JP4276158B2 - 食品加工装置及びこれを用いた食品加工方法 - Google Patents
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Description
また、加熱手段として炭を使用した場合において、燃焼後の灰が加熱の邪魔をしない食品加工装置及びこれを用いた食品加工方法を提供することを課題とする。
このコンベア2は、被移動体Mに当接し、下方から支持する、長尺状体からなる支持体21と、この支持体21を運動させるための駆動機構22とを備えている。
つまり、上側コンベア2Hに用いる支持体21は、図3(A)(B)に示すように、長辺21bに対して短辺21aが小さく形成された細長い断面形状であって、かつ、左右方向に並列された支持体21同士の間の隙間が大きくとられている。よって、この隙間から、下側コンベア2Lに配位された炭M2が発する遠赤外線を食材M2に充分に取り込むことができる。
一方、下側コンベア2Lに用いる支持体21は、上記の上側コンベア2Hに用いる支持体21程には細長くはない断面形状であって、かつ、支持体21同士の間の隙間が、上側コンベア2Hに比べて小さく形成されている。よって、燃焼する炭M2をこぼさず、かつ、後述するように炭M2を揺動させることによって、隙間から燃焼後の灰だけをふるい落とすことができる。
なお、本例の支持体21は、図1に示すように両端及び中間の3点で支持されているが、それぞれに対応する3つの駆動機構22の回転運動は同期されており、3箇所の支持軸22bが同一の動きをするため、長尺板状体からなる支持体21は、被移動体Mを支持するための上面が水平面に対して平行な状態を維持して運動する。
駆動機構22は、上記の支持体群のうちの、少なくとも1つに属する支持体21を、上下方向あるいは/及び前後方向へ移動させるものであり、支持体群のそれぞれは被移動体Mを単独で支持可能なものとされている。
ここで、一方の支持体群と他方の支持体群とは相対的に上下に移動するものであり、一方の支持体群が他方の支持体群より上方に位置する際に、一方の支持体群が他方の支持体群より相対的に前方へ移動し、一方の支持体群が他方の支持体群より下方に位置する際に、一方の支持体群が他方の支持体群より相対的に後方へ移動するものである。これにより、被移動体Mが順次前方へ移動させられる。
上記の各支持体群の移動は相対的なものであるため、一方の支持体群が完全に固定されたものであって、他方の支持体群のみが移動するもので実施することも可能である。なお本例では、後述のように2つの支持体群21X,21Yのいずれもが、食品加工装置1の基台11などに対して絶対的に移動するものとされている。
一方の支持体群21Xが相対的に上方に存在している際には、その支持体群21Xが被移動体Mを支持し、支持体群21Xの動きに伴い、被移動体Mを前方に送る(図4及び図5(A)参照)。この際、他方の支持体群21Yは相対的に下方に存在しており、被移動体Mに対しては接触せずに後方に移動する。また、双方の支持体群21X,21Yが上下方向において一致する際には、いずれの支持体群21X,21Yも被移動体Mを支持することとなり、その際に、一方の支持体群21Xから他方の支持体群21Yに被移動体Mが受け渡されることとなる(図5(B)参照)。
そして、被移動体Mが受け渡された他方の支持体群21Yが相対的に上方に存在している際には、その支持体群21Xが被移動体Mを支持し、支持体群21Xの動きに伴い、被移動体Mを前方に送る(図5(C)参照)。また、双方の支持体群21X,21Yが上下方向において一致する際には、上記とは逆に、他方の支持体群21Yから一方の支持体群21Xに被移動体Mが受け渡されることとなる(図5(D)参照)。
被移動体Mは、この一連の支持体群21X,21Yの動作により、順次前方へと移動させられていく。言い換えると、支持体21に対し、被移動体Mの当接する位置が、支持体21の後方から前方に順次移動する。なお、この被移動体Mの前方への移動は、被移動体Mを支持する各支持体群21X,21Yの動作に応じ、半円形状の軌跡を描く(図8(A)参照)。
更に、食材M1が揺動するため、食材M1として肉が用いられた場合においては、肉の有する余分な脂がこの揺動によりふるい落とされるという効果も有する。
なお、本例の食品加工装置においては、図1に示すように、下側コンベア2Hの下方に水槽3が設けられており、炭M2から下方に落とされた状態で未消火の状態にある灰や炭の小片を、この水槽3の内部に貯められた水により消火し、安全に回収することができる。
このような支持体群21X’,21Y’の構成は一例であって、その他種々の動作をする支持体群によって構成されたコンベア2が実施可能である。
図8(B)は、各支持体群のそれぞれが四角形状の運動をするものである。被移動体Mは各支持体群の動作に伴い、連続して移動する。つまり、被移動体Mは水平方向(前方へ)の移動と、水平方向には停止した状態での上下方向の移動とが繰り返される。被移動体Mの軌跡は、右欄に図示したように、四角形の上半分が横幅分重なり合ったものとなる。
図8(C)は、図6,7に示したものと同一のものを示し、一方の支持体群21X’が前後方向の往復運動のみをするものであり、他方の支持体群21Y’が上下方向の往復運動のみをするものである。被移動体Mは、各支持体群21X’,21Y’の動作に伴い移動する。ただし、被移動体Mが前方に移動するのは一方の支持体群21X’の動作にのみよるものであり、他方の支持体群21Y’の動作によっては被移動体Mが上下方向に移動するのみで、前方には移動しない。よって、被移動体Mは間欠的に移動する。被移動体Mの軌跡は、右欄に図示したように、水平線と垂直線とが組み合わされたものとなる。
図8(D)は、一方の支持体群が回転運動するものであり、他方の支持体群が固定されたものである。被移動体Mは、一方の支持体群の動作にのみ伴い移動し、被移動体Mが他方の支持体群上にある時は全く移動しない。よって、被移動体Mは間欠的に移動する。被移動体Mの軌跡は、右欄に図示したように、半円形が直径分ずれて重ね合わされたものとなる。
図8(E)は、一方の支持体群が四角形状の運動をするものであり、他方の支持体群が固定されたものである。被移動体Mは、一方の支持体群の動作にのみ伴い移動し、被移動体Mが他方の支持体群上にある時は全く移動しない。よって、被移動体Mは間欠的に移動する。被移動体Mの軌跡は、右欄に図示したように、四角形の上半分が横幅分重なり合ったものとなる。
図8に示した内容は、支持体群の動作についてのバリエーションのほんの一例を示したものであり、その他、支持体群を種々の動作をなすものとして実施が可能である。
また、本例では、1本のクランク軸である駆動機構22により各支持体群21X,21Yを同時に運動させるものとしているが、これに限られず、各支持体群21X,21Yを独立して運動させるために、支持体群毎に別々の駆動機構22を設けたものとしても良い。
また、食材M1を蒸し焼きしたり、燻製処理をするために、少なくとも、食材M1を支持するコンベア2(2H)を覆うことのできるカバーを設けたものとしても良い。
また、本例のものでは、コンベア2を上下2段とし、下側コンベア2Lを炭M2を支持するために用いているが、下側コンベア2Lを省略し、ガスバーナー4で直接、上側コンベア2H上の食材M1を加熱するものとしても良い。
また、支持体21についても、本例のような板状体に限らず、棒状体や、網状体など、種々の形態での実施が可能である。特に、食材M1を支持する支持体21にあっては、食材21と接触する面に、凹凸模様を設けておき、食材21の表面にその模様の焼き目が付くようなものとしても良い。また、支持体21を板状体とする場合であっても、本例のように断面形状が矩形のものに限られず、三角形や台形など、種々の断面形状での実施が可能である。
また、支持体21に被移動体Mを載せることは、作業者が手作業で行うものであっても良いし、そのための装置を設けて自動的に行うものとしても良い。
2 コンベア
2H 上側コンベア
2L 下側コンベア
21 支持体
21a 支持体の短辺
21X,21Y 支持体群
22 駆動機構
22a 中心軸
22b 支持軸
M 被移動体
M1 食材
M2 加工媒体、熱源、炭
Claims (4)
- 食材(M1)と、熱源や冷媒などの加工媒体(M2)とを相対的に移動させることにより、食材(M1)に対して加熱や冷却などの加工が可能な食品加工装置(1)において、
上記食材(M1)を略水平方向に移動させることのできる上側コンベア(2H)と、上記加工媒体(M2)としての燃焼する炭を略水平方向に移動させることのできる下側コンベア(2L)とが、上下2段に平行に設けられたものであって、
上記各々のコンベア(2)として、食材(M1)あるいは炭(M2)を下方から支持する、長尺状体からなる支持体(21)と、この支持体(21)を運動させるための駆動機構(22)とを備えたものであり、
支持体(21)は、食材(M1)あるいは炭(M2)の移動方向に沿う方向である前後方向に延びるものであって、
複数の支持体(21)が、食材(M1)あるいは炭(M2)の移動方向に交わる方向である左右方向に並列に配位されたものであり、
複数の支持体(21)からなる、少なくとも2つの支持体群(21X,21Y)が構成されており、
上記の駆動機構(22)は、上記の支持体群(21X,21Y)のうちの、少なくとも1つに属する支持体(21)を、上下方向あるいは/及び前後方向へ移動させるものであり、
支持体群(21X,21Y)は、そのそれぞれが食材(M1)あるいは炭(M2)を支持可能なものであり、
一方の支持体群(21X,21Y)と他方の支持体群(21Y,21X)とは相対的に上下に移動するものであり、
一方の支持体群(21X,21Y)が他方の支持体群(21Y,21X)より上方に位置する際に、一方の支持体群(21X,21Y)が他方の支持体群(21Y,21X)より相対的に前方へ移動し、
一方の支持体群(21X,21Y)が他方の支持体群(21Y,21X)より下方に位置する際に、一方の支持体群(21X,21Y)が他方の支持体群(21Y,21X)より相対的に後方へ移動するものであり、
これにより、支持体(21)に支持された食材(M1)あるいは炭(M2)が、順次前方へ移動させられることを特徴とする食品加工装置。 - 支持体(21)が、断面形状における短辺(21a)が上下に位置するように配位された長尺板状体からなり、
駆動機構(22)が、上記の左右方向に延びる中心軸(22a)と平行に設けられた支持軸(22b)を有し、上記の中心軸(22a)を中心とした回転運動をするものであり、
少なくとも支持体(21)の前後方向の両端部は、上記の支持軸(22b)に回動可能に支持されたものであって、
これにより、支持体(21)の各部分は回転運動がなされるものであり、
上記の支持体群(21X,21Y)が、位相が180°異なる2つからなり、
上記一方の支持体群(21X,21Y)に属する支持体(21)と他方の支持体群(21Y,21X)に属する支持体(21)とが交互に配位されたことを特徴とする、請求項1に記載の食品加工装置。 - 上記上側コンベア(2H)における支持体(21)同士の隙間よりも、上記下側コンベア(2L)における支持体(21)同士の隙間の方が小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の食品加工装置。
- 上記請求項1〜3のいずれかに記載の食品加工装置を用いた食品加工方法であって、
上記の上側コンベア(2H)を食材(M1)に対して用い、下側コンベア(2L)を炭(M2)に対して用い、
下側コンベア(2L)によって移動させられる炭(M2)に対して、上側コンベア(2H)に載せられた食材(M1)を平行に移動させ、炭(M2)の発する遠赤外線により、焼き上げなどの加熱調理ができるものとされたことを特徴とする食品加工方法。
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