JP4274858B2 - ロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置 - Google Patents
ロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の変速機に用いられるトルクコンバータの制御装置に関し、さらに詳細には、インペラとタービンとを係脱可能なロックアップ機構を有するロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータには、インペラとタービンとを直結させるロックアップクラッチを設けることが多く、ロックアップクラッチを係合させることでエンジンと変速機とを直結させ、エンジンの動力伝達効率を高めて燃費向上が図られている。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ機構として、タービンを覆ってエンジン出力軸とインペラとを繋ぐコンバータカバーの内側空間内に、タービンに連結されたロックアップピストンを配設して構成されるものがある。このような構成のロックアップ機構においては、コンバータカバーの内側空間におけるロックアップピストンとタービンの背面とに囲まれたロックアップ空間内のトルクコンバータの作動油の油圧力をロックアップ作動制御装置が制御することで、ロックアップピストンがコンバータカバーの内側面に押圧係合されてインペラとタービンとが直結され、ロックアップクラッチの係合が行われる。
【0003】
ところでこのようなロックアップ機構は、トルクコンバータの作動油温が低い状態では作動油の粘性が高いので、ロックアップ作動制御装置の制御信号に対するロックアップクラッチの反応が鈍く、ロックアップクラッチの係合時のショックによりロックアップ機構の作動が不安定になるために、ロックアップクラッチの係合作動を規制する必要がある。このため、トルクコンバータの作動油温の検出手段により検出される作動油温と予め設定した作動油温の所定値とを比較判定し、作動油温がこの所定値以下の場合はロックアップクラッチの係合を規制し、所定値以上の場合はロックアップクラッチの係合をさせる構成が取られている。
【0004】
また、エンジンのアイドリング回転数を高く保持する必要があるエンジンの暖機前(エンジンの冷却水の水温が所定値に達する前)には、エンジンの回転数を下げる要因となるロックアップクラッチの係合作動を規制する必要がある。このため、特許文献1に記載されているように、エンジン冷却水の水温の検出手段により検出される水温と予め設定した水温の所定値とを比較判定し、水温がこの所定値以下の場合はロックアップクラッチの係合を規制し、所定値以上の場合はロックアップクラッチの係合をさせる構成が取られている。
【0005】
このようなロックアップクラッチの係合作動の制御においては、トルクコンバータの作動油温やエンジンの冷却水の水温が変動する場合に、ロックアップクラッチの係合とその規制が頻繁に繰り返し行われて、ロックアップクラッチの係合作動の制御が不安定になる、という問題がある。このため、ロックアップ作動制御装置には、特許文献2に記載されているように、エンジンの暖機が完了してトルクコンバータの作動油温やエンジンの冷却水の水温が所定値よりも高くなった状態でロックアップクラッチの係合作動が一旦許可されると、次にエンジンが始動されるまではロックアップクラッチを係合させるか否かの判定を中止するものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−57957号公報
【特許文献2】
特開2001−99305号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところでロックアップ機構は、ロックアップクラッチを係合作動させて、トルクコンバータを介したときの動力伝達ロスが無くなることで燃費向上が図られているが、ロックアップクラッチの係合時のショックを考慮に入れながらも、燃費向上の観点からエンジン始動後できるだけ速やかにロックアップクラッチを係合させる制御を行う必要がある。しかしながら、従来のロックアップクラッチの係合作動の制御は、エンジンや変速機の安定性の面からエンジン冷却水の水温やトルクコンバータの作動油温が比較的高くなってからロックアップクラッチを係合させるものであり、燃費向上が十分に図られていない、という課題があった。
【0008】
以上のような問題に鑑みて、本発明においてはトルクコンバータの作動油温やエンジンの冷却水の水温を検出し、これらの検出値に応じて、エンジン始動後これらの温度がなるべく低い段階でロックアップクラッチの係合作動を許容するロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明に係るロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置は、図1のクレーム対応図に示すように、例えば水温センサB1(水温検出手段)によりエンジンの冷却水の温度を検出し、さらに例えば油温センサB2(作動油温検出手段)によりトルクコンバータの作動油温を検出し、水温センサB1および油温センサB2により検出された温度と予め設定された所定温度とを比較判定する温度比較手段B3を有する。その上で、温度比較手段B3により水温センサB1による検出値が第1の所定温度以上にあると判定されたときにロックアップクラッチの係合作動を許容する第1許可条件と、温度比較手段B3により水温センサB1による検出値が第1の所定温度より小さい第2の所定温度以上で、且つ、油温センサB2による検出値が第3の所定温度以上にあると判定されたときに、ロックアップクラッチの係合作動を許容する第2許可条件とを有し、第1許可条件もしくは第2許可条件に基いてロックアップ作動制御装置B4が、ロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とする。
【0010】
上記構成のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置によれば、エンジンの回転は完全暖機後よりは高い状態であるが、ロックアップクラッチが作動してショック等の問題にならない回転数状態で、トルクコンバータの作動油温ができる限り低い温度に設定された所定値に達したときにロックアップクラッチを係合させることで、許容される範囲内で極力冷却水の水温や作動油温が低温の状態からロックアップクラッチを作動させて、燃費の向上を図ることができる。
【0011】
また、上記構成のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置において、温度比較手段B3により例えば油温センサB2(作動油温検出手段)が故障していると判定されたときに、第1許可条件に基いてロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とする。
【0012】
上記構成のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置によれば、油温センサB2が故障しており、トルクコンバータの作動油温の検出が不可能な場合においても、水温センサB1によりエンジンの冷却水の水温が第1許可条件を満たしていれば、トルクコンバータの作動油温も十分高く、第3の所定温度以上であると推測される。このため、この条件(第1許可条件)でロックアップクラッチの作動を制御することで、エンジンの暖機が完了してエンジンの回転が安定して落ち着いた状態で、しかもロックアップクラッチの係合時にショックを起こすことなく、ロックアップクラッチの係合作動をさせることができる。
【0013】
また、上記構成のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置において、温度比較手段B3により例えば油温センサB2(作動油温検出手段)による検出値が第1の所定温度より低く第3の所定温度より高い第4の所定温度以上にあると判定されたときにロックアップクラッチの係合作動を許容する第3許可条件を有し、温度比較手段B3により例えば水温センサB1(水温検出手段)が故障していると判定されたときに、第3許可条件に基いてロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とする。
【0014】
上記構成のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置によれば、水温センサB1が故障しており、エンジンの冷却水の水温の検出が不可能な場合においても、油温センサB2によりトルクコンバータの作動油温が第3許可条件を満たしていれば、エンジンの冷却水の水温も十分高く、第2の所定温度以上であると推測される。このため、この条件(第3許可条件)でロックアップクラッチの作動を制御することで、作動油の粘性が高く、ロックアップクラッチの係合時にショックを起こすことがない状態で、しかもエンジンの回転が安定して落ち着いた状態でロックアップクラッチの係合作動をさせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係るロックアップ制御装置CUを備えたロックアップ機構付きトルクコンバータTCを図2に示している。トルクコンバータTCは、コンバータカバー11aを介してエンジン出力軸(図示せず)と繋がるインペラ11と、インペラ11と対向して配設されるとともにタービンハブ12aを介して変速機入力軸(図示せず)と繋がるタービン12と、固定保持されるステータ13とから構成される。タービン12の背面とコンバータカバー11aの内面とに囲まれた空間内にロックアップピストン15が配設されてロックアップクラッチが構成されている。この空間はロックアップピストン15により二分割され、コンバータカバー11aとロックアップピストン15に囲まれたロックアップ解放室16と、タービン12とロックアップピストン15に囲まれたロックアップ締結室17とに分けられている。なお、このロックアップピストン15はタービンハブ12aに対して軸方向移動可能で、且つタービンハブ12aと一体回転するように取り付けられている。
【0016】
トルクコンバータTC内は、ロックアップ油入口16aおよびコンバータ油入口17aから供給される作動油が満たされ、エンジンによりインペラ11が回転されるときに発生する作動油の動圧を受けてタービン12が回転駆動される。このとき、インペラ11、タービン12およびステータ13の羽根の作用により、インペラ11からのトルクが増幅されてタービン12に伝達されるが、流体を介する動力伝達であるため、インペラ11とタービン12とが同一回転するような運転条件下においてもある程度の動力伝達ロスが生じる。このような動力伝達ロスを抑えるため、インペラ11とタービン12とが同一回転するような運転条件下で、両者を機械的に直結させて一体回転させるためにロックアップ機構が設けられている。
【0017】
ロックアップクラッチの作動の制御は、ロックアップ油入口16aおよびコンバータ油入口17aから供給される作動油圧を制御して、ロックアップ解放室16とロックアップ締結室17内の油圧を制御することで行われる。例えば、ロックアップ解放室16内の油圧を低下させることでロックアップ締結室17内の油圧によりロックアップピストン15をコンバータカバー11aの内面に押しつけ、ロックアップピストン15の側面に設けられたクラッチ摩擦材15aとコンバータカバー11aの内面との摩擦によりロックアップピストン15とコンバータカバー11aとを結合させる。この結果、インペラ11とタービン12が係合されて(ロックアップクラッチが係合作動されて)一体回転するロックアップ作動状態となる。これとは逆に、ロックアップ油入口16aからロックアップ解放室16に作動油を供給してロックアップ解放室16内の油圧をロックアップ締結室17内の油圧より高くすると、ロックアップピストン15はコンバータカバー11aの内面から離れてロックアップ解放状態となり、インペラ11とタービン12とは独立して回転可能となり、トルクコンバータTCが作動する状態となる。
【0018】
このように、ロックアップ油入口16aおよびコンバータ油入口17aから供給される作動油圧を制御することで、ロックアップピストン15とコンバータカバー11aの内面との接触を制御し、ロックアップクラッチを係合作動させたり、あるいは解放させたり、さらには、部分係合させたりすることができる。このようなロックアップクラッチの係合作動の制御を行うために、ロックアップ制御装置CUが設けられている。
【0019】
ロックアップ制御装置CUは、オイルタンク6内の作動油を供給する油圧ポンプ5と、油圧ポンプ5から供給される供給圧を調整する供給圧調整手段4と、供給圧調整手段4により調圧された作動油をロックアップ油入口16aおよびコンバータ油入口17aに供給する制御を行う油圧回路切替手段3と、ロックアップ油入口16aからロックアップ解放室16に供給される作動油圧を制御する締結力調整手段2と、締結力調整手段2の作動を制御する信号圧を供給する信号圧発生手段1とを備えて構成される。このような構成のロックアップ制御装置CUによれば、ロックアップ解放室16内の油圧を締結力調整手段2により調圧制御し、ロックアップ締結室17内の油圧を供給圧調整手段4により調圧制御し、且つ、油圧回路切替手段3による供給油圧の切替制御をすることで、ロックアップクラッチの係合作動の制御が行われる。
【0020】
ところで、トルクコンバータTC内の作動油温Toが低い状態では作動油の粘性が低くてロックアップクラッチの作動が不安定のため、ロックアップクラッチの係合作動が行われないようにする必要がある。また、エンジンの暖機前のエンジンの冷却水の水温Twが低い状態においてもエンジンのフリクションが大きく、エンジンのアイドリング回転数が高い状態のため、ロックアップクラッチの係合作動が行われないようにする必要がある。このため、本発明のロックアップ制御装置CUにおいては、以下のようにしてロックアップクラッチの作動の制御を行うようになっている。
【0021】
【第1の実施の形態】
ここで、当該制御における第1の実施の形態を図3のフローチャートを参照して説明する。この制御では、まずステップS1において水温センサB1によりエンジンの冷却水の水温Twの検出を行う。次に、ステップS2において温度比較手段B3が、検出された水温Twが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第1設定温度T1よりも高いか否かの判定(第1許可条件)をし、高いと判定された場合には、ロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの係合作動を許可してロックアップクラッチの係合が行われる(ステップS3)。
【0022】
第1設定温度T1は、エンジンの始動後、エンジンの暖機が完了した状態、もしくはほぼ完了した状態で、エンジンのアイドリング回転数が低くなったときのエンジンの冷却水の水温Twであり、この温度T1は、例えば80℃前後に設定される。これにより、エンジンの冷却水の水温Twがある程度高い状態になり、エンジンの回転数が低くなって安定した状態のときに、ロックアップクラッチの作動を開始させることができる。
【0023】
一方、ステップS2において、エンジンの冷却水の水温Twが前記第1設定温度T1より低いと判定されたときは、油温センサB2が故障を起こしているか否かをステップS4で判定する。エンジンの始動後、油温センサB2による検出温度に全く変化がない場合には、温度比較手段B3により油温センサB2が故障していると判定される。このとき、油温センサB2が故障を起こしていないと判定されたときは、次のステップS5に進む。ここで、水温センサB1および油温センサB2により、それぞれエンジンの冷却水の水温Twの検出と作動油温Toの検出が行われる。ここで、温度比較手段B3は、エンジンの冷却水の水温Twが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第2設定温度T2よりも高く(第1設定温度T1よりは低い)、且つ、油温センサB2により検出された作動油温Toが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第3設定温度T3よりも高いか否かの判定(第2許可条件)をする(ステップS6)。このとき、水温Twや作動油温Toが、これらの設定温度よりも高いと判定されたときは、ステップS3でロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの作動の許可を行う。
【0024】
これに対し、ステップS6の条件を満たしていないと判定されたときは、ロックアップ制御装置CUによりロックアップクラッチの作動が規制され、ロックアップクラッチの係合は行われない(ステップS7)。また、ステップS4で油温センサB2が故障を起こしていると判定されたときも、ロックアップ制御装置CUによりロックアップクラッチの作動が規制され、ロックアップクラッチの係合は行われない(ステップS7)。
【0025】
第2設定温度T2は、エンジンの暖機がまだ完了していない状態であるため、エンジンのアイドリング回転数は落ち着いてはおらず、ある程度高い状態に制御されているときのエンジンの冷却水の水温Twである。この温度T2は、例えば60℃前後に設定される。
【0026】
また、第3設定温度T3は、外気温が低い状態においても、ロックアップ機構を安定させて作動させるための作動油の粘度が得られる下限値で、この温度T3は、例えば50℃前後に設定される。作動油温Toが第3設定温度T3よりも高いと作動油の粘度が十分低くなり、ロックアップクラッチの係合時のショックにより振動などの問題が発生することを防止できて、ロックアップ機構の作動を安定したものにすることができる。
【0027】
以上のように、第2設定温度T2と第3設定温度T3とに応じた第2許可条件によりロックアップクラッチの作動の制御を行うことで、エンジンのアイドリング回転数が完全暖機後よりも高い状態であっても、そのときの作動油の状態を確認しながら、できる限りエンジンの冷却水の水温Twと作動油温Toとが低い段階でロックアップクラッチを係合させることができる。また、エンジンの冷却水の水温Twだけを測定する場合は、作動油温Toが充分に高いことを水温Twから予測する必要がある分、エンジンのアイドリング回転数として必要以上に高い水温Twを設定する必要が考えられるため、その場合に比べて、油温センサを必要とはするが、できる限りロックアップクラッチを係合し、燃費の向上を図ることができる。
【0028】
【第2の実施の形態】
本発明に係るロックアップクラッチの作動の制御は、これまで示したような第1の実施の形態によるものに限られない。そこで、以下に、第2の実施の形態について、図4を参照して説明する。この制御では、まずステップS11において、油温センサB2が故障を起こしているか否かの判定が行われる。本実施例の場合も、エンジンの始動後、油温センサB2による検出温度に全く変化がない場合には、温度比較手段B3により油温センサB2が故障していると判定される。ここで、油温センサB2が故障を起こしていると判定されたときは、水温センサB1が、エンジンの冷却水の水温Twを検出する(ステップS12)。そして、温度比較手段B3がステップS13において、エンジンの冷却水の水温Twが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第1設定温度T1よりも高いか否かの判定(第1許可条件)をし、高いと判定された場合には、ロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの作動を制御してロックアップクラッチの係合が行われる(ステップS14)。
【0029】
一方、ステップS13において、エンジンの冷却水の水温Twが、第1設定温度T1よりも低いと判定されたときは、ロックアップ制御装置CUによりロックアップクラッチの作動が規制され、ロックアップクラッチの係合は行われない(ステップS15)。
【0030】
以上に対し、ステップS11において、温度比較手段B3により油温センサB2が故障を起こしていないと判定されたときは、次に、水温センサB1によりエンジンの冷却水の水温Twの検出が行われる(ステップS16)。そして、ステップS17において温度比較手段B3により、検出された水温Twが第1設定温度T1よりも高いか否かの判定(第1許可条件)が行われる。このとき、エンジンの冷却水の水温Twが第1設定温度T1よりも高いと判定された場合には、ロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの作動を制御してロックアップクラッチの係合が行われる(ステップS14)。
【0031】
また、ステップS17における前記第1許可条件による判定で、エンジンの冷却水の水温Twが第1設定温度T1よりも低いと判定されたときは、ステップS18において、水温センサB1および油温センサB2により、エンジンの冷却水の水温Twおよび作動油温Toがさらに検出される。それに引き続き温度比較手段B3が、エンジンの冷却水の水温Twが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第2設定温度T2よりも高く(第1設定温度T1よりも低いという条件で)、且つ、油温センサB2により検出された作動油温Toが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第3設定温度T3よりも高いか否かの判定(第2許可条件)をする(ステップS19)。
【0032】
そして、作動油温Toが第2許可条件を満たしていると判定されたときは、ロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの作動を制御してロックアップクラッチの係合が行われる(ステップS14)。これに対し、作動油温Toが第2許可条件を満たしていないと判定されたときは、ロックアップ制御装置CUによりロックアップクラッチの作動が規制され、ロックアップクラッチの係合は行われない(ステップS15)。
【0033】
【第3の実施の形態】
さらにここで、本発明に係るロックアップクラッチの作動の制御の第3の実施の形態について、図5のフローチャートを参照して説明する。この制御では、まずステップS21において、水温センサB1が故障を起こしているか否かの判定が行われる。エンジンの始動後、水温センサB1による検出温度に全く変化がない場合には、温度比較手段B3により水温センサB1が故障していると判定される。ここで、水温センサB1が故障を起こしていると判定されたときはステップS29に進み、油温センサB2により作動油温Toの検出が行われる。このとき、温度比較手段B3が、検出された作動油温Toが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第4設定温度T4よりも高いか否かの判定(第4許可条件)をし(ステップS30)、高いと判定された場合には、ロックアップ制御装置CUがロックアップクラッチの作動を制御してロックアップクラッチの係合が行われる(ステップS24)。
【0034】
第4設定温度T4は、ロックアップ機構を安定させて作動させるために十分高い温度で、また、エンジンの冷却水の水温Twが、エンジンが安定した状態で回転する第2設定温度T2以上にあると推定される温度であり、この温度は、例えば55℃乃至60℃に設定される。
【0035】
ステップS30で、油温センサB2により検出された作動油温Toが、前記第4許可条件を満たしていないと判定されたときは、ロックアップ制御装置CUによりロックアップクラッチの作動が規制され、ロックアップクラッチの係合は行われない(ステップS28)。
【0036】
また、ステップS21で水温センサB1が故障を起こしていないと判定されたときは、温度比較手段B3は、ステップS22で水温センサB1により検出された水温Twが温度比較手段B3に予め所定値として記憶された第1設定温度T1よりも高いか否かの判定(第1許可条件)を行う(ステップS23)。そして、これ以降は、第1の実施の形態の場合と同様にして処理が続行される(ステップS24〜S28)。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に関するロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置においては、エンジンの回転は完全暖機後よりは高い状態であるが、ロックアップクラッチが作動してショック等の問題にならない回転数状態で、トルクコンバータの作動油温ができる限り低い温度に設定された所定値に達したときにロックアップクラッチを係合させることで、許容される範囲内で極力冷却水の水温や作動油温が低温の状態からロックアップクラッチを作動させて、燃費の向上を図ることができる。
【0038】
また、油温センサB2が故障しており、トルクコンバータの作動油温の検出が不可能な場合においても、水温センサB1によりエンジンの冷却水の水温が第1許可条件を満たしていれば、トルクコンバータの作動油温も十分高く、第3の所定温度以上であると推測される。このため、この条件(第1許可条件)でロックアップクラッチの作動を制御することで、エンジンの暖機が完了してエンジンの回転が安定して落ち着いた状態で、しかもロックアップクラッチの係合時にショックを起こすことなく、ロックアップクラッチの係合作動をさせることができる。
【0039】
水温センサB1が故障しており、エンジンの冷却水の水温の検出が不可能な場合においても、油温センサB2によりトルクコンバータの作動油温が第3許可条件を満たしていれば、エンジンの冷却水の水温も十分高く、第2の所定温度以上であると推測される。このため、この条件(第3許可条件)でロックアップクラッチの作動を制御することで、作動油の粘性が高く、ロックアップクラッチの係合時にショックを起こすことがない状態で、しかもエンジンの回転が安定して落ち着いた状態でロックアップクラッチの係合作動をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置を示す第1の実施の形態におけるブロック図である。
【図2】本発明に係るロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置におけるトルクコンバータの断面図と、当該制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】上記制御装置の第1の実施の形態における制御内容を示すフローチャートである。
【図4】上記制御装置の第2の実施の形態における制御内容を示すフローチャートである。
【図5】上記制御装置の第3の実施の形態における制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 インペラ(インペラ部材)
11a コンバータカバー(インペラ部材)
12 タービン(タービン部材)
12a タービンハブ(タービン部材)
13 ステータ(ステータ部材)
15 ロックアップピストン(ロックアップクラッチ)
16 ロックアップクラッチ摩擦材(ロックアップクラッチ)
B1 水温センサ(水温検出手段)
B2 油温センサ(作動油温検出手段)
B3 温度比較手段
CU ロックアップ制御装置
TC トルクコンバータ
Claims (3)
- エンジンの出力軸に連結されるインペラ部材と、変速機の入力軸に連結されるタービン部材と、固定保持されるステータ部材と、前記インペラ部材と前記タービン部材とを係脱させるロックアップクラッチとを有するロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置において、
前記エンジンの冷却水の温度を検出する水温検出手段と、
前記ロックアップクラッチの係合作動をさせる作動油の温度を検出する作動油温検出手段と、
前記水温検出手段および前記作動油温検出手段により検出された温度と予め設定された所定温度とを比較判定する温度比較手段と、
前記温度比較手段により前記水温検出手段による検出値が第1の所定温度以上にあると判定されたときに、前記ロックアップクラッチの係合作動を許容する第1許可条件と、
前記温度比較手段により前記水温検出手段による検出値が前記第1の所定温度より小さい第2の所定温度以上で、且つ、前記作動油温検出手段による検出値が第3の所定温度以上にあると判定されたときに、前記ロックアップクラッチの係合作動を許容する第2許可条件とを有し、
前記第1許可条件もしくは前記第2許可条件に基いて前記ロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とするロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置。 - 前記温度比較手段により前記作動油温検出手段が故障していると判定されたときに、前記第1許可条件に基いて前記ロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とする請求項1に記載のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置。
- 前記温度比較手段により前記作動油温検出手段による検出値が前記第1の所定温度より低く前記第3の所定温度より高い第4の所定温度以上にあると判定されたときに前記ロックアップクラッチの係合作動を許容する第3許可条件を有し、
前記温度比較手段により前記水温検出手段が故障していると判定されたときに、前記第3許可条件に基いて前記ロックアップクラッチの係合作動を制御することを特徴とする請求項1に記載のロックアップ機構付きトルクコンバータの制御装置。
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