JP6094113B2 - 受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に、少なくとも中間層、受像層、樹脂層を順に設けた受像シートに関わるものである。
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。この熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。その熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融性着色層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段により、画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段により、画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シートに必要に応じて染料受容層を設けてなる熱転写受像シート上に、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色相の染料層を有する熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
このような熱転写方式の具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途、そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。
上記の多くの用途の中で、例えばカード類などで、基材がプラスチックシートのような硬い材質を用いた場合、そのカード類の製造工程上で、プリンターや印刷装置に設置している各種ローラー等と接触して、カード表面にキズが発生しやすい現象がある。その表面のキズは、熱転写画像を有したカードの印画物では重大な欠陥となってしまう。それに対して、基材表面を硬くする、あるいはカード表面に印刷するインキの物性で、耐擦傷性を有するように、インキ皮膜強度を高めるなどの対策が講じられてきた。(特許文献1、2参照)
それに対し、各種カードは、そのサイズが規格化されているものが多く、カードの厚さも規定されている。そしてカードの総厚に対して、カード基材自体の厚さの占める割合が高く、カード基材上の表面層、絵柄層は、ともに厚さが制限された条件となっている。したがって、その表面層、絵柄層の厚さが薄いので、それらの層自体の皮膜強度を高めても、上記のカード表面のキズ発生の防止性は、あまり効果が発揮できないものであった。
カード類のような受像シートにおいて、硬い基材上に、設ける全ての層が耐擦傷性を有する機能をもつようにすれば、耐擦傷性に関しては良好な結果が得られるが、カード上に、熱転写による画像を形成した場合、画像の鮮明性が低く、また画像濃度も低い等の画質低下の問題が生じやすい。
上記の受像シート表面の耐擦傷性を評価する場合、その受像シート表面で、テープを接着して、そのテープを剥離する際の剥離性を調べる、いわゆるテープ剥離評価が知られている。このテープ剥離評価は、簡便な方法であり、多数の位置で測定できる利点があるが、その評価する環境における温度と湿度、またテープ種類、測定方法を統一させても、その評価する毎に、テープ剥離の剥離角度や、テープを受像シート表面に接着する際の加圧条件等により、剥離評価の結果にばらつきが生じる問題がある。このように、受像シート表面の耐擦傷性を正確に評価することが困難であった。
特開2000−280428号公報 特開2007−293414号公報
したがって、上記の課題を解決するために本発明の目的は、基材上に、少なくとも中間層、受像層、樹脂層を順に設けた受像シートにおいて、その受像シート表面の耐擦傷性が高く、またその受像層に形成される熱転写画像の品質が高い受像シートを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材上に、少なくとも中間層、受像層、樹脂層を順に設けた受像シートであって、前記樹脂層の厚さが0.4〜2μmで、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した前記樹脂層の表面強度が3×104N/m2以上10×104N/m2以下であり、前記中間層が、活性放射線硬化樹脂として、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤である2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを含む活性放射線硬化性化合物を含有する組成物が硬化した樹脂を含有するクッション層を含むことを特徴とする受像シートの構成とした。
これにより、受像シート表面の耐擦傷性を評価する際、評価結果が安定して、受像シート表面の耐擦傷性が高く、また受像層に形成される熱転写画像の品質が高いものが得られた。
また、上記の発明により、クッション層は耐熱性を有し、また熱転写記録時の加熱の際に、適度な柔軟性をもち、サーマルヘッドと受像シートとの接触がスムーズになり、得られる熱転写画像がより高品質なものとなる。
また、本発明は、前記中間層が、水溶性樹脂を含有するバリア層を含むことを特徴とする受像シートの構成とした。これにより、受像シートに形成された熱転写画像の滲みを防止でき、より高品質な画像が得られる。
本発明は、前記樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする受像シートの構成とした。これにより、熱転写時の受像シートと熱転写シートの染料層との融着を防止する、あるいは転写した色素の逆転写を防止することができる。
本発明は、前記受像層が、金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする受像シートの構成とした。これにより、熱転写画像の色再現性に優れ、また熱転写画像の退色、にじみのない保存性に優れた印画物が得られる。
本発明によれば、受像シート表面の耐擦傷性が高く、またその受像層に形成される熱転写画像の品質が高い受像シートが得られる。
本発明の受像シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の受像シートの他の実施形態を示す概略断面図である。 針(圧子)により、試料に荷重(W)を加えて押し付けながらスクラッチした時に、試料の界面に作用するずり応力Fを説明する概略図である。 マイクロスクラッチ試験法を説明する概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の受像シート1の一つの実施形態を示し、図1(1)では、基材2上に、中間層3、受像層4、樹脂層5を順に積層し、その樹脂層5の上に、全面ではなく、部分的に絵柄層6を設けた構成である。また図1(2)では、基材2上に、中間層3、受像層4、樹脂層5を順に積層した構成の受像シートであり、図1(2)は図1(1)で示した受像シートの絵柄層のみ除いた構成であり、他の部分は図1(1)の受像シートと同様である。また、図2は本発明の受像シート1の他の実施形態を示し、基材2上に、クッション層7、バリア層8、受像層4、樹脂層5を順に積層し、その樹脂層5の上に、部分的に絵柄層6を設けた構成である。この受像シート1では、クッション層7とバリア層8が、中間層に相当する。この図2で示した受像シートで、図1(2)で示したように、絵柄層を除いた構成にすることができる。図1、2に示した受像シートの構成に限らずに、基材2の受像層側でない面に、裏面層を設けて、プリンターにおける受像シートの搬送性の向上などの機能をもたせることができる。また基材と中間層との間に、接着層を設けることも可能である。
以下、受像シートの構成する要素(層)について、詳細に説明する。
(基材)
受像シートを構成する基材2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体、或いはこれら2種以上を貼り合わせた積層体が挙げられる。基材の厚みは、30〜300μm、好ましくは50〜200μmである。
(中間層)
受像シートの基材と受像層との間に、中間層3を設ける。この中間層3は、基材と受像層との接着性を高める接着層として、また受像層に金属イオン含有化合物を含む場合は、その金属イオン含有化合物が基材側に拡散(移行)することを防止する、またその金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素が、受像層から基材側に拡散(移行)することを防止し、受像シートにおける熱転写画像の滲みなどを防止するバリア層として、また硬い材質で構成することが多い基材の上の受像層に、熱転写画像を形成する際、受像シートとサーマルヘッドとの接触を良くして、熱転写画像の画質を高めるために、クッション性を有するクッション層として、各種の機能をもたせることができる。中間層は、単層で設ける、あるいは上記の機能を分担するように、複数層で構成することもできる。
クッション層を中間層で使用する場合、クッション層は、活性放射線硬化樹脂を含有することが好ましい。上記の活性放射線硬化樹脂とは、活性放射線硬化性化合物を含有する組成物が硬化した樹脂を意味する。上記の活性放射線硬化樹脂は、軟質の樹脂であり、すなわち、基材よりも引張弾性率が低く、活性放射線硬化樹脂からなるクッション層における引張弾性率(ASTM D790)が196〜1960N/mm2であるものが好ましい。このクッション層は、基材上に塗工あるいは貼合されて、形成されることが好ましい。クッション層の厚みは、乾燥時で3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μm、更に好ましくは5〜20μmである。塗工する場合、リバースコート法、ロールコート法、グラビアコート法、押出法、ダイコーター法などの各種方法を用いることができる。
活性放射線硬化性樹脂は、付加重合性または開環重合性を有する化合物を含有する組成物の活性放射線、例えば紫外線(UV)、電子線(EB)などの照射により硬化する樹脂である。尚、活性放射線は、活性放射線硬化性樹脂に対して、化学的に作用させて重合を促進させる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線などを意味する。上記の付加重合性化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号等の各号公報明細書に記載されている光重合性化合物などが挙げられる。また、付加重合性化合物として、カチオン重合系の光硬化性化合物が知られており、可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性化合物でもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。活性放射線硬化性樹脂がラジカル重合性化合物を含有する組成物から得られる場合には、ラジカル重合開始剤を併用する。その重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01から30質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
上記のラジカル重合開始剤、さらに光カチオン重合開始剤を含む光重合開始剤が使用でき、例えば、イルガキュアー127、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー907、イルガキュアー369(以上、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製);カヤキュアーDETX、カヤキュアーITX(以上、日本化薬社製);ベンゾフェノン、アセトフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等であり、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明ではラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤の組み合わせで使用することが好ましく、さらにラジカル重合開始剤として、α−ヒドロキシアセトフェノン系の光重合開始剤であるイルガキュアー127(2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)が、反応性に優れていて、また皮膜強度が高く、特に好ましい。また、光硬化開始剤とともに、増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪族アミン、芳香族アミンを併用してもよい。
発明の受像シートの構成である、基材/クッション層/受像層/樹脂層(/絵柄層)における最表面の樹脂層、あるいは絵柄層のJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した表面強度を上記の範囲に治めるには、上記のクッション層が、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した表面強度で、0.06×104N/m2以上0.6×104N/m2以下であるようにすることが好ましい。但し、このクッション層の表面強度の測定条件は、基材上に、クッション層のみ積層した試料で測定したものである。上記の表面強度の測定方法は以下の絵柄層の説明で詳細に述べた通りである。
クッション層の表面強度が、上記範囲よりも小さいと、受像シートの最終形態での耐擦傷性が低下しやすい傾向がある。また、その表面強度が、上記範囲よりも大きいと、熱転写画像の品質が低下しやすい傾向がある。
バリア層を中間層で使用する場合、バリア層は、材質としては例えばゼラチン、カゼインなどの親水性バインダー、Tgの高いポリマーなどが挙げられる。その親水性バインダーは水溶性樹脂が挙げられる。水溶性樹脂は少なくとも水中に1質量%可溶なものを言い、好ましくは2質量%以上可溶なものである。水中への溶解は必ずしも室温でなされる必要はなく、常圧、0〜100℃の範囲で1質量%以上可溶な樹脂を用いる。水溶性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルホルマール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ナイロン、ポリアクリル酸、水溶性ポリウレタン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。又、これらの樹脂を構成するモノマー成分の共重合体も用いることができる。バリア層の形成方法は上記で説明したクッション層の場合と同様であり、バリア層の厚みは、乾燥時で0.5〜20μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。尚、バリア層においても、クッション層で説明した表面強度の範囲に納めることが、上記と同じ理由で好ましい。
(受像層)
基材上に設けた中間層の上に、受像層4が設けられる。受像層、すなわち画像を受容しうる層を形成する材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のような高分子材料が用いられる。また、画像を形成する方法としては、熱転写であることが好ましく、熱転写画像を形成する方法としては、サーマルヘッドにより書き込む方法、あるいは、既に書き込んだ画像シートから熱転写により画像を転写する方法、熱現像により得られた写真画像等いずれであってもよい。
熱転写により形成される画像情報としては、写真画像のような階調画像であることが好ましく、特に昇華型熱転写色素により形成された階調画像であることが好ましい。これら昇華型熱転写色素は、画像を受容しうる層においてキレートを形成しうるポストキレート型色素であることが好ましい。
このようなキレート形成可能なポストキレート型色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、特願平2−213303号、同2−214719号、同2−203742号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
キレートの形成可能な好ましいポストキレート型色素は、下記一般式で表すことができる。
一般式 X1−N=N−X2−G

但し、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子群を表し、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。
2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表す。Gはキレート化基を表す。
受像層中には、熱転写されたポストキレート型色素とキレート化することが可能な金属イオン含有化合物が含有されていることが好ましい。
キレート化可能な金属イオン含有化合物としては、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩及び錯体が好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl,Co,Cr,Cu,Fe,Mg,Mn,Mo,Ni,Sn,Ti及びZnが好ましく、特にNi,Cu,Cr,Co及びZnが好ましい。金属イオン含有化合物(メタルソース)の具体例としては、Ni2+,Cu2+,Cr2+,Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或いは安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
また、下記一般式で表される錯体が、受像層中に安定に添加でき、且つ実質的に無色であるために、特に好ましく用いることができる。
一般式 [M(Q1x(Q2y(Q3Zp+ p(L-
ただし、上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+,Cu2+,Cr2+,Co2+,Zn2+を表す。Q1,Q2,Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていても良い。これらの配位化合物としては、例えばキレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等を挙げることができる。xは1、2又は3の整数を表し、yは1、2又は0を表し、zは1又は0を表すが、これらは上記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、或いはQ1,Q2,Q3の配位子の数によって決定される。pは1又は2を表す。この種のメタルソースの具体例は米国特許第4,987,049号明細書に例示されたものを挙げることができる。
これらポストキレート型色素は、画像形成時には昇華型の少量の熱量で、染料層から受像層へ容易に転写し、受像層においては金属イオン含有化合物と反応してキレート色素となり、不動性で耐候性の優れた強固な色素となるものである。
受像層は、上記の高分子材料、金属イオン含有化合物の他に、添加剤としては、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、料を添加しても良い。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを挙げることができる。
受像層の形成方法は、上記の中間層で説明した場合と同様であり、その厚さは0.10〜20μmであり、好ましくは0.20〜5.0μmである。
(樹脂層)
受像シートの受像層の上に、樹脂層5を設けることで、熱転写時の熱転写シートの染料層との融着を防止する、あるいは転写した色素の逆転写を防止することができる。その樹脂層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチル等のオレフィン系樹脂、及びそれらの変成物を含有して形成することができる。
ポリエチレン系樹脂の中でも、エチレンアクリル酸変性ポリエチレン、ウレタン変性ポリエチレン、パラフィン変性ポリエチレン、低分子ポリエチレンが好ましく、特にエチレンアクリル酸変性ポリエチレン、低分子ポリエチレンが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体、変性ポリプロピレン等を挙げることができる。
ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とはいずれかのみを使用しても良いし、またポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを混用しても良い。上記ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂は、その一部がウレタン変性されていても良い。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、上記ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の外に、軟化点100℃以上のポリプロピレンワックス及びポリエチレンワックス、ナトリウムアイオノマー、シリカ変性エチレン−アクリル酸樹脂等を挙げることができる。
樹脂層の厚さは、乾燥状態で、0.5〜2μmであり、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した樹脂層の表面強度が3×104N/m2以上10×104N/m2以下であるようにした。但し、この樹脂層の表面強度の測定条件は、基材/クッション層/受像層/樹脂層として、積層した受像シートの形態で、上記の表面強度を測定したものである。上記の表面強度の測定方法は以下の絵柄層の説明で詳細に述べた通りである。
樹脂層の表面強度が、上記範囲よりも小さいと、受像シートの最終形態での耐擦傷性が低下しやすい傾向がある。また、その表面強度が、上記範囲よりも大きいと、熱転写画像の品質が低下しやすい傾向がある。
以上の樹脂層の形成方法は、上記の中間層で説明した場合と同様であり、その厚さは0.03〜3.0μmであり、好ましくは0.10〜2.0μmである。
(絵柄層)
受像シートは、樹脂層の上に、部分的に絵柄層6を設ける構成であり、その絵柄層は例えば、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで設けることができる。また、絵柄層は、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにより形成することができる。
絵柄層の厚さは、乾燥状態で、0.5〜3μmであり、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した絵柄層の表面強度が10×104N/m2以上25×104N/m2以下であるようにした。このマイクロスクラッチ方法の測定原理は測定針を荷重しながら試料面をスクラッチすることにより、測定針が検出するスクラッチ面の状態を電気信号に変換するものである。本発明においては、測定針(曲率半径が15μmの針)を用い、これが相対的に試料面(受像シートの絵柄層表面)を水平方向に移動する際の垂直方向のせん断応力(mN)を、絵柄層の表面強度として求めている。その測定針の移動速度は、測定誤差を生じさせないために、遅い速度で測定する方が好ましく、0mNから10mNまで60秒かけて時間に比例させて荷重を上げていく。測定環境は、25℃50%前後(±10℃、±10%)の範囲である。また、基材/クッション層/受像層/樹脂層/絵柄層として、積層した受像シートの形態で、上記の表面強度を測定したものである。
絵柄層の表面強度が、上記範囲よりも小さいと、受像シート上に印画、印字する際の工程での耐擦傷性が不足し、絵柄層の品質を維持できなくなる。また、受像シートの下層(クッション層)の表面強度が小さいことによる影響を受けている場合があり、受像シートの最終形態での耐擦傷性が低下しやすい傾向がある。また、その表面強度が、上記範囲よりも大きいと、受像シートの耐擦傷性は向上するが、絵柄層自体の柔軟性がなくなるため、絵柄層上への印字品質が劣化し、絵柄層の再現性が低下しやすい傾向がある。
絵柄層に使用することができる印刷層は、バインダー樹脂の代表例として、例えば活性放射線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。この発明においては、上記のように、マイクロスクラッチ方法で測定した絵柄層の表面強度を一定の範囲にするために、絵柄層は活性放射線硬化樹脂層であることが好ましい。更に好ましくは、一個以上の不飽和結合を有するモノマーもしくはオリゴマーの一種類以上からなるバインダー成分25〜95質量部、開始剤1〜20質量部を含む組成物からなる活性放射線硬化性樹脂組成物からなる印刷インキを用いることが、上記の表面強度の点から特に好ましい。
針(圧子)を押し付けながらスクラッチした時に、界面に作用するずり応力(図3中のF)が密着強度を上回った時に界面剥離が生じる。その圧子が試料に加える垂直方向の荷重をW、基材のブリネル硬度をH、圧子の曲率半径をRとすると、界面に働くずり応力Fは、以下のベンジャミンアンドウェバの計算式で表すことができる。

上記の式において荷重値Wに剥離が生じた時の荷重値を用いれば、得られるずり応力はそのまま薄膜の密着強度(密着力・付着力)に置き換えることができる。
このスクラッチ法を更に高感度化されたマイクロスクラッチ試験法は、図4に示すように、レコード針のカートリッジの検出機構を用い、カンチレバーの先端にダイヤモンド針が付いていることが特徴である。針の等価質量が極めて小さいため、針が薄膜の上を走査する際に薄膜表面の微小な変化を高感度に捉えられることができる。針先の振動はカンチレバーを通してカートリッジ内部で電気信号に変換される。この変換構造を持つカートリッジは直流信号を出力できないため、カートリッジを強制的に水平に励振させることによって交流信号を作り出す。マイクロスクラッチ試験機はこのような検出機構を用いるため、針の微小振動を感度良く電気信号に変換できる。
(マイクロスクラッチ方法による受像シートの表面強度の制御)
受像シート表面の耐擦傷性を評価する場合、その受像シート表面で、テープ剥離評価が知られている。しかし、このテープ剥離評価は、その評価する環境における温度と湿度、またテープ種類、測定方法を統一させても、その評価する毎に、テープ剥離の際の剥離角度や、テープを受像シート表面に接着する際の加圧条件等の多少の変動により、剥離評価の結果に、ばらつきが生じる問題がある。それに対して、本発明では、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法を用いることにより、受像シート表面、すなわち絵柄層の表面強度を正確に測定することが可能となった。
カードのような受像シートでは、そのサイズは厚さを含めて規格化されているものであり、その受像シートの総厚に対して、受像シートを構成する基材自体の厚さの占める割合が高く、その基材上の中間層、受像層、樹脂層、絵柄層は、全て厚さが制限された条件となっている。したがって、それらの層の厚さが薄いので、それらの層自体の皮膜強度を高めても、上記の受像シート表面のキズ発生の防止性は、結果としてあまり効果が発揮できないものであった。
本発明は、ポリエステル樹脂などの硬い材質である合成樹脂シートの基材を用い、その基材の硬さを、その基材上に設ける層において、クッション層のような中間層を用いることで、熱転写画像を形成する際の受像シートとサーマルヘッドとの接触を良くして、熱転写画像の画質を高めることが可能となり、かつ上記のように、絵柄層の厚さを0.5〜3μmにして、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した前記絵柄層の表面強度を10×104N/m2以上25×104N/m2以下にすることにより、受像シート表面の耐擦傷性が高いものとなった。また、上記と同様に、樹脂層の厚さを0.5〜2μmにして、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した前記樹脂層の表面強度を3×104N/m2以上10×104N/m2以下にすることにより、受像シート表面の耐擦傷性が高いものとなった。
本発明で得られる受像シートの層構成を厚さで見た場合、例えば、基材(188μm)/クッション層(10μm)/バリア層(0.7μm)/受像層(メタルソース含有、2.45μm)/樹脂層(0.4μm)/必要時応じて、絵柄層(1.0μm)で形成でき、上記で規定された樹脂層、絵柄層の表面強度を確保でき、また受像シートに適度なクッション性をもたせることができる。このように基材上に設ける各層の厚さを調整することも、受像シートを作成する上で、重要な要因である。尚、各層の厚さは上記の各層における詳細な説明で記載したとおりである。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
基材として、厚さ188μmの白色のポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材の一方の面へ、グラビア印刷で、下記組成のクッション層形成用塗工液1で、乾燥後10μmになるように塗工し乾燥して、クッション層を形成した。但し、塗工後の活性放射線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行なった。
<クッション層形成用塗工液1>
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA−160TM)
50部
アクリル酸エステルポリマー(新中村化学社製:バナレジンGH−5270)
30部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA1280T)
18部
2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ:イルガキュアー127) 2部
メチルエチルケトン 100部
次いで、このクッション層上に、グラビア印刷で、ゼラチンによるバリア層を乾燥後で0.7μmになるように塗工し乾燥して、形成した。そのバリア層の上に、下記組成の受像層形成用塗工液で、乾燥後2.45μmになるように塗工し乾燥して、受像層を形成した。
<受像層形成用塗工液>
ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
金属イオン含有化合物(下記の化学式1で示すメタルソース) 4.0部
メチルエチルケトン 80部
酢酸n−ブチル 10部
上記の受像層の上に、下記組成の樹脂層形成用塗工液で、乾燥後0.4μmになるように塗工し乾燥して、樹脂層を形成した。
<樹脂層形成用塗工液>
ポリプロピレン系ワックスエマルジョン(30%固形分) 33部
(東邦化学工業(株)製、ハイテックE433N)
水 67部
上記の樹脂層の上に、オフセット機を用いた平版オフセット印刷法により、UV硬化型オフセットインキ墨、藍、紅、黄(以上、DIC(株)製:ダイキュア)を用いた4色印刷を、AMスクリーン網点の多色印刷(静物画)を施すことで、絵柄層を形成して、実施例1の受像シートを作製した。尚、絵柄層の印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mJ相当であった。実施例1の受像シートでは、クッション層とバリア層の構成である中間層の条件となる。
(実施例2)
上記の実施例1の受像シートにおいて、バリア層を無くし、クッション層を乾燥後10.7μmになるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の受像シートを作成した。
(比較例1)
上記の実施例1で使用したクッション層形成用塗工液1を下記組成のクッション層形成用塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の受像シートを作成した。
<クッション層形成用塗工液2>
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA512) 55部
ポリエステルアクリレート(東亞合成社製:アロニックスM6200) 15部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA4000)25部
ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ:イルガキュアー184) 5部
メチルエチルケトン 100部
(比較例2)
上記の比較例1の受像シートにおいて、クッション層とバリア層を無くして、受像層を乾燥後13.15μmになるように形成した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の受像シートを作成した。
(比較例3)
上記の比較例1の受像シートにおいて、樹脂層を無くして、受像層の上に、絵柄層を形成して、その他は比較例1と同様にして、比較例3の受像シートを作成した。
上記の各受像シートに対し、受像層に熱転写画像を形成するための熱転写シートを以下の条件にて作成した。
背面に耐熱スリップ層(厚み1μm)を有し、かつ表面にプライマー処理されている厚さ6μmのPETフィルム(東レ製、商品名ルミラー)を支持体として、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの染料層をグラビア法により面順次に繰り返し塗工して、熱転写シートを作成した。
<染料層形成用塗工液(イエロー染料層、乾燥膜厚1.1μm)>
Y:下記の化学式で表される色素Y−1 3.0部
ポリビニルブチラール 5.5部
(電気化学工業(株)製 デンカブチラールKY−24)
エポキシ変性アクリル樹脂 1.0部
(東亜合成化学(株)製 レゼタGP−305)
ウレタン変性シリコーンオイル 0.5部
(大日精化工業(株)製 ダイアロマーSP2105)
メチルエチルケトン 80部
トルエン 10部
<染料層形成用塗工液(マゼンタ染料層、乾燥膜厚1.1μm)>
上記イエロー染料層形成用塗工液組成の色素を、下記の化学式で表されるM−1にしたもの
<染料層形成用塗工液(シアン染料層、乾燥膜厚1.1μm)>
上記イエロー染料層形成用塗工液組成の色素を、下記の化学式で表されるC−1にしたもの
上記で作成した実施例及び比較例の受像シートに、上記の熱転写シートを用いて、昇華熱転写プリンター(神鋼電機(株)製 CHC−S545)を用いて、255階調値及び20階調ごとの階調値にてY、M、Cの各色を印字した。
<表面強度>
上記の印字した各受像シートで、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で、樹脂層及び絵柄層の表面強度を測定した。この場合は、受像シートの構成で、最表面である樹脂層及び絵柄層の表面強度を測定した。さらに、各受像シートで使用した基材上に設けた各クッション層のみ設けた構成で、上記と同様のJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で、クッション層の表面強度を測定した。
上記の印字した各受像シートで、熱転写画像の品質(画質)及び受像シート表面の耐擦傷性の評価を下記条件にて行なった。
<画質の評価>
上記の実施例及び比較例の各受像シートの印画物について、熱転写画像の鮮明性及び画像濃度に関し、目視にて評価した。
その画質の評価基準は、以下の通りである。
1・・・・・非常に鮮明であり、また画像濃度の濃淡が、非常に良く再現されている。
2・・・・・鮮明であり、また画像濃度の濃淡が、良く再現されている。
3・・・・・鮮明性が少し低く、また画像濃度の濃淡の再現性が、少し低い。
4・・・・・鮮明性が低く、また画像濃度の濃淡の再現性が、低い。
5・・・・・鮮明性が非常に低く、また画像濃度の濃淡の再現性が、非常に低い。
<耐擦傷性の評価>
上記の実施例及び比較例の各受像シートの印画物について、その表面である樹脂層及び絵柄層の上を、砂消しゴムで10回擦り、その表面の状況を以下の評価基準にて目視で評価した。
1・・・・・樹脂層または絵柄層の変化が全く見られない。
2・・・・・樹脂層または絵柄層の変化が見られない。
3・・・・・樹脂層または絵柄層の変化が少し認められる。
4・・・・・樹脂層または絵柄層の変化が認められる。
5・・・・・樹脂層または絵柄層の変化が大きく認められる。
上記の表面強度の測定結果と、画質及び耐擦傷性の各評価結果を表1に示す。
上記の通り、実施例1〜2の受像シートは、全てJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した樹脂層の表面強度が3×104N/m2以上10×104N/m2以下であった。また、実施例1〜2の受像シートは、全てJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した絵柄層の表面強度が10×104N/m2以上25×104N/m2以下であった。但し、実施例1の受像シートは、実施例2の受像シートと比べ、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した樹脂層及び絵柄層の表面強度が、高いものであった。また実施例1〜2の受像シートは、画質及び耐擦傷性の各評価でほぼ良好であった。但し、実施例1の方が、実施例2よりも、画質及び耐擦傷性の評価結果が良いものであった。それは、実施例1は中間層として、クッション層、バリア層があったが、実施例2は中間層で、バリア層を無くしたためと判断できる。実施例2の受像シートは、熱転写画像の再現性で、少し滲みが生じていた。(実用上は支障ない。)
比較例1の受像シートは、耐擦傷性の評価が良くなかった。それは、比較例1の受像シートは、実施例1の受像シートと、クッション層の組成が異なり、つまり光重合開始剤の種類が異なり、また光重合開始剤のクッション層での含有比率が異なっている。詳細には、イルガキュアー127を使用している実施例1では、クッション層のJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した表面強度が0.1×104N/m2であるのに対し、イルガキュアー184を使用している比較例1の受像シートでは、クッション層のJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した表面強度は、1.5×104N/m2の高めである。この重合開始剤のイルガキュアー127は、イルガキュアー184に比べ、反応性が高いので、層における含有比率を低くでき、反応後に、未反応の重合開始剤が少なく、熱転写時に適度なクッション性をもたせることが可能となり、画質の優れた熱転写画像が得られた。
比較例2の受像シートは、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した樹脂層の表面強度が3×104N/m2よりも低く、またJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した絵柄層の表面強度が10×104N/m2よりも低く、耐擦傷性の評価結果が悪かった。さらに、クッション層が無いこともあり、熱転写画像で鮮明性及び画像濃度の濃淡の再現性ともに、非常に悪い結果であった。
比較例3の受像シートでは、JIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した絵柄層の表面強度が10×104N/m2よりも低い結果であった。比較例3の受像シートは、熱転写画像を形成する際に、熱転写シートと受像シートが融着して、剥離が困難であり、樹脂層における耐擦傷性の評価が不可能であった。
1 受像シート
2 基材
3 中間層
4 受像層
5 樹脂層
6 絵柄層
7 クッション層
8 バリア層

Claims (4)

  1. 基材上に、少なくとも中間層、受像層、樹脂層を順に設けた受像シートであって、
    前記樹脂層の厚さが0.4〜2μmで、かつJIS R−3255に準拠したマイクロスクラッチ方法で測定した前記樹脂層の表面強度が3×104N/m2以上10×104N/m2以下であり、
    前記中間層が、活性放射線硬化樹脂として、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤である2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを含む活性放射線硬化性化合物を含有する組成物が硬化した樹脂を含有するクッション層を含むことを特徴とする受像シート。
  2. 前記中間層が、水溶性樹脂を含有するバリア層を含むことを特徴とする請求項1に記載の受像シート。
  3. 前記樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の受像シート。
  4. 前記受像層が、金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の受像シート。
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