JP2008303958A - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

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和俊 金池
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Abstract

【課題】スリップ制御中での制御遅れによるエンジンの空吹きやロックアップクラッチ係合時のショッの発生を防ぐことができる自動変速機のロックアップ制御装置を提供すること。
【解決手段】トルクコンバータ6の入力軸15と出力軸21との間に設けられた油圧作動式のロックアップクラッチ20と、該ロックアップクラッチ20への供給油圧を調整して前記入力軸15と出力軸21とのスリップ量を調整する油圧調整手段(ロックアップソレノイド7とロックアップコントロールバルブ22)と、スリップ量が目標スリップ量となるよう油圧調整手段をフィードバック制御する制御手段を備えた自動変速機のロックアップ制御装置において、制御手段からの制御出力値に、ロックアップクラッチ20が係合状態を維持するための下限値を設定し、制御出力値が下限値に達するとスリップフィードバック制御を中止して制御出力値を下限値に維持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの係合力、即ち、入力軸と出力軸との回転数差(スリップ量)を制御するための自動変速機のロックアップ制御装置に関するものである。
トルクコンバータとトランスミッションを具備した車両用の自動変速機において、トルクコンバータの入力軸と出力軸との間にロックアップクラッチを設け、運転領域に応じてロックアップクラッチを締結状態(ON状態)と開放状態(OFF状態)に切り替えることは従来から行われている。
斯かる自動変速機において、特定の運転領域(ロックアップ領域)でロックアップクラッチを締結状態(ON状態)としてトルクコンバータの入力軸と出力軸を直結すれば、両者のスリップが防がれて燃費が改善される等の効果が得られる反面、トルクコンバータの流体緩衝作用が失われて振動対策上不利になるという問題がある。
そこで、或る特定の運転領域(スリップ領域)においてトルクコンバータをスリップ状態(半クラッチ状態)とし、トルクコンバータの入力軸と出力軸との回転数差(スリップ量)が所定の目標値(目標スリップ量)となるようフィードバック制御することが提案され、既に実用に供されている。
ところで、ロックアップクラッチは油圧で動作し、このロックアップクラッチへの供給油圧を油圧調整手段によって調整することによってロックアップクラッチの係合力、つまり、トルクコンバータの入力軸と出力軸のスリップ量が目標スリップ量となるようフィードバック制御(スリップ制御)される。
ここで、油圧調整手段は、ロックアップコントロールバルブと、デューティソレノイドから成るロックアップソレノイドによって構成されており、制御ユニットからの制御信号(DUTY信号)によって動作するロックアップソレノイドによってロックアップコントロールソバルブを制御することによってロックアップクラッチへの供給油圧を調整している。
具体的には、制御ユニットからの制御信号のDUTYが最小である場合には、トルクコンバータの油室には所定圧以上の油圧が供給されてロックアップクラッチが開放状態(OFF状態)とされ、制御信号のDUTYが最大とされると、トルクコンバータの油室から圧油が排出されてロックアップクラッチが締結状態(ON状態)とされる。
又、制御ユニットからの制御信号のDUTYが中間値とされたときには、ロックアップクラッチがDUTYの値に応じてスリップするスリップ状態(半クラッチ状態)となるように油室への供給油圧が調整され、ロックアップクラッチの係合力が制御される。
ところで、上述のようにトルクコンバータのスリップ量をロックアップソレノイドのDUTYによってフィードバック制御する場合において、ロックアップソレノイドのDUTYに対する供給油圧の大きさは作動油の温度(粘度)によって異なる値を示し、同じDUTYであっても、作動油の温度によって供給油圧が異なり、トルクコンバータのスリップ量も異なる値を示すことになる。
そこで、特許文献1には、ロックアップソレノイドのDUTYに対する供給油圧の温度特性を考慮してロックアップソレノイドのフィードバック制御を行うようにしたスリップ制御装置が提案されている。
又、特許文献2には、ロックアップソレノイドのコイルへの印加電圧値とコイルを流れる電流値に基づき抵抗値から作動油の温度を推定する提案がなされている。
更に、特許文献3には、自動変速機の変速時のショック軽減等を目的として、変速中は、トルクコンバータの入力軸と出力軸とのスリップ量に関係なく、ロックアップクラッチを適度の半クラッチ状態に保つような一定の締結力を付与する技術が提案されている。
特許第2706073号公報 特開2004−316848号公報 特公平8−023389号公報
ここで、従来のロックアップ制御装置によるスリップ制御の手順を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御が開始されると、ステップS11においてスリップ制御中であるか否かが判断され、スリップ制御中である場合(ステップS11での判断結果がyesである場合)には、|エンジン回転速度−タービン回転速度|、即ち、入力軸と出力軸との回転数差であるスリップ量(絶対値)が目標スリップ量よりも大きいか否かが判断される(ステップS12)。尚、スリップ制御中でない場合(ステップS11での判断結果がnoである場合)には、何ら制御はなされない。
而して、現在のスリップ量が目標スリップ量よりも大きい場合(ステップS12での判断結果がyesである場合)には、ロックアップソレノイドのDUTY(luduty)が前回のDUTY(luduty(n−1))に補正値(フィードバック積分補正値)Iを加えた値(luduty(n−1)+I)に置き換えられる(ステップS13)。つまり、実際のスリップ量が目標スリップ量以下になるまでDUTY(luduty)が補正値Iずつ増やされる。
ここで、図8に回転速度(rpm)とロックアップDUTY(%)及びスロットル開度(%)のタイムチャートを示すが、車両が定速走行しており、トルクコンバータのスリップ量が目標スリップ量近傍に保持されている状態からアクセルペダルを踏んで加速したためにスロットル開度が増大し、エンジン回転速度も増大するためにスリップ量が目標スリップ量を超えた場合、ロックアップDUTYが増加するよう制御がなされてロックアップクラッチの係合力が高められるためにスリップ量が次第に減少し、スリップ量が目標スリップ量に近づけられる。
他方、現在のスリップ量が目標スリップ量以下である場合(ステップS12での判断結果がnoである場合)には、ロックアップソレノイドのDUTY(luduty)が前回のDUTY(luduty(n−1))から補正値(フィードバック積分補正値)Iを差し引いた(luduty(n−1)−I)に置き換えられる(ステップS14)。つまり、実際のスリップ量が目標スリップ量を超えるまでDUTY(luduty)が補正値Iずつ減らされる。
ここで、図9に回転速度(rpm)とロックアップDUTY(%)及びスロットル開度(%)のタイムチャートを示すが、車両が高速で走行しており、トルクコンバータのスリップ量が目標スリップ量近傍に保持されている状態からスロットル開度を絞ると、エンジン回転速度が減少してスリップ量が目標スリップ量以下に低下するため、ロックアップDUTYが減少する制御がなされてロッククアップクラッチの係合力が弱められ、ロックアップDUTYが或る値まで低下した時点でロックアップクラッチが開放(OFF)される。そして、ロックアップクラッチが開放(OFF)されたまま、次にアクセル操作がなされてスロットル開度が増加すると、エンジン回転速度が急増するためにスリップ量が目標スリップ量を超えて大きくなるため、ロックアップクラッチを急激に係合させる方向にロックアップDUTYがフィードバック制御される。このような場合、ソフト的及びハード的なレスポンスの遅れが発生し、エンジンの空吹きやロックアップクラッチの係合ショックが発生するという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、スリップ制御中での制御遅れによるエンジンの空吹きやロックアップクラッチ係合時のショックの発生を防ぐことができる自動変速機のロックアップ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、所定のスリップ領域においてトルクコンバータをスリップ制御する装置であって、前記トルクコンバータの入力軸と出力軸との間に設けられた油圧作動式のロックアップクラッチと、該ロックアップクラッチへの供給油圧を調整して前記入力軸と出力軸とのスリップ量を調整する油圧調整手段と、前記スリップ量が目標スリップ量となるよう前記油圧調整手段をフィードバック制御する制御手段を備えた自動変速機のロックアップ制御装置において、前記制御手段からの制御出力値に、前記ロックアップクラッチが係合状態を維持するための下限値を設定し、制御出力値が前記下限値に達すると前記スリップフィードバック制御を中止して制御出力値を下限値に維持することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記油圧調整手段をデューティ制御されるロックアップソレノイドを含んで構成し、前記制御出力値の下限値を前記ロックアップソレノイドのDUTY値の下限値として設定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記制御出力値の下限値を前記ロックアップソレノイドの抵抗値に応じて補正することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御出力値の下限値を作動油の温度に応じて補正することを特徴とすることを特徴とする。
請求項1及び2記載の発明によれば、スリップ制御においてスリップ量が目標スリップ量を下回っているために制御出力値を下げてロックアップクラッチの係合力を弱める制御を行っている場合において、制御出力値が下限値に達するとスリップフィードバック制御を中止して制御出力値を下限値に維持するようにしたため、スリップ制御中においては如何なる条件下においてもロックアップクラッチが開放(OFF)されることがない。このため、その後、突然エンジン回転速度が急増したためにスリップ量が目標スリップ量を超えて大きくなり、ロックアップクラッチを急激に係合させる方向に制御がなされても、ロックアップクラッチは係合状態が維持されていたため、レスポンスの遅れが発生せず、エンジンの空吹きやロックアップクラッチの係合ショックの発生が防がれる。
ところで、スリップ制御においてロックアップクラッチを係合状態に維持するための制御出力値の下限値は、作動油の温度(粘度)によって変動するが、請求項3及び4によれば、作動油の温度とは無関係に常に適正なスリップ制御が可能となり、レスポンスの遅れに伴うエンジンの空吹きやロックアップクラッチの係合ショックの発生が防がれる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るロックアップ制御装置のシステム構成図、図2はトルクコンバータとその油圧制御回路の構成を示す図である。
図1に示すように、エンジン(E/G)1の出力側には自動変速機2が直結されており、エンジンの出力軸(クランク軸)の回転は、自動変速装置2によって自動変速されて不図示の駆動輪に伝達される。又、エンジン1の吸気側にはスロットル3が設けられており、このスロットル3の開度はアクセルペダル4の踏操作によって調整される。
ところで、前記自動変速機2は、後述のロックアップクラッチ20(図2参照)を備えたトルクコンバータ5と、不図示の遊星歯車機構及びその動力伝達経路を切り替える各種クラッチやブレーキ等を備えたトランスミッション(T/M)6及びロックアップソレノイド7等を含む各種アクチュエータによって構成されている。
而して、本発明に係るロックアップ制御装置は、制御手段としての制御ユニット(TCM)8を備えており、この制御ユニット8には、前記アクセルペダル4の開度を検出するアクセルポジションセンサ9と、前記スロットル3の開度を検出するスロットルポジションサンサ10と、エンジン回転数(後述のポンプ(17図2参照)の回転数)を検出するエンジン回転センサ11と、自動変速機2の現在のシフト位置(変速段)を検出するシフトセンサ12と、トルクコンバータ5のタービン18(図2参照)の回転数を検出するタービン回転センサ13と、車速を検出する車速センサ14が電気的に接続されており、これらの各種センサ9〜14からの検出信号は制御ユニット8に入力される。
すると、制御ユニット8は、各種センサ9〜14から入力された検出値に基づいてロックアップソレノイド7に対して制御信号を出力し、該ロックアップソレノイド7を駆動制御して前記ロックアップクラッチを制御するが、これについては後述する。又、制御ユニット8は、不図示のライン圧ソレノイドに制御信号を送信して油圧回路のライン圧をエンジン1の運転状態に応じて調整するとともに、不図示のシフトソレノイドに制御信号を送信して車両の走行状態に応じてトランスミッション6の変速段を最適に切り替える。
次に、前記トルクコンバータ5の内部構造と油圧制御回路の構成を図2に基づいて説明する。
トルクコンバータ5は、エンジン出力軸(クランク軸)である入力軸15に結合されたケース16と、該ケース16の一側部に固設されて入力軸15と共に回転するポンプ17と、該ポンプ17に対向するようにケース16内の他側部に回転可能に設けられたタービン18と、ポンプ17とタービン18との間に介設されたステータ19と、タービン18とケース16との間に介設されたロックアップクラッチ20を備えている。
上記タービン18には、入力軸15と同軸に配された出力軸21が結合されており、この出力軸21は、入力軸15に対して独立に回転可能であって、その回転がトランスミッション6へと伝達されて該トランスミッション6によって自動変速される。
又、前記ロックアップクラッチ20は、出力軸21に結合されて前記ケース16に対して接離可能であって、該ロックアップクラッチ20とケース16との間には油室Sが形成されている。この油室Sに所定値以上の油圧が供給されるとロックアップクラッチ20はケース16から離間して開放状態(OFF状態)となり、入力軸15と出力軸21は直結されず、入力軸15の回転はポンプ17の回転により作動油を介してタービン18が回転駆動されることによって出力軸21に伝達され、この状態で変速動作がなされる。
又、油室Sから圧油が排出されると、トルクコンバータ6内の油圧によってロックアップクラッチ20がケース16に所定の締結力でケース16に圧接されるため、ロックアップクラッチ20が締結状態(ON状態)となって入力軸15と出力軸21とが直結され、入力軸15の回転はそのまま出力軸21に伝達される。
更に、油室Sに所定値未満の油圧が供給されると、ロックアップクラッチ20が所謂半クラッチ状態となってスリップし、入力軸15の回転はスリップしながら出力軸21に伝達され、入力軸15と出力軸21との間にはスリップが発生する。このロックアップクラッチ20のスリップ状態(半クラッチ状態)は、トルク変動の吸収や燃費改善等を目的として或る特定の運転領域(スリップ領域)でなされるものであって、入力軸15と出力軸21のスリップ量は、油室Sに供給される油圧(ロックアップクラッチ20の係合力)を油圧調整手段によって調整することによって制御される。ここで、油圧調整手段は、前記ロックアップソレノイド7とロックアップコントロールバルブ22によって構成されているが、以下、この油圧調整手段を含む油圧制御回路の構成について説明する。
油圧制御回路には、トルクコンバータ6の油室Sに接続されたクラッチ開放側の油路23と、トルクコンバータ6内に不図示のオイルポンプからライン圧ソレノイドを介してライン圧を与える油路24が設けられており、これらの油路23,24の間には前記ロックアップコントロールバルブ22が介装されている。そして、このロックアップコントロールバルブ22とトルクコンバータ6との間には、トルクコンバータ6内に一定の油圧を供給するクラッチ係合側の油路25が設けられている。
又、シフトバルブ26を介してロックアップコントロールバルブ22にパイロット圧を供給する油路27に前記ロックアップソレノイド7が接続されている。このロックアップソレノイド7は、デューティソレノイドであって、前記制御ユニット8(図1参照)から出力される制御信号(DUTY信号)に応じてパイロット圧を調整することによって、ロックアップコントロールバルブ22のスプールを変位させるものである。
具体的には、制御ユニット8からの制御信号のDUTYが最小である場合には、トルクコンバータ6の油室Sには油路23から所定圧以上の油圧が供給されてロックアップクラッチ20が開放状態(OFF状態)とされ、制御信号のDUTYが最大とされると、トルクコンバータ6の油室Sから圧油が排出されてロックアップクラッチ20が締結状態(ON状態)とされる。
又、制御ユニット8からの制御信号のDUTYが中間値とされたときには、ロックアップクラッチ20がDUTYの値に応じてスリップするスリップ状態(半クラッチ状態)となるように油室Sへの供給油圧が調整され、ロックアップクラッチ20の係合力が制御される(スリップ制御)。
ところで、マイクロコンピュータで構成された制御ユニット8に内蔵された不図示のメモリ(ROM)には、予め設定された変速パターンとロックアップ制御パターンが記憶されている。変速パターンとしては、例えば車速とスロットル開度をパラメータとして各変速段間のシフトアップラインとシフトダウンラインが設定されており、このような変速ラインに従って車速とスロットル開度に応じた最適な変速制御がなされる。
又、ロックアップ制御パターンとしては、ロックアップクラッチ20をスリップさせてトルクコンバータ6の入力軸15と出力軸21の回転数差(スリップ量)が目標値となるようロックアップクラッチ20の係合力(油室Sへの供給油圧)をフィードバック制御(デューティ制御)するスリップ領域と、ロックアップクラッチ20を完全な締結状態(ON状態)とするロックアップ領域と、ロックアップクラッチ20を開放状態(OFF状態)とするコンバータ領域とが設定されている。
上記コンバータ領域では、入力軸15のトルクはトルクコンバータ6の作動油を介して出力軸21に伝達され、変速操作はこのコンバータ領域においてなされ、変速時以外においてロックアップクラッチ20の係合力を制御するロックアップ制御がなされる。
而して、本実施の形態は、スリップ領域においてロックアップクラッチ20をスリップさせてトルクコンバータ6の入力軸15と出力軸21のスリップ量が目標値(目標スリップ量)となるようロックアップクラッチ20の係合力(油室Sへの供給油圧)をフィードバック制御するスリップ制御において、スリップ量(絶対値)が目標スリップ量よりも小さいために制御信号のDUTYを下げてロックアップクラッチ20の係合力も下げていく過程でのDUTYに下限値を設定し、DUTYがその下限値に達するとフィードバック制御を中止し、DUTYをその下限値に維持するようにしたことを特徴とする。ここで、DUTYの下限値は、ロックアップクラッチ20を開放状態(OFF状態)とする値よりも僅かに大きな値に設定されており、従って、DUTYが下限値に達したためにフィードバック制御を中止した状態においてもロックアップクラッチ20はスリップ状態(半クラッチ状態)を維持している。つまり、本実施の形態では、スリップ制御中は如何なる場合にもロックアップクラッチ20が開放状態(OFF状態)とされることがなく、スリップ状態(半クラッチ状態)が維持される。
ところで、図3にロックアップソレノイド7のデューティ制御においてDUTYに対する油圧の変化をロックアップソレノイド20のコイル抵抗をパラメータとして示すが、同図に示すように、DUTYに対してクラッチ係合側油圧もクラッチ開放側油圧もコイル抵抗によって大きなズレが発生する。具体的には、コイル抵抗が増大するとロックアップクラッチ20の締結開始のDUTYが大きくなる。尚、直接的には油圧は作動油の温度(つまりは、粘度)によって変化し、作動油の温度とコイル抵抗との間には一定の相関があるため、油圧はコイル抵抗によって図3に示すように変化する。
そこで、本実施の形態では、DUTYの下限値をロックアップソレノイド20のコイル抵抗に応じて補正するようにし、作動油の温度とは無関係にDUTYが下限値に達するとロックアップクラッチ20が常に一定の係合力によって係合する状態が維持されるようにした。具体的には、コイル抵抗に対して補正されたDUTYの下限値を制御ユニット8のメモリ(ROM)にデータテーブルとして記憶している。
次に、本発明に係るロックアップ制御装置において実行されるスリップ制御の手順を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御が開始されると、ステップS1においてスリップ制御中であるか否かが判断され、スリップ制御中である場合(ステップS1での判断結果がyesである場合)には、ロックアップソレノイド7の抵抗値を検出し(ステップS2)、制御ユニット8のメモリに記憶されているデータテーブルから抵抗値に対応するDUTYの下限値(ludutygrl)を検索する(ステップS3)。尚、検索されたDUTYの下限値(ludutygrl)はそのときのコイル抵抗値(作動油温度)によって補正されたものである。
次に、|エンジン回転速度−タービン回転速度|、即ち、入力軸と出力軸との回転数差であるスリップ量(絶対値)が目標スリップ量よりも大きいか否かが判断される(ステップS4)。尚、スリップ制御中でない場合(ステップS1での判断結果がnoである場合)には、何ら制御はなされない。
而して、現在のスリップ量が目標スリップ量よりも大きい場合(ステップS4での判断結果がyesである場合)には、ロックアップソレノイド7のDUTY(luduty)が前回のDUTY(luduty(n−1))に補正値(フィードバック積分補正値)Iを加えた値(luduty(n−1)+I)に置き換えられる(ステップS5)。つまり、実際のスリップ量が目標スリップ量以下となるまでDUTY(luduty)が補正値Iずつ増やされる。
他方、現在のスリップ量が目標スリップ量以下である場合(ステップS4での判断結果がnoである場合)には、ロックアップソレノイド7のDUTY(luduty)がデータテーブルの検索によって求まられたDUTYの下限値(ludutygrl)以上であるか否かが判断される(ステップS6)。
ここで、図5に回転速度(rpm)とロックアップDUTY(%)及びスロットル開度(%)のタイムチャートを示すが、車両が高速で走行しており、トルクコンバータ6のスリップ量が目標スリップ量近傍に保持されている状態からスロットル開度を絞ると、エンジン回転速度が減少してスリップ量が目標スリップ量以下に低下するが、DUTYが下限値(ludutygrl)より大きな値を示す場合(ステップS6での判断結果がyesである場合)には、DUTY(luduty)が前回のDUTY(luduty(n−1))から補正値(フィードバック積分補正値)Iを差し引いた(luduty(n−1)−I)に置き換えられる(ステップS7)。つまり、実際のスリップ量が目標スリップ量を超えるまでDUTY(luduty)が補正値Iずつ減らされる。
上記過程において、ロックアップDUTY(luduty)が下限値(ludutygrl)まで低下すると(ステップ6での判断結果がno)、スリップフィードバック制御は中止され、DUTY(luduty)は下限値(ludutygrl)に保持される。
従って、スリップ制御中においては、如何なる条件下においてもロックアップクラッチ20が開放(OFF)されることがない。このため、その後、図5に示すように、スロットル操作がなされてスロットル開度が増大し、エンジン回転速度が急増したためにスリップ量が目標スリップ量を超えて大きくなり(ステップS4での判断結果がyes)、ロックアップクラッチ20を急激に係合させる方向に制御がなされても(ステップS5)、ロックアップクラッチ20は係合状態が維持されていたため、レスポンスの遅れが発生せず、エンジン1の空吹きやロックアップクラッチ20の係合ショックの発生が防がれる。
そして、本実施の形態では、DUTYの下限値(ludutygrl)をロックアップソレノイド7の抵抗値に応じて補正するようにしたため、作動油の温度とは無関係に常に適正なスリップ制御が可能となり、レスポンスの遅れに伴うエンジン1の空吹きやロックアップクラッチ20の係合ショックの発生が防がれる。
尚、本実施の形態では、DUTYの下限値(ludutygrl)をロックアップソレノイド7のコイル抵抗値に応じて補正するようにしたが、コイル抵抗値に代えて作動油(ATF:Automatic Transmisson Fluid)の温度を直接検出し、検出した作動油温度に対応する下限値(ludutygrl)をデータテーブルから検索するようにしても良い。この場合のフローチャートを図6に示す(ステップS2’参照)。
本発明に係るロックアップ制御装置のシステム構成図である。 本発明に係るロックアップ制御装置を備えた自動変速機のトルクコンバータとその油圧制御回路の構成を示す図である。 ロックアップソレノイドのデューティ制御においてDUTYに対する油圧の変化をロックアップソレノイドのコイル抵抗をパラメータとして示す図である。 本発明に係るロックアップ制御装置によるスリップ制御の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係るロックアップ制御装置によるスリップ制御での回転速度とロックアップDUTY及びスロットル開度のタイムチャートである。 本発明に係るロックアップ制御装置によるスリップ制御の他の処理手順を示すフローチャートである。 従来のロックアップ制御装置によるスリップ制御の処理手順を示すフローチャートである。 従来のロックアップ制御装置によるスリップ制御での回転速度とロックアップDUTY及びスロットル開度のタイムチャートである。 従来のロックアップ制御装置によるスリップ制御での回転速度とロックアップDUTY及びスロットル開度のタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 スロットル
4 アクセルペダル
5 トルクコンバータ
6 トランスミッション
7 ロックアップソレノイド(油圧調整手段)
8 制御ユニット(制御手段)
9 アクセルポジションセンサ
10 スロットルポジションセンサ
11 エンジン回転センサ
12 シフトセンサ
13 タービン回転センサ
14 車速センサ
15 入力軸
16 ケース
17 ポンプ
18 タービン
19 ステータ
20 ロックアップクラッチ
21 出力軸
22 ロックアップコントロールバルブ(油圧調整手段)
23〜25 油路
26 シフトバルブ
27 油路
S 油室

Claims (4)

  1. 所定のスリップ領域においてトルクコンバータをスリップ制御する装置であって、前記トルクコンバータの入力軸と出力軸との間に設けられた油圧作動式のロックアップクラッチと、該ロックアップクラッチへの供給油圧を調整して前記入力軸と出力軸とのスリップ量を調整する油圧調整手段と、前記スリップ量が目標スリップ量となるよう前記油圧調整手段をフィードバック制御する制御手段を備えた自動変速機のロックアップ制御装置において、
    前記制御手段からの制御出力値に、前記ロックアップクラッチが係合状態を維持するための下限値を設定し、制御出力値が前記下限値に達すると前記スリップフィードバック制御を中止して制御出力値を下限値に維持することを特徴とする自動変速機のロックアップ制御装置。
  2. 前記油圧調整手段をデューティ制御されるロックアップソレノイドを含んで構成し、前記制御出力値の下限値を前記ロックアップソレノイドのDUTY値の下限値として設定することを特徴とする請求項1記載の自動変速機のロックアップ制御装置。
  3. 前記制御出力値の下限値を前記ロックアップソレノイドの抵抗値に応じて補正することを特徴とする請求項2記載の自動変速機のロックアップ制御装置。
  4. 前記制御出力値の下限値を作動油の温度に応じて補正することを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機のロックアップ制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220437A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Honda Motor Co Ltd 自動変速機の制御装置
WO2019167506A1 (ja) * 2018-02-27 2019-09-06 ジヤトコ株式会社 自動変速機のロックアップ制御装置および制御方法

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