JP3040706U - 回転ドラム式炒め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバーナ８によって回転ドラム１を加熱し
つつ、このドラム１を間欠回転を繰り返し、そば１３な
どを短時間で高温に炒め、使用ガス量の節約ができる回
転ドラム式炒め機を提供する。 【解決手段】 前記炒め機は、外胴２内に設けた横型の
回転ドラム１の内面に前後方向に延びる仕切り板９を突
出させてあり、前記ドラム１の下方に設けたガスバーナ
８によってドラム１を加熱しつつ、ドラム１内に油を入
れて回転させた後、ドラム１内にそば１３を入れ、仕切
り板９によってそば１３を回転方向に移動させ、仕切り
板９が下向きに傾斜する所定位置でそば１３を仕切り板
９から落下させて反転させ、その直後から数秒間駆動装
置３およびドラム１を停止させる、ドラム１の間欠回転
を繰り返し、ドラム１の加熱効率を増大させ、短時間で
焼きそばを造り、ガスを節約できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、そば、米飯などの食品を油炒めする回転ドラム式炒め機に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、そばあるいは米飯などの食品を炒める回転ドラム式炒め機として、外胴 内に設けた横型の回転ドラム内に油と前記食品を入れ、前記回転ドラムの下方に 配設した左，右数列のガスバーナによって食品を加熱しつつ、駆動装置によって 回転ドラムを回転させることで、食品を油炒めしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前述した従来の回転ドラム式炒め機では、食品がそばまたは米飯で量 が多くなると、殺菌に不可欠な８０℃を越える温度に加熱するのに長い時間がか かり、またガスバーナの燃料である都市ガスや液化石油ガス（ＬＰＧ）の消費量 が多いという問題点があった。 この考案は、前述した問題点を解決して、そばなどの麺類または米飯が多量で あっても、８０℃を超える温度まで、従来よりも短い時間で加熱でき、高温で炒 めることで、焼きそばなどの製品の味をよくすることができ、しかもガスバーナ の燃料ガスを節約できる、回転ドラム式炒め機を提供することを目的としている 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、外胴内に設けて軸回りに回転する横型の回転ドラムと、こ の回転ドラムを回転させる駆動装置と、回転ドラムの軸方向に沿って回転ドラム 下方に配設した左右複数列のガスバーナとを備えた回転ドラム式炒め機において 、回転ドラムの内面に前後方向に延びる仕切り板を突出させ、回転ドラム内に入 れたそばなどの食品を前記バーナによって加熱しつつ、前記駆動装置によって回 転ドラムを回転させ、前記仕切り板によって前記食品を移動させ、所定位置で食 品を落下、反転させた直後から数秒間駆動装置を停止させ、回転ドラムを間欠回 転させるものである。

【０００５】 請求項２の考案は、請求項１に記載の回転ドラム式炒め機において、仕切り板 を、回転ドラムの軸方向と傾斜させて回転ドラムの内面に固定し、食品を回転ド ラム内の開口側から底側に斜めに押して前記ドラムの回転方向に移動させるよう にしたものである。

【０００６】 請求項３の考案は、請求項２または３に記載の回転ドラム式炒め機において、 回転ドラムの間欠回転を制御用タイマを用い停止時間の長短調節を可能にしたも のである。

【０００７】 〔考案の詳細な説明〕 以下、この考案の実施形態につき図を参照して説明する。 図１〜図４の各図に示すように、第１実施形態の回転ドラム式炒め機は、横型 の回転ドラム１を有し、このドラム１は、正面側端部に先細テーパ部１ａを形成 し、正面側端面に開口１ｂを形成し、背面側に椀状の底１ｃを形成し、外胴２内 にこれと隙間を設けて同心に配置し、駆動装置３によって軸回りに回転するよう にしてある。

【０００８】 駆動装置３は、外胴２に設けた電動機（図示省略）と、この電動機のインバー タ制御によって所望速度で回転する回転軸４とを有し、回転軸４を回転ドラム１ の底１ｃに同軸に固定してある。 前記外胴２は、回転ドラム１の軸方向と直交する左，右傾動軸５によって、左 ，右脚６の上部に上下方向に傾動可能に軸支し、右方の脚６に公知の手動式の傾 動操作機構７を設け、そのハンドル７ａの回動操作により、回転ドラム１と共に 前下がりに傾動するようにしてある。 前記回転ドラム１の下方には３〜４列など左右複数列のガスバーナ８を回転ド ラム１の軸方向に沿って配置し、前記バーナ８は外胴２に固定し、バルブ（図示 省略）を介してガス供給源に接続してある。

【０００９】 前述した構成は、従来の回転ドラム式炒め機と同様であるが、第１実施形態の 炒め機は、回転ドラム１内面の周方向の１箇所に前後方向に延びる仕切り板９を 固定してある。この仕切り板９は、図４に示すように、基板９ａを回転ドラム１ の軸線と平行な線に対し、このドラム１の開口１ｂ側が時計方向前方に、その底 １ｃ側が時計方向後方に位置するように若干傾斜させて、図３に示すように、先 細テーパ部１ａの底側端から底１ｃの半径方向中間部まで形成し、ドラム１の半 径方向に突出させてあり、前記基板９ａの長手方向に沿い基板９ａの突出縁から 適宜の間隔で多数の丸棒９ｂをドラム１中心側に突出させることで、仕切り板９ を櫛状にしてある。なお、仕切り板９は、鉄などの金属製とし、そのドラム１底 側部分には丸棒９ｂを設けてない。

【００１０】 また、右方の脚６の上方に操作盤１０を固定し、操作盤１０には、回転ドラム １を間欠回転させるための制御用タイマ１１を設け、このタイマ１１を動作させ る近接スイッチ１２を、前記回転軸４の外周面に固定した操作用突片４ａの近く に配置して、外胴２に固定してある。そして、制御用タイマ１１は、近接スイッ チ１２からの信号により、駆動装置３の電動機の回転を一定短時間停止させた後 、再び回転させるものであり、前記停止時間は長短調節可能にしてある。

【００１１】 次に、前述した第１実施形態の回転ドラム式炒め機の使用について説明する。 まず、回転ドラム１が水平で空の状態で、駆動装置３の電動機を動作させ、前 記ドラム１を時計方向に回転させると共に、ガスバーナ８のバルブを開き、ガス バーナ８から噴出する都市ガスなどのガスに着火し、前記バルブを全開してドラ ム１を加熱し、ドラム１が１回転またはそれ以上回転してドラム１の壁面が所望 温度に上昇した時、前記バルブを閉じて消火し、ドラム１を短時間停止させる。

【００１２】 ドラム１の停止中に、開口１ｂから適量のサラダ油などの油をドラム１内に入 れた後、前記電動機を動作させてドラム１を時計方向に回転させると共に、前記 バルブを開いてガスバーナ８から噴出するガスに着火し、バルブを全開してドラ ム１を加熱し、ドラム１が１回転した時、ドラム１を停止させ、開口１ｂから所 定量の茹でたそば１３をドラム１内に入れ、ドラム１を再び回転させる。

【００１３】 そして、ドラム１を加熱しつつ時計方向に回転させることで、ドラム１の内面 に突出させた仕切り板８がそば１３を支持して、これらが下方から上方に移動し 、仕切り板８は図５に示すように、１０時と１１時との間の所定位置になると、 仕切り板８が斜め下向きになり、そば１３が仕切り板８の斜め下側になるので、 そば１３は仕切り板８からドラム１内の下部に反転して落下する。

【００１４】 そば１３がドラム１内に反転して落下した直後に、駆動装置３に設けた電動機 を停止させて、ドラム１を停止させる。すなわち、駆動装置３の電動機によって 時計方向に回転する回転軸４に設けた操作用突片４ａは、仕切り板８が前記所定 位置に達した時、近接スイッチ１２が動作して、操作盤１０に設けた制御用タイ マ１１がオフ動作することで、前記電動機を数秒間停止させて回転軸４およびド ラム１を停止させ、これらの停止状態でドラム１を介してバーナ８のガスによっ てそば１３を加熱する。

【００１５】 数秒間経過した後、制御タイマ１１がオン動作して電動機を駆動し、回転軸４ およびドラム１を時計方向に回転させ、以後、ドラム１が１回転して仕切り板８ が１０時と１１時との間の所定位置になるごとに、ドラム１の停止状態での加熱 を繰り返し、そば１３を８２℃に加熱し、そば１３の炒め作業を終り、バーナ８ のバルブを閉じて加熱を停止させ、かつ電動機を停止させてドラム１を停止させ る。

【００１６】 この状態で、ウスターソースを開口１ｂからドラム１内に入れ、バーナ８を消 火したまま、電動機を駆動してドラム１を１回またはそれ以上回転させ、前記ソ ースをそば１３に混合し、電動機を停止させてドラム１を停止させ、焼きそばに する。 その後、ハンドル７ａの手動操作で回転させ、傾動操作機構７を動作させて、 外胴２と共にドラム１を開口１ｂが下になる前下がりに傾斜させ、炒めた焼きそ ばを開口１ｂから取り出す。

【００１７】 前述のように、ドラム１を間欠回転させ、ドラム１が停止している間にバーナ ８によってドラム１を加熱することを繰り返すと、ドラム１の加熱効率が増大し 、ドラム１内の下部に位置したそば１３に対する熱の伝達（浸透）が向上し、そ ば１３の温度が短時間で大幅に上昇する。このため、そば１３を高温に炒め、焦 げ目ができ、味がよくなり、また都市ガスなどのガスを節約できる。

【００１８】 図６，図７に示すように、第２実施形態の回転ドラム式炒め機は、横型の回転 ドラム１を正面側端面に設けた開口１ｂから円筒状に背面側に延びて碗状の底１ ｃに連結した構成にし、また、回転ドラム１内面の周方向の１箇所に前後方向に 延びる仕切り板９を、前記ドラム１の先端部を除いて前記底１ｃまでドラム１の 軸線と平行に固定し、ドラム１の半径方向に突出させてある。 なお、第２実施形態の回転ドラム式炒め機は、前述した以外の構成が第１実施 形態のものと実質的に同構成であるため、対応する部分に第１実施形態のものと 同符号を付けて説明を省略する。

【００１９】 第２実施形態の回転ドラム式炒め機では、回転ドラム１が水平で空の状態で、 駆動装置３の電動機を動作させて前記ドラム１を時計方向に回転させ、ガスバー ナ８のバルブを開き、ガスに着火してドラム１を加熱し、ドラム１が所望温度に 達した時に消火させてドラム１を停止させ、開口１ｂからドラム１内に適量のラ ードなどを入れる。

【００２０】 その後、前記電動機を動作させてドラム１を時計方向に回転させると共に、前 記バーナ８のバルブを全開してドラム１を加熱し、ドラム１内のラードを液状に して、ドラム１内に開口１ｂから所定量の米飯をドラム１内に入れて、ドラム１ を回転させる。 そして、ドラム１を加熱しつつ時計方向に回転させ、ドラム１の内面に突出さ せた仕切り板９によって米飯を移動させ、１０時と１１時との間の所定位置にな ると、仕切り板９が斜め下向きなり、米飯が仕切り板９からドラム１内の下部に 落ちる。

【００２１】 その直後に、回転しているドラム１を、制御用タイマ１１のオフ動作により前 記電動機およびドラム１を数秒間停止させ、これらの停止状態で、バーナ８によ りドラム１を介しバーナ８の燃焼ガスによって米飯を加熱する。 数秒間経過した後に、制御用タイマ１１がオン動作し、電動機を駆動してドラ ム１を時計方向に回転させ、以後ドラム１が１回転して仕切り板９が前記所定位 置になるごとに、ドラム１の停止状態での加熱を繰り返し、米飯を８０℃より若 干高い温度まで加熱して、米飯の炒め作業を終り、バーナ８のバルブを閉じて加 熱を停止させ、かつドラム１を停止させる。

【００２２】 前記動作中またはこの動作の直後に、ドラム１内に、肉、野菜、調味料などを 開口１ｂからドラム１内に入れ、ドラム１を回転させつつ、必要に応じバーナ８ によって加熱し、炒めた米飯に前記肉、野菜、調味料などを混合し、ドラム１を 停止させ、加熱をした場合にはバーナ８による加熱も停止させる。 その後、ハンドル７ａを回転させ、傾動操作機構７を動作させて、外胴２と共 にドラム１を前下がりに傾斜させ、その開口１ｂから炒めたチャーハンなどを取 り外す。

【００２３】 前述のように、ドラム１を間欠回転させ、ドラム１が停止している間にドラム １を加熱することを繰り返すと、ドラム１の加熱効率が増大し、米飯などの温度 を短い時間で大幅に上昇させることができ、製品の味がよくなり、また都市ガス などを節約できる。

【００２４】 この考案において、制御用タイマは、１回の炒め作業中に回転ドラムの停止時 間を、初めに長く、終りに短くするなど、ドラムの停止時間の長短を調節したり 、前記ドラムの回転、停止およびガスバーナによる加熱やその停止回数などを変 更したりすることができ、また回転ドラムの停止時間、ガスバーナによる加熱や その停止回数をプログラム化することが好ましい。さらに、ガスバーナから噴出 するガスの着火をよくするために種火バーナを付設してもよく、近接スイッチは 省略してもよい。

【００２５】 また、前述の第１，第２実施態様において、回転ドラム１の間欠回転を、操作 盤に設けた制御用タイマを用いて行うようにしたが、これに限定されることなく 、歯車機構の組み合せによる機械的方法によって間欠回転を行う構成とすること も勿論可能である。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の考案に係る回転ドラム式炒め機は、外胴内に 設けて軸回りに回転する横型の回転ドラムの内面に前後方向に延びる仕切り板を 突出させ、前記ドラム内に入れたそばなどの食品を、ドラムの軸方向に沿ってド ラム下方に配設した左右複数列のガスバーナによって加熱しつつ、駆動装置によ ってドラムを回転させることで、前記仕切り板によって前記食品をドラムの回転 方向に移動させ、仕切り板が下向きに傾斜する所定位置で食品を仕切り板から重 力により落下させて反転させ、その直後からドラムを停止させる、ドラムの間欠 回転を行うようにしたので、次の効果がある。

【００２７】 すなわち、ドラムを間欠回転させ、ドラムが停止している間に前記バーナによ ってドラムを加熱することを繰り返し、ドラムの加熱効率を増大させ、ドラム内 の下部に位置したそばなどの食品に対する熱の伝達が向上し、前記食品の温度が 短時間で大幅に上昇し、食品を高温で炒め、味がよくなり、また都市ガスなどの ガスを節約でき、前記バーナの列数を４列から３列などに減少させることも可能 になる。

【００２８】 請求項２の考案は、請求項１に記載の回転ドラム式炒め機において、仕切り板 を回転ドラムの軸方向と傾斜させて回転ドラムの内面に固定し、そばなどの食品 を回転ドラム内の開口側から底側に斜めに押して前記ドラムの回転方向に移動さ せるようにしたので、前記食品が、仕切り板から落ちる時に、前記ドラムの開口 外にこぼれることがない。

【００２９】 請求項３の考案は、請求項１または２に記載の回転ドラム式炒め機において、 回転ドラムの間欠回転の停止時間を長短調節可能にしたので、前記ドラム内に入 れた食品の種類や量に応じて、ドラムのガスバーナによる加熱時間を調節し、食 品を適正な温度に加熱できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施形態に係る回転ドラム式炒
め機を示した正面図。

【図２】図１に示した回転ドラム式炒め機の側面図。

【図３】図１に示した回転ドラム式炒め機の要部を示し
た拡大垂直断面図。

【図４】図１に示した回転ドラム式炒め機の要部を示し
た拡大水平断面図。

【図５】図１に示した回転ドラム式炒め機のＡ−Ａ線に
沿って断面した動作説明用の回転ドラム横断面図。

【図６】この考案の第２実施形態に係る回転ドラム式炒
め機を示した正面図。

【図７】図５に示した回転ドラム式炒め機の一部切り欠
き平面図。

【符号の説明】

１ 回転ドラム １ｂ 開口 １ｃ 底 ２ 外胴 ３ 駆動装置 ４ 回転軸 ４ａ 操作用突片 ５ 傾動軸 ６ 脚 ７ 傾動操作機構 ８ ガスバーナ ９ 仕切り板 ９ａ 基板 ９ｂ 丸棒 １０ 操作盤 １１ 制御用タイマ １２ 近接スイッチ １３ そば

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外胴内に設けて軸回りに回転する横型の
   回転ドラムと、この回転ドラムを回転させる駆動装置
   と、回転ドラムの軸方向に沿って回転ドラム下方に配設
   した左右複数列のガスバーナとを備えた回転ドラム式炒
   め機において、回転ドラムの内面に前後方向に延びる仕
   切り板を突出させ、回転ドラム内に入れたそばなどの食
   品を前記バーナによって加熱しつつ、前記駆動装置によ
   って回転ドラムを回転させ、前記仕切り板によって前記
   食品を移動させ、所定位置で食品を落下、反転させた直
   後から数秒間駆動装置を停止させ、回転ドラムを間欠回
   転させることを特徴とする回転ドラム式炒め機。
2. 【請求項２】 仕切り板は、回転ドラムの軸方向と傾斜
   させて回転ドラムの内面に固定し、食品を回転ドラム内
   の開口側から底側に斜めに押して前記ドラムの回転方向
   に移動させるようにしたことを特徴とする請求項１に記
   載の回転ドラム式炒め機。
3. 【請求項３】 回転ドラムの間欠回転は、制御用タイマ
   停止時間を長短調節可能にしたことを特徴とする請求項
   １または２に記載の回転ドラム式炒め機。