JP6217079B2 - カード状印画物 - Google Patents
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このような課題は、上記の特許文献で示したような技術を利用したカードでは、解決することは困難であった。
これにより、その蛍光を発光する印刷部と、その印刷部の隣接部との間のコントラストが高く、視認性に優れ、また印画物を製造する上で、支障が生じない。
また、本発明は前記紫外線吸収層が、所定のパターン形状を有することにより、紫外線吸収層の有していない箇所で、白色基材からの蛍光の発光が生じ、また蛍光発光印刷部からの蛍光発色が生じ、両者の蛍光発光が生じて、カード状印画物の偽造防止性が非常に高いものとなる。
また、本発明は前記白色基材の紫外線照射により蛍光発光する波長と、前記蛍光を発光する印刷部の紫外線照射により蛍光発光する波長が、異なっていることにより、白色基材と、蛍光を発光する印刷部とから発光する蛍光の色が異なっているので、そのカード状印画物を偽造、変造することが困難であり、つまり偽造防止性が非常に高いものとなる。
また本発明は前記白色基材と染料受像層との間に、活性放射線硬化樹脂を主成分に含有するクッション層を有することを特徴とするカード状印画物の構成とした。これにより、染料の熱転写画像及び蛍光を発光する印刷部の鮮明性が向上したカード状印画物が得られた。
図1は本発明のカード状印画物1の一つの実施形態を示し、紫外線照射により蛍光発光する白色基材2上に、紫外線吸収層3、染料受像層4を順に積層し、その染料受像層4の上に、全面ではなく、部分的に熱転写画像5が形成されている。また、その染料受像層4の上に、蛍光発光印刷部6が設けられている。図1では熱転写画像5と、蛍光発光印刷部6が重なっていないが、両者が部分的に重なっていてもよい。そして、紫外線吸収層3は、少なくとも蛍光発光する印刷部6の下の位置している。図1では、紫外線吸収層3が白色基材の全面に設けられているが、少なくとも蛍光発光する印刷部6の下で、その印刷部6と同一形状に設けられていてもよい。
(白色基材)
カード状印画物の白色基材2は、紫外線照射により蛍光発光性を有する基材であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン(登録商標)6、ナイロン(登録商標)6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。白色基材の厚みは、30〜800μm、好ましくは50〜800μmである。
紫外線吸収層3は、バインダー中に紫外線吸収剤が添加されて形成され、他の添加剤として、界面活性剤、帯電防止剤、光安定化剤、酸化防止剤等を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、公知の化合物を使用することができ、具体的にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系のものが挙げられ、例えばTinuvin P、Tinuvin 123、234、320、326、327、328、312、315、384、400(チバガイギー社製)、Sumisorb−110、130、140、200、250、300、320、340、350、400(住友化学工業(株)製)、MarkLa−32、36、1413(アデカア−ガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。また、ベンゾフェノン誘導体等を側鎖に持つペンダントポリマーも好ましく用いられる。また、紫外線領域に吸収を持つ無機微粒子、超微粒子金属酸化物粉末分散剤等も使用することができる。無機微粒子としては酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ素化合物等が挙げられる。超微粒子金属酸化物粉末分散剤としては、超微粒子酸化亜鉛粉末、超微粒子酸化チタン粉末、等を水又はアルコール混合液又は各種油性分散媒体と、界面活性剤や水溶性高分子や溶剤可溶性高分子等の分散剤を用いて作られたものが挙げられる。
紫外線吸収層は、少なくとも蛍光発光する印刷部の下の位置に有する条件を満足するものである。これは、白色基材自体が蛍光発光性を有するので、蛍光発光する印刷部と、その印刷部の下の白色基材との両者から、蛍光発光が生じる場合、蛍光発光する印刷部と、その印刷部の隣接部との間のコントラストが低くなり、視認性が悪くなることを防止するため、少なくとも蛍光発光する印刷部の下の位置に、紫外線吸収層を存在させるものである。
白色基材上の紫外線吸収層の上に、染料受像層4が設けられる。その染料受像層、すなわち画像を受容しうる層を形成する材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のような高分子材料が用いられる。また、画像を形成する方法としては、熱転写であることが好ましく、熱転写画像を形成する方法としては、サーマルヘッドにより書き込む方法、あるいは、既に書き込んだ画像シートから熱転写により画像を転写する方法、熱現像により得られた写真画像等いずれであってもよい。
熱転写により形成される画像情報としては、写真画像のような階調画像であることが好ましく、特に昇華型熱転写色素により形成された階調画像であることが好ましい。これら昇華型熱転写色素は、画像を受容しうる層においてキレートを形成しうるポストキレート型色素であることが好ましい。
一般式 X1−N=N−X2−G
但し、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子群を表し、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。
X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表す。Gはキレート化基を表す。
キレート化可能な金属イオン含有化合物としては、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩及び錯体が好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl,Co,Cr,Cu,Fe,Mg,Mn,Mo,Ni,Sn,Ti及びZnが好ましく、特にNi,Cu,Cr,Co及びZnが好ましい。金属イオン含有化合物(メタルソース)の具体例としては、Ni2+,Cu2+,Cr2+,Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或いは安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
一般式 [M(Q1)x(Q2)y(Q3)Z]p+ p(L-)
ただし、上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+,Cu2+,Cr2+,Co2+,Zn2+を表す。Q1,Q2,Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えばキレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等を挙げることができる。xは1、2又は3の整数を表し、yは1、2又は0を表し、zは1又は0を表すが、これらは上記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、或いはQ1,Q2,Q3の配位子の数によって決定される。pは1又は2を表す。この種のメタルソースの具体例は米国特許第4,987,049号明細書に例示されたものを挙げることができる。
染料受像層は、上記の高分子材料、金属イオン含有化合物の他に、添加剤としては、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)などを添加してもよい。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを挙げることができる。
染料受像層の形成方法は、リバースコート法、ロールコート法、グラビアコート法、押出法、ダイコーター法などの各種塗工方法を用いることができる。染料受像層の塗工量は、但し染料受像層を塗工して固化後の塗工量で、0.10〜20g/m2であり、好ましくは0.20〜5.0g/m2である。
カード状印画物における染料受像層の上に、紫外線照射により蛍光発光する印刷部である蛍光発光印刷部6を有する構成である。ただし、上記の紫外線吸収層は、少なくとも蛍光発光印刷部の下の位置に有する条件を満足する。蛍光発光印刷部は、バインダーに蛍光顔料又は蛍光染料を加えたインキで、印刷形成することができる。その使用する蛍光顔料又は蛍光染料は、太陽光、電灯光、紫外線などにより刺激されてエネルギーを吸収し、刺激中にそのエネルギーを光に変えて発光(蛍光)する性質を有するものである。蛍光顔料は、主に無機系の蛍光体材料であり、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料である。これら無機系の蛍光体材料の具体的化合物としては、例えば、タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム等の酸化物系、或いは硫化カルシウム・ビスマス、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛・銅、硫化亜鉛・金・アルミニウム等の複合硫化物系、酸化亜鉛・亜鉛、バナジウム酸イットリウム・ユーロピウム、酸化イットリウム・ユーロピウム、硫酸化イットリウム・ユーロピウム、硫酸化イットリウム・テルビウム、硫酸化ガドリニウム・テルビウム、硫酸化ランタン・テルビウム、酸臭化ランタン・テルビウム等の複合酸化物系等の蛍光体材料が挙げられる。
カード状印画物の白色基材と染料受像層との間に、クッション層7を設ける。このクッション層は、白色基材と染料受像層との接着性を高める接着層として、また染料受像層に金属イオン含有化合物を含む場合は、その金属イオン含有化合物が白色基材側に拡散(移行)することを防止する、またその金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素が、染料受像層から白色基材側に拡散(移行)することを防止し、カード状印画物における熱転写画像の滲みなどを防止する層として、また硬い材質で構成することが多い白色基材の上の染料受像層に、熱転写画像を形成する際、受像シートとサーマルヘッドとの接触を良くして、熱転写画像の画質を高めるために、クッション性を有する層として、各種の機能をもたせることができる。クッション層は、単層で設ける、あるいは上記の機能を分担するように、複数層で構成することもできる。またクッション層に、前記紫外線吸収剤を含有させて、前記の紫外線吸収層を兼ねる構成にすることもできる。
カード状印画物の染料受像層の上に、樹脂層を設けることで、熱転写時の熱転写シートの染料層との融着を防止する、あるいは転写した色素の逆転写を防止することができる。その樹脂層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチル等のオレフィン系樹脂、及びそれらの変成物を含有して形成することができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体、変性ポリプロピレン等を挙げることができる。
ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とはいずれかのみを使用してもよいし、またポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを混用してもよい。上記ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、その一部がウレタン変性されていてもよい。
樹脂層の塗工量は、但し樹脂層を塗工して固化後の塗工量で、0.03〜3g/m2であり、好ましくは0.10〜2g/m2である。樹脂層の形成方法は、上記のクッション層で説明した場合と同様である。
カード状印画物は、染料受像層あるいは樹脂層の上に、部分的に絵柄層を設けることが可能であり、その絵柄層は例えば、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで設けることができる。また、絵柄層は、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにより形成することができる。
カード状印画物の熱転写画像、蛍光発光印刷部の設けられた側の最表面に、各種の耐久性を高めるために、保護層を設けることができる。この保護層は、カード状印画物の熱転写画像及び蛍光発光印刷部が形成された後に、保護層用塗工液を用いて塗工して形成できる。また、基材上に保護層を設けた保護層転写シートを用いて、カード状印画物の表面に、保護層を熱転写して形成することができる。
(参考実施例1)
紫外線照射により蛍光発光する白色基材として、厚さ188μmの白色のポリエチレンテレフタレートフィルム(ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤含有)を用い、該基材の一方の面へ、グラビア印刷で、下記組成の紫外線吸収層形成用塗工液で、塗工量が(但し紫外線吸収層を塗工して固化後の塗工量で)、5.0g/m2になるように塗工し乾燥して、紫外線吸収層を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂 8部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
紫外線吸収剤 1部
(BASFジャパン(株)製:TINUVIN P)
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
<染料受像層形成用塗工液>
ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
金属イオン含有化合物(下記の化学式1で示すメタルソース) 4.0部
メチルエチルケトン 80部
酢酸n−ブチル 10部
参考実施例1で使用した紫外線照射により蛍光発光する白色基材の一方の面へ、グラビア印刷で、下記組成のクッション層形成用塗工液で、塗工量が(但しクッション層を塗工して固化後の塗工量で)、8.0g/m2になるように塗工し乾燥して、活性放射線硬化樹脂を主成分に含有するクッション層を形成した。但し、塗工後の活性放射線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行なった。
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA−160TM)
50部
アクリル酸エステルポリマー(新中村化学社製:バナレジンGH−5270)
30部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA1280T)
18部
2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製:イルガキュアー127) 2部
メチルエチルケトン 100部
背面に耐熱スリップ層(厚み1μm)を有し、かつ表面にプライマー処理されている厚さ6μmのPETフィルム(東レ製、商品名ルミラー)を支持体として、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの染料層をグラビア法により面順次に繰り返し塗工して、インクリボンを作製、用意した。
Y:下記の化学式で表される色素Y−1 3.0部
ポリビニルブチラール 5.5部
(電気化学工業(株)製 デンカブチラールKY−24)
エポキシ変性アクリル樹脂 1.0部
(東亜合成化学(株)製 レゼタGP−305)
ウレタン変性シリコーンオイル 0.5部
(大日精化工業(株)製 ダイアロマーSP2105)
メチルエチルケトン 80部
トルエン 10部
上記イエロー染料層形成用塗工液組成の色素を、下記の化学式で表されるM−1にしたもの
上記イエロー染料層形成用塗工液組成の色素を、下記の化学式で表されるC−1にしたもの
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、その一方の面に、下記組成で剥離層を塗工量が(但し剥離層を塗工して固化後の塗工量で)、0.3g/m2になるように、グラビア印刷で形成した。
アクリル樹脂 20部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 10部
メチルエチルケトン 35部
トルエン 35部
<蛍光発光印刷層形成用塗工液>
蛍光ピンク顔料エマルジョン 40部
(シンロイヒ・カラーベースSP−17、固形分40%)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン 15部
(中京油脂社製、レゼムEV3、固形分30%)
カルナバワックスエマルジョン(コニシ社製、固形分40%) 35部
パラフインワックスエマルジョン(コニシ社製、固形分40%) 20部
界面活性剤(旭硝子社製、サーフロンS132) 0.13部
50%イソプロパノール水溶液 30部
参考実施例1で使用した紫外線照射により蛍光発光する白色基材の一方の面へ、参考実施例1で使用した紫外線吸収層形成用塗工液で、グラビア印刷で、塗工量が(但し紫外線吸収層を塗工して固化後の塗工量で)、5.0g/m2になるように塗工し乾燥して、紫外線吸収層を形成した。さらに、その紫外線吸収層の上に、グラビア印刷で、実施例2で使用したクッション層形成用塗工液で、塗工量が(但しクッション層を塗工して固化後の塗工量で)、8.0g/m2になるように塗工し乾燥して、クッション層を形成した。但し、塗工後の活性放射線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行なった。
また、下記条件の基材上に熱溶融性着色層を設けたインクリボンを用いて、個人情報記録部を、染料受容層の上に、熱転写により形成した。さらに、この熱転写画像、蛍光発光印刷部、個人情報記録部が形成されたカード全面を覆うように、特願2011−216440の実施例で記載された保護層の転写箔を用いて、保護層を転写して形成し、参考実施例3のカード状印画物を作製した。(図3(1)、(2)のカード状印画物の構成を参照)
カルナバワックス 1部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
(三井デュポンケミカル社製:EV40Y)
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:タマノル521) 5部
メチルエチルケトン 90部
参考実施例1で使用した紫外線照射により蛍光発光する白色基材の一方の面へ、参考実施例1で使用した紫外線吸収層形成用塗工液で、グラビア印刷で、図3(3)に示す碁盤目状のパターンで、塗工量が(但し紫外線吸収層を塗工して固化後の塗工量で)、5.0g/m2になるように塗工し乾燥して、紫外線吸収層を形成した。さらに、その紫外線吸収層の上及び白色基材の上で、カード全面を覆うように、グラビア印刷で、実施例2で使用したクッション層形成用塗工液で、塗工量が(但しクッション層を塗工して固化後の塗工量で)、8.0g/m2になるように塗工し乾燥して、クッション層を形成した。但し、塗工後の活性放射線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行なった。
実施例4で得られたカード状印画物は、紫外線吸収層の有していない箇所で、白色基材からの蛍光発光が生じ、蛍光発光印刷部からの蛍光発色のピンク色相と、白色基材からの蛍光発光の青白の色相が異なり、かつ蛍光発光のパターンが単一ではなく、複数パターンを組み合わせているので、カード状印画物の偽造防止性が非常に高いものであった。さらに、実施例4で得られたカード状印画物は、熱転写画像と蛍光発光印刷部、蛍光発光印刷部と個人情報記録部が、カード状印画物の熱転写画像面の垂直方向に対して、部分的に重なっているので、カード状印画物の偽造防止性がより高いものであった。
2 白色基材
3 紫外線吸収層
4 染料受像層
5 熱転写画像
6 蛍光発光印刷部(蛍光を発光する印刷部)
7 クッション層
8 個人情報記録部
9 保護層
Claims (3)
- 紫外線照射により蛍光を発光する白色基材上に、紫外線吸収層、染料受像層を順に有し、前記染料受像層は熱転写画像を有し、かつ前記染料受像層の上に、紫外線照射により蛍光を発光する蛍光発光印刷部を有し、前記紫外線吸収層は所定のパターン形状を有し、かつ少なくとも前記蛍光発光印刷部の下の位置に有し、
前記白色基材の紫外線照射により蛍光発光する波長と、前記蛍光発光印刷部の紫外線照射により蛍光発光する波長が、異なっていることを特徴とするカード状印画物。 - 前記白色基材と染料受像層との間に、活性放射線硬化樹脂を主成分に含有するクッション層を有することを特徴とする請求項1に記載のカード状印画物。
- 前記熱転写画像と前記蛍光発光印刷部とが、カード状印画物の熱転写画像面の垂直方向に対して、部分的に重なっていることを特徴とする請求項1または2に記載のカード状印画物。
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