JP4269182B2 - 印刷測色制御装置、印刷測色制御方法、印刷測色制御プログラムおよび印刷装置 - Google Patents
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Description
すなわち本発明によれば、印刷媒体への測色対象画像の印刷後において、測色部に測色対象画像を測色させる際の位置を自動的に計算し、この計算した位置に基づいて印刷媒体の搬送および測色部による測色を実行する。そのため、画像の印刷と測色とが一連の作業として実現されて非常に楽であるとともに、測色位置のずれもなくなり測色対象画像の正確な測色値を取得できる。
ここで本発明は、所定の画像データに基づいて測色対象画像を印刷媒体に印刷させる印刷制御手段と、印刷媒体の紙送り方向先の所定位置に配設された測色部と、印刷媒体の紙送り方向先の位置であって上記測色部よりも印刷媒体に対する印刷位置から遠い位置に配設された乾燥機と、印刷媒体上の測色対象画像を強制的に乾燥させる強制乾燥の指示を受けた場合に、印刷媒体上における測色対象画像の印刷位置に基づいて上記紙送り方向における測色対象画像と乾燥機との距離である第一距離を算出するとともに、測色対象画像を乾燥機から測色部まで搬送するために必要な上記紙送り方向における距離である第二距離を決定する決定手段と、測色対象画像を印刷した印刷媒体を上記第一距離に応じて上記紙送り方向に搬送し、かつ測色対象画像の強制乾燥がなされた後の印刷媒体を上記第二距離に応じて上記紙送り方向の逆方向に搬送する搬送手段と、上記乾燥機および測色部を制御可能であり、上記第一距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を乾燥機に乾燥させ、かつ上記第二距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を測色部に測色させることにより測色対象画像の測色値を取得する測色制御手段とを備える構成としてある。また、上記決定手段は、上記紙送り方向における、上記印刷制御手段が制御する印刷ヘッドと測色部との距離と、測色部と乾燥機との距離と、印刷ヘッドと印刷媒体の原点との距離と、印刷媒体の原点と印刷媒体上における測色対象画像との距離と、測色対象画像のサイズと、に基づいて上記第一距離を算出し、上記紙送り方向に略垂直な主走査方向における、所定の装置原点と印刷媒体の原点との距離と、上記装置原点と測色部の初期位置との距離と、印刷媒体の原点と印刷媒体上の測色対象画像の先頭位置および最終位置との各距離と、測色対象画像に関するサイズ情報と、に基づいて上記主走査方向における測色部の移動距離を算出し、上記測色制御手段は、当該移動距離に応じて測色部を上記主走査方向に移動させながら測色部に測色させる構成としてある。
むろん、上述した各装置が備える各手段に対応した工程を備える印刷測色制御方法や印刷方法の発明、さらには、各手段に対応した機能をコンピュータに実現させる印刷測色制御プログラムや印刷プログラムの発明をも把握することが可能である。
(1)本発明の実施形態の概略構成
(2)第1の実施例
(2‐1)合成画像の印刷処理/アプリケーション側
(2‐2)合成画像の印刷処理/プリンタ側
(2‐3)認証チャートの乾燥および測色処理/アプリケーション側
(2‐4)認証チャートの乾燥および測色処理/プリンタ側
(2‐5)認証処理
(2‐6)プリンタの専有について
(3)第2の実施例
(4)測色部位置の設定処理
(5)まとめ
図1は、印刷測色制御装置を構成するコンピュータ10およびプリンタ20を示している。またコンピュータ10およびプリンタ20は印刷装置制御システムを構成する。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。バス10aには、ROM12、RAM13、各種インターフェース(I/F)17a〜17cが接続され、ハードディスクドライブ(HDDRV)15を介してハードディスク(HD)14が接続されている。HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)14a等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され実行される。また、HD14は、各種画像を印刷するための画像データ14c〜14eや、後述する認証処理の際に基準値として使用する基準色彩値14f等を記憶するための記憶領域である。I/F17aには所定の画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、I/F17bにはキーボード18bやマウス18cが接続され、プリンタI/F17cには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
印刷ヘッド25aは、複数のインク種類(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンダ(Lm))に夫々対応する複数のインクカートリッジと、各インク種類に対応して設けられた複数のノズル列とからなり、インクカートリッジが充填したインクをノズル列からインク滴として吐出することで印刷用紙に画像を形成する。プリンタコントロールIC25は、ヘッド駆動部25bに対して、上記ラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。ヘッド駆動部25bは印加電圧データから印刷ヘッド25aの各ノズル列に内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターン(駆動波形)を生成して出力し、印刷ヘッド25aにインク種類毎のインク滴(ドット)を吐出させる。
なお、プリンタ20としては、サーマル式や昇華型など他の仕組みで印刷画像を形成するものや、ラインヘッド方式のプリンタを採用してもよい。
プリンタ20は、本体29の頭頂部付近に印刷用紙M(ロール紙M)を収容しており、この印刷用紙Mを本体29前方側に形成された斜面29aに略沿わせて図中の紙送り方向に搬送する。斜面29aの所定位置にはケーシング27が設置されている。ケーシング27内には印刷ヘッド25aが収容される。印刷ヘッド25aは不図示の上記ガイドレールに沿って、図2の表面に対して垂直な方向(上記主走査方向)に移動する。また、印刷ヘッド25aにはカッター25a1が取り付けられており、カッター25a1は印刷ヘッド25aとともに往復動する。斜面29a上であってケーシング27よりも紙送り方向下流の所定位置には、測色乾燥ユニット28が設置されている。測色乾燥ユニット28は内部に測色部26aおよび乾燥機26dを収容した部品であり、斜面29aの決まった位置に取り付けられる。印刷用紙Mは搬送される際、ケーシング27、測色乾燥ユニット28のそれぞれ下方を通過する。
一方、乾燥機26dは、紙送り方向先を向いた際の測色乾燥ユニット28の左右のうち右端に固定されている。ここで、乾燥機26dを測色部26aよりも下流側に設置したのは、乾燥機26aが発する熱の影響が印刷ヘッド25aに及ぶことを軽減するためである。つまり、印刷ヘッド25aが保持するインクは熱によってその色等を変化させてしまうため、かかる変化を防ぐため出来るだけ乾燥機26dを印刷ヘッド25aから離して設置している。
なお、印刷用紙Mを搬送するプリンタ20の面は図2のような斜面でなくてもよく、水平面であってもよい。
次に、印刷測色制御装置の構成を用いて実行可能な1つの実施例を説明する。
ここでは、例えば複数ページに渡るカラー刷りの刊行物を印刷することを想定し、ページ毎に、画像の印刷と印刷結果の特定部分の測色とを行う。そして、ページ毎に上記測色の結果が正常な色であるか否か判断し、肯定的な判断結果を得た場合にそのページが正常な色にて印刷されていることを認証する。
図5は、本実施例のうちコンピュータ10がAPL14aに基づいて実行する処理内容をフローチャートにより示している。
ステップS(以下、ステップの記載を省略。)100では、まずコンピュータ10は、ユーザの操作により印刷することを指示された画像(被認証画像)についての印刷設定画面(アプリケーション画面)をディスプレイ18aに表示し、当該アプリケーション画面を介して各種印刷条件を入力する。被認証画像は、上述の複数ページに渡るカラー刷りの刊行物に該当する画像である。
アプリケーション画面18a1では各種印刷条件を入力させるための表示を行う。ここでは、プリンタ種類(本実施例ではプリンタ20を選択)、被認証画像の印刷ページ数、用紙サイズ、給紙方法、オートカット(カッター25a1による用紙の切断)の有無、印刷用紙の上下左右端における各マージン、被認証画像に合成する認証チャートの種類、認証チャートの位置等を選択または設定させるための表示を行い、ユーザの入力操作に応じて各種印刷条件を取得する。またアプリケーション画面18a1では、入力された印刷条件に基づいて、印刷用紙の範囲とその中に配置される被認証画像と認証チャートの合成画像とを示したプレビュー表示18a11を行う。認証チャートを構成するパッチの縦横サイズ(hP,wP)、認証チャートの1行あたりのパッチ数(nP)、パッチ行数(mL)については認証チャートの種類毎に予め規定されているため、認証チャートを選択すれば自動的に決まる。
S110では、コンピュータ10は、HD14から被認証画像を表現した画像データである被認証画像データ14cのうち1ページ分の画像データを読み出す。
S115では、コンピュータ10は、上記印刷条件の入力時に選択された認証チャートを表現した画像データである認証チャート画像データ14dをHD14から読み出すとともに、この認証チャート画像データ14dとS110で読み出した1ページ分の被認証画像データ14cとを合成する。
同図に示すように、被認証画像データ14cは1〜nページ分の画像データからなる。コンピュータ10はこのうち1ページ分の画像データをページ番号の若い順に取り出し、取り出した認証画像データ14cと上記認証チャート画像データ14dとを、上記印刷条件の入力時に設定された認証チャートの位置xP,yPを参照して合成し、1ページ分の合成画像データを生成する。認証チャートは複数のカラーパッチPを連ねて成る画像であり、本実施例ではアプリケーション画面18a1において、複数のパッチPを1行連ねたチャートと2行連ねたチャートの2種類を選択可能としている。図7では2種類の認証チャートのうち、1行に形成された認証チャートにかかる認証チャート画像データ14dを合成する場合を例示している。
S120では、コンピュータ10は、上記合成画像データに基づく印刷をプリンタ20に対して指示する。
S200では、PRTDRV14bは、合成画像データを対象とした色変換処理を実行し、画素毎に、プリンタ20で用いるインク種類(本実施形態の場合、C,M,Y,K,Lc,Lm)毎の階調値で表現された画像データ(インクデータ)に変換する。本実施例では、合成画像データをドットマトリクス状の各画素がC,M,Y,K毎の階調値で表現されたデータ(CMYKデータ)としており、PRTDRV14bは、HD14に予め記録してある色変換ルックアップテーブル(LUT)を参照し、画素毎にCMYKデータをインクデータに変換する。色変換LUTはCMYKデータとインクデータとのそれぞれによって色を表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。なお、合成画像データが、各画素をsRGB規格に従ったRGB(レッド、グリーン、ブルー)毎の階調値で表現したデータである場合には、sRGB表色系とインクデータとの対応関係を規定した色変換LUTを用いて色変換処理を行なえばよい。
このようにS120にてプリンタ20に対し印刷コマンドを送信した後は、コンピュータ10は、S125においてプリンタ20へ測色指示を行うことになるが、ここでは測色についての説明を行う前に、上記印刷コマンドに対するプリンタ20側の処理を先に説明する。
図9は、本実施例のうちプリンタ20のプリンタコントロールIC25がプリンタコントローラに基づいて実行する処理の一部を示している。
コンピュータ10からプリンタ20に送信されるコマンドは通信I/F24を介してプリンタ20に入力されるとともに、全てプリンタコントロールIC25に入力されて、プリンタコントローラによる処理対象となる。
プリンタコントロールIC25は、コンピュータ10からのコマンドを受信(S300)すると、S305では、上記受信したコマンドが、専有コマンドと印刷コマンドとチャート定義コマンドと乾燥コマンドと測色コマンドとの何れであるか判別し、判別したコマンドの種類に応じて以後の処理を分岐する。
S400では、印刷コマンドが印刷領域定義コマンドと印刷位置更新コマンドと印刷データコマンドの何れであるか判別し、判別した印刷コマンドの種類に応じて以後の処理を分岐する。印刷領域定義コマンドを受信した場合には、S410においてプリンタコントロールIC25は、コマンドに含まれている画像領域情報を所定の記憶領域に保存する。画像領域情報とは、上記S100において取得した用紙サイズおよび上下左右端の各マージンを示す情報である。
画像領域の先頭位置は上記画像領域情報によって特定可能である。つまり画像領域の先頭位置は上下左右端の各マージンのうち、左マージン(例えば20mm)と上端マージン(例えば20mm)とによって特定可能であるから、上記S420では、xh=左マージンの値、yh=上端マージンの値と設定する。
プリンタ20は、印刷領域定義コマンドと1ページの合成画像を印刷するために必要な複数の印刷位置更新コマンドおよび印刷データコマンドとをコンピュータ10から所定の順序で受信することで、図11に示したような被認証画像と認証チャートとを含んだ合成画像を印刷できる。またこの意味で、プリンタ20は印刷制御手段を備えていると言える。
図5に戻って説明を続ける。
S125では、コンピュータ10はプリンタ20に対して認証チャートの測色指示を行うとともに、この測色指示に応じてプリンタ20が測色した認証チャートの測色値を取得する。測色指示とは、基本的にはチャート定義コマンドと乾燥コマンドと測色コマンドとを生成し送信する処理を言う。
S500では、コンピュータ10は、上記印刷された認証チャートの印刷用紙M内における位置等を定義したチャート定義情報(画像位置情報)を生成する。チャート定義情報は、用紙原点を基準とした認証チャートの先頭位置(xS,yS)および認証チャートの最終位置(xE,yE)のほか、パッチの縦横サイズ(hP,wP)、チャート1行あたりのパッチ数(nP)、パッチ行数(mL)等を定義したものとする。先頭位置(xS,yS)については、上記S100で入力した上端マージンと、左マージンと、認証チャートの先頭位置xP,yPによって定義できる。つまり、左マージンとxPとの和がxSであり、上端マージンとyPとの和がySである。縦横サイズ、パッチ数、パッチ行数は上述したように認証チャート毎に予め決められているので、コンピュータ10は上記S100で選択された認証チャートに対応して予め保存していた縦横サイズ、パッチ数、パッチ行数を読み出し、チャート定義情報の一部とする。最終位置(xE,yE)は、先頭位置(xS,yS)、縦横サイズ(hP,wP)、パッチ数(nP)、行数(mL)を適宜用いて算出する。xEは、xSとwP×nPとの和であり、yEは、ysとhP×mLとの和である。
S520では、コンピュータ10は乾燥コマンドを生成し、これをプリンタI/F17cを介してプリンタ20に対し送信する。本実施形態では乾燥コマンドとして、自然乾燥コマンドと強制乾燥コマンドとの何れかを生成する。自然乾燥コマンドは、印刷後の画像を所定時間そのまま自然乾燥させることを指示するものであり自然乾燥のための時間を規定した情報を備える。一方、強制乾燥コマンドは、印刷用紙Mを認証チャート部分が乾燥機26dの配設位置まで来るように搬送するとともに認証チャートを乾燥機26dによって強制的に乾燥させることを指示するものである。強制乾燥コマンドは、乾燥時間のほかヒータの温度やファンの風力などを規定した情報を備える。コンピュータ10は、自然・強制乾燥コマンドいずれを生成するかの選択や乾燥時間などの設定を、APL14aで使用する認証チャートの種類や印刷用紙の種類によってあらかじめ決められた値を用いて行なうか、またはユーザの入力操作に基づいて行う。
なお、図12の処理においては各コマンドを別々に生成、送信することは必須では無く、乾燥コマンドおよび測色コマンドについてはこれらを1つのコマンドとしてまとめて生成、送信しても良い。
S550では、コンピュータ10は、認証チャートの測色値の全てすなわち認証チャートを構成する全パッチについての測色値を受信したか否か判断し、全ての受信を完了したと判断した場合、S560では上記受信した各パッチの測色値をHD14に保存する。
このようにS125にてプリンタ20から認証チャートの測色値を受信した後は、コンピュータ10は、S130以降において印刷結果の認証処理を行うことになるが、ここではS130以降の説明を行う前に、チャート定義コマンド、乾燥コマンド、測色コマンドに対するプリンタ20側の処理を先に説明する。
上述したように、コンピュータ10からプリンタ20に送信されるコマンドは通信I/F24を介してプリンタ20に入力されるとともに、全てプリンタコントロールIC25に入力されて、プリンタコントローラによる処理対象となる。
図9を再度用いて説明をすると、チャート定義コマンドを受信した場合、プリンタコントロールIC25は、S300,305を経て、S310において、チャート定義コマンドからチャート定義情報を抽出し、抽出したチャート定義情報を所定の記憶領域に保存する。チャート定義情報は、後述の強制乾燥処理や測色処理の際に必要となる情報であるため、コンピュータ10は乾燥コマンドと測色コマンドの送信に先立ってチャート定義コマンドを送信し、プリンタ20はチャート定義情報を取得しておく。
S330では、プリンタコントロールIC25は、認証チャートを乾燥機26dによって強制的に乾燥させるために必要な印刷用紙Mの搬送距離D1をチャート定義情報等に基づいて計算する。強制乾燥を行う場合には、印刷用紙Mを測色部26aまで搬送する過程で先に乾燥機26dに対して搬送する必要がある。この意味で、搬送距離D1は測色対象画像(認証チャート)と測色部との距離の一部分と言える。
同図では測色乾燥ユニット28を乾燥範囲HRと測色範囲MRに分けて表示している。乾燥範囲HRとは乾燥機26dによって一度に乾燥可能な範囲を言い、乾燥機26dは印刷用紙Mに印刷された複数のパッチ行分(図13では2行分)に相当する範囲を一度に乾燥させることができる。同図では説明を容易とするために、乾燥範囲HRを範囲R1と範囲R2に分けており、乾燥対象の認証チャートのパッチが2行である場合には、1行目が範囲R1に位置し2行目が範囲R2に位置するように印刷用紙Mを搬送する。一方、測色範囲MRは測色部26aを主走査方向に移動させたときに測定可能な範囲であり、測色部26aは主走査方向への一度の移動で1行分のパッチを測色可能である。
D1=dHM+dMD−(yH−yS)+hP/2 …(1)
dHMは、紙送り方向における印刷ヘッド25aと測色部26aの色検出部26a1との距離である。プリンタ20の製品設計上、dHMは基本的には決まっている。しかし実際には、測色乾燥ユニット28を斜面29aに取り付けた際の微妙な取付位置の誤差が各プリンタ20毎に発生し得る。そこでプリンタ20は、自己が備える印刷ヘッド25aと測色部26a(色検出部26a1)との距離を計算し、この計算によって得た距離をdHMとする。ここでは、プリンタ20は既に自機のdHMを取得済みであるとして説明を続ける。dHMの取得方法については後述する。
yHは、現時点での紙送り方向における印刷ヘッド25aから用紙原点(用紙先頭)までの距離である。プリンタコントロールIC25は、紙送り機構25dによる印刷用紙Mの搬送距離を紙送りローラの回転数などに基づいて算出可能であるため、合成画像を印刷した過程で紙送り機構25dに印刷用紙Mをどれだけの距離搬送させたか算出し、この算出した距離に基づいて、合成画像印刷後における印刷ヘッド25aから用紙先頭までの距離yHを特定する。yHは媒体位置情報の一種である。ySは上述したように、紙送り方向における認証チャートの先頭位置から用紙原点までの距離であり、hPは認証チャートを構成するパッチの縦(紙送り方向)の長さである。
S340では、プリンタコントロールIC25は強制乾燥コマンドを測色コントロールIC26に送信する。各コマンドを受けての上述の処理はいずれもプリンタコントロールIC25が実行するものであったが、強制乾燥コマンドを受けた場合には乾燥機26dの制御が必要となるため、プリンタコントロールIC25から測色コントロールIC26に受け渡す。
測色コントロールIC26は、プリンタコントロールIC25からコマンドを受信(S600)すると、S605でコマンドが強制乾燥コマンドと測色コマンドとの何れであるか判別し、判別したコマンドの種類に応じて以後の処理を分岐する。
強制乾燥コマンドを受信した場合、測色コントロールIC26はS610では、押さえ板駆動機構26cに指示を出し、上記押さえ板28aを降下させて測色乾燥ユニット28下の印刷用紙Mを押さえさせる。強制乾燥時に押さえ板28aによって印刷用紙Mを押さえる目的は、紙浮きを押さえて温風を均一に当て、また、温風が印刷ヘッド25a側に溢れないように壁を作るためである。ただしS610の処理は必須ではなく、S605の判別の後、S610をスキップしてS615に進んでも良い。
S620では、測色コントロールIC26は、強制乾燥コマンドが規定している乾燥時間が乾燥処理開始から経過しているか否か判断し、未経過の場合には乾燥処理を続行し、経過した場合には、S625において、乾燥機26dに指示を出して乾燥処理を終了させる。S630では押さえ板駆動機構26cに指示を出して押さえ板28aを上昇させ、印刷用紙Mを搬送可能な状態に戻す。
上述したように乾燥機26dは一度に複数行にかかるパッチを乾燥させることができるため、認証チャートが複数のパッチ行によって構成されている場合でも、各行を乾燥機26dで乾燥させるために細かい搬送距離で何度も印刷用紙Mを動かす必要がなく、乾燥処理を短時間かつ単純に終わらせることができる。
測色コマンドを受信した場合、プリンタコントロールIC25はS300,305を経て、S345において上記チャート定義情報を読み出す。
次に、S350では、認証チャートのうち測色対象とする行を1つ設定する。最初は1行目を測色対象行として設定する。
S355では、プリンタコントロールIC25は、測色対象行を測色部26aに測色させるために必要な印刷用紙Mの搬送距離D2をチャート定義情報等に基づいて算出する。ここで、認証チャートの1行目の測色のための搬送距離D2は、上記受信した乾燥コマンドが自然乾燥コマンドか強制乾燥コマンドかによって異なる。自然乾燥コマンドを受信していた場合、S355の時点では印刷用紙Mは図13に示す位置にある。一方強制乾燥コマンドを受信していた場合、S355の時点では、印刷用紙Mは認証チャートが乾燥機26dの乾燥範囲HRに収まる位置に搬送された状態にある。
D2=dHM−(yH−yS)+hP/2 …(2)
一方、強制乾燥コマンドを受信していた場合、プリンタコントロールIC25は、認証チャートの1行目の測色のための搬送距離D2=−dMDと設定する。
なお、認証チャートの2行目以後の測色はパッチの縦の長さ分だけ用紙を搬送すればよいので、測色対象行が認証チャートの2行目以降であるときには、搬送距離D2=hPと設定する。
S365では、プリンタコントロールIC25は測色コマンドを測色コントロールIC26に送信する。この場合、プリンタコントロールIC25はチャート定義情報とともに測色コマンドを送信する。この結果、測色コントロールIC26の側で測色コマンドに応じた処理を行うことが可能となる。
S380では、認証チャートの全てのパッチ行について測色値の保存を終了したか否か判断し、未処理のパッチ行がある場合にはS350に戻り、測色対象行を未処理の行に設定し、S375までの処理を繰り返す。一方、全ての行について測色値の保存を終了した場合にはプリンタコントロールIC25は、認証チャートを構成する全てのパッチの測色値を通信I/F24を介してコンピュータ10に送信する。
測色コントロールIC26は、測色コマンドを受信した場合S600,605を経て、S635において押さえ板駆動機構26cに指示を出し、上記押さえ板28aを降下させて測色乾燥ユニット28下の印刷用紙Mを押さえさせる。S640では、測色コントロールIC26は測色部26aにキャリブレーションを実行させる。本実施形態では、初期位置に待機する測色部26aの色検出部26a1と相対する位置に、完全白色板としての白タイルを設置しており、測色処理を開始するにあたってまず測色部26aに当該白タイルを測色させる。測色部26aは、白タイルの測色結果と予めデータとして備えている当該白タイルの測色結果の基準値とを比較して両値の差異を取得し、この差異に基づいて測色部26aは測色結果に対する補正値を生成する。以降、測色部26aは測色によって取得した測色値を当該補正値によって補正した上で、測色コントロールIC26に出力することになる。
D3=xS+x0−dxM+wP/2 …(3)
x0は、図13に示すように、プリンタ20のメカ原点から用紙原点までの主走査方向における距離を表している。プリンタ20は、機体の特定位置をメカ原点として予め定めている。プリンタ20は、印刷用紙Mがプリンタ20にセットされたときに所定のセンサによって用紙原点を検出するとともに、メカ原点から上記検出した用紙原点までの主走査方向における距離x0を計算し、所定の記憶領域にデータとして保存しておく。距離x0は、媒体位置情報の一種である。
一方、移動距離D4は認証チャートの主走査方向における長さであるため、式(4)
D4=xE−xS …(4)
によって算出できる。
なお本実施形態において使用した上記各式については、計算結果の意味するところが同じならば他の式を代わりに使用しても良い。
S655では、測色コントロールIC26は、測色部26aに対して測色を開始することを指示する開始コマンドを送信し、測色部26aに認証チャートの1行分の測色を開始させる。このとき同時に、測色部移動機構26bに対して、移動距離D4の分だけ測色部26aを主走査往路方向に移動させることを指示する。上記開始コマンドには、測色コマンドが指定している測色のための各種条件(測色結果の出力形式(Lab)や、印刷用紙Mの背景色や、色検出部の視野角、測色周期などの条件。)を含むものとし、かかる各種条件も測色部26aに対して指示する。測色周期は測色部移動機構26bによって測色部26aが1パッチ幅wPを通過する時間であり、測色部26aの移動速度とパッチ幅wPから計算される。
S665では、測色コントロールIC26は測色部26aに1行分の全パッチを測色させたか否か判断する。当該判断は、例えば測色部移動機構26bから、測色部26aの移動距離D4分の移動を終えたことを知らせる信号を受けることによって可能である。測色部26aに1行分の全パッチを測色させたと判断した場合には、測色コントロールIC26は、測色部26aに測色した測色値を出力させ、これを所定の記録領域に保存する(S670)。
図5に戻って説明を続ける。
S130では、コンピュータ10は、上記S125でプリンタ20から取得した認証チャートの各パッチの測色値について、それぞれ基準色彩値(Lab値)14fとの色差ΔEを算出するとともに、これら算出した各パッチについての色差ΔEの平均値(平均色差ΔEav)を算出する。コンピュータ10は、ユーザによって選択された認証チャートを構成する各パッチについての理想的な色彩値を予め基準色彩値14fというデータとしてHD14に記憶しているため、HD14から基準色彩値14fを読み出して、対応するパッチの測色値と対比する。
S140では、コンピュータ10は、合成画像の画像領域内の所定位置に印刷が正常であった旨を示す認証結果を印刷することを、プリンタ20に対して指示する。
S700では、コンピュータ10は、認証結果を表した認証結果画像データを生成する。例えばコンピュータ10は、“認証済み 平均ΔE=○○ 最大ΔE=○○”と記述(○○の中には上記平均色差ΔEav、最大色差ΔEmaxをそれぞれ記述)したテキストデータを生成し、このテキストデータをRGBの画像データに変換する。
S710では、コンピュータ10は認証結果の印刷位置を設定する。認証結果の印刷位置とは、上記合成画像の画像領域の原点を基準とした、XY方向それぞれにおける認証結果の先頭位置までの距離である。認証結果は、上記合成画像の画像領域中であって被認証画像および認証チャートに重ならない位置に印刷するものであるから、コンピュータ10は、合成画像データ内における被認証画像と認証チャートの位置を参照して、認証結果の印刷位置を自動的に選択し設定してもよい。あるいは、ユーザの指示を受けて設定してもよい。
S730では、コンピュータ10は認証結果画像データに基づいて印刷コマンドを生成し、この印刷コマンドをプリンタ20に対して送信する。ここでは、認証結果画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の画像処理を施して認証結果を印刷させるためのラスタデータを生成する。また、上記設定した認証結果の印刷位置および用紙の上端マージン、左マージンに基づいて、用紙原点を基準とした印刷用紙M上での認証結果の印刷開始位置を規定した位置情報を生成する。そして、ラスタデータおよびこの位置情報を含んだ印刷コマンドを生成し、これをプリンタ20に送信する。
S740では、コンピュータ10は、認証結果を印刷した後の印刷用紙Mを、用紙先頭から用紙サイズ(S100において設定された用紙サイズ)に相当する位置(用紙カット位置)でカッター25a1に切断させるための用紙切断コマンドをプリンタ20に送信する。
プリンタ20はバックフィードコマンドを受信した場合、紙送り機構25dに指示を出し、認証チャートが測色範囲MRに位置している状態にある印刷用紙Mをその用紙先頭が所定の給紙初期位置まで戻るように印刷用紙Mをバックフィードさせる。印刷コマンドを受信した場合、コマンドに含まれている認証結果の位置情報が示す認証結果の印刷開始位置に印刷ヘッド25aが位置するように、紙送り機構25dとキャリッジ機構25cに指示を出して印刷用紙Mの搬送および印刷ヘッド25aの移動を実行させるとともに、ヘッド駆動部25bも制御して当該開始位置から上記ラスタデータに基づいて認証結果の印刷を実行する。なお、バックフィードの際、印刷用紙Mをその用紙先頭が給紙初期位置に来る位置まで戻すのではなく、上記測色時の位置から、印刷ヘッド25aの主走査経路下に認証結果の印刷開始位置が来る位置に、ダイレクトに戻すとしてもよい。
この結果、図16に示すような被認証画像と認証チャートと認証結果とを1つの画像領域に印刷した印刷物が、ロール紙Mから切断された状態で得られる。カッター25a1は、不使用時には印刷ヘッド25aの所定部位内に収容されており、用紙を切断するときだけ外部に露出させるものとする。
一方S145では、コンピュータ10は、合成画像の画像領域内の所定位置に印刷が異常であった旨を示す認証結果を印刷することを、プリンタ20に対して指示する。例えばコンピュータ10は、プリンタ20に“認証不可 平均ΔE=○○ 最大ΔE=○○”という認証結果を印刷させる。S145の処理はS140の処理と比べて、プリンタ20に印刷させる認証結果の文字が異なるだけなので説明は省略する。
S145の次のステップとして、コンピュータ10はS150において、プリンタ20に対して所定の回復動作を指示する。つまり、プリンタ20の色再現特性が理想とずれているのでそのずれの原因を解消させる。回復動作は種々考えられるが一例として、プリンタ20に印刷ヘッド25aのノズルのクリーニング処理等を実行させて色再現特性を正常に戻す。むろん、コンピュータ10はディスプレイ18aに所定の警告表示を出すなどして、ユーザにプリンタ20に対する必要なメンテナンスを促しても良い。
S155では、コンピュータ10は、HD14に記憶されている被認証画像データ14cの全てのページについて、正常な認証結果を得られたか判断し、未処理のページが残っている場合にはS110に戻って、被認証画像データ14cのうち未処理の1つのページにかかる分の画像データを読み出す。
このように本実施例によれば、ユーザは、複数ページに渡るカラー刷りの刊行物に代表される被認証画像の全ページの印刷結果を、その印刷色が正常であることが認証されかつページ毎に切断された状態で取得することができる。
次に、上記専有コマンドを用いたコンピュータ10によるプリンタ20の専有について説明する。
図17は、コンピュータ10(APL14a)から専有コマンドを受信したプリンタ20が実行する処理をフローチャートにより示している。
S800では、プリンタ20は受信した専有コマンドが専有開始コマンドと専有解除コマンドとJOB情報要求コマンドとの何れであるか判別し、判別したコマンドの種類に応じて処理を分岐する。
専有解除コマンドを受信した場合には、S830においてプリンタ20は、上記特定の記憶領域に保存していたI/F名を消去する。かかる消去後プリンタ20は、上記消去したI/F名にかかるI/F(通信I/F24)を介して専有開始コマンドの受信から専有解除コマンドの受信の間に受信した各コマンドに応じて実行した処理の内容を記したJOB情報を、所定の記憶装置に保存する(S840)。JOB情報とは、印刷から測色の完了までに要した時間や、印刷物の枚数、ロール紙Mの使用長さ、インク使用量、上記認証結果の内容などが該当する。JOB情報はS820で保存したJOB名と対応付けて保存しておいてもよい。
プリンタ20は、上記特定の記憶領域にI/F名が保存されているか否かを常時判断しており(S900)、保存されている場合には当該保存されているI/F名にかかるI/Fを受信I/Fとして指定し(S970)、この指定したI/Fだけからコマンドを受信する(S980)。すなわち、プリンタ20はいずれかの指示出力元から専有開始コマンドを受信した後は、当該専用開始コマンドを受信したI/F名を保存するとともにこの保存にかかるI/Fのみを用いて外部からコマンドを受信する。このようなI/Fの限定は、上記保存にかかるI/Fを介して専有解除コマンドを受信し、上記特定の記憶領域からI/F名を消去しない限り継続する。
なお、APL14aが専有開始コマンドを送信した後、種々の要因によってコンピュータ10やAPL14aにエラーが発生し、APL14aが専有解除コマンドをプリンタ20に送信できない事態も考えられる。そこで、プリンタ20は、専有開始コマンドを受信した後、所定の時間(例えば、被認証画像の全てについての印刷と認証チャートの測色を終えるために充分な時間として設定された時間)が経過した場合には、リセット信号を自ら生成するとしてもよい。当該リセット信号を生成した場合には、プリンタ20は、専有解除コマンドを受信した場合と同様の状況であるとみなし、上記特定の記憶領域に保存していたI/F名を消去する。また、プリンタ20は、上記所定の時間の経過に基づく判断に加え或いは代えて、専有開始コマンドを受信した後にユーザから所定の操作をされた場合に上記リセット信号を生成して上記特定の記憶領域に保存していたI/F名を消去するとしてもよい。かかる構成とすることで、一つの指示出力元によってプリンタ20が不当に専有され続けることを防止できる。また、ユーザが所望したタイミングにて容易にAPL14aによるプリンタ20の専有状態を解くことができる。
印刷測色制御装置の構成を用いて実行可能な第2の実施例(以下、本実施例と言う。)について説明する。本実施例は上記第1の実施例と多くの部分で共通するため、以下では第1の実施例と異なる部分について重点的に説明する。
図19は、本実施例においてプリンタ20に印刷用紙Mに印刷させたチャート画像を示している。チャート画像は、主走査方向および紙送り方向それぞれに複数のカラーパッチPを並べてなるチャート領域とチャート領域の周囲を取り囲む印刷安定化領域とによって構成された画像である。コンピュータ10は、プリンタ20に当該チャート画像の印刷から各パッチPの測色までの一連の処理を実行させる。
コンピュータ10は、プリンタ20に対して専有開始コマンドを送信した後(S1000)、S1010では、チャート画像データ14eに基づく印刷をプリンタ20に対して指示する。
S1100では、コンピュータ10は、ユーザの操作に基づいてチャート画像の印刷設定画面(アプリケーション画面)をディスプレイ18aに表示し、当該アプリケーション画面を介して各種印刷条件を入力する。
図22はアプリケーション画面の一例を示している。アプリケーション画面18a2でもアプリケーション画面18a1と同じように印刷条件を入力させるための表示を行い、用紙サイズや、用紙の上下左右端における各マージン、チャートの種類などをユーザの入力操作に応じて取得する。チャートを構成するパッチの縦横サイズ(hP,wP)、1行あたりのパッチ数(nP)、パッチ行数(mL)、チャート領域の位置(xP,yP)はチャートの種類毎に予め決まっており、チャートを選択すれば自動的に決まる。位置(xP,yP)は、チャート画像の画像領域の原点(画像領域の先頭位置)を基準としたチャート領域の先頭位置PSを意味する。また、アプリケーション画面18a1と同様に、印刷用紙中に配置されるチャート画像のプレビュー表示18a21も行われる。
次にAPL14aは、PRTDRV14bを起動させ、チャート画像データ14eをPRTDRV14bに受け渡し、PRTDRV14bにチャート画像データ14eを対象とした色変換処理(S1120)、ハーフトーン処理(S1130)、ラスタライズ処理(S1140)、さらには印刷コマンドの生成および送信処理(S1150)を実行させる。
本実施例のチャート定義コマンドは、チャート画像のうちのチャート領域の印刷用紙M内における位置等を定義したチャート定義情報(画像位置情報)を有している。チャート定義情報は、用紙原点を基準としたチャート領域の先頭位置(xS,yS)およびチャート領域の最終位置(xE,yE)のほか、パッチの縦横サイズ(hP,wP)、パッチ数(nP)、パッチ行数(mL)等を定義したものとする。先頭位置(xS,yS)は、上記S1100で入力した上端マージンと、左マージンと、チャート位置(xP,yP)によって定義できる。パッチの縦横サイズ、パッチ数、パッチ行数については、ユーザが選択したチャート画像に対応して予め保存していた縦横サイズ、パッチ数、パッチ行数を読み出し、チャート定義情報の一部とする。最終位置(xE,yE)は、xEはxSとwP×nPとの和であり、yEはysとhP×mLとの和である。
測色コマンドは、印刷用紙Mをそのチャート領域の各行が測色部26aの移動経路下に順次位置するように搬送し、かつチャート領域の各行を測色部26aに測色させることをプリンタ20に指示するものである。
S1030では、コンピュータ10はプリンタ20に専有解除コマンドを送信してプリンタの専有状態を解いて処理を終了させる。
次に、上記dHM(紙送り方向における印刷ヘッド25aと測色部26aの色検出部26a1との距離)の設定方法について説明する。当該処理は上記各実施例を実行する前に行っておくのが望ましい。
図23は、印刷測色制御装置の構成を用いて実行可能な測色部位置の設定処理をフローチャートにより示している。
S1200では、印刷測色制御装置は、所定の測色部位置確認用画像データに基づいて、印刷用紙に左右のパッチを印刷する。ここで言う左右とは、紙送り方向先を向いたときの左右である。測色部位置確認用画像データは、印刷用紙上の中央を挟んで左側と右側の位置であって紙送り方向における位置が一致する2箇所にそれぞれ同じ大きさの黒の矩形パッチを印刷させるための画像データである。つまりコンピュータ10は、測色部位置確認用画像データをラスタデータに変換するとともに、これをプリンタ20に送信し、プリンタ20に当該ラスタデータに基づいた印刷を実行させる。
S1205ではプリンタ20は、印刷用紙Mを、左右のパッチPL,PRよりも色検出部26a1の口径1個分ほど用紙先頭側に離れた紙上の位置(測色開始位置)が、測色部26aの移動(走査)経路下に来るように紙送り方向に搬送する。
S1225では、プリンタ20は目的のライン数(n)分の測色を完了したか否か判断し、目的のライン数に達していない場合はS1210に戻って処理を繰り返す。目的のライン数とは、左右のパッチPL,PRを含む紙面上の一定範囲を測色するための測色部26aの走査の本数であり、かかるライン数は右左のパッチPL,PRの縦の長さと上記微小距離などに応じて予め設定されている。
同様にプリンタ20は、S1235において、左パッチPR周辺の測色結果に基づき、印刷ヘッド25aから、最小のL値が得られた紙面上の位置までの紙送り方向における距離(ヘッド‐測色部距離2)を求める。
一方、同図(b)の場合では、各ラインで測色された右パッチPRと左パッチPLのL値は略一致している。このように最小L値を獲得したラインが右パッチPRと左パッチPLとで一致している場合は、印刷ヘッド25aの走査方向に対して測色部26aの走査方向が平行であるとみなせる。
このように本発明によれば、プリンタ20に各種指示を出すアプリケーションがプリンタ20に対して、印刷コマンド、チャート定義コマンド、乾燥コマンド、測色コマンド、を出力すると、プリンタ20は印刷コマンドを受けて所定の画像を印刷する。そしてプリンタ20は、乾燥コマンドや測色コマンドを受けて、チャート定義コマンドに定義された印刷用紙上における測色対象画像の位置等の情報を用いて印刷用紙の搬送距離を自動的に計算し、この計算した距離に応じて乾燥機26dや測色部26aに対して印刷用紙を搬送し、かつ、乾燥機26dによる強制乾燥を行なったり、チャート定義コマンドに定義された測色対象画像の位置等の情報に基づいて測色部26aの移動距離を計算し当該計算した移動距離に応じて測色部26aを移動させながら測色処理を実行する。
つまり発明を用いれば、ユーザは上記アプリケーション画面にて所定の入力をするだけで後は自動的に、画像の印刷、乾燥、測色、測色値の取得という一連の作業を正確かつ短時間で実行させることができる。また、上記一連の作業中においては、コンピュータ10のAPL14aがプリンタ20を専有しているため、他の指示出力元からの割込みで上記一連の作業が中断してしまうことも無い。
Claims (6)
- 所定の画像データに基づいて測色対象画像を印刷媒体に印刷させる印刷制御手段と、
印刷媒体の紙送り方向先の所定位置に配設された測色部と、
印刷媒体の紙送り方向先の位置であって上記測色部よりも印刷媒体に対する印刷位置から遠い位置に配設された乾燥機と、
印刷媒体上の測色対象画像を強制的に乾燥させる強制乾燥の指示を受けた場合に、印刷媒体上における測色対象画像の印刷位置に基づいて上記紙送り方向における測色対象画像と乾燥機との距離である第一距離を算出するとともに、測色対象画像を乾燥機から測色部まで搬送するために必要な上記紙送り方向における距離である第二距離を決定する決定手段と、
測色対象画像を印刷した印刷媒体を上記第一距離に応じて上記紙送り方向に搬送し、かつ測色対象画像の強制乾燥がなされた後の印刷媒体を上記第二距離に応じて上記紙送り方向の逆方向に搬送する搬送手段と、
上記乾燥機および測色部を制御可能であり、上記第一距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を乾燥機に乾燥させ、かつ上記第二距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を測色部に測色させることにより測色対象画像の測色値を取得する測色制御手段とを備えることを特徴とする印刷測色制御装置。 - 上記決定手段は、上記紙送り方向における、上記印刷制御手段が制御する印刷ヘッドと測色部との距離と、測色部と乾燥機との距離と、印刷ヘッドと印刷媒体の原点との距離と、印刷媒体の原点と印刷媒体上における測色対象画像との距離と、測色対象画像のサイズと、に基づいて上記第一距離を算出し、上記紙送り方向に略垂直な主走査方向における、所定の装置原点と印刷媒体の原点との距離と、上記装置原点と測色部の初期位置との距離と、印刷媒体の原点と印刷媒体上の測色対象画像の先頭位置および最終位置との各距離と、測色対象画像に関するサイズ情報と、に基づいて上記主走査方向における測色部の移動距離を算出し、上記測色制御手段は、当該移動距離に応じて測色部を上記主走査方向に移動させながら測色部に測色させることを特徴とする請求項1に記載の印刷測色制御装置。
- 測色部によって取得された測色対象画像の測色値と予め備えた測色対象画像の基準色彩値とを比較し、当該比較結果に基づいて上記印刷制御手段による印刷処理が正常に行われたか否かを判断する判断手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷測色制御装置。
- 所定の画像データに基づいて測色対象画像を印刷媒体に印刷させる印刷制御工程と、
印刷媒体上の測色対象画像を強制的に乾燥させる強制乾燥の指示を受けた場合に、印刷媒体の紙送り方向先の所定位置に測色部が配設されかつ当該紙送り方向先の位置であって測色部よりも印刷媒体に対する印刷位置から遠い位置に乾燥機が配設されている状況において、印刷媒体上における測色対象画像の印刷位置に基づいて上記紙送り方向における測色対象画像と乾燥機との距離である第一距離を算出するとともに、測色対象画像を乾燥機から測色部まで搬送するために必要な上記紙送り方向における距離である第二距離を決定する決定工程と、
測色対象画像を印刷した印刷媒体を上記第一距離に応じて上記紙送り方向に搬送し、かつ測色対象画像の強制乾燥がなされた後の印刷媒体を上記第二距離に応じて上記紙送り方向の逆方向に搬送する搬送工程と、
上記第一距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を上記乾燥機に乾燥させ、かつ上記第二距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を上記測色部に測色させることにより測色対象画像の測色値を取得する測色制御工程とを備えることを特徴とする印刷測色制御方法。 - 所定の画像データに基づいて測色対象画像を印刷媒体に印刷させる印刷制御機能と、
印刷媒体上の測色対象画像を強制的に乾燥させる強制乾燥の指示を受けた場合に、印刷媒体の紙送り方向先の所定位置に測色部が配設されかつ当該紙送り方向先の位置であって測色部よりも印刷媒体に対する印刷位置から遠い位置に乾燥機が配設されている状況において、印刷媒体上における測色対象画像の印刷位置に基づいて上記紙送り方向における測色対象画像と乾燥機との距離である第一距離を算出するとともに、測色対象画像を乾燥機から測色部まで搬送するために必要な上記紙送り方向における距離である第二距離を決定する決定機能と、
測色対象画像を印刷した印刷媒体を上記第一距離に応じて上記紙送り方向に搬送し、かつ測色対象画像の強制乾燥がなされた後の印刷媒体を上記第二距離に応じて上記紙送り方向の逆方向に搬送する搬送機能と、
上記第一距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を上記乾燥機に乾燥させ、かつ上記第二距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を上記測色部に測色させることにより測色対象画像の測色値を取得する測色制御機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする印刷測色制御プログラム。 - 入力した画像データに基づいて測色対象画像を印刷媒体に印刷する印刷制御手段と、
印刷媒体の紙送り方向先の所定位置に配設された測色部と、
印刷媒体の紙送り方向先の位置であって上記測色部よりも印刷媒体に対する印刷位置から遠い位置に配設された乾燥機と、
印刷媒体上の測色対象画像を強制的に乾燥させる強制乾燥の指示を受けた場合に、印刷媒体上における測色対象画像の印刷位置に基づいて上記紙送り方向における測色対象画像と乾燥機との距離である第一距離を算出するとともに、測色対象画像を乾燥機から測色部まで搬送するために必要な上記紙送り方向における距離である第二距離を決定する決定手段と、
測色対象画像を印刷した印刷媒体を上記第一距離に応じて上記紙送り方向に搬送し、かつ測色対象画像の強制乾燥がなされた後の印刷媒体を上記第二距離に応じて上記紙送り方向の逆方向に搬送する搬送手段と、
上記乾燥機および測色部を制御可能であり、上記第一距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を乾燥機に乾燥させ、かつ上記第二距離に応じて搬送された後の印刷媒体上の測色対象画像を測色部に測色させることにより測色対象画像の測色値を取得する測色制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
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