JP3832681B2 - ステージ装置及び該装置を備えた露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程でマスクパターンをウエハ等の基板上に転写するための露光装置のステージに使用して好適なステージ装置、及びこのステージ装置を備えた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンをレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する露光装置が使用されている。露光装置としては、ステッパーのような一括露光型と共に、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型も使用されつつある。更に、電子線露光装置等も使用されるようになっている。これらの露光装置では、レチクル及びウエハの位置決め、又は連続走査を高精度に行うためのステージが備えられている。
【0003】
図9(a)は、従来の一括露光型の投影露光装置のウエハ側のステージを示す平面図、図9(b)はその正面図であり、図9(b)に示すように、不図示のレチクルを透過した露光光は、投影光学系50を介してウエハ51上のフォトレジストにそのレチクルのパターン像を形成する。ウエハ51は不図示のウエハホルダに真空吸着され、このウエハホルダが試料台52上に固定され、試料台52はウエハステージ55上に固定され、ウエハステージ55は定盤56上にエアベアリングを介して、投影光学系50の光軸AXに垂直な平面内で2次元的に移動できるように載置されている。光軸AXに沿った方向をZ軸、Z軸に垂直な平面の直交座標系をX軸、Y軸とすると、ウエハステージ55は、試料台52(ウエハ51)をZ方向に微動すると共に、X方向及びY方向に位置決めする。
【0004】
また、図9(a)に示すように、試料台52(ウエハ51)の2次元的な位置を計測するため、試料台52の端部にそれぞれ反射面がX軸及びY軸に垂直になるように2個の細長い平板状の移動鏡53X及び53Yが固定され、移動鏡53XにはX軸の干渉計本体54XよりY方向に間隔D1で2軸の計測用のレーザビーム57X,58Xが照射されている。そして、反射されたレーザビームと対応する不図示の参照用ビームとの干渉光を干渉計本体54X内で光電検出することによって、レーザビーム57X,58Xの照射点での試料台52の変位が計測される。この場合、それら2つの変位の平均値より試料台52のX座標が算出され、それら2つの変位の差分を間隔D1で除算することによって、試料台52のZ軸に平行な軸の周りでの回転角(ヨーイング量)が算出される。同様に、移動鏡53YにはY軸の干渉計本体54YよりX方向に間隔D1で2本の計測用のレーザビーム57Y,58Yが照射され、これらのレーザビーム57Y,58Yの照射点での変位の平均値より試料台52のY座標が算出され、それらの変位の差分を間隔D1で除算することによってヨーイング量が算出される。また、レーザビーム57X,58Xの中心線、及びレーザビーム57Y,58Yの中心線はそれぞれ光軸AXを通過している。
【0005】
更に、図9(b)に示すように、干渉計本体54Xから移動鏡53Xに対して、レーザビーム57XとのZ方向の間隔がD2で計測用のレーザビーム59Xが照射され、レーザビーム59Xの照射点での変位も検出されている。そして、レーザビーム57X及び59Xを介して計測される各変位の差分を間隔D2で除算することによって、試料台52のY軸に平行な軸の周りでの回転角(Y方向へのローリング量)が算出される。同様に、Y軸の干渉計本体54YからもZ方向に間隔D2で2本の計測用のレーザビームが照射され、これらによって計測される変位の差分を間隔D2で除算することによって、試料台52のX軸に平行な軸の周りでの回転角(Y方向へのピッチング量)が算出される。即ち、図9に示す従来の干渉計システムは、X軸に関して少なくとも3軸のシングルパスの干渉計、及びY軸に関しても少なくとも3軸のシングルパスの干渉計より構成されていることになる。
【0006】
また、従来より図9に示すような干渉計システムを使用して、移動鏡53X,53Yの曲がり量を計測することも行われている。例えばY軸の移動鏡53Yの曲がり計測を行う場合には、ウエハステージ55を駆動することによって、試料台52を例えば連続的にX方向に移動させ、ほぼ継続して干渉計本体54Yでレーザビーム57Y,58Yを介して計測される変位の差分ΔYLを位置Xの関数として求めると共に、干渉計本体54Xでレーザビーム57X,58Xを介して計測される変位より試料台52のヨーイング量θZ(θZはZ軸の周りでの回転量)を位置Xの関数として求める。この場合、図10(a)のように、移動鏡53Yの曲がりを誇張して表すと、レーザビーム57Y,58Yを介して検出される変位の差分ΔYLを間隔D1で除算して得られる傾斜角から、そのヨーイング量θZを差し引いた結果が、その位置での移動鏡53Yの曲がり角Δθとなる。そこで、各点での曲がり角Δθに、この曲がり角Δθの算出毎のX方向への変位量ΔXLを乗じて得られる値を積算することによって、図10(b)に示すように、移動鏡53Yの反射面の位置ΔYMがX方向の位置に応じて決定され、この位置ΔYMの変化が移動鏡53Yの曲がり量を表す。
【0007】
また、図9において、試料台52をX方向に所定の比較的大きな間隔で移動させながら、各静止点でそれぞれ移動鏡53Yの曲がり角Δθを算出し、これらの曲がり角Δθをスプライン関数等を用いて補間することによって、移動鏡53Yの全範囲での曲がり量を求める方法も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く従来の投影露光装置においては、ウエハ側のステージの試料台52(ウエハ51)のX方向、Y方向の位置のみならず、その試料台52のヨーイング量を計測するために、X軸の干渉計本体54Xから対応する移動鏡53Xに対してY方向に間隔D1で2軸のシングルパスのレーザビーム57X,58Xが照射されている。同様に、例えばX軸の移動鏡53Xの曲がり量の計測時に、Y軸の干渉計本体54Yでもヨーイング量を計測できるように、この干渉計本体54Yから対応する移動鏡53Yに対しても、X方向に間隔D1で2軸のシングルパスのレーザビーム57Y,58Yが照射されている。そのため、それらのレーザビームが移動鏡53X,53Yから外れないようにするためには、移動鏡53X,53Y、及び試料台52を本来必要な移動ストロークよりもその間隔D1を超える長さだけ長くしておく必要があった。
【0009】
図11は、図9(a)の試料台52を−Y方向に移動する場合を示し、この図11において、X軸の移動鏡53XのY方向の長さをY1として、移動鏡53Xの−Y方向の端部にレーザビーム57Xが照射されている状態から、試料台52を位置52Aで示すように、移動鏡53Xの+Y方向の端部にレーザビーム58Xが照射される状態まで−Y方向に移動する際の移動量をY2とする。この移動量Y2はY方向の移動ストロークであり、長さY1と移動ストロークY2とはほぼ次の関係にある。
【0010】
Y1=Y2+D1 (1)
同様に、移動鏡53Yの長さも2軸のレーザビームの間隔D1分だけ長くする必要がある。このように移動鏡53X,53Yが長くなると、試料台52を大きくする必要があり、結果として図9(b)のウエハステージ55上の可動部の重量が大きくなって、ステッピング速度等の制御特性を高められないという不都合があった。更に、試料台52が大型であると、それを駆動するウエハステージ55、ひいては投影露光装置の設置面積(フットプリント)が大きくなるという不都合があった。これに関して、レーザビーム57X,58XのY方向の間隔D1を短くすれば、(1)式より移動鏡53Xの長さY1を短くできるが、間隔D1を短くすると、ヨーイング量の計測精度が低下してしまう。
【0011】
また、従来の投影露光装置では、図9(b)に示すように、試料台52のピッチング量、又はローリング量を計測するために、移動鏡53Xに対してZ方向に間隔D2で2軸のシングルパスのレーザビームを照射していた。しかしながら、この間隔D2は移動鏡53Xの厚さよりも広くできないと共に、移動鏡53Xはそれ程厚くできないために、ピッチング量、又はローリング量の計測精度をあまり高められないという不都合があった。そのため、従来は試料台52の傾きの計測装置をウエハステージ55の内部に設けた例もある。
【0012】
更に、従来の投影露光装置で、図10(a)に示すように、間隔D1の2軸のレーザビーム57Y,58Yを介して得られる計測値の差分より移動鏡53Yの曲がり量を計測する場合、その移動鏡53Yの曲がりのピッチ(周期)が例えばその間隔D1に一致すると、その曲がり量が正確に評価できなくなるという不都合があった。即ち、図10(c)に示すように、移動鏡53Yの曲がりのピッチが間隔D1に一致する場合には、レーザビーム57Y,58Yによって計測される変位は等しくなる。また、図10(d)に示すように、図10(c)の状態から移動鏡53Yが半ピッチ移動したとしても、レーザビーム57Y,58Yによって計測される変位は等しくなるため、最終的に位置Xに応じて計測される移動鏡53Yの反射面の位置ΔYMは、図10(e)に示すように一定となり、移動鏡53Yの曲がり量は正確に計測されなくなる。更に、移動鏡53Yの曲がりのピッチがレーザビームの間隔D1より小さくなると、移動鏡53Yの曲がりの位相ずれが発生するので、実際の曲がり量とは異なる曲がり量が計測されてしまう。
【0013】
本発明は斯かる点に鑑み、位置決め対象物と共に移動する可動部の所定方向への変位を計測するための光ビームの他に、特に回転角を計測するための光ビームを用いることなく、その可動部の回転角を計測できるステージ装置を提供することを第1の目的とする。
更に本発明は、位置決め対象物と共に移動する可動部に光ビームを照射してその可動部の変位を計測できると共に、その可動部における光ビームの反射部の曲がり量に或る程度小さいピッチの周期性がある場合でも、その曲がり量を正確に検出できるステージ装置を提供することを第2の目的とする。
【0014】
更に本発明は、マスク又は基板と共に移動する可動部の所定方向への変位を計測するための光ビームの他に、特に回転角を計測するための光ビームを用いることなく、その可動部のヨーイング量等の回転角を計測できる露光装置を提供することを第3の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるステージ装置は、位置決め対象物(W)を載置してこの位置決め対象物と共に移動する可動ステージ(8)と、この可動ステージに計測用の光ビーム(LX1)を照射すると共にこの可動ステージから戻される光ビームを受光してこの可動ステージの所定方向への変位を検出する干渉計(12X,17X,18X,21X,22X,14X)と、を備えたステージ装置であって、その干渉計から射出される光ビーム(LX2)の横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する参照回転角検出系(16X)と、可動ステージ(8)から戻される光ビーム(LX1)の横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する光ビーム検出系(15X)と、その参照回転角検出系の検出結果とその光ビーム検出系の検出結果とに基づいて可動ステージ(8)の回転角を算出する演算系(43)と、を有するものである。
【0016】
斯かる本発明によれば、1軸の干渉計の変位検出用の光ビーム(LX1)を可動ステージ(8)に照射した場合に、可動ステージ(8)が回転(傾斜)していると、反射される光ビームの角度がその回転角に応じて変化することを利用して、その可動ステージの回転角を検出する。この際に、その1軸の干渉計がシングルパス方式の干渉計である場合には、反射される光ビームの振れ角(傾斜角)が可動ステージ(8)の回転角に対応するため、その振れ角よりその回転角を求めることができる。
【0017】
一方、その1軸の干渉計が計測分解能を高めるためにダブルパス方式の干渉計である場合には、その光ビーム(LX1)は所定の光学系と可動ステージ(8)との間を往復するため、可動ステージ(8)が回転している場合に戻される光ビームはその回転角に応じて横シフトするようになる。従って、その横シフト量から可動ステージ(8)の回転角を求めることができる。何れの場合でも、変位計測用の光ビームを回転角計測用の光ビームとして兼用できるため、可動ステージ(8)を小型化し、軽量化できる。
また、参照回転角検出系によって可動ステージの回転と無関係な光ビーム自体の横シフト量又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出し、演算系により光ビーム検出系の検出結果を補正しているので、可動ステージの回転角を高精度に検出することができる。
【0018】
また、可動ステージ(8)をその所定方向に直交する方向に移動しながら、その光ビーム検出系を介して可動ステージ(8)の回転角を検出することによって、可動ステージ(8)内の反射部の曲がり量が検出できる。この際に、可動ステージ(8)に照射される光ビームは、シングルパス方式であれば1本の光ビームであり、ダブルパス方式であれば所定の狭い間隔で往復する光ビームであるため、その反射部の曲がり量に或る程度小さい(即ち、ダブルパス方式であれば、往復する光ビームの間隔よりは大きい)ピッチの周期性がある場合でも、その曲がり量を正確に検出できる。
【0019】
この場合、光ビーム検出系(15X)は、一例として可動ステージ(8)から戻される光ビームの所定の第1の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の光ビーム検出系(30A)と、可動ステージ(8)から戻される光ビームのその第1の方向に直交する第2の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の光ビーム検出系(30B)と、からなり、その演算系(43)は、それら第1及び第2の光ビーム検出系の検出結果より可動ステージ(8)の2軸の周りの回転角を算出するものである。これは、1軸の光ビームの2方向への横シフト量、又は振れ角に基づいて、可動ステージ(8)の2軸の周りの回転角を検出できることを意味する。
【0020】
また、その光ビーム検出系(15X)は、一例として可動ステージ(8)から戻される光ビームの横シフト量を検出するものであり、この場合、その演算系(43)は、その光ビーム検出系で検出される横シフト量、及びその干渉計で計測されるその可動ステージの変位よりその可動ステージの回転角を算出するようにしてもよい。例えばその干渉計がダブルパス方式であれば、可動ステージ(8)の回転角をθ(rad)、その干渉計内でダブルパスの光路を形成する光学部材(18X)から可動ステージ(8)までの間隔をL1、所定のオフセットの間隔をL2として、その光ビーム検出系で検出される横シフト量をΔYとすると、この横シフト量ΔYはほぼ次式で表される。
【0021】
ΔY=4(L1+L2)θ (2)
この場合、可動ステージ(8)が或る基準位置にあるときのその光学部材(18X)と可動ステージ(8)との間隔L0 を予め求めておき、その干渉計で計測される可動ステージ(8)の変位をΔLとすると、L1=L0 +ΔLの関係があるため、(2)式より回転角θが正確に求められる。
【0022】
また、その光ビーム検出系で検出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量に基づいて、その干渉計における参照用光ビーム(LX2)と計測用光ビーム(LX1)との重なり量が増加するようにその光ビームの光路を補正する光路補正系(20X,23X)を設けることが望ましい。これは、検出される光ビームの横シフト量、又は振れ角を相殺するようにその光ビームの光路を補正することを意味する。
【0023】
また、本発明による露光装置は、マスク(R)又は基板(W)よりなる位置決め対象物を載置してこの位置決め対象物と共に2次元的に移動する可動ステージ(8)と、可動ステージ(8)に所定の第1の方向(X方向)に沿って計測用の光ビーム(LX1)を照射すると共にこの可動ステージから戻される光ビームを受光してこの可動ステージのその第1の方向への変位を検出する第1の干渉計(12X,17X,18X,21X,22X,14X)と、可動ステージ(8)にその第1の方向に直交する第2の方向(Y方向)に沿って計測用の光ビーム(LY1)を照射すると共にその可動ステージから戻される光ビームを受光してその可動ステージのその第2の方向への変位を検出する第2の干渉計(12Y,17Y,18Y,21Y,22Y,14Y)と、を備え、可動ステージ(8)によってそのマスク又はその基板を2次元的に位置決めして、その基板上にそのマスクのパターンを転写する露光装置である。
【0024】
そして、この露光装置は、その第1の干渉計から射出される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の参照回転角検出系(16X)と、可動ステージ(8)からその第1の干渉計に戻される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の光ビーム検出系(15X)と、その第2の干渉計から射出される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の参照回転角検出系と、可動ステージ(8)からその第2の干渉計に戻される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の光ビーム検出系(15Y)と、それら第1及び第2の光ビーム検出系の検出結果に基づいて可動ステージ(8)の3軸の周りの回転角を算出する演算系(43)と、を有するものである。
【0025】
本発明の露光装置によれば、変位(座標)計測用の干渉計から可動ステージ(8)に照射される光ビームが、可動ステージ(8)の回転角計測用にも使用される。また、1軸の光ビームを使用すると、可動ステージ(8)の2軸の周りの回転角が計測できるため、2方向の変位を計測するための2軸の光ビームを使用する場合には、各光ビームでそれぞれ2軸の周りの回転角が計測でき、且つそれらの内の1軸の回転角が共通であるため、結果として可動ステージ(8)のヨーイング、ピッチング、及びローリングよりなる3軸の周りの回転角が計測できる。しかも、変位計測用の光ビーム以外の光ビームは使用されないため、可動ステージ(8)が小型軽量化されて、可動ステージ(8)の移動速度や応答速度等の制御性が向上すると共に、露光装置の設置面積(フットプリント)を小さくできる。
本発明の別の観点によるステージ装置は、位置決め対象物(W)を載置して移動する可動ステージ(8)と、該可動ステージに計測用光ビーム(LX1)を照射すると共に、該可動ステージで反射した計測用光ビームを受光して該可動ステージの所定方向の変位を検出する干渉計(12X,17X,18X,21X,22X,14X)と、を備えたステージ装置であって、その干渉計から射出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する参照回転角検出系(16X)と、その可動ステージで反射した計測用光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する光ビーム検出系(15X)と、その参照回転角検出系の検出結果と光ビーム検出系の検出結果とに基づいてその可動ステージを制御する制御系(43)とを有するものである。これによれば、光ビーム検出系の検出結果によって可動ステージの姿勢変化を計測することができ、制御系は該検出結果に基づいて可動ステージを制御することができる。
この場合において、光ビーム検出系(15X)は、その所定方向と直交する方向を回転軸とする可動ステージ(8)の回転に対応した計測用光ビーム(LX1)の横シフト量を検出するものとするのが望ましい。これによれば、干渉計が計測する変位方向と直交する方向を回転軸とする可動ステージの回転量を検出することができる。また、制御系(43)は、光ビーム検出系(15X)の検出結果に基づいて、その所定方向と直交する方向を回転軸とする可動ステージ(8)の回転量を算出し、該回転量に基づいて前記ステージを制御するものとすることができる。これによれば可動ステージの回転量に応じて可動ステージを高精度に制御することができる。また、制御系(43)は、光ビーム検出系(15X)の検出結果に基づいて可動ステージ(8)の位置を補正して位置決めするものとすることができる。これによれば、光ビーム検出系によって検出された可動ステージの姿勢変化に応じて高精度に可動ステージの位置決めを行なうことができる。
また、本発明による別の露光装置は、マスク(R)を載置して移動可能なマスクステージ(2)と、基板(W)を載置して移動可能な基板ステージ(8,9,10)とを有し、そのマスクステージとその基板ステージとによりマスクと基板との位置決めを行なってマスクに形成されたパターンを基板に露光する露光装置において、マスクステージと基板ステージとの少なくとも一方として本発明によるステージ装置が用いられているものである。これによれば、マスクと基板との高精度な位置合わせを行なうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例につき図1〜図6を参照して説明する。本発明によるステージ装置は、電子線露光装置、ステッパーのような一括露光型の投影露光装置、又はステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置等の何れにも使用できるが、以下ではステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に適用した例につき説明する。
【0027】
図1は本例のステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置を示し、この図1において露光時には、光源、フライアイレンズ、視野絞り、コンデンサレンズ等を含む照明光学系1からの水銀ランプのi線、又はエキシマレーザ光等の露光光ILが、レチクルRのパターン面(下面)のスリット状の照明領域を照明する。露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンの像が投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウエハW上のスリット状の露光領域内に投影露光される。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、その光軸AXに垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0028】
先ず、レチクルRはレチクルステージ2上に真空吸着によって保持され、レチクルステージ2はレチクルベース3上でエアベアリングを介して浮上した状態で、リニアモータによってY方向(走査方向)に連続移動すると共に、X方向、Y方向、及び回転方向にレチクルRの位置の微調整を行う。レチクルステージ2の側面に配置された移動鏡(実際には直交する2枚の移動鏡よりなる)4に外部のレーザ干渉計5から計測用のレーザビームが照射され、レーザ干渉計5より照射される参照用のレーザビームと移動鏡4から反射されるレーザビームとの干渉光を、レーザ干渉計5内の光電検出器で受光することによって、レチクルステージ2(レチクルR)の2次元的な位置が計測されている。この計測結果がレチクルステージ制御系6に供給され、レチクルステージ制御系6は、装置全体の動作を統轄制御する主制御系7の制御のもとで、レチクルステージ2の位置や移動速度を制御する。
【0029】
一方、ウエハWは、ウエハホルダを兼用する試料台8上に真空吸着によって保持され、試料台8はZチルトステージ9上に固定され、Zチルトステージ9はXYθステージ10上に載置され、XYθステージ10は、定盤11上にエアベアリングを介して浮上した状態で、リニアモータによってX方向、Y方向(走査方向)、及び回転方向に試料台8(ウエハW)の移動及び位置決めを行う。Zチルトステージ9、XYθステージ10、及び定盤11よりウエハステージが構成されている。Zチルトステージ9はウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)の制御及び傾斜角の制御(レベリング)を行う。そのため、投影光学系PLの側面に光学式で斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ44が配置され、オートフォーカスセンサ44によって、ウエハWの表面の露光領域内及びこれに対して走査方向に先行する先読み領域内の複数の検出点でのフォーカス位置が検出され、検出結果が合焦制御系45に供給されている。合焦制御系45は、主制御系7の制御のもとで、供給されたフォーカス位置の情報からウエハWの露光領域内の表面を投影光学系PLの像面に合焦させるための、Zチルトステージ9のフォーカス位置及び傾斜角の制御量をウエハWの位置に対応して算出し、この制御量に基づいてオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式でZチルトステージ9の動作を制御する。この合焦のための機構、及び動作の一例は特開平6−283403号公報に詳細に開示されている。
【0030】
また、本例のウエハホルダを兼用する試料台8は、低膨張率の石英、又はガラスセラミックス等から形成され、試料台8の−X方向及び+Y方向の側面は鏡面加工されて、それぞれX軸用のミラー面8x及びY軸用のミラー面8yとなっている(図2参照)。ミラー面8x及び8yはそれぞれX軸及びY軸にほぼ垂直な反射面であり、互いに直交している。ミラー面8x及び8yはそれぞれ干渉計用の移動鏡として作用し、本例の試料台8は、2軸の移動鏡を兼用しているとみなすことができる。更に、投影光学系PLの−X方向の側面下部にミラー面8xと実質的に平行な反射面を有するX軸の参照鏡14Xが固定され、その+Y方向の側面下部にミラー面8yと実質的に平行な反射面を有するY軸の参照鏡14Y(図2参照)が固定されている。
【0031】
そして、図1において、X軸の干渉計本体12Xから射出されたレーザビームが分岐合成光学系13XによってそれぞれX軸に平行な計測用のレーザビーム(以下、「計測用ビーム」と呼ぶ)LX1、及び参照用のレーザビーム(以下、「参照ビーム」と呼ぶ)LX2に分岐され、計測用ビームLX1は試料台8のX軸のミラー面8xに入射し、参照用ビームLX2はX軸の参照鏡14Xに入射する。また、計測用ビームLX1は分岐合成光学系13Xとミラー面8xとの間を2往復して干渉計本体12Xに戻り、参照用ビームLX2も分岐合成光学系13Xと参照鏡14Xとの間を2往復して干渉計本体12Xに戻る(詳細後述)。即ち、干渉計本体12X、分岐合成光学系13X、及び参照鏡14XよりX軸のダブルパス方式のレーザ干渉計が構成され、干渉計本体12Xでは、戻って来る計測用ビームLX1及び参照用ビームLX2の干渉光を光電変換して得た検出信号を補間及び積算処理することによって、参照鏡14Xを基準としてミラー面8xのX方向への変位を求め、得られた変位をウエハステージ制御系43に供給する。ウエハステージ制御系43では、その変位に所定のオフセットを加算して試料台8のX座標を求める。
【0032】
この場合、計測用ビームLX1及び参照用ビームLX2としては、一例として波長633nmのHe−Neレーザビームをそれぞれ所定の周波数Δf及び−Δfで周波数変調した光束が使用され、且つ両ビームは一例としてそれぞれ直線偏光で偏光方向が直交している。この方式にて両光束の分割、合成を行うことで、ヘテロダイン干渉方式で変位計測がなされる。また、本例はダブルパス方式であるため、計測用ビームLX1の波長をλとすると、電気的な補間を行わないときには試料台8の変位を分解能λ/4で検出できる。これはシングルパス方式での分解能(λ/2)の1/2の分解能である。更に、本例では電気的な補間処理を加えて最終的な分解能を例えばλ/40(≒10nm)〜λ/400(≒1nm)程度にしている。
【0033】
また、本例では、X軸のダブルパス方式のレーザ干渉計と共に、Y軸のダブルパス方式のレーザ干渉計も設けられている。
図2は、図1の投影露光装置のウエハ側のステージのレーザ干渉計システムを示す。但し、図2では分かり易くするため、一部の光学部材を省略し、且つ例えばプリズム型のビームスプリッタを平板状のビームスプリッタで表している。この図2において、Y軸の干渉計本体12Yから射出されたレーザビームが、分岐合成光学系13YによってそれぞれY軸に平行な計測用ビームLY1、及び参照ビームLY2に分岐され、計測用ビームLY1は試料台8のY軸のミラー面8yに入射し、参照用ビームLY2はY軸の参照鏡14Yに入射する。また、計測用ビームLY1は分岐合成光学系13Yとミラー面8yとの間を2往復して干渉計本体12Yに戻り、参照用ビームLY2も分岐合成光学系13Yと参照鏡14Yとの間を2往復して干渉計本体12Yに戻る。干渉計本体12Yでは、戻って来る計測用ビームLY1及び参照用ビームLY2の干渉光を光電変換して得た検出信号を補間及び積算処理することによって、参照鏡14Yを基準としてミラー面8yのY方向への変位を求め、得られた変位を図1のウエハステージ制御系43に供給する。ウエハステージ制御系43では、その変位に所定のオフセットを加算して試料台8のY座標を求める。
【0034】
また、図2に示すように、X軸の計測用ビームLX1の光軸(2往復する際の中心線)はX軸に平行で投影光学系PLの光軸AXを通る直線上にあり、Y軸の計測用ビームLY1の光軸もY軸に平行で光軸AXを通る直線上にある。従って、本例では投影光学系PLの光軸AXの位置、即ち実質的にスリット状の露光領域の中心(露光中心)の位置がアッベ誤差の無い状態で高精度に計測できる。
【0035】
図1に戻り、ウエハステージ制御系43は、主制御系7の制御のもとで、干渉計本体12X,12Yを介して計測される試料台8のX座標、Y座標に基づいてXYθステージ10の移動速度や位置決め動作を制御する。露光時には、先ずXYθステージ10をステッピング駆動することによって、ウエハW上の次に露光されるショット領域を走査開始位置に設定する。その後、レチクルステージ2を介してレチクルRを+Y方向(又は−Y方向)に速度VR で走査するのと同期して、XYθステージ10を介してウエハWを−Y方向(又は+Y方向)に速度VW(=β・VR )(ここでβとは投影光学系PLの投影倍率)で走査することによって、当該ショット領域にレチクルRのパターン像が走査露光される。
【0036】
また、不図示であるが、本例の投影露光装置にはレチクルRの位置、及びウエハWの位置を計測するためのアライメントセンサが備えられ、このアライメントセンサの計測結果に基づいて、レチクルRとウエハW上の各ショット領域との位置合わせが行われる。
さて、上述のように本例では、X方向及びY方向についてそれぞれ1軸のダブルパス方式のレーザ干渉計を用いて、試料台8(ウエハW)のX座標及びY座標が計測され、この計測結果に基づいて試料台8の位置決め、及び走査露光が行われている。しかしながら、例えばその走査露光時に、試料台8でZ軸に平行な軸の周りの回転(ヨーイング)があると、レチクルRとウエハWとの間で重ね合わせ誤差が生じることになる。また、本例では計測用ビームLX1,LY1の高さと、ウエハWの表面との間にZ方向の間隔があるため、試料台8にX軸に平行な軸の周りの回転(走査方向へのピッチング)、又はY軸に平行な軸の周りの回転(走査方向へのローリング)があると、アッベ誤差によってウエハWの実際の位置と、干渉計本体12X,12Yを介して計測される座標との間に位置ずれが生ずる。そこで、本例では常時、試料台8のヨーイング量、ピッチング量、及びローリング量を計測するようにしている。
【0037】
以下では、試料台8のX軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の周りの回転角を計測するための機構につき詳細に説明する。本例では、変位計測用のダブルパス方式のレーザ干渉計の計測用ビームLX1,LY1を用いて回転角の計測も行うため、そのレーザ干渉計の構成を含めて図2〜図6を参照して詳細に説明する。
図2において、X軸の干渉計本体12Xから射出されたレーザビームは、分岐合成光学系13Xにおいて偏光ビームスプリッタ17Xに入射し、偏光ビームスプリッタ17Xで反射されるS偏光の参照用ビームLX2と、その偏光ビームスプリッタ17Xを透過してX軸に平行に進むP偏光の計測用ビームLX1とに分岐される。後者の計測用ビームLX1はダブルパスユニット18Xに入射する。
【0038】
図3(a)は図2の分岐合成光学系13Xを+Y方向に見た正面図、図3(b)は図3(a)のダブルパスユニット18Xの平面図であり、図3(b)に示すように、ダブルパスユニット18Xは、偏光ビームスプリッタ26、この射出面に被着された1/4波長板27、及び偏光ビームスプリッタ26の側面に被着されたコーナキューブ28より構成されている。ダブルパスユニット18Xに入射した計測用ビームLX1は、一度偏光ビームスプリッタ26及び1/4波長板27を透過して、円偏光状態で試料台8のミラー面8xで反射される。反射された計測用ビームLX1は、1/4波長板27を経てS偏光となり偏光ビームスプリッタ26で反射された後、コーナキューブ28で反射されて再び偏光ビームスプリッタ26で反射され、1/4波長板27を経て円偏光状態で再びミラー面8xで反射される。反射された計測用ビームLX1は、1/4波長板27を介してP偏光となって偏光ビームスプリッタ26を透過して反射率の小さいビームスプリッタ19Xに入射する。
【0039】
図3(a)に示すように、ビームスプリッタ19Xで反射された計測用ビームLX1はステージ回転角検出系15Xに入射し、ビームスプリッタ19Xを透過した計測用ビームLX1は、傾斜角可変の平行平板ガラス20Xを経た後、偏光ビームスプリッタ17Xを透過して干渉計本体12Xに戻る。平行平板ガラス20Xは、駆動装置23Xによって直交する2軸の周りに所望の角度だけ傾斜できるように構成され、駆動装置23Xの動作は図1のウエハステージ制御系43によって制御されている。平行平板ガラス20Xの傾斜角は、計測用ビームLX1と参照用ビームLX2との重なり量が最大になるように制御される。
【0040】
図2に戻り、偏光ビームスプリッタ17Xで反射された参照用ビームLX2は、ミラー(実際には反射プリズム)21XでX軸に平行な方向に反射された後、不図示の偏光方向を90°回転するための1/2波長板を介してP偏光となってダブルパスユニット22Xに入射する。このダブルパスユニット22Xは、図3(b)のダブルパスユニット18Xと同じ構成であり、参照用ビームLX2はダブルパスユニット22Xと参照鏡14Xとの間を2往復した後、ダブルパスユニット22Xを通過する。分かり易くするため、図2では省略されているが、実際には図3(a)に示すように、ダブルパスユニット22Xの−X方向側の射出面には反射率の小さいビームスプリッタ24Xが配置され、ビームスプリッタ24Xで反射された参照用ビームLX2は参照回転角検出系16Xに入射し、ビームスプリッタ24Xを透過した参照用ビームLX2は、不図示の1/2波長板を経てS偏光となってミラー21Xで反射された後、偏光ビームスプリッタ17Xで反射されて干渉計本体12Xに戻る。
【0041】
この場合、図2において、試料台8が例えばZ軸に平行な軸(例えば光軸AX)の周りに角度(ヨーイング量)θZだけ回転すると、ミラー面8xで最初に反射される計測用ビームLX1は、Y方向に傾斜して反射される。ところが、この傾斜角(振れ角)はダブルパスユニット18Xとの間を2往復することによって横シフト量に変換される。
【0042】
図4は、ダブルパスユニット18Xにおいて、ミラー面8xの回転角が計測用ビームLX1の横シフトを生ずることの説明図であり、この図4において、計測用ビームLX1の光軸とダブルパスユニット18X内の偏光ビームスプリッタ26の反射面との交点から、ミラー面8xまでの距離をL1、コーナキューブ28の頂点までの距離をL2とする。距離L1は試料台8のX座標の関数であるため、以下では距離L1をL1(X)とする。また、ミラー面8xが回転していない状態では、計測用ビームLX1は実線の光路に沿ってダブルパスユニット18Xとミラー面8xとの間を2往復するものとして、ミラー面8xがZ軸に平行な軸の周りに角度θ(rad)だけ回転すると、1回目に反射される計測用ビームLX1の方向は、点線の光路Q3で示すように角度θだけ傾斜する。ところが、コーナキューブ28では、入射光束と射出光束とが平行であるため、このように傾斜した計測用ビームLX1は、ダブルパスユニット18Xからミラー面8xに反射される際に同じ角度だけ傾斜している。従って、ミラー面8xから2回目に反射される計測用ビームLX1の方向は、点線の光路P3で示すように入射時と平行であり、且つミラー面8xが回転していない場合と比べてY方向にΔYだけ横シフトしている。計測用ビームLX1は、ダブルパスユニット18Xとミラー面8xとの間を2往復するため、横シフト量ΔYは近似的に次のようになる。
【0043】
ΔY=4(L1(X)+L2)θ (3)
同様に、ミラー面8xがY軸に平行な軸の周りに角度(Y方向へのローリング量)θだけ回転している際にも、ダブルパスユニット18Xとミラー面8xとの間を2往復して戻される計測用ビームLX1は、Z方向に(3)式と同じ量だけ横シフトする。
【0044】
図2に戻り、ミラー面8xにヨーイング量θZが発生して、ミラー面8xで反射される計測用ビームLX1が光路Q3で示すようにY方向に傾斜すると、上述のように、ダブルパスユニット18Xを通過した後、ビームスプリッタ19Xで反射されてステージ回転角検出系15Xに入射する計測用ビームLX1の位置は、光路P3で示すようにY方向に横シフトする。同様に、ミラー面8xにローリング量θYが発生して、ミラー面8xで反射される計測用ビームLX1が光路Q2で示すようにZ方向に傾斜すると、ダブルパスユニット18Xを通過してビームスプリッタ19Xで反射されてステージ回転角検出系15Xに入射する計測用ビームLX1の位置は、光路P2で示すようにX方向に横シフトする。
【0045】
但し、レーザ光源の揺らぎ等に起因して、干渉計本体12Xから射出されるレーザビーム自体の横シフト及び傾きが発生しても、ステージ回転角検出系15Xに入射する計測用ビームLX1の位置が横シフトする。そこで、レーザビーム自体の横シフト及び傾きに起因する横シフトの補正を行うために、ステージ回転角検出系15Xでは、入射する計測用ビームLX1の初期位置に対するX方向への横シフト量ΔX1、及びY方向への横シフト量ΔY1の他に、その計測用ビームLX1の初期の傾斜角(振れ角)に対するX方向への傾斜角ΔφX1(rad、以下同様)、及びY方向への傾斜角ΔφY1を計測し、計測結果を図1のウエハステージ制御系43に供給する。ステージ回転角検出系15Xの構成については後述する。
【0046】
更に、図2において、ステージ回転角検出系15Xによって計測される計測用ビームLX1の見かけ上の横シフト量ΔX1,ΔY1から、レーザビーム自体の角度変化や横ずれに起因する横シフト量を分離するために、図3(a)に示すように、参照回転角検出系16Xにおいて参照用ビームLX2の2次元的な横シフト量ΔX2,ΔY2、及び2次元的な傾斜角ΔφX2,ΔφY2を計測し、計測結果を図1のウエハステージ制御系43に供給する。ウエハステージ制御系43では、一例として次のように、レーザビームの傾斜の影響を除去した後の参照用ビームLX2の正確な横シフト量ΔXR ,ΔYR を求める。即ち、干渉計本体12X内のレーザビームの射出点から参照回転角検出系16X内での横シフト量の検出面までの距離をL0 とすると、ほぼ次のようになる。
【0047】
ΔXR =ΔX2−L0・ΔφX2 (4A)
ΔYR =ΔY2−L0・ΔφY2 (4B)
次に、ウエハステージ制御系43は、計測用ビームLX1の見かけ上の横シフト量ΔX1,ΔY1から、参照用ビームLX2の正確な横シフト量ΔXR ,ΔYR 、及び計測用ビームLX1の傾きに起因する横シフト量を差し引いて、ミラー面8xの回転角のみに起因する横シフト量ΔXM ,ΔYM を求める。この際に、干渉計本体12X内のレーザビームの射出点からステージ回転角検出系15X内での横シフト量の検出面までの距離を、試料台8のX座標の関数L(X)で表すと、計測用ビームLX1の傾斜角ΔφX1,ΔφY1に起因するX方向、Y方向への横シフト量はそれぞれほぼL(X)・ΔφX1、及びL(X)・ΔφY1となる。従って、ウエハステージ制御系43は、計測用ビームLX1のミラー面8xの回転角のみに起因する横シフト量ΔXM ,ΔYM をそれぞれ次式より算出する。
【0048】
ΔXM =ΔX1−ΔXR −L(X)・ΔφX1 (5A)
ΔYM =ΔY1−ΔYR −L(X)・ΔφY1 (5B)
なお、ステージ回転角検出系15Xで検出される計測用ビームLX1の傾斜角ΔφX1,ΔφY1は、それぞれ原理上は参照回転角検出系16Xで検出される参照用ビームLX2の傾斜角ΔφX2,ΔφY2と等しいため、(5A)式、(5B)式における傾斜角ΔφX1,ΔφY1を傾斜角ΔφX2,ΔφY2で置き換えてもよい。この場合には、ステージ回転角検出系15Xには、計測用ビームLX1の振れ角を検出する機能を持たせる必要がない。また、両方に参照回転角検出系を設け、その検出結果の差を求めることでミラー面8xと8yとの直交度変化を調べることができる。
【0049】
また、図4に示すように、計測用ビームLX1の光軸からコーナキューブ28の頂点までの距離L2は予め求めて記憶され、その光軸と偏光ビームスプリッタ26の反射面との交点からミラー面8xまでの距離L1は、干渉計本体12Xで計測される試料台8のX座標、及び所定のオフセットの和として求めることができる。これらより、ウエハステージ制御系43は、(3)式の横シフト量ΔYに(5A)式の横シフト量ΔXM を代入することによって、ローリング量θYを算出すると共に、(3)式の横シフト量ΔYに(5B)式の横シフト量ΔYM を代入することによって、ヨーイング量θZを算出する。
【0050】
また、図2に示すように、Y軸の分岐合成光学系13Yにおいても、X軸の分岐合成光学系13Xと対称に、干渉計本体12Yから射出されたレーザビームが偏光ビームスプリッタ17YでY軸に平行に進む計測用ビームLY1と、参照用ビームLY2とに分岐され、計測用ビームLY1は、ダブルパスユニット18Yと試料台8のY軸のミラー面8yとの間を2往復した後、ビームスプリッタ19Y、傾斜角可変の平行平板ガラス20Y及び偏光ビームスプリッタ17Yを経て干渉計本体12Yに戻る。また、ビームスプリッタ19Yで反射された計測用ビームLY1がY軸のステージ回転角検出系15Yに入射し、ここで横シフト量、及び傾斜角(振れ角)が検出される。一方、参照用ビームLY2は、ミラー21Yで反射されて、ダブルパスユニット22YとY軸の参照鏡14Yとの間を2往復した後、ミラー21Y及び偏光ビームスプリッタ17Yを経て干渉計本体12Yに戻る。この場合にも、不図示であるが、ダブルパスユニット22Yとミラー21Yとの間にビームスプリッタが配置され、このビームスプリッタで反射された参照用ビームLY2が図3(a)の参照回転角検出系16Xと同じ構成のY軸の参照回転角検出系に入射し、ここでも横シフト量及び傾斜角が検出される。
【0051】
このとき、図2において、試料台8がY方向へのピッチングを起こして、X軸に平行な軸の周りに角度(ピッチング量)θXだけ回転すると、ミラー面8yで1回目に反射される計測用ビームLY1は、点線の光路Q5で示すようにZ方向に傾斜する。そして、ダブルパスユニット18Yを経てステージ回転角検出系15Yに入射する計測用ビームLY1の位置は、光路P5で示すようにY方向に横シフトする。この場合にも、レーザビーム自体の横シフト及び傾斜の影響を除いた計測用ビームLY1の横シフト量は、(3)式と同様に、ミラー面8yのY座標、及びピッチング量θXを用いて表されるため、ウエハステージ制御系43はその横シフト量からピッチング量θXを算出する。
【0052】
また、試料台8がZ軸に平行な軸の周りに角度(ヨーイング量)θZだけ回転した場合には、Y軸のステージ回転角検出系15Yでも計測用ビームLY1がX方向に横シフトを起こすため、Y軸のステージ回転角検出系15Yで検出される計測用ビームLY1のX方向への横シフト量に基づいて、ウエハステージ制御系43はそのヨーイング量θZを計算する。通常は、X軸のステージ回転角検出系15Xでの計測用ビームLX1の横シフト量に基づいて計算されるヨーイング量θZが使用されるが、例えば試料台8をY方向に移動することによって、X軸のミラー面8xの曲がり量を計測するような場合には、Y軸のステージ回転角検出系15Yでの計測用ビームLY1の横シフト量に基づいて計算されるヨーイング量θZが使用される。
【0053】
なお、X軸の干渉計本体12X、及びY軸の干渉計本体12Yで、共通のレーザ光源からのレーザビームを使用するようにしてもよい。この場合には、2つの干渉計本体12X,12Yから射出されるレーザビーム自体の横シフト量、及び傾斜角は共通であるため、例えばY軸の分岐合成光学系13Yに参照用ビームLY2の横シフト量、及び傾斜角を検出するための参照回転角検出系を設ける必要はなく、光学系の構成が簡素化される。
【0054】
上述のように、本例ではステージ回転角検出系15X,15Y及び参照回転角検出系16Xにおいて、入射する光ビームの2次元的な横シフト量及び傾斜角が検出されている。光ビームの横シフト量を検出するための簡便な方法としては、例えば受光面が4個に分割された4分割受光素子、又は入射する光束の光量分布の2次元的な重心位置を検出できる光電検出器、又はCCDよりなる撮像素子等を用いる方法がある。同様に、光ビームの傾斜角を検出するためには、レンズ系の光学的フーリエ変換面(瞳面)において、そのような4分割受光素子、光電検出器、又はCCDよりなる撮像素子等を用いて光ビームの横シフト量を計測すればよい。但し、本例ではより高精度に光ビームの横シフト量、及び傾斜角を検出するため、以下のように2光束レーザ干渉方式を用いる。代表的に、X軸のステージ回転角検出系15Xの構成につき図5を参照して説明する。
【0055】
図5は、ステージ回転角検出系15Xの構成を示し、この図5において、入射した直線偏光の計測用ビームLX1は、ハーフミラー29Aによって2分割されて、一方の光束は第1の横シフト傾斜角検出系30Aに入射し、他方の光束は、第2の横シフト傾斜角検出系30Bに入射する。後者の横シフト傾斜角検出系30Bは、前者の横シフト傾斜角検出系30Aを90°回転したものである。横シフト傾斜角検出系30A内において、入射した光束は、1/4波長板31Aにより円偏光となり、ハーフミラー29Bにより2つの光束に分割される。
【0056】
ハーフミラー29Bを透過した光束(これも「計測用ビームLX1」と呼ぶ)は、複屈折プリズム40によってほぼ対称に広がるようにP偏光の第1光束b1、及びS偏光の第2光束b2に分割される。第1光束b1、及び第2光束b2は、1/4波長板31Bにて円偏光に戻された後、第1リレーレンズ41Aを経て互いに平行な光束となる。そして、第1光束b1は、音響光学素子33Bに入射して所定の周波数Fで周波数変調され、第2光束b2、及び周波数変調された第1光束b1は、第2リレーレンズ41Bを介して所定ピッチの回折格子35B上に、所定の交差角で集光される。周波数変調によって、回折格子35B上にはピッチ方向に流れる干渉縞が形成される。本例では、回折格子35Bのピッチはその干渉縞のピッチの2倍になるように設定してある。なお、ビート周波数を下げるために、第1光束b1及び第2光束b2を互いに駆動周波数が所定量だけ異なる音響光学素子で周波数変調してもよい。
【0057】
この結果、回折格子35Bによる第1光束b1の+1次回折光、及び第2光束b2の−1次回折光が、平行に干渉光b3として回折格子35Bから射出される。干渉光b3は、周波数Fで強度が変化するビート光であり、回折格子35Bからはそれ以外の0次光等も射出される。これらの回折光は、集光レンズ36Bを経て瞳フィルタ37Bに入射し、±1次回折光よりなる干渉光b3のみが瞳フィルタ37Bの開口を通過して光電検出器38Bで受光され、光電検出器38Bで干渉光b3を光電変換して得られる周波数Fのビート信号が信号処理系39に供給される。信号処理系39内には音響光学素子33Bの駆動回路も組み込まれており、信号処理系39は、例えばその駆動回路の周波数Fの駆動信号と、光電検出器38Bから供給される周波数Fのビート信号との位相差REF1(rad)を求める。
【0058】
この場合、複屈折プリズム40内の計測用ビームLX1の入射位置と、回折格子35B上の2光束b1,b2の集光位置とは、リレーレンズ41A,41Bに関して共役である。従って、図6(a)に示すように、複屈折プリズム40内の計測用ビームLX1の入射位置が実線の位置から点線で示す位置まで横ずれすると、回折格子35B上での2光束b1,b2の集光位置は位置B1からB2に横ずれして、上述の位相差REF1が変化する。この場合、回折格子35BのピッチをP1とすると、所定の係数k1を用いて計測用ビームLX1の横シフト量(これをΔX1とする)は、次のように表すことができる。そこで、信号処理系39は、次式より求めた横シフト量ΔX1をウエハステージ制御系43に供給する。
【0059】
ΔX1=k1・P1・REF1/(2π) (6)
また、図5において、ハーフミラー29Bにて反射された光束(これも「計測用ビームLX1」と呼ぶ)は、ハーフミラー29C及びミラー32により所定の間隔を持って平行に進む第1光束a1、及び第2光束a2に分割される。そして、第1光束a1はfθレンズ34に入射し、第2光束a2は音響光学素子33Aによって周波数Fの周波数変調を受けた後にfθレンズ34に入射し、fθレンズ34を通過した2光束a1,a2は、所定ピッチの回折格子35A上に、所定の交差角で集光される。周波数変調によって、回折格子35A上にはピッチ方向に流れる干渉縞が形成され、回折格子35Aのピッチはその干渉縞のピッチの2倍になるように設定してある。
【0060】
この結果、回折格子35Aによる第1光束a1の+1次回折光、及び第2光束a2の−1次回折光が、平行に干渉光a3として回折格子35Aから射出される。干渉光a3は周波数Fで強度が変化するビート光であり、回折格子35Aから射出される種々の回折光は、集光レンズ36Aを経て瞳フィルタ37Aに入射し、±1次回折光よりなる干渉光a3のみが瞳フィルタ37Aの開口を通過して光電検出器38Aで受光され、光電検出器38Aで干渉光a3を光電変換して得られる周波数Fのビート信号が信号処理系39に供給される。信号処理系39内には音響光学素子33Aの駆動回路も組み込まれており、信号処理系39は、一例としてその駆動回路の周波数Fの駆動信号と、光電検出器38Aから供給される周波数Fのビート信号との位相差REF2(rad)を求める。
【0061】
この場合、計測用ビームLX1の入射位置であるハーフミラー29Cの分割面に対して、fθレンズ34によって回折格子35Aの配置面はほぼ光学的フーリエ変換面(瞳面)となっており、ハーフミラー29Cに入射する計測用ビームLX1の傾斜角が、回折格子35Aでは横シフト量に変換される。従って、図6(b)に示すように、ハーフミラー29Cに対する計測用ビームLX1の傾斜角が実線の光路から点線で示す光路に変化すると、回折格子35A上での2光束a1,a2の集光位置は位置A1からA2に横ずれして、上述の位相差REF2が変化する。回折格子35AのピッチをP2とすると、所定の係数k2を用いて計測用ビームLX1の傾斜角(これをΔφX1とする)は、次のように表すことができる。そこで、信号処理系39は、次式より求めた傾斜角ΔφX1をウエハステージ制御系43に供給する。
【0062】
ΔφX1=k2・P2・REF2/(2π) (7)
また、ステージ回転角検出系15X内で、ハーフミラー29Aで分割された他方の光束は第2の横シフト傾斜角検出系30Bに入射し、ここでは横シフト傾斜角検出系30Aで検出される横シフト量及び傾斜角に直交する方向への計測用ビームLX1の横シフト量ΔY1、及び傾斜角ΔφY1が検出され、検出結果がウエハステージ制御系43に供給される。同様にして、図2のY軸のステージ回転角検出系15Y、及び図3(a)の参照回転角検出系16Xにおいても、2光束干渉方式でそれぞれ入射する計測用ビーム、又は参照用ビームの横シフト量、及び傾斜角(振れ角)が検出される。
【0063】
上述のように本例では、図2の干渉計本体12X,12Yから試料台8に照射される変位計測用の計測用ビームLX1,LX2を利用して、試料台8のヨーイング量θZ,ピッチング量θX、及びローリング量θYが常時計測されている。この場合ウエハステージ制御系43では、走査露光時にそのヨーイング量θZを相殺するように、図1のウエハステージのXYθステージ10を介して試料台8を回転する。これによって、レチクルRとウエハWとの間に高い重ね合わせ精度が得られる。
【0064】
また、試料台8のピッチング量θX及びローリング量θYが発生すると、図2において、ウエハWの表面と計測用ビームLX1,LY1とのZ方向の間隔をδZとして、X方向にδZ・θY、Y方向にδZ・θXのアッベ誤差が発生する。そこで、ウエハステージ制御系43は、それらのアッベ誤差を相殺するようにXYθステージ10を介してウエハWのX方向、Y方向の位置を補正する。これによって、ウエハWの高精度な位置決めが行われる。この場合、例えば図2に示すように、本例では1軸の計測用ビームLX1,LY1を利用して試料台8の傾斜角が計測されているため、試料台8のミラー面8xのX方向の幅、及びミラー面8yのY方向の幅の全部がほぼ移動ストロークとなっている。
【0065】
なお、本例ではダブルパス方式であるため、計測用ビームLX1,LY1はそれぞれ対応するミラー面との間を2往復しているが、この際の往復する計測用ビームの光路の間隔は、従来例のように2軸のシングルパスのレーザビームの間隔に比べればかなり狭く、計測用ビームLX1,LY1の広がりは無視できる程度である。従って、従来例と同等の移動ストロークを得ればよいのであれば、移動鏡、即ち本例では試料台8のミラー面8x,8yを小さくでき、ひいては試料台8を小型、軽量化できる。従って、試料台8の移動速度等の制御性を高めることができると共に、投影露光装置の設置面積(フットプリント)を小さくできる。
【0066】
また、従来は例えば移動鏡のZ方向の幅が狭く、Z方向に2軸の計測用ビームを照射して試料台のピッチング量、及びローリング量を計測する余地がないときには、図1のZチルトステージ9に相当するステージ内に傾斜角計測機構(デジタルマイクロメータ等)を設けて、間接的に試料台の傾斜角を計測し、この傾斜角に基づいてウエハWの位置を補正するようなことも行われていた。この方式では、ステージの機構が複雑化すると共に、傾斜角の計測結果の処理が煩雑であった。これに対して、本例では試料台8の傾斜角が直接計測されているため、ステージ機構を簡素化した上で、高精度にウエハWの位置制御を行うことができる。また、移動鏡としてのミラー面8x,8yの厚さが薄い場合でも、高精度にピッチング量やローリング量を計測できる。
【0067】
更に、このような動作と並行に、図1のオートフォーカスセンサ44を介して検出されるウエハWのフォーカス位置の情報に基づいて、Zチルトステージ9を駆動することによって、オートフォーカス方式、及びオートレベリング方式でウエハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦されている。この際に、Zチルトステージ9の動作は、オートフォーカスセンサ44の計測結果のみに基づいて行うことができるため、より高精度、且つより高い追従速度で合焦を行うことができる。
【0068】
次に、本例の投影露光装置で移動鏡、即ち試料台8のミラー面8x,8yの曲がり量を計測する場合の動作の一例につき図2を参照して説明する。例えば、X軸の移動鏡としてのミラー面8xの曲がり量を計測する場合には、図1のXYθステージ10を駆動することによって、X軸の干渉計本体12Xで計測される試料台8のX座標を一定値に維持した状態で、且つY軸のステージ回転角検出系15Yによって計測される試料台8のヨーイング量θZを例えば0にした状態で、試料台8をY方向に所定間隔で移動させていく。そして、Y方向の各計測点でX軸のステージ回転角検出系15Xを介して試料台8のヨーイング量、即ちこの場合にはミラー面8xの傾斜角θi(i=1,2,…)を計測し、この傾斜角θi にY方向への移動の間隔δYを乗ずることによって、各計測点から次の計測点に対するミラー面8xの変位量δY・θi を算出し、この変位量δY・θi を積算することによって、ミラー面8xの反射面の曲がり量が求められる。
【0069】
同様に、Y軸のミラー面8yの曲がり量を計測する場合には、X軸のステージ回転角検出系15Xで計測されるミラー面8xのヨーイング量θZを0にした状態で、試料台8をX方向に移動させ、各計測点でY軸のステージ回転角検出系15Yを介してミラー面8yの傾斜角を計測すればよい。この場合、本例の計測用ビームLX1,LY1はダブルパス方式であるが、その2回の往復の光路の間隔は、通常の移動鏡の曲がりのピッチに比べればかなり狭いため、そのミラー面8xの曲がりの周期性に依らずに高精度にその曲がり量を計測できる。
【0070】
次に、本発明の実施の形態の他の例につき図7及び図8を参照して説明する。図2の実施の形態がダブルパス方式のレーザ干渉計を使用しているのに対して、本例はシングルパス方式のレーザ干渉計を使用するものであり、図7において、図2に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図7は、本例の投影露光装置のウエハ側のステージのレーザ干渉計システムを示し、この図7において、X軸の干渉計本体42Xから射出されたレーザビームは、偏光ビームスプリッタ17XによってX軸の計測用ビームLX1、及び参照用ビームLX2に分かれ、計測用ビームLX1は、ビームスプリッタ19Xを介して試料台8のミラー面8xに照射される。そして、ミラー面8xで反射された計測用ビームLX1は、ビームスプリッタ19X及び偏光ビームスプリッタ17Xを介して干渉計本体42Xに戻り、ビームスプリッタ19Xで反射された計測用ビームLX1がステージ回転角検出系15Xに入射している。
【0071】
また、参照用ビームLX2は、ミラー21Xで反射され、投影光学系PLの側面の参照鏡14Xで反射された後、再びミラー21X及び偏光ビームスプリッタ17Xを介して干渉計本体42Xに戻り、干渉計本体42Xでは戻された計測用ビームLX1及び参照用ビームLX2の干渉光を光電変換して、参照鏡14Xを基準としたミラー面8xのX方向への変位を計測する。なお、不図示であるが、参照鏡14Xとミラー21Xとの間にも、図3(a)のようなビームスプリッタ24Xが配置され、ビームスプリッタ24Xで反射された参照用ビームLX2が参照回転角検出系16Xに入射している。
【0072】
図7において、Y軸のレーザ干渉計もX軸のレーザ干渉計と対称に、干渉計本体42Y、偏光ビームスプリッタ17Y、ビームスプリッタ19Y、ミラー21Y、及び参照鏡14Yより構成され、干渉計本体42Yに戻される計測用ビームLY1及び参照用ビームLY2に基づいて、参照鏡14Yを基準とした試料台8のミラー面8yのY方向への変位が計測されている。また、ビームスプリッタ19Yで反射された計測用ビームLY1がステージ回転角検出系15Yで受光されている。
【0073】
本例において、試料台8にZ軸に平行な軸の周りで角度(ヨーイング量)θZの回転が発生すると、ミラー面8xに入射する計測用ビームLX1は点線の光路Q3で示すようにY方向に傾斜して反射され、ステージ回転角検出系15Xに入射する計測用ビームLX1も同じ角度でY方向に傾斜する。また、試料台8にY軸に平行な軸の周りで角度(ローリング量)θYの回転が発生すると、ミラー面8xに入射する計測用ビームLX1は点線の光路Q2で示すようにZ方向に傾斜して反射され、ステージ回転角検出系15Xに入射する計測用ビームLX1も同じ角度でX方向に傾斜する。同様に、試料台8にX軸に平行な軸の周りで角度(ピッチング量)θXの回転が発生すると、ミラー面8yに入射する計測用ビームLY1は点線の光路Q5で示すようにZ方向に傾斜して反射され、ステージ回転角検出系15Yに入射する計測用ビームLY1も同じ角度でY方向に傾斜する。そこで、本例のステージ回転角検出系15X,15Yではそれぞれ入射する計測用ビームLX1,LY1のX方向、Y方向への傾斜角(振れ角)を検出する。
【0074】
更に、この例では干渉計本体42X,42Yで共通のレーザ光源が使用されているものとして、そのレーザ光源によるレーザビームの傾斜角変動を計測するために、ミラー21Xと参照鏡14Xとの間に配置されている図3(a)に示す参照回転角検出系16Xによって、参照用ビームLX2のX方向、Y方向への傾斜角を検出する。そして、ステージ回転角検出系15X,15Yで計測される計測用ビームのX方向、Y方向への傾斜角からその参照回転角検出系16Xで計測される参照用ビームLX2のX方向、Y方向への傾斜角を差し引くことによって、シングルパスのレーザ干渉計の計測用ビームLX1,LY1を用いて、試料台8のヨーイング量θZ、ローリング量θY、及びピッチング量θXを正確に検出できる。
【0075】
このようなシングルパス方式では、ミラー面8x,8yの幅がほぼそのまま試料台8の移動ストロークとなる。
即ち、図8に示すように、試料台8のミラー面8xのY方向の幅をY3として、ミラー面8xの−Y方向の端部に計測用ビームLX1が照射されている状態から、2点鎖線で示すようにミラー面8xの+Y方向の端部に計測用ビームLX1が照射される位置8Aまで試料台8を移動したときの移動量をY2とすると、この移動量Y2がY方向への移動ストロークである。そして、シングルパス方式では計測用ビームLX1のY方向への幅は無視できる程度であるため、移動ストロークY2はほぼミラー面8xの幅Y3に等しくなる。従って、従来例と同じ移動ストロークでよければ、試料台8の3軸の周りの回転角の検出機能を持たせた上で、試料台8を従来例に比べて大幅に小型、軽量化できる。
【0076】
なお、上述の実施の形態は、ウエハ側のステージに本発明を適用したものであるが、図1のレチクルRが載置されているレチクルステージ2の傾きを検出するために本発明を適用してもよい。例えば、本発明を適用して、レチクルステージ2のヨーイング量を変位計測用のレーザビームを利用して検出することによって、レチクルステージ2を小型、軽量化することができる。
【0077】
また、本発明は、例えば電子線露光装置等でウエハ等の位置決めを行うステージ等にも適用することができる。このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0078】
【発明の効果】
本発明のステージ装置によれば、可動ステージから戻される変位検出用の光ビームの横シフト量、又は振れ角からその可動ステージの回転角を算出しているため、特に回転角を計測するための専用の光ビームを用いることなく、その可動ステージ(可動部)の回転角を計測できる利点がある。従って、その可動ステージを小型、軽量化できるため、その可動ステージの制御性が向上し、その可動ステージを備えた装置の設置面積(フットプリント)を小さくできる。
【0079】
また、その変位検出用の光ビームを用いて、その可動ステージにおける反射部の傾斜角を検出することによって、その反射部の曲がり量に或る程度小さいピッチの周期性がある場合でも、その曲がり量を正確に検出できる利点がある。
また、光ビーム検出系は、可動ステージから戻される光ビームの所定の第1の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の光ビーム検出系と、その可動ステージから戻される光ビームのその第1の方向に直交する第2の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の光ビーム検出系と、からなり、演算系は、その第1及び第2の光ビーム検出系の検出結果よりその可動ステージの2軸の周りの回転角を算出する場合には、変位検出用の1軸の光ビームを用いて2軸の周りの回転角を検出できる利点がある。
【0080】
また、光ビーム検出系は、可動ステージから戻される光ビームの横シフト量を検出し、演算系は、その光ビーム検出系で検出される横シフト量、及びその干渉計で計測されるその可動ステージの変位よりその可動ステージの回転角を算出する場合には、例えばダブルパス方式の干渉計を用いた場合に容易にその可動ステージの回転角を算出できる。
【0081】
また、光ビーム検出系で検出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量に基づいて、干渉計における参照用光ビームと計測用光ビームとの重なり量が増加するようにその光ビームの光路を補正する光路補正系を設けた場合には、変位計測を常に高いSN比で行うことができ、計測精度が向上する。
また、本発明の露光装置によれば、変位計測用の2軸の光ビームを利用することによって、特に回転角を計測するための光ビームを用いることなく、マスク又は基板を載置する可動ステージ(可動部)の3軸の周りの回転角、即ちヨーイング、ローリング、及びピッチングの角度を計測できる。従って、移動ストロークが従来例と同じでよいときには、回転角の計測機能を備えた上で、従来例に比べて可動ステージが小型化、且つ軽量化でき、結果として露光装置のフットプリントを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露光装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の投影露光装置のウエハ側のステージのレーザ干渉計システムを示す一部を簡略化した斜視図である。
【図3】(a)は図2の分岐合成光学系13X、及びこの周辺の部材の構成を示す正面図、(b)は図3(a)のダブルパスユニット18X等を示す平面図である。
【図4】ダブルパス干渉方式によってミラー面8xの傾斜が計測用ビームLX1の横シフトを生ずることの説明図である。
【図5】図2におけるステージ回転角検出系15Xを示す構成図である。
【図6】(a)は、図5の計測用ビームLX1の横シフトによって回折格子35B上で2光束の集光点が移動する様子を示す図、(b)は図5の計測用ビームLX1の傾斜によって回折格子35A上で2光束の集光点が移動する様子を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の他の例におけるウエハ側のステージのレーザ干渉計システムを示す一部を簡略化した斜視図である。
【図8】図7におけるY方向の移動ストロークの説明図である。
【図9】(a)は従来の投影露光装置のウエハ側のステージを示す平面図、(b)はその正面図である。
【図10】従来のレーザ干渉計用の移動鏡の曲がり量の計測方法、及びその課題の説明に供する図である。
【図11】図9の従来例におけるY方向の移動ストロークの説明図である。
【符号の説明】
R レチクル
PL 投影光学系
W ウエハ
2 レチクルステージ
7 主制御系
8 試料台
8x,8y ミラー面
9 Zチルトステージ
10 XYθステージ
11 定盤
12X,12Y 干渉計本体
13X,13Y 分岐合成光学系
14X,14Y 参照鏡
15X,15Y ステージ回転角検出系
16X 参照回転角検出系
18X,18Y,22X,22Y ダブルパスユニット
20X,20Y 平行平板ガラス
LX1,LY1 計測用ビーム
LX2,LY2 参照用ビーム
30A,30B 横シフト傾斜角検出系
43 ウエハステージ制御系
Claims (10)
- 位置決め対象物を載置して該位置決め対象物と共に移動する可動ステージと、該可動ステージに計測用の光ビームを照射すると共に該可動ステージから戻される光ビームを受光して該可動ステージの所定方向への変位を検出する干渉計と、を備えたステージ装置であって、
前記干渉計から射出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する参照回転角検出系と
前記可動ステージから戻される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する光ビーム検出系と、
前記参照回転角検出系の検出結果と前記光ビーム検出系の検出結果とに基づいて前記可動ステージの回転角を算出する演算系と、を有することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1記載のステージ装置であって、
前記光ビーム検出系は、前記可動ステージから戻される光ビームの所定の第1の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の光ビーム検出系と、
前記可動ステージから戻される光ビームの前記第1の方向に直交する第2の方向への横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の光ビーム検出系と、からなり、
前記演算系は、前記第1及び第2の光ビーム検出系の検出結果より前記可動ステージの2軸の周りの回転角を算出することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1又は2記載のステージ装置であって、
前記光ビーム検出系は、前記可動ステージから戻される光ビームの横シフト量を検出し、
前記演算系は、前記光ビーム検出系で検出される横シフト量、及び前記干渉計で計測される前記可動ステージの変位より前記可動ステージの回転角を算出することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1、2、又は3記載のステージ装置であって、
前記光ビーム検出系で検出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量に基づいて、前記干渉計における参照用光ビームと計測用光ビームとの重なり量が増加するように前記光ビームの光路を補正する光路補正系を設けたことを特徴とするステージ装置。 - マスク又は基板よりなる位置決め対象物を載置して該位置決め対象物と共に2次元的に移動する可動ステージと、
該可動ステージに所定の第1の方向に沿って計測用の光ビームを照射すると共に前記可動ステージから戻される光ビームを受光して該可動ステージの前記第1の方向への変位を検出する第1の干渉計と、
前記可動ステージに前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って計測用の光ビームを照射すると共に前記可動ステージから戻される光ビームを受光して前記可動ステージの前記第2の方向への変位を検出する第2の干渉計と、を備え、
前記可動ステージによって前記マスク又は前記基板を2次元的に位置決めして、前記基板上に前記マスクのパターンを転写する露光装置であって、
前記第1の干渉計から射出される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の参照回転角検出系と、
前記可動ステージから前記第1の干渉計に戻される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第1の光ビーム検出系と、
前記第2の干渉計から射出される光ビームの2次元的な横シフト量、又は2次元的な振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の参照回転角検出系と、
前記可動ステージから前記第2の干渉計に戻される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する第2の光ビーム検出系と、
前記第1及び第2の参照回転角検出系の検出結果と前記第1及び第2の光ビーム検出系の検出結果とに基づいて前記可動ステージの3軸の周りの回転角を算出する演算系と、を有することを特徴とする露光装置。 - 位置決め対象物を載置して移動する可動ステージと、
該可動ステージに計測用光ビームを照射すると共に、該可動ステージで反射した前記計測用光ビームを受光して該可動ステージの所定方向の変位を検出する干渉計と、を備えたステージ装置であって、
前記干渉計から射出される光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する参照回転角検出系と
前記可動ステージで反射した前記計測用光ビームの横シフト量、又は振れ角の変化量の少なくとも一方を検出する光ビーム検出系と、
前記参照回転角検出系の検出結果と前記光ビーム検出系の検出結果とに基づいて前記可動ステージを制御する制御系とを有することを特徴とするステージ装置。 - 前記光ビーム検出系は、前記所定方向と直交する方向を回転軸とする前記可動ステージの回転に対応した前記計測用光ビームの横シフト量を検出することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
- 前記制御系は、前記光ビーム検出系の検出結果に基づいて、前記所定方向と直交する方向を回転軸とする前記可動ステージの回転量を算出し、該回転量に基づいて前記可動ステージを制御することを特徴とする請求項7に記載のステージ装置。
- 前記制御系は、前記光ビーム検出系の検出結果に基づいて前記可動ステージの位置を補正して位置決めすることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のステージ装置。
- マスクを載置して移動可能なマスクステージと、基板を載置して移動可能な基板ステージとを有し、前記マスクステージと前記基板ステージとにより前記マスクと前記基板との位置決めを行なって前記マスクに形成されたパターンを前記基板に露光する露光装置において、
前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも一方として請求項6から9の何れか一項に記載のステージ装置が用いられていることを特徴とする露光装置。
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