JP4271026B2 - アクチン重合状態の調節剤を含む腫瘍病変の診断、予防又は治療用の薬剤組成物 - Google Patents

アクチン重合状態の調節剤を含む腫瘍病変の診断、予防又は治療用の薬剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、癌腫学の分野に関し、細胞が腫瘍表現型に変化する時の、前記細胞の、付着及び運動性のような細胞骨格の構造に関連したある種の細胞表現型特性の調節の観察を拠り所とする。
これらの表現型特性は、安定性が、細胞骨格を構成するアクチン網の重合によって確保される前記細胞の骨格の構造に関連する。
本発明は、例えばザイキシン遺伝子の過少発現のような、細胞骨格のアクチン網の安定化に介在する遺伝子の過少発現、及び前記細胞の正常表現型対腫瘍表現型の形質転換の間で、出願人によって観察された相関関係に基づく。
本発明は、例えば、腫瘍表現型を含む細胞中にザイキシン遺伝子の過剰発現を誘発する化合物のような、細胞骨格のアクチン網を安定化させ得る薬剤組成物の投与が、前記細胞の正常な表現型への表現型復帰を引き起こすことを、行われる実験作業に基づき、明らかにすることにも基づく。
これらの結果により、アクチン重合の力学を介した細胞骨格の構造化が、浸潤性腫瘍表現型の維持において必要不可欠な役割を果たし、かつ従って、結果として腫瘍細胞中の定常状態のFアクチン量の増加を招く薬理作用が、悪性細胞の浸潤性を減少させ、更には正常な表現型を復元させさえする手段となることを理解することが可能になった。
このようにして、本発明は、アクチン重合状態を調節し得る化合物の識別、及び腫瘍病変の診断、予防及び/又は治療に有用な医薬品を調製するための前記化合物の使用を対象とする。
アクチン網を安定させ得るかかる化合物は、Fアクチンの解重合メカニズムに対する作用で知られる酵素である、例えばコフィリン阻害剤であり得、その活性型(脱リン酸コフィリン)で、らせん体の破裂を誘発し、かつFアクチンの解重合を促進する。
腫瘍形質転換、及び悪性表現型の維持に関与する遺伝子の識別は、腫瘍病変の新規な治療アプローチの概念に先立つ要素である。適切な実験アプローチは、「正常系統/腫瘍系統」又は「正常組織/腫瘍組織」タイプの対から特になる生物材料を利用できることを必要とする。これらの対により、発現鑑別測定を行うことが可能になる。
しかしながら、結果の妥当性は、使用される対の有意義な性質に左右されるので、これらのアプローチは、不都合を有する。系統は、非常に特徴のある表現型を有さねばならない。系統は、非腫瘍不死表現型を有さねばならず、かつ不死系統の悪性形質転換は、特異な遺伝子現象によって誘発されねばならない。最後に、表現型復帰突然変異体を容易に得ることができねばならない。
最も適切なモデルは、白血病表現型に至らせるBCR−Abl、PML−RAR並びにユーイング肉腫の原因であるEWS−Fli−1のような発癌融合タンパク質によって誘発される腫瘍表現型によって提供される。
ユーイング肉腫は、EWS癌原遺伝子をETS遺伝子ファミリーのメンバーに結合させるキメラ遺伝子の形成に至らせる、第11染色体のq24バンドにより改変される第22染色体のq12バンドを関係させる染色体転座:t(11;22)(q24;q12)(Turc−Carelら、1984)を特徴とする神経外胚葉由来の腫瘍である。t(11;22)多数転座に関連した亀裂点は、第22染色体に関してEWS遺伝子に属する7kb領域に、かつ第11染色体に関してFLI−1に属する50kb領域に局在化される(Zucmanら、1993)。この染色体転座の結果は、EWS遺伝子の5’部分が、FLI−1遺伝子の3’部分に結合した第22染色体の誘導体を発生させる(Delattreら、1992)。
融合遺伝子は、発癌性を有するEWS−FLI−1キメラタンパク質を発現させる。このようにして、EWS−Fli−1キメラタンパク質は、培養中のNIH3T3型のマウス線維芽細胞を形質転換し(Ohnoら、1993)、かつ「ヌード」マウスにおいて腫瘍を誘発し得る。EWSのN末端及びFLI−1のC末端のドメイン結合は、その形質転換力に必要である(Mayら、1993)。
本発明の枠内で、一方で不死非腫瘍の正常なマウスNIH3T3線維芽細胞、及び他方でEWS−Fli−1融合タンパク質を構成的に発現させ、かつヌードマウスにおいて腫瘍表現型を有する線維芽細胞からなる調査モデルを発達させた。この細胞対により、腫瘍表現型の獲得の特徴を示す鑑別評価を行うことが可能になる。
この評価は、588の遺伝子の発現を同時に評価することを可能にするClontechの「cDNAマイクロアレイ」を用いて行われた。
第2のステップで、安定した表現型復帰突然変異体が、発癌融合遺伝子指向アンチセンスRNAをコードするレトロウイルスベクターによって形質転換された細胞を感染させて、得られた。第2細胞対(腫瘍細胞/非腫瘍復帰突然変異体細胞)は、このようにして得られ、かつ鑑別発現調査の対象となり得た。
このようにして、本発明の枠内で行われた実験により、癌の新規な治療、予防又は診断手段を提供するように、発現の変異が、発癌タンパク質の発現及び表現型の性質に関連する遺伝子を識別することが可能になった。
本発明の枠内で行われた実験の中で、線維芽細胞に対するアクチンフィラメントの免疫着色は、EWS−Fli−1キメラタンパク質によって媒介される前記線維芽細胞の悪性形質転換が、特に病巣点減少を伴う線維芽細胞の高度な形態修飾として現れることを示す。このことは、細胞骨格及び特に重合アクチン網の再造形を伴う。
特に、腫瘍表現型は、ザイキシン発現率によって影響を及ぼされること、及びザイキシン遺伝子の過少発現は、正常な線維芽細胞を腫瘍形成線維芽細胞に形質転換するための十分条件であることが証明された。
ザイキシンは、高次真核生物細胞のラメリポディウム及び線維芽細胞の病巣付着板中に存在するLIMドメインを含むタンパク質であることが知られている。亜鉛フィンガー形状のこれらのLIMモチーフは、タンパク質−タンパク質型の相互作用に関係する(Scheimechelら、1994「The LIM domain a new structural motif found in zinc−printer−like proteins」。Trends Genet.10:315−320)。
ザイキシンは、アクチンフィラメントの重合の調節に関係し、かつリステリアのActAと共通の構造及び機能特性を有する(Golsteynら、1997)。ザイキシンは、アクチンフィラメント及びインテグリン及びα−アクチンを介する外膜の間に係留中間体として作用すると見なされる。ザイキシンは、細胞骨格の構成、付着及び細胞運動性に明らかに関係する(Crawford及びBeckerle、1991)。構造上、ザイキシンは、プロリンの豊富なN末端領域、核外移行シグナル(NES)ペプチド、並びにC末端部分でLIMモチーフを形成するヒスチジン及びシステインアミノ酸の豊富な領域を含む(Sadlerら、1992。「Zyxin and cCRP:Two interactive LIM domain proteins associated with the cytoskeleton」J.Cell.Biol.119:1573−1587)。
ザイキシン依存腫瘍形成メカニズムは、運動性、付着及び細胞−細胞及び細胞−細胞外マトリックスの相互作用に関連する信号の修飾を伴う。
上記の調査モデルにより行われた鑑別発現プロフィールの分析により、EWS−Fli−1キメラタンパク質の発現に依存する形態修飾が、ザイキシン遺伝子の発現変異と相互に関係することを確認することが可能になった。
このようにして、細胞骨格の編成に介在するアクチン網の安定化に関係するザイキシン遺伝子の発現減少は、腫瘍表現型の獲得及び維持に直接関連すること、及び前記遺伝子の過剰発現の誘発により腫瘍表現型の復帰に至ることが確認された。
このようにして、本発明は、癌治療又は予防のための医薬品を調製するための細胞骨格のアクチン網を安定させ得る化合物を含む、癌治療及び予防用の新規な薬剤組成物を提供することを対象とする。
本発明の枠内で行われた研究作業により、癌治療及び/又は予防に有用な無細胞毒性薬剤組成物を開発することが可能になった。実際、本発明による組成物は、細胞を破壊し、かつそれ故に副作用を誘発する可能性がある先行技術の大部分の組成物とは異なり、非腫瘍表現型を修復することが可能である。
この作業により、ザイキシン発現に関連する腫瘍表現型の復帰の検出に基づく、細胞骨格のアクチン網を安定させ得る抗腫瘍化合物の識別方法の発展にも至った。
従って、本発明は、腫瘍病変の治療、予防又は診断用薬剤組成物であって、
−ザイキシンタンパク質、
−ザイキシン遺伝子、その断片又はその相補的配列を含む、又はそれからなる核酸分子、又はそのアンチセンス核酸、
−ザイキシン遺伝子又はその断片によってコードされたタンパク質を過剰発現させる細胞又は細胞集合、
−コフィリン阻害剤を含む群から選択される細胞骨格のアクチン網を安定させ得る活性作用物質を含むことを特徴とする薬剤組成物を対象とする。
定義
本発明の枠内で、ザイキシン断片とは、ザイキシンの生物学的機能、及び特に細胞骨格のアクチン網の安定化機能を保存し得る、そのあらゆるポリペプチド断片を意味する。
ザイキシン遺伝子断片とは、ザイキシンのあらゆる核酸断片、及び特に、
−プロリンの豊富なタンパク質のN末端領域、
−核外移行シグナル(NES)、
−C末端部分でLIMモチーフを形成する領域をコードする前記遺伝子のcDNAのような、ザイキシン及び/又はその様々な機能ドメインをコードする前記遺伝子のcDNAを意味する。
ザイキシン遺伝子誘導体とは、化学的に、又は遺伝的組み換えにより修飾されたが、前記遺伝子の機能、特にザイキシンタンパク質の生物学的機能、及び特に細胞骨格のアクチン網の安定化機能を保存する、適切な宿主中で発現する時に、ポリペプチドをコードする能力を保っているあらゆる核酸を意味する。かかる修飾は、例えば当業者に公知の技術により、対応するcDNAの融合によって得られる異種cDNAを含むキメラ分子又は調節要素のような、他の核酸との融合による、塩基の修飾、付加又は削除を例えば含む。
ザイキシンタンパク質誘導体とは、化学官能基との結合により例えば化学的に修飾されたあらゆるポリペプチドを意味し、前記化学官能基は、酵素、免疫原製造のためのキャリアタンパク質の、例えばマーカーのような、他の分子への、又は有機重合体、又は無機担体のような固体担体に対する前記タンパク質又はその断片の結合を行い得る基から選択される。
本発明の第1の実施態様は、ザイキシンタンパク質又はその機能断片を含む薬剤組成物に関する。
この第1の実施態様によれば、本発明の薬剤組成物は、
−アニオン又は中性リポソーム、及び特にホスファチジルコリン(PC)又はジオレイルホスファチジルコリン(DPE)を主成分とするリポソーム、カチオンリポソーム、特に大豆油及び1,2−ジオルコイル−グリセロ−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)等を主成分とするエマルジョンのようなカチオンエマルジョンの、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(DODAB)、臭化ジオレイルオキシプロピル−トリメチルアンモニウム(DOTMA)、DOGS(Transfectam(登録商標))、DDPPES等を主成分とするリポソームのような脂質系、
−粒子状系:非限定的な例として、ポリ(ラクチドコグリコリド)酸(PLG)、臭化セチルメチルアンモニウム(PLG−CTAB)、PLG−PEIを主成分とする微小粒子、又はPLG−ポリ−L−リジン等を主成分とする微小粒子か、キトサン、PLGのナノ粒子、ゼラチン等を主成分とするナノ粒子、を挙げることができる、
−ポリ−L−リジン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアミドアミンデンドリマー、キトサン、DEAE−デキストランのようなカチオン重合体、TMAEM(トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート)及びN−2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)の共重合体を主成分とする重合体又はポリプレックス(polyplex)系、
−RAWAペプチドのようなペプチド系、
−アムホテリシンBのカチオン誘導体のようなカチオンポリエン抗生物質を含む群から選択された輸送ベクターに結合されたザイキシンタンパク質又はその機能断片を含む。
好適には、本発明の薬剤組成物中で、ザイキシンは、共有又は非共有化学結合によって前記細胞内輸送ベクターに結合される。
本発明の第2の実施態様は、ザイキシン遺伝子のcDNA、その断片又は誘導体を含む核酸分子を活性作用物質として含む薬剤組成物に関する。
この第2の実施態様によれば、薬剤組成物は、ウイルス組み換え発現ベクター又は粒子型非ウイルス輸送ベクターに結合されたザイキシン遺伝子のcDNA、その断片又は誘導体を含む核酸を含む。
本発明の枠内で、活性作用物質及び輸送ベクター間の結合とは、当業者に周知である技術により、例えば疎水型の例えば非共有結合により、又はカップリング剤による、又はよらない共有化学結合によるような、輸送ベクターに対する前記活性作用物質の固定か、ウイルス又は細菌組み換え発現ベクター中への前記活性化合物の挿入を意味する。後者の場合、活性化合物は、前記活性化合物を発現させるウイルス粒子による感染によるか、前記宿主細胞中の組み込みの際に活性化合物を発現させ得る組み換え発現ベクターによるトランスフェクションによってターゲットまで運ばれる。
好適には、本発明の薬剤組成物は、前記発現ベクターがターゲット細胞に導入される時、ザイキシン遺伝子のcDNA配列の転写制御及び翻訳制御に必要な要素を含む組み換えウイルス発現ベクターを含む。
好適には、本発明の薬剤組成物は、誘発可能な又は構成プロモーターのような調節配列、更には本発明の組成物が投与される宿主細胞中でザイキシン発現を可能にする、ザイキシン遺伝子の非コーディング配列を含む組み換えウイルス発現ベクターを含む。
好適には、本発明の薬剤組成物は、5’のLTRのプロモーターの依存下で、例えばモロニー白血病ウイルスのLTRs配列のようなLTRs配列から選択される調節配列を含む組み換えウイルス発現ベクターを含む。
好ましくは、本発明の薬剤組成物は、当業者に周知である遺伝的組み換え技術により、宿主細胞中のザイキシン発現を可能にする宿主細胞のプロモータの制御下に置かれるあらゆる組み換えウイルス発現ベクターを、細胞内輸送ベクターとして含む。
例として、かつ非限定的に、アデノウイルス、組み換えアデノウイルス関連ウイルス(AAV)、バキュロウイルス又は組み換えレトロウイルス由来の発現ベクター、及び非常に好ましくは組み換えレンチウイルス型のベクターを挙げることができる。
全く好ましくは、本発明の薬剤組成物は、CMVプロモーター、EF1アルファプロモーター又はPGKプロモーターから例えば、かつ非限定的に選択されるプロモーター配列を含むウイルス発現ベクターを含む。
特殊な実施態様によれば、本発明の薬剤組成物は、ザイキシン遺伝子を発現させるために遺伝的に修飾された腫瘍病変に罹患した患者由来の細胞を、活性作用物質として含む。
本発明の薬剤組成物は、腫瘍病変の治療又は予防のための医薬品調製に有用である。
本発明の薬剤組成物は、ザイキシン遺伝子の局在化領域7q34/q35の染色体異常に関連した悪性血液病のような病変の治療のための医薬品調製に有用である。
同様に、本発明の薬剤組成物は、肝臓癌、神経外胚葉癌、ユーイング肉腫の治療又は予防のための医薬品調製に有用である。
本発明は、上記薬剤組成物中に使用され得る、活性作用物質に関連するウイルス及び非ウイルス細胞内転移ベクターにも関する。
本発明のもう一つの対象は、上記に定義された薬剤組成物中に使用され得るウイルスベクターに関係する。
このようにして、本発明は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片をコードするcDNAを含むウイルスベクターを対象とする。
特には、本発明のウイルスベクターは、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス(AAV)又はレトロウイルス由来の組み換えベクターから選択される。
本発明の第3の実施態様は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を過剰発現させるために遺伝的に修飾されることを特徴とする細胞を活性作用物質として含む薬剤組成物に関する。
好適には、前記細胞中のザイキシン遺伝子の過剰発現は、ザイキシン遺伝子のcDNAを含む発現ベクターによる細胞のトランスフェクションか、前記ザイキシン遺伝子を発現させるウイルス粒子による細胞の感染によって得られる。
好ましくは、本発明による薬剤組成物は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を過剰発現させるために遺伝的に修飾された、株細胞、骨髄細胞、造血細胞又は肝臓癌細胞から選択される細胞を有効成分として含む。
好ましくは、本発明の薬剤組成物は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を過剰発現させるために遺伝的に修飾された、CD34+細胞を活性作用物質として含む。
非常に好ましくは、本発明の薬剤組成物は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を発現させるために遺伝的に修飾された腫瘍病変に罹患した患者由来の細胞を、活性作用物質として含む。
本発明は、ザイキシン遺伝子を過剰発現させる、遺伝的に修飾された細胞を同様に対象とする。
本発明は、ザイキシン遺伝子を過少発現させる、遺伝的に修飾された細胞を同様に対象とする。
かかる細胞は、例えば、ザイキシンのAUGをターゲットとし、かつ輸送ベクターを含むシャトル中のクローン化合成のオリゴヌクレオチドを介して細胞中に導入されるアンチセンスRNAを用いて得られる。
好ましくは、本発明により遺伝的に修飾された細胞は、株細胞、骨髄細胞、造血細胞又は肝臓癌細胞から選択される。
好適には、本発明により遺伝的に修飾された細胞は、CD34+細胞である。
好ましい実施態様によれば、本発明により遺伝的に修飾された細胞は、腫瘍病変に罹患した患者由来である。
本発明のもう一つの実施態様は、活性作用物質として、前記活性作用物質がG非重合アクチンを結合する親和力定数より少なくとも2ログ大きい親和力定数でF重合アクチンを結合する化合物を含む薬剤組成物に関する。
好ましくは、本発明の組成物の作用活性物質は、F重合アクチンに関して約10〜10−1の親和力定数を有する。
本発明の特殊な実施態様によれば、重合アクチンを結合する作用活性物質は、環状ペプチドである。
本発明は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を過少発現させる遺伝的に修飾された少なくとも1つの細胞を含む非ヒト遺伝子導入哺乳動物にも同様に関する。
本発明は、ザイキシン遺伝子又はその機能断片を過少発現させる遺伝的に修飾された少なくとも1つの細胞を含む非ヒト遺伝子導入哺乳動物も同様に対象とする。
本発明は、細胞骨格のアクチン網を安定させ得る化合物によって誘発されるザイキシン発現の表現型復帰を検出することからなる、前記化合物の識別方法であって、次のステップ:
a)テストする化合物の前記細胞との接触、
b)前記細胞中のザイキシン発現の数量化、を含むことを特徴とする方法にも同様に関する。
本発明の方法の特殊な実施によれば、ザイキシン発現の数量化は、前記テストする化合物の存在下及び不存在下での前記細胞中のザイキシンのメッセンジャーRNA発現の比較によって行われる。
本発明の方法のもう一つの特殊な実施によれば、ザイキシン発現の数量化は、前記テストする化合物の存在下及び不存在下での前記細胞中のザイキシンタンパク質発現の比較によって行われる。
本発明は、次のステップ:
a)患者の細胞採取、
b)採取された細胞中のザイキシン発現の数量化、を含む腫瘍病変の診断方法を同様に対象とする。
本発明の診断方法の好ましい実施態様によれば、ザイキシン発現の数量化は、ザイキシンのメッセンジャーRNA発現の測定によって行われる。
本発明による診断方法のもう一つの実施形によれば、ザイキシン発現の数量化は、前記異なる間隔で採取された細胞のザイキシンタンパク質発現の比較によって行われる。
本発明は、抗腫瘍治療中の2つの異なる間隔で得られる患者の細胞中のザイキシン遺伝子発現を測定して、前記患者における抗腫瘍治療の効率を決定するためのザイキシン発現表現型の復帰検出方法の使用も対象とする。
このようにして、本発明は、次のステップ:
a)異なる2つの時間間隔での患者の細胞採取、
b)前記異なる間隔で採取された細胞中のザイキシン発現の数量化、
c)前記患者の表現型鑑別プロフィールを作るための、2つの発現レベルの比較、を含むことを特徴とする患者の腫瘍表現型の分析方法を対象とする。
本発明の分析方法の実施態様によれば、ザイキシン発現の数量化は、前記異なる間隔で採取された細胞のメッセンジャーRNA発現の比較によって行われる。
本発明の分析方法の実施態様によれば、ザイキシン発現の数量化は、前記異なる間隔で採取された細胞のザイキシンタンパク質発現の比較によって行われる。
本発明のもう一つの対象は、癌治療における活性化合物のスクリーニング方法であって、次のステップ:
a)前記活性化合物による腫瘍細胞のインキュベーション、
b)前記細胞のアクチン網の重合の安定化測定、を含む方法に関する。
本発明は、無細胞毒性の抗腫瘍医薬品を調製するための細胞のアクチン網を復元し得る物質の使用にも同様に関する。
本発明は、第7染色体の長腕レベル、特には7q34/q35領域レベルでの染色体異常の結果生じる病変の治療及び/又は予防用の医薬品を調製するためのかかる物質の使用も対象とする。
本発明は、7q34/q35ザイキシン遺伝子領域中の染色体異常に関連した悪性血液病の治療用の医薬品を調製するためのかかる物質の使用も対象とする。
本発明は、肝臓癌又は神経外胚葉癌の治療又は予防用の医薬品を調製するための物質の使用も対象とする。
本発明は、間葉腫瘍、特に肉腫の治療又は予防用の医薬品を調製するための物質の使用も対象とする。
本発明は、ユーイング肉腫の治療又は予防用の医薬品を調製するためのかかる物質の使用も対象とする。
本発明のその他の利点は、添付図面を参照する、次の材料及び方法の部に記載された出願人によって行われた実験作業を読めば現れるであろう。
材料及び方法
I−ザイキシンの腫瘍表現型及び過少発現の間の相関関係
1−記述及び細胞培養
細胞系統の集合は、5%のCOを含む湿潤大気で37℃で培養される。GP+envAm12は、離して置かれ、10%の新生の子ウシ血清(GIBCO)及び抗生物質(ペニシリン100UI/mL及びストレプトマイシン100μg/mL)を補ったDMEM媒質(GIBCO)中で保たれる。
EWS−FLI系統は、そのゲノム中でEWS−FLI−1融合タンパク質をコードするcDNAを含む。このタンパク質の発現は、2.5μg/mLのピューロマイシンを用いて選択される。
M.Hervyらによって作られたAS−A系統は、EWS−Fli−1タンパク質をコードするmRNA指向小型アンチセンスRNAを生じさせる。この系統は、ピューロマイシンの他に、1mg/mLのジェネティシンから選択される。ジェネティシンにより、EWS−FLI−1タンパク質をコードするmRNA指向小型アンチセンスRNAを生じさせる細胞を選択することが可能になる。ASザイキシンNIH3T3系統は、ザイキシンをコードするmRNAのAUG指向小型アンチセンスRNAを生じさせる細胞である。それらは、アンチセンスの発現を選択するために、ジェネティシン1mg/mLを補った媒質中で培養される。GP+env Am12細胞は、gag及びpol遺伝子によってコードされるタンパク質をトランスで提供し得、プラスミドに担持されるトランスコンプリメンティング細胞(cellules transcomplementantes)であり、かつenvは、他のプラスミドによって担持される。この系統は、アンホトロピックウイルス粒子を生じさせることが可能である。この系統は、ペニシリン及びストレプトマイシンを補った10%のウシ胎児血清(GIBCO)及びDMEMを含む媒質中で培養される。この細胞は、レトロウイルスシャトルによるトランスフェクション前の2週間、3つの化合物(200μg/mLのBハイグロマイシン、15μg/mLのヒポキサンチン、250μg/mLのマイコフェノール酸)の混合物を用いて選択される。
2−免疫蛍光
細胞は、付着するまで(24〜48時間)ガラス薄板上に植え付けられる。細胞は、3%のパラホルムアルデヒド溶液によって固定され、PBSですすがれ、かつPBS/×100トリトン0.2%の溶液によって透過化処理をされる。透過化処理された細胞は、PBS/BSA2%の溶液によって飽和させられる。ザイキシンタンパク質の免疫着色の場合、細胞は、40分間、2倍に希釈された(J.Wehlandの抗ザイキシン)一次抗体によってインキュベートされ、PBSで5分間3回すすがれ、かつ次に40分間テキサス赤色(TRITC)に結合されたマウスの抗IgG二次抗体でインキュベートされる。アクチンの免疫着色のために、細胞は、40分間FITCに結合されたファロイジンによって直接インキュベートされる。ラメラが、蛍光顕微鏡で観察される。
3−構成:
3.1−pLNCXからのADA(アダプター)pLNCXベクターの生成。
pLNCXレトロウイルスベクターは、一方でモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)由来のLTRs配列及びpsi配列を含み、かつ他方で5’のLTRのプロモーターの依存下で、ジェネティシン耐性を与えるネオマイシン耐性の遺伝子を含む。このベクターは、直接的にサイトメガロウイルス早成プロモーター(pCMV)の依存下でマルチクローニング部位(MCS)も含む。pLNCXベクターは、HindIII/C1aIによってMCSのレベルに指向され、相補的に自己結合され得る2つのアダプターを含む配列をそこに挿入する。これらの2つのアダプター間に、この配列は、他の単一制限部位を含み、その中にNsiI及びSalIがある。
3.2−ヒトザイキシンをコードするレトロウイルスベクターの生成
pzyxine GFPプラスミドは、(M.Beckerleにって与えられた)「緑色蛍光タンパク質」GFPの遺伝子の位相に結合されたヒトザイキシンをコードするcDNAを含む。それは、Hind III及びBamH Iによって指向され、次にMCS(HindH I/BglII)のレベルでPLNCXベクター中でクローン化される;BamHI及びBglIIは、適合部位である。Hind II/BglIIによる消化は、2つのアダプターの一方を除去し、このことは、このベクターにより生じるザイキシンをコードするRNAの自己結合を妨げる。
この構成の結果は、pCMVの直接的な影響下でヒトザイキシンをコードするザイキシンADA pLNCXと名付けられたレトロウイルスベクターである。
3.3−ザイキシン:asザイキシンADA pLNCX指向アンチセンスを生じさせるベクターの生成
asザイキシンADA pLNCXは、直接的に、pCMVプロモーターの依存下でザイキシンをコードするmRNAのAUG指向のループ軸構造の小型RNAを生じさせる能力を有するベクターである。
ベクターの構成は、ザイキシンのmRNAのAUG指向小型配列を、MCSのNsiI及びSalI部位のレベルに挿入して行われる。
4−トランスフェクション
ベクターのレトロウイルスシャトルは、GP+envAM12(GPA)トランスコンプリメンティング細胞系統中でレトロウイルスベクターをトランスフェクトして、対応するウイルスに形質転換される。GPAトランスコンプリメンティング系統は、供給者の勧めにより、Superfect(Qiagen)の存在下で、レトロウイルスシャトル(ザイキシンpLNCX又はasザイキシンADA PLNCX)によってトランスフェクトされる。
neo遺伝子を発現させる細胞は、1μg/mLのG418を含む媒質中で選択される。耐性菌は、採集され、増幅され、かつ2×10の細胞の割合で75cmのフラスコに植え付けられる。2日後、媒質は、非選択的媒質に取り替えられる。上澄みは、3日間24時間毎に取り入れられ、再編成され、分別され、かつ凝固させられる。レトロウイルス滴定量は、ジェネティシン(1mg/mL)への細胞選択後にNIH3T3細胞に対して算定される。GPA細胞のウイルス上澄みは、次に約0.1の多数の感染により所望の細胞を感染させるために使用される。感染の3日後、細胞は、1μg/mLのG418により選択される。レトロウイルスシャトルを加えた細胞のみが、G418に耐性を有し、かつ永久細胞系統を生じさせるために分離され、かつ増幅されるクローンを形成する。
5−免疫沈降
付着細胞は、トリプシン処理され、キャッピングされ、かつPBSですすがれる。細胞は、プロテアーゼ混合物(Boehringer)の存在下で、低温RIPA(10mMのトリス−HCL pH7.4、100mMのNaCl、1mMのEDTA、1%の×100トリトン、0.5%のデオキシコール酸Na、0.1%のSDS)により溶解する。4℃のホイール上で20分のインキュベーション後、試料は、14000rpmで15分遠心分離される。上澄みは、回収され、かつタンパク質濃度は、ブラッドフォードテストによって推算される。1.5mgの全タンパク質抽出物を含むアリコットは、(Santa Cruz SC−356)Fli−1のC末端ドメイン指向の0.2μgの抗体によって4℃で1時間30分、次にAタンパク質に結合されたアガロースボール及びGタンパク質に結合されたボールの20μLの混合物(Sigma)によって1時間インキュベートされる。低温RIPAで3回の洗浄後、ボールは、20μLのLaemmli 2×緩衝液中で懸濁状態に置かれ、かつ10分間沸騰させられる。試料は次に、5mLのTBS−0.1%(v/v)のツイーン中に1μgの抗Fli−1を含む溶液を、一次抗体のインキュベーションのために使用する従来の免疫ブロットによって分析される。
6−ウェスタンブロット
ザイキシンタンパク質の生成率の分析は、NES及びLIMドメインの間に位置する領域指向の、J.Wehlandによって与えられたマウスのモノクローナル抗ザイキシン抗体を一次抗体として使用して、全細胞抽出物に対してウェスタンブロットによって行われる。この膜は、化学発光試薬によって表される(Immunostar:Biorad)。
7−RNA分析
7.1−ノーザンブロット
様々な細胞系統の全RNA抽出は、供給者の勧めにより、RNAplus溶解溶液(Quantum Biotechnologie)を使用して行われる。10μgの全RNAのアリコットは、0.04MのMOPS pH7、0.01Mの酢酸ナトリウム、2.2Mのホルムアルデヒド及び50%のホルムアミドを含む溶液中で変成される。試料は、ホルムアルデヒドで変成されたアガロースゲル上で分析され、かつ荷電ナイロン膜(Hybond N+:Amersham Pharmacia)上に伝達される。膜は、一晩中、42℃で5×SSC、5×Denhart’s、0.1mg/mLのサケ精子のDNA、0.1mg/mLの酵母のtRNA、0.1%のSDS、25mMのpH7 KHPO及び50%のホルムアミドを含むプレハイブリダイゼーション溶液中で無作為プライミング(ランダムプライミング)(Prime−a−gene(登録商標)標識化システム:Promega)によって、[32P]dCTPで無線マーキングされたcDNAプローブでハイブリダイズされる。翌日膜は、外界温度でSSC2×/0.1%のSDSにより3回、かつ42℃で0.5×SSC/0.1%のSDSによって2回すすがれる。次に膜の信号が、phosphoImagerで観察される。
7.2−RT−PCR
全RNAは、上記の同じ技術により生成される。RNAの性質及び清浄度は、変成ゲル上で確認される。レトロトランスクリプション(retrotranscription)は、20 mers LTRプライマーを用いて特異的にQiagenのOmniscriptキットを用いて行われる。使用される条件は、10ngのLTRプライマー、2.5mMのdNTP、20UのRNA分解酵素阻害剤(RNAsin(登録商標))を補った1μgの全RNA、RT緩衝液及び40Uの逆転写酵素である。混合物は、37℃で1時間及び94℃で5分インキュベートされる。特異なcDNAのRT生成物は、as1及びas2と名付けられた2つの他のプライマーを用いてPCRによって増幅される。反応条件は、0.25mMのdNTP、100ngの各プライマー及び1/20のRT生成物、1.5mMのMgCl、Taq pol緩衝液及び1UのTaq pol酵素(Perkin Elmer N801−0060)である。使用されるサイクルは、94℃4分及び30サイクル(94℃30秒、61℃45秒、72℃1分)及び72℃10分である。
LTR:AGATATCCTGTTTGGCCAT
AS1:GCCGTGCATCATCCTGACTG
AS2:CTGTTCCTGACCTTGATCTG
8−腫瘍形成能テスト
テストする様々なクローン由来の細胞は、トリプシン処理され、キャッピングされ、かつ1mL当り5×10の細胞の割合で無菌PBS中に再懸濁される。200μLの細胞のアリコットは、前日に5グレイで放射線を照射された、生後6〜8週間のヌードマウスに皮下注射される。マウスは、無菌かつ温度調節された雰囲気中で飼育される。腫瘍発達の観察は、5〜6週間の各週で行われる。
9−マクロアレイ実験
cDNAの発現マップ「Atlas cDNA expression Arrays」(Clontech)が、供給者の勧めにより行われる。588の遺伝子に対応する、マウスの588のcDNA試料が堆積される2つの同一のナイロン膜(7741−1号)により、異なる2つの細胞系統のcDNAを並行してハイブリダイズすることが可能になる。588の遺伝子に関する情報は、Clontechのサイト(http://www.clontech.com/atlas.genelist/search.htlm)で入手可能である。無線マーキングされたcDNAプローブの調製は、Clontechキットを使用して[32P]dATPでのレトロトランスクリプションによって行われる。ハイブリダイゼーションは、供給者の指示により行われる。信号は、PhosphoImagerで観察される。
結果
1−EWS−FLI融合タンパク質によって誘発される細胞形質転換におけるザイキシンの役割調査
1.1−ザイキシンを過剰発現させるEWS−FLI系統の作成
EWS−Fli(EWS−FLI)融合タンパク質を発現させるNIH3T3細胞中のザイキシンの過剰発現は、pLNCXレトロウイルスシャトルを使用して感染によって行われた。pZyxine−GFPプラスミド(図2)由来のザイキシンに対応するオープンリーディングフレームは、CMVプロモーターの下流に位置するpLNCXプラスミドのマルチクローニング部位中に導入される。このようにして、2つのLTR(5’及び3’)配列、レトロウイルスRNAのキャプシド形成に必要なPSI+配列、LTR5’の依存下でジェネティシン耐性の原因であるNeo遺伝子及びCMVプロモーターの影響下でヒトザイキシン読み枠を含む、pLNCX−zyxineと名付けられたプラスミドが得られた(図2)。
ウイルス生成は、GPAと名付けられたアンホトロピックマウスキャプシド形成系統中でこのプラスミドをトランスフェクトすることによって得られる。EWS−FLI細胞は、GPA細胞によって生成されたウイルス上澄みを用いて感染し、かつジェネティシンの存在下で選択される。
このようにして得られたクローンは、E−F/ザイキシンと名付けられる。蛍光顕微鏡検査による調査(図3)は、EWS−FLI細胞が、アクチンのマイクロフィラメント束、及び形質転換された線維芽細胞の典型的な特性である、広がる能力を喪失したことを示している(Pollack、Rら;1975、Maness、P、E;1981)。逆に、E−F/ザイキシンクローン細胞は、アクチンのマイクロフィラメント構造、並びにNIH3T3細胞の広がる能力を部分的に回復した(図4)。更に、これらの細胞は、形質転換された細胞に典型的な、多層成長能力をもはや有さない。これらの構造修飾と並行して、付着板のレベルで、細胞間結合中で、かつストレスケーブルに沿ってザイキシンの再局在化が観察される(図3)。
2−E−Fザイキシン細胞中のザイキシンのmRNA発現
ノーザンブロットによる分析は、ザイキシンをコードするRNAが、NIH3T3系統中よりもEWS−FLI腫瘍形成系統中で低く発現することを示している(図4)。この結果は、NIH3T3及びEWS−FLI細胞の間で、マイクロアレイによって以前に観察された発現差を確認している。レトロウイルスシャトル由来の、かつCMVプロモーターから発現するヒトザイキシンmRNAの期待される大きさ(2.2kb)(図4B)は、ザイキシンの内因性mRNAのそれと同一である。従って、3つのE−F/ザイキシンクローン中で、観察されるバンドの強さの増加が、レトロウイルスシャトルから発現するザイキシンRNAの発現によることは、非常に確からしい。その上、4.7kbを超える大きさの他のRNAは、E−F/ザイキシンクローン由来のRNA中にのみ示される。このRNAは、レトロウイルスシャトルのLTR 5’(5.7kb)のU3領域に位置するプロモーターから発現するRNAと適合できる5.5〜6kbの大きさを有する(図4B)。
この仮説を立証するために、第2のノーザンブロットが、LTR 5’由来のRNAのみを検出し得る、ザイキシンADA pLNCXプラスミド由来の制限断片に対応する1081pbの(neo/CMV)プローブを使用して行われた(図5)。
図5に示した結果は、E−Fザイキシンクローン中のみのハイブリダイゼーションを表している。UVで観察可能な、28S RNAの位置を参照すると、検出されたバンドは、ザイキシンプローブを使用するノーザンブロット中に存在する不明確なバンドと同じレベルに位置付けられる。従ってそこから、レトロウイルスシャトルは、ザイキシン配列を含む2つのRNAを生成し、一方は、CMVプロモーター由来であり、かつ他方は、LTR 5’中に存在するプロモーター由来であるという結論を引き出すことができる。
3−外因性ザイキシンタンパク質の過剰発現調査
レトロウイルスシャトル由来のザイキシンRNAを含むE−Fザイキシンクローンが、対応するタンパク質を生成し得るか判定するために、抗ザイキシン抗体によって免疫表示されたウェスタンブロットが行われた。この実験の結果は、図6に示す。系統の集合に対して、80kDaを僅かに超える分子量のタンパク質の特異な、かつ唯一のバンドが検出される。この分子量は、Schmeichelら、1998に記載されたザイキシンの見かけの分子量(82kDa)と一致する。NIH3T3系統に対するEWS−Fli系統中のザイキシンのmRNAの過少発現は、対応するタンパク質の減少として現れる。
同じように、E−Fザイキシン1、2及び3のクローンのRNAレベルでのザイキシンの過剰発現は、NIH3T3系統の率に近いザイキシンタンパク質の率の修復として現れる。従ってこれらの結果は、細胞によって生成されるRNAの率及び発現するタンパク質の率の間の相関関係を示す。結論として、EWS−FLI形質転換細胞中のザイキシンをコードするcDNAの導入により、NIH3T3親細胞の発現率と比較し得るレベルで、更には、それを超えるレベルでこのタンパク質の発現率を修復することが可能になる。ザイキシンタンパク質の過剰発現は、おそらくはCMVプロモーターから発現されるRNAによる。実際、LTR 5’由来の少数RNAの場合に、ジェネティシン耐性を細胞に与えるAPH(3’)IIリン酸転移酵素の読み枠(Davies及びSmith、1978)は、翻訳される。従って、翻訳開始内部配列の不在は、下流のヒトザイキシンのオープンリーディングフレームが、翻訳されることを妨げる。
4−E−Fザイキシンクローン中のEWS−FLI−1の発現調査
並行して、調査されたE−Fザイキシンクローンが、腫瘍形成性の原因となるEWS−FLI−1タンパク質の発現を保つことが立証された。
このために、EWS−FLI−1タンパク質の発現調査は、E−Fザイキシンクローンのタンパク質抽出物の免疫沈降後にウェスタンブロットによって行われた(図7)。図7に示す結果は、61kDaを超える分子量のタンパク質の特異な検出を示す。この質量は、期待されるEWS−FLI−1タンパク質の見かけの分子量(68kDa)と適合し得る。このバンドの下に、他のバンドが現れる。それらは、免疫沈降に使用される抗体の変成の生成物に対応する(抗Fli−1抗体の重鎖(50kDa))。
タンパク質抽出物の2つの異なる量の存在下で検出される強さの差は、使用される抗体の量が、制限的でないことを示す。EWS−FLI−1タンパク質に対応するバンドの強さを比較し得るために、検出される抗Fli−1抗体の量によって免疫検出されるEWS−FLI−1の量は、補正される。ヒストグラムの形で示される結果(図7B)は、NIH3T3系統中にEWS−FLI−1タンパク質がないこと、及びEWS−FLI系統に対して(EWS−FLI接合の配列指向アンチセンスを発現させる)AS−A系統中の過少発現を示している。E−Fザイキシンクローンに関して、EWS−FLI−1タンパク質の量は、非腫瘍形成AS−A系統中で検出されるタンパク質の量よりも明らかに大きく、かつ腫瘍形成EWS−FLI細胞中に存在する量と比較し得るままである。
これらの細胞は、ヌードマウスにおいて、皮下腫瘍を誘発するために十分な量のEWS−FLI−1タンパク質を保っていることが、推測できる。このようにして、E−Fザイキシンクローンの腫瘍形成能の場合によって起こり得る損失は、EWS−FLI−1タンパク質の発現減少にはよらない。
5−E−Fザイキシンクローンの腫瘍形成能調査
EWS−FLI系統中のザイキシンの過剰発現によるヌードマウスにおける悪性表現型損失誘発の判定を、次の表1に示す。
Figure 0004271026
これらの結果は、5週間の様々な細胞系統の10の細胞の皮下注射後にヌードマウスにおいて発達した腫瘍数の調査に対応する。これらの細胞は、5グレイでのマウス照射の24時間後に注射される。
NIH3T3細胞の注射は、腫瘍の発達をもたらさない。この系統は、非腫瘍形成として公知であるので、負の制御として使用される。逆に腫瘍形成として公知であるEWS−FLI系統に関して、全てのマウスが、2及び3週目の間に腫瘍を発達させた。E−Fザイキシンクローンの腫瘍形成能調査に関して、腫瘍の発達がない(5匹のマウスに対して3匹)か、約2〜3週で、腫瘍の発達に遅延が観察される(5匹のマウスに対して2匹)かの、2つの場合の図が現れ得る。これらの腫瘍の分析は、レトロウイルスシャトルのDNAが常に存在し、逆にザイキシンをコードする外因性RNAが検出され得なかったことを示している。従って、マウスにおける腫瘍の発達遅延は、外因性ザイキシンタンパク質の発現損失によるように見える。
6−腫瘍表現型獲得におけるザイキシンの過少発現調査
6.1−ザイキシンを過少発現させるNIH3T3系統の作成
EWS−FLI融合タンパク質により形質転換されるNIH3T3細胞の腫瘍表現型の維持におけるザイキシンの発現率の重要性を考えて、出願人は、非腫瘍形成細胞系統中のこのタンパク質の強制減少の結果を判定することを望んだ。このために、ザイキシンのAUGをターゲットとする小型アンチセンスRNAが使用された(図8A)。このアンチセンスRNAは、NsiI/SalI制限部位のレベルでpLNCXシャトル中のクローン化合成オリゴヌクレオチドを介して細胞中に導入された(図8B)。
(G418 1mg/mlの存在下で)選択され、かつAS−ZYX1、2及び3と名付けられた3つのクローンにおいて、アンチセンスの発現(図8C)は、ザイキシンタンパク質の減少を伴う(図9)。この発現減少は、EWS−FLI融合タンパク質により形質転換されるNIH3T3細胞において検出されるそれと同じ次元のものである。
この、NIH3T3細胞中のザイキシンの発現率の減少は、細胞の大きな形態変化として現れる。このようにして、アクチンフィラメントの構造の著しい修飾、並びに細胞質拡大及び付着力大きな損失が観察され得る(図3)。形質転換された細胞に典型的な、これらの形態変化は、これらの細胞の増殖特性において修飾を同様に伴う。このようにして、これらの細胞の倍増時間(20〜22時間)は、EWS−FLI形質転換細胞のそれ(17〜18時間)及びNIH3T3親細胞のそれ(24〜26時間)の中間である。これらのデータは、EWS−FLI細胞のように、AS−ザイキシン細胞が、接触阻害を喪失したことも同様に示す。
6.2−AS−ザイキシンクローンの腫瘍形成能調査
ヌードマウスにおける腫瘍発達テストは、ザイキシン及びNIH3T3親細胞指向アンチセンスを発現させる細胞間で観察される形態変化及び成長の修飾を裏付ける(表2)。AS−ザイキシンクローンからの腫瘍の出現において、EWS−FLI腫瘍系統から観察されるそれに対して、僅かな遅延が存在するが、3つのクローンは、腫瘍を発達させる。EWS−FLI細胞注射後の腫瘍の発達速度は、同様にAS−ザイキシンクローンの注射に続き観察されるそれよりも速い。これらの2つの観察は、細胞の固有増殖速度からおそらくは生じる。
Figure 0004271026
7−NIH3T3系統及びAS−ザイキシン間の遺伝子発現プロフィールの比較
NIH3T3細胞及びAS−ザイキシン1又は2クローン間の「cDNA発現アレイ」技術による遺伝子発現の比較調査は、ザイキシン阻害が、遺伝子発現を混乱させることを示す。それぞれ10及び13の遺伝子が、発現がNIH3T3細胞に対して修飾されるAS−ザイキシン1又は2クローン中で識別された(図10)。これら様々な遺伝子の中で、9つが2つのクローンと共通である。
これらの遺伝子は、4つのファミリーに再編成され得る:腫瘍サプレッサー(EGR1及びp53)、修復に関わるタンパク質(ERCC−1)、区別及び細胞成長において役割を果たすタンパク質(ADAP、IGFBP−4、ICE)及び細胞マトリックスに介在するタンパク質(TIMP2、PN−1及びウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子)である。更に、これらの遺伝子の9つが、NIH3T3親系統及びEWS−FLIによって形質転換された系統間の発現プロフィールの分析の際に識別された(図10)。これらの結果は、使用される細胞中のザイキシンの発現率が、遺伝子調節プロセスに影響を及ぼすことを非常に明白に示す。
8.アクチン網の安定化による癌治療の薬学的アプローチ
8.1 蛍光異方性によるアクチン重合のインビトロ測定
NIH3T3又はEWS−Fli細胞の細胞抽出物は、G緩衝液(4.3μMのトリスpH8.1;170μMのCaCl;170μMのDTT;170μMのATP)中でAlexa488アクチンの存在下に置かれる。重合反応は、P緩衝液(KCl 51mM、MgCl1mM及びATP0.5mM)の付加により開始される。ドラスタチン(μM)は、P緩衝液と同時にEWS−Fli細胞の細胞抽出物に付加される。アクチン重合の後に、Beacon2000に対する蛍光異方性が続く。得られた結果を図11に示す。
8.2 ドラスタチン(D11)存在下のNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査
細胞(5×10)は、直径10mmのガラス薄板上に植え付けられ、かつ24時間培養される。固定(パラホルムアルデヒド3%)及び透過化処理(×100トリトン0.2%)後、細胞のアクチンフィラメントは、FITCに結合されたファロイジンを介して免疫着色される。非治療NIH3T3細胞;EWS−Fli(EF)によってトランスフェクトされたNIH3T3;10μM又は100μMのJasplakinolideの存在下でインキュベートされた(EF);10μM又は20μMのD11によりインキュベートされたEF。(図12)
これらの結果は、細胞骨格に対するこれら2つの活性作用物質、Jasplakinolide又はドラスタチン−11の効果を示す。
8.3 NIH3T3及びEWS/Fli細胞に対するドラスタチン11(D11)の毒性調査
細胞(穴当り10)は、様々な濃度のD11の存在下で96穴の板中に植え付けられる。時間に応じたD11の毒性検査は、NIH3T3(A)及びEWS−Fli(B)細胞に対するMTTテストを介して行われた。結果は、図13に示す。
8.4 ドラスタチン−11存在下でのヌードマウスにおける腫瘍発達の調査
マウスの照射(5Gy)の24時間後に、EWS−Fli細胞(10)は、皮下に植え付けられる。その時マウスは、2つのロットに分離され、第1のロットは、治療されないマウスに対応し、かつ第2のロットは、EWS−Fli細胞の注射後の5、8及び11日目に、ドラスタチン11(10μg/kg)の3回の注射を静脈内に受けたマウスに対応する。腫瘍の発達測定は、28日目に行われたが、それらを、図14に示す。
8.5 位相差顕微鏡検査による細胞移動速度の調査
細胞は、直径20mmのガラス薄板上に植え付けられる(20%の集密)。植え付けの3日後、ガラス薄板は、温度(37℃)及びCO(5%)を調節した、密封した部屋に置かれる。細胞の運動性測定は、24時間の間、4分毎の、位相差光学顕微鏡検査の写真撮影によって行われる。プログラム「metamorph」を用いて行われる運動性分析は、10の細胞に対して、各細胞型につき行われる。結果を図15に示す。
8.6 結果分析
(NIH3T3)非腫瘍細胞か、EWS−Fli腫瘍細胞の抽出物から、出願人によって行われた蛍光異方性による(図11)アクチン重合の調査は、NIH3T3細胞の抽出物が、EWS−Fli細胞の抽出物よりも遥かに大きなアクチンを重合する能力を有することを示す。しかしながら、EWS−Fli細胞の抽出物の重合緩衝液中にドラスタチン11を付加すること(R Baiら;Molecular Pharmacology:2001)により、EWS−Fli細胞の欠乏を部分的に補うことが可能になる(図11)。
抽出物に対して得られたこれらの結果に応じて、出願人は、重合アクチンを安定させるドラスタチン11(D11)のこの能力により、ザイキシンタンパク質の発現率が、これらのEWS−Fli腫瘍細胞中で復元された際に観察された形態復帰と同一な形態復帰に至り得るか分析した。
10又は20nMのドラスタチン11によるEWS−Fli細胞治療により、NIH3T3細胞の形態と似ている形態を有する、細胞のストレスファイバーを修復することが可能になるだけでなく、細胞間の接触構造を復元することも同様に可能になる(図12)。
逆に、ドラスタチン11の同じ濃度は、NIH3T3細胞の形態を少しも修飾しない(図12)。更に、全く驚くべきことに、これらの低いドラスタチン11濃度に関して、いかなる細胞毒性又は細胞静止性効果も2つの細胞系統に関して観察されない(図13)。ヌードマウスに関して行われた実験は、インビトロで得られた結果を確認している。EWS−Fli細胞の皮下注射による腫瘍の発達は、ドラスタチン11の静脈内注射によって明らかに遅くされる(図14)。これらの実験は、マウスの余命に影響しない分量より5倍低いドラスタチン11濃度(10μg/kg)により行われただけに、一層興味深い。
チューブリンフィラメントをターゲットとするD10及びD15のような、ドラスタチンファミリーの他の化合物は、それらが抗腫瘍治療に活性化合物として使用された、幾つもの調査の対象ではあったが、それらは腫瘍細胞を殺すことを目的とする細胞毒性作用物質として常に使用された。従って、必要量は、多数の望ましくない副作用をもたらす。
逆に、本発明の薬剤組成物は、先行技術で公知な分量よりも遥かに少ない分量を腫瘍表現型の表現型復帰のために必要とする。
これらの結果の集合は、特にザイキシンの過少発現により、誘発される腫瘍の枠内で、腫瘍細胞のアクチンの細胞骨格を復元すること可能にする、非毒性の、薬学的アプローチを使用することが可能であることを示す。
本発明の薬剤組成物によって治療され得る癌ファミリーの1つは、出願人がザイキシン遺伝子の過少発現の特徴を示した、黒色腫ファミリーである。
これらの結果を得るために、出願人は、マウス黒色腫系統における幾つかの遺伝子発現の特徴を、非腫瘍系統におけるこれらの同じ遺伝子の発現に対して示した。
B16/F10細胞は、非常に攻撃的なマウス黒色腫系統である。それらは、非腫瘍形成NIH3T3系統と比較される。
2つの細胞系統の全RNAは、RT PCRによって増幅され、かつ無線マーキングされる。(cDNA)RT PCR生成物は、Atlas(登録商標) Mouse cDNA Expression Array Clontech膜(参照番号7741−1)によってインキュベートされる。膜は、次に露出され、かつ像が、ソフトウェアMicroArray(登録商標)によって分析される。
この特徴付けの結果を以下の表3に示す。
Figure 0004271026
これらの結果は、ザイキシン遺伝子が、黒色腫中で過少発現されることを示す。
考察
本発明の枠内で遂行された実験作業によって、細胞中のザイキシンの発現率及び腫瘍表現型の獲得又は維持の間の関係を明らかにすることが可能になった。悪性形質転換におけるザイキシンの役割調査は、幾つかの間接的観察の結果行われた:
A)これらの細胞中のEWS−FLI融合タンパク質発現に続く、NIH3T3細胞の腫瘍表現型の獲得、並びにこの発癌タンパク質の消滅による腫瘍形成能の損失は、大きな形態修飾を伴う(図3)。
B)悪性の形質転換が、一般的に付着及び運動能力の修飾という形で現れること。これらの修飾は、アクチンフィラメントの構造喪失に常に関連する。
C)直接的に、EWS−FLI発癌タンパク質の依存下にあると識別された約10の遺伝子の中で、ザイキシンは、細胞骨格の構造、付着及び細胞運動性に役割を果たす唯一のものである。
ザイキシン及び悪性形質転換の間の直接的な関係を明らかにするために、一方でザイキシン発現を復元することを可能にするベクターが、腫瘍系統中(EWS−FLI)に導入され、かつ他方でザイキシンのAUG指向アンチセンスを発現させるベクターが、非腫瘍形成系統(NIH3T3)中に導入された。得られた結果は、腫瘍系統中のザイキシン発現の修復(図6)により、これらの細胞の腫瘍形成力を著しく減少させることが可能になることを示す。ザイキシンは、非常に良く保存されるタンパク質なので(ヒト及びマウスの間に97%の相同)、ヒト及びマウスのザイキシンの間の配列の差は、おそらく、この減少の原因ではない。
更に、非腫瘍形成の、NIH3T3線維芽細胞中のザイキシン発現の選択的阻害により(図9)、これらの細胞の悪性形質転換に至る。他の幾つかのデータは、悪性形質転換に対して観察される効果及びザイキシン発現率の間の直接的な関係が存在することを示している。ヒトザイキシンを過剰発現させるEWS−FLI細胞を注射した何匹かのマウスは、腫瘍を発達させた。これらの腫瘍の分析は、ザイキシンを発現させることを可能にするベクターが常に存在し、逆にヒトザイキシンをコードするRNAがもはや検出されなかったことを示す(示さない実験)。NIH3T3親系統及びそこから生じ、かつザイキシンを過少発現させるクローンの間マイクロアレイの比較分析により、α−アクチニン、トロポミオシン、アクチン又はビンキュリンのようなマイクロフィラメントの他のタンパク質、又はチューブリン又はビメンチンのような細胞骨格のタンパク質の発現修飾を検出することが可能にならないことを示している(図10)。
得られた結果は、機序が明らかにされないが、ザイキシン発現率及び悪性形質転換の間の直接的な関係が存在することを明白に示す。外膜と結合したアクチン細胞骨格は、運動性(ラメリポディウム)、付着(付着板)又は細胞間の相互作用(接合板)において特異な機能を確実に行い得る、専門化されたドメインで組織される。蛍光顕微鏡の調査(図3)は、細胞中のザイキシン発現の減少が、付着及び接合板を犠牲にしてラメリポディウム型のドメインの配置という形で現れることを示す。アクチンフィラメントは、これら様々なドメイン、特に様々な構造の形成及び付随する分解を必要とする動的ドメインの形成及び維持に必要不可欠な役割を果たす。この条件で、これらの構造に介在する要素の1つの調節解除が系全体を混乱させるためには十分であることは、明らかである。ザイキシンは、マイクロフィラメント及び付着板の必要不可欠な構造上の構成要素であり、かつこれらマイクロフィラメントの組織(Crawford、A.Wら、1992)並びに細胞の付着性(Macalma、Tら;1996)及び運動性(Drees、B.Eら、1999)に影響を及ぼす。従って、ザイキシンが過少発現する時に観察される細胞構造の修飾が、これらの細胞を腫瘍形成にするためには十分であることが可能である。細胞付着パラメーターの修飾は、細胞/環境の相互作用の修飾という形で現れ、結果として表現型修飾の原因となるキー遺伝子の発現の再プログラミングを伴う。このようにして、ザイキシンタンパク質の減少によってNIH3T3細胞中で誘発された腫瘍表現型の獲得により、浸潤性表現型の特徴を示す遺伝子発現の修飾、特にTIMP2及びTIMP3遺伝子及びプロテアーゼネキシン−1(PN−1)の過少発現及びプラスミノゲンの活性化因子ウロキナーゼの過剰発現に至ることが観察された(図10)。従って、これらの遺伝子及びその発現生成物はザイキシンに関して前に記載したように、癌診断、予防又は治療、あるいは化合物のスクリーニングに有用な薬剤組成物の調製に、使用され得る。
外膜レベルでのザイキシン及びその細胞パートナー間の相互作用の図式である。 ザイキシンに結合されたウイルス輸送ベクターの構成の図式を表す。 特別に表される細胞構造の像を示す。図3Aは、FITCに結合されたファロイジンプローブによる細胞のマーキングによって表されるアクチンフィラメントを示す。図3Bは、TRITCに結合されたマウスの抗IgG抗体によって表される抗ザイキシン抗体による細胞のマーキングによって表されるザイキシンの局在化を示す。 250pbのヒトザイキシンプローブによる、10μgの全RNAからの、ザイキシンmRNAの検出によるノーザンブロットの結果を示す。 ザイキシンの読み枠を含むレトロウイルスシャトル、ヒトザイキシン及びneo/CMVプローブのオープンリーディングフレームを含むmRNA及びノーザンブロットを表示するために使用されるザイキシンの略図である。 1081pbのneo/CMVプローブにより変成アガロースゲル上に堆積した10μgの全RNAから、LTR 5’由来のmRNA検出によるノーザンブロットの結果を示す。 様々な細胞系統由来の60μgのタンパク質抽出物からの様々な細胞系統中ザイキシンタンパク質のウェスタンブロット及び免疫検出の像を示す。 ザイキシンE−Fクローンから抽出されたEWS−FLI−1タンパク質のタンパク質抽出物の免疫沈降後に得られるウェスタンブロットの像を示す。 アンチセンス配列を表す。 ザイキシンのAUGに対するアンチセンスを発現させるレトロウイルスシャトルの構成の図式である。 ザイキシンのAUG指向アンチセンスRNAのRTPCRによる検出を示す。 様々な細胞系統由来の40μgのタンパク質抽出物からのザイキシンタンパク質のウェスタンブロット及び免疫検出の像を示す。 NIH3T3系統及びEWS−FLI系統、asザイキシン1及びasザイキシン2の間の、マクロアレイによって行われる遺伝子発現率の変化の比較調査のグラフ図である。 蛍光異方性によるアクチン重合のインビトロ測定を示す。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:NIH3T3非治療細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:EWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:EWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:10μmのJasplakinolideの存在下でインキュベートされたEWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:100μmのJasplakinolideの存在下でインキュベートされたEWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:10μmのD11によりインキュベートされたEWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 ドラスタチン(D11)の存在下でのNIH3T3及びEWS−Fli細胞の形態修飾の調査結果を示す:20μmのD11によりインキュベートされたEWS−FliによってトランスフェクトされたNIH3T3細胞。 NIH3T3及びEWS/Fli細胞に対するドラスタチン11(D11)の毒性の調査結果を示す。 ドラスタチン11の存在下のヌードマウスにおける腫瘍発達の調査結果を示す。 位相差顕微鏡検査による細胞移動速度の調査結果を示す。 ドラスタチン11の化学構造を示す。 Jasplakinolideの化学構造を示す。
配列表
Figure 0004271026

Claims (15)

  1. 腫瘍病変の治療又は予防用薬剤組成物であって、該腫瘍病変がザイキシン遺伝子の発現異常を有する、肝臓癌、間葉腫瘍、神経外胚葉癌、ユーイング肉腫、黒色腫及び悪性血液病からなる群より選択されるものにおいて、
    細胞骨格のアクチン網を安定させる活性作用物質であって、
    −ザイキシンタンパク質、
    −ザイキシン遺伝子のcDNA、又はその相補的配列を含むか、又はそれからなる核酸分子、又はそのアンチセンス核酸、及び
    −ザイキシン遺伝子を過剰発現する細胞又は細胞集合
    らなる群より選択される活性作用物質を含むことを特徴とする前記薬剤組成物。
  2. 活性作用物質は、ザイキシンタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 活性作用物質は、ザイキシン遺伝子のcDNA、又はその相補的配列を含むか、又はそれからなる核酸分子であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤組成物。
  4. 活性作用物質は、ザイキシン遺伝子を過剰発現する細胞又は細胞集合であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤組成物。
  5. 活性作用物質は、輸送ベクターと結合されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
  6. 送ベクターは、ウイルス組み換え発現ベクター又は非ウイルス輸送ベクターであることを特徴とする請求項5に記載の薬剤組成物。
  7. 非ウイルス輸送ベクターは、脂質、粒子、微小又はナノ粒子、重合体又はポリプレックスベクター、又はカチオン抗生物質から選択されることを特徴とする請求項6に記載の薬剤組成物。
  8. 活性作用物質及び輸送ベクターの間の結合は、非共有結合であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
  9. 活性作用物質及び輸送ベクターの間の結合は、共有化学結合であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
  10. 送ベクターは、ウイルス組み換え発現ベクターであること、及び活性作用物質及び前記輸送ベクターの間の結合は、前記ウイルス発現ベクター中の前記活性化合物の組み込みであることを特徴とする請求項6に記載の薬剤組成物。
  11. ウイルス組み換え発現ベクターは、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス(AAV)又はレトロウイルスから選択されることを特徴とする請求項10に記載の薬剤組成物。
  12. ウイルス組み換え発現ベクターは、レンチウイルス又はオンコウイルスであることを特徴とする請求項10又は11に記載の組成物。
  13. ザイキシン遺伝子を過剰発現する細胞は、細胞、骨髄細胞、造血細胞又は肝臓癌細胞から選択されることを特徴とする請求項1又は4に記載の薬剤組成物。
  14. ザイキシン遺伝子を過剰発現する細胞は、CD34+細胞であることを特徴とする請求項1、4又は13のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
  15. ザイキシン遺伝子を過剰発現する細胞は、腫瘍病変に罹患した患者由来であることを特徴とする請求項1、4、13又は14のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
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