JP4272359B2 - エキノカンジン/炭水化物複合体 - Google Patents

エキノカンジン/炭水化物複合体 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、薬学的に活性なエキノカンジン(echinocandin)物質、特に、安定性および水溶性を増強する、エキノカンジン化合物と炭水化物との間での結晶複合体に関する。
【0002】
(発明の背景)
半アミン性(hemiaminal)機能を含むエキノカンジン化合物は一般に、アミン結合で、特に上昇した温度で開環する傾向がある。さらに、非晶質形態の化合物は、湿度および−10℃より上の温度の両方に感受性であり、非晶質物質は、フリーザー温度より上では安定ではない。このことは、バルク形態の薬物の貯蔵寿命に影響を与えるだけでなく、この化合物を産業プロセスにおいて取り扱うことをいっそう困難にする。
【0003】
アミン結合での環の開環を除去する1つのアプローチは、半アミン機能のヒドロキシ基を除去または官能化することである;しかし、このことは、さらなる合成工程を必要とする。これは、改変された化合物の安定性を増加させるために非常に有効な方法であるとはいえ、製造プロセスにおける何らかのさらなる工程は、生産性を減少させ、廃棄の可能性を増大させ、そしてコストを増大させる。
【0004】
米国第4,876,241号は、生物学的生成および薬学的生成における安定剤としての糖の使用を開示する;しかし、このプロセスは、溶液中のウイルスおよび細菌の夾雑物の熱不活化の間の、生成の安定化に関する。糖は、熱不活化プロセス後に除去される。その結果、このプロセスは、目的の生成物の長期安定性には取り組んでいない。
【0005】
熱プロセスにおける糖の安定化効果が見られた。例えば、ホエータンパク質の熱変性に対する、糖、pHおよびカルシウムの効果は、Ibrahimら、Egyptian J.Dairy Sci.、23:177−188(1995)に考察される。以前の参考文献と同様に、安定化効果は、液体形態において実現した。いずれの参考文献も、安定性が、結晶形態の化合物への炭水化物の取り込みによって増強され得ることを示唆していない。
【0006】
熱不安定性に加えて、リポペプチド化合物(例えば、エキノカンジン)はまた、非常に乏しい水溶性(<0.1mg/ml)を有することが公知である。水溶性が乏しいことにより、非経口(ip)適用のために処方することが極めて困難になり、そしてこの物質の精製を複雑にする。一般に、非晶質物質は、結晶物質よりも精製することが困難である。
【0007】
それゆえ、バイオアベイラビリティーに影響を与えることも、この化合物に構造の変化をもたらすこともない、エキノカンジン化合物の改善された熱安定性および水溶性についての必要性、ならびにエキノカンジンをさらに精製する手段を提供する必要性が存在する。
【0008】
(発明の要旨)
エキノカンジン化合物を、炭水化物(または単純糖)の存在下で結晶化することにより、活性な化合物のバイオアベイラビリティーを損なうことなく、改善された熱安定性および水溶性を有する結晶生成物が生じることが見出された。本発明の1つの実施形態では、エキノカンジン化合物と炭水化物との間での結晶複合体が提供される。この複合体は、このエキノカンジン/炭水化物複合体が、炭水化物を伴わないエキノカンジン化合物よりも結晶性が高い形態(すなわち、より規則正しいマトリックス)を有するという点で特徴付けられる。
【0009】
本発明の別の実施形態では、上記のエキノカンジン/炭水化物複合体を作製するための方法が提供される。この方法は、以下の工程を包含する:(a)エキノカンジン化合物を提供する工程;(b)エキノカンジン化合物および炭水化物を溶媒中で混合して混合物を形成する工程;(c)この混合物を加熱して、エキノカンジン化合物を可溶化し、そして炭水化物を可溶化または分散させる工程;(d)この混合物を冷却して、エキノカンジン/炭水化物複合体を生成する工程;および(e)エキノカンジン/炭水化物複合体を単離する工程。
【0010】
本発明のなお別の実施形態では、非経口処方物を調製するためのプロセスが提供される。この方法は、上記のエキノカンジン/炭水化物複合体を水性溶媒中で混合する工程を包含する。
【0011】
本発明の別の実施形態では、薬学的処方物が提供される。この薬学的処方物は、上記のエキノカンジン/炭水化物複合体および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0012】
本発明の別の実施形態では、真菌感染の処置を必要とする哺乳動物において真菌感染を処置するための方法が提供される。この方法は、哺乳動物に、上記のエキノカンジン/炭水化物複合体を投与する工程を包含する。
【0013】
別の実施形態では、抗真菌感染の処置を必要とする哺乳動物において、抗真菌感染を処置するための方法が提供される。この方法は、上記のエキノカンジン/炭水化物複合体を、哺乳動物の体液と接触させる工程を包含し、ここで複合体は、体液と接触したときに非晶質形態へと崩壊する。
【0014】
(定義)
「複合体」とは、複合体が、炭水化物なしでの対応するエキノカンジン化合物よりも結晶性の高い形態(例えば、より規則正しい単位マトリックス)を有するような、エキノカンジン化合物と炭水化物との間での会合をいう。
【0015】
「炭水化物」とは、式Cn(H2O)nによって表される多価アルコール(例えば、グルコース、C6(H2O)6;スクロース、C12(H2O)11)のアルデヒド性またはケトン性の誘導体をいう。炭水化物としては、単純な糖(例えば、単糖類、二糖類など)のような比較的小さな分子を有する化合物、ならびに高分子の(重合体の)物質(例えば、デンプン、グリコーゲン、およびセルロースといった多糖類)が挙げられる。糖は、一般的な組成(CH2O)nを有する炭水化物(糖類)およびその単純な誘導体である。単純な単量体の糖(グルコース)は、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンとして記載される(例えば、アルドヘキソース(例えば、グルコース)についてHOCH2−(CHOH)4−CHO、または2−ケトース(例えば、フルクトース)についてHOCH2−(CHOH)3−CO−CH2OH)が、その構造は、一般に5員環の環式エーテル(フラノース)または6員環の環式エーテル(ピラノース)として、例えば以下のように記される:
【0016】
【化7】
Figure 0004272359
この化合物のDおよびLエナンチオマーならびにαアノマーおよびβアノマーもまた、炭水化物の定義内に含まれる。
【0017】
「エキノカンジン」とは、以下の一般構造を有する化合物および薬学的に受容可能なそれらの塩または水和物をいう:
【0018】
【化8】
Figure 0004272359
ここで:Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基またはそれらの組み合わせであり;R1、R2、R3、R6、R7およびR10は独立して、ヒドロキシまたは水素であり;R4は、水素、メチルまたは−CH2C(O)NH2であり;R5およびR11は独立して、メチルまたは水素であり;R8は、−OH、−OSO3H、−OPO32、−OPO3HRaまたは−OPO2HRaであり、ここでRaは、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオキシ、p−ニトロベンジルまたはp−ニトロベンジルオキシであり;R9は、−H、−OHまたは−OSO3Hである。
【0019】
特定のキラル形態が上記で示されているとはいえ、他のキラル形態は、本発明の趣旨の範囲内である。
【0020】
「エキノカンジンB」、すなわち「ECB」とは、R1、R2、R3、R6、R7、R8およびR10がヒドロキシ基であり;R4、R5およびR11がメチル基であり;R9が水素である、上記のエキノカンジン化合物をいう。天然の生成物では、Rはリノレオイル基である。特に有用な半合成化合物では、Rは、例えば、Rが以下の式によって表される場合、剛直および可撓性の両方の成分を有する:
【0021】
【化9】
Figure 0004272359
「アルキル」とは、他で示されない限り、1〜30個の炭素原子を含有する、一般式Cn2n+1の炭化水素ラジカルをいう。アルカンラジカルは、直鎖状、分枝状、環式、または多環式であり得る。アルカンラジカルは、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい。同様に、アルコキシ基またはアルカノエートのアルキル部分は、上記と同じ定義を有する。
【0022】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する、非環式の炭化水素をいう。アルケンラジカルは、直鎖状、分枝状、環式、または多環式であり得る。アルケンラジカルは、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい。
【0023】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する、非環式の炭化水素をいう。アルキンラジカルは、直鎖状または分枝状であり得る。アルキンラジカルは、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい。
【0024】
「アリール」とは、単一の環系を有する芳香族部分(例えば、フェニル)または縮合した環系を有する芳香族部分(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなど)をいう。アリール基は、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい。置換されたアリール基としては、芳香族部分の鎖(例えば、ビフェニル、テルフェニル、フェニルナフタリルなど)が挙げられる。
【0025】
「ヘテロアリール」とは、芳香族環系(例えば、ピロール、ピリジン、インドール、チオフェン、フラン、ベンゾフラン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、ベンズイミダゾール、キノリンなど)に少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香族部分をいう。芳香族部分は、単一の環系または縮合した環系から構成され得る。ヘテロアリール基は、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい。
【0026】
有機化学の分野、特に有機生化学の分野においては、化合物のかなりの置換が許容されるか、または有用でさえあることが広く理解されている。本発明においては、例えば、用語アルキル基は、典型的なアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、3級ブチル、ヘキシル、イソオクチル、ドデシル、ステアリルなど)である置換基を可能にする。この用語は、特に、当該分野において一般的なアルキル上での置換(例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、カルボニル、ケト、エステル、カルバメートなど)を想定かつ可能にし、そして非置換アルキル部分を含む。しかし、置換基は、この化合物の薬理学的特性に悪影響を与えないように、または医薬の使用を有害に妨害しないように選択されるべきであることが当業者によって一般に理解される。上記で定義されたいずれかの基に対する適切な置換基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノ、4級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアルキルチオ、カルバミル、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
(詳細な説明)
溶媒(例えば、メタノール)からエキノカンジンBを結晶化させる試みにより、十分な純度でこの溶媒を含む結晶生成物が提供された;しかし、この物質は、溶媒をエバポレーションするにつれて分解された。出願人は、結晶化プロセスを、炭水化物(すなわち、糖)の存在下で行う場合、エキノカンジン化合物と炭水化物との間で結晶複合体が形成されることを見出した。何らかの特定の理論によって束縛されることを望まないが、炭水化物は、エキノカンジンの結晶の単位格子内の空いた空間に取り込まれると考えられる。その結果、炭水化物は、不揮発性溶媒のように作用する。類似の複合体が、トリフェニルホスフィンオキシドを用いてEtterおよび共同研究者によって報告された(J.Am.Chem.Soc.、110:639−640(1988))。封入体複合体の利点は、マトリックスからの炭水化物(すなわち、糖)の抽出であり、このようにして、残りの結晶構造を非晶質固体へと崩壊させる。非晶質固体は一般に、バイオアベイラビリティーがさらに高いとみなされる。その結果、エキノカンジン/炭水化物複合体は、(例えば、処置されるべき哺乳動物の体液と接触された場合に)非晶質形態へとインビボで変換し得、それゆえ、処置の間にバイオアベイラビリティーを最適化する。
【0028】
炭水化物とアミン機能との間の水素結合によってアミン基が安定化されると考えられる。この理論は、水中への結晶複合体の分散の際に炭水化物が直ちに放出されるという観察によって支持される。
【0029】
複合体は、標準的な結晶化手順(例えば、再結晶化によって化合物を精製するために代表的に行われる結晶化手順)を用いて形成される。エキノカンジン物質および炭水化物は、上昇した温度(約40〜60℃、好ましくは55℃未満)にて溶媒中に溶解される。次いで、この溶液を、結晶化が始まるまでゆっくりと冷却させる。シード結晶(例えば、予め結晶化した複合体または不溶性糖)を添加して、結晶化を開始し得る。適切な溶媒としては、反応物を充分に可溶化して、炭水化物とエキノカンジン化合物との間での所望の複合体形成がもたらされる、媒質を提供する、進行中の反応に対して不活性な任意の溶媒または溶媒の混合物(例えば、プロトン溶媒またはケトン溶媒(メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、ならびにベンジルアルコールと、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−ペンタノール、2−メチル−1−プロパノール、MEK、アセトン、酢酸エチル、トルエン、アセトニトリル、フルオロベンゼン、塩化メチレン、ニトロメタンまたは環式ケトン(例えば、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノン)のような溶媒との間での混合物を含む)が挙げられる。好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、ならびにベンジルアルコールとメチルエチルケトン、酢酸エチルまたはアセトニトリルとの間での混合物が挙げられる。
【0030】
適切な炭水化物としては、アドニトール、アラビノース、アラビトール、アスコルビン酸、キチン、D−セルビオース、2−デオキシ−D−リボース、ダルシトール、(S)−(+)−エリトルロース、フルクトース、フコース、ガラクトース, グルコース、イノシトール、ラクトース、ラクツロース、リキソース、マルチトール、マルトース、マルトトリオース、マンニトール、マンノース、メレジトース(melezitose)、メリビオース、微結晶セルロース、パラチノース、ペンタエリトリトール、ラフィノース、ラムノース、リボース、ソルビトール、ソルボース、デンプン、スクロース、トレハロース、キシリトール、キシロースおよびそれらの水和物が挙げられる。適切な炭水化物としてはまた、上記の化合物のDエナンチオマーおよびLエナンチオマー、ならびにαアノマーおよびβアノマーが挙げられる。好ましい炭水化物は、単純糖(例えば、単糖類および二糖類)。より良好な理解のために、糖(または炭水化物)は、4つの分類に分けられ得る:不溶性、可溶性、非常に可溶性および同時結晶化。例示のみの目的のために、以下の実施例に記載した半合成エキノカンジン化合物6(a)についてメタノールを再結晶化溶媒として用いた場合、以下の定義を、この4つの分類について用いた。
【0031】
不溶性炭水化物は、メタノール中に40〜60℃にで低い溶解度を有するか溶解度がない(<3当量)炭水化物として定義される。不溶性炭水化物は、X線粉末回折(XRPD)によって決定したとき、そのオーダーに、増強をほとんどまたは全く付与しない。形成される複合体が不均質であったとしても、複合体は、非晶質エキノカンジン生成物と比較して改善された熱安定性を実証した。メタノールに不溶性の炭水化物の例としては、D−アラビノース、L−アラビノース、D−セルビオース、ダルシトール、L−フコース、D−ガラクトース、α−D−グルコース、β−D−グルコース、L−グルコース、イノシトール、α−D−ラクトース水和物、ラクツロース、L−リキソース、マルチトール、D−マルトース水和物、マルトトリオース水和物、マンニトール、メレジトース水和物、α−D−メリビオース水和物、微結晶セルロース、パラチノース水和物、L−ソルボース、デンプンおよびスクロースが挙げられる。
【0032】
可溶性炭水化物は、40〜60℃のメタノールに2〜20当量可溶性である炭水化物として定義される。均質な生成物は、エキノカンジン化合物を用いて、1セットの特異的な等価な範囲の下で形成される。このクラスに入る炭水化物は、非晶質エキノカンジン生成物単独と比較して、XRPDによる増強されたオーダーおよび増強された安定性の両方を実証する。可溶性炭水化物組成物は、非晶質化合物と比較して改善された熱安定性を示すだけでなく、水中での改善された実証された分散特性を有する。溶媒としてのメタノールについてのこのクラスの炭水化物の例としては、アドニトール、L−アラビノース、D−アラビトール、L−アラビトール、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース水和物、d−フルクトース、D−(+)−フコース、L−フコース、α−D−グルコース、β−D−グルコース、L−グルコース、D−リキソース、L−リキソース、D−マルトース水和物、D−マンノース、L−マンノース、メレジトース水和物、パラチノース水和物、ペンタエリトリトール、L−ラムノース、D−リボース、L−リブロース水和物、D−ソルビトール、スクロース、D−トレハロース、キシリトールおよびD−キシロースが挙げられる。
【0033】
非常に可溶性の炭水化物は、メタノールおよびエキノカンジン化合物を含む40〜60℃の溶液中での極めて高い溶解度(>20当量)を有する炭水化物である。これらは、XRPDによって決定した場合、単離された複合体において増強されたオーダーを示すが、不均質な炭水化物は何ら含まない。複合体はまた、非晶質エキノカンジン生成物と比較して増強された熱安定性を示す。非常に可溶性の炭水化物の例として、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース水和物、L−フコース、L−ラムノース、D−リボースおよびL−リブロース水和物が挙げられる。
【0034】
共結晶化(co−crystallizing)炭水化物は、40〜60℃のメタノール中での良好な溶解度(>2当量)を有する炭水化物として定義される。冷却の際に、エキノカンジン化合物および炭水化物の均質な混合物は、非晶質エキノカンジンと比較して、XRPDによる増強されたオーダーおよび増強された安定性を実証する。メタノール中での共結晶化炭水化物の例としては、アドニトール、D−アラビトール、L−アラビトール、D−ラフィノース五水和物、D−ソルビトール、D−トレハロース水和物、キシリトールおよびL−キシロースが挙げられる。共結晶組成物は、非晶質化合物と比較して改善された熱安定性を示すだけでなく、水中での改善された分散特性も実証した。従って、共結晶複合体は、バルク薬剤のインビボでの分散の支持または改善の可能性を有する。
【0035】
炭水化物の各々は一般に、いくつかの不溶性炭水化物を除いて、1より多くのクラスに入る。例えば、アドニトールは、メタノール中で非常に可溶性である;しかし、より多くの当量のアドニトールを添加することは、試験溶液中で可溶性のままにするが、冷却の際に共結晶する。それゆえ、アドニトールは、可溶性炭水化物および共結晶炭水化物の両方を有すると分類される。
【0036】
例示の目的のために、表1に列挙した炭水化物の各々の存在下で半合成エキノカンジン化合物6(a)(半ECB)を再結晶化させて、対応する半ECB/炭水化物複合体をメタノール中で形成させた。次いで、複合体の各々を、以下の一般的手順を用いて熱安定性について試験した。
【0037】
(熱安定性ストレス試験)
サンプルについて2週間のストレス安定性試験を行う前に、各サンプルを、効力および合計関連物質(TRS)について再度アッセイして、真のT0点を得た。サンプル(非晶質ECBのコントロールを含む)を、シールしたバイアル中に50℃にて2週間にわたって入れ、次いで試験の最後に効力およびTRSについてアッセイした。主要分解不純物を用いて、全体的な安定性を追跡した。分解速度を、コントロールに対する、主要分解生成物である試験物質のピークBの相対比として決定した。回収率を「Rec」と称する。分解速度の減少は、比較した試験物質の、より高い熱安定性を示す。表1は、コントロールサンプルと比較した結果をまとめる。
【0038】
効力(Pot)およびTRSを、15cm×4.6mm、3.5ミクロンの粒子サイズの、ZorbaxTM XDB−C18カラムを備えた高圧液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて決定した。サンプルを、メタノールを希釈剤として用いて、0.85% w/wリン酸水溶液および95%アセトニトリル水溶液を用いて溶出させた。勾配溶出スキームを用いた。ここでは、リン酸溶液の、アセトニトリル溶液に対する比を、1時間にわたって95:5から59:41へと、5:95へと、95:5へと変化させた。表1では、*ストレス試験前の値、**重量当量の代わりに、重量%で記録した***KF=Karl Fischer %水(クーロンビック(coulombic))。
【0039】
【表1】
Figure 0004272359
Figure 0004272359
試験した炭水化物の各々は、炭水化物を添加しなかったコントロールと比較して熱安定性の改善を示した。不溶性炭水化物が他のクラスと同等には作用しなかったとはいえ、それでもなお、非晶質形態のECBを超える改善が観察された。このデータはまた、適切な重量当量の、添加した糖を用いることにより、熱安定性が最適化され得ることを示す。例えば、(S)−(+)−エリトルロースは、30.0重量当量の代わりに8.0重量当量のみをメタノール結晶化プロセスに添加した場合、より安定な複合体を提供した。一方、2−デオキシ−D−リボースは、33.6重量当量の糖を8.0重量当量の代わりに用いた場合、より安定な複合体を提供する。エキノカンジン/フルクトース複合体については、好ましくは複合体は、約7% w/wと14% w/wとの間のフルクトース、より好ましくは約8.5% w/wと11% w/wとの間のフルクトースを含む。一般に、エキノカンジン/炭水化物複合体中の炭水化物の重量パーセントは、用いられる炭水化物に依存して5%と35%との間である。
【0040】
炭水化物結晶化プロセスは、約80〜90%のオーダーで代表的な分解不純物のレベルを低下させることが観察された。発酵不純物は一般に、約5〜20%減少した。全体として、総関連物質(TRS)は、約45〜55%減少した。比較のために、フルクトースについての結晶化プロセスは、不純物を拒絶する点で、化合物6(a)についての直線メタノール再結晶化よりも約6%効率が高い。
【0041】
メタノールから結晶化された半ECBを伴う好ましい炭水化物複合体としては、L−アラビノース、D−アラビトール、L−アラビトール、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース、D−フルクトース、D−(+)−フコース、L−フコース、D−ガラクトース、α−D−グルコース、β−D−グルコース、L−グルコース、D−リキソース、L−リキソース、マルチトール、D−マルトース、マルトトリオース、D−マンノース、メレジトース、パラチノース、D−ラフィノース、L−ラムノース、D−リボース、D−ソルビトール、D−トレハロース、キシリトール、L−キシロースおよびそれらの水和物から選択される炭水化物が挙げられる。より好ましくは、炭水化物が、L−アラビノース、D−アラビトール、L−アラビトール、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース、D−フルクトース、D−(+)−フコース、L−フコース、D−ガラクトース、β−D−グルコース、D−リキソース、L−リキソース、D−マルトース、マルトトリオース、メレジトース、パラチノース、D−ラフィノース、D−ソルビトール、D−トレハロース、キシリトール、L−キシロースおよびそれらの水和物から選択される、半ECB/炭水化物複合体である。
【0042】
本発明において用いられる環式ペプチドは、種々の微生物を培養することによって生成され得る。エキノカンジン環式ペプチドファミリーに属する適切な天然の生成物出発物質としては、エキノカンジンB、エキノカンジンC、エキノカンジンD、アクレアシンAγ(Aculeacin Aγ)、ムルンドカンジン(Mulundocandin)、スポリオフンジンA(Sporiofungin A)、ニューモカンジンA07(Pneumocandin A07)、WF11899AおよびニューモカンジンB0(Pneumocandin B0)が挙げられる。一般に、環式ペプチドは、アミノ酸のうちの1つにアシル化したアミノ基を有する環式ヘキサペプチド核として特徴付けられ得る。天然に存在する環式ペプチド上のアミノ基は代表的に、脂肪酸基を用いてアシル化されて、核の外の側鎖を形成する。天然に存在するアシル基の例としては、リノレオイル(エキノカンジンB、CおよびD)、パルミトイル(アクリアシンAγ(Aculeacin Aγ)およびWF11899A)、ステアロイル、12−メチルミリストイル(ムルンドカンジン(Mulundocandin))、10,12−ジメチルミリストイル(スポリオフンジンA(Sporiofungin A)およびニューモカンジンA0(Pneumocandin A0))などが挙げられる。
【0043】
半合成誘導体は、脂肪酸側鎖を環式ペプチド核から除去して、遊離のアミノ基(すなわち、ペンダントアシル基−C(O)Rが存在しない)を生成することによって調製され得る。次いで、遊離のアミンは、適切なアシル基を用いて再度アシル化される。例えば、エキノカンジンB核は、天然に存在しない特定の側鎖部分を用いて再度アシル化されて、多数の抗真菌剤を提供している。すなわち、米国特許第4,293,489号(Debono)を参照のこと。当業者は、N−アシル側鎖が、当該分野で公知の種々の側鎖部分を包含することを認識する。適切な側鎖部分としては、置換および非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基およびそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、側鎖は、直鎖状の剛直な部分(section)および可撓性のアルキル部分(section)の両方を含み、抗真菌能力を最大にする。好ましいアシル側鎖の代表的な例としては、以下の構造を有するR基が挙げられる:
【0044】
【化10】
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ここで、A、B、CおよびDは独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロ、−O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)または−O−(CH2q−X−Eであり;mは、2、3または4であり;nは、2、3または4であり;pは、0または1であり;qは、2、3または4であり;Xは、ピロリジノ、ピペリジノまたはピペラジノであり;そしてEは、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロアルキルメチルである。
【0045】
上記のように、本明細書中に記載される環式ペプチドは、当該分野で記載されるように、公知の微生物の発酵によって調製され得る。その後の脱アシル化は代表的に、当該分野で記載される公知の材料および手順によってデアシラーゼ酵素を用いて酵素的に行われる。
【0046】
例えば、米国特許第3,293,482号は、式Iの環式ペプチドの脱アシル化および調製を記載し、ここで、R4、R5およびR11はメチルであり、R9は水素であり、そしてR1、R2、R3、R6、R7、R8およびR10は各々ヒドロキシである。米国特許第4,299,763号は、式Iの環式ペプチドの脱アシル化および調製を記載し、ここで、R4、R5およびR11はメチルであり、R2はヒドロキシであり、そしてR7およびR9は水素であり、そしてR1、R3、R6、R8およびR10は各々ヒドロキシである。米国特許第3,978,210号は、アクレアシンの調製を記載する。米国特許第4,304,716号は、式Iの環式ペプチドの脱アシル化および調製を記載し、ここで、R5は−CH2C(O)NH2であり;R11はメチルであり;R4およびR9は水素であり;R1、R2、R3、R6、R7、R8およびR10は各々ヒドロキシであり、そして置換基Rを有するアシル基はミリストイルである。
【0047】
2およびR7が各々水素である環式ペプチドは、対応する化合物(ここで、R2およびR7は各々ヒドロキシである;オルニチンαアミノ基は、遊離のアミノ基であり得るかまたはアシル化され得る)を、強酸および還元剤に−5℃と70℃との間の温度で適切な溶媒中に供することによって調製され得る。適切な強酸としては、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸または三フッ化ホウ素エーテラートが挙げられる。好ましい強酸は、トリフルオロ酢酸である。適切な還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリエチルシランが挙げられる。好ましい還元剤は、トリエチルシランである。適切な溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムまたは酢酸(好ましくは、塩化メチレン)が挙げられる。強酸は、1molの基質あたり約2mol〜60molの量で存在し、そして還元剤は、1molの基質あたり約2mol〜60molの量で存在する。酸還元プロセスは、アミンヒドロキシ基(R2)およびベンジルヒドロキシ基(R7)を選択的に除去する。
【0048】
オルニチン単位上のα−アミノ基のアシル化は、当業者に周知の種々の方法において達成され得る。例えば、アミノ基は、好ましくは、酸スカベンジャー(例えば、3級アミン(例えば、トリエチルアミン))の存在下での、適切に置換されたアシルハライドとの反応によってアシル化され得る。この反応は代表的に、約−20℃〜25℃の間の温度で行われる。適切な反応溶媒としては、極性の非プロトン性溶媒(例えば、ジオキサンまたはジメチルホルムアミド)が挙げられる。溶媒の選択は、用いられる溶媒が、進行中の反応に対して不活性であり、そして反応物が、所望の反応をもたらすように充分に可溶化される限り、重要ではない。
【0049】
アミノ基はまた、カップリング剤の存在下での、適切に置換されたカルボン酸との反応によってアシル化され得る。適切なカップリング剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP−Cl)、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)などが挙げられ得る。
【0050】
あるいは、アミノ基は、カルボン酸(例えば、p−ニトロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)、ペンタフルオロフェニルおよびN−ヒドロキシスクシンイミドカルボン酸エステル)の活性化エステルを用いてアシル化され得る。好ましいアシル化部分は、2,4,5−トリクロロフェニルおよびHOBTカルボン酸エステルである。反応は代表的に、約0℃〜30℃の温度で非プロトン溶媒中で1〜65時間行われる。反応は一般に、約15℃〜30℃の間の温度で行う場合、約24時間〜48時間後に完了する。適切な溶媒としては、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドまたはそれらの混合物が挙げられる。アミノ基は一般に、活性化されたエステルに対して等モル比率で存在するか、またはわずかに過剰なアミノ基が用いられる。
【0051】
R−COOH前駆体酸は、式R−CNのニトリルまたは式R−COO(C1〜C4アルキル)のエステルを加水分解することによって調製される。ニトリルおよびエステルの中間体は、当該分野で公知の手順を用いて調製され得る。例えば、Rがアルコキシアリール部分である、ニトリルおよびエステルの中間体は、手順Aまたは手順Bを用いて調製され得る。
【0052】
(手順A)
1当量の臭化アルキル、ヨウ化アルキルまたはp−トルエンスルホン酸アルキルを、200〜300mlのアセトニトリル(CH3CN)中に1当量の塩基(例えば、カリウムt−ブトキシドまたは炭酸カリウム(K2CO3))および1当量のヒドロキシアリール化合物を含む混合物に添加する。この反応混合物を6時間還流し、次いで減圧下で濃縮して残渣を得、この残渣を、Et2O/2N NaOH混合物中に溶解する。得られる層を分離し、そして有機層を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥し、濾過し、そして乾燥してアルコキシアリール生成物を得る。
【0053】
(手順B)
ジエチルアゾジカルボキシレート(1当量)を、200〜300mlのTHF中にヒドロキシアリール化合物(1当量)、アルキルアルコール(1当量)およびトリフェニルホスフィン(1当量)を含む混合物に滴下する。17時間後、この溶媒を、減圧下で除去して残渣を得、この残渣をEt2Oに溶解する。得られる混合物を2N NaOH溶液を用いて洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して生成物を得て、次いで、この生成物を、Et2O/ペンタン混合物から結晶化するか、またはこの生成物が3級アミンを含む場合、塩酸塩を形成し、そしてメタノール(MeOH)/EtOAC混合物から結晶化させる。Rがアルキニルアリール部分であるニトリルおよびエステルの中間体は、手順Cを用いて調製され得る。
【0054】
(手順C)
Et2O(2当量)、二塩化パラジウム(0.05当量)、トリフェニルホスフィン(0.1当量)、ヨウ化銅(I)(0.025当量)およびアルキン(1当量)を含む混合物を、CH3CN(600ml/0.1molのアリール反応物)中の1当量の臭化アリール、ヨウ化アリールまたはトリフルオロメタンスルホン酸アリールに、窒素(N2)下で添加する。得られる混合物を17時間還流し、次いで溶媒を減圧下で除去して残渣を得、この残渣を300mlのEt2O中でスラリーにし、次いで濾過する。濾液を、1N HCl溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、次いで乾燥して生成物を得る。Rがテルフェニル部分であるエステル中間体は、手順Dを用いて調製され得る。
【0055】
(手順D)
(1.ボロン酸反応物の形成)
ブチルリチウム(1.2当量)を、THF中の1当量の冷(−78℃)のハロゲン化アリールに添加する。15分後、トリイソプロピルボレート(2当量)を添加する。10分後、反応混合物を、室温まで温め、そして水(H2O)の添加、続いて1N HClの添加によってクエンチする。得られる層を分離し、そして有機層を減圧下で濃縮して固体を得、この固体を、濾過によって収集し、そしてヘキサンを用いて洗浄する。
【0056】
(2.テルフェニルエステルの形成)
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03当量)を、N2パージトルエン中で、アリールボロン酸(1当量)、K2CO3(1.5当量)およびメチル4−ヨードベンゾエート(1当量)(またはヨードベンゾエートのトリクロロフェニルエステル)を含む混合物に添加する。この反応混合物を、7時間還流し、次いでデカントしてK2CO3を除去し、そして減圧下で乾燥して残渣を得る。この残渣をCH3CN中で粉砕し、そして濾過して生成物を得る。上記のアリールニトリルおよびエステルを、手順Eまたは手順Fを用いて、加水分解によって対応するカルボン酸へと変換し得る。
【0057】
(手順E)
アリールニトリルを、エタノール(EtOH)および過剰の50% NaOH溶液中に溶解し、そして2時間還流する。水を、固体が沈殿するまで反応混合物に添加する。この固体を、濾過によって収集し、ジオキサン/6N HCl混合物に添加し、そして得られる混合物を、17時間還流する。反応が実質的に完了したとき、カルボン酸生成物をH2Oの添加によって結晶化し、次いで濾過によって収集し、そして減圧下で乾燥する。
【0058】
(手順F)
過剰の2N NaOHを、MeOH中のアリールエステルに添加し、そして得られる溶液を5時間還流し、次いで過剰のHClの添加によって酸性化する。水を、固体(カルボン酸)が沈澱するまで反応混合物に添加する。カルボン酸を濾過によって収集し、そして減圧下で乾燥する。
【0059】
カルボン酸を、手順Gを用いて、対応する2,4,5−トリクロロフェニルエステルへと変換し得る。次いで、活性化したエステルを用いて、アミノ核をアシル化する。
【0060】
(手順G)
CH2Cl2中にアリールカルボン酸(1当量)、2,4,5−トリクロロフェノール(1当量)、およびDCC(1当量)を含む混合物を、17時間攪拌し、次いで濾過した。濾液を濃縮して残渣を得、これをEt2Oに溶解させ、濾過し、次いで結晶化が始まるまでペンタンを添加した。この結晶を濾過によって集め、減圧下で乾燥させた。あるいは、カルボン酸を、手順Hを使用して、対応するヒドロキシベンゾトリアゾールエステルへの変換によって、活性化し得る。
【0061】
(手順H)
アリールカルボン酸(1当量)およびわずかに過剰のN−メシレート置換ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.2当量)を、トリエチルアミン(Et3N)のようなわずかに過剰の塩基(1.3当量)の存在下で、DMF中、N2下で反応させた。反応の完了時に、この混合物をトルエンで希釈し、そしてH2Oで洗浄した。有機部分をH2Oで希釈し、次いでこの物質を移動させるために、t−ブチルメチルエーテル(MTBE)を用いて濾過した。生じた固体をMTBEで洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。
【0062】
エキノカンジン化合物を単離し、そしてそれ自体で、あるいはその薬学的に受容可能な塩または水和物の形態で炭水化物複合体の調製に使用し得る。エキノカンジン化合物との炭水化物複合体は、先に記載の通りに調製される。「薬学的に受容可能な塩」とは、無機酸および有機酸から誘導される非中毒性の酸付加塩をいう。適切な塩誘導体としては、ハライド、チオシアン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、アリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ホスホン酸塩、一水素−リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロホスホン酸塩、アルカン酸塩(alkanoate)、シクロアルキルアルカン酸塩、アリールアルカン酸塩(arylalkonate)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、二グルコン酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが挙げられる。
【0063】
代表的な溶液処方物は、エキノカンジン/炭水化物複合体および界面活性剤(好ましくはミセル形成界面活性剤)を、溶媒中で混合することにより調製される。この処方物は、必要に応じて、1種以上の緩衝剤、安定剤、および/または張度剤を含有し得る。溶媒は、一般に、哺乳動物に非経口投与されるために安全であると認識された溶媒(GRAS)に基づいて、選択される。一般に、安全な溶媒は、非毒性の水性溶媒であり、例えば、水、および水に可溶性または混和性である他の非毒性溶媒である。適切な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒は、水である。
【0064】
代表的な凍結乾燥処方物は、エキノカンジン/炭水化物複合体、界面活性剤(好ましくはミセル形成界面活性剤)、充填剤および/または安定剤を含有する。 ミセル形成界面活性剤の添加は、この凍結乾燥処方物の水性溶媒中での再構築を最適化するのみでなく、さらに凍結乾燥材料に増加した安定性を提供する。この処方物は、必要に応じて、1種以上の緩衝剤を含有し得る。適切な非経口の溶液処方物および凍結乾燥処方物の、これらの調製を含むいくつかの例は、PCT WO00/51564に見出され得る。
【0065】
溶液処方物および凍結乾燥処方物の両方は、必要に応じて、安定剤を含有し得る。安定剤は、一般に、約0.5%〜約40%(重量/容量)の範囲の濃度で、より好ましくは約1%〜約6%の範囲の濃度で、存在する。「安定剤」とは、処方物中の活性成分の化学的および物理的な安定性を増強する、薬学的に受容可能な賦形剤をいう。適切な安定剤としては、ポリオール(例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ならびにスクロース、トレハロース、フルクトース、ラクトースおよびマンニトールのような炭水化物)、アミノ酸、ならびにポリソルベートおよび胆汁酸塩のような界面活性剤が挙げられる。凍結乾燥処方物のための好ましい安定剤としては、マンニトール、スクロース、トレハロース、フルクトース、ラクトースおよびこれらの組合せが挙げられる。溶液において最も好ましい安定剤は、胆汁酸塩、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールである。
【0066】
溶液処方物および凍結乾燥処方物の両方はまた、必要に応じて、緩衝剤を含有し得る。この緩衝剤は、約0.03%〜約5%(重量/容量)の範囲の濃度で、より好ましくは約0.1%〜約1%の範囲の濃度で、存在する。「緩衝剤」とは、溶液のpHを、その緩衝系に特異的な特定の範囲内に維持する、薬学的に受容可能な賦形剤をいう。適切なpH範囲は、pH3.0〜7.0である。好ましい範囲は、4.0〜5.5であり、より好ましくは、4.0〜5.0である。適切な緩衝剤としては、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、アミノ酸などが挙げられる。溶液処方物のために好ましい緩衝剤としては、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩およびこれらの組合せが挙げられる。凍結乾燥処方物においては、好ましい緩衝剤は、酒石酸である。
【0067】
溶液処方物は、必要に応じて、1種以上の張度剤を含有し得る。この張度剤は、一般に、約1〜約100mg/mlの範囲の濃度で、より好ましくは、約9〜約50mg/mlの範囲で、存在する。「張度剤」とは、溶液を血液と適合性にする、薬学的に受容可能な賦形剤をいう。張度剤は、注射可能処方物において特に望ましい。適切な張度剤としては、グリセリン、ラクトース、マンニトール、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトールなどが挙げられる。好ましい張度剤としては、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、塩化ナトリウムおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0068】
凍結乾燥される場合に、処方物は、必要に応じて、充填剤を含有し得る。この充填剤は、処方物中に、約2%〜約10%(重量/容量)の範囲の濃度で、より好ましくは約3%〜約6%の範囲の濃度で、存在する。「充填剤」とは、処方物に嵩高さを追加し、凍結乾燥の際に良好に形成されたケーキを生じる、薬学的に受容可能な賦形剤をいう。適切な充填剤としては、マンニトール、グリシン、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、フィコールおよびゼラチンが挙げられる。好ましい充填剤としては、マンニトール、スクロース、トレハロース、ラクトースおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0069】
これらの処方物は、従来の溶解および混合手順を用いて調製され得る。例えば、嵩高い薬物物質(例えば、エキノカンジン/炭水化物複合体)が、適切な溶媒中に、界面活性剤ならびに必要に応じて1種以上の充填剤、緩衝剤、安定剤および/または張度剤の存在下で、溶解される。得られる溶液は、滅菌濾過され、そして好ましくは凍結乾燥されて、所望の処方物を提供する。凍結乾燥する前に、界面活性剤が、一般に、溶液の1容量あたり1重量%より多い量で存在する。凍結乾燥するための適切な方法は、Nailら、Freeze Drying Principles and Practice、Pharmaceutical Dosage Forms、第2版、Marcel Dekker,Inc.NY、163〜233頁(1993)に記載される。
【0070】
一般に、凍結乾燥処方物は充填剤を含有し、そして非凍結乾燥処方物は1種以上の張度剤を含有する。適用において、これらの処方物は、代表的に、投与の前に、希釈または再構築(凍結乾燥された場合)され、そして必要であればさらに希釈される。凍結乾燥手順についての再構築指示の例は、10mlの注射用水(WFI)をバイアルに添加し、そして穏やかに撹拌して溶解することである。代表的な再構築時間は、1分間未満である。次いで、得られる溶液は、投与の前に、水中5%デキストロース(D5W)のような注入溶液中に、さらに希釈される。
【0071】
活性成分は、容易に制御可能な薬物の投薬量を提供するため、および患者に的確かつ容易に取扱い可能な製品を与えるために、代表的に薬学的投薬形態に処方される。処方物は、0.1重量%〜99.9重量%、より一般的には約10重量%〜約30重量%の活性成分を含み得る。
【0072】
本明細書中で使用される場合、用語「単位用量」または「単位投薬量」とは、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含む、物理的に分かれた単位をいう。単位用量が経口投与または非経口投与される場合、代表的には錠剤、カプセル剤、丸剤、薬包、局所組成物、坐剤、ウェハ、アンプルまたは複数用量容器中の計量された単位などの形態で提供される。あるいは、単位用量は、吸入またはスプレーされ得る乾燥または液体のエアロゾルの液体溶液の形態で投与され得る。
【0073】
投与される投薬量は、患者の身体的特徴、患者の症状の重症度、および薬物を投与するために使用される手段に依存して変化し得る。所定の患者への特定の用量は、通常担当医の判断によって設定される。
【0074】
適切なキャリア、希釈剤および賦形剤は、当該分野において周知であり、そして炭水化物、ロウ、水溶性および/または水膨潤性のポリマー、親水性または疎水性の材料、ゼラチン、油、溶媒、水などのような材料が挙げられる。使用される特定のキャリア、希釈剤または賦形剤は、活性成分が適用される手段および目的に依存する。処方物はまた、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、沈殿防止剤、防腐剤、甘味料、香料、矯味矯臭剤およびこれらの組合せを含有し得る。
【0075】
薬学的組成物は、種々の方法を用いて投与され得る。適切な方法としては、局所(例えば、軟膏またはスプレー)、経口、注射および吸入が挙げられる。使用される特定の処置方法は、注意を向けられる感染の型に依存する。
【0076】
エキノカンジン型化合物は、抗真菌活性および抗寄生生物活性(例えば、カンジダ属(すなわち、C.Albicans、C.Parapsilosis、C.Krusei、C.Glabrata、C.Tropicalis、またはC.Lusitantiw);トルロプス属(Torulopus spp.)(すなわち、T.Glabrata);アスペルギルス属(すなわち、A.Fumigatus);ヒストプラスマ属(すなわち、H.Capsulatum);クリプトコックス属(すなわち、C.Neoformans);ブラストミセス属(すなわち、B.Dermatitidis);フザリウム属;白癬菌属;Pseudallescheria boydii、Coccidioides immits、Sporothrix schenckiiなどを含む種々の感染性真菌の増殖阻害)を示すことが示されてきた。
【0077】
この型の化合物はまた、免疫抑制個体における日和見感染を主に担う特定の生物体の増殖を阻害する(例えば、Pneumocystis carinii(AIDSおよび他の免疫無防備状態の患者におけるニューモシスティス肺炎(PCP)の原因となる生物体)の増殖阻害)。エキノカンジン型化合物によって阻害される他の原生動物としては、プラスモディウム属、リーシュマニア属、トリパノソーマ属、クリプトスポリジウム属、イソスポラ属、シクロスポラ属、トリコモナス属(Trichomnas spp.)、微胞子虫門などが挙げられる。
【0078】
従って、本発明の処方物は、全身性真菌感染または真菌皮膚感染のいずれかとの闘いにおいて有用である。従って、エキノカンジン/炭水化物複合体(ここで用いる処方物およびプロセスを含む)は、本明細書中で記載される治療的適用のための医薬の製造において使用され得る。例えば、真菌活性(好ましくは、Candida albicansまたはAspergillus fumigatis活性)あるいは寄生生物活性は、本発明のエキノカンジン/炭水化物複合体と、真菌または寄生生物のそれぞれとを接触させることによって阻害され得る。「接触」は、結合または接合、あるいは本発明の化合物の、寄生生物または真菌との明らかな接触または相互の接触を含む。用語用量は、例えば、阻害の機構によって、このプロセスに対するこれ以上の限定を意味しない。この方法は、化合物の作用ならびに固有の抗寄生生物特性および抗真菌性特性による、寄生生物活性および真菌活性の阻害を含むように規定される。
【0079】
本発明の薬学的処方物の有効量を、真菌感染の処置が必要な宿主に投与する工程を包含する、真菌感染を処置する方法もまた提供される。好ましい方法としては、Candida albicansまたはAspergillus fumigatis感染の処置が挙げられる。「有効量」とは、真菌活性を阻害し得る活性化合物の量をいう。投与される用量は、感染の性質および重症度、宿主の年齢および身体全体の健康、および宿主の抗真菌剤に対する耐性のような要因に依存して変化する。特定の用量レジメンもまた、これらの要因に従って変化し得る。医薬は、1日1回の用量、または1日に複数の用量として与えられ得る。レジメンは、約2〜3日から約2〜3週間またはそれより長く続き得る。代表的な1日の用量(単一または分割用量において投与される)は、約0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重の間の活性化合物の投薬量レベルを含む。好ましい1日の用量は、一般に約0.1mg/kg〜60mg/kgの間であり、そしてより好ましくは約2.5mg/kg〜40mg/kgの間である。
【0080】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが本発明を限定しない。本明細書中に引用される全ての参考文献は、本明細書中に参考として援用される。
【0081】
(実施例)
本発明の処方物を例証するために使用されるエキノカンジン化合物を、以下の調製に記載されるようにして調製した。詳細には、以下の手順が、以下の構造を有するエキノカンジン化合物6(a)との炭水化物(フルクトース)複合体の調製を説明する:
【0082】
【化11】
Figure 0004272359
以下が、例示的実施例として役立ち、そして抗真菌剤として有用な他の半合成エキノカンジン化合物が、同様の手順または本明細書で先に列挙された参考文献中に記載の手順を用いて合成され得ることが、当業者によって理解される。以下の調製で用いた物質は、他に示していない限り、Aldrich Chemicals(Milwaukee,Wisconsin)から入手可能である。
【0083】
(化合物調製)
(4−ブロモ−4’−ペンチルオキシビフェニル 1(a)の調製)
無水K2CO3(416g、3mol)を、4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル(300g、1.2mol)、1−ヨードペンタン(234ml、1.79mol)および2−ブタノン(600ml)の混合物に添加した。この反応混合物を、TLC(85:15 ヘキサン/EtOAc)がブロモアルコールの完全な消費を示すまで44時間還流した。この混合物を約30℃まで冷却し、CH2Cl2(600ml)で希釈し、次いで濾過した。この濾液をH2Oで2度、そして飽和NaCl水溶液で2度洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで減圧乾燥して固体を得た。この固体を濾過によって単離し、合計2Lの氷冷ヘプタンで繰り返し洗浄し、痕跡量のヨードペンタンを全て除去し、次いで高減圧下で一晩乾燥させた。収量:340g(88%)の白色粉末。
【0084】
(4−ブロモ−4’−ペンチルオキシビフェニル 1(a)の代替調製)
4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニル(12.5g、50.2mmol)を、脱イオン化H2O(150ml)中のNaOH(2.28g、純度97%、55.2mmol)の溶液に添加し、次いで1−ヨードペンタン(11.9g、60.2mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.82g、2.51mmol)を添加した。この混合物を90℃で、この固体が溶液になるまで3.75時間攪拌した。次いで、反応が進むにつれて、所望の生成物が沈殿し始めた。この混合物をゆっくりと冷却し、次いで濾過して固体を得、この固体を、濾液のpHが中性になるまで脱イオン水で洗浄し、次いで30℃の真空オーブン中で16時間乾燥させた。収量:15.41g(96%)の5a。Rf0.5(97:3 ヘキサン/EtOAc)。1H NMR:δ0.93(t、3H、J=6.9Hz);1.41(m、4H);1.79(m、2H);3.97(t、2H、J=6.6Hz);6.98(m、2H);7.23(m、6H)。13C NMR:δ14.03;22.43;28.22;28.98;68.12;114.91;120.71;127.93;128.27;131.77;132.24;139.82;159.03。MS(FAB+):m/z 320。IR(CHCl3):2960、2936、2874、1608、1518、1485、1475cm-1。C1719BrOについての分析:計算値:C,63.96;H,6.00;Br,25.0;実測値:C,64.10;H,5.97;Br,25.28。
【0085】
(4−ボロン酸−4’−ペンチルオキシビフェニル 2(a)の調製)
t−ブチルメチルエーテル(MTBE)(1L)中の化合物1(a)(100g、0.31mol)の冷却(−20℃)混合物に、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液150ml、0.37mol)を、N2下で、内部温度を−19℃と−18℃との間に維持しながらゆっくりと滴下した。得られた混合物を、−17℃と−16℃との間で3.5時間攪拌し、淡黄緑色溶液を生じた。この溶液を、−78℃に冷却し、そして100mlの無水THFで希釈して、白色沈殿を生じた。次いで、MTBE(200ml)中のトリイソプロピルボレート(145ml、0.62mol)の冷却(−78℃)溶液を、窒素下で、反応温度を−78℃と−74℃との間で維持しながら、1.5時間かけて滴下した。得られた反応混合物を、−78℃で1.5時間攪拌し、次いで1時間かけて−50℃まで暖め、このときに冷却浴を取り除き、そしてこの混合物を一晩(16〜21時間)攪拌し、白色沈殿を生じた。この混合物を、2MのHCl(1000ml)と共に5分間激しく振盪し、次いで得られた層を分離し、そして有機層を減圧下で乾燥させ、残渣を得た。この残渣を、MTBE(100ml)、続いてヘプタン(800ml)で希釈し、白色粉末を得、これを吸引濾過で単離し、そしてヘプタン(300ml)で3回洗浄した。収量:88g(98%)。Rf0.45(95:5 CH2Cl2/MeOH)。1H NMR:δ0.92(m、3H);1.41(m、4H);1.80(m、2H);4.00(m、2H);6.99(m、2H);7.45〜7.63(m、3H);7.67(m、2H);8.24(d、1H、J=8.3Hz)。13C NMR:14.01;22.26;28.03;28.77;39.61;39.89;40.17;40.45;67.82;114.77;125.32;127.83;132.93;134.84;141.88;158.71。MS(FD+):m/z 284。IR(CHCl3):2959、2952、2874、1606、1526、1500cm-1
【0086】
(化合物3(a)の調製)
【0087】
【化12】
Figure 0004272359
トルエン(174ml)およびプロパノール(20ml)の溶液を、この溶液に20〜30秒減圧を適用し、次いでN2でパージすることによって、3回脱気した。Na2CO3の2M溶液もまた脱気した。このトルエン/プロパノール溶液(97ml)を、4−ヨード安息香酸メチル(14.12g、53.9mmol)および化合物2(a)(15.0g、52.8mmol)の混合物に添加し、続いて脱気した2MのNa2CO3水溶液(29ml、58.0mmol)を添加した。得られた混合物を、20〜30秒で2回、それぞれN2の陽圧下で脱気し、続いて酢酸パラジウム(II)(0.24g、1.1mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.84g、3.2mmol)を添加して、次いでさらに2回脱気した。次いで、この反応混合物を、N2下で5時間還流し、淡黄色混合物を生じた。この混合物を23℃まで冷却して、沈殿の形成が生じ、これを濾過によって集め、トルエン(123ml)、2:1のMTBE/EtOAc(143ml)、脱イオン水(123ml)、および2:1のMTBE/EtOAc(42ml)で順次洗浄し、次いで35℃の真空オーブンで16時間乾燥させた。収量18.7g(94%)。Rf0.48(ベンゼン)。1H NMR:δ0.93(t、3H、J=6.80Hz);1.42(m、4H);1.81(m、2H);3.95(s、3H);4.00(t、2H、J=6.48Hz);6.97(d、2H、J=8.52Hz);7.55(d、2H、J=8.52Hz);7.66(m、6H);8.10(d、2H、J=8.20Hz)。MS(FD+):m/z 374。IR(KBr):2938、1723cm-1。C25263についての分析:計算値:C,80.18;H,7.00;実測値:C,79.91;H,6.94。
【0088】
(化合物4(a)の調製)
【0089】
【化13】
Figure 0004272359
キシレン(800ml)中の化合物3(a)(80g、0.21mol)、5M KOH(160ml)および臭化セチルトリメチルアンモニウム(4.8g、0.013mol)の混合物を3時間還流し、次いで10℃まで冷却し、そして濾過して白色固体を得た。この固体をH2Oで3回洗浄(それぞれ500ml)して、触媒および大部分の塩基を除去した。得られた物質をDME(500ml)で処理した。この溶液のpHを、6MのHCl(100ml)を添加することでpHに調整した。得られた混合物を30分間還流し、その間に、混合物が酸性を維持していることを確実にするために、pHを定期的に調べ、次いで冷却および濾過した。得られた固体を、洗液がリトマスで中性になるまで、MTBE(400ml)および水(4×400ml)で順次洗浄した。収量:76g(収率98%)。1H NMR δ0.89(t、3H、J=6.82Hz),1.38(m、4H),1.73(m、2H),3.96(t、2H、J=6.3Hz),6.95(d、2H、J=8.56Hz),7.57(d、2H、J=8.54Hz),7.64〜7.74(m、6H),8.00(d、2H、J=8.21Hz),8.09(s、1H)。MS(FD+)m/z 360。IR(KBr):2958、2937、2872、1688cm-1。C24243についての分析:計算値:C,79.97;H,6.71;実測値:C,80.50;H,6.77。
【0090】
(化合物4(a)のHOBTエステルの調製)
(A.HOBTメシレートの形成)
無水CH2Cl2(1.5L)中のヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(200g、1.48mol)の冷却(0℃)混合物に、無水Et3N(268ml、1.92mol)を、0〜10℃の温度を保ちながらゆっくりと添加し、続いてメタンスルホニルクロリド(126ml、1.63mol)を、0〜5℃の温度を保ちながら添加した。得られた混合物を、0℃で3時間攪拌し、そして冷水(2×1.2L)およびブライン(1.2L)で順次洗浄した。合わせた有機抽出物を減圧して濃縮し、固体を得た。この固体を、CH2Cl2(100ml)およびヘプタン(1L)から再結晶した。この結晶を吸引濾過によって集め、そして合計1Lのヘプタンで繰り返し洗浄し、次いで高減圧下(0.5mmHg)で一晩乾燥させた。収量:245g(78%)。Rf0.55(1:1 ヘキサン/CH2Cl2)。1H NMR:δ3.58(s、3H),7.46(t、1H、J=7.60Hz),7.60(d、1H、J=8.28Hz),7.65(d、1H、J=8.56Hz),7.68(d、1H、J=8.20Hz),8.05(d、1H、J=8.41Hz)。
【0091】
(B.HOBTエステルの形成)
DMF(650ml)中の化合物4(a)(50g、0.14mol)および上記のパートAの物質(36g、0.17mol)の混合物を、N2下で、Et3N(25ml、0.18mol)で滴下処理した。得られた混合物を、TLC(95:5 CH2Cl2/MeOH)によって決定したとき全ての酸が消費されるまで、室温で4時間攪拌した。全ての酸が消費された際に、この反応混合物のアリコート(約3パイプドロップ)は、3mlの1:1 CH2Cl2/THFで希釈した場合、透明な均一溶液を与える。次いで、この反応混合物を、トルエン(500ml)で希釈し、水(500ml)で洗浄した。有機層(固体生成物を含む)を水(500ml)で希釈し、そして移すためにMTBEを用いて濾過した。この固体をMTBE(2×400ml)でリンスし、そして減圧下で乾燥させて、緑白色薄片の物質を得た。注:この物質は、THFに溶解し得、そして濾過して全ての残存する金属混入物を除去した。収量:61g(92%)。Rf0.68(1:1 CH2Cl2/ヘキサン)。1H NMR:δ0.93(t、3H、J=7.0Hz),1.42(m、4H),1.81(m、2H),4.00(t、2H、J=6.53Hz),6.99(d、2H、J=8.6Hz),7.42〜7.59(m、5H),7.71(dd、4H、J=13.91Hz、8.40Hz),7.86(d、2H、J=8.30Hz),8.11(d、1H、J=8.31Hz),8.35(d、2H、J=8.33Hz)。13C NMR:δ14.03,22.44,28.18,28.94,40.10,40.37,68.11,108.45,110.11,114.95,118.71,120.48,123.04,124.94,124.99,127.00,127.23,127.51,127.73,128.06,128.82,128.86,131.35,132.30,137.15,141.43,143.54,147.85,159.15,162.73。MS(FD+):m/z 477。IR(CHCl3):2960、2936、2874、1783、1606cm-1。C302733についての分析:計算値:C,75.45;H,5.70;N,8.80;実測値:C,75.69;H,5.58;N,8.92。
【0092】
(抗真菌化合物6(a)の調製)
この手順全体にわたって、脱イオン水を使用した。無水DMF(275ml)中の、化合物5(a)(11g、23mmol)および化合物6(a)の核(nucleus)(ここで、Rは水素であり、HPLCによる純度92%、19.25g、22.2mmol)の混合物を、N2下で4時間(HPLCが環式ペプチド出発物質の完全な消費を示すまで)攪拌した。この混合物を、セライトのベッドを通して濾過し、そしてこの濾液を35℃での減圧下で濃縮し、攪拌し得るペーストを得た。このペーストをMTBE(500ml)に注ぎ、これにより微細な粉末の沈殿が生じ、これを減圧濾過によって集め、そして乾燥させて27gの粗製物質を得た。この物質を、乳鉢および乳棒を用いて粉末に粉砕し、トルエン(200ml)中で5分間スラリーにし、吸引濾過し(遅い濾過)、MTBE(100ml)でリンスし、次いで減圧下で乾燥させて黄色固体を得た。収量:23g(HPLCによる純度95%、保持時間=7.79分)。
【0093】
あるいは、この変換は、過剰の環式核(cyclic nucleus)(1.1当量)を用いて実行し得る。HPLCが示すように、反応が実質的に完了した際に、この粗製物質(10gの粉末)を、激しく攪拌した9:1のアセトン/水の混合物(60ml)に分割して添加した。セライト(2.5g、9:1のアセトン/水の混合物で予め洗浄した)を、得られた懸濁液に添加した。2分間の攪拌後、この混合物をセライトのベッド(9:1のアセトン/水で予め洗浄した)を通して濾過し、ケークを9:1のアセトン/水(10ml)で2度リンスした。濾液を、脱イオン水(200ml)のビーカーに注ぎ、その間、この混合物を穏やかに旋回させることにより、沈殿の形成を生じた。この沈殿を吸引濾過によって集め、H2O(4×25ml)でリンスし、次いで室温にて減圧下で乾燥させた。収量:6.81g(HPLCによる純度97%)。
【0094】
この生成物を、分取HPLCクロマトグラフィーを用いてさらに精製した。Rf0.29(80:20 CHCl3/MeOH)。MS(FAB+):C587477についてのm/z、計算値:1140.5141;実測値1140.5103。IR(KBr):3365、2934、1632、1518cm-1
【0095】
(化合物6(a)とのフルクトース複合体の調製)
ジャケット付き反応器に、1当量の化合物6(a)、8当量のフルクトースおよび58mg/mlの化合物6(a)を作製するのに十分な量のメタノールを充填した。この混合物を、完全に溶解するまで、50〜55℃に加熱した。この溶液を45℃まで冷却した。45℃でシーディングした後、シード溶液を、冷却速度−2℃/時間で25℃に冷却した。この混合物を、さらに2時間かけて0℃に冷却し(冷却速度=−12.5℃/時間)、次いで0℃で12時間攪拌した。生成物を減圧濾過によって単離し、重量/重量の基準で1%のフルクトースを含む冷メタノールで洗浄し、次いで30℃の真空オーブン中で24時間乾燥させた。
【0096】
15cm×4.6mm、3.5ミクロン粒子サイズのZorbaxTMSB−C18またはXDB−C18分析カラムを備えた勾配HPLCシステム上で、アッセイを行った。

Claims (23)

  1. エキノカンジン/炭水化物結晶複合体であって、該複合体は、炭水化物および以下の構造によって示されるエキノカンジン化合物および薬学的に受容可能なそれらの塩または水和物:
    Figure 0004272359
    を含み、ここで:
    Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり;
    1、R2、R3、R6、R7およびR10は独立して、ヒドロキシまたは水素であり;
    4は、水素、メチルまたは−CH2C(O)NH2であり;
    5およびR11は独立して、メチルまたは水素であり;
    8は、−OH、−OSO3H、−OPO32、−OPO3HRaまたは−OPO2HRaであり、ここでRaは、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオキシ、p−ニトロベンジルまたはp−ニトロベンジルオキシであり;
    9は、−H、−OHまたは−OSO3Hである、
    複合体。
  2. 4、R5およびR11が各々メチルであり;
    2およびR7が独立して、水素またはヒドロキシであり;R1、R3、R6およびR10が各々ヒドロキシであり;
    8が、−OH、−OPO3HRaまたは−OPO2HRaであり、ここでRaはメチルであり;
    Rが、リノレオイル、パルミトイル、ステアロイル、ミリストイル、12−メチルミリストイル、10,12−ジメチルミリストイルまたは以下の一般構造:
    Figure 0004272359
    を有する基であり、
    ここで、A、B、CおよびDが独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロまたは−O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)または−O−(CH2q−X−Eであり;mが2、3または4であり;
    nが、2、3または4であり;pが0または1であり;qが2、3または4であり;
    Xが、ピロリジノ、ピペリジノまたはピペラジノであり;
    Eが水素、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロアルキルメチルである、請求項1に記載の複合体。
  3. 2およびR7が各々、ヒドロキシであり;
    8がヒドロキシであり;そして
    Rが
    Figure 0004272359
    である、請求項2に記載の複合体。
  4. 前記炭水化物が、アドニトール、アラビノース、アラビトール、アスコルビン酸、キチン、D−セルビオース、2−デオキシ−D−リボース、ダルシトール、(S)−(+)−エリトルロース、フルクトース、フコース、ガラクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、ラクツロース、リキソース、マルチトール、マルトース、マルトトリオース、マンニトール、マンノース、メレジトース、メリビオース、微結晶セルロース、パラチノース、ペンタエリトリトール、ラフィノース、ラムノース、リボース、ソルビトール、ソルボース、デンプン、スクロース、トレハロース、キシリトール、キシロースおよびそれらの水和物からなる群より選択される、請求項1に記載の複合体。
  5. 前記炭水化物が、L−アラビノース、D−アラビトール、L−アラビトール、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース、D−フルクトース、D−(+)−フコース、L−フコース、D−ガラクトース、α−D−グルコース、β−D−グルコース、L−グルコース、D−リキソース、L−リキソース、マルチトール、D−マルトース、マルトトリオース、D−マンノース、メレジトース、パラチノース、D−ラフィノース、L−ラムノース、D−リボース、D−ソルビトール、D−トレハロース、キシリトール、L−キシロースおよびそれらの水和物からなる群より選択される、請求項3に記載の複合体。
  6. 前記炭水化物が、L−アラビノース、D−アラビトール、L−アラビトール、2−デオキシ−D−リボース、(S)−(+)−エリトルロース、D−フルクトース、D−(+)−フコース、L−フコース、D−ガラクトース、β−D−グルコース、D−リキソース、L−リキソース、D−マルトース、マルトトリオース、メレジトース、パラチノース、D−ラフィノース、D−ソルビトール、D−トレハロース、キシリトール、L−キシロースおよびそれらの水和物からなる群より選択される、請求項5に記載の複合体。
  7. エキノカンジン/炭水化物結晶複合体を調製するプロセスであって、該複合体を、以下の工程:
    (a)以下の構造
    Figure 0004272359
    によって示されるエキノカンジン化合物および薬学的に受容可能なそれらの塩または水和物を提供する工程であって、この構造において
    Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
    1、R2、R3、R6、R7およびR10は独立して、ヒドロキシまたは水素であり、
    4は、水素、メチルまたは−CH2C(O)NH2であり、
    5およびR11は独立して、メチルまたは水素であり、
    8は、−OH、−OSO3H、−OPO32、−OPO3HRaまたは−OPO2HRaであり、ここで、Raは、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオキシ、p−ニトロベンジルまたはp−ニトロベンジルオキシであり;
    9は、−H、−OHまたは−OSO3Hである、工程;
    (b)工程(a)の該エキノカンジン化合物を溶媒中の炭水化物に一緒に混合して混合物を形成する工程;
    (c)該混合物を加熱して、該エキノカンジン化合物を可溶化し、そして該炭水化物を可溶化または分散させる工程;
    (d)該混合物を冷却して、該エキノカンジン/炭水化物結晶複合体を生成する工程;および
    (e)該エキノカンジン/炭水化物結晶複合体を単離する工程、
    によって調製する、プロセス。
  8. 生成される前記エキノカンジン化合物が、請求項2または3において定義されるとおりである、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記炭水化物が、請求項4、5、または6において定義されるとおりである、請求項7に記載のプロセス。
  10. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、およびベンジルアルコールと、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−ペンタノール、2−メチル−1−プロパノール、MEK、アセトン、酢酸エチル、トルエン、アセトニトリル、フルオロベンゼン、塩化メチレン、ニトロメタン、シクロペンタノンまたはシクロヘキサノンとの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載のプロセス。
  11. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、およびベンジルアルコールとメチルエチルケトン、酢酸エチルまたはアセトニトリルとの混合物からなる群より選択される、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記溶媒が、メタノールである、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記炭水化物が、約40℃〜60℃に加熱したとき前記メタノール中で可溶性である、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記炭水化物が、約40℃〜60℃に加熱したとき前記メタノール中で非常に可溶性である、請求項12に記載のプロセス。
  15. 前記炭水化物が、約40℃〜60℃に加熱したとき前記メタノール中で不溶性である、請求項12に記載のプロセス。
  16. 前記炭水化物が、前記エキノカンジン化合物とともに共結晶化する、請求項7に記載のプロセス。
  17. 非経口処方物を調製するためのプロセスであって、(i)請求項1〜6のいずれか1項に記載のエキノカンジン/炭水化物結晶複合体を水性溶媒中で混合する工程を包含する、プロセス。
  18. (ii)滅菌濾過工程および(iii)凍結乾燥工程をさらに包含する、請求項17に記載のプロセス。
  19. 薬学的処方物であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエキノカンジン/炭水化物結晶複合体および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的処方物。
  20. 前記賦形剤が、張度剤、安定剤、緩衝剤、充填剤、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項19に記載の薬学的処方物。
  21. 哺乳動物において真菌感染を処置するための医薬を製造する際の、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエキノカンジン/炭水化物結晶複合体の使用。
  22. 前記処置が、前記エキノカンジン/炭水化物結晶複合体を、前記哺乳動物の体液と接触させる工程を包含し、ここで該複合体は、該体液と接触したときに非晶質形態へと崩壊する、請求項21に記載の使用。
  23. 前記真菌感染が、Candida albicans活性またはAspergillus fumigatis活性から生じる、請求項21または22に記載の使用。
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