JP4276864B2 - セキュリティ要素、熱転写シート、中間転写記録媒体及びセキュリティ要素の形成方法 - Google Patents

セキュリティ要素、熱転写シート、中間転写記録媒体及びセキュリティ要素の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視認により偽造物か真正物かを区別するために用いられる、セキュリティ要素、熱転写シート、中間転写記録媒体、さらにセキュリティ要素の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、極めて多種多様な印刷物が作製され、使用されているが、その種類は、ますます増加する傾向にある。これは、社会の発展と複雑化に伴ない、印刷物の使用目的が極めて多岐にわたり、なおかつ各印刷物に求められる要求が厳格化しているためである。例えば、IDカードやパスポートといった偽造されてはならない印刷物には、複製防止機能と真正印刷物であることを確認できる機能を有することが厳しく要求されている。また、カレンダーやポスターなどの商業用印刷物には、特定の条件下で画像がはじめて形成される技術を用いて注目を集めようとすることがある。
【0003】
このような要求に応えるために、通常の可視光線下では肉眼で視認することができないが、可視光線以外の特定の光線を照射したときに肉眼で視認し得る画像が現れる印刷物が開発されている。この印刷物には、紫外線などの励起光を照射したときに可視光線を発光する蛍光インキが印刷されている。
【0004】
しかしながら、近年この蛍光インキの入手が比較的容易になっており、また携帯型の紫外線照射装置であるブラックライトも入手が比較的容易になってきている。このような点から、従来の蛍光インキによる印刷物は、偽造、変造が容易となってきており、高度なセキュリティ性を保証することが困難となってきた問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−232955号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題に着目してなされたものであり、低コストで、偽造、変造することが難しく、高度なセキュリティ性を要求する対象物に適用することができるセキュリティ要素を提供することにある。
【0007】
さらに、本発明の目的は、高度なセキュリティ性を有する物を製造するために用いられるセキュリティ要素を、大型の装置や複雑な機械を用いることなく簡便に作製することが可能となる、熱転写シート、中間転写記録媒体を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも基材と前記基材上に設けた蛍光色素層を有するセキュリティ要素であって、前記蛍光色素層がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発することを特徴とする。
【0009】
本発明の好適態様においては、蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものである。
【0010】
また本発明は、前記蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものとすることができる。
【0011】
さらに本発明は、前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含むものとすることができる。
【0012】
なおさらに本発明は、蛍光色素による固定画像情報および/または可変画像情報を設けたものとすることができる。なお、この固定(画像)情報とは、例えばその所属するメンバーが複数(大人数)いて、IDカードやパスポート等のセキュリティ要素を発行する際に、全て共通した固定的な画一情報である。また、可変(画像)情報とは、例えば会社、学校、団体等の所属するメンバーが複数いて、それらのメンバー毎に異なる情報であり、IDカードやパスポート等のセキュリティ要素を発行する際に、セキュリティ要素の1単位毎にその情報を書き換える可変的な個別情報である。
【0013】
本発明の別の態様にあっては、少なくとも基材と前記基材上に設けた熱溶融性インキ層を有する熱転写シートであって、前記熱溶融性インキ層がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発することを特徴とする。
【0014】
本発明の熱転写シートの好適態様においては、蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものである。
【0015】
また、本発明の熱転写シートは前記蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものとすることができる。
【0016】
さらに本発明の熱転写シートは、前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含むものとすることができる。
【0017】
なおさらに本発明の熱転写シートは、蛍光色素による固定画像情報および/または可変画像情報を設けたものとすることができる。
【0018】
本発明の別の態様にあっては、少なくとも基材と前記基材上に設けた受容層を含む転写部を有し、前記転写部が前記基材に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体であって、前記受容層または受容層以外の転写部がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発することを特徴とする。
【0019】
本発明の中間転写記録媒体の好適態様においては、蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものとすることができる。
【0020】
また、本発明の中間転写記録媒体は前記蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものとすることができる。
【0021】
さらに本発明の中間転写記録媒体は、前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含むものとすることができる。
【0022】
なおさらに本発明の中間転写記録媒体は、蛍光色素による固定画像情報および/または可変画像情報を設けたものとすることができる。
【0023】
本発明の別の態様にあっては、前記熱転写シートの前記熱溶融性インキ層を基材上に転写する工程を含む、少なくとも前記基材と前記基材上に設けられた蛍光色素を含む熱溶融性インキ層を有するセキュリティ要素の形成方法が提供される。
【0024】
さらに本発明の別の態様にあっては、前記中間転写記録媒体の受容層に対し色材を転写する工程、および前記色材を転写された前記受容層を有する前記転写部を基材上に転写する工程を含む、少なくとも前記基材と前記基材上に設けた前記転写部を有するセキュリティ要素の形成方法が提供される。
【0025】
本発明のセキュリティ要素は、少なくとも基材と蛍光色素層を有する構成で、蛍光色素層に異なる蛍光色素(F、F、・・・・、F、nは2以上の整数)を2種類以上含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発するものを使用することにより、波長λの単一光をセキュリティ要素に照射することで、波長λ及び波長λ、波長λ等の2種以上の異なる色の蛍光を同時に発生し、またそれらの蛍光色が細かく散りばめられ、分散されているため、偽造、変造することが困難であり、高度なセキュリティ性を有するものが得られる。さらに発光色素Fに入手の難しい赤外線を吸収し、アップコンバージョン発光する希土類元素含有微粒子を使用することにより、さらなるセキュリティ性向上を図ることができる。
【0026】
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
【0027】
セキュリティ要素
図1には、本発明のセキュリティ要素である一つの実施形態を示す概略断面図である。図1のセキュリティ要素1は、基材2上に、蛍光色素層3を基材2全面に設けた構成である。
【0028】
また、図2は本発明のセキュリティ要素である他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、蛍光色素層である固定情報4が設けられた構成である。
【0029】
図3は本発明のセキュリティ要素の他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、蛍光色素層である可変情報5と、オフセットインキにより印刷された蛍光色素層ではない固定情報4’が設けられた構成である。
【0030】
以下に本発明のセキュリティ要素を構成する各層について説明する。
【0031】
(基材)
セキュリティ要素の基材2としては、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、各種プラスチック等、いずれのシートや立体成型物でもよく、また形状的にはカード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ、コップ、ケース、建材、パネル、電話、ラジオ、テレビ等の電子部品や二次電池等いずれのものでもよい。
【0032】
(蛍光色素層)
本発明のセキュリティ要素を構成する蛍光色素層は、従来から知られた各種印刷方式で形成したり、後で説明する熱溶融性インキ層を基材上に設けた熱転写シートを用いて、異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層をセキュリティ要素の基材に転写して、蛍光色素層を形成したり、また後で説明する基材上に、少なくとも受容層を含む転写部を剥離可能に設けた中間転写記録媒体を用いて、その転写部には異なる蛍光色素を含有しており、セキュリティ要素の基材にその転写部を転写したりして、形成することができる。
【0033】
蛍光色素層をセキュリティ要素の基材に各種印刷方式で設ける場合、蛍光色素層用インキは、通常印刷インキの技術分野で公知のビヒクル類及び複数種類の蛍光色素を主体に構成し、さらに必要に応じて添加剤を加え、各種印刷方式(フレキソ・グラビア印刷、活版印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等)に応じて適当に配合され、これを上記の基材上の必要な箇所に印刷される。
【0034】
蛍光色素層に含まれる異なる2種以上の蛍光色素(F、F、・・・・、F、nは2以上の整数)は、好ましくは蛍光色素層用インキ中に含有させ、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発する。また、必要に応じて、さらにその蛍光色素層用インキには蛍光色素Fを含み、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発したりすることができる。
【0035】
このように、本発明に用いる蛍光色素層には、光線、好ましくは可視光線以外の紫外光もしくは赤外光(波長λ)を照射して、その光線を吸収し、波長λ以外の波長の蛍光を発する蛍光色素(F)があり、その蛍光色素(F)の発する波長の蛍光を吸収する別の蛍光色素(F)があり、そしてこの蛍光色素(F)が蛍光色素(F)の発する波長とは異なる波長域で蛍光を発する。また、好ましくは同様に、その蛍光色素(F)の発する波長の蛍光を吸収する別の蛍光色素(F)があり、この蛍光色素(F)が蛍光色素(F)の発する波長とは異なる波長域で蛍光を発する。
【0036】
以上のことを換言すると、蛍光色素層がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発する、と表すことができる。ここで、Nは2以上、実用上から2〜3が好ましい。
【0037】
本発明で使用する蛍光色素は、蛍光色素(F)の発する蛍光を、別の蛍光色素(Fn+1)が吸収して、蛍光色素(F)の発した蛍光とは別の波長の蛍光を発するものであれば、有機蛍光色素のみならず、無機蛍光色素も有機蛍光色素と混合あるいは、無機蛍光色素同士で使用できる。
【0038】
蛍光色素としては、励起光を照射することにより蛍光を発生する染料もしくは微粒子であればよく、可視光において有色でも無色でも良いが、可視光下で白色もしくは無色であり、紫外線もしくは赤外線を吸収して、蛍光を発するものが好ましく用いられる。
【0039】
また、可視光で有色である蛍光染料は、着色と同じ色に発光する特性を持ち、その例としては、塩基性染料のカチオンブリリアントフラビン(黄)、カチオンブリリアントレッド(赤)、カチオンブリリアントピンク(桃)、スパイロンイエロー(黄)、スパイロンレッド(赤)、ソットピンク(桃)(保土ヶ谷化学(株)製)やベーシックイエロー、ローダミンB等を挙げることができる。
【0040】
有機蛍光色素としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などが挙げられる。具体的には可視光で無色の蛍光染料としては、EB−501(三井化学(株)製、発光色:青色)、EG−302(三井化学(株)製、発光色:黄緑色)、EG−307(三井化学(株)製、発光色:緑色)、ER−120(三井化学(株)製、発光色:赤色)、ER−122(三井化学(株)製、発光色:赤色)、蛍光増白剤と呼ばれるユビテックスOB(チバガイギー社製、発光色:青色)、ユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート(シンロイヒ(株)、赤橙色)等を挙げることができる。
【0041】
また無機蛍光色素としては、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料を用いることができる。具体的には、ZnO:Zn、Br(PO)Cl:Eu、ZnGcO:Mn、YO:Eu、Y(P、V)O:Bu、YOSi:Eu、ZnGcO:Mn等、および主に赤外線を吸収し、アップコンバージョン発光する希土類元素含有微粒子を例示できる。
【0042】
このアップコンバージョン発光について、図4を用いて説明する。図4に例示したものは、希土類元素として、イッテルビウム(Yb)とエルビウム(Er)の2種類を用いた系であり、励起光として1000nmの赤外光を照射したものが示されている。まず、図4(a)に示すように、1000nmの励起光によりイッテルビウムが励起されて7/2からよりエネルギー準位の高い5/2に移動する。そして、このエネルギーが、エネルギー移動により、エルビウムのエネルギー準位を、15/2から11/2に押し上げる。そして、図4(b)に示すように、同様に1000nmの励起光によりイッテルビウムが励起され、このエネルギーがエネルギー移動により、さらにエルビウムのエネルギー準位を11/2から11/2に押し上げる。そして、図4(c)に示すように、上記励起されたエルビウムが基底状態に戻る際に、550nmの光を発光する。このように、1000nmの光で励起されたものが、よりエネルギーの高い550nmの光を発するような場合、すなわち励起光より高いエネルギーを発光するような場合をアップコンバージョン発光というのである。
【0043】
なお、似たような効果を有するものに二光子励起を起こすSiナノ粒子があるが、これは、二つの光子が同時に吸収された際にはじめて励起するものであり、上記アップコンバージョン発光とは原理的に異なるものである。また、この二光子励起は二つの光子が同時に存在する必要があることから発光効率が悪いのに対し、上記アップコンバージョン発光はそのような必要性がなく、二光子励起を起こすSiナノ粒子と比較すると極めて高い発光効率を有するものである。
【0044】
このアップコンバージョン発光する希土類元素としては、、一般的には3価のイオンとなる希土類元素を挙げることができ、中でもエルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素が好ましく用いられる。
【0045】
このようなアップコンバージョン発光する希土類元素の励起波長としては、例えば500nm〜2000nmの範囲内の波長であり、中でも700nm〜2000nmの範囲内、特に800nm〜1600nmの範囲内の波長であることが好ましい。
【0046】
本発明の好適態様に用いられる希土類元素は、上述したように所定の範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することが可能な希土類元素であれぱ特に限定されるものではない。また、希土類元素は、1種類で用いても、2種類以上同時に用いてもよい。なお、希土類元素を1種類で用いる場合のアップコンバージョン発光のメカニズムとして、Er3+ドープの材料を例として挙げて説明すると、励起光として970nmまたは1500nmの光を照射した場合、アップコンバージョン過程を経て、Er3+イオンのエネルギー準位において、410nm(9/215/2)、550nm(3/215/2)、660nm(9/215/2)などの可視光発光を示すといった例を挙げることができる。
【0047】
本発明の好適態様では、このようなアップコンバージョン発光を生じる希土類元素を用いることができるので、エネルギーの高い光、例えぱ紫外光等で励起する必要がない。そして発光の際の光の波長は、分析または検出の容易さから通常は可視光であることが好ましいので、アップコンバージョン発光の場合はこれより波長の長い赤外光などの光が励起光として用いられる。
【0048】
このように、本発明の希土類元素含有微粒子は、アップコンバージョン発光が可能な希土類元素を用いたものであるので、二光子励起と比較すると極めて発光効率が良好であり、かつ有機蛍光体を用いた場合と比較すると保存安定性等が良好なものである。また、アップコンバージョン発光する希土類元素は偽造しようとしても入手が困難であり、その組成により発光色が異なるので、任意のλを選択することが可能であり、蛍光色素F、F、・・・・の組合せのカスタマイズ性が高いことも特徴である。
【0049】
前述の希土類元素含有微粒子は、上記希土類元素をアップコンバージョン発光可能な状態で含有するものであれば、有機物、例えぱ錯体やデンドリマー等に希土類元素を含んだ状態で形成されたもの等であってもよく、特に限定されるものではない。しかしながら、通常、無機物の母材中に上記希土類元素が混入されて形成されたものであることが好ましい。上記希土類元素を発光可能な状態で含有させることが容易だからである。
【0050】
このような無機物の母材としては、励起光に対して透明性を有する材料が、発光効率の観点から好ましく、具体的には中でもフッ化物、塩化物等のハロゲン化物、酸化物、硫化物等が好適に用いられる。発光効率の観点からは、ハロゲン化物が好適に用いられる。このようなハロゲン化物としては、具体的には、塩化バリウム(BaCl)、塩化鉛(PbCl)、フッ化鉛(PbF)、フッ化カドミニウム(CdF)、フッ化ランタン(LaF)、フッ化イットリウム(YF)等を挙げることができ、中でも塩化バリウム(BaCl)、塩化鉛(PbC1)およぴフッ化イットリウム(YF)が好ましい。
【0051】
一方、水分等に安定な耐環境性の高い母材としては、酸化物を挙げることができる。このような酸化物としては、具体的には、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(Ta)等を挙げることができ、中でも酸化イットリウム(Y)が好ましい。
【0052】
なお、ハロゲン化物を微粒子の母材として用いた場合は、周囲に保護層を形成することが好ましい。すなわち、ハロゲン化物は一般的には水等に対して不安定であり、このような場合は、ハロゲン化物を母材とする微粒子の周囲に耐水性等を有する被覆材が形成されたものにするとよい。この場合の被覆材としては、上述したような酸化物を好適に用いることができる,
母材への希土類元素の導入方法としては、ハロゲン化物の場合、例えぱ塩化バリウム(BaCl)については、特開平9−208947号公報もしくは文献(”Efficient 1.5mm to Visible Upconversion in Er3+ Doped Halide Phoshors "Junichi Ohwaki, et al,P.1334-1337,JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS,Vol.31 part 2 No.3A,1March 1994)に記載の方法を挙げることができる。また、酸化物については、特開平7−3261号公報もしくは文献(”Green Upconversion Fluorescence in Er3+ Doped Ta205 Heated Ge1"Kazuo Kojima et al,Vo1.67(23),4 December 1995; "Relationship Between Optical Properties and Crystallinity of Nanometer Y2O3:Eu Phoshor"APPLIED PHYSICS LETTERS,Vo1.76,No.12,p,1549-1551,20 March 2000)に記載の方法を挙げることができる。
【0053】
本発明においては、上記母材中における希土類元素の導入量としては、希土類元素の種類や母材の種類、およぴ必要とされる発光の程度によって大幅に異なるものであり、種々の条件に応じて適宜決定されるものである。
【0054】
また、希土類元素含有微粒子の平均粒子径は好ましくは1nm〜500nm、より好ましくは1nm〜100nmが好ましく、さらに好ましくは1nm〜50nmである。平均粒子径が1nm未満の微粒子は合成が極めて困難であり好ましくない。
【0055】
上記希土類元素含有微粒子の製造方法としては、高周波プラズマ法を含むガス中蒸発法、スパッタリング法、ガラス結晶化法、化学析出法、逆ミセル法、ゾルーゲル法およびそれに類する方法、水熱合成法や共沈法を含む沈殿法またはスプレー法等を挙げることができる。
【0056】
(セキュリティ要素の好適態様)
本発明のセキュリティ要素は少なくとも基材と蛍光色素層を有する構成であり、基材と蛍光色素層との間には、一層以上の中間層を設けても良い。中間層は、接着層、バリアー層、発泡層、帯電防止層など、蛍光色素層と基材の間に設ける層全てを意味し、公知のものは、必要に応じていずれも使用できる。なお、基材表面の質感を隠蔽するための白色度向上のために、中間層に白色顔料を添加すると、セキュリティ要素の選択の自由度がさらに広がることとなる。白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクなどが好適に使用でき、また蛍光増白剤などを添加すると見た目の質感も向上できる。
【0057】
上記の中間層のうち接着層は、蛍光色素層の基材への接着を強くする効果をなすものである。特に、蛍光色素層を熱転写方式で転写して設ける場合、蛍光色素層の基材への接着を容易にする。この接着層を形成する接着剤としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱溶融性接着剤を使用することができる。接着層の厚さは、基材と接着層との接着性能が良好になるように決定されるが、通常は、乾燥状態で0.1〜20g/m(好ましくは0.5〜2.5g/m)が好ましい。
【0058】
本発明のセキュリティ要素は、基材上に蛍光色素層によって、固定(画像)情報として、会社、学校、団体等のマーク、ロゴ、商標等の画像情報や、会社名、学校名、団体名等の文字情報を形成することができる。
【0059】
また、セキュリティ要素は、基材上に蛍光色素層によって、可変(画像)情報として、ID(Identification、身分証明書)番号、個人名、生年月日、年令等を表わす文字や、バーコード等の文字情報、また顔写真等の画像情報を設けることができる。
【0060】
熱転写シート
次に、本発明の熱転写シートの好ましい実施の形態を挙げて、更に詳しく説明する。
【0061】
図5は本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。図5の熱転写シート6は、基材2上に、複数の異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層7を設けた構成である。また、基材2の他方の面に背面層8を設けている。
【0062】
図6は、本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2の一方の面に、離型層9を介して、異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層7を設けた構成である。また、基材2の他方の面に背面層8を設けている。
【0063】
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層について、説明する。
【0064】
(基材)
本発明の熱転写シートの基材としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材を、そのまま用いることができる共に、基材の表面に易接着処理のしてあるものやその他のものも使用することができ、特に制限はされない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、および、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども挙げられる。これらの基材の厚さは、その強度および耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更しているが、通常は、2〜100μm程度が好ましい。
【0065】
(熱溶融性インキ層)
本発明における熱転写シートの熱溶融性インキ層7は、単一の熱溶融性インキ層に異なる蛍光色素(F、F、・・・・、F、nは2以上の整数)を2種類以上含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発する。したがって、熱溶融性インキ層が例えば2層構成であれば、被転写体へ転写された状態の最上層、つまり熱転写シートの状態では、基材側の熱溶融性インキ層に異なる蛍光色素を2種類以上含有する。蛍光色素自体は前記に説明したセキュリティ要素における蛍光色素層に含有する蛍光色素と同様のものが使用できる。
【0066】
尚、先行技術として、特開2001−232955号公報には、基材シート上に紫外線を照射することにより可視光の波長域の光を発光するが可視光に対して無色である第1の蛍光発光顔料と色素材料を含む第1の熱溶融性インク層と、紫外線を照射することにより可視光の波長域の光を発光するが可視光に対して無色である該第1の蛍光発光顔料とは異なる第2の蛍光発光顔料と色素材料を含む第2の熱溶融性インク層を積層した溶融型熱転写インクリボンが記載されている。これはインク層1層には蛍光発光顔料が1種類含有させるものである。そして、蛍光色素Fを含む第1の熱溶融性インク層と、蛍光色素Fを含む第2の熱溶融性インク層を積層した熱転写インクリボンを用いて、被転写体へ1層のみ転写した場合、波長λの単一光を被転写体に照射して、1色の蛍光発色しか認められない。つまり、この熱転写インクリボンにより、被転写体へ2層転写した場合、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発するが、波長λの単一光を被転写体に照射して、波長λ及び波長λの2種の蛍光の双方を検出することは困難である。
【0067】
本発明では、単一の蛍光色素層(単一の熱溶融性インキ層)に、異なる蛍光色素を2種類以上含有させたものであり、波長λの単一光を被転写体に照射して、波長λ及び波長λ、波長λ等の2種以上の蛍光を同時に充分に識別できるようにした。この識別は人による目視だけではなく、例えば、λの光源と、λ、λのセンサーを組み合わせた真贋判定機構を有するセキュリティ装置を利用して、高度なセキュリティ機能をもたせることも可能である。
【0068】
また、本発明では、単一の蛍光色素層(単一の熱溶融性インキ層)に、異なる蛍光色素を2種類以上分散させて含有させることができるので、波長λ及び波長λ、波長λ等の2種以上の蛍光色が部分的に領域が区分されて発光するものでなく、それらの2種以上の蛍光色が細かく散りばった状態であり、偽造、変造することが困難であり、高度なセキュリティ性を有するものとすることができる。
【0069】
熱溶融性インキ層は、耐摩耗性、透明性、硬度等に優れたバインダー樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。また、アクリル系モノマー等の電離放射線照射により架橋硬化した樹脂等も用いることができる。
【0070】
また、これらの樹脂の転写時の膜切れ性を考慮して、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を、透明性を害さない程度に含有させてもよいし、画像の耐摩擦性、光沢等を向上させるために、滑剤等を含有させてもよい。
【0071】
また、熱溶融性インキ層には、上記のバインダー樹脂、蛍光色素の他に、バインダーとして、ワックス類を使用することができる。その代表的な例として、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等が挙げられ、更に、フィシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等種々のワックスを用いることができる。
【0072】
熱溶融性インキ層は、蛍光色素の熱溶融性インキ層中に、熱溶融性インキ層に対して、0.5〜20重量%程度の割合で含有させる。
【0073】
熱溶融性インキ層は塗工液を、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成することができる。熱溶融性インキ層の厚みは、乾燥状態で0.5〜10g/m程度である。
【0074】
本発明における熱転写シートは、基材上に剥離可能に熱溶融性インキ層を設けるが、基材上に離型層9を介して、熱溶融性インキ層を設けて、加熱により熱溶融性インキ層を基材からより剥離し易くすることができる。この離型層は熱転写の際に、基材から剥離せずに、基材側に残存する。
【0075】
(離型層)
熱転写シートにおいて、基材と熱溶融性インキ層の材質の組合せによっては熱転写の際の離型性が十分でない場合がある。このような場合、基材上に予め離型層を設けることができる。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の樹脂から1種乃至、2種以上を選択して用いることができ、2種以上を混合する場合は、適宜水溶性の樹脂を用いてもよい。そして、これらの樹脂を主成分とする塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成でき、塗膜の厚さは0.01〜2g/m程度で充分である。尚、離型層に使用する材料を選択する際に、注意しなければならない点としては、熱溶融性インキ層と適切な離型性を有することは勿論のことであるが、更に、熱溶融性インキ層との接着力よりも基材との接着力を高くすることが大切であり、もし基材との接着力が十分でない場合には、離型層ごと熱溶融性インキ層が転写される等の異常転写の原因となる。また、転写後の印画物において艶消しの表面外観が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、或いは、離型層側表面をマット処理した基材を使用することにより、熱溶融性インキ層を転写した印画物の表面をマット状にすることもできる。
【0076】
本発明における熱転写シートは、基材上に剥離可能に熱溶融性インキ層を設けるが、基材上に剥離層を介して、熱溶融性インキ層を設けて、加熱により熱溶融性インキ層を基材からより剥離し易くすることができる。この剥離層は熱転写の際に、基材から剥離可能なものである。
【0077】
(剥離層)
剥離層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン等、及びこれらの樹脂群の共重合体等を含有する塗工液を、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成することかできる。但し、剥離層には熱溶融性インキ層で説明した蛍光色素を含有させることができる。剥離層に異なる蛍光色素を2種以上含有させる場合は、熱溶融性インキ層に、異なる蛍光色素を2種類以上含有させる必要がなくなる。
【0078】
剥離層の厚みは、乾燥状態で0.01〜5g/m程度である。
【0079】
また、熱転写シートには、基材上に設けた熱溶融性インキ層の上に接着層を設けて、熱転写の際に被転写体との定着性を向上させることも可能である。この接着層は、加熱により接着性を発現する材料を選択することが好ましく、例えば、熱可塑性の合成樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックス等を用いて、上記の剥離層と同様の形成手段により、形成することができる。接着層の厚みは、0.01〜5g/m程度である。
【0080】
(背面層)
また、熱転写シートの基材に対し、その基材の熱溶融性インキ層の設けてある面と反対側の面に、サーマルヘッド等との粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするために、背面層を設けることが可能である。
【0081】
この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
【0082】
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
【0083】
背面層を形成する手段は、上記のごとき、樹脂に必要に応じて離型剤や滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分解させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。その背面層の塗工量は、乾燥状態で0.1〜10g/m程度である。
【0084】
中間転写記録媒体
次に、本発明の中間転写記録媒体の好ましい実施の形態を挙げて、更に詳しく説明する。
【0085】
図7は本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図である。図7の中間転写記録媒体10は、基材2上に、剥離層12、受容層11を順に設けた転写部13を剥離可能に設けた中間転写記録媒体10である。また、基材2の他方の面に背面層8を設けている。
【0086】
以下、本発明の中間転写記録媒体を構成する各層について、説明する。
【0087】
(基材)
中間転写記録媒体で使用する基材としては、少なくとも受容層を含む転写部を支持し、強度や耐熱性を有するものであれば、従来から中間転写記録媒体の基材として使用されているものを用いることができ、具体的には上記の熱転写シートの基材で挙げたような材料を同様に挙げることができる。
【0088】
基材の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜50μm程度のものが好ましく用いられる。
【0089】
(受容層)
受容層は、中間転写記録媒体を構成する転写部の一部として、表面に位置するように設けられる。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された中間転写記録媒体の転写部は、被転写体に転写され、その結果、印画物が形成される。
【0090】
このため、受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0091】
受容層が接着層を介して被転写体に転写される場合には、受容層自体の接着性は必ずしも要求されない。しかし、受容層が接着層を介さないで被転写体に転写される場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層を形成することが好ましい。
【0092】
本発明の中間転写記録媒体における転写部を構成する受容層には、セキュリティ要素における蛍光色素層で説明した蛍光色素を同様に含有させることができる。
【0093】
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10g/m程度である。
【0094】
また、本発明の中間転写記録媒体では、基材上に剥離層を介して、受容層を設け、また受容層上に接着層を設けることも可能である。この剥離層、接着層は、前記の熱転写シートで使用する剥離層、接着層と同様の材料及び形成方法が適用できる。
【0095】
上記の中間転写記録媒体で、基材上に、剥離可能に設ける転写部が剥離層と受容層、受容層と接着層等の構成である場合(転写部が受容層とその他の層から構成されている場合)に、受容層を除く転写部の単一層に予め、異なる蛍光色素(F、F、・・・・、F、nは2以上の整数)を2種類以上含有させ、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λの蛍光を発するもので、その単一層の塗工パターンにより固定情報を表わすことができる。上記の単一層に含有させる蛍光色素は、セキュリティ要素における蛍光色素層で説明した蛍光色素と同様のものが使用できる。
【0096】
セキュリティ要素の形成方法
本発明のセキュリティ要素の形成方法としては、前記に説明した熱転写シートを用いて、異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層を基材上に転写して、少なくとも基材と熱溶融性インキ層の蛍光色素層からなるセキュリティ要素を形成する方法がとすることができる。
【0097】
一方で、セキュリティ要素として、基材上に、従来から知られた各種印刷方式(フレキソ・グラビア印刷、活版印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等)で蛍光色素層を設けることも可能ではあるが、この場合は、一つの印刷版を作製して、複数単位で同じ絵柄の印刷を行なうことが一般的であり、実用上蛍光色素層は固定情報に限られやすい。
【0098】
それに対して、上記の異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層を基材上に転写して、蛍光色素層を形成する場合は、サーマルヘッド等の加熱手段に加えるエネルギーにおいて、固定情報に応じた印加エネルギーと、可変情報に応じた印加エネルギーとを使い分けることが簡単に出来る。
【0099】
また、本発明のセキュリティ要素の形成方法としては、前記に説明した中間転写記録媒体を用いて、受容層に対し、基材上に熱転写性色材層を有する熱転写シートから色材を転写して、画像形成し(色材層は昇華性染料を含有する染料層であっても、また熱溶融性インキ層であっても良い)、その後に、異なる蛍光色素を含有する転写部を基材上に転写することであってもよく、少なくとも基材と中間転写記録媒体からの転写部からなるセキュリティ要素を形成することができる。
【0100】
この場合、中間転写記録媒体の転写部の単一の受容層、あるいは受容層を除く転写部の単一層には異なる蛍光色素が含有されているので、2色以上の蛍光発色を有する情報部分(固定情報)と、熱転写による画像や文字情報を組み合わせることが可能となる。
【0101】
本発明のセキュリティ要素の形成方法において、熱転写シートの異なる蛍光色素を含有する熱溶融性インキ層を被転写体である基材に対して、熱転写して画像形成する際の、パターン加熱する手段は、サーマルヘッド加熱やレーザー光照射等の従来公知の熱転写を行う際の熱エネルギーの付与手段が使用できる。
【0102】
また、中間転写記録媒体を用いる場合の、受容層に熱転写画像を形成する場合の加熱する手段も、上記と同様の従来公知の熱転写を行う際の熱エネルギーの付与手段が使用できる。
【0103】
さらに、上記の画像形成された受容層を含む転写部を被転写体に転写する手段は、転写画像を形成する際のサーマルヘッドやラインヒーター、ヒートロールあるいはホットスタンプ等の方法が挙げられる。
【0104】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは重量基準である。
【0105】
実施例1−1
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)を基材として、その一方の面に下記組成の蛍光色素層用塗工液1を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥して、実施例1−1のセキュリティ要素を作製した。
【0106】
<蛍光色素層用塗工液1>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素1(C.I. Fluorescent90) 0.5部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
実施例1−2
実施例1−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液2に変更した他は、実施例1−1と同様にして実施例1−2のセキュリティ要素を作製した。
【0107】
<蛍光色素層用塗工液2>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素3(ルミコール#1000日本蛍光化学(株)製) 0.5部
蛍光色素4(シンロイヒカラー303、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
実施例1−3
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)を基材として、その一方の面に下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液を用いて、グラビアコーターを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、乾燥して、熱転写シートを作製した。尚、上記基材の熱溶融性インキ層を設ける側と反対面には、予め乾燥後の厚さが1g/mの背面層を形成しておいた。その熱転写シートを用いて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)上に、市販のラベルプリンターを用いて、印字を行なって、実施例1−3のセキュリティ要素を作製した。
【0108】
<熱溶融性インキ層用塗工液>
パラフィンワックス 70部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 10部
カルナバワックス 10部
蛍光色素1(C.I. Fluorescent90) 2部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 2部
溶剤 100部
実施例1−4
厚さ12μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製)を基材とし、その一方の面に予め乾燥後の厚さが1g/mになるように背面層を形成しておき、前記基材の背面層を形成した面と反対面側に、乾燥後の厚さ2g/mになるように接着層、乾燥後の厚さが5g/mになるように剥離層、乾燥後の厚さが3g/mになるように保護層、乾燥後の厚さが3g/mになるように受容層をそれぞれ下記組成のインキを使用し、この順に塗布して形成し、中間転写記録媒体を作製した。この場合、剥離層、保護層、受容層が転写部である。
【0109】
<接着層用インキ塗工液>
ポリエステル樹脂 20部
(東洋紡績(株)製、バイロン200)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80部
<剥離層用インキ塗工液>
シリコーン系樹脂インキ 50部
(信越化学工業(株)製、KS770A、固形分30重量%)
マイクロシリカ 7.5部
(平均粒径1μm)
トルエン 50部
<保護層用塗工液>
ポリメチルメタクリレート樹脂 20部
(三菱レーヨン(株)、BR−85)
メチルエチルケトン 80部
<受容層用塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 17.0部
(ユニオンカーバイト社製、VYHD)
蛍光色素1(C.I. Fluorescent90) 0.5部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
アミノ変性シリコーン 0.17部
(信越化学工業(株)製、KS−343)
エポキシ変性シリコーン 0.17部
(信越化学工業(株)製、KF−393)
メチルエチルケトン 82.6部
上記の中間転写記録媒体の受容層上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層が面順次に設けられた熱転写シートを用い、市販のビデオプリンターにて、画像を形成した。その後に、その画像形成された受容層面と、被転写体として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)とを合わせて、ヒートロール方式で、剥離層、保護層、受容層から構成された転写部を被転写体へ転写して、実施例1−4のセキュリティ要素を作製した。
【0110】
比較例1−1
実施例1−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液3に変更した他は、実施例1−1と同様にして比較例1−1のセキュリティ要素を作製した。
【0111】
<蛍光色素層用塗工液3>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
比較例1−2
実施例1−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液4に変更した他は、実施例1−1と同様にして比較例1−2のセキュリティ要素を作製した。
【0112】
<蛍光色素層用塗工液4>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素1(C.I. Fluorescent90) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
比較例1−3
まず、下記配合の蛍光色素層用塗工液5を実施例1−1と同様に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)の基材の一方の面に塗工液を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥した。
【0113】
<蛍光色素層用塗工液5>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素1(C.I. Fluorescent90) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
次に、下記配合の蛍光色素層用塗工液6を、上記の塗工済みPETフィルムの塗工された面の上に、塗工液を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥して、比較例1−3のセキュリティ要素を作製した。
【0114】
<蛍光色素層用塗工液6>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
上記の作製した実施例1−1、2及び比較例1−1、2、3の各セキュリティ要素を、蛍光分光光度計(FP)−6600、日本分光(株)製)を用いて蛍光スペクトルを測定した。
【0115】
その測定結果を下記の表1に示す。
【0116】
【表1】
Figure 0004276864
*1:蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し発光したもの
*2:蛍光色素3の発光を蛍光色素4が吸収し発光したもの
上表に示したとおり、実施例1−1においては用いた蛍光色素1、2それぞれの単独の吸収及び発光ピーク以外に、蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し、それによる発光が生じたことを示す吸収及び発光ピークが現れている(吸収ピーク395nm、発光ピーク506nm)。実施例1−2でも同様の発光ピークが現れている(吸収ピーク345nm、発光ピーク586nm)。
【0117】
表1で、実施例1−1においては、380〜395nm付近の波長光を照射すると、434nm及び506nmの2つの発光ピークが検出された。実施例1−2においても同様に、345nm付近の波長光を照射すると、522nm及び586nmの2つの発光ピークが検出された。これらの2つの発光ピークは、1種類の蛍光色素からは生じ得ないものである。そして、実施例1−1では、434nm及び506nmの2つの発光ピークの他に、450nmの波長光の吸収と508nmの発光ピークが検出された(蛍光色素2の由来)。
【0118】
また、実施例1−2では、522nm及び586nmの2つの発光ピークの他に、565nmの波長光の吸収と590nmの発光ピークが検出された(蛍光色素4の由来)。
【0119】
表1で、比較例1−3に示したように、実施例1−1で用いた2種の蛍光色素を1種類ずつの蛍光色素含有層で積層した場合は、蛍光色素1、2それぞれの単独色素の吸収及び発光ピークのみが検出されるのみで蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し、それによる発光が生じたことを示す吸収及び発光ピークは確認できなかった。
【0120】
また、上記の作製した実施例1−3、4のセキュリティ要素は、紫外線を照射すると、2種の異なる色の蛍光を発生し、また、それらの蛍光色が細かく散りばめられ、分散されているため、偽造、変造することが困難であり、高度なセキュリティ性を有するものであった。また、実施例1−4のセキュリティ要素は上記の2種の異なる色の蛍光と、イエロー、マゼンタ、シアンによるカラーの熱転写画像が形成され、有用なものであった。
【0121】
実施例2−1
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)を基材として、その一方の面に下記組成の蛍光色素層用塗工液1を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥して、実施例2−1のセキュリティ要素を作製した。
【0122】
Figure 0004276864
実施例2−2
実施例2−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液2に変更した他は、実施例2−1と同様にして実施例2−2のセキュリティ要素を作製した。
【0123】
Figure 0004276864
実施例2−3
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)を基材として、その一方の面に下記組成の熱溶融性インキ層用塗工液を用いて、グラビアコーターを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、乾燥して、熱転写シートを作製した。尚、上記基材の熱溶融性インキ層を設ける側と反対面には、予め乾燥後の厚さが1g/mの背面層を形成しておいた。その熱転写シートを用いて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)上に、市販のラベルプリンターを用いて、印字を行なって、実施例2−3のセキュリティ要素を作製した。
【0124】
Figure 0004276864
実施例2−4
厚さ12μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製)を基材とし、その一方の面に予め乾燥後の厚さが1g/mになるように背面層を形成しておき、前記基材の背面層を形成した面と反対面側に、乾燥後の厚さ2g/mになるように接着層、乾燥後の厚さが5g/mになるように剥離層、乾燥後の厚さが3g/mになるように保護層、乾燥後の厚さが3g/mになるように受容層をそれぞれ下記組成のインキを使用し、この順に塗布して形成し、中間転写記録媒体を作製した。この場合、剥離層、保護層、受容層が転写部である。
【0125】
Figure 0004276864
上記の中間転写記録媒体の受容層上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層が面順次に設けられた熱転写シートを用い、市販のビデオプリンターにて、画像を形成した。その後に、その画像形成された受容層面と、被転写体として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)とを合わせて、ヒートロール方式で、剥離層、保護層、受容層から構成された転写部を被転写体へ転写して、実施例2−4のセキュリティ要素を作製した。
【0126】
比較例2−1
実施例2−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液3に変更した他は、実施例2−1と同様にして比較例2−1のセキュリティ要素を作製した。
【0127】
<蛍光色素層用塗工液3>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
比較例2−2
実施例2−1のセキュリティ要素の作製条件の蛍光色素層用塗工液を下記組成の蛍光色素層用塗工液4に変更した他は、実施例2−1と同様にして比較例2−2のセキュリティ要素を作製した。
【0128】
Figure 0004276864
比較例2−3
まず、下記配合の蛍光色素層用塗工液5を実施例2−1と同様に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)の基材の一方の面に塗工液を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥した。
【0129】
Figure 0004276864
次に、下記配合の蛍光色素層用塗工液6を、上記の塗工済みPETフィルムの塗工された面の上に、塗工液を充分攪拌し、分散させて、ワイヤーバーを用いて、乾燥時5g/mの割合で塗工し、熱風オーブンで充分乾燥して、比較例2−3のセキュリティ要素を作製した。
【0130】
<蛍光色素層用塗工液6>
ポリエステル樹脂(バイロンRV200 東洋紡績(株)製) 30部
蛍光色素2(シンロイヒカラー305、シンロイヒ(株)製) 0.5部
トルエン 35部
メチルエチルケトン 35部
上記の作製した実施例2−1、2及び比較例2−1、2、3の各セキュリティ要素を、半導体レーザー(980nm)を用いて励起し、発光スペクトルを測定した。
【0131】
その測定結果を下記の表2に示す。
【0132】
【表2】
Figure 0004276864
*1:蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し発光したもの
*2:蛍光色素3の発光を蛍光色素4が吸収し発光したもの
上表に示したとおり、実施例2−1においては用いた蛍光色素1の単独の発光ピーク以外に、蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し、それによる発光が生じたことを示す発光ピークが現れている(発光ピーク506nm)。実施例2−2でも同様の発光ピークが現れている(発光ピーク586nm)。
【0133】
表2で、実施例2−1においては、980nmの波長光を照射すると、480nm及び506nmの2つの発光ピークが検出された。実施例2−2においても同様に、980nmの波長光を照射すると、550nm及び586nmの2つの発光ピークが検出された。これらの2つの発光ピークは、1種類の蛍光色素からは生じ得ないものである。
【0134】
表2で、比較例2−3に示したように、実施例2−1で用いた2種の蛍光色素を1種類ずつの蛍光色素含有層で積層した場合は、蛍光色素1は単独色の発光ピークのみが検出され、蛍光色素2では半導体レーザー(980nm)が励起光と成り得ないため、発光は確認されなかった。また、蛍光色素1と蛍光色素2を異なる層に積層した場合には、蛍光色素1の発光を蛍光色素2が吸収し、それによる発光が生じたことを示す発光ピークは確認できなかった。
【0135】
また、上記の作製した実施例2−3、4のセキュリティ要素は、半導体レーザー(980nm)光を照射すると、2種の異なる蛍光を発生し、偽造、変造することが困難であり、高度なセキュリティ性を有するものであった。また、実施例2−4のセキュリティ要素は上記の2種の異なる色の蛍光と、イエロー、マゼンタ、シアンによるカラーの熱転写画像が形成され、有用なものであった。
【0136】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のセキュリティ要素は、波長λの単一光をセキュリティ要素に照射することで、波長λ及び波長λ、波長λ等の2種以上の異なる色の蛍光を同時に発生し、またそれらの蛍光色が細かく散りばめられ、分散されているものとできるため、偽造、変造することが困難であり、高度なセキュリティ性を有する物が提供できる。また、本発明の好適態様においては、通常の可視光線下では蛍光色を視認することができないが、可視光線以外の紫外光または赤外光を照射することによって、2色以上の蛍光色を視認することができる高度なセキュリティ性を有する物が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセキュリティ要素である一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明のセキュリティ要素である他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明のセキュリティ要素である他の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】アップコンバージョン発光の説明図である。
【図5】本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 セキュリティ要素
2 基材
3 蛍光色素層
4 蛍光色素層である固定情報
4’蛍光色素層ではない固定情報
5 蛍光色素層である可変情報
6 熱転写シート
7 熱溶融性インキ層
8 背面層
9 離型層
10 中間転写記録媒体
11 受容層
12 剥離層
13 転写部

Claims (17)

  1. 少なくとも基材と前記基材上に設けた蛍光色素層を有するセキュリティ要素であって、
    前記蛍光色素層がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発する、セキュリティ要素。
  2. 蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものである、請求項1に記載のセキュリティ要素。
  3. 蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光する、請求項1に記載のセキュリティ要素。
  4. 前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含む、請求項3に記載のセキュリティ要素。
  5. 蛍光色素による固定画像情報または可変画像情報を設けた、請求項1に記載のセキュリティ要素。
  6. 少なくとも基材と前記基材上に設けた熱溶融性インキ層を有する熱転写シートであって、
    前記熱溶融性インキ層がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発する、熱転写シート。
  7. 蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものである、請求項6に記載の熱転写シート。
  8. 蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光する、請求項6に記載の熱転写シート。
  9. 前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含む、請求項8に記載の熱転写シート。
  10. 蛍光色素による固定画像情報または可変画像情報を設けた、請求項6に記載の熱転写シート。
  11. 少なくとも基材と前記基材上に設けた受容層を含む転写部を有し、前記転写部が前記基材に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体であって、
    前記受容層または受容層以外の転写部がN種類の蛍光色素F(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数である)を同一層内に含有し、蛍光色素Fは波長λの光を吸収して、波長λn+1の蛍光を発する、中間転写記録媒体。
  12. 蛍光色素Fが、可視光下で実質的に白色または無色であり、紫外線または赤外線を吸収して蛍光を発するものである、請求項11に記載の中間転写記録媒体。
  13. 蛍光色素Fが、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光により励起されてアップコンバージョン発光する、請求項11に記載の中間転写記録媒体。
  14. 前記アップコンバージョン発光する蛍光色素Fが、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロビウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の希土類元素を含む、請求項13に記載の中間転写記録媒体。
  15. 蛍光色素による固定画像情報または可変画像情報を設けた、請求項11に記載の中間転写記録媒体。
  16. 請求項6に記載の熱転写シートの前記熱溶融性インキ層を基材上に転写する工程を含む、少なくとも前記基材と前記基材上に設けられた蛍光色素を含む熱溶融性インキ層を有するセキュリティ要素の形成方法。
  17. 請求項11に記載の中間転写記録媒体の受容層に対し色材を転写する工程、および前記色材を転写された前記受容層を有する前記転写部を基材上に転写する工程を含む、少なくとも前記基材と前記基材上に設けた前記転写部を有するセキュリティ要素の形成方法。
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