JP4276876B2 - ベントダクト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベントダクトに係り、特に自動車等の車両に搭載されて、車室内側と車室外側との通気を行うためのベントダクトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のベントダクトとしては、例えば、特許文献1に開示されるような構成のものが提案されている。この従来構成においては、図9及び図10に示すように、ダクト本体41の通気窓42に開閉弁43が開閉可能に取り付けられている。ダクト本体41の先端周縁部にはフランジ部44が形成され、このフランジ部44と所定間隔をおいて対応するように、ダクト本体41の外周の上面及び下面にはそれぞれ一対の係合爪45が突出形成されている。
【0003】
前記ダクト本体41のフランジ部44の裏面にはシールパッキン46が配設されている。そして、ダクト本体41が車両ボディのダクト取付部47の取付孔48に嵌合され、シールパッキン46が前記フランジ部44とダクト取付部47との間に挟持されている。この状態では、ダクト本体41の上面側及び下面側において、各一対の係合爪45が取付孔48の開口周縁部に係合されている。このため、結果としてシールパッキン46が弾性変形した状態で、シールパッキン46と係合爪45との間にダクト取付部47が挟持されて、ダクト本体41がダクト取付部47の取付孔48に固定されている。
【0004】
そして、このベントダクトを装着した車両において、通常時には開閉弁43が閉鎖位置に配置されて、車室内への泥水や排気ガスの侵入が防止されるようになっている。また、ドアが閉じられたりして、車室内の圧力が瞬時に増大されようとしたとき、開閉弁43が車室外側に開放されて、増大圧力が逃がされる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−254923号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のベントダクトにおいては、ダクト本体41の開口面積を広く確保して、圧力の逃がし特性を向上し、ドアの閉まりや、快適性を向上することが求められている。すなわち、ダクト本体41の開口面積が狭いと、圧力を逃がしにくいために、ドアを閉めにくく、しかもドアを閉めると車室内の圧力が急騰して、乗員が不快感を感じることがある。
【0007】
また、近年ではコストの低減を図るため、ベントダクトを共通部品として多種の車両に搭載する傾向にある。
ところが、各車種において車両ボディのダクト取付部47に所定形状の取付孔48を形成した場合でも、車種のデザイン、プレス型の作り込み、ダクト取付部47の材料、成形条件のバラツキ等により、取付孔48及びその周辺の形状が微妙に変化することが多い。このため、前述した従来構成のベントダクトを共通部品として使用した場合、取付孔48の上下開口幅が小さいと、ダクト本体41を取付孔48に嵌入することができないという不具合が発生するおそれがあった。また、取付孔48の上下開口幅が大きいと、ダクト本体41の上下両面の係合爪45を取付孔48の周縁部に対して確実に係合させることができないという不具合が発生するおそれがあった。
【0008】
さらに、従来構成のベントダクトにおいて、図10に示すように、取付孔48の上下開口幅をW1、ダクト本体41の上下開口幅をW2、係合爪45の部分の金型スライド安全寸法(後述の説明から明らかになるが、スライド金型53や係合爪45の破損防止のための寸法)をw1、ダクト本体41の板厚をw2としたとき、取付孔48の上下開口幅W1は次の(1)式のようになる。
【0009】
W1=W2+(2×w1)+(2×w2) … (1)
そして、この(1)式から、ダクト本体41の上下開口幅W2を求めると、次の(2)式のようになる。
【0010】
W2=W1−(2×w1+2×w2) … (2)
一方、従来構成のベントダクトにおいて、ダクト本体41を成形する場合には、図11に示すように、一対の分離可能な成形用金型51,52と、係合爪45の内側部分を形成するためのスライド可能なスライド金型53とが使用される。この場合、前記金型スライド安全寸法w1の垂直部分の奥部側の寸法w1aは、スライド金型53の破損を防止するために、少なくとも3mmを確保する必要がある。すなわち、例えば図12に示すように、垂直部分の寸法w1aを0mmに設定した場合には、スライド金型53に尖鋭エッジ部が形成されて、そのエッジ部が破損しやすかったり、スライド金型53のスライド抜き出し時に、エッジ部により係合爪45が切られたりするおそれがあった。
【0011】
また、前記金型スライド安全寸法w1の傾斜部分の傾斜による差寸法w1bは、係合爪45の成形後の変形を考慮して、少なくとも2mmを確保する必要がある。ここで、例えば図13に示すように、傾斜部分の差寸法w1bを0mmに設定した場合には、図14に示すように、成形後に係合爪45の変形により、その係合爪45がダクト本体41の周面側を向いてしまうおそれがある。このような場合は、係合爪45が取付孔48の周縁部に対して確実に係合されず、ダクト本体41を取付孔48に取付けることができない。
【0012】
このため、従来構成のベントダクトでは、金型スライド安全寸法w1=w1a+w1b2として、少なくとも5mmを確保する必要がある。よって、ダクト本体41の板厚w2を2mmとして、前記(2)式により、ダクト本体41の上下開口幅W2を求めると、次の(3)式のようになる。
【0013】
W2=W1−(2×5+2×2)
=W1−14 … (3)
すなわち、ダクト本体41の上下開口幅W2は、取付孔48の上下開口幅W1よりも14mmも小さくなる。ここで、例えばダクト本体41の左右開口幅を100mmとした場合、ダクト本体41の実開口面積は10cm×1.4cm=14cm2も狭くなる。よって、この従来構成のベントダクトでは、車両ボディ等のダクト取付部47に大きな開口面積の取付孔48を形成しても、ダクト本体41の実質開口面積を大きく確保することができなかった。
【0014】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、ダクト取付部の取付孔の形状にバラツキが生じていても、ダクト本体を支障なく取り付けることができるとともに、ダクト本体の実質開口面積を大きく確保することができて、通気効率を向上させることができるベントダクトを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ダクト本体に開閉弁を開閉可能に取り付けてなるベントダクトにおいて、前記ダクト本体には、車両の取付孔にダクト本体を嵌合した状態で、ダクト本体の内側に折り返されることにより、取付孔の開口周縁部との係合状態を形成する係合部材を設け、前記ダクト本体に変形部を設け、その変形部が係合部材の折り返しにより取付孔の開口周縁部に係合することを特徴とするものである。
【0016】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、折り返し量を変更すれば、取付孔の開口周縁部と係合部材との係合関係を調整できる。このため、取付孔の形状にバラツキが生じていても、ダクト本体を取付孔に支障なく取り付けることができて、多種の車両等に共通部品として使用することができる。なお、ここで、折り返し量とは、ヒンジ部等の折り返し部を変更することなく、係合部材をダクト本体の周壁側に移動した量のことを指す。言い換えれば、ダクト本体の周壁に対する係合部材の重なり方向における位置のことを指すものである。
【0017】
そして、請求項1の発明においては、ダクト本体の開口周縁部に係合する係合爪を用いないため、前述した従来の安全寸法を考慮する必要がなく、取付孔の開口周縁部と係合部材との係合のために係合部材及びその関連部材の変形のための余裕寸法を取付孔の開口周縁部とダクト本体の周壁との間に設ければよい。よって、ダクト取付部には大きな取付孔を形成しなくても、ダクト本体の開口面積を大きく確保することができて、通気効率を向上させることができる。
【0020】
また、係合部材の折り返しにより、変形部が取付孔の開口周縁部に間接的に係合して、ダクト本体を取付孔に対する嵌合状態に確実に保持することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記係合部材には変形部をダクト本体の周面よりも外方に膨出変形させる押圧突部を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
従って、この請求項2に記載の発明によれば、係合部材の折り返し時に、押圧突部により変形部を外方へ大きく膨出変形させて、取付孔の開口周縁部に確実に係合させることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記変形部は取付孔の開口周縁部に係止可能な係止突部を有することを特徴とするものである。
【0024】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、係合部材の折り返しにより変形部が変形されたとき、係止突部を介して変形部を取付孔の開口周縁部に強固に係合させることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記変形部は舌片状に形成され、その先端部が取付孔の開口周縁部に係合することを特徴とするものである。
【0026】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、係合部材の折り返しにより舌片状の変形部が変形されて、その変形部の先端部を取付孔の開口周縁部に強固に係合させることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明は、ダクト本体に開閉弁を開閉可能に取り付けてなるベントダクトにおいて、前記ダクト本体の端部外周に形成されるフランジ部には、先端に係止片を有する係合部材を設け、前記係合部材は、車両の取付孔にダクト本体を嵌合した状態で、ダクト本体の内側に折り返されるとともに、前記ダクト本体に形成される第1の挿通孔に対して前記係止片を挿通されることにより、前記取付孔の開口周縁部と前記ダクト本体との係合状態を形成することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記係合部材は取付孔の開口周縁部に直接係合することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記係合部材は、ダクト本体の第2の挿通孔を通して取付孔の開口周縁部に係合する係合突起を有することを特徴とするものである。
【0028】
従って、前記請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、係合部材の折り返しにより、その係合部材上の係合突起が取付孔の開口周縁部に直接的に係合して、ダクト本体を取付孔に対する嵌合状態に確実に保持することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0030】
図1及び図2に示すように、ダクト本体21はポリプロピレン等の合成樹脂により成形され、その端部外周にはフランジ部22が形成されるとともに、内部には通気窓23が形成されている。ダクト本体21の通気窓23には、熱可塑性エラストマ等の弾性材料よりなる開閉弁24が上端部にて取り付けられ、この開閉弁24により通気窓23が開閉される。
【0031】
前記ダクト本体21のフランジ部22の裏面には弾性材料よりなるシールパッキン25が接合配置されている。この状態で、ダクト本体21が車両ボディ等のダクト取付部26に形成された取付孔27に嵌合されて、後述する係合構成により、シールパッキン25をある程度弾性変形させた状態にて、取付孔27に係合固定されるようになっている。
【0032】
そして、このベントダクトを装着した車両において、通常時には図2に実線で示すように、開閉弁24が閉鎖位置に配置されて、通気窓23から車室内への泥水や排気ガスの侵入が防止される。また、車両のドアが閉じられたり空調機が使用されたりして、車室内の圧力が瞬時に増大されようとしたときには、図2に鎖線で示すように、開閉弁24が車室外側に開放されて、圧力が逃がされるようになっている。
【0033】
次に、前記取付孔27に対するダクト本体21の係合構成について説明する。図2に示すように、ダクト本体21の周壁下面には、複数の係合片28がフランジ部22と平行に延びるように突出形成されている。そして、ダクト取付部26の取付孔27にダクト本体21を嵌合したとき、この係合片28が取付孔27の開口周縁部の下端部に係合されるようになっている。
【0034】
図1〜図3に示すように、前記ダクト本体21のフランジ部22の上端には、一対の帯状の係合部材29がヒンジ状の薄肉部30を介して、ダクト本体21の内側へ折り返し可能に形成されている。各係合部材29の先端には係止片31が形成され、その係止片31の両側縁及び背面には複数の抜け止め突起31a,31bが形成されている。また、各係合部材29の表面中央部にはほぼ半球状の押圧突部32が形成されている。
【0035】
前記各係合部材29と対応するように、ダクト本体21の上部周壁には薄肉状の変形部33が形成され、その変形部33の外面(上面)には複数の係止突部としての係止突片34が前記フランジ部22と平行に延びるように所定間隔おきに突設されている。各変形部33に近接対応するように、ダクト本体21の周壁上面にはスリット状の挿通孔35がそれぞれ形成されている。
【0036】
図4に示すように、ダクト本体21上の各変形部33の両側において、ダクト本体21の上部周壁には一対のスリット36が形成されている。そして、係合部材29が折り返されたとき、押圧突部32により変形部33が、両スリット36の存在により、ダクト本体21の外方へ膨出変形されるようになっている。また、この状態で両スリット36が折り返し状態の係合部材29により、ダクト本体21の内側から閉塞されるようになっている。
【0037】
そして、ダクト本体21をダクト取付部26の取付孔27に取り付ける際には、図3に鎖線で示すように、まず各係合部材29が薄肉部30からダクト本体21の内側に折り返されて、それらの先端の係止片31がダクト本体21上の挿通孔35に挿通される。また、この状態で各係止片31上の抜け止め突起31a,31bが挿通孔35の開口周縁部に係合されることにより、各係合部材29が折り返し状態に保持されている。そして、このとき、図3から明らかなように、押圧突部32は変形部33に軽く接するか、あるいは接しない状態にあり、変形部33は、ほとんどあるいは全く変形されていない。
【0038】
次に、この係合部材29の折り返し状態で、ダクト本体21をダクト取付部26の取付孔27に嵌合した後、係止片31を強く引き上げる。このため、押圧突部32を介して各変形部33がダクト本体21の周面よりも外方に膨出変形される。この膨出変形により、各変形部33上の係止突片34が取付孔27の開口周縁部に対して係合されるとともに、この取付孔27の開口周縁部がシールパッキン25と係止突片34及び係合片28との間に挟持され、ダクト本体21が取付孔27に対する嵌合状態に係合保持される。従って、係合部材29はその押圧突部32が、取付孔27の開口周縁部に対して変形部33を介して間接的に係合することになる。なお、ダクト本体21の周壁及びフランジ部22は、係止片31を強く引き上げて係合部材29に強い引っ張り力を与えてもほとんど変形しない程度の剛性を有する。
【0039】
この構成において、前記変形部33上の係止突片34の形成間隔(配列ピッチ)w3は、ダクト取付部26の板厚の標準が0.65〜0.75mmであることから、1.0mm程度に設定すれば十分である。また、係止突片34の高さw4及び厚みw5は、取付孔27に対する係合状態を考慮して、それぞれ1.0mm程度に設定すればよい。すなわち、係止突片34の高さw4は取付孔27の開口周縁部との間に相対移動が生じない程度の高さがあればよく、それほど高くする必要はない。
【0040】
以上のことから、図2に示すように、ダクト取付部26に大きな上下開口幅W1の取付孔27を形成しなくても、ダクト本体21の上下開口幅W2を大きくすることができて、そのダクト本体21の実質的な開口面積を大きく確保して、通気効率を向上することができる。すなわち、図9及び図10に示す従来構成のベントダクトに比較して、金型スライド安全寸法を確保する必要がなく、ダクト本体21の周壁と取付孔27の開口周縁部間には、変形部33の変形を許容する余裕寸法があればよい。従って、このダクト本体21は、その上下開口幅W2を前述した従来構成と比較して2〜3mm程度大きくすることができる。この結果、ダクト本体21の左右開口幅を10cmとした場合、ダクト本体21の実質開口面積は、10cm×0.2〜0.3cm=2〜3cm2程度広くすることができる。
【0041】
また、このベントダクトにおいては、一対の係合部材29の折り返しにより、ダクト本体21上の変形部33が外方に膨出変形されて、係止突片34が取付孔27の開口周縁部に係合し、これをもってダクト本体21が取付孔27に対する嵌合状態に係合保持されるようになっている。このため、ダクト取付部26の取付孔27の形状や大きさにバラツキが生じている場合でも、その取付孔27の形状・大きさの変化に応じて、係合部材29の折り返し量、すなわち係止片31の引き上げ量を変更することにより、押圧突部32の上下位置が調整される。このため、ダクト本体21を取付孔27に堅固に係合保持することができる。よって、ベントダクトを共通部品として多種の車両等に容易に搭載することができ、汎用性に富んだものとなる。
【0042】
また、このベントダクトにおいては、前記係合部材29に、変形部33をダクト本体21の周面よりも外方に膨出変形させるための押圧突部32が設けられている。このため、係合部材29の折り返し時に、押圧突部32により変形部33を外方へ大きく、かつ確実に膨出変形させて、ダクト本体21を取付孔27の開口周縁部に確実に係合させることができ、ダクト本体21を車両に対して強固に組付けることができる。
【0043】
さらに、このベントダクトにおいては、前記変形部33上に取付孔27の開口周縁部と係止可能な複数の係止突片34が形成されている。このため、係合部材29の折り返しにより変形部33が変形されたとき、係止突片34を介して変形部33を取付孔27の開口周縁部に相対移動することなく強固に係合させることができる。
【0044】
しかも、このベントダクトにおいては、変形部33の両側に形成された一対のスリット36により、変形部33の膨出変形が容易になって、変形部33上の係止突片34を取付孔27の開口周縁部に対して無理なく確実に係合させることができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0046】
さて、この第2実施形態においては、図5に示すように、ダクト本体21上の各変形部33の両側及び後側に全体として平面形ほぼ逆U字状のスリット36が形成されている。
【0047】
従って、係合部材29が折り返されたとき、押圧突部32により変形部33がこのスリット36を介して、ダクト本体21の外方へ容易に膨出変形される。
従って、この第2実施形態によれば、変形部33の両側及び後側に形成された平面形ほぼ逆U字状のスリット36により、変形部33の膨出変形が容易になって、変形部33上の係止突片34を取付孔27の開口周縁部に対して一層確実に係合させることができる。
【0048】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1,第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0049】
さて、この第3実施形態においては、図6及び図7に示すように、ダクト本体21の各変形部33上から係止突片34が省略され、各変形部33の両側及び前側に全体として平面形ほぼU字状の切欠溝37が形成されている。これにより、各変形部33が舌片状に形成され、係合部材29が折り返されたとき、押圧突部32によりこの舌片状の変形部33がダクト本体21の外方に突出変形されて、その先端部が取付孔27の開口周縁部に係合されるようになっている。
【0050】
従って、この第3実施形態によれば、前記変形部33が舌片状に形成されているため、係合部材29の折り返し時に、この舌片状の変形部33が容易に変形されて、その先端部を取付孔27の開口周縁部に対して確実に係合させることができる。
【0051】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1〜第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0052】
さて、この第4実施形態においては、図8に示すように、ダクト本体21上の各係合部材29の表面中央部に、前記第1実施形態の押圧突部32に代えて、突片状の係合突起38が形成されている。また、各係合突起38と対応するように、ダクト本体21の周壁上面には一対の挿通孔39が形成されている。そして、係合部材29が折り返されたとき、係合突起38が挿通孔39を通してダクト本体21の外方に突出され、取付孔27の開口周縁部に直接係合されるようになっている。
【0053】
従って、この第4実施形態によれば、前記係合部材29上に係合突起38が形成されているため、係合部材29の折り返し時に、係合突起38をダクト本体21の挿通孔40を通して取付孔27の開口周縁部に直接係合させることができる。よって、ダクト本体21を取付孔27に対する嵌合状態に確実かつ強固に保持することができる。
【0054】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記各実施形態において、ダクト本体21の下部側にも係合部材29を設けて、ダクト本体21の上下両側において、取付孔27の開口周縁部に係合させるように構成すること。つまり、ダクト本体21の下部側にも前記第1〜第4実施形態と同様な構成を設けること。
【0055】
このように構成すれば、ダクト本体21を取付孔27に対する嵌合状態に一層堅固に係合保持することができる。
・ 前記各実施形態において、ダクト本体21の上部側または下部側における係合部材29の形成個数を、1個または3個以上の複数個に変更すること。
【0056】
【発明の効果】
以上、実施形態で例示したように、この発明においては、ダクト取付部の取付孔の形状にバラツキが生じていても、ダクト本体を取付孔に支障なく取り付けることができ、しかも、ダクト本体の実質開口面積を大きく確保することができて、通気効率を向上させることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のベントダクトを示す斜視図。
【図2】 図1のベントダクトの取付状態を示す要部断面図。
【図3】 図2の一部を拡大して示す部分断面図。
【図4】 取付孔に対する係合部を示す部分斜視図。
【図5】 第2実施形態のベントダクトを示す部分斜視図。
【図6】 第3実施形態のベントダクトを示す部分斜視図。
【図7】 図6のベントダクトの取付状態を示す部分断面図。
【図8】 第4実施形態のベントダクトの取付状態を示す部分断面図。
【図9】 従来のベントダクトを示す斜視図。
【図10】 図9のベントダクトの取付状態を示す要部断面図。
【図11】 図9のベントダクトの成形方法を示す部分断面図。
【図12】 関連構成のベントダクトの成形方法を示す部分断面図。
【図13】 関連構成のベントダクトの成形方法を示す部分断面図。
【図14】 図13の成形方法にて成形したベントダクトの部分断面図。
【符号の説明】
21…ダクト本体、23…通気窓、24…開閉弁、26…ダクト取付部、27…取付孔、28…係合片、29…係合部材、30…薄肉部、32…押圧突部、33…変形部、34…係止突部としての係止突片、35…挿通孔、37…切欠溝、38…係合突起、40…挿通孔、39…挿通孔、W1…取付孔の上下開口幅、W2…ダクト本体の上下開口幅。
Claims (7)
- ダクト本体に開閉弁を開閉可能に取り付けてなるベントダクトにおいて、
前記ダクト本体には、車両の取付孔にダクト本体を嵌合した状態で、ダクト本体の内側に折り返されることにより、前記取付孔の開口周縁部との係合状態を形成する係合部材を設け、
前記ダクト本体に変形部を設け、その変形部が係合部材の折り返しにより取付孔の開口周縁部に係合することを特徴とするベントダクト。 - 前記係合部材には変形部をダクト本体の周面よりも外方に膨出変形させる押圧突部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベントダクト。
- 前記変形部は取付孔の開口周縁部に係止可能な係止突部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベントダクト。
- 前記変形部は舌片状に形成され、その先端部が取付孔の開口周縁部に係合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベントダクト。
- ダクト本体に開閉弁を開閉可能に取り付けてなるベントダクトにおいて、
前記ダクト本体の端部外周に形成されるフランジ部には、先端に係止片を有する係合部材を設け、
前記係合部材は、車両の取付孔にダクト本体を嵌合した状態で、ダクト本体の内側に折り返されるとともに、前記ダクト本体に形成される第1の挿通孔に対して前記係止片を挿通されることにより、前記取付孔の開口周縁部と前記ダクト本体との係合状態を形成することを特徴とするベントダクト。 - 前記係合部材は取付孔の開口周縁部に直接係合することを特徴とする請求項5に記載のベントダクト。
- 前記係合部材は、ダクト本体に形成される第2の挿通孔を通して取付孔の開口周縁部に係合する係合突起を有することを特徴とする請求項6に記載のベントダクト。
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JP2003114740A JP4276876B2 (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ベントダクト |
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