JP4274435B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機、詳しくは、裏側に備えた保持部材を介してガラス板を着脱可能に取り付けたガラス板保持枠を有し、該ガラス板保持枠が遊技機本体枠に対して回動可能に備えられている遊技機に関する。なお、本発明の遊技機は、いわゆるパチンコ機と称される弾球遊技機、いわゆるパチスロ機と称される回動式遊技機の双方を対象としている。
例えば弾球遊技機(いわゆるパチンコ機)には、多数の遊技釘や遊技球誘導部材(例えばステージや天通路等)などの各種遊技部材を設けて遊技球の転動する遊技領域を構成している遊技盤が遊技機本体枠に取り付けられており、前記遊技盤は、遊技機本体枠の一側にヒンジなどを介して回動可能に取り付けられたガラス板保持枠のガラス板を介して視認可能に構成されている。
このような弾球遊技機において、ガラス板は、ガラス板保持枠の裏側に備えた保持部材を介して着脱可能に取り付けられているのが一般的である。
従来、このようにガラス板保持枠を回動可能に備えた弾球遊技機として特許文献1が開示されており、この特許文献1において、保持部材は、回動軸側の保持部材と開放側の保持部材と夫々の保持部材の下端領域にわたって連通して備えられた下部分の保持部材とで構成され、上部分は開放した空間であるガラス板嵌装可能部とし、前記回動軸側の保持部材と開放側の保持部材と下部分の保持部材とで構成されているガラス板の保持部材空間は、嵌装されるガラス板が嵌り合う程度の大きさに構成されている。
そして、ガラス板を、前記ガラス板嵌装可能部を介して上方より嵌装して取り付ける構成としている。
特開2002−85758号公報
ところで、この種の弾球遊技機では、例えば遊技機本体枠の上方にランプ飾りやスピーカなどが前方に向けて突出状に備えられていたり、またこれらランプ飾りやスピーカなどがガラス板保持枠に備えられ、これらの配線がヒンジ側(回動軸側)に取り回されているものがある。
このような弾球遊技機において、前記特許文献1に開示の先行技術では、ガラス板が嵌り合う程度の大きさに保持部材を構成していることから、ガラス板保持枠を十分に開放させてからでなければ、ガラス板着脱の際に、前記各配線やランプ飾り,スピーカなどに干渉してしまうため、ガラス板保持枠開放のための作業スペース(開放スペース)を十分に確保しなければならない。
そこで本願発明者は、ガラス板保持枠に配される各配線や遊技機本体枠に備えられるランプ飾り,スピーカなどの部材との干渉を極力抑えつつガラス板の着脱が可能な遊技機に関する新規有用な技術的手段を開発することに成功したが、さらに本願発明者は、このような新規技術的手段の実効を補足すべく、次の課題をも併せて解決すべくさらなる研究開発を行った。
すなわち、上述の不都合を解消すべくなされた新規技術的手段では、移動補助部材を用いてガラス板を保持部材に対して摺動させてガラス板取付位置まで移動させる構造としたが、移動補助部材の操作性が煩雑だと、ガラス板の取付作業効率が低下してしまう虞がある。本願発明者はこの点に着目し、本願発明に至ったものである。
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的とするところは、ガラス板の取付作業効率を向上させることの可能な遊技機を提供することである。
このような目的を達成するために、第1の発明は、遊技機本体枠の一側を回動軸10として回動可能にガラス板保持枠3が取り付けられ、該ガラス板保持枠3は、裏側に備えた保持部材11を介してガラス板4を着脱可能に保持し、前記保持部材11は、前記ガラス板保持枠3の回動軸10側に備えた回動軸側保持部材12と、開放側16に備えた開放側保持部材13及び下部分側に備えた下部分側保持部材14とで構成されるとともに、上部分を開放することによりガラス板嵌装可能部15を構成し、ガラス板4を前記ガラス板嵌装可能部15の上方より嵌装する遊技機において、前記回動軸側保持部材12と開放側保持部材13の間隔は、ガラス板4を前記ガラス板嵌装可能部15の上方から前記開放側保持部材13に沿って嵌装するとともに、下部分側保持部材14に沿ってガラス板保持枠3に対して平行移動させ、前記回動軸側保持部材12に当接させることによりガラス板取付位置20に取り付けるための移動空間L2を確保して構成されており、前記ガラス板保持枠3は、遊技機の高さ方向における中心位置に移動補助部材用貫通孔17を備え、前記移動補助部材用貫通孔17には、開放側16から回動軸10側に向けて移動可能な移動補助部材25が配設され、前記ガラス板4は、前記移動補助部材25を開放側16から回動軸10側へと移動させることにより、回動軸10側のガラス板取付位置20へと移動させられ、該移動補助部材25は、前記ガラス板4を前記ガラス板取付位置20にて保持するために、ガラス板保持枠3の所定位置に保持される保持部45が備えられていることを特徴とする遊技機としたことである。
本発明によれば、移動補助部材25は、ガラス板4をガラス板取付位置20へ摺動させた後に保持部45によってガラス板保持枠3に保持されるため、ガラス板取付作業時毎に移動補助部材25を取り外したりする手間が無く、操作における煩雑さも無く、ガラス板4の取付作業効率に大変優れる。
また、移動補助部材25の保持部45によって、ガラス板4を取付位置20にてぐらつかないようにすることができ、取付安定性が向上する。
第2の発明は、第1の発明において、保持部45は、移動補助部材25と一体成形されていることを特徴とする遊技機としたことである。
本発明によれば、部品点数の増加を抑えることができ、製品コストの抑制及び部品管理コストの抑制が図れる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、ガラス板保持枠3及び保持部45のうちのいずれか一方には、弾性変形可能な保持用係止片48を備えるとともに、他方には前記保持用係止片48に係止される保持用係止受部19aを備え、移動補助部材25は、前記保持用係止片48を操作することにより、前記保持用係止受部19aより離脱してガラス板4のガラス板取付位置20における保持状態を解除可能としたことを特徴とする遊技機としたことである。
本発明によれば、保持部45が係止により取り付けられるので、移動補助部材25を移動させる場合に保持状態の解除が容易であり、操作性にも優れる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、移動補助部材25は、ガラス板4をガラス板保持枠3の開放側16位置から押圧することにより摺動させるとともに、該ガラス板4をガラス板取付位置20にて取り付けた状態で、該ガラス板4を回動軸10方向へと付勢する付勢部材36を備えていることを特徴とする遊技機としたことである。
本発明によれば、ガラス板4を取付位置20にて取り付けたときに、移動補助部材25によってガラス板4の開放側16への移動を抑制するとともに、ガラス板4への衝撃を緩和することができる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、移動補助部材25には、ガラス板4と当接する当接部33を備えるとともに、該当接部33に、前記ガラス板4からの衝撃を緩衝する緩衝部35を備えたことを特徴とする遊技機としたことである。
本発明によれば、ガラス板4と移動補助部材25との当接により生ずる衝撃を緩和できるので、ガラス板4と移動補助部材25の耐久性が向上する。
本発明によれば、ガラス板の取付作業効率を向上させることが可能な遊技機が提供できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施例では、本発明を適用する遊技機の一例として弾球遊技機(パチンコ機ともいう)をもって説明する。
図1は、本発明を適用した弾球遊技機の一例を示す概略斜視図で、図2乃至図5は、ガラス板保持枠3の概略図である。
弾球遊技機は、外枠1と内枠2にて構成された遊技機本体枠を備え、図1に示すように、外枠1の前面に内枠(ベースドア)2が回動自在に軸支され、該内枠2の前面には、遊技盤ベースに始動入賞口や遊技釘などの種々の遊技部材を備えて構成した図示しない遊技盤が着脱自在に装着され、該遊技盤の背面には図示しない表示装置が着脱自在に装着されている。なお、遊技盤及び表示装置は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
そして、前記内枠2の前面には、図1に示すように、ガラス板4を嵌めたガラス板保持枠(フロント扉)3が前記内枠2の前面側の一側を回動軸(ヒンジ部)10として回動自在に軸支され、該ガラス板保持枠3の閉鎖時には、該ガラス板保持枠3の前側からガラス板4を介して前記遊技盤が視認される。
また、本実施例では、図1に示すように、前記ガラス板保持枠3の配設位置よりも上方の内枠2の前面には、音による演出装置としてのスピーカ23が備えられている。
そして、ガラス板保持枠3の前面側には、図1に示すように、光による演出装置としてのランプ飾り24が備えられている。
前記ガラス板保持枠3の前面下部には、払出装置から払い出された遊技球が遊技球受入口5aから供給されるとともに、発射装置へと遊技球を供給するための遊技球供給皿(上皿)5を一体的に備えている(図1及び図2参照)。
そして、前記ガラス板保持枠3を軸支した内枠2の前面下部には、前記遊技球供給皿5満杯時に遊技球受入口5aの内方で溢れ出た球を排出する下皿排出口6aを有する下皿6を備えた取付ベース7が回動自在に軸支されている。
また、図1で示す符号8は、遊技球を遊技領域へ向けて発射する発射装置のハンドルで、該ハンドル8のレバー8aを時計回り方向に回転させることにより発射停止スイッチがONとなり、駆動する図示しない発射ソレノイド駆動により槌先が作動して、遊技球供給皿5から供給された遊技球を叩打して遊技球を遊技盤に備えられた遊技領域に打ち出す。
ガラス板保持枠3の裏側には、該保持枠3の前後面に開口して設けられている窓部9の周囲に、少なくとも一部にガラス板4を嵌装可能なガラス板嵌装可能部15を有した保持部材11が備えられ、該保持部材11を介してガラス板4が着脱可能に保持されている。
また、本実施例では、二枚のガラス板4,4が前後に所定の間隔をあけて夫々着脱可能に保持部材11に保持されている。なお、ガラス板4の配設枚数は本実施例になんら限定解釈されるものではなく、単数枚若しくは二枚以上であってもよい。
前記保持部材11は、それぞれ端部を開放した二本の平行なレール部12a・12a,13a・13a…(スライド溝部)を内面側に備えて構成されており、例えば本実施例においては、ガラス板保持枠3の回動軸10側に備えた回動軸側保持部材12と、ガラス板保持枠3の開放側に備えた開放側保持部材13と、ガラス板保持枠3の下部分側に備えた下部分側保持部材14とで構成されているとともに、ガラス板保持枠3の上部分(図3及び図4にて、ガラス板保持枠3の裏側から見て正面視上側)を開放することによりガラス板嵌装可能部15を構成している。
回動軸側保持部材12は、例えばガラス板保持枠3の開放側16に向けて開放した二本の平行なレール部12a,12aを内面側に備えて窓部9の縦方向開口幅H1よりも長尺状に樹脂材料をもって形成されており、該夫々のレール部12aの上下端部は上下方向に向けて開放されている。また、本実施例では、上下位置の前後側面に横方向に延設したガラス板離脱防止片12b,12bを備えてガラス板4の前後方向への離脱を防止する構造としている。
そして、前記ガラス板保持枠3裏側の回動軸10側(図3及び4にて、ガラス板保持枠3の裏側から見て正面視右側)にて、ガラス板保持枠3の回動軸側縦枠部3aと平行で、かつ窓部9よりも回動軸10寄りに取り付けられている。
開放側保持部材13は、例えばガラス板保持枠3の回動軸10側に向けて開放した二本の平行なレール部13a,13aを内面側に備えて窓部9の縦方向開口幅H1よりも長尺状に樹脂材料をもって形成されており、該夫々のレール13a,13aの上下端部は上下方向に向けて開放されている。
そして、前記ガラス板保持枠3裏側の開放側16(図3及び図4にて、ガラス板保持枠3の裏側から見て正面視左側)にて、ガラス板保持枠3の開放側縦枠部3bと平行で、かつ窓部9よりも開放側16寄りに取り付けられている。なお、開放側保持部材13のレール部13aは、前記回動軸側保持部材12のレール部12aと、その開口側を相対向して位置するものとしている。
そして、本実施例では、図3乃至図5及び図7に示すように、長さ方向の略中心位置に、後述する移動補助部材25を横方向に摺動可能に挿入配設する移動補助部材用貫通孔17が外面側から内面側に貫通して設けられている。
移動補助部材用貫通孔17は、図7に示すように、移動補助部材25の本体26及び該本体26に備えられた脱落防止部39が挿通可能な長尺矩形状の第一貫通孔18と、該移動補助部材25に備えられた保持部45が挿通可能な幅狭矩形状の第二貫通孔19で構成されている。この第二貫通孔19は、本実施例では、第一貫通孔18の上下方向両側に一つずつ設けられている。
また、この第一貫通孔18には、図7に示すように、第一貫通孔18の上下方向両側縁内面に、前記脱落防止部39の脱落防止用係止片42が係止可能な脱落防止用係止受部18aを備えている。また、各第二貫通孔19には、第二貫通孔19の上下方向側縁内面に、前記保持部45の保持用係止片48が係止可能な保持用係止受部19aを備えている。
前記脱落防止用係止受部18aと保持用係止受部19aの夫々の係止面18b,19b位置は、本実施例では、同一平面上に備えられるのではなく、図7に示すように、横方向に前後して備えられており、本実施例では、前記脱落防止用係止受部18aの係止面18bが、保持用係止受部19aの係止面19bよりも開放側16に備えられている。なお、脱落防止用係止片42と保持用係止片48の長さを調整することによって、前記脱落防止用係止受部18aと保持用係止受部19aの夫々の係止面18b,19b位置を同一平面位置とすることも可能である。
下部分側保持部材14は、図3乃至図5に示すように、例えばガラス板保持枠3の上端側に向けて開放した二本の平行なレール部14a,14aを内面側に備えて窓部9の横方向開口幅W1よりも長尺状に金属材料をもって形成されており、該夫々のレール部14aの左右端部は左右方向に向けて開放されている。
そして、前記ガラス板保持枠3の下部分(図3及び図4にて、ガラス板保持枠3の裏側から見て正面視下側)にてガラス板保持枠3の横枠部3cと平行で、かつ窓部9よりも下方に取り付けられている。この場合、レール部14aの開口位置は、前記回動軸側保持部材12のレール部12aと開放側保持部材13のレール部13aと直交して連通している。
図3に示すように、前記回動軸側保持部材12の内面側と開放側保持部材13の内面側の間隔L1は、前記ガラス板嵌装可能部15のガラス板保持枠3の開放側16に寄せた状態で上方から嵌装したガラス板4を、前記ガラス板保持枠3の回動軸10側に移動(図3で向かって右方向へ移動)させることによってガラス板取付位置20に取り付けるための移動空間L2を確保して構成されている。
すなわち、回動軸側保持部材12の内面側と開放側保持部材13の内面側の間隔L1は、嵌装されるガラス板4の横幅W2よりも大きく構成されている(図4参照)。
そして、本実施例において、前記回動軸側保持部材12の上端には、図3、図4及び図12に示すように、ガラス板嵌装可能部15からのガラス板4の所定範囲における嵌装を阻止する嵌装阻止部21が設けられている。
嵌装阻止部21は、本実施例において、回動軸側保持部材12の上端を覆う程度の平板状に、該回動軸側保持部材12の上端に一体成形されている。
従って、本実施例では、嵌装阻止部21の遊端側21aと開放側保持部材13との間で形成された空間L3をガラス板嵌装可能部15としている。
ガラス板嵌装可能部15の横幅(前記空間L3)は、本実施例では、前記ガラス板4を嵌装可能にガラス板4の幅寸法(横幅W2)と略等しく構成されている。
また、前記回動軸側保持部材12の上方には、前記ガラス板取付位置20にガラス板4を取り付けた状態で、該ガラス板4の上方への離脱を阻止する離脱阻止部22が備えられている。
なお、本実施例において離脱阻止部22は、回動軸側保持部材12と一体成形されている前記嵌装阻止部21が兼ねている。
すなわち、前記嵌装阻止部21は、ガラス板嵌装可能部15の上方からガラス板4を嵌装する際には、その嵌装阻止部21が備えられている分だけ、開放側16に寄った位置からガラス板4を嵌装させることとなるため、ランプ飾り24やスピーカ23及びこれらの配線等との干渉を極力避けることができ、また、嵌装したガラス板4がガラス板取付位置20に到達した後には、前記嵌装阻止部21が、ガラス板4の上方への移動を阻止する離脱阻止部22として作用する。
前記ガラス板保持枠3に備えられる移動補助部材25は、図3乃至図6及び図8乃至図10に示すように、ガラス板保持枠3に設けられた移動補助部材用貫通孔17に、横方向にスライド可能(開放側16から回動軸10側に向けてスライド可能)に備えられており、ガラス板嵌装可能部15から嵌装したガラス板4を、回動軸10側のガラス板取付位置20へと摺動移動させる。
移動補助部材25は、前記移動補助部材用貫通孔17にスライド自在に嵌り合うように、例えば合成樹脂材をもって形成した移動補助部材本体26と、該本体26の側方に、該本体26と同一材料をもって一体成形された一対の脱落防止部39と一対の保持部45とで構成されている。
移動補助部材本体26は、例えば本実施例によると、図8及び図9に示すように、長尺矩形状の操作部27と、該操作部27の前面両端部に保持部配設スペース28,28を残して立上げ形成した第一立上り部29と、該第一立上り部29の前面から段差をもって立上げ形成した第二立上り部30と、該第二立上り部30の前面両端部に脱落防止部配設スペース31,31を残して立上げ形成した先端部32とで構成されており、該先端部32には、前記ガラス板4と当接する長尺平坦状の当接部33を備えて構成されている。
また、本実施例では、移動補助部材本体26は、内部に支持部34を備えるとともに、該支持部34と操作部27との間を中空状に形成して構成されている。
当接部33は、本実施形態では、二枚のガラス板4,4を同時に押圧して摺動させることの可能な幅をもって構成されているとともに、前記ガラス板4からの衝撃を緩衝する緩衝部35構造を備えている。
緩衝部35は、例えば所定の肉厚を有するゴム若しくは軟質合成樹脂材からなる板状部材で構成され、前記先端部32の前面全域に備えられている。なお、緩衝部35は、ガラス板4からの衝撃を吸収できる材料で構成されるものであれば特に限定はされず設計変更可能である。
本実施例では、当接部33全体を弾性部材からなる緩衝部35としているが、当接部33の前面の一部に別途形成した緩衝部を貼着してなるものであってもよく、あるいは断続状の複数部材で構成されているものであってもよく、少なくともガラス板4と当接する面が弾性部材からなるものであれば本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、本実施例では、ガラス板4の側面をガラス板保持枠3の開放側16位置から押圧することにより摺動させるとともに、該ガラス板4をガラス板取付位置20にて取り付けた状態で、該ガラス板4を回動軸10方向へと付勢する付勢部材36を備えている。
付勢部材36は、図8に示すように、前記移動補助部材本体26の内部に備えた支持部34と、前記当接部33とにわたって配設された連結部材(ボルト)37と、該連結部材37の軸外周に巻回されて、支持部34の当接部対向面側34aと当接部33の支持部対向面側33aとにわたって介在された弾性部材(バネ)38とからなる。なお、連結部材37の後端には、支持部34の外面側に突き当てられる抜止め阻止部(ボルト頭)37aが備えられている。
前記連結部材37は、支持部34の挿通孔34b内を孔方向に移動可能に配設されるとともに、その先端側を前記当接部33に固定して備えられている。
従って、当接部33は、ガラス板4を押圧した時に、該当接部33先端の緩衝部35に押圧力(衝撃)が掛かるが、押圧力によって支持部34側(開放側16)に向けて緩衝部35が弾性変形して衝撃を緩衝する。そして、ガラス板4をガラス板取付位置20に到達させた時に、弾性部材38が圧縮されてその反発力を介して当接部33によってガラス板4を回動軸側保持部材12のレール部12aに緊密に押圧する(図8で実線は弾性部材38が圧縮されて当接部33が後退している状態を示し、破線は押圧されていない状態で、当接部33が前進している状態を示す。)。
なお、本実施例では、付勢部材36を構成する連結部材37と弾性部材38を、上下方向に一定間隔をあけて夫々一組ずつ備えているが、連結部材37と弾性部材38からなる構成を一組のみ設けるものであっても、あるいは二組以上設けるものであってもよく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
脱落防止部39は、ガラス板保持枠3からの移動補助部材25の脱落を防止するもので、本実施例では、次に示す構成を採用している。
脱落防止部39は、例えば本実施例では図8及び図9に示すように、夫々前記移動補助部材本体26の上下の脱落防止部配設スペース31から直交状に突設し、弾性変形可能な平板状の舌片40と、該舌片40の先端外面に設けた係止部41を備えた脱落防止用係止片42を備えて構成されている。該係止部41は、前記舌片40の先端から外側に向けて傾斜状に形成したガイド面43と、該ガイド面43から舌片40の外面方向に向けて垂設された係止面44で構成されている。
前記脱落防止用係止片42の係止部41の係止面44が、ガラス板保持枠3に設けた脱落防止用係止受部18aに係止されることで移動補助部材25の脱落が防止されるとともに、舌片40を弾性変形させてその係止状態を解除することにより、前記脱落防止用係止受部18aより離脱してガラス板保持枠3に対して移動補助部材25を取り外し可能としている。
保持部45は、例えば本実施例では図8及び図9に示すように、移動補助部材25を介して押圧しているガラス板4をガラス板取付位置20にて保持するためのもので、本実施例では、次に示す構成を採用している。
前記移動補助部材本体26の上下の保持部配設スペース28,28から直交状に突設し、弾性変形可能な平板状の舌片46と、該舌片46の先端外面に設けた係止部47を備えた保持用係止片48を備えて構成されている。該係止部47は、前記舌片46の先端から外側に向けて傾斜状に形成したガイド面49と、該ガイド面49から舌片46の外面方向に向けて垂設された係止面50で構成されている。
前記保持用係止片48の係止部47の係止面50が、ガラス板保持枠3に設けた保持用係止受部19aに係止されることで移動補助部材25の開放側16方向への移動を阻止してガラス板4を所定の取付位置20に保持させるとともに、舌片46を弾性変形させてその係止状態を解除することにより、前記保持用係止受部19aより離脱してガラス板4のガラス板取付位置20における保持状態を解除可能としている。
また、本実施例では、脱落防止部39と保持部45の両構成により、移動補助部材25がガラス板4をガラス板取付位置20にて保持しているとき(図10(b)の状態)には、ガラス板保持枠3の裏側にて開放側16端部から移動補助部材25が突出することなく保持されるものとし、移動補助部材25を開放側16に移動させてガラス板4を取り外した状態のままのとき(図10(a))には、移動補助部材25がガラス板保持枠3の開放側16端部から突出した状態となるように構成している。従って、前記したようにガラス板4をガラス板取付位置20に保持した状態であれば遊技機本体枠に対してガラス板保持枠3が閉扉可能であるが、移動補助部材25を開放側16に移動させてガラス板4をはずした状態のままでは、開放側16端部から突出する移動補助部材25が邪魔になって閉扉不可能である。これにより、ガラス板4の取り付け忘れや取付位置へのセット忘れを作業者に注意させることができる。
回動軸側保持部12及び開放側保持部13の全長は本実施例に限定されず、長短変更可能で、あるいは長さ方向に断続して備えられていてもよい。従って、本実施例によれば、嵌装可能部15の長さL3とガラス板4を押圧移動できる空間である移動空間L2長さを足した全長がガラス板4の移動スペース(回動軸側保持部材12の内面側と開放側保持部材13の内面側の間隔L1)とされている。
ここで、図3乃至図6及び図10,図11に基づいてガラス板の着脱作業の一例について説明する。
まず、ガラス板保持枠3を回動軸を支点に回動させて開放する。
そして、ガラス板4を、ガラス板保持枠3裏側の保持部材11上方から嵌装する。このとき、回動軸側保持部材12の上端には嵌装阻止部21が備えられていることから、該嵌装阻止部21を避けなければガラス板4は保持部材11内に嵌装できない。
従って、ガラス板4の嵌め込み作業にあっては、図3乃至図5に示すように、必然的に嵌装阻止部21を避けて、該嵌装阻止部21の分だけ回動軸10側から離れた位置に開放されているガラス板嵌装可能部15からガラス板4の嵌め込み作業を行うこととなる。これにより、ランプ飾りやスピーカなどの演出装置(本実施例にあっては、内枠2の上方に備えたスピーカ23)及びガラス板保持枠3に備えられた演出装置(本実施例にあってはランプ飾り24)と接続するための配線などに干渉する虞も少なくなる。
そして、保持部材11内に嵌装されたガラス板4は、次に移動補助部材25によってガラス板取付位置20方向へと押圧して摺動される。すなわち、図10(a)及び図11(a)に示すように、ガラス板嵌装可能部15から嵌装した状態のガラス板4は、開放側保持部材13に沿って位置し、そして移動補助部材25は、ガラス板保持枠3に設けられている第一貫通孔18内を予め開放側16方向へと突出状に移動させて待機状態とするとともに、脱落防止部39の脱落防止用係止片42が、ガラス板保持枠3に設けられている第一貫通孔18の脱落防止用係止受部18aに係止して脱落することなく保持されている。
そして、図10(a)及び図11(a)に示す状態から、図10(b)及び図11(b)に示すように、移動補助部材25を回動軸10側方向(図面にて矢印で示す右方向)へと移動させるとともに、該移動補助部材25の当接部33によってガラス板4を回動軸側保持部材12方向へと押圧移動させてガラス板取付位置(回動軸側保持部材12のレール部12a)20へと押圧配設する。このとき、当接部33に掛かったガラス板4との衝撃は緩衝部35の弾性変形によって緩衝される。
そして、ガラス板4がガラス板取付位置20に到達したときに、付勢部材36の弾性部材38が圧縮され、その反発力を介して当接部33がガラス板4を回動軸側保持部材12のレール部12aに緊密に押圧し、ガラス板4のぐらつきを無くす。
そして、保持部45の保持用係止片48が、ガラス板保持枠3に設けられている第二貫通孔19裏面側の保持用係止受部19aに係止される。
これにより、移動補助部材25はガラス板4をガラス板取付位置20に押圧保持するとともに、前記保持用係止片48が前記保持用係止受部19aに係止されて移動補助部材25とガラス板4の開放側16への移動が阻止される。
また、このとき、ガラス板4を手などで上方へスライドさせようとしても、ガラス板4の上端は離脱阻止部22に当接し、ガラス板4の上方への移動が阻止されスライド不能となっている。このため、ガラス板4を上方へスライドさせてピアノ線などを挿入させるなどの不正を防止することができる。
本実施例によれば、このような構成及び作用効果を奏するため、先行技術との関係において次のような課題を解決することが出来る。すなわち、ガラス板嵌装部を介してガラス板を上方より嵌装する際に、前記回動軸側に取り回されている各種配線や、遊技機本体枠上方のランプ飾り,スピーカなどに干渉する虞があることから、これら干渉による不都合を解消するためには、回動軸側に備えられる保持部材を、該回動軸側から十分に離した位置に備えてガラス板保持枠における回動軸側のスペースを十分に確保しなければならない。このような状況下では、ガラス板の取り付け位置が限定されてしまうため、回動軸側のガラス板保持枠内側における視認性が低下し、遊技盤における装飾効果を向上させることが困難であった。
本実施例に開示の遊技機によれば、ガラス板保持枠3の回動軸10側(ヒンジ側)により近い位置に回動軸側保持部材12を備え、ガラス板4を回動軸10側により近い位置に取り付けることができる。従って、前記回動軸10側における遊技盤の視認性を向上することができるため、遊技機の装飾効果を向上させることが可能となる。
「変形例1」
上述した実施例1は本発明の一例であって、次の構成を採用することも可能である。
例えば、保持部材11や移動補助部材25の材質は本実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
保持部材11は、実施例1では、上部分(図3及び4にて、ガラス板保持枠3の裏側から見て正面視上側)を開放してガラス板嵌装可能部15を構成しているが、開放側16部分を開放してガラス板嵌装可能部を構成することも可能である。この構成を採用する場合には上部分の保持部材を備えることは言うまでも無い。
移動補助部材25は、本実施例において、ガラス板保持枠3の長さ方向略中央位置に備えられているが、その配設位置は特に限定されず任意である。
移動補助部材25は、本実施例において、前記ガラス板保持枠3に備えられているが取付位置には特に限定されない。また、ガラス板移動作業の度に用いられる別個の構成としてもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施例において、移動補助部材25は、ガラス板4を押圧して横方向(回動軸方向)へ移動させる構成としているが、他の構成を採用することを何等妨げるものではなく、例えば、ガラス板4をガラス板嵌装可能部15の上方から挟持して横方向へとスライド移動させる構成とすることも可能である。
脱落防止部39と保持部45は、移動補助部材25と一体成形されていなくともよい。
なお、本実施例では、前記脱落防止部39に、弾性変形可能な脱落防止用係止片42を備えるとともに、ガラス板保持枠3に、前記脱落防止用係止片42に係止される脱落防止用係止受部18aを備えた形態を採用するが、少なくとも、ガラス板保持枠3と脱落防止部39のうちのいずれか一方に脱落防止用係止片を、他方に脱落防止用係止受部を備えるものであればよく限定されず、また、ガラス板保持枠3と脱落防止部39の双方に、夫々脱落防止用係止片と脱落防止用係止受部を備える形態も採用可能である。
なお、本実施例では、前記保持部45に、弾性変形可能な保持用係止片48を備えるとともに、ガラス板保持枠3に、前記保持用係止片48に係止される保持用係止受部19aを備えた形態を採用するが、少なくとも、ガラス板保持枠3と保持部45のうちのいずれか一方に保持用係止片を、他方に保持用係止受部を備えるものであればよく限定されず、また、ガラス板保持枠3と保持部45の双方に、夫々保持用係止片と保持用係止受部を備える形態も採用可能である。
なお、本実施例では脱落防止部39と保持部45を備える実施の一例を説明したが、保持部45のみ備え、脱落防止部39を備えない構成を採用することも本発明の範囲内である。
さらに、本実施例では、脱落防止部39の脱落防止用係止片42が、開放側保持部材13の脱落防止用係止受部18aに係止されている状態のとき、移動補助部材25の一部がガラス板保持枠3の開放側16端部から突出し、該突出部分(図10(a)で突出部分を符号W3で示す)が邪魔となってガラス板保持枠3の閉扉が不可能であるとすることによって、ガラス板4の取付け忘れや取付位置へのセット忘れを作業者に注意させる構成としているが、このような構成を採用しないことも本発明の範囲内である。すなわち、脱落防止部39の脱落防止用係止片42が、開放側保持部材13の脱落防止用係止受部18aに係止されている状態のときであっても、移動補助部材25がガラス板保持枠3の開放側16端部から突出しない構成とすることも可能である。
なお、実施例1では、回動軸側保持部材12の上端にガラス板嵌装阻止部21・離脱阻止部22を一体的に備える形態としているが、いずれか一方のみを備える形態であってもよく、またいずれをも備えない形態を採用することも本発明の範囲内で可能である。さらに、ガラス板嵌装阻止部21・離脱阻止部22は、回動軸側保持部材12と別体に形成されているものであってもよい。
また、離脱阻止部22は、回動軸側保持部材12と別部材によって構成され、下方にのみ可動可能に取り付けられ、上方への可動は阻止される構造を採用することも本発明の範囲内で可能である。
すなわち、特に図示はしないが、例えば二枚のガラス板の上端を同時に覆う程度の前後方向幅をもって板状に形成するとともに、回動軸10側の端縁を回動可能に回動軸側保持部材12の上端に軸支して離脱阻止部を構成することも可能である。そして、該離脱阻止部は、弾性部材によって前記軸支部分を中心に上方に付勢させ、回動軸側保持部材12の上端には、開放側保持部材13方向に向けて延設した左右の支持部と、該支持部から水平方向に対向する前後の抑え舌片を突設し、該前後の舌片に前記離脱阻止部の上面の少なくとも一部が当接して上方への可動を阻止する構成が一例として挙げられる。
なお、本実施例では付勢部材36を備える実施の一例を説明したが、付勢部材36を備えない構成を採用することも本発明の範囲内である。
本発明遊技機の概略を示す全体斜視図。 ガラス板保持枠の正面図。 ガラス板保持枠の背面図。 ガラス板保持枠を裏側から見た状態の斜視図。 図2のA‐A線断面図。 図2のB‐B線断面図。 移動補助部材用貫通孔を拡大して示す部分斜視図で、(a)は移動補助部材挿入方向から見た状態を拡大して示し、(b)は裏側から見た状態を拡大して示す。 移動補助部材の概略正面図。 移動補助部材の概略斜視図で、(a)は操作部方向から見た状態の斜視図、(b)は当接部方向から見た状態の斜視図。 移動補助部材の作動状態を示す部分拡大概略図で、(a)は移動補助部材を開放側に移動させるとともに、脱落防止用係止片が脱落防止用係止受部に係止されている状態、(b)は移動補助部材回動軸側に移動してガラス板を取付位置に押圧するとともに、保持用係止片が保持用掛止受部に係止されている状態を示す。 ガラス板の取り付け作動状態の概略図で、(a)はガラス板をガラス板嵌装可能部から嵌装した直後の状態を示し、(b)はガラス板がガラス板取付位置に移動して押圧保持されている状態を示す。 ガラス板の嵌挿状態を示す一部省略斜視図で、(a)は回動軸側保持部材の上端付近を拡大して示し、(b)は開放側保持部材の上端付近を拡大して示す。
符号の説明
3 ガラス板保持枠
4 ガラス板
10 回動軸
12 回動軸側保持部材
13 開放側保持部材
14 下部分側保持部材
15 ガラス板嵌装可能部
20 ガラス板取付位置
25 移動補助部材
45 保持部
L1 回動軸側保持部材と開放側保持部材の間隔
L2 移動空間
L3 嵌装阻止部の遊端側と開放側保持部材との間で形成された空間

Claims (5)

  1. 遊技機本体枠の一側を回動軸として回動可能にガラス板保持枠が取り付けられ、該ガラス板保持枠は、裏側に備えた保持部材を介してガラス板を着脱可能に保持し、
    前記保持部材は、
    前記ガラス板保持枠の回動軸側に備えた回動軸側保持部材と、
    開放側に備えた開放側保持部材及び下部分側に備えた下部分側保持部材とで構成されるとともに、上部分を開放することによりガラス板嵌装可能部を構成し、
    ガラス板を前記ガラス板嵌装可能部の上方より嵌装する遊技機において、
    前記回動軸側保持部材と開放側保持部材の間隔は、
    ガラス板を前記ガラス板嵌装可能部の上方から前記開放側保持部材に沿って嵌装するとともに、下部分側保持部材に沿ってガラス板保持枠に対して平行移動させ、前記回動軸側保持部材に当接させることによりガラス板取付位置に取り付けるための移動空間を確保して構成されており、
    前記ガラス板保持枠は、遊技機の高さ方向における中心位置に移動補助部材用貫通孔を備え、
    前記移動補助部材用貫通孔には、開放側から回動軸側に向けて移動可能な移動補助部材が配設され、
    前記ガラス板は、前記移動補助部材を開放側から回動軸側へと移動させることにより、回動軸側のガラス板取付位置へと移動させられ、
    該移動補助部材は、前記ガラス板を前記ガラス板取付位置にて保持するために、ガラス板保持枠の所定位置に保持される保持部が備えられていることを特徴とする遊技機。
  2. 保持部は、移動補助部材と一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. ガラス板保持枠及び保持部のうちのいずれか一方には、弾性変形可能な保持用係止片を備えるとともに、他方には前記保持用係止片に係止される保持用係止受部を備え、
    移動補助部材は、前記保持用係止片を操作することにより前記保持用係止受部より離脱して、ガラス板のガラス板取付位置における保持状態を解除可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 移動補助部材は、ガラス板をガラス板保持枠の開放側位置から押圧することにより摺動させるとともに、該ガラス板をガラス板取付位置にて取り付けた状態で、該ガラス板を回動軸方向へと付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 移動補助部材には、ガラス板と当接する当接部を備えるとともに、
    該当接部に、前記ガラス板からの衝撃を緩衝する緩衝部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
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