、アライメント光学系を含む全ての設計
において不利となる。また、ウエハ上には1つのチップ
(ショット領域)について両方のアライメント光学系の
ための回折格子マークを別々に設けなければならず、マ
ーク面積が増大してしまうという問題もある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、レチク
ル周辺でのスペースを最小とし、ウエハの表面荒れ等に
よるアライメント精度の低下を防止でき、高速、高精度
にアライメントが可能な位置合わせ装置を得ることを目
的としている。
〔課題を解決する為の手段〕
かかる問題点を解決するために本発明では、マスクに
形成されたパターンを感光基板上に露光する装置に設け
られ、所定波長のコヒーレントな光ビームを発生する照
明系と、少なくとも感光基板側がテレセントリックな対
物光学系を含み、光ビームを感光基板上に照射する照射
光学系と、感光基板に形成された所定形状の位置合わせ
マークから発生する光情報を対物光学系を介して受光す
る光電検出器とを有し、該光電検出器の検出信号に応じ
てマスクと感光基板とを相対的に位置合わせする装置に
おいて、照明系内に設けられ、光ビームとして対物光学
系の瞳面の略中央を通る第1光束と、第1光束の中心に
関して略点対称となるように瞳面を通る2本の第2光束
とを射出する多光束化手段を備えた。
〔作 用〕
本発明では、照明光として対物光学系の瞳面の略中央
を通る第1光束と、第1光束の中心に関して略点対称と
なるように瞳面を通る2本の第2光束とを射出する多光
束化手段(2組のビーム成形光学系)と、第1光束と2
本の第2光束とのいずれか一方のみを対物光学系の瞳面
に通すように切換える切換手段とを設け、感光基板上に
形成された位置合わせマークの形状に応じて、第1光束
と2本の第2光束との切換えを行うように構成してい
る。この際、本発明ではアライメント光学系が照明光を
2分割して2組の位置検出系(照明光学系と光電検出器
とを含む)にそれぞれ入射させるための光分割器を有す
ることに着目し、第1光束と2本の第2光束とが互いに
略直交して入射するように光分割器を配置することによ
って、この光分割器以降の光学部材(2組の位置検出
系)を共有させるように構成している。このため、レチ
クル周辺でのスペースを最小とし、しかも2組のビーム
成形光学系、即ち2種類のアライメント光学系間でのオ
フセットの発生を防止することができる。また、2組の
位置検出系のどちらか一方で、2種類のアライメント光
学系の光軸が正確に合致するように照明光の光路調整を
行えば、もう一方の位置検出系でのアライメント光学系
の光軸も正確に合致するため、その調整に要する時間も
短く済ませることができる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例によるTTL方式のアライメント
光学系を備えたステッパーの概略的な構成について、第
1図〜第6図を参照して詳述する。
第2図において、超高圧水銀ランプ、エキシマレーザ
装置等の照明光源1は、g線、i線或いはKrFエキシマ
レーザ光等のレジスト層を感光するような波長(露光波
長)の照明光ILを発生し、この照明光ILはオプチカルイ
ンテグレータ(フライアイレンズ)等を有する照明光学
系2に入射する。照明光学系2により光束の一様化、ス
ペックルの低減化等が行われた照明光ILは、ビームスプ
リッター3及びミラー4を介してメインコンデンサーレ
ンズCLに至り、レチクルステージRSに載置されたレチク
ルRのパターン領域PAを均一な照度で照明する。レチク
ルRは駆動部5により水平面内で2次元的(回転も含
む)に移動され、その位置はレーザ干渉計6によって、
例えば0.02μm程度の分解能で常時検出される。尚、レ
チクルRにはパターン領域PAに付随して、レチクルマー
クRMx,RMy(矩形の透明窓、RMyのみ図示)が形成されて
いる。さて、パターン領域PAを通過した照明光ILは、両
側(若しくは片側)テレセントリックな投影レンズPLに
入射し、投影レンズPLはパターン領域PAに形成された回
路パターンの投影像を、レジスト層が塗布され、その表
面が結像面IMと略一致するように保持されたウエハW上
に投影する。ウエハWは不図示のウエハ・ホルダー(θ
テーブル)を介してウエハステージWS上に載置され、ウ
エハステージWSは駆動部7によりステップ・アンド・リ
ピート方式でX、Y方向に2次元移動し、且つZ方向に
微動するように構成されている。また、ウエハステージ
WSのX、Y方向の位置はレーザ干渉計8によって、例え
ば0.02μm程度の分解能で常時検出され、ウエハステー
ジWSの端部にはレーザ干渉計8からのレーザビームを反
射する移動鏡8mが固定されている。
また、ウエハステージWSにはベースライン計測時等で
用いられるフィデューシャル・マークを備えた基準部材
(ガラス基板)10が、ウエハWの表面位置と略一致する
ように設けられている。この基準部材10にはフィデュー
シャル・マークとして、第3A図に示すような光透過性の
スリットパターンである十字パターン10aと、光反射性
のクロム層で凹凸により形成された基準マーク(デュー
ティは1:1)10x、10yとが設けられている。ここで、第3
B図に基準マーク10yの概略的な構成を示す。基準マーク
10yは複数のドットマークがX方向に配列された回折格
子マーク(以下、LSAマークと呼ぶ)10ysと、X方向に
伸びた複数本(図中では12本)のバーパターンとを有
し、例えば4μmのライン・アンド・スペース・パター
ンが形成されるように、LSAマーク10ysを中心としてY
方向に配列されたものである。また、光透過性の十字パ
ターン10aは、不図示の光ファイバーを用いて基準部材1
0の下へ伝送された照明光(露光光)によって、下方
(ウエハステージWS内部)から照明されるように構成さ
れている。この十字パターン10aを透過した照明光は、
投影レンズPLを介してレチクルRの裏面(パターン面)
に十字パターン10aの投影像を結像する。レチクルマー
クRMy(或いはRMx)を透過した照明光は、コンデンサー
レンズCL及びミラー4を通って、ビームスプリッター3
で反射された後、投影レンズPLの瞳共役面に配置された
光電検出器を含む光量検出系9により受光されるように
構成されている。
さらに、第2図には投影レンズPLの結像面IMに向けて
ピンホール或いはスリットの像を形成するための結像光
束l1を、光軸AXに対して斜め方向より供給する照射光学
系11aと、その結像光束l1のウエハWの表面での反射光
束l2を受光する受光光学系1bから成る斜入射方式の焦点
検出系11が設けられている。この焦点検出系11の構成等
については、例えば特開昭60−168112号公報に開示され
ており、ウエハ表面の結像面IMに対する上下方向(Z方
向)の位置を検出し、ウエハWと投影レンズPLとの合焦
状態を検出するものである。また、投影レンズPLから一
定間隔で固定され、専らウエハマークを検出するオフ・
アクシス方式のウエハ・アライメント(WGA)系12,13
が、X方向に関して所定間隔だけ離れて設けられてい
る。WGA系12,13の構成等については、例えば特開昭60−
130742号公報に開示されているので説明は省略するが、
ガルバノミラー等の振動鏡によって細長く伸びた帯状の
スポット光をウエハマーク(回折格子マーク)上で微小
振動させ、マークからの回折光又は散乱光に応じた光電
信号を光電顕微鏡と同様に同期検波するものである。
尚、本実施例では共にX方向に伸びたスポット光をY方
向に微小振動させ、ウエハマークのY方向の位置を検出
するものである。
次に、第1図、第4図を併用して本実施例によるアラ
イメント光学系(20〜33)、特に本実施例ではLIA系とL
SA系とから成るアライメント光学系(以下、Site by Si
te Alignment;SAS系と呼ぶ)の構成について詳述する。
第1図はSSA系の概略的な構成を示す斜視図、第4図は
第1図に示したSSA系の主要部をさらに詳細に説明した
図である。第4図ではシャッター24,25に対して図中で
紙面と平行な偏波面を持つ光をP偏光とし、それと垂直
な偏波面を持つ光をS偏光とする。また、説明を簡単に
するために第1図又は第2図中に示したミラー28、32
y、33d,33f及び33gは省略してある。尚、ウエハW上に
はチップCに付随して、第3B図に示した基準マーク10x,
10yと同一形状のLSAマークWMxs,WMysを含むウエハマー
クWMx、WMyが形成されている。
第1図において、所定波長の直交直線偏光のアライメ
ント用照明光(ビーム)ALはレーザ光源20から射出さ
れ、偏光状態を変化させる偏波面回転部材(以下、単に
波面回転板と呼ぶ)21を介して偏光ビームスプリッター
22に至り、P偏光成分から成るビームALpとS偏光成分
から成るビームALsとに波面分割される。尚、レーザ光
源20はレジスト層に対してほとんど感度を持たない波長
(非露光波長)、例えば波長633nmのHe−Neレーザを光
源とすることが望ましい。さて、偏光ビームスプリッタ
ー22を通過したビームALpは、シャッター24を介してシ
リンドリカルレンズ等を含む第1ビーム成形光学系(以
下、LSA光学系と呼ぶ)26に入射する。一方、偏光ビー
ムスプリッター22で反射されたビームALsは、ミラー23
及びシャッター25を介して2光束周波数シフター等を含
む第2ビーム成形光学系(以下、LIA光学系と呼ぶ)27
に入射する。シャッター24,25は、それぞれビームALp,A
Lsの光路の閉鎖、開放を行う、例えば4枚羽根のロータ
リーシャッターであって、常にいずれか一方の光路のみ
を開放するように同時に回転制御される。尚、シャッタ
ー24,25を設ける位置は、偏光ビームスプリッター22と
後述するビームスプリッター29との間であればどこでも
構わない。従って、本件発明の多光束化手段としてのLS
A光学系26、LIA光学系27及び、切換手段としてのシャッ
ター24,25を含む照明系(20〜27)は、LSA光学系26、LI
A光学系27からそれぞれ射出する照明光を切換可能に発
生することが可能となって、いずれか一方の照明光のみ
を後述する如く投影レンズPLの入射瞳PLaに通すと共
に、ウエハマークの形状(本実施例では、LSAマークWMx
s,WMysか、ウエハマークWMx、WMyか)に応じて照明光の
切換えを行うことができるようになる。
ここで、波面回転板21として1/2波長板を回転可能に
設けると、ビームALは1/2波長板の回転角に応じた光強
度(光量)比で波面分割され、LSA光学系26とLIA光学系
27の必要光量に応じて、ビームALp,ALsの光量比を最適
なものに調整できることになる。しかも、このことは波
面回転板21及び偏光ビームスプリッター22がシャッター
機能を持つことを意味し、特にシャッター24,25を省略
することも可能である。また、ビームALと略同一光量の
ビームALp(又はALs)がLSA光学系26(又はLIA光学系2
7)に入射することになり、ビームALの光量損失がない
といった利点もある。しかし、1/2波長板の厚さ精度
(シャッターとしての遮光精度)や光量調整の容易さ等
を考慮し、本実施例では上記の如くシャッター24,25を
別設し、波面回転板(1/2波長板)21は所定の回転角で
固定しておくものとする。また、波面回転板21及び偏光
ビームスプリッター22は、共にレーザ光源20の光軸に対
して微小角度(例えば、1゜程度)だけ第1図中のXY平
面内で傾けて配置されている。このため、ビームAL(AL
p,ALs)の光路中に配置された波面回転板21等の光学部
材からの反射光がレーザ光源20に戻ることによって、ビ
ームALの発振を不安定にする現象、所謂バックトークの
発生が防止される。
次に、LSA光学系26の構成を簡単に説明する。第4図
に示すようにシャッター24を通過したビームALpは、ビ
ームエクスパンダー26aで所定のビーム径に拡大され、
シリンドリカルレンズ26bにより細長い楕円ビームSPに
成形された後、第1リレーレンズ26c、平行平面板26d及
び第2リレーレンズ26eを介して平行平面板26fに至る。
平行平面板26d,26fは、共にLSA光学系26の光軸AXaに対
して2次元傾斜可能に設けられ、第2リレーレンズ26e
はその後側焦点位置が後述するレンズ31x,31yの前側焦
点位置と一致するように配置される。平行平面板26fを
通過、即ちLSA光学系26を射出した第1光束としての楕
円ビームSPは、ミラー28で反射された後、本件発明の光
分割手段としてのビームスプリッター29によって、同一
光量となるように2分割(振幅分割)される。ビームス
プリッター29で2分割された楕円ビームSPは、それぞれ
第2リレーレンズ26eの後側焦点位置に配置された視野
絞り30x,30yで一度スリット状に収束した後、第1図に
示すようにレンズ31x,31y及びミラー32x,32yを介して位
置検出系33x,33yに達する。さらに、位置検出系33x,33y
を通過した楕円ビームSPは、それぞれミラー33g′,33g
を介して投影レンズPLの入射瞳PLaに至り、入射瞳PLaの
略中央を通って露光フィールド内でそれぞれY、X方向
に伸び、且つ光軸AXに向かうように、細長い帯状スポッ
ト光(シートビーム)SPとしてウエハW上に形成され
る。尚、入射瞳PLaにおいて楕円ビームの長手方向はそ
れぞれX、Y方向と略一致しており、この入射瞳PLaに
おける楕円ビームの長手方向とウエハW上に照射される
スポット光の長手方向とは互いに略直交している。ま
た、位置検出系33x,33yは同一構成であるため、第2図
及び第4図では位置検出系33yのみ図示してある。
ここで、第2図中に示した位置検出系33yにおいて楕
円ビームSP(P偏光)は、偏光ビームスプリッター33
a、1/4波長板33b、及び本件発明の偏向部材としての2
次元傾斜可能な平行平面板33cを通った後、ミラー33dを
介して対物レンズ33eに達する。1/4波長板33bにより円
偏光となった楕円ビームSPはミラー33fで反射され、位
置検出系33y内の空間上の焦点33α(ウエハ共役面)
で、対物レンズ33eにより一度スリット状に収束した
後、ミラー33g及び投影レンズPLを介してウエハW上に
スポット光SP(円偏光)として形成される。次に、スポ
ット光SPがLSAマークWMysをY方向に相対走査すると、L
SAマークWMyからは正反射光(0次光)34以外に、回折
光(1次光以上)35や散乱光36(不図示)が生じる。こ
れら光情報(円偏光)は再び投影レンズPL等を通って、
1/4波長板33bによりS偏光となった後、偏光ビームスプ
リッター33aで反射され、瞳リレー系33hを介して瞳共役
面に配置された光電検出器(受光素子)33iにより受光
される。光電検出器33iは、これら光情報のうちの高次
回折光、例えば±1〜3次回折光35と散乱光36とをそれ
ぞれ光電検出し、この回折光35、散乱光36の各強度に応
じた光電信号SDi,SDrをアライメント信号処理回路(以
下、ASCと呼ぶ)14に出力する。
次に、LIA光学系27の構成について説明する。第4図
において、シャッター25を通過したビームALsは、2つ
の音響光学変調器等から成る2光束周波数シフター27a
に入射し、互いに周波数が異なり、且つ共に直交した直
線偏光を含む2本のビームLB1,LB2に変換される。ここ
で、2光束周波数シフター27aの構成を第5図に示す。
第5図において、ビームALs(S偏光)はミラー40で反
射され、1/4波長板41及びレンズ42を通った後、偏光ビ
ームスプリッター43によって、同一光量となるようにP
偏光ビームとS偏光ビームとに波面分割される。偏光ビ
ームスプリッター43を通過したP偏光ビームは、ミラー
44を介して第1音響光学変調器45a(以下、単にAOM45a
と呼ぶ)に入射し、偏光ビームスプリッター43で反射さ
れたS偏光ビームは、第2音響光学変調器45b(以下、
単にAOM45bと呼ぶ)に入射する。AOM45aは周波数f1の高
周波信号SF1でドライブされ、第5図には示していない
が、その周波数f1で決まる回折角だけ偏向された1次光
をビームLB1として出力する。一方、AOM45bは周波数f1
であるビームLB1との差周波数がΔfとなるように、周
波数f2(f2=f1−Δf)の高周波信号SF2でドライブさ
れ、同様にその周波数f2で決まる回折角だけ偏向された
1次光をビームLB2として出力する。尚、AOM45a,45bに
対する入射ビームのうちの1次光以外は、適当な位置に
配置されたスリット(不図示)で遮光される。また、ド
ライブ周波数f1、f2と差周波数Δfとの関係は、f1≫Δ
f、f2≫Δfであることが望ましく、Δfの上限は光電
検出器33i等の応答性によって決まる。本実施例ではAOM
45a,45bのドライフ周波数f1、f2を、例えばそれぞれ80.
025MHz、80.000MHzとし、その周波数差Δfを25KHzと低
く設定しているため、2つのAOM45a,45bでの1次回折光
の回折角は共に等しくなっている。さて、AOM45aにより
周波数f1に変調されたビームLB1は、平行平面板46を介
してSSA系の瞳面に配置された偏向ビームスプリッター4
9に入射する一方、AOM45bにより周波数f2に変調された
ビームLB2は、平行平面板47及びミラー48を介して偏向
ビームスプリッター49に入射する。偏光ビームスプリッ
ター49は、ビームLB1,LB2を完全に同軸に合成するので
はなく、所定量だけ間隔をあけるようにビームLB1,LB2
を互いに平行に合成する。従って、平行平面板46,47は
ビームLB1,LB2の進行方向に所定角度だけ傾斜して配置
され、その2次元的な傾斜角を任意に調整できるように
設定される。この結果、偏光ビームスプリッター49、即
ち2光束周波数シフター27aから射出するビームLB1,LB2
は、第4図に示すようにLIA光学系27の光軸AXbを挟んで
対称に射出されることになる。
2光束周波数シフター27aから射出した2本の平行な
ビームLB1(P偏光で周波数f)とLB2(S偏光で周波数
f2)とは、共に1/2波長板27bにより偏光方向が45゜だけ
回転させられた後、偏光ビームスプリッター27cに入射
する。これより、ビームLB1は周波数f1のP偏光ビームL
B1pとS偏光ビームLB1sとに波面分割され、ビームLB2は
周波数f2のP偏光ビームLB2pとS偏光ビームLB2sとに波
面分割される。さて、偏光ビームスプリッター27cで反
射される2本のS偏光ビームLB1s(周波数f1),LB2s
(同f2)は、瞳を像面に変換するレンズ系(逆フーリエ
変換レンズ)27dを介して、装置上で固定されている参
照用回折格子27eに、異なる2方向から所定の交差角θ
で入射し結像(交差)する。光電検出器(受光素子)27
fは、参照用回折格子27eを透過した0次光以外の回折光
(干渉光)を受光し、回折光強度に応じた正弦波状の光
電信号SRを出力する。この光電信号SRは、ビームLB1s,L
B2sの差周波数Δfに比例した周波数となり、光ビート
信号となる。
一方、偏光ビームスプリッター27cを通過する2本の
P偏光ビームLB1p(周波数f1),LB2p(同f2)は、瞳リ
レー系27gの内部で平行光束となって、一度交差した後
に射出され、各主光線がLIA光学系27の光軸AXbに対して
平行となると共に、瞳面内で光軸AXbを挟んで点対称な
2点にスポットとして集光する結像光束となる。ビーム
LB1p,LB2pは上記瞳面内若しくはその近傍に配置された
平行平面板27hを通った後、レンズ27iにより所定角度だ
け傾いた平行光束となって平行平面板27jに入射する。
平行平面板27h,27jは、共にLIA光学系27の光軸AXbに対
して2次元傾斜可能に設けられ、レンズ27iはその後側
焦点位置がレンズ31x,31yの前側焦点位置と一致するよ
うに配置される。平行平面板27jを通過、即ちLIA光学系
27を射出した2本の第2光束としてのビームLB1p,LB2p
は、述したスポット光SPと同様に、ビームスプリッター
29により同一光量となるように2分割(振幅分割)さ
れ、それぞれ視野絞り30x,30yで一度交差した後、レン
ズ31x,31y等を介して位置検出系33x,33yに入射する。ビ
ームLB1p,LB2pは位置検出系33y内の焦点33αで一度交差
し、入射瞳PLaにおいてスポット光(楕円ビーム)SPの
中心に関して略点対称となるように、一度スポット状に
集光して入射瞳PLaを通った後、ウエハマークのピッチ
方向に関して光軸AXを挟んで互いに対称的な角度で傾い
た平行光束となって、ウエハマーク上に異なる2方向か
ら交差角θで入射し結像(交差)する。ここで、入射瞳
PLaにおいてビームLB1p,LB2pの各スポットは、スポット
光SPの中心を通り、且つスポット光SPの長手方向(Y方
向)に伸びた直線上に、上述した如くスポット光SPの中
心に関して略点対称となるように形成される。また、ビ
ームLB1p,LB2pの交差角θは、大きくても投影レンズPL
の射出(ウエハW)側の開口数(N.A.)を越えることは
ない。さらに、ウエハ表面と共役(像共役)に配置され
た視野絞り30x,30yは、ウエハW上でのアライメント用
照明光の形状(照射領域)を任意に設定するためのもの
であり、その形状はスポット光SPとビームLB1p,LB2pと
で共用されるように定められている。尚、第4図におい
てウエハマークWMyのピッチ方向は紙面内の左右方向で
あり、ビームLB1p,LB2pの各々の光軸AXからの傾き方向
も第4図の紙面内に定められる。
さて、ビームLB1p,LB2pが交差角θでウエハマークWMy
上に入射すると、ビームLB1p,LB2pが交差している空間
領域内で、光軸AXと垂直な任意の面内(ウエハ面)に
は、格子ピッチPに対して整数倍のピッチP′(P′=
P/2)で、1次元の干渉縞が作られることになる。この
干渉縞はウエハマークWMyのピッチ方向(Y方向)に、
ビームLB1p,LB2pの差周波数Δfに対応して移動(流れ
る)ことになり、その速度Vは、V=Δf・P′なる関
係式で表される。これより、ウエハマークWMyからは光
軸AX上に沿って進行し、干渉縞の移動によって明暗の変
化を周期的に繰り返すビート波面になる±1次回折光
(干渉光)37が発生する。この回折光37は投影レンズP
L、1/4波長板33b等を通り、偏光ビームスプリッター33a
で反射された後、瞳リレー系33hを介して光電検出器33i
により受光される。光電検出器33iから出力される光電
信号SDwは、干渉縞の明暗変化の周期に応じた正弦波状
の交流信号(ビート周波数、以下光ビート信号と呼ぶ)
SDwとなってASC14に出力される。
ここで、上述した光電検出器33iの概略的な構成を第
6図に示す。第6図に示すように光電検出器33iは、ス
ポット光SPの照射によってLSAマークWMysから発生す
る、例えば±1〜3次回折光35の分布に合わせた受光面
38a,38bと、そのエッジから発生する散乱光36の分布に
合わせた受光面39a,39b及び、ビームLB1p,LB2pの照射に
よってウエハマークWMyから発生する回折光37を受光す
るように配置された受光面37Dを有する分割受光素子で
ある。尚、上述した如くスポット光SPをLSAマークWMys
に照射すると、LSAマークWMysからは回折光35と共に正
反射光34や散乱光36も発生し、この正反射光34や散乱光
36は受光面37D上に集光される。しかし、本実施例では
シャッター24,25を回転制御して、スポット光SPとビー
ムLB1p,LB2pとが同時にウエハW上に照射されないよう
に切換えを行っているため、受光面37Dで正反射光34及
び散乱光36と回折光37とが混在してしまうクロストーク
は防止される。
次に、ASC14は上記LSA系(スポット光SP)を用いる
時、光電検出器33iから出力される光電信号SDi(又はSD
r)と、レーザ干渉計8からの位置信号とを入力し、ウ
エハステージWSの単位移動量(0.02μm)毎に発生する
アップ・ダウンパルス信号に同期して光電信号SDi(又
はSDr)をサンプリングする。そして、各サンプリング
値をデジタル値に変換してメモリに番地順に記憶させた
後、所定の演算処理によってウエハマークWMyのY方向
の位置を検出する。尚、ASC14は光電信号SDi,SDrの波形
処理を並行して行い、両方の検出結果からウエハマーク
WMyの位置を決定することが望ましい。また、LIA系(ビ
ームLB1p,LB2p)を用いる時、光電検出器33iから出力さ
れる光ビート信号SDwと、参照信号として光電検出器27f
から力される光ビート信号SRとを入力し、光ビート信号
SRを基準とした光ビート信号SR、SDwの波形上の位相差
を検出する。この位相差(±180゜)は、ウエハマークW
MyのP/2内の相対位置ずれ量に一義的に対応している。
ここで、ウエハマークWMx、WMyのピッチPを8μmと
し、ASC14の位相検出の分解能が0.2゜であるものとする
と、位置ずれの計測分解能は0.0022μmにもなる。実際
にはノイズ等の影響も受けるため、実用的な計測分解能
は0.0044μm(位相で0.4゜)程度になる。この検出方
式は所謂ヘテロダイン方式であり、ウエハWがP/2の位
置誤差範囲内であれば、静止状態であっても高分解能で
位置ずれを検出できるものである。主制御装置15は、シ
ャッター24,25を同時に駆動制御したり、ASC14からのマ
ーク位置や位相差(位置ずれ量)の情報、レーザ干渉計
6,8からの位置情報等に基づいて、駆動部5,7に所定の駆
動指令を出力し、レチクルRとウエハWとのアライメン
トを行う他、焦点検出系11、WGA12,13等を含む装置全体
を統括制御する。
さて、第1図、第4図中に示した本件発明の光分割手
段としてのビームスプリッター29は、このビームスプリ
ッター29より後方に配置された光学部材、即ち視野絞り
30x,30yや位置検出系33x,33y等において、LSA光学系26
の光軸AXaとLIA光学系27の光軸AXbとを正確に合致さ
せ、スポット光SPとビームLB1p,LB2pとで位置検出系33
x,33y等を共有させるため、スポット光SPとビームLB1p,
LB2pとが、同一平面(レチクルRと平行な平面)内で互
いに略直交して分割面29aに入射するように配置されて
いる。この際、ビームスプリッター29の位置を調整する
だけでは、精度良く光軸AXaとAXbとを合致させることは
難しい。そこで、本実施例ではステッパーの製造時或い
はイニシャライズ時に、LSA光学系26及びLIA光学系27の
内部にそれぞれ設けられた平行平面板26f,27jの傾斜角
を調整しておく。つまり、スポット光SPとビームLB1p,L
B2pとをそれぞれ微小量だけシフトさせることによっ
て、スポット光SPとビームLB1p,LB2pとのビームスプリ
ッター29への入射位置の微調整を行っておくものとす
る。
また、第5図に示した平行平面板46,47を所定角度だ
け傾けると、SSA系の瞳面、例えば入射瞳PLaにおいて、
光軸AXを挟んで形成されるビームLB1,LB2のスポット
は、それぞれ傾斜角に応じて2次元移動する。このこと
は、入射瞳PLaでのビームLB1p,LB2pのスポット間隔、即
ちウエハマークWMx、WMy上での交差角θが、平行平面板
46,47の傾斜角により規定されることを意味する。従っ
て、本実施例では予めビームALs(AL)の波長に応じて
平行平面板46,47を傾斜させ、ビームLB1p,LB2pの交差角
θを調整しておくものとする。この際、同時にビームLB
1p,LB2pによって作られる干渉縞のピッチ方向と、入射
瞳PLaでのビームLB1p,LB2pの各スポットを結ぶ直線と略
平行となるように、交差角θを維持しながら(即ち、入
射瞳PLaでの2つのスポットの位置間隔を一定に保った
まま)、平行平面板46,47の少なくとも一方を傾斜させ
る。この結果、ウエハW上では干渉縞のピッチ方向とウ
エハマークのピッチ方向とが正確に一致することにな
り、光ビート信号SDwを高いコントラストで得ることが
できる。
また、上述した平行平面板26d,27hは共にSSA系の瞳面
又はその共役面若しくはそれらの近傍のいずれかの面内
に配置される。このため、平行平面板26d,27hをそれぞ
れ所定角度だけ傾け、入射瞳PLaでのスポット光SPとビ
ームLB1p,LB2pとの各スポットを2次元的に移動させれ
ば、投影レンズPLの射出(ウエハW)側でのスポット光
SPの主光線と、ビームLB1p,LB2pの2等分線となる2ビ
ームの主光線との光軸AXに対する傾き(以下、簡単にテ
レセン傾きと呼ぶ)を調整できる。そこで、スポット光
SPとビームLB1p,LB2pとのテレセン傾きが零、若しくは
所定の許容範囲内に入るように、本実施例では、例えば
ステッパーのイニシャライズ時に、各テレセン傾きに応
じて平行平面板26d,27hの傾斜角が調整される。尚、上
述した如く平行平面板46,47及び26d,27hの傾斜角の調整
が終了すると、入射瞳PLaにおけるスポット光SPの中心
と、ビームLB1p,LB2pの各スポット(中心)とを結ぶ直
線の方向が、ウエハマークのピッチ方向(周期方向)と
略平行となる。
ここで、上述した平行平面板46,47をそれぞれ同方向
に同一角度だけ傾斜させれば、入射瞳PLaにおいてビー
ムLB1p,LB2pの各スポットは間隔が一定のまま、その傾
斜角に応じて2次元移動されることになる。従って、平
行平面板46,47もテレセン傾きの補正機能を有すること
になって、平行平面板27hを別設する必要がなくなる。
しかしながら、本実施例では調整時間や調整の容易さ等
の点から、平行平面板46,47はビームLB1p,LB2pの交差角
θ、即ち干渉縞のピッチを調整するものとし、そのテレ
セン傾きの補正は平行平面板27hにより行うものとす
る。尚、ビームLB1p,LB2pの波長をλ、ウエハマークWMy
のピッチをP、ウエハWへのビームLB1p,LB2pの入射角
を、それぞれ光軸AXを挟んでθa,θb(但し、交差角θ
=θa+θb)とすると、平行平面板46,47及び27hは、
以下に示す式(1)の関係を満たすようにその傾斜角が
調整される。
sinθa=sinθb=nλ/P(n=1,2,…)……(1) この結果、ビームLB1p,LB2pの入射角θa,θbの対称
性が維持され、テレセン傾き等が補正されると共に、ウ
エハマークから発生する回折光37は常に光軸AX上に沿っ
て進行することになる。
また、第2図及び第4図中に示した平行平面板33c
(本発明の偏向部材)も、SSA系の瞳共役面の近傍に配
置されており、平行平面板26d,27hと全く同様の機能、
即ちテレセン傾きの補正機能を有する。特に、平行平面
板33cは位置検出系33y内に配置され、入射瞳PLaでのス
ポット光SP及びビームLB1p,LB2pの各スポットを、同時
に同量だけ移動させるように構成されている。従って、
投影レンズPLのウエハW側でのテレセン傾きは共に等し
いと考えられるため、とちらか一方のテレセン傾きに応
じて平行平面板33cの傾斜角を調整すれば、スポット光S
P及びビームLB1p,LB2pのテレセン傾きが同時に補正され
ることになる。尚、本実施例ではステッパーのイニシャ
ライズ時に平行平面板33cの傾斜角調整を行わず、例え
ば平行平面板33cがSSA系の光軸(AXa,AXb)と正確に直
交するように設定されている状態で、平行平面板26d,27
hの傾斜角のみを調整して、スポット光SP及びビームLB1
p,LB2pのテレセン傾きを補正しておくものとする。
次に、第7図〜第11図を参照して本実施例による装置
の調整動作とマーク検出動作について説明する。第7図
は、本実施例の動作の一例を示す概略的なフローチャー
ト図である。
ステップ100において、主制御装置15は駆動部7によ
りウエハステージWSを移動させ、第8図に示すよに基準
部材10、即ち基準マーク10yをビームLB1p,LB2pの照射位
置に設定する。次に、位置検出系33yから射出するビー
ムLB1p,LB2pで基準マーク10yを照射した状態で、焦点検
出系11を用いて投影レンズPLと基準部材10とのZ方向の
間隔をモニターしながら、ウエハステージWSを構成する
Zステージ(不図示)を所定の範囲内で、X、Y方向に
横ずれが生じないようにZ(光軸AX)方向に上下動させ
る。そして、ASC14は光電検出器27fからの光ビート信号
SRと、光電検出器33iからの光ビート信号SDwとの位相差
φwの変化を検出する。主制御装置15は、位相差情報
(位相差φwの変化)と、焦点検出系11からの位置情報
とに基づいて、位相差φwの変化をZステージのZ方向
への微小変位量毎にサンプリングしていき、第9図に示
すような特性VTを算出する。第9図において、横軸は基
準部材10のZ方向の位置を、縦軸は位相差φwを表し、
位置Z4で基準部材10が最も投影レンズPLに近づくものと
する。従って、主制御装置15は第9図に示した特性VTに
基づいて、ビームLB1p,LB2pのテレセン傾き(即ち、第
9図中での特性VTの傾き)ΔMを、以下の式(2)から
求める。
ΔM=ΔL/|Z1−Z4| ……(2) 但し、ΔLは位相差|φ1−φ4|に相当するY方向の
横ずれ量であるものとする。
次に、主制御装置15は上記式(2)から算出したテレ
セン傾きΔMが、所定の許容範囲内か否かを判断する。
この判断の結果、テレセン傾きΔMが許容範囲を越えて
いる場合のみ、主制御装置15はテレセン傾きΔMに基づ
いて平行平面板33cの傾斜角を算出する。そして、この
傾斜角に応じて平行平面板33cを傾け、ビームLB1p,LB2p
のテレセン傾きを補正する。同様に、位置検出系33xか
ら射出するビームLHB1p,LB2pのテレセン傾きも計測し、
上述と同様の動作でテレセン傾きが許容範囲を越えてい
る場合のみ補正を行う。この結果、ウエハW上へ照射さ
れるビームLB1p,LB2pの入射角θa,θbの対称性が高精
度に維持されると共に、ビームLB1p,LB2pのテレセン傾
き補正と同時に、スポット光SPのテレセン傾きも自動的
に補正されることになる。尚、本ステップ100では、焦
点深度が20μm程度のスポット光SPと比べて、Z方向に
関する実効的な検出範囲が広いビームLB1p,LB2p(焦点
深度300μm程度)を用い、基準部材10をZ方向に上下
動させているだけなので、高精度、高速にテレセン傾き
を計測し、補正できる。これより、SSA系のテレセン傾
きチェックが終了し、次のステップ101を実行する。
ステップ101において、シャッター24,25を同時に回転
制御し、LSA光学系26に入射するビームALpの光路を開放
する一方、LIA光学系27に入射するビームALsの光路を閉
鎖する。この結果、ビームALpのみがLSA光学系26に入射
し、ウエハW上にはビームLB1p,LB2pの代わりにスポッ
ト光SPが照射されることになる。これより、LIA系からL
SA系への切換えが終了し、次のステップ102を実行す
る。
ステップ102において、レチクルマークRMyのY方向の
位置と、SSA系のY方向のマーク検出基準位置、即ち位
置検出系33yから射出するスポット光SPの光軸位置とを
検出し、Y方向のベースラインΔByを算出する。そこ
で、第10図に示すように基準部材10を露光光で下方から
照明し、投影レンズPLを介してレチクルRに十字パター
ン10aの投影像を結像させる。そして、投影像がレチク
ルマークRMy(矩形の透明窓)を相対走査するようにウ
エハステージWSをY方向に微動し、レチクルマークRMy
を透過した照明光を光量検出系9により受光する。この
際、投影像とレチクルマークRMyとが合致した時に、最
大光量が通過し、順次そのずれに応じた光量が減少す
る。これより、ASC14は光量検出系9からの光電信号と
レーザ干渉計8からの位置信号とに基づいて、レチクル
マークRMyのY方向の位置を算出する。次に、基準部材1
0上に形成された基準マーク10yを用いて、スポット光SP
のY方向の光軸位置を計測する。そこで、スポット光SP
をLSAマーク10ysと平行に基準部材10上に形成した後、
主制御装置15はウエハステージWSをY方向に微動させ、
LSAマーク10ysから発生する回折光35及び散乱光36を光
電検出器33i(受光面38a,38b及び39a,39b)により受光
する。そして、ASC14は光電検出器33iからの光電信号SD
i,SDrと、レーザ干渉計8からの位置信号とに基づい
て、LSAマーク10ysの位置を算出する。以上の検出結果
から、主制御装置15はSSA系のY方向のベースラインΔB
yを求め、さらに上述と全く同様の動作でX方向のベー
スラインΔBxも算出する。この際、精度向上の点から同
様な計測を複数回行ない、それらを平均化した値をベー
スラインΔBx,ΔByとして記憶すると良い。
次のステップ103において、主制御装置15はWGA系12,1
3及びSSA系を用い、ウエハWのプリアライメントを行
う。そこで、WGA系12,13はウエハWの外周付近に、且つ
ウエハセンタに関して左右(Y軸)対称な位置に形成さ
れた2個のチップのY方向の位置を検出し、一方SSA系
はステップ102と同様の動作でウエハWの外周付近に、
且つ上記2個のチップから等距離にあるチップのX方向
の位置を検出する。そして、主制御装置15は3つのチッ
プの位置情報に基づいて、座標系XYに対するウエハWの
位置ずれ量(回転誤差を含む)を算出し、この位置ずれ
量に応じてウエハWのプリアライメントを行う。
次のステップ104において、主制御装置15はステップ1
02,103と同様の動作で、SSA系を用いてウエハW上の少
なくとも2個のチップCの座標値(X、Y方向の位置)
を計測する。この際、ウエハWの表面荒れ等によるラン
ダム誤差のため、計測不可能若しくは計測結果が疑わし
いチップCに関しては、再度計測を行うか、或いは改め
てその近傍のチップCの計測を行うようにする。そし
て、ウエハWの伸縮(ランアウト)によるスケーリング
誤差等を除去するため、これら計測結果とステップ102
で計測したベースラインΔBx,ΔByとに基づいてチップ
の位置情報(設計値)に補正を加え、新たにこの位置情
報を配列マップとして記憶する。これより、配列マップ
に応じてウエハステージWSをステッピングさせれば、常
にウエハマークWMx、WMyはビームLB1p,LB2pに対して、
±P/4内に位置決めされることになる。尚、ステップ103
での計測結果を利用して配列マップを算出しても良く、
この場合には配列マップの算出精度を向上させることが
できるか、或いは計測すべきチップCの数を減らすこと
ができる。
次のステップ105において、上述したステップ101と同
様にシャッター24,25を回転制御し、スポット光SPの代
わりにビームLB1p,LB2pをウエハW上に照射する。これ
より、LSA系からLIA系への切換えが終了し、次のステッ
プ106を実行する。
ステップ106において、主制御装置15はSSA系を用い、
ウエハWの中心及びその外周付近に位置する複数個(5
〜10個程度)のチップCの座標値を計測する。そこで、
ステップ104で求めた配列マップに基づいて、ウエハス
テージWSをステッピングさせ、座標値を計測すべきチッ
プCのウエハマークWMyを、ビームLB1p,LB2pに対して±
P/4内に位置決めする。次に、ビームLB1p,LB2pをウエハ
マークWMyに照射し、ウエハマークWMyから発生する回折
光37を光電検出器33i(受光面37D)により受光する。AS
C14は、光電検出器33iからの光ビート信号SDwと光電検
出器27fからの光ビート信号(参照信号)SRとに基づい
て、光ビート信号SDw,SRの位相差φw(±180゜)を検
出し、このP/2内の位相差φwからウエハマークWMyのY
方向の位置を算出する。以下、上記動作を繰り返し行う
ことによって、主制御装置15は統計的手法によりチップ
配列を算出する。これより、LIA系によるEGA計測が完了
し、次のステップ107を実行する。
ステップ107において、主制御装置15はステップ102で
計測したベースラインΔBx,ΔByと、ステップ106で算出
したチップ配列とに基づいて、ウエハステージWSをステ
ッピングさせ、1チップ毎にレチクルRを回転制御しな
がらレチクルパターンの投影像とチップCとを正確に重
ね合わせて露光を行う。
次のステップ108において、主制御装置15はレチクル
Rの交換を行うか否か判断する。ここでは、同じレチク
ルRを使用して同一ロット内に収納された未処理ウエハ
への露光を続けて行うものとし、再びステップ103を実
行する。以後、同一ロット内の全てのウエハWの露光が
完了するまで、上記ステップ103からステップ108が繰り
返し実行される。これより、スループットやアライメン
ト計測精度等を低下させることなく、高精度、高速に重
ね合わせ露光を行うことが可能になる。
尚、機械的な振動等を要因としてベースラインΔBx,
ΔByが変動し得る場合、特に短時間でベースラインがド
リフトしてしまうエキシマレーザ装置を露光用照明光源
とするステッパーでは、例えば第7図中に点線で示すよ
うに、複数枚(例えば、5〜10枚程度)のウエハWへの
露光が完了したら、ステップ108終了後にステップ103で
はなくステップ102を実行するようなシーケンスを採用
すると良い。
また、本実施例では第3B図に示した基準マーク10yと
同一形状、つまりLSA系の回折格子マーク(LSAマークWM
ys)と、LIA系の回折格子マーク(バーパターン)とを
一体に形成したウエハマークWMyを用いている。従っ
て、LSAマークWMyは現像等の各種処理プロセスの影響を
受け難く、そのエッジ破壊等が大幅に低減される。そこ
で、上述したステップ104においてチップCの座標値を
計測する際、主制御装置15はその計測結果(例えば、光
電信号SDiの波形等)に基づいて、ウエハW(レジスト
層)の表面状態が良好か否か判断する。そして、この判
断結果が不良であれば、本実施例と同様に続けてステッ
プ105を実行するが、逆に良好であれば、このままLSA系
を用いてEGA計測を行ってしまい、ステップ105(LSA系
からLIA系への切換)及びステップ106(LIA系によるEGA
計測)を行なわず、続けてステップ107を実行するよう
なシーケンスを採用しても良い。
また、本実施例ではHe−Neレーザ(波長633nm)を光
源とするレーザ光源20を用いるものとしたが、このよう
に単一波長のレーザビームではレジスト層の膜厚等との
関係から、レジスト層による薄膜干渉等の影響を受けて
アライメント精度が低下し得る。そこで、次に薄膜干渉
等の影響を除去できる本実施例の変形例について、第11
図を参照して簡単に説明する。尚、第11A図,第11B図に
は本実施例と構成が異なる部材のみ図示し、本実施例と
同一の部材には同じ符号を付してある。
第11A図に示すように、SSA系の照明光源として上述し
たレーザ光源20と、例えばHe−Cdレーザ(波長538nm)
を光源とするレーザ光源50とを設け、レーザ光源20,50
からそれぞれ射出するビームAL,ALcが、同軸に波面回転
板21に入射するようにダイクロイックミラー51を配置す
る。さらに、第11B図に示すように位置検出系33yにおい
て、光電検出器33iの前にダイクロイックミラー52を斜
設すると共に、第6図に示した光電検出器33iと同一構
成の光電検出器53を瞳共役面に別設し、ウエハマークWM
yから発生する回折光37を、波長に応じて光電検出器33
i,53がそれぞれ独立に検出するように構成する。また、
SSA系を構成する対物レンズ33e等の各光学部材は、2つ
の波長に対して色消しされていることが望ましい。各光
学部材が色消しされていない場合には、予め基準部材10
を用いてウエハW上での波長に応じたスポット光SP及び
ビームLB1p,LB2pの照射位置のずれ量を計測しておき、
主制御装置15がそれらずれ量をオフセットとして持つよ
うにしておくと良い。
さて、上記の如く構成されたSSA系においてスポット
光SPを用いる場合には、レーザ光源20,50からビームAL,
ALcを同時に射出し、LSA光学系26により互いに波長が異
なる2つのスポット光SPをウエハW上に形成する。そし
て、ウエハマークWMyから発生する光情報(回折光)
を、その波長に応じて光電検出器33i,53により受光す
る。ASC14は、光電検出器33i,53からの光電信号とレー
ザ干渉計8からの位置信号とに基づいて、ウエハマーク
WMyのY方向の位置を検出する。この際、光電検出器33
i,53によってウエハマークWMyの位置情報が同時に2つ
検出されることになるため、どちらか一方の波長のスポ
ット光SPの薄膜干渉等の影響を受けても、常に精度良く
ウエハマークWMyの位置を検出できる。
一方、ビームLB1p,LB2pを用いる場合には、レーザ光
源20,50からビームAL,ALcを同時に射出せず、薄膜干渉
等の影響を受け得る時のみ、例えばレーザ光源20からレ
ーザ光源50への切換えを行う。そして、レーザ光源50か
ら射出するレーザALc、即ち波長538nmのビームLB1p,LB2
pを用い、ステップ106と同様の動作でウエハマークWMy
を検出する。このため、ビームLB1p,LB2pにおいても薄
膜干渉等によるアライメント精度の低下が防止される。
尚、ビームLB1p,LB2pの波長が変化すると、ウエハマー
クWMyから発生する回折光37は投影レンズPLの光軸AX上
に沿って進行せず、この回折光37を光電検出器33i,53で
検出することが不可能となる。そこで、常に回折光37が
光軸AX上を進行するように、レーザ光源20,50の切換え
と同時に、式(1)に基づいて平行平面板46,47の傾斜
角を調整し、ビームLB1p,LB2pの交差角θを最適なもの
にしておく。また、第5図に示した2光束周波数シフタ
ー27aでは、AOM45a,45bが周波数f1,f2で決まる回折角だ
け偏向された1次光をビームLB1,LB2として出力してい
る。このため、ビームALsの波長変化に応じてAOM45a,45
bによる1次光の回折角も変化してしまい、同様に回折
光37を光電検出器33i,53で検出することが不可能とな
る。そこで、AOM45a,45bによる1次光の回折角が常に一
定となるように、2光束周波数シフター27aでもビームA
Lsの波長に応じてAOM45a,45bのドライブ信号SF1,SF2の
周波数f1,f2を微調整しておく。
以上の通り本発明の一実施例においては、2本のビー
ムLB1p,LB2pに所定の周波数差Δfを持たせる、所謂ヘ
テロダイン法を採用したLIA系を用いていたが、ビームL
B1p,LB2pに周波数差を与えず、静止した干渉縞に対して
回折格子マーク(ウエハマーク)をそのピッチ方向に移
動させることにより、干渉縞を基準として回折格子マー
クの位置を検出する、所謂ホモダイン法を採用したLIA
系を用いても、同様の効果を得ることができるのは明ら
かである。
また、本実施例ではLIA系をLSA系と組み合わせていた
が、例えば投影レンズPLを介して照明光(露光光、He−
Cdレーザ等)をウエハW上に所定領域に照射し、ウエハ
マークからの光を、ウエハ表面と共役(像共役)に配置
された所定形状の指標マークを有する指標板(焦点板)
を介して、ITV、CCDカメラ等の撮像素子(イメージセン
サ)により受光し、その画像信号を処理する方式のアラ
イメント光学系(TTL方式)と組み合わせても良い。
尚、照明光として照明光としてのHe−Neレーザ等の非露
光波長の光を用いる場合には、アライメント光学系内に
収差補正光学系を設けておく。さらに、第2図中に示し
たような振動鏡を用いたスポットスキャン方式のWGA系1
2,13や、LSA系のようなステージスキャン方式或いは上
述した画像信号処理方式を採用したオフ・アクシス方式
のウエハ・アライメント系と組み合わせても良い。
また、本実施例ではLSA系の回折格子マーク(ドット
マーク)と、LIA系の回折格子マーク(バーパターン)
とを、ウエハマークWMx、WMyとして一体に形成していた
が、予め両方の回折格子マークの設計上の間隔をオフセ
ットとして持つようにしておけば、両方の回折格子マー
クを別々にウエハW上に形成しても同様の効果を得るこ
とができる。さらに、LSA系の回折格子マークとして、
複数のドットマークをスポット光SPの長手方向に配列し
たマークを用いていたが、単に長手方向に伸びたバーパ
ターンを代用しても良い。また、ウエハWは現像処理等
の各種基板処理を施されるため、デューティが1:1のレ
チクルマークを転写しても、常に本実施例のようなウエ
ハマークがデューティ比1:1で形成されるとは限らな
い。そこで、予め各種基板処理によるウエハマークのデ
ューティの変化量を予測しておき、ウエハマークのデュ
ーティが1:1となるように、この予測値から算出したデ
ューティ比でレチクルマークを形成すると良い。さら
に、デューティ比1:1で形成したウエハマークを用いて
も、レジスト層の膜厚との関係でウエハマークから発生
する回折光37の強度が弱くなり、光ビート信号SDwを高
いコントラストで得ることができなくなる。このような
場合には、予めレジスト層の膜厚に応じて回折光強度が
最も強くなるウエハマークのデューティ比を求めてお
き、この最適なデューティ比でウエハマークが形成され
るように、各種基板処理によるデューティの変化量等を
考慮してレチクルマークを形成すると良い。
さらに、本発明によるアライメント光学系を適用する
のに好適な露光装置はステッパーに限られるものではな
く、例えばコンタクト方式或いはプロキシミティー方式
の露光装置やX線露光装置等に適用しても、本実施例と
全く同様の効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、2種類のアライメント
光学系を組み合わせる際、光学部材を最大限共有させて
いる。このため、スペースを最小とし、且つ2種類のア
ライメント光学系間でのオフセットを防止できる。しか
も、光学部材の共有化に伴うアライメント光の光量損
失、照明光路の不安定化も防止できる。また、光分割手
段より後方に配置された2組の光学部材(位置検出系
等)の各々で、2種類のアライメント光学系の光軸を正
確に合致させる際、いずれか一方での光軸が正確に合致
するように光学調整を行えば、もう一方での光軸も正確
に合致するので、その光学調整に要する時間も短く済ま
せることができる。さらに、ヘテロダイン法或いはホモ
ダイン法を採用したアライメント系(LIA系)とLSA系
(或いはWGA系)とを組み合わせる場合、両方のアライ
メントマーク(回折格子マーク)を一体に感光基板に形
成することができる。このため、LSA系の回折格子マー
クが基板処理プロセスの影響を受け難くなって、回折格
子マークのエッジ破壊等の発生が大幅に低減され、LSA
系のアライメント計測精度を向上させることができる。
また、LIA系及びLSA系からの照明光の各主光線の角度を
同時に偏向する偏向部材(平行平面板33c)を、少なく
とも感光基板側がテレセントリックな対物光学系の瞳面
又はその共役面、若しくはそれら近傍のいずれかの面内
に配置している。このため、LIA系を用いて対物光学系
の感光基板側のテレセン傾きを計測し、このテレセン傾
きに応じて偏向部材の傾斜格を調整するだけで、LIA系
及びLSA系のテレセン傾きを同時(高速)に、しかも精
度良く補正できる。この結果、高精度、高速にアライメ
ント及びテレセン傾き補正が可能なアライメント光学系
を備えた露光装置を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるTTL方式のアライメント光学系の
概略的な構成を示す斜視図、第2図は本発明によるアラ
イメント光学系を備えたステッパーの概略的な構成を示
す平面図、第3A図,第3B図は基準部材に設けられたフィ
デューシャル・マークの概略的な構成を示す平面図、第
4図は第1図に示したアライメント光学系の主要部をさ
らに詳細に説明した平面図、第5図は2光束周波数シフ
ターの詳細な構成を示す図、第6図は本発明によるアラ
イメント光学系の光電検出器の概略的な構成を示す図、
第7図は本発明の実施例の動作の一例を示す概略的なフ
ローチャート図、第8図はテレセン傾きの説明に供する
平面図、第9図はテレセン傾き補正の説明に供するテレ
セン性の計測データを表すグラフ、第10図はレチクルマ
ークの位置計測動作の説明に供する図、第11A図,第11B
図は本発明の変形例の説明に供する平面図である。 〔主要部分の符号の説明〕 6,8……レーザ干渉計、10……基準部材、11a,11b……焦
点検出系、12,13……ウエハ・アライメント系、14……
アライメント信号処理回路、15……主制御装置、20〜33
……サイト・バイ・サイト・アライメント系、27f,33i,
53……光電検出器(受光素子)、IL……露光用照明光、
CL……コンデンサーレンズ、R……レチクル、PA……パ
ターン領域、RS……レチクルステージ、PL……投影レン
ズ、PLa……入射瞳、AX……光軸、IM……結像面、W…
…ウエハ、WS……ウエハステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 宏一郎 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株 式会社ニコン大井製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−278402(JP,A) 特開 昭62−216231(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 H01L 21/30

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスクに形成されたパターンを感光基板上
    に露光する装置に設けられ、所定波長のコヒーレントな
    光ビームを発生する照明系と、少なくとも前記感光基板
    側がテレセントリックな対物光学系を含み、前記光ビー
    ムを前記感光基板上に照射する照射光学系と、前記感光
    基板に形成された所定形状の位置合わせマークから発生
    する光情報を前記対物光学系を介して受光する光電検出
    器とを有し、該光電検出器の検出信号に応じて前記マス
    クと前記感光基板とを相対的に位置合わせする装置にお
    いて、 前記照明系内に設けられ、前記光ビームとして前記対物
    光学系の瞳面の略中央を通る第1光束と、前記第1光束
    の中心に関して略点対称となるように前記瞳面を通る2
    本の第2光束とを射出する多光束化手段と; 前記第1光束と2本の第2光束とのいずれか一方のみを
    前記対物光学系の瞳面に通わすように切換える切換手段
    とを備えたことを特徴とする位置合わせ装置。
  2. 【請求項2】前記切換手段は、前記位置合わせマークの
    形状に応じて前記第1光束と2本の第2光束との切換え
    を行なうことを特徴とする請求項第1項に記載の位置合
    わせ装置。
  3. 【請求項3】前記2本の第2光束は、前記対物光学系の
    瞳面で略スポット状に集光した後、前記2本の第2光束
    の各々が略平行光束となって、前記対物光学系から所定
    の角度で交差するように射出されることを特徴とする請
    求項第1項記載の位置合わせ装置。
  4. 【請求項4】前記位置合わせマークは、所定の周期構造
    で形成され、前記対物光学系の瞳面での前記第1光束の
    中心と前記2本の第2光束の各中心を結ぶ直線の方向
    が、前記位置合わせマークの周期方向と略平行となるよ
    うに、前記第1光束と2本の第2光束とを前記瞳面に入
    射させることを特徴とする請求項第1項から第3項記載
    の位置合わせ装置。
  5. 【請求項5】前記照射光学系は、前記対物光学系の前記
    感光基板側での前記第1光束の主光線の角度と前記2本
    の第2光束の各主光線の角度との各々を同時に偏向する
    偏向手段を有し、該偏向手段は前記対物光学系の瞳面又
    はその共役面もしくはそれらの近傍のいずれかの面内に
    配置されることを特徴とする請求項第1項から第4項記
    載の位置合わせ装置。
  6. 【請求項6】前記照射光学系は、前記第1光束と2本の
    第2光束とが互いに略直交して入射するように配置さ
    れ、前記第1光束と2本の第2光束との各々を2分割す
    る光分割手段を有し、該光分割手段で2分割した前記第
    1光束と2本の第2光束とを、夫々前記対物光学系を介
    して前記感光基板上に照射することを特徴とする請求項
    第1項から第5項記載の位置合わせ装置。
  7. 【請求項7】前記照射光学系は、前記光分割手段に入射
    する前記第1光束の角度を調整する第1光学部材と、前
    記光分割手段に入射する前記第2光束の角度を調整する
    第2光学部材とを有することを特徴とする請求項第6項
    に記載の位置合わせ装置。
  8. 【請求項8】前記第2光束による光情報に基づいて前記
    偏向手段による前記第1光束の主光線の角度と前記2本
    の第2光束の各主光線の角度との偏向量を決定すること
    を特徴とする請求項第6項に記載の位置合わせ装置。
  9. 【請求項9】前記光電検出器は、前記第1光束による光
    情報を受光する第1受光面と前記第2光束による光情報
    を受光する第2受光面とを有することを特徴とする請求
    項第1項から第8項に記載の位置合わせ装置。
  10. 【請求項10】前記位置合わせマークは前記第1光束が
    照射されるマークと前記第2光束が照射されるマークと
    が一体に形成され、該位置合わせマークの中心部に前記
    第1光束が照射されるマークを有することを特徴とする
    請求項第1項から第9項に記載の位置合わせ装置。
  11. 【請求項11】所定波長のコヒーレントな光ビームを感
    光基板上に照射し、前記感光基板に形成された所定形状
    の位置合わせマークから発生する光情報を少なくとも前
    記感光基板側がテレセントリックな前記対物光学系を介
    して光電検出器で受光し、該光電検出器の検出信号に応
    じて前記感光基板の位置合わせを行う位置合わせ方法に
    おいて、 前記光ビームとして前記対物光学系の瞳面の略中央を通
    る第1光束と、前記第1光束の中心に関して略点対称と
    なるように前記瞳面を通る2本の第2光束とを含み、 前記第1光束と2本の第2光束とのいずれか一方のみを
    前記対物光学系の瞳面に通過させることを特徴とする位
    置合わせ方法。
  12. 【請求項12】前記位置合わせマークの形状に応じて記
    第1光束と2本の第2光束とのいずれか一方のみを通過
    させることを特徴とする請求項第11項に記載の位置合わ
    せ方法。
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