JP4269796B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性があり、密着性にも優れ、高屈折率である透明な感光性樹脂組成物およびこれを用いた反射防止層を有する光学物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示装置において液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、CRT、ブラウン管などの表示装置の発達による大型化や、携帯表示装置の発達により明るいところでの使用が増加したことなどから、表示装置への背景の映り込みが問題となってきている。そこで表示装置の表面に反射防止層を形成させ、背景の映り込みを抑えている。反射防止層は屈折率の異なる膜を積層することで反射光を低減させており、反射防止材料では無機系誘導体材料を蒸着またはスパッタリングで積層するドライコートと有機誘導体材料を塗布するウエットコートに分類される。ドライコートはコストが高いためウエットコートの反射防止層の需要が高い。ウエットコート反射防止層の高屈折率層は有機系誘導体材料単独、または無機微粒子を含有する有機系誘導体材料からなるが、屈折率の高い材料が要求される(特許文献1、2参照)。従来は屈折率を上げるために無機系材料の配合比率を高めて対処していたが、無機系材料の配合比率が高くなるほど有機系材料の利点が発現しにくくなる。そこで樹脂自身の屈折率を上昇させ無機微粒子の配合比を減らす必要がある。また反射防止膜を積層する際の基材がポリエチレンテレフタレートのときには有機系誘導体材料がウレタンアクリレートや感光性モノマーだけでは基材への十分な密着性が得られなかった。
【特許文献1】
特開平9−73001号公報
【特許文献2】
特開平7−168003号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基材であるポリエチレンテレフタレートへの密着性があり、透明で、屈折率1.58以上の感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、研究を重ねた結果、1分子中に不飽和二重結合とチオール基とを有する樹脂(A)、を含む感光性樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートへの密着性があり、透明で、1.58以上の屈折率を有していることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)、および、カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させてなる、1分子中に不飽和二重結合とチオール基とを有する樹脂(A)、および光重合開始剤(B)を含む感光性樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)が、オキシラン環も有している上記感光性樹脂組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、活性エネルギー線を照射後の屈折率が1.58以上である上記いずれか記載の感光性樹脂組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)、および、カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させることを特徴とする感光性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、上記いずれか記載の感光性樹脂組成物を活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物に関する。
【0011】
また、本発明は、屈折率が1.58以上である上記記載の硬化物に関する。
【0012】
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性樹脂組成物を積層してなる積層体に関する。
【0013】
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性樹脂組成物を積層し、活性エネルギー線を照射する積層体の製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性樹脂組成物を積層し、さらに低屈折率層(E)を積層してなる反射防止膜に関する。
【0015】
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性樹脂組成物を積層し、さらに低屈折率層(E)を積層してなる反射防止膜の製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
<1分子中に不飽和二重結合とチオール基とを有する樹脂(A)>
1分子中に不飽和二重結合とチオール基とを有する樹脂(A)は、エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)、および、カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させてなる感光性樹脂組成物である。
【0017】
<チイラン環を有する樹脂(C)>
本発明でチイラン環を有する樹脂(C)はエポキシ化合物のエポキシ基をチイラン環に変換することにより得ることができる。
【0018】
オキシラン環を有する置換基をチイラン環を有する置換基に置換する方法としては、チオ尿素、チオシアン酸カリウムを用いる一般的な方法(R.D.Schuetz and R.L.Jacobs,J.Org.Chem.26,3467(1961))で行なうことができる。このチイラン環を有する置換基に置換した化合物を得る際に使用するその置換前のエポキシ化合物としては、1 分子中に少なくとも1 個のエポキシ基、好ましくは2 個以上のエポキシ基を有する公知のエポキシ樹脂(エポキシオリゴマーを含む)が好適であるがこれに限らない。
【0019】
使用できるエポキシ化合物は、例えば、ビスフェノールA のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF のジグリシジルエーテル等のビスフェノール型のエポキシ、ビフェノール型のエポキシ、ナフタレン型のエポキシ、フェノールノボラックエポキシ、クレゾールノボラックエポキシ、アミノフェノールやジアミノジフェニルメタン等から得られるグリシジルアミン化合物、フタル酸やヘキサヒドロフタル酸から得られるグリシジルエステル化合物、1 ,4 ‐ブタンジオ一ルや1 ,6 ‐ヘキサンジオ一ル等より得られる脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA 及び2 重結合の過酢酸酸化により得られるエポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA やブロムフェノール等から得られるブロム化エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン等から得られる多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0020】
カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)>
ルボキシル基がチイラン環と反応すると、チイラン環が開裂し、チオール基とエステル結合が生成する。
ルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物としては公知のものを使用することができる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、エチレングリコールアクリレートフタレート、プロピレングリコールアクリレートフタレートなどが挙げられる。
なお、アルコールがチイラン環と反応すると、チイラン環が開裂し、チオール基とエーテル結合が生成する。
【0021】
水酸基と不飽和二重結合とを共に有する化合物としては公知のものを使用することができる。例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。
【0022】
<触媒>
カルボキシル基とチイラン環の反応を進行させるときには、必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行なっても良い。使用される触媒としは公知の触媒を使用することができる。触媒は、以下の化合物が挙げられる。触媒の好ましい具体例を以下に示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0023】
(1 )3 級アミン類及び/又はその塩類トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N −メチルピペラジン等
(2 )イミダゾール類及び/又はその塩類2 −メチルイミダゾール、2 −フェニルイミダゾール、2 −ウンデシルイミダゾール、2 −エチル−4 −メチルイミダゾール、1 −シアノエチル−2 −メチルイミダゾール、2,4 −ジシアノ−6 −[ 2−メチルイミダゾリル−(1 )] −エチル−S −トリアジン等
(3 )ジアザビシクロ化合物類
1,5 −ジアザビシクロ(5.4.0 )−7 −ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0 )−5 −ノネン、1,4 −ジアビシクロ(2.2.2 )オクタン等
(4 )ホスフィン類
トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等
(5 )ホスホニウム塩類
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等
【0024】
本発明のエピサルファイド樹脂と塩基性硬化触媒の配合割合は、エピサルファイド樹脂100 重量部に対し、塩基性硬化触媒が0 .01 〜10 重量部である。塩基性硬化触媒が0 .01 重量部未満であると硬化が遅くなり、10 重量部を越えると硬化物の耐水性が低下するため好ましくない。
【0025】
カルボキシル基とチイラン環の反応を進行させるときには、用いるエポキシ樹脂の軟化温度が反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤にて行うことができる。また、用いるエポキシ樹脂の軟化温度に関わらず適当な溶剤を用いて行うこともできる。この時用いる溶剤としては、チイラン環、水酸基、有機酸と反応しないものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、ベンゼン等の公知の溶剤を使用できる。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、バインダー樹脂、不飽和化合物、光重合開始剤などを添加できる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などに重合性不飽和二重結合を導入したものが挙げられる。重合性不飽和二重結合の導入方法はどのようなものであっても構わない。これらの樹脂を単独で添加しても良いし、他の樹脂を含む、複数の樹脂を混合して添加しても良い。
【0027】
以下、具体的に、不飽和化合物を例示する。
不飽和化合物としては(メタ)アクリレート系化合物、脂肪酸ビニル化合物、アルキルビニルエーテル化合物、α−オレフィン化合物、ビニル化合物、エチニル化合物などが挙げられる。不飽和化合物(d)は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミド基、シラノール基などの官能基を有してもいてもよい。
【0028】
(メタ)アクリレート系化合物としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートがある。
【0029】
更に具体的に例示すると、アルキル系(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートがあり、極性の調節を目的とする場合には好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレートまたは対応するメタクリレートが挙げられる。レベリング性の調節等を目的とする場合には炭素数6以上が好ましい。
【0030】
また、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)等、末端に水酸基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたは対応するモノメタアクリレート等、
【0031】
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングチコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、末端にアルコキシ基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたは対応するモノメタアクリレート等、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレートなど末端にフェノキシまたはアリールオキシ基を有するポリオキシアルキレン系アクリレートまたは対応するメタアクリレートがある。
【0032】
カルボキシル基含有不飽和化合物としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することが出来る。
【0033】
上記以外の水酸基含有不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼンなどが挙がられる。
【0034】
窒素含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルキロール(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系不飽和化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基を有する不飽和化合物および対イオンとしてCl-,Br-,I-等のハロゲンイオンまたはQSO3-(Q:炭素数1〜12アルキル基)を有するジアルキルアミノ基含有不飽和化合物の4級アンモニウム塩を例示できる。
【0035】
更にその他の不飽和化合物としては、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル、アルキレン類等のパーフルオロアルキル基含有ビニルモノマー、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル化合物及びその誘導体、グリシジルアクリレート、3、4- エポキシシクロヘキシルアクリレートなどのエポキシ基含有アクリレートなどを挙げることができ、これらの群から複数用いることができる。
【0036】
脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
アルキルビニルエーテル化合物としては、ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。
α−オレフィン化合物としては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられる。
ビニル化合物としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、などが挙げられる。
エチニル化合物としては、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等が挙げられる。これらは単独もしくは2種類以上を併用して使用することもできる。
【0037】
<光重合開始剤(B)>
光重合開始剤は紫外線により硬化させる場合に添加される。なお、電子線により硬化させる場合には開始剤は特に必要ではない。光重合開始剤としては、光励起によってビニル重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
【0038】
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチル- ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o- ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4- (4-メチルフェニルチオ) フェニル- エネタノン、3,3'- ジメチル-4- メトキシベンゾフェノン、4-(1,3- アクリロイル-1,4,7,10,13- ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3'4,4'- テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル) ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N- トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイル- フェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1- オキソ-2- プロペニルオキシエチル) メタアンモニウム臭酸塩、2-/4-iso- プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4- プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9- オキソ-9H チオキサントン-2- イロキシ)-N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン-3- メチルナフト(1,2-d) チアゾリン等が挙げられる。
【0039】
ジカルボニル化合物としては、1,7,7-トリメチル- ビシクロ[2.1.1] ヘプタン-2,3- ジオン、ベンザイル、2-エチルアントラキノン、9,10- フェナントレンキノン、メチル- α- オキソベンゼンアセテート、4-フェニルベンザイル等が挙げられる。
【0040】
アセトフェノン化合物としては、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ- ジ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-ヒドロキシ- シクロヘキシル- フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- スチリルプロパン-1- オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2,2-ジエトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ- フェニル) ブタン-1- オン、1-フェニル-1,2- プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル) オキシム、3,6-ビス(2- メチル-2- モルホリノ- プロパノニル)-9-ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-n-プロピルフェニル- ジ(2,6- ジクロロベンゾイル) ホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0041】
アミノカルボニル化合物としては、メチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、エチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-n ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-( ジメチルアミノ) エチルベンゾエート、4,4'- ビス-4- ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'- ビス-4- ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5'- ビス-(4-ジエチルアミノベンザル) シクロペンタノン等が挙げられる。
【0042】
これらは上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があればどのようなものでも構わない。これらは単独使用または併用することができ、使用量に制限はないが、被硬化物の乾燥重量の合計100重量部に対して1〜20重量部の範囲で添加されるのが好ましい。また、増感剤として公知の有機アミンを加えることもできる。
【0043】
本発明の感光性樹脂は、公知のラジエーション硬化方法により硬化させることができ、 活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光を使用することができる。
【0044】
照射する電子線の線源には熱電子放射銃、電界放射銃等が使用できる。また、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度の安定性から、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプが用いられることが多い。照射する活性エネルギー線量は、5〜2000mJの範囲で適時設定できるが、工程上管理しやすい50〜1000mJの範囲であることが好ましい。
【0045】
また、これら紫外線または電子線と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明の樹脂を塗工後、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行っても良いし、塗工に続いてラジエーション硬化させた後に自然または強制乾燥しても構わないが、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化した方が好ましい。電子線で硬化させる場合は、水による硬化阻害又は有機溶剤の残留による塗膜の強度低下を防ぐため、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行うのが好ましい。ラジエーション硬化のタイミングは塗工と同時でも構わないし、塗工後でも構わない。
【0046】
この他、本発明の感光性樹脂組成物には目的を損なわない範囲で任意成分として、さらに溶剤、染料、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、電磁波シールド剤、無機フィラー等を添加することができる。
【0047】
無機フィラーは塗工物の表面抵抗値を下げたり、屈折率を挙げる目的で添加することができる。
無機フィラーとしては公知のものを使用できる。
金属酸化物や金属フッ化物の単独化合物、混合物、複合化合物が挙げられる。
【0048】
金属酸化物としては、珪素酸化物,マグネシウム酸化物,珪素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸化物,カルシウム酸化物,バリウム酸化物,硼素酸化物,アルミニウム酸化物,インジウム酸化物,ゲルマニウム酸化物,錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,ジルコウム酸化物,セシウム酸化物、インジウム錫酸化物、錫アンチモン酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。これらの金属酸化物は、単独または混合物して用いられる。
【0049】
<低屈折率層(E)>
本発明の低屈折率層(E)は屈折率が1.45以下であれば、公知のものを使用できる。このような層としては、含フッ素重合体からなる層、無機微粒子からなる層などが挙げられる。
含フッ素重合体として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレンプロピレン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリビニリデンフルオリド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られているが、これらの含フッ素重合体の多くは結晶性を有するため、光の散乱が起り、透明性が良好でない。
【0050】
非結晶性の含フッ素重合体は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。非結晶性の含フッ素重合体としては、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオリドおよびヘキサフルオロプロピレンがそれぞれ37 〜48 重量%、15 〜35 重量%および26 〜44 重量%の3 元共重合体などのフルオロオレフィン系の共重合体や、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体などがある。特に、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が耐クリープ性等の機械的特性に優れるため好ましく採用される。
【0051】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2 つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に環構造を有する重合体が好適である。
【0052】
含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に環構造を有する重合体は、特公昭63−18964 号公報等により知られている。すなわち、パーフルオロ(2 ,2 −ジメチル−1 ,3 −ジオキソール)等の含フッ素環構造を有するモノマーを単独重合ないし、テトラフルオロエチレンなどのラジカル重合性モノマーと共重合することにより得られる。
【0053】
また、少なくとも2 つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に環構造を有する重合体は、特開昭63 −238111 号公報や特開昭63 −238115 号公報等により知られている。すなわち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等のモノマーの環化重合、またはテトラフルオロエチレンなどのラジカル重合性モノマーと共重合することにより得られる。
【0054】
また、パーフルオロ(2 ,2 −ジメチル−1 ,3 −ジオキソール)等の含フッ素環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを共重合して得られる重合体でもよい。
【0055】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有するモノマーの重合単位を20 モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0056】
低屈折率層に使用される無機微粒子としては、SiO 2などが用いられている。またMgF 2 も低屈折率の代表的な物質として用いられている。これらの物質の層を得る方法として一般的に蒸着法やスパッタ法のようなドライプロセスが用いられている。ドライプロセスでは緻密で基体との付着力の良好な膜を得ることができる。
【0057】
本発明の反射防止膜の低屈折率層は、膜厚は好ましくは70 〜150nm 、特に好ましくは90 〜110nm である。
【0058】
本発明の反射防止膜を製造するには、前記含フッ素硬化性塗液を基材に塗布し、電子線照射法により重合硬化させて基材の片面又は両面に反射防止膜を形成する方法により製造できる。この際、前記塗布は通常行われる塗布方法、例えばロールコート法、グラビアコート法、ディップコート法及びスピンコート法等により、乾燥時の膜厚が好ましくは70 〜150nm となるようにする。また電子線照射の条件として、加速器電圧は100 〜300kV が好ましく、特に125 〜175kVが望ましい。更にビーム電流は1 〜50mA が好ましく、特に10 〜30mA が望ましい。更にまた吸収線量は1 〜100Mrad が好ましく、特に5 〜50Mrad が望ましい。
【実施例】
以下に製造例、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、重量平均分子量はGPCにより測定された標準ポリスチレン換算分子量を示す。
【0059】
合成例1
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた3 リットルのガラスフラスコ内に水960g 及び98 %硫酸100g (1 .000mol )を仕込み、室温にて攪拌しながらチオ尿素161 .4g (2 .120mol )を溶解させた。溶解後、攪拌しながらビスフェノールA 型エポキシ樹脂のエピコート828EL (商品名:ジャパンエポキシレジン社)を分子蒸留により精製したエポキシ樹脂(GPC 分析より求めたジグリシジルエーテルの含有量98 .2 重量%、全塩素含有量0 .095 重量%、エポキシ当量;172 g /eq .)290g (1 .686 当量)を約1 時間かけて滴下させた後、温度40 ℃で5 時間反応を行った。
反応終了後、水を960g 加えた後、常温にて攪拌しながら炭酸ナトリウム216 .5g (2 .043mol )を溶解させた。溶解後、更に、温度60℃で6 時間反応を行った後、水層を廃棄し、トルエン850g を添加し、純水700g で5 回水洗した。水洗後、トルエンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度100 ℃で留去させエピサルファイド樹脂を得た。得られたエピサルファイド樹脂は室温に冷却後直ぐに固形化し、白色の固体となった。このエピサルファイド樹脂の融点は、87 〜90 ℃であった。得られた樹脂が目的物であるかどうかは、赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルにより確認した。ここで得られたエピサルファイド樹脂を化合物(1)とした。
【0060】
合成例2
攪拌機、冷却器及び温度計を備えた1 リットルのガラスフラスコ内に、エピコートYX4000 (ジャパンエポキシレジン株式会社の商品名;3 ,3 ',5,5 '一テトラメチルビフェニル−4 ,4 '−ジオールのジグリシジルエーテル、エポキシ当量;185g /eq .)を100g(0 .541 当量)及びテトラヒドロフランを250g仕込み、室温にて攪拌してエポキシ化合物を溶解した。溶解後、チオ尿素を61 .6g (0 .811 モル)及びメタノールを200g 添加し、温度30 〜35 ℃で、攪拌しながら5 時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトンを300g 添加した後、純水250g で5 回水洗した。水洗後、メチルイソブチルケトンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度90 ℃で留去させて、微黄色不透明固体のエピサルファイド化合物107 .8g を得た得られた化合物が目的物であるかどうかは、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル及びFAB −マススペクトルにより確認した。
ここで得られたエピサルファイド樹脂を化合物(2)とした。
【0061】
合成例3
攪拌機、冷却器及び温度計を備えた1 リットルのガラスフラスコ内に、エピコート 1032S50 (ジャパンエポキシレジン株式会社の商品名;フェノールとサリチルアルデヒドから得られるポリフェノールのエポキシ化物、エポキシ当量;169g /eq .)を100g (0 .592 当量)及びテトラヒドロフランを200g 仕込み、室温にて攪拌してエポキシ化合物を溶解した。溶解後、チオ尿素を22 .5g (0 .296 モル)及びメタノールを200g 添加し、温度30 〜35 ℃で攪拌しながら5 時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトンを300g 添加した後、純水500g で5 回水洗した。水洗後、メチルイソブチルケトンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度100 ℃で留去させて、黄色透明固体のエピサルファイド化合物101 .3g を得た。得られた化合物が目的物であるかどうかは、赤外吸収スペクトル及びFAB −マススペクトルにより確認した。ここで得られたエピサルファイド樹脂を化合物(3)とした。
【0062】
合成例4
攪拌機、冷却器及び温度計を備えた1 リットルのガラスフラスコ内に、エピコート806 (ジャパンエポキシレジン株式会社の商品名;ビスフェノールF のジグリシジルエーテル、エポキシ当量:165g /eq .)を100g (0 .606 当量)、及びテトラヒドロフランを200g 仕込み、室温にて攪拌してエポキシ化合物を溶解させた。溶解後、チオ尿素を23 .0g (0 .303 モル)及びメタノールを200g 添加し、温度30 〜35 ℃で、攪拌しながら5 時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトンを300g 添加した後、純水250g で5回水洗した。水洗後、メチルイソブチルケトンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度90 ℃で留去させて、無色透明液体の硬化性樹脂組成物102 .5g を得た。
得られた化合物が目的物であるかどうかは、赤外吸収スペクトル、及びFAB 一マススペクトルにより確認した。ここで得られたエピサルファイド樹脂を化合物(4)とした。
【0063】
合成例5
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた3 リットルのガラスフラスコ内に水960g 及び98 %硫酸100g (1 .000mol )を仕込み、室温にて攪拌しながらチオ尿素161 .4g (2 .120mol )を溶解させた。溶解後、攪拌しながらエピコート5050(ジャパンエポキシレジン株式会社製;臭素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキシ等量:389g/eq.)290gを約1 時間かけて滴下させた後、温度40 ℃で5 時間反応を行った。
反応終了後、水を960g 加えた後、常温にて攪拌しながら炭酸ナトリウム216 .5g (2 .043mol )を溶解させた。溶解後、更に、温度60 ℃で6 時間反応を行った後、水層を廃棄し、トルエン850g を添加し、純水700g で5 回水洗した。水洗後、トルエンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度100 ℃で留去させエピサルファイド樹脂を得た。得られたエピサルファイド樹脂は室温に冷却後直ぐに固形化し、白色の固体となった。このエピサルファイド樹脂の融点は、87 〜90 ℃であった。得られた樹脂が目的物であるかどうかは、赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルにより確認した。ここで得られたエピサルファイド樹脂を化合物(5)とした。
【0064】
実施例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに化合物(1)73.6g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)26.4g、ヒドロキノン0.05g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン25gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製製)0.80gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン75.8gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN660、重量平均分子量MW1,700であった。
【0065】
実施例2
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに化合物(2)80g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)21g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン81.6gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN780、重量平均分子量MW1,200であった。
【0066】
実施例3
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに化合物(3)80g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)21g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン81.6gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN710、重量平均分子量MW1,100であった。
【0067】
実施例4
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに化合物(4)80g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)34.5g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン95.2gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN360、重量平均分子量MW400であった。
【0068】
実施例5
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに化合物(5)73.6g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)26.4g、ヒドロキノン0.05g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン25gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製製)0.80gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン75.8gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN660、重量平均分子量MW1,700であった。
【0069】
比較例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにエピコート1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製)86.2g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)13.2g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン21.5gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.70gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン78.5gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN980、重量平均分子量MW1,700であった。
【0070】
比較例2
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにエピコート806(ジャパンエポキシレジン株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)34.5g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20.0gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン95.1gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN9360、重量平均分子量MW400であった。
【0071】
実施例
<塗工方法>
上記樹脂溶液100重量部に対して光重合開始剤イルカギュア184を3重量部加え、PETフィルムにバーコーダーで乾燥塗膜が5μmになるように塗工し、100℃−2分乾燥し、メタルハライドランプで250mJの紫外線を照射し、塗工物を作製した。室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
<PETへの密着性>
密着性試験は上記塗工物でゴバン目セロハンテープ剥離試験を行い
感光性樹脂が95%以上残存するものを◎
感光性樹脂の残存率が95%より低いものを×
として評価した。
<屈折率>
上記塗工物をアッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて屈折率を測定した。屈折率は表1のようになった。
【0072】
<透明性>
上記塗工物を目視で見て
透明であるものを○
透明でないものを×
として評価した。
【0073】
表1
【表1】
Figure 0004269796
【0074】
<反射防止膜の評価>
ジアクリル酸−2 ,2 ,3 ,3 ,4 ,4 ,5 ,5 ,6 ,6 ,7 ,7 ,8 ,8 ,9 ,9 ,9 −ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコール(以下F 1 7 EGDA と略す)10 重量部、ポリ(アクリル酸−3 ,3 ,4 ,4 ,5 ,5 ,6 ,6 ,7 ,7 ,8 ,8 ,9 ,9 ,10 ,10 ,10 −ヘプタデカフルオロデシル)(以下PF 1 7 A と略す)1 重量部、トリフルオロメチルベンゼン89 重量部を混合し含フッ素硬化性塗液を調製した。次いでマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて上記塗工物の片面に乾燥後の膜厚が100nm になるように塗布し、電子線照射器(岩崎電気社製)により加速器電圧125kV 、ビーム電流35mA で吸収線量30Mrad の電子線を照射、硬化して反射防止膜を調製して片面減反射PET フィルムを得た。得られた片面減反射PET フィルムの分光反射率を以下の方法により測定した。
【0075】
(1 )分光反射率;5 °正反射測定装置のついたUV スペクトル(日本分光社製、商品名「U −best 35 」)により測定した。但し塗布面を測定面とし裏面は反射を遮るためサンドペーパーで荒らし黒色マジックで着色して550nm における反射防止膜及び基材フィルムの反射率を測定した結果、反射防止膜の分光反射率は0.6であった。PETフィルムのみの分光反射率は6.0であり開発品は反射防止機能を示した。
【0076】
【発明の効果】
本発明により、PETへの良好な接着性を示し、且つ高屈折率の層を形成する樹脂組成物が提供できた。
高屈折率化するために高屈折率無機フィラーの添加物が従来技術では構成要素の60%を占有していたが、本技術の開発により20〜25%となり構成層のヘイズを大幅に低減できる。又、無機フィラー占有率の低下により、硫化樹脂層の耐性強度が向上することができる。

Claims (10)

  1. エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)、および、カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させてなる、1分子中に不飽和二重結合とチオール基とを有する樹脂(A)、および光重合開始剤(B)を含む感光性樹脂組成物。
  2. エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)が、オキシラン環も有している請求項記載の感光性樹脂組成物。
  3. 活性エネルギー線を照射後の屈折率が1.58以上である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. エポキシ化合物のエポキシ基を変換してなるチイラン環を有する樹脂(C)、および、カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させることを特徴とする感光性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物を、活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物。
  6. 屈折率が1.58以上である請求項記載の硬化物。
  7. プラスチック成形品、および請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物を積層してなる積層体。
  8. プラスチック成形品、および請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物を積層し 活性エネルギー線を照射する積層体の製造方法。
  9. プラスチック成形品、および請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物を積層し、さらに低屈折率層(E)を積層してなる反射防止膜。
  10. プラスチック成形品、および請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物を積層し、さらに低屈折率層(E)を積層してなる反射防止膜の製造方法。
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