JP2003500336A - (自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用 - Google Patents

(自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用

Info

Publication number
JP2003500336A
JP2003500336A JP2000593120A JP2000593120A JP2003500336A JP 2003500336 A JP2003500336 A JP 2003500336A JP 2000593120 A JP2000593120 A JP 2000593120A JP 2000593120 A JP2000593120 A JP 2000593120A JP 2003500336 A JP2003500336 A JP 2003500336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
apoptin
apoptosis
gene
delivery vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000593120A
Other languages
English (en)
Inventor
ヒューベルツス マリア ノテボーン,マティーウ
マリア ピーテルセン,アレクサンドラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Leadd BV
Original Assignee
Leadd BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Leadd BV filed Critical Leadd BV
Publication of JP2003500336A publication Critical patent/JP2003500336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/162Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from virus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

(57)【要約】 本発明は(自己)免疫疾患の治療法に関する。慢性関節リウマチでの滑膜細胞のような(自己)免疫疾患を引き起こす、またはそれに関連する細胞におけるアポトーシス活性の合成または存在はアポトーシスの誘発というという結果を招く。本発明はまた、アポプチン様の活性を伴ったアポトーシス誘発タンパク質をコードする核酸分子を含む遺伝子送達伝達体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、分子生物学に基づいた治療法の分野に関する。本発明はさらに将来
疾患に罹るリスクの診断にも関する。さらに詳細には、本発明は(自己)免疫疾
患および/または炎症性障害の治療およびリスク診断の分野に関する。本明細書
の中では、いずれかについて言及されているが、他方も特に除外しない限り包含
されている。本発明はまた、(自己)免疫疾患に関連する、または関係する特定
の細胞におけるアポトーシスの誘発にも関する。
【0002】 自己免疫疾患は、炎症性障害を特徴とする、たとえば、クローン病、慢性膵炎
、一部の型の糖尿病、潰瘍性大腸炎および慢性関節リウマチのような一群の重篤
な疾患である(Bischoff et al., 1996; Firestein, 1995, 1998; Liblau et
al., 1995)。この疾患ファミリーの主な代表例の1つとして、本発明の適用の
代表例として、我々は慢性関節リウマチ(RA)を詳しく説明する。RAは関節
を冒すが他の臓器も冒す。世界の成人人口の1〜2%がこの疾患に罹っている。
男性よりも女性において罹る頻度は高く、性比は1:3である。臨床スペクトル
並びに臨床経過は相当に変化が大きい。軽度の疾患では、関節の炎症は限られた
期間だけ存在し、関節破壊は起きない可能性もある。このパターンは相対的に稀
である。ほとんどの患者は高い、または変化の大きい疾患活性レベルを継続的に
有している。このことは、身体障害および関節破壊に関してこの疾患のさらに悪
い予後に関連する(Van Zeben et al., 1994)。
【0003】 RAは死亡率のリスクの上昇に関連する(Wolfe, 1990)。糜爛形成の最も高い
比率はRA発症後2年以内の間であると思われる。最近、それ以降も糜爛の継続
的な進行が起きるという証拠が提供された(Sharp et al., 1991; Van der
Heijde et al., 1992)。
【0004】 RAの病態生理学は活発な研究領域ではあるが、RAの病因は判っていない。
この劇的な疾患を説明する単純な図式は、リンパ球の滑膜への浸潤によって炎症
および組織破壊が始まるというものである。それらは、形質細胞、肥満細胞、マ
クロファージおよび特に、線維芽細胞様の滑膜細胞を刺激して、たとえば、腫瘍
壊死因子αおよびインターロイキン1のような炎症性のメディエータを産生する
。このようなメディエータはマトリックス分解活性を誘発することができ、最終
的には関節破壊を招くことになる。このような活性には、コラゲナーゼを産生す
る線維芽細胞様の滑膜細胞の活性化、骨吸収および軟骨吸収の誘発、サイトカイ
ン発現の上昇および接着分子並びにHLA分子の発現の上昇が挙げられ、それら
はすべて結果として免疫反応をさらに刺激し、さらに細胞を関節腔に浸潤させる
ことになる(Breedveld, 1998)。
【0005】 最近、RAではFLSが不可逆性に変化しており、関節の炎症環境から移され
た後でさえ、自律過程によって活性化されたままであるというデータが提供され
ている。刺激された状況に比べて少なくなるものの、細胞は新たな外因性刺激な
しで移動し、侵襲し続ける(Firestein, 1995)。細胞分裂が、FLS蓄積のメカ
ニズムの可能性の1つではあるが、内膜内層におけるおびただしい細胞分裂およ
びDNA合成の証拠は十分ではない。本発明は、このような細胞でアポトーシス
を誘発することが疾患の影響と闘うのに有用であることを開示する。
【0006】 実際、増殖が相対的に低いとすれば、細胞死の比率の異常が滑膜炎における内
膜肥厚に寄与する可能性がある。リウマチの滑膜におけるアポトーシスの程度は
最近調べられたにすぎない(Firestein et al., 1995, 1995a)。アポトーシスは
、細胞の萎縮、細胞の萎縮による断片化、核の断片化、DNAのドメインサイズ
の断片への濃縮と切断を特徴とし、ほとんどの細胞では続いてヌクレオソーム間
の分解が生じる。最終的に、アポトーシスを受けた細胞は、膜に封入されたアポ
トーシス体に断片化され、隣接する細胞により迅速に貪食される。したがって、
アポトーシスでは壊死よりもはるかに組織の破壊は少なく、非生理的な細胞死も
少ない。(Wyllie et al., 1980; Arends and Wyllie, 1991)。
【0007】 RAにおける異常に低下したアポトーシスのメカニズムは完全には解明されて
いないが、欠陥のあるp53機能の顕著な役割が滑膜細胞の生存と死に関わって
いると思われる(Conway et al., 1995)。Mountzら(1994年)は、ア
ポトーシスの欠陥が、たとえば全身性エリテマトーデス、血管炎症候群、ベーチ
ェット病、および炎症性大腸炎のようなその他の自己免疫疾患に関連しているこ
とを報告した。したがって、本発明に従えば、RAおよびその他の(自己)免疫
疾患を治療するための治療的アプローチは、(代替的な)アポトーシスの経路を
誘発することにより、そのような細胞においてアポトーシスが阻止されているの
を回避することである。
【0008】 したがって、本発明は、炎症性障害および/または免疫疾患の治療のための薬
物調製におけるアポトーシス誘発剤の使用を提供する。詳しくは、本発明は、自
己免疫疾患ための薬物調製におけるアポトーシス誘発剤の使用を提供する。上述
したすべての障害/疾患における損傷は通常、何としても制御できない(過度の
増殖または過度のその他の活性、または調節された細胞死の欠如、または壊死な
ど)特定亜集団の細胞によって直接または間接的に引き起こされる損傷を含む。
したがって、そのような細胞にアポトーシス誘発剤を付与することによってその
ような亜集団の細胞にアポトーシスを誘発することができるということは有用で
ある。
【0009】 上述のように崩壊産物が少ないので、アポトーシスは壊死による細胞死よりも
好ましい。標的細胞にアポトーシス活性が付与されうるいかなる方法も、本発明
に従えば有用である。しかしながら、アポトーシス活性は、遺伝子をコードする
タンパク質様基質によって付与され、遺伝子送達伝達体によって標的細胞に送達
されるのが好ましい。遺伝子送達伝達体は、本明細書では、ウイルスまたは非ウ
イルス起源の、細胞に遺伝子を送達することができる伝達体として定義される。
遺伝子は標的細胞内で機能的に発現されるような方法で送達されるべきである。
【0010】 アポトーシス誘発剤または遺伝子送達伝達体の製薬製剤は、標的細胞の特定の
集団に対し細胞死を誘発するその他の薬剤のための製薬製剤に類似する。アデノ
ウイルスのような遺伝子送達伝達体については、特定数の細胞に遺伝子を送達す
る多数の製剤が多数の他から既に開示されており、したがって、そのような製剤
をここでさらに詳述する必要はない。その他の遺伝子送達伝達体のためのその他
の製剤は、類似的に、または関連技術に記載されているようにまとめることがで
きる。
【0011】 本発明に従う遺伝子送達伝達体の好ましからざる影響のいかなるものも断つこ
とを可能とするために、その遺伝情報に自殺遺伝子を加えることが好ましい。し
たがって、本発明はまた、前記遺伝子送達伝達体が自殺遺伝子をさらに含む使用
を提供する。前記遺伝子は誘発可能なプロモータの制御下にあることが当然好ま
しい。既知の自殺遺伝子には、チミジンキナーゼまたはその他の細胞傷害性タン
パク質様物質をコードする遺伝子が挙げられる。
【0012】 本発明に従う遺伝子送達伝達体の好ましからざる影響をさらに軽減するために
、遺伝子送達伝達体は、標的に対する指向性を有することが好ましく、そのほか
の細胞よりも標的細胞に対して高い結合親和性および/または侵入親和性を有す
ることを意味する。このことは、そのような指向性を有する遺伝子送達伝達体を
選択すること、または標的細胞に対する高い親和性を有する生物または物質から
得たそのような指向性を送達伝達体に付与することによって簡単に達成すること
ができる。そのような生物または物質が入手できなければ、標的細胞に対する親
和性を有する無作為配列のファージディスプレイスクリーニングまたはその他の
スクリーニング技術を介して提供されうる。遺伝子送達伝達体に元々の指向性よ
りも別の標的細胞の指向性を付与する場合、これは標的遺伝子治療と呼ばれるこ
とが多い。したがって本発明はまた、遺伝子送達伝達体が造血系細胞、好ましく
は線維芽細胞様の滑膜細胞に対する指向性を有する、本発明に従った使用も提供
する。別の使用としては、本発明は、前記遺伝子送達伝達体にターゲティング手
段、特に線維芽細胞様の滑膜細胞に対するターゲティング手段が付与された本発
明に従った使用を提供する。本発明に従った好ましい遺伝子送達伝達体は組換え
アデノウイルスである。組換えアデノウイルスは遺伝子治療の分野では周知であ
り、ここでさらに詳述する必要はない。それらを製造し、使用する安全な方法は
多数の出版物で開示されている。
【0013】 本発明に従った好ましいアポトーシス誘発剤は、アポプチン、またはその機能
的断片、誘導体または同等物である。アポプチンはニワトリの貧血ウイルスに由
来するタンパク質であり、以下でさらに詳細に議論する。機能的誘導体には、活
性に影響を与えずに(別の程度[さらに高いまたはさらに低い]にかかわらず、
それが依然としてアポトーシスを誘発することを意味する)数多くのアミノ酸残
基を修飾した、または付加したタンパク質が挙げられる。断片、または断片と誘
導体との組合せも当然同様である。機能的同等物は、他の生物におけるアポプチ
ン(ニワトリアデノウイルスタンパク質3)の対応物である。他のアポトーシス
誘発剤に対するアポプチンの極めて重要な利点は、本発明は(自己)免疫疾患に
関与する、または関係する異常な細胞でそれが効果を表すことを明らかにするが
、それが正常細胞では有意な活性を示さないということである。
【0014】 さらにまた、アポプチン発現は誘発可能にされることが好ましい。 本発明はさらに、(自己)免疫疾患のふるまいにおいて細胞の異常になる蓋然
性に関する試験を提供する。この試験は、異常になる可能性が疑われる細胞にア
ポプチンまたはその誘導体または断片をコードする遺伝子のような、アポトーシ
ス活性を付与すること、およびその後、前記細胞を浸透圧ストレス、熱ショック
、感染ストレス、UVなどのストレスにさらすことを含む。異常傾向のある細胞
はこの処理に伴ってアポトーシスに向かう。そのような可能性を有さない細胞は
ほとんど影響を受けない。したがって、将来の(自己)免疫疾患について個人の
可能性を調べることができる。
【0015】 ニワトリの形質転換した細胞における、ニワトリアデノウイルス(CAV)由
来のタンパク質アポプチンのin vitro合成は、結果としてアポトーシス
を生じる(Noteborn et al., 1994; Noteborn and Koch, 1995; Noteborn et
al., Noteborn and Van der Eb, 1998)。アポプチンは、わずか121個のア
ミノ酸長の小型タンパク質で、ある程度塩基性であり、プロリン、セリンおよび
スレオニンが豊富である(Noteborn et al., 1991)。
【0016】 アポプチンおよびアポプチン様活性を伴ったそのほかのタンパク質は、ヒト悪
性細胞株および形質転換細胞株でもアポトーシスを誘発することができるが、非
形質転換ヒト細胞では誘発しない(Danen-Van Oorschot et al., 1997; Noteborn
et al., 1998a)。我々は、アポプチン誘発のアポトーシスは機能的p53の非
存在下で起き(Zhuang et al., 1995a)、Bcl−2、Bcr−Ab1(Zhuang
et al., 1995; 1995b)、Bcl−2関連タンパク質BAG−1および牛痘タン
パク質CrmA(Noteborn, 1996; Danen-Van Oorschot et al., 1997a;
Danen-Van Oorschot et al., 1998)によって阻止することができないことを立
証した。
【0017】 in vitroにてアポプチンは、正常な2倍体リンパ系細胞、真皮細胞、
表皮細胞、内皮細胞または平滑筋細胞でアポトーシスを誘発することができない
。しかしながら、正常細胞が、アポプチンと、たとえばSV40ラージT抗原の
ような形質転換タンパク質を共発現している場合、細胞はアポトーシスを受ける
。このようなデータは、アポプチン誘発のアポトーシスは確定していない腫瘍形
成状態でも起きることを示している(Noteborn et al., 1998b)。分析された形質
転換細胞では、それらはすべてアポプチン誘発のアポトーシスを受け、アポプチ
ンは細胞核の中に局在している(Noteborn et al., 1998)。それに対して、アポ
プチンは正常の、形質転換されていない細胞では主として細胞質に見い出された
(Danen-van Ooschot, 1997)。しかしながら、形質転換タンパク質との共発現に
よってアポプチンは核内に存在することが可能になり結果的にアポトーシスの誘
発を生じる(Noteborn et al., 1998a)。癌になりやすいヒトに由来する線維芽細
胞では、アポプチンはアポトーシスを誘発せず、核内にも局在しない。
【0018】 しかしながら、UV照射の後(一過性の形質転換状態に似た異常なSOS反応
を起こす)、アポプチンはこのような細胞でアポトーシスを誘発することができ
る(Zhang et al., 1999)。これに対して、健常なヒトに由来する線維芽細胞はU
V処置におけるアポプチン誘発のアポトーシスに反応しなかった。このことは、
誘発に際してアポプチンを活性化する素因が必要であることを示している。
【0019】 最近、NotebornとPietersen(1998年)は、アポプチン
を発現するアデノウイルスベクターAdMLPvp3を記載した。このベクター
によってin vivo同様にin vitroでもアポプチンの十分な合成が
可能である。彼らは、アデノウイルスベクターで導入され、発現された場合、腫
瘍形成細胞/形質転換細胞に対する特異性をアポプチンが保持していることを立
証した。ラットにおける実験では、AdMLPvp3は安全に、たとえば静脈内
注射によって投与できることが立証された。
【0020】 AdMLPvp3の反復静脈内投与も良好に認容され、このことはアポプチン
発現ウイルスは重篤な有害効果なしで投与することができることを示していた。
このような結果は、大量の細胞でアポプチンが産生されるトランスジェニックマ
ウスを作出したという事実によって強化されている(Noteborn and Zhang, 1998)
。異種腫瘍へのAdMLPvp3の腫瘍内単回注入は腫瘍増殖を有意に低下させ
るという結果を導いた(Pietersen et al., 1999)。
【0021】 本質的な特異性および固有の低い毒性によって、アポプチンを合成するアデノ
ウイルスベクターは固形腫瘍を治療する有望なツールとなっている。
【0022】 本発明は、1つの実施態様において今や、アポトーシス誘発タンパク質、アポ
プチンまたはアポプチン様活性を持つその他のタンパク質の特徴を用いて、RA
のような自己免疫疾患の治療を可能にする遺伝子治療法を提供する。
【0023】 そのような遺伝子送達伝達体は、個々には感染性ベクターであり、たとえば、
自己免疫疾患を起こすまたはそれに関与する細胞にそれ自体が感染する、または
何らかの方法で遺伝情報を送達する、たとえばウイルスまたはウイルス由来のベ
クター、リポソームまたはポリマーなどである。遺伝情報は、アポプチン様活性
をコードする核酸分子を含む。本発明はまた、アポプチン様のアポトーシス活性
を発現する能力を極めて高くした遺伝子送達伝達体も提供する。
【0024】 したがって、本発明によって提供される遺伝子送達伝達体は、送達伝達体とし
て使用されうるたとえばアデノウイルス、またはレトロウイルス、パルボウイル
スまたはその他のDNAまたはRNA組換えウイルス、またはプラスモウイルス
であってもよい。
【0025】 さらに本発明は、それによって遺伝子送達伝達体が選択した標的に遺伝情報を
送達するのに特異的に方向付けできるような、特異的なリガンドまたは標的分子
(単数)または標的分子(複数)も補完した遺伝子送達伝達体を提供する。その
ような標的分子は、たとえばウイルススパイクタンパク質、受容体分子、または
表面受容体と反応する抗体または自己免疫疾患に関連する細胞のタンパク質であ
ってもよい。
【0026】 また、本発明は、RAのような自己免疫疾患の診断に利用することができる遺
伝子送達伝達体を提供する。そのような遺伝子送達伝達体は、すなわち、ヒトま
たは動物から組織または細胞試料または生検を取るin vitroの診断に利
用することができる。アポプチン様活性を発現することができる前記遺伝子送達
伝達体を培養中でまたは直接感染させることによってそのような試料を評価また
は試験することができる。線維芽細胞様の滑膜細胞のようなRAに関係した細胞
、またはそのほかの自己免疫疾患に関係した細胞は、アポプチン合成によってア
ポトーシスを受ける。特に、増殖因子、血清因子、サイトカイン因子および/ま
たはこのような細胞の「活発な増殖」を誘発するその他の因子でこのような細胞
が刺激される場合。
【0027】 別の方法としては、自己免疫疾患に関係した細胞におけるアポプチンの核内局
在は、RA細胞、またはほかの自己免疫疾患に由来する細胞の診断的分析のため
のもう1つのマーカーである。アポプチンの存在は、すなわち、古典的(免疫)
組織化学法、すなわち、顕微鏡的に、または自動セルソーター法によって明示す
ることができる。
【0028】 特に、本発明は抗自己免疫療法に関する。たとえば、アポプチン様活性を持つ
タンパク質のコーディング配列を含有するアデノウイルスベクターのような遺伝
子送達伝達体で自己免疫疾患に関係する細胞を直接感染させることによってアポ
プチンを発現することにより、このような細胞の治療を開始する。したがって、
本発明は、さらにもう1つの実施態様において、抗自己免疫剤の効力がある、ア
ポプチンを発現するアデノウイルスベクターのような遺伝子送達伝達体を提供す
る。さらに、自己免疫疾患に関係する細胞におけるアポプチンの発現は、このよ
うな自己免疫疾患に関係する、アポプチンを発現していない細胞において間接的
に細胞死を引き起こす。この、いわゆるバイスタンダー(居合わせ)効果によっ
て自己免疫疾患のアポプチン治療はさらに改善される。
【0029】 アポプチン合成は正常な健常細胞ではアポトーシスを誘発しないか、または少
なくとも検出可能には、または有意には誘発しないということは、アポプチン合
成を調節するアデノウイルスベクターのような組換えアポプチン伝達体によるi
n vivo治療の毒性が低いことを示している。
【0030】 自己免疫疾患に関係する細胞におけるアポプチンの発現は、アデノウイルスに
加えて、アポプチンのコーディング配列を含有するその他のDNAおよび/また
はRNAウイルスベクター、たとえばレトロウイルスまたはパルボウイルスで細
胞を感染させることにより生じてもよい(Lopez-Guerro et al., 1997)。さらに
、自己免疫疾患に関係する細胞においてアポプチン誘発のアポトーシスを誘発す
るのにプラスモウイルス(Noguiez-Hellin, 1996)のようなウイルス由来のベクタ
ーを使用することができる。
【0031】 本発明はまた、RAのような自己免疫疾患の発生に役割を果している本質的な
細胞性因子の同定も可能にする。
【0032】 (自己)免疫の成り易さに関する診断的アッセイ この報告で提示されているデータによって我々は、未知の細胞性/遺伝的背景
を抱えたヒトが正常な健常人に比べて(自己)免疫性疾患に罹り易いかどうかを
調べるためのアッセイを開発することができる。(自己)免疫傾向のあるヒトに
由来する正常2倍体細胞(たとえばFLS)はアポプチン誘発のアポトーシスに
対して感度が低いが、たとえば化学物質、浸透圧、熱、感染および/またはUV
ならびにX線のような照射のようなストレス処理ののち感度が高くなる。UV照
射の影響に基づいて以下にそのような診断的アッセイの例を説明する。
【0033】 個体から1次細胞(たとえばFLS)を単離し、処理して好適な培地で培養す
る。次に、細胞にUVを照射し、続いてアポプチンをコードするプラスミドで遺
伝子導入する、または、まず細胞に遺伝子導入し/感染させ、次いで照射する。
並行して、正常健常人からの2倍体細胞を対照として使用する。
【0034】 アポプチン特異的モノクローナル抗体に基づいた間接免疫蛍光法を用いて、核
におけるアポプチンの存在および/またはアポトーシスを受けていることについ
て細胞を解析する。アポプチン陽性でUV処理を受けた細胞の間でアポトーシス
を受けている細胞の比率が正常のUV処理細胞におけるアポトーシスの比率より
も有意に高い場合、このことは、その細胞が単離されたヒトが(自己)免疫性疾
患に罹りやすいという強い証拠となる。
【0035】 以下の実験部分に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。これは単に説明を
目的とするのであって、保護範囲の限定として解釈すべきではない。
【0036】 実験部分 細胞および細胞培養の条件 Ad5 E1で形質転換したヒト胎児網膜(HER)PER.C6細胞株を、
10%ウシ胎児血清(FCS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DME
M)中で37℃、5%CO2にて増殖させた。細胞株PER.C6はFalla
uxら(1996年)から入手した。細胞培養培地、試薬および血清はギブコ・
ラボラトリーズ(ニューヨーク州、グランドアイランド)から購入した。培養用
プラスチック製品はグレイナー(ドイツ、Nurtingen)から購入した。
【0037】 滑膜細胞は慢性関節リウマチ(RA)に罹っている患者に由来した。10%F
CSを含有するMDM培地で細胞を培養した。アデノウイルス感染後、滑膜細胞
は、10%FCSまたは40%正常ヒト血清を添加したMDM培地で培養した。
滑膜細胞は、オランダ、ライデンのライデン大学メディカルセンター(LUMC
)リウマチ学部門のP.Goossensから入手した。
【0038】 ウイルス アポプチンのウイルス性発現には組換えアデノウイルスベクターAdMLPv
p3を用いた(Pietersen et al., 1999)。ベクターAdMLPvp3は、ニワ
トリ貧血ウイルス(CAV)由来の領域(位置は427〜868;Noteborn et
al., 1991)を含むアポプチン遺伝子を作動させるためにアデノウイルス主要後
期プロモーター(MLP)に結合したELAエンハンサを含有する。組換えアデ
ノウイルスAdCMVLacZを対照アデノウイルスとして使用した。AdCM
VLacZは、サイトメガロウイルスのエンハンサ/プロモータ制御下でベータ
−ガラクトシダーゼのための大腸菌LacZ遺伝子を持っている(Pietersen et
al., 1999)。
【0039】 ウイルス技術 以前記載されたようにプラークアッセイを行った(Graham and Prevec, 1991)
。簡単に説明すると、2%のウマ血清を含有する2mlのDMEMでアデノウイ
ルスの原液を連続希釈し、6穴プレートのほぼ集密的なPER.C6に加えた。
37℃にて2時間インキュベートした後、0.85%アガロース(米国、シグマ
)、20mMのHEPES(pH7.4)、12.3mMのMgCl2、0.0
025%のL−グルタミンおよび2%のウマ血清(56℃にて30分、熱による
非働化)を含有するF−15ミニマム・エッセンシャル培地(MEM)に培地を
交換した。
【0040】 Fallaux(1996年)により記載されているように、アデノウイルス
ロットの小規模生産を行った。簡単に言えば、1%ウマ血清を含有するリン酸緩
衝生理食塩水(PBS)中で、細胞当り約5個のプラーク形成単位(pfu)で
ほぼ集密なPER.C6単層細胞を感染させた。室温にて1時間後、接種材料を
新鮮な培地(DMEM/2%ウマ血清)と交換した。48時間後、ほぼ完全に剥
がれた細胞を回収し、1mlのPBS/1%ウマ血清に入れた。瞬間凍結解凍を
3回繰り返すことにより産生細胞からウイルスを単離した。 3000rpmで
10分間遠心することにより細胞溶解物から不要物を除き、−20℃で保存した
【0041】 パーキンエルマーPCR装置を用いて、NotebornとDe Boer(
1995年)によって記載されたようなAd5 ITR領域5’−GGGTGG
AGTTTGTGACGTG−3’)およびE1Aコード領域(5’−TCGT
GAAGGGTAGGTGGTTC−3’)に由来するプライマーによってPC
R解析を行うことにより、組換えコンピテントアデノウイルスの存在についてP
ER.C6が産生したrAdV原液をスクリーニングした。600塩基対の増幅
された断片の存在は、複製コンピテント(E1領域含有)アデノウイルスが解析
されたウイルス原液中に存在することを示している(Pietersen et al., 1999)。
【0042】 免疫蛍光法およびDAPI染色 Notebornら(1990年)が記載したように間接免疫蛍光法を行った
。感染細胞におけるアポプチンの存在を示し、細胞内の局在を立証するために、
細胞を80%のアセトンで固定した。3倍希釈したアポプチンに対するマウスの
モノクローナル抗体(mAb)CVI−CAV−111.3および100倍希釈
したベータ−ガラクトシダーゼに対するLacZのmAb(オランダ、ベーリン
ガー・マンハイム)を用いて免疫蛍光アッセイを行った。フルオレセインイソチ
オシアネートで標識したヤギ抗マウス抗体(米国PA、ウエストグローブのジャ
クソン・イムノリサーチ・ラボラトリーズ社)を2次抗体として用いた。グリセ
ロール/0.1MのトリスHCl(pH8.0)中の1mg/mlの2,4−ジ
アミノ−2−フェニルインドール(DAPI)、2%の1、4ジアザビシクロ[2,
2,2]−オクタン(DABCO)によって核内DNAを染色した(Telford et
al., 1992)。
【0043】 TUNELアッセイ in−situ細胞死検出キット(ドイツ、ベーリンガー・マンハイム)を用
いて、ターミナル−デオキシヌクレオチジル−トランスフェラーゼ(Tdt)介
在dUTPニック端標識法(TUNEL)を行った。感染の24時間後、細胞を
PBSにて洗浄し、PBS(pH7.4)中の4%パラホルムアルデヒドにより
室温にて30分間細胞を固定した。透水化(0.1%トリトンX−100、0.
1%クエン酸ナトリウムで4℃にて2分間)後、TUNEL反応混合物(蛍光標
識ヌクレオチドポリマーおよびターミナル−デオキシヌクレオチジルトランスフ
ェラーゼを含有)とともに37℃にて1時間インキュベートした。PBSで洗浄
後、蛍光顕微鏡にて細胞を解析した。
【0044】 ギムザ染色およびベータ−ガラクトシダーゼのアッセイ 接着した細胞の数を検出するために細胞をギムザにて染色した。(偽)感染の
後、細胞をPBSにて2回洗浄し、メタノール:酢酸(3:1)により室温にて
15分間固定した。室温にて3%ギムザ溶液(ドイツ、ダルムシュタット、メル
ク)(1mMのNa2HPO4、pH7.0中)中で30分間インキュベートした
。染色後、脱イオン水にて細胞を4回洗浄し、風乾した。
【0045】 LacZがコードしたベータ−ガラクトシダーゼを検出するために、組織培養
中の細胞を感染後、氷冷した2%パラホルムアルデヒド/0.2%グルタールア
ルデヒド溶液にて24時間固定し、氷冷したPBS(2mMのMgCl2含有)
にて洗浄し、3mlの反応ミックス(PBS中の1mg/mlのX−gal[ド
イツ、ベーリンガーマンハイム]、5mMのフェロシアン化カリウム、5mMの
フェリシアン化カリウム、2mMのMgCl2)中で37℃にて4〜16時間イ
ンキュベートした(Sanes et al., 1986)。
【0046】 結果および考察 ヒト自己免疫疾患、慢性関節リウマチ(RA)のためのin vitroモデ
ル RA患者に対するアポプチン合成の治療効果の可能性を検討するために、我々
は、RAのin vitroモデルを確立した。その目的で、RAに罹っている
患者OHに由来する線維芽細胞様の滑膜細胞(FLS)を分離した。ウシ胎児血
清を含有する「非刺激」培地、または40%の正常ヒト血清を含有する、いわゆ
る「刺激」培地にて細胞を培養する。特に、後者の培地はサイトカインやその他
の刺激因子を含有し、in vivoにおけるRAの状況に極めて類似する。
【0047】 このような「刺激された」LFSは、もう1つの極めて重要な側面に関してR
Aの状態を模倣する。in vivoおよびin vitroにおけるLFSの
異常増殖は、それら自体の増殖およびましてやそれら自体(たとえばLFS)を
刺激する種々の細胞性因子の分泌を引き起こす(Firestein, 1995)。
【0048】 しかしながら、(培養された)RAに関係するLFSは、また本質的な遺伝変
化も受け、それによって正常健常細胞に比べて、それらを既に異なっているもの
にしてしまう。
【0049】 アデノウイルスベクターはRAに関係するLFSにおける導入遺伝子の発現に
極めて適している。
【0050】 現在、大半の細胞型で導入遺伝子の形質導入を達成するためのほとんどの有効
な系ではアデノウイルスベクターを利用している。このようなベクターはin
vivoの遺伝子移入に特に適しているいくつかの利点を有している。組換えア
デノウイルスベクターは、高い力価で増殖し、非有糸分裂細胞を形質導入する能
力を有し、宿主細胞DNAに自らのゲノムを統合しない。その上、アデノウイル
スベクターは既に遺伝子治療の臨床試験に応用されている。
【0051】 我々は、組換えアポプチンのアデノウイルスベクターがRAのLFS細胞で十
分な形質導入という結果を招くかどうかを調べた。その目的で、ベータ−ガラク
トシダーゼをコードする複製欠損のAdLacZベクター(moi50)で、こ
のようなLFS細胞を感染させた。感染の2日後、LFS細胞を固定し、ベータ
−ガラクトシダーゼ合成について解析した。感染したFLSの約40%がベータ
−ガラクトシダーゼのアッセイで陽性であった。ベータ−ガラクトシダーゼを発
現している組換えアデノウイルスベクターで感染させたその他の型の細胞に比べ
て、この形質導入比率は高い。
【0052】 したがって、我々は、アデノウイルスベクターは、RAのFLSにおいて導入
遺伝子を産生するのに極めて好適であるという結論に達している。アポプチンの
発現に好適なアデノウイルスの例を図1に示す。 血清刺激したRAのLFSのAdMLP−vp3による感染は、結果的には劇的
なレベルの細胞死を生じる。
【0053】 次に、RAのLFSにおけるアポプチン合成の細胞傷害性の効果を明らかにし
た。この目的で、陰性対照ウイルスAdLacZ、アポプチンをコードするAd
MLPvp3(双方ともにMoi50)で細胞を感染または偽感染させた。続い
て、「非刺激」または「刺激」培地にて細胞を増殖させた。感染から3日および
6日後、ギムザ染色により細胞密度について細胞を分析した。
【0054】 感染から3日および6日後、組換えアデノウイルスベクターAdLacZで感
染させた細胞は、偽感染させた細胞の密度に比べて細胞密度に有意な低下は見ら
れなかった。「非刺激」培地並びに「刺激」培地の両方の条件でデータを観察し
た。
【0055】 それに対して、組換えベクターAdMLPvp3で感染させたRAのFLSの
ディッシュでは細胞密度は、しかしながら有意に低下した。既に、感染後3日で
(刺激後2日)RAのFLSの大半は「死んだ」。刺激されていないディッシュ
はAdMLP−vp3の感染による細胞の有意な減少はないと思われた。しかし
ながら、感染から6日後、AdMLPvp3で処理した細胞の量は、偽感染させ
たRAのFLSに比べて有意に低下していた。AdLacZ、AdMLPvp3
で感染させた、または偽感染させたRAのFLS培養における感染後6日の細胞
密度への影響を示す実験の結果を図2に示す。
【0056】 これらの結果は、アポプチン合成が自己免疫疾患RAに罹っている患者に由来
するFLSにおいて有意に細胞死を引き起こしていることを立証している。アデ
ノウイルスベクターの感染それ自体は、RAのFLSに対し有意な細胞傷害性の
影響を与えない。「非刺激」状態で増殖する場合、アポプチンは既に、RAのF
LSの細胞密度に中程度の負の影響を有している。これらの結果は、Fires
tein(1995、1997、1998年)およびその他(Breedveld, 1997)
によって示唆されたように、RAのFLSはヒトの正常で健常な細胞とは異なっ
ていることを示している。この差異はアポプチンによって「認識されている」と
思われる。
【0057】 アポプチンはRAのFLSが血清で刺激された場合、さらに強力な細胞殺傷効
果を有するという事実は、細胞増殖(Firestein, 1997)を高める効果を有し、更
に形質転換されたような状態を導くサイトカイン、ケモカインなどの種々の因子
をFLSが分泌し始めると、アポプチンはましてや活性化されるようになること
を示している。
【0058】 ほとんどすべてのFLSが殺されるのに、AdMLP−vp3の感染は、RA
由来のFLSのおよそ30〜40%でアポプチン産生を誘発する(感染したFL
Sの培養と並行して免疫蛍光解析によって調べられたとして)ことを説明すると
き、その結果はなおさら興味深い。アポプチン陽性細胞だけでなく、アポプチン
陰性細胞も殺される。この結果は、AdMLPvp3処理がバイスタンダー効果
を有することを示している。もっともありそうなことは、アポプチン誘発のアポ
トーシスによる増殖刺激および/またはアポトーシス妨害因子の劇的低下が、ア
ポプチン陰性細胞にまで死を誘発するということである。
【0059】 我々は、アポプチンは、RAのFLSに細胞死を誘発することができ、それは
外因性因子および内因性因子によって高められさえするという結論に達している
。このような特徴は、アポプチンがRAおよびそのほかの自己免疫疾患を治療す
るための治療剤となることを示している。
【0060】 TUNEL解析によって、AdMLPが介在するアポプチンの合成はRAのF
LSにおいてアポトーシスを誘発することが立証されている。
【0061】 AdMLPvp3誘発の細胞死の性質を特徴付けるために、我々は、ターミナ
ル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼ酵素とFITC標識したdU
TPの助けを借りて(TUNELアッセイ)DNA鎖の切断の存在を視覚化した
。AdMLP−vp3またはAdLacZのどちらかをRAのFLSに感染させ
、24時間後40%のヒト血清で刺激した。1日後、細胞を回収し、形質導入効
率における類似性を確認するために導入遺伝子を染色し、並行して感染させたデ
ィッシュをTUNELアッセイに供した。40%のRA FLSがベータ−ガラ
クトシダーゼを発現しているにもかかわらず、時折単一の細胞が、TUNELア
ッセイで検出されうるDNAの切断を示すにすぎなかった。対照的に、AdML
Pvp3感染後のTUNEL陽性細胞の頻度は、感染後のアポプチン陽性細胞の
頻度と同じ範囲内にあると思われた。
【0062】 したがって我々は、アポプチンは、それ自身がアポトーシスを受ける可能性を
失ったまたは減らした細胞でアポトーシスを誘発することができるという結論に
達している。アポプチンがそのようなRA LFS細胞においてアポトーシスを
誘発することができるという事実は、in vivoにおけるアポプチン処置は
炎症反応のような副作用がきわめて低いことを示している。
【0063】 ヒト血清で刺激したRAのLFSにおけるアポプチンの核局在 RA由来の「刺激された」FLSにおけるアポプチンの細胞性局在を調べるた
めに、細胞をAdMLPvp3で1日感染させ、翌日血清で刺激し、アポプチン
特異的モノクローナル抗体とDAPI染色を用いた免疫蛍光法によって解析した
。アポプチン陽性細胞のほとんどすべては細胞核にアポプチンを含有していた。
既に高い量のアポプチン陽性細胞は、既に異常に明るいDAPI構造を含有して
おり、極めて後期のアポトーシス状態、すなわち、濃縮されたクロマチン/DN
Aを示していた。このような結果によって、アポプチン合成は、RAのFLSに
おいてアポトーシスの誘発を生じることが再び立証されている。これまで、細胞
の状態に関してアポプチン感受性細胞はすべてアポプチンの核局在を示した(Not
eborn et al., 1998b)。提示されたデータは、RAのFLSにおけるアポプチン
活性もまた核局在と相関があることを立証している。
【0064】 2人のほかのEA患者に由来する、血清で刺激されたLFSのAdMLP−v
p3による感染は、劇的なレベルの細胞死を生じる。
【0065】 アポプチンの合成が様々なRA患者においてアポトーシスの誘発を生じるかど
うかを調べるために、「E」および「Lo」と命名したRA患者からRAに関係
するFLSを摘出した。このようなRA患者に由来するRAに関係したFLSは
、オランダ、ライデンのライデン大学メディカルセンター、リウマチ学部門から
入手した。
【0066】 その目的で、アポプチンをコードするAdMLPvp3、および非アポトーシ
スタンパク質であるベータ−ガラクトシダーゼをコードする陰性対照ウイルスA
dLacZ(双方共にmoi;50)によって、患者「E」および「Lo」に由
来するLFSを感染または偽感染させた。続いて、「非刺激」または「刺激」培
地にて細胞を増殖させた。感染の3日後(血清刺激の2日後)、DAPI染色(
Noteborn et al., 1998b)によって細胞密度に関して細胞を解析した。組換えA
dLacZを感染させた非刺激細胞並びに刺激細胞は、偽感染させた細胞に比べ
て、細胞密度に有意な低下を示さなかった。
【0067】 それに対して、組換えベクターAdMLPvp3で感染させた患者「E」およ
び「Lo」に由来するRAのFLSの入ったディッシュにおける細胞密度は、有
意に低かった。既に、刺激されていないAdMLPvp3処理ディッシュは、A
dLacZ感染または偽感染のディッシュよりも低い密度だった。この効果は、
RAのFLSが40%のヒト正常血清で「刺激された」場合、なおさら有意だっ
た。
【0068】 これらの実験から得られた結果および患者OHに由来するRAのFLSに基づ
く結果は、自己免疫RAに罹っている様々な患者に由来するFLSにおいてアポ
プチン合成は特異的に細胞死を誘発することを立証している。アデノウイルスの
感染それ自体は、RAのFLSの細胞密度に有意な負の効果を持たない。このよ
うな特徴は、アポプチンはRAおよびその他の自己免疫疾患を治療するための治
療剤であるという上述の説明を強化する。
【0069】 アデノウイルスベクターAdApt−アポプチンの構築 アデノウイルスベクターAdMLP−vp3は、アデノウイルスの主要後期プ
ロモータ(MLP)の制御のもとでアポプチン遺伝子の発現を調節する。新規の
AdAptアデノウイルスベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモ
ータを含有し、ヘルパー細胞株PER.C6にも最適に適合している。
【0070】 CMVの調節のもとでアデノウイルスによってアポプチンを生産することが可
能かどうかを調べるために、我々はAdApt−アポプチンを構築した。
【0071】 その目的で、アポプチンをコードしている配列(Noteborn et al., 1991)を
含有するプラスミドpCMV−vp3(Noteborn, 1996)から得たBamHI断
片を、オランダ、ライデンのイントロジーンから入手した6.1kbの転移ベク
ターAdAptのBamHI部位にクローニングした。配列解析と制限酵素によ
る消化によってCMVの調節下におけるアポプチン遺伝子の正確な方向を決定し
た。この転移ベクターをpAdApt−アポプチンと命名した。陰性対照のアデ
ノウイルス転移ベクターとして、CMVプロモータに対して反対向きになったア
ポプチン遺伝子を含有するプラスミドを選択し、AdApt−ASと命名する。
【0072】 次に、CMVプロモータの調節下でアポプチン遺伝子を発現する組換えアデノ
ウイルスベクターを作製した。さらに、CMVプロモータに対して反対向きにア
ポプチン遺伝子を格納した対照アデノウイルスも作製した。その目的で、アデノ
ウイルスベクタープラスミドpAdSAlfII−ITR(E1−,E3+)お
よび転移プラスミドpAdApt−アポプチンまたはpAdApt−AsをPE
R.C6細胞(オランダ、ライデン、イントロジーン)に共遺伝子導入した。遺
伝子導入したPER.C6細胞の細胞性の病原性効果を観察した後、組換えアデ
ノウイルスベクターを含有する培地を回収し、プラーク精製を行った(Noteborn
and Pietersen, 1998)。種々のプラーク精製された組換えアデノウイルスバッ
チ、アポプチンをコードするAdApt−アポプチンおよび対照ベクターAdA
pt−Asを、「正しい」対「間違った」方向のアポプチン遺伝子の存在につい
てPCR解析によって調べた(Pietersen et al., 1999)。解析された組換えア
デノウイルスバッチはすべて(各ベクター型について合計少なくとも10)予想
どおりのアポプチン遺伝子を含有していた。PCRによるRCA解析によって(
Pietersen et al., 1999)、解析されたバッチすべてにおいて複製コンピテント
アデノウイルスは生じなかったことが示された。 最後に、モノクローナル抗体
111.3(Noteborn and Pietersen, 1998)を用いた間接免疫蛍光法によって
、AdAptを感染させたヒトHepG2細胞によるアポプチンタンパク質の産
生を調べた。細胞はほとんどすべてアポプチンタンパク質を産生していることが
示され、感染後直ちにアポトーシスを受けた。この知見は、産生されたアポプチ
ンはアポトーシス誘発剤として完全に活性があることを示している。予想どおり
、AdApt−Asを感染させた細胞はすべて、モノクローナル抗体で染色され
ず、アポトーシスも受けなかった。
【0073】 結論的にいえば、アデノウイルスのMLPプロモータまたはCMVプロモータ
のいずれの調節下でも我々が、種々の組換えアデノウイルスベクターによってア
ポプチンを作ることができるという事実は、ウイルス−ベクター生産を限定せず
にアポプチンはいかなるアデノウイルスベクターでも産生されうることを示して
いる。
【0074】 RA患者「E」に由来する、「血清刺激された」RA FLSのAdApt−
アポプチンによる感染は、AdMLP−vp3組変えアデノウイルスベクターに
ついて上述したように、結果として有意な細胞死を誘発した。したがって、組換
えアデノウイルスベクターAdMLP−vp3に加えて、AdApt−アポプチ
ンのようなアポプチン遺伝子を発現しているその他のアデノウイルスベクターも
RAのような自己免疫疾患に対する治療の基礎として利用することができると結
論付けることができる。
【0075】 rAd−アポプチンに基づいた自己免疫疾患細胞の診断的アッセイ 自己免疫疾患に関係する細胞に関するマーカーは、アポプチン誘発のアポトー
シスに対する反応性である。特に、特定のサイトカインや増殖因子のような自己
免疫疾患に関係する因子によるこのような細胞の刺激によって、結果としてアポ
プチンの合成により誘発されるプログラム細胞死が起きる。さらに、もう1つの
マーカーはアポプチンの細胞内局在であり、それは、健常な正常細胞に比べて、
自己免疫疾患に関係する、アポプチン感受性の細胞では異なっている。
【0076】 アポプチン合成を調節する組換えアデノウイルスのようなアポプチンを発現し
ている伝達体を細胞に感染させ、このような細胞内でアポプチンの局在および/
またはアポトーシスの誘発を解析することによって、細胞が自己免疫疾患に罹っ
ている患者に由来するのかどうかを立証することができる。 特に、(血清)刺
激によって、核のアポプチン局在およびアポトーシスの誘発は有意に増加する。
【0077】 たとえば、AdLacZのような対照アデノウイルスと並行して、アポプチン
を発現しているアデノウイルスを細胞を感染させる。たとえば、111.3( Danen-Van Oorschot et al., 1998)のようなアポプチンに特異的なモノクロー
ナル抗体に基づいたたとえば、免疫蛍光アッセイによって、細胞質内または核内
(自己免疫疾患に関係した細胞)におけるアポプチンについて細胞をチェックす
る。さらに、またはその代わりに、アポトーシス細胞の比率を概算する。ベータ
−ガラクトシダーゼのような外因性のタンパク質を含有する細胞に比べて、アポ
プチンを合成している細胞についてアポトーシス細胞の比率が有意に高い場合、
このような細胞は自己免疫疾患に罹っている患者に由来する。
【0078】 自己免疫疾患を起こす因子の同定に関する診断的アッセイ 自己免疫疾患細胞の本質的な変化に加えて、このような細胞およびもっともあ
りそうには、その他の(免疫)細胞による種々の因子の分泌は、RAのような自
己免疫疾患の重症度を高める。
【0079】 したがって、自己免疫疾患に関係した細胞の同定のための上述の診断的アッセ
イは、RAまたはその他の自己免疫性疾患の臨床兆候を起こす細胞の「活発性」
を起こすおよび/または改善する因子の同定にも利用することができる。
【0080】 そのような因子による処置によって、ヒト(RA)の線維芽細胞様の滑膜細胞
は大々的なアポプチン誘発のアポトーシスを受ける、および/またはアポプチン
を自らの核に格納する。
【0081】 アポプチン誘発のアポトーシスは自己免疫疾患に関係する細胞内で形質転換様
の状況を示している。
【0082】 アポプチンが(「刺激された」)RAのFLSにおいてアポトーシスを誘発す
ることができるという事実は、このような細胞が形質転換された状態にあること
を示している。これまで、アポプチンはヒトまたはその他の哺乳類起源の正常な
形質転換されていない細胞ではアポトーシスを誘発しないことが立証されていた
(Danen-Van Oorschot et al., 1997; Noteborn et al., 1998b, Zhang et al.,
1999)。様々な組織でアポプチンを発現しているトランスジェニックマウスが正
常に見えるという事実によってこのようなデータは強化される。 それらの細胞
内でアポプチンが合成されることによって高いアポトーシスを受けている臓器は
ないと思われる(Noteborn and Erkeland、未発表結果)。
【0083】 しかしながら、癌になり易い病理現象のある人に由来する正常な、形質転換さ
れていない細胞において、UVにより異常なストレス関連の過程を誘発すると、
アポプチンは一過性の期間、このような細胞においてアポトーシスを誘発するこ
とができる(Zhang et al., 1999)。アポプチンは健常人のUV処理細胞ではア
ポトーシスを誘発しない。アポプチンはRAのFLSではどちらかと言えば中程
度にアポトーシスを誘発することができる。
【0084】 たとえば、RA FLSの血清刺激によって、すなわちRA FLSにおける
アポプチン誘発のアポトーシスのレベルは高められる。このようなRA FLS
は既に正常な健常細胞とは異なっており、「刺激」の後、なおさら異常(形質転
換された)になっていると思われる。このような特徴は、癌になり易い人に由来
する、UV処理細胞に関して記載されたことに類似している(Zhang et al., 19
99)。両者の場合、細胞性の過程が変化しており、「正常な」状態ではそれは細
胞によって処理されうるが、特異的な刺激によって異常な細胞性過程を生じ、そ
れによって癌または自己免疫疾患の発生が加速されることになる。
【0085】 リウマチ様のFLSが現れることが多く、正常の線維芽細胞のように振舞うが
、それは独立した攻者(形質転換される)として作用するのではなく、環境に反
応しているという概念を導いている。しかしながら、それらはまた形質転換され
た細胞の特徴も示すという断片的な証拠も提供されている。たとえば、正常な線
維芽細胞では、培養にて増殖し、長期に生存するためには、プラスチックまたは
細胞外基質に接着することが求められる。しかしながら、形質転換した細胞は、
固形表面への接触なしで、半個体培地での浮遊にて増殖することができる。FL
Sは典型的には接着できる条件下で増殖し、よく増えるが、条件によっては、足
場非依存性に増殖することもできる(Lafyatis, et al., 1989)。その上、培養
されたFLSについては、c−mycのような数種の癌遺伝子の発現が報告され
ている(Gay and Gay, 1989)。腫瘍増殖因子ベータおよびその他のサイトカイン
のような増殖因子の内因性放出が高いことも記載されている(Bucala et al., 1
991; Remmerks et al., 1990; Geiler, 1994; Firestein, 1995 and 1995a)。ま
た、機能的でない、癌抑制因子p53がRAに関係していることもある( Aupperle et al., 1998)。突然変異したp53は癌遺伝子ではないが、内因性物
質またはアポプチン以外の外因性物質によるアポトーシスの誘発を妨害する。
【0086】 このようなデータはすべて、FLSはRAにおいて不可逆性に変化しており、
自律性の過程によって関節の炎症環境からほかに移された後でさえ活性化された
ままになっていることを示している(Firestein, 1995)。我々は、アポプチンは
このような形質転換様の自己免疫状態を認識することができ、そのような疾患で
重要な細胞性の因子の同定を可能にする証拠を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アデノウイルスの主要後期プロモータの調節下、アポプチンをコードする遺伝
子を含有する組換えアデノウイルスAdMLP−vp3の必須部分の図示を示す
【図2】 慢性関節リウマチに罹っている患者に由来する、培養された線維芽細胞様の滑
膜細胞(FLS)におけるアポプチン誘発の細胞傷害性効果の略図を示す。1.
5x104個の細胞を24穴ディッシュで24時間培養し、ベータ−ガラクトシ
ダーゼを発現する組換えアデノウイルスAdLacZ(LacZ)、アポプチン
をコードするAdMLP−vp3(アポプチン)を感染、または偽感染(なし)
させた。通常の状態(NST)で、または1日後、さらに活発にFLSの増殖を
誘発する、in vitroにおけるRA状態に似ている40%ヒト正常血清で
刺激して(ST)、FLSを増殖させた。最後にアデノウイルス感染または偽感
染の6日後、単層細胞を固定し、ギムザ溶液で染色した。(+:生きている/接
着している細胞の量を表す; −:生存している/接着している細胞がないこと
を意味する)
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月8日(2001.1.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項16】 自己免疫疾患に関わる細胞を含む試料を個体から提供し、該
細胞にアポトーシス様の活性を付与し、アポトーシスを測定することを含む、前
記個体における前記自己免疫疾患の存在を決定する方法。
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月28日(2002.8.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】 このようなデータはすべて、FLSはRAにおいて不可逆性に変化しており、
自律性の過程によって関節の炎症環境からほかに移された後でさえ活性化された
ままになっていることを示している(Firestein, 1995)。我々は、アポプチンは
このような形質転換様の自己免疫状態を認識することができ、そのような疾患で
重要な細胞性の因子の同定を可能にする証拠を提供する。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> レアト べー.フェー. <120>(自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用 <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Ad5 ITR region primer <220> <221> misc_feature <222> (1)..(19) <400> 1 gggtggagtt tgtgacgtg 19 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: E1A encoding region primer <220> <221> misc_feature <222> (1)..(20) <400> 2 tcgtgaaggg taggtggttc 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/02 A61P 37/06 37/06 43/00 105 43/00 105 C12Q 1/02 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ピーテルセン,アレクサンドラ マリア オランダ国 レイデン ハールメルストラ ート 40アー Fターム(参考) 4B024 AA01 CA02 DA03 EA02 FA02 GA11 HA17 4B063 QA19 QQ01 QQ08 QQ13 QQ79 QR80 QS11 QS12 QS24 4C084 AA02 AA03 AA13 AA17 BA21 CA01 CA41 CA53 NA14 ZB072 ZB082 ZB112 ZC012 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 CA12 NA14 ZB07 ZB08 ZB11 ZC01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎症性障害の治療のための薬物調製におけるアポトーシス誘発
    剤の使用。
  2. 【請求項2】 免疫性疾患の治療のための薬物調製におけるアポトーシス誘発
    剤の使用。
  3. 【請求項3】 自己免疫疾患の治療のための薬物調製におけるアポトーシス誘
    発剤の使用。
  4. 【請求項4】 炎症性障害の治療のための薬物調製における、アポトーシス誘
    発剤を発現することができる遺伝子を含む遺伝子送達伝達体の使用。
  5. 【請求項5】 免疫性疾患の治療のための薬物調製における、アポトーシス誘
    発剤を発現することができる遺伝子を含む遺伝子送達伝達体の使用。
  6. 【請求項6】 自己免疫疾患の治療のための薬物調製における、アポトーシス
    誘発剤を発現することができる遺伝子を含む遺伝子送達伝達体の使用。
  7. 【請求項7】 前記遺伝子送達伝達体が自殺遺伝子をさらに含む請求項4〜6
    のいずれか1項に記載の使用。
  8. 【請求項8】 前記自殺遺伝子が誘発可能である請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 前記遺伝子送達伝達体が造血系細胞に指向性を有する請求項4
    〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 【請求項10】 前記遺伝子送達伝達体が線維芽細胞様の滑膜細胞に指向性を
    有する請求項4〜8に記載の使用。
  11. 【請求項11】 前記遺伝子送達伝達体にターゲッティング手段、特に線維芽
    細胞様の滑膜細胞に対するターゲッティング手段が付与される、請求項4〜10
    のいずれか1項に記載の使用。
  12. 【請求項12】 前記遺伝子送達伝達体が組換えアデノウイルスを含む請求項
    4〜11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 【請求項13】 アポトーシス誘発剤がアポプチン、またはその機能的断片、
    誘導体または同等物を含む前述の請求項のいずれか1項に記載の使用。
  14. 【請求項14】 前記アポトーシス誘発剤が誘発可能である前述の請求項のい
    ずれか1項に記載の使用。
  15. 【請求項15】 疑わしい細胞にアポプチン様の活性を付与し、前記細胞をた
    とえば、熱ショック、浸透圧ショック、UVまたは化学的ストレスのようなスト
    レスにさらし、アポトーシスを測定することを含む(自己)免疫性疾患の結果生
    じたと思われる細胞の存在を決定する方法。
  16. 【請求項16】 自己免疫疾患に関わる細胞を含む試料を個体から提供し、該
    細胞にアポトーシス様の活性を付与し、アポトーシスを測定することを含む、前
    記個体における前記自己免疫疾患の存在を決定する方法。
JP2000593120A 1999-01-11 2000-01-10 (自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用 Pending JP2003500336A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99200056 1999-01-11
EP99200056.2 1999-01-11
PCT/NL2000/000013 WO2000041497A2 (en) 1999-01-11 2000-01-10 Use of apoptosis inducing agents in the treatment of (auto)immune diseases

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003500336A true JP2003500336A (ja) 2003-01-07

Family

ID=8239795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000593120A Pending JP2003500336A (ja) 1999-01-11 2000-01-10 (自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用

Country Status (18)

Country Link
US (1) US20050271624A1 (ja)
EP (1) EP1143994B1 (ja)
JP (1) JP2003500336A (ja)
AT (1) ATE244014T1 (ja)
AU (1) AU3083500A (ja)
CA (1) CA2359392A1 (ja)
DE (1) DE60003632T2 (ja)
DK (1) DK1143994T3 (ja)
EA (1) EA200100770A1 (ja)
ES (1) ES2202039T3 (ja)
HU (1) HUP0200552A2 (ja)
IL (2) IL144228A0 (ja)
MX (1) MXPA01006998A (ja)
NO (1) NO20013397L (ja)
PT (1) PT1143994E (ja)
TR (1) TR200102713T2 (ja)
WO (1) WO2000041497A2 (ja)
ZA (1) ZA200105632B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002246455A1 (en) * 2001-03-30 2002-10-15 Leadd B.V. Fusion proteins for specific treatment of cancer and auto-immune diseases
WO2002097030A2 (en) * 2001-05-25 2002-12-05 Nymox Corporation Peptides derived from neural thread proteins and their medical use
JP4587667B2 (ja) * 2001-07-19 2010-11-24 ナイモックス コーポレーション 細胞の除去又は破壊を必要とする腫瘍及び他の状態の治療に有効なペプチド
US7317077B2 (en) * 2001-11-16 2008-01-08 Nymox Pharmaceutical Corporation Peptides effective in the treatment of tumors and other conditions requiring the removal or destruction of cells

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996041191A1 (en) * 1995-06-07 1996-12-19 Aesculaap B.V. Methods and uses for apoptin
WO1998037901A1 (en) * 1997-02-28 1998-09-03 Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc. Self-regulated apoptosis of inflammatory cells by gene therapy
WO1998046760A1 (en) * 1997-04-15 1998-10-22 Leadd B.V. A gene delivery vehicle expressing the apoptosis-inducing proteins vp2 and/or apoptin
JPH10324699A (ja) * 1997-03-21 1998-12-08 Sankyo Co Ltd 抗ヒトFasヒト化抗体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5670488A (en) * 1992-12-03 1997-09-23 Genzyme Corporation Adenovirus vector for gene therapy
US5981502A (en) * 1990-09-12 1999-11-09 Leadd B.V. Methods and compositions for inducing apoptosis in tumor cells
US5792751A (en) * 1992-04-13 1998-08-11 Baylor College Of Medicine Tranformation of cells associated with fluid spaces
DE19704979A1 (de) * 1996-02-07 1997-08-14 Max Delbrueck Centrum Retroviraler Vektor für den Gentransfer eines IL6-Antagonisten in humane hämatopoetische Stammzellen
ZA982371B (en) * 1997-03-21 1998-09-28 Sankyo Co Humanized anti-human fas antibody

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996041191A1 (en) * 1995-06-07 1996-12-19 Aesculaap B.V. Methods and uses for apoptin
WO1998037901A1 (en) * 1997-02-28 1998-09-03 Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc. Self-regulated apoptosis of inflammatory cells by gene therapy
JPH10324699A (ja) * 1997-03-21 1998-12-08 Sankyo Co Ltd 抗ヒトFasヒト化抗体
WO1998046760A1 (en) * 1997-04-15 1998-10-22 Leadd B.V. A gene delivery vehicle expressing the apoptosis-inducing proteins vp2 and/or apoptin

Also Published As

Publication number Publication date
CA2359392A1 (en) 2000-07-20
MXPA01006998A (es) 2002-05-06
ATE244014T1 (de) 2003-07-15
PT1143994E (pt) 2003-11-28
NO20013397D0 (no) 2001-07-09
IL144228A (en) 2009-06-15
ZA200105632B (en) 2002-10-09
AU3083500A (en) 2000-08-01
TR200102713T2 (tr) 2002-05-21
WO2000041497A3 (en) 2000-09-28
ES2202039T3 (es) 2004-04-01
DE60003632D1 (de) 2003-08-07
DE60003632T2 (de) 2004-04-15
EP1143994B1 (en) 2003-07-02
DK1143994T3 (da) 2003-10-20
NO20013397L (no) 2001-09-11
US20050271624A1 (en) 2005-12-08
WO2000041497A2 (en) 2000-07-20
HUP0200552A2 (en) 2002-06-29
EA200100770A1 (ru) 2002-02-28
IL144228A0 (en) 2002-05-23
EP1143994A2 (en) 2001-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2017315679B2 (en) Compositions and methods for treating non-age-associated hearing impairment in a human subject
JP5697042B2 (ja) 遺伝子発現を上昇させるシステム及び該システムを保持したベクター
US20200407752A1 (en) Microvesicle and method for producing the same
JP2020524993A (ja) クロンを含む組成物及びその使用
JP2017048231A (ja) 長期持続性の医薬製剤
CN112020561A (zh) 用于治疗人受试者中非年龄相关的听力损害的组合物和方法
US20140350087A9 (en) Oncovector Nucleic Acid Molecules and Methods of Use
JP2001510028A (ja) p27およびその融合物で血管増殖性疾患を処置する方法
CN112639108A (zh) 治疗非综合征性感觉神经性听力损失的方法
JP4271026B2 (ja) アクチン重合状態の調節剤を含む腫瘍病変の診断、予防又は治療用の薬剤組成物
JP2003500336A (ja) (自己)免疫疾患の治療におけるアポトーシス誘発剤の使用
US7863251B2 (en) Hepatic stellate cell specific promoter and uses thereof
JP2001520012A (ja) ウイルス感染および腫瘍抑制に関与する哺乳動物遺伝子
EP2221066A1 (en) Use of VgII3 activity modulator for the modulation of adipogenesis
WO2015020215A1 (ja) レンチウイルスベクターthtd、該thtdを含有する老化剤、がん抑制剤および医薬組成物、ウイルス様中空粒子で包装されたタンパク質、並びにウイルス様中空粒子の製造方法
CN117836420A (zh) 重组tert编码病毒基因组和运载体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100521

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100528

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100623

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100630

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100723

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100730

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101109