JP4274205B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、空調機の構成図である。空調機1は、ビル用のマルチタイプの空気調和装置であって、1つ又は複数の空調室外機2に対して複数の空調室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、冷媒回路10が形成されている。制御装置4は、空調機1が効率よく運転されるように、空調室外機2内の圧縮機111など各種構成機器を制御する。
図3(a)は、異常要因コード書込みシステムのイメージ図であり、図3(b)は、異常要因コード読取りシステムのイメージ図である。異常要因コードとは、空調機1が異常停止したときに、異常の要因分析に必要な情報をコードにしたものであり、予めマイコン5に記憶されている。必要な情報とは、マイコン5が異常を確定するまでの時間、マイコン5が異常を確定するまでの間にマイコン5或は機器41〜50が行った所定動作の回数、異常確定条件が複数ある場合の適用された条件、異常判定に2つ以上の閾値がある場合の適用された閾値、および空調機1の運転モードが複数ある場合の適用された運転モードなどであり、これらは異常の要因分析に寄与する。
図4は、異常要因コードのイメージ図ある。異常要因コードは、異常コードと細分化コードとで構成されている。異常コードは異常の内容あるいは異常の現象を示し、細分化コードは、異常に到るまでの運転情報を示している。1つの異常コードは、複数の細分化コードと対応しており、例えば、A部異常の場合、異常コードはB0、細分化コードは711〜718の内のいずれか1つである。たとえば、異常コードB0、細分化コード714ならば、A部の異常であり、異常確定までの時間が10分未満、所定動作の回数が10回以上、および異常確定の条件が条件4であったことが判明する。従来は、リモコン等の表示部に異常コードを表示するものがあったが、異常コードだけでは、異常の要因分析は困難であった。細分化コードによって異常発生時の運転情報が記憶されれば、要因の絞込みが容易になり、要因分析の作業効率が向上する。
図5は、異常要因コード書込み制御の概略を示すフローチャートである。通常制御を実行中に異常が発生し、異常であると確定されると異常信号(ON信号)が送信される。ステップSX1で異常が検出されると、ステップSX2で空調機1は異常停止する。ステップSX3では、異常に至るまでの運転情報から必要な情報を抽出し、抽出された情報と一致する異常要因コードが求められる。ステップSX4では、ステップS3Xで求められた異常要因コードがメモリ6へ書込まれる。
図6は、異常要因コード読取り制御の概略を示すフローチャートである。空調機1のサービスパーソンは、パソコン90を使ってマイコン5へ異常要因コード読取り要求信号を送信する。ステップSY1で異常要因コード読取り要求信号が受信されると、ステップSY2では、メモリ6から異常要因コードが読取られる。ステップSY3では、ステップSY2で読取られた異常要因コードがサービスパーソンのパソコン90へ送信される。
ここでは、上述の異常要因コード書込み・読取りシステムを用いたインバータ伝送異常の要因分析プロセスを説明する。
図7は、インバータ伝送異常の異常確定制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップS11でファン運転指令がOFFであるか否かを判定する。Yesと判定した場合は、ステップS12でファン停止後30秒経過したか否かを判定する。ステップS13では、インバータ伝送異常が発生したか否かを判定する。ステップS13でYesと判定した場合は、インバータ伝送異常と確定し、ステップS14で確定信号ONを出力する。そして、制御Cへ移り異常要因コードの書込み制御を実行する。
図8は、インバータ伝送異常の異常要因書込み制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップSC11でインバータ伝送異常を検出したか否かを判定し、検出した場合は、ステップSC12で空調機1を異常停止させる。ステップSC13では、ファン51の運転開始から異常確定までの時間が10分未満であるか否かを判定する。ステップSC14では、ステップSC13での判定結果がYesである場合はN13=Y、Noである場合はN13=Nと記憶する。ステップSC15では、待機電力スイッチ41のオンオフ回数が10回未満か否かを判定する。ステップSC16では、ステップSC15での判定結果がYesである場合はN15=Y、Noである場合はN15=Nと記憶する。
空調機1に設置される各種の温度センサ42〜47は、ノイズ等の外的要因で過渡的な異常を示すことがある。制御装置4では、温度センサ42〜47の過渡的な異常によって空調機1が起動しなくなるのを回避するために、マイコン5が空調機1を一時停止させて異常要因コードを記憶し、温度センサ42〜47の出力値が正常に復帰していない状態でも代用値を設定して運転を再開する。以下、外気温センサ42を例にして、異常要因コード書込み制御について説明する。
図9、図10は、外気温センサ異常の異常確定制御のフローチャートである。図9において、マイコン5は、500m秒毎に異常チェックを行なうために、ステップS31で500m秒タイマを始動し、ステップS32で500m秒が経過したか否かを判定する。ステップS33では、20秒タイマを始動させ、ステップS34で外気温センサ42の出力Taが下限値を下回っているか否かを判定する。ステップS34でYesと判定した場合は、ステップS35へ進み20秒が経過したか否かを判定する。即ち、Ta<下限値の状態が20秒間持続していることを確認する。そして、ステップS35で20秒が経過したと判定した場合、即ちTa<下限値の状態が20秒間持続した場合は外気温センサ42の異常と確定し、ステップS36で確定信号ONを出力し制御Dへ進む。
図11は、外気温センサ異常の異常要因コード書込み制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップSD31で外気温センサ異常を検出したか否かを判定し、検出したと判定した場合は、ステップSD32で空調機1を異常停止させる。ステップSD33では、異常発生時の運転モードが冷房であったか否かを判定する。ステップSD34では、ステップSD33での判定結果がYesである場合はN33=Y、Noである場合はN33=Nと記憶する。ステップSD35では、異常から正常と復帰した回数が5回以下であったか否かを判定する。ステップSD36では、ステップSD35での判定結果がYesである場合はN35=Y、Noである場合はN35=Nと記憶する。ステップSD37では、異常判定時の外気温センサ42の出力値が上限異常であったか否かを判定する。ステップSD38では、ステップSD37での判定結果がYes(上限異常)である場合はN37=Y、No(下限異常)である場合はN37=Nと記憶する。
ここでは、凝縮器の高圧による異常(以後、高圧異常と呼ぶ)の異常要因コード書込み制御について説明する。マイコン5は、高圧上昇により機器が破損することを防止するために、HPS(高圧検知スイッチ)49が動作すれば圧縮機111を異常停止させる制御を行なっている。一方、過渡的な高圧上昇で異常停止してしまうことを防止するために、マイコン5は、異常と確定する前に強制的に圧縮機を一旦停止させ、その後再び起動させて過渡的であるか否かを判断している。これを高圧待機と言い、高圧待機の回数は高圧待機カウンタによって計数されている。高圧待機となる条件は複数種類あるが、ここでは一部のみを引用する。なお、待機後再起動することをリトライと呼ぶ。
図12は、高圧異常の異常確定制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップS51で圧縮機が運転中であるか否かを判定し、運転中であると判定した場合は、ステップS52で試運転中でないことを判定する。ステップS52でYesと判定した場合は、ステップS53で高圧待機カウンタが15回以上であるか否かを判定する。ステップS53でYesと判定した場合は、ステップS54でHPS49が動作しているか否かを判定する。ステップS54でHPS49が動作していると判定した場合は高圧異常と確定し、ステップS55で確定信号ONを出力し制御Eへ進む。
図13、図14は、高圧異常の異常要因コード書込み制御のフローチャートである。マイコン5は、ステップSE51で高圧異常を検出したか否かを判定し、検出したと判定した場合は、ステップSE52で空調機1を異常停止させる。ステップSE53では、積算リトライ回数が14回以下か否かを判定する。ステップSE54では、ステップSE53での判定結果がYesである場合はN53=Yと記憶する。
(1)
空調機1の制御装置4は、マイコン5とメモリ6とを備えている。マイコン5は、空調機1の運転状態が所定条件を満足していない場合に異常と確定して空調機1を異常停止させる。マイコン5は、空調機1を異常停止させる際に、空調機1を異常停止させるまでの運転情報をコードにしてメモリ6に記憶する。マイコン5は、異常の確定信号がONのとき、異常要因コードとして、異常コード、細分化コードをメモリ6に書込む。サービスパーソンは、メモリ6から異常要因コードを読取り、異常コードからどのような異常であるのかを知り、細分化コードから異常要因を推定する。
空調機1の制御装置4では、メモリ6は不揮発性メモリであるので、停電等によって電力が供給されなくなっても、メモリ6内の異常要因コードは保存される。
制御装置4では、温度センサ42〜47に異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を一時停止させ、異常発生時の運転モードを細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、春季、秋季のような運転モードを特定し難い時期の故障でも、運転モードが判明する。
制御装置4では、温度センサ42〜47に異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を一時停止させ、異常から正常へ復帰した回数の来歴を細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、過渡的な異常であったのか否かが判明する。
制御装置4では、温度センサ42〜47に異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を一時停止させ、上限、下限の2つの閾値があった場合は、適用した閾値を細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、さらに詳細な異常要因が判明する。
制御装置4では、高圧異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を異常停止させ、積算リトライ回数を細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、積算リトライ回数から異常要因を絞り込むことができる。
制御装置4では、高圧異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を異常停止させ、異常確定までに要した時間を細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、時間情報から異常要因を絞り込むことができる。
制御装置4では、高圧異常が発生した場合、マイコン5が空調機1を異常停止させ、異常を確定する条件の中から実際に異常を確定した条件を細分化コードにしてメモリ6に記憶する。このため、異常を確定した条件から異常要因を絞り込むことができる。
以上、本発明について説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
4 制御装置
5 マイコン
6 メモリ
41〜50 機器
Claims (9)
- 空調機(1)および前記空調機(1)に設けられた温度センサ(42〜47)を制御する制御装置であって、
前記空調機(1)の運転状態が所定条件を満足していない場合に異常と確定して前記空調機(1)を異常停止させるマイコン(5)と、
前記マイコン(5)からの命令によって所定情報を記憶する不揮発性メモリ(6)と、
を備え、
前記マイコン(5)は、前記空調機(1)を異常停止させる際に、前記空調機(1)を異常停止させるまでの間に受信した所定の運転情報をコードにして前記不揮発性メモリ(6)に記憶させ、
前記運転情報には、前記マイコン(5)が前記空調機(1)の異常を確定するまでの間に前記温度センサ(42〜47)が異常から正常に復帰した動作の回数が含まれている、
制御装置(4)。 - 前記運転情報には、前記マイコン(5)が前記空調機(1)の異常を確定するまでの時間が含まれる、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記マイコン(5)が前記空調機(1)の異常を確定する条件が複数ある場合、前記運転情報には、実際に前記異常の確定に適用された前記条件が含まれる、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記マイコン(5)が前記空調機(1)の異常を確定するための判定条件に2つ以上の閾値がある場合、前記運転情報には、実際に前記異常の確定に適用された前記閾値が含まれる、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記空調機(1)の運転モードが複数ある場合、前記運転情報には、前記マイコン(5)が前記空調機(1)の異常を確定したときの前記運転モードが含まれる、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記コードは、前記異常の内容を記号化した異常コードと、前記異常の要因分析に寄与する情報を記号化した細分化コードとで構成されている、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記異常コードと前記細分化コードとが一体化されている、
請求項6に記載の制御装置(4)。 - 前記マイコン(5)は、前記コードを前記空調機(1)から離れた地点にある機器へ送信する、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記運転情報には、製造ラインの検査工程で運転される検査モードで発生した異常停止と、通常の設置現場で運転される通常モードで発生した異常停止とを区別するための情報が含まれる、
請求項1に記載の制御装置(4)。
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