JP4267966B2 - 車両用サブフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーユニットとラジエータとを支持する車両用サブフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体の前後には、それぞれサブフレームが設置されている(例えば、特許文献1)。
そのサブフレームは、車両の前後方向に延設した左右のサイドメンバと、この左右のサイドメンバの前端部および後端部に連結し車両の車幅方向の延設した前後のクロスメンバと、を略井桁状に形成した骨格部材からなる。
特許文献1に開示されているように、車体の後部に設置されるリヤサブフレームには、例えば、燃料タンクやリヤサスペンション等が設置されている。
【0003】
また、車体の前部に設置されるフロントサブフレーム(以下、単に「サブフレーム」という)は、例えば、FF車の場合、エンジンおよびトランスミッション等からなるパワーユニットや、吸気系機器や、サスペンションや、ステアリングギヤボックス等が設置されている。MR車の場合、そのサブフレームには、パワーユニットや、吸気系機器や、サスペンション等が設置されている。また、ミッドシップ車の場合、パワーユニットは車体の中央部に設置され、ラジエータは車体の前端部または後部の左右に設置されている。
【0004】
図10は、従来の車両に設置されるラジエータとパワーユニットの組み付け状態を示す分解斜視図である。
図10に示すように、パワーユニット100は、サブフレーム110に載設され、このサブフレーム110を車体120の左右に設置されたサイドフレーム130,130にボルト・ナットで固定することにより、車体120に組み付けられている。パワーユニット100の前方には、エンジンルーム140の車体前部を形成するラジエータサポートパネル150およびラジエータグリル160が設置され、それらによってラジエータ170に外気をスムーズに送ることができるようにしている。ラジエータ170は、そのラジエータサポートパネル150のエンジンルーム140側に配置されるとともに、ラジエータ170の上端部がブラケット180を介してラジエータサポートパネル150に固定され、ラジエータ180の下端部がエンジンルーム140の底面を構成する車体120にねじ止めされている。このラジエータ170とパワーユニット100とは、パワーユニット100を冷却させるための冷却水を循環パイプ190で繋がっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−169360号公報(第3〜4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すように、パワーユニット100はサブフレーム110に設置され、ラジエータ170は車体120のラジエータサポートパネル150に設置されていることにより、パワーユニット100とラジエータ170は同じエンジンルーム140内に配置されるものであるが、全く別な部材に設置されている。したがって、ラジエータ170とパワーユニット100は、サブフレーム110等とともに一緒にエンジンルーム140に設置することができないため、組み付け作業の作業性が悪く、かつ組み付け工数がかかるという問題点があった。
また、ラジエータ170は、エンジンルーム140を構成するラジエータサポートパネル150およびラジエータグリル160の内側に設置されている。これにより、ラジエータ170を車体120に組み付けるときと、ラジエータ170とパワーユニット100とにパイプ190を組み付けるときに、エンジンルーム140の内壁等が邪魔となって、その組み付け作業が行い難いという問題点があった。
【0007】
ところで、FF式フロント型ミッドシップ車においては、ラジエータが車体の先端部に設置され、パワーユニットが車体の中央部に設置されて、ラジエータとパワーユニットが車体を形成する全く別の部材に設置されている。このため、ラジエータとパワーユニットは、互いに離れた位置に設置されることにより、組み付け作業性が悪く、組み付け工数がかかるという問題点があった。
【0008】
RR式ミッドシップ車においては、ラジエータが車体の左右の外壁を形成するクォータパネルの内側に設置されて、パワーユニットがリヤサブフレームに設置されている。このため、ラジエータとパワーユニットは、互いに全く別な部材に設置されることにより、組み付け作業性が悪く、組み付け工数がかかるという問題点があった。
【0009】
サブフレームは、このサブフレームに載設される機器を効率良く設置することができるとともに、衝突時に衝撃力を吸収する緩衝性と剛性とを備えていることが望まれる。
【0010】
本発明の課題は、パワーユニットとラジエータとの組み付け工数を削減した車両用サブフレームを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用サブフレームは、パワーユニットを支持し、車体に取り付けられるサブフレームであって、前記サブフレームは、前記パワーユニットが設置され平面視して略井桁状の骨格を形成する第1井桁部と、前記ラジエータが設置され前記第1井桁部の後方側に連設するとともに、平面視して略井桁状の骨格を形成する第2井桁部と、から構成されて、前記第1井桁部は、略コ字状の管状部材からなる第1サイドクロスメンバを有し、前記第2井桁部は、略コ字状の管状部材からなる第2サイドクロスメンバを有するとともに、前記第1サイドクロスメンバが当該第2井桁部の一部を構成することを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ラジエータは、パワーユニットとともにサブフレームに設置されることにより、そのパワーユニットと略同じ時間工程でサブフレームに組み付けることができるため、作業効率が向上し、組み付け工数を削減することができる。また、ラジエータとパワーユニットとが、同じサブフレームに設置されることにより、そのサブフレームを車体に取り付ければ、ラジエータとパワーユニットとを一度に車体に設置することができる。このため、ラジエータの組み付け工数が削減できるとともに、ラジエータの組み付け作業の作業性が向上される。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、サブフレームは、パワーユニットが設置される第1井桁部と、ラジエータが設置される第2井桁部とから構成されていることにより、エンジンルーム外でラジエータとパワーユニットとを同じサブフレームに組み付けることができる。このため、ラジエータをサブフレームに設置する作業は、ラジエータを直接エンジンルーム内に設置しないので、エンジンルームの内壁等が作業の邪魔にならないため、ラジエータの組み付け作業が容易となる。
また、その後に行うラジエータとパワーユニットとを接続するパイプの接続作業は、エンジンルーム外で行うことができるようになり、パイプを接続するときにエンジンルームの内壁等が邪魔にならないため、パイプの接続作用が容易になり、組み付け作業の作業性が向上される。
【0016】
さらにまた、請求項1に記載の発明によれば、サブフレームは、略コ字状の管状部材からなる第1サイドクロスメンバおよび第2サイドクロスメンバを有することにより、サイドメンバとクロスメンバの本数を減少させて溶接箇所を削減できるとともに、管状部材からなるため、剛性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る車両用サブフレームの一実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明の実施の形態では、「前」は車両の進行方向側、「後」は車両の後退方向側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側、「左右」は車幅方向側とする。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す車体後部の平面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、車体の後から見たラジエータの組み付け状態を示す背面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す側面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示すサブフレームの斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す拡大要部斜視図である。図6は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す拡大要部斜視図である。
【0019】
図1〜図4に示すように、車両Aには、前部側に搭載されるフロントサブフレームと、後部側に搭載されるリヤサブフレームとのサブフレーム1が備えられている。
図1に示すように、車両Aの前部側および後部側のサブフレーム1は、サスペンション(図示せず)を支持するため、サスペンションメンバとも呼ばれる骨格であり、車両Aの前後方向に延設された左右のサイドフレーム2に弾性的に支持されている。
【0020】
サブフレーム1は、車体の前部側に設置されるフロントサブフレームであっても、車体の後部側に設置されるリヤサブフレームであっても、どちらでもよい。
以下、車体の後部側に設置されるサブフレームにパワーユニットPを設けたRR式ミッドシップ車を例にして説明する。
【0021】
図4に示すように、車体の後部側のサブフレーム1は、リヤサブフレームとも呼ばれる骨格であり、例えば、鋼管部材を溶接手段によって連結して一体形成されている。このサブフレーム1は、平面視して略台形の骨格を形成する第1井桁部11と、この第1井桁部11の後方側に連設した第2井桁部12とから構成されている。サブフレーム1は、このサブフレーム1の前後中央の左右に設置したサブフレームマウントB1〜B6によってサイドフレーム(車体)2(図9参照)に吊設されている。サブフレーム1は、第1井桁部11の前後左右に配設した各マウントM1,M2,M3によってパワーユニットPを浮動マウントしている。
【0022】
なお、マウントM1〜M3は、図4に示すように、サブフレーム1に設置したパワーユニットPを固定するための部材で、例えば、サブフレーム1に対し溶接手段によって一体形成したブラケットから構成されている。
【0023】
図4に示すように、第1井桁部11は、サブフレーム1の前側部を形成する骨格であり、略コ字状の管状部材からなる第1サイドクロスメンバ11aと、この第1サイドクロスメンバ11aの両端部間に架設されたクロスメンバ11bとを溶接して一体形成されている。第1井桁部11は、パワーユニットPを載置するための骨格である。
第1サイドクロスメンバ11aは、従来のサブフレームの左右のサイドメンバと後部側クロスメンバとを一体形成した骨格部材からなる。この第1サイドクロスメンバ11aは、車両Aの前後方向に延設されてパワーユニットPの左側に配置される左サイドメンバ部11cと、車両Aの前後方向に延設されてパワーユニットPの右側に配置される右サイドメンバ部11dと、車両Aの左右方向に延設されてパワーユニットPの後側に配置される中部クロスメンバ部11eとを一体形成した1本の鋼管等から形成されている。
その中部クロスメンバ部11eは、クロスメンバ11bより左右方向の長さが短く、そのクロスメンバ11bに沿って対向位置に形成されている。左サイドメンバ部11cおよび右サイドメンバ部11dは、その中部クロスメンバ部11eの両端部からそれぞれやや斜め前方に拡開して配設され、その両先端部にサブフレームマウントB1,B2が設置されている。左右サイドメンバ11c,11dの後端部には、先端部にサブフレームマウントB3,B4を設置した縦メンバ12b,12cが溶接手段によって一体形成されている。第2サイドクロスメンバ12aの左右後端部には、サブフレームマウントB5,B6が設置されている。サブフレーム1は、公知になっているそのサブフレームマウントB1〜B6によってサイドフレーム2に固定されている。
【0024】
図4に示すように、クロスメンバ11bは、第1サイドクロスメンバ11aの両端部の内側に溶接手段によって一体形成された鋼管等の管状部材からなり、左右方向に向けて配置されている。このクロスメンバ11bは、左右を後側方向に傾斜した略く字状に形成されている。クロスメンバ11bは、車両Aの左右方向に延設されてパワーユニットPの前側に配置される前部側クロスメンバを構成する部材からなる。
【0025】
図4に示すように、第2井桁部12は、サブフレーム1の後側部を形成する骨格であり、平面視して略コ字状の管状部材からなる第2サイドクロスメンバ12aと、この第2サイドクロスメンバ12aと前記第1サイドクロスメンバ11aとの間に設置された縦メンバ12b,12cを溶接して一体形成されている。第2井桁部12は、ラジエータ3,4および排気系機器5(図1参照)を取り付けるための骨格である。前記第1サイドクロスメンバ11aは、第1井桁部を構成するとともに、第2井桁部12の一部も構成している。
【0026】
図4に示すように、第2サイドクロスメンバ12aは、従来のサブフレームの左右のサイドメンバと後部側クロスメンバとを一体形成したコ字状の骨格部材からなる。この第2サイドクロスメンバ12aは、車両Aの前後方向に延設されて左側のラジエータ3が取り付けられる左サイドメンバ部12dと、車両Aの前後方向に延設されて右側のラジエータ4を取り付けるための右サイドメンバ部12eと、車両Aの左右方向に延設されたマフラー等の排気系機器5を取り付けるための後部クロスメンバ部12fとを一体形成した1本の鋼管等から形成されている。
【0027】
左右の縦メンバ12b,12cは、図1に示すように、平面視して左右サイドメンバ部11c,11dの後端部から左右方向後方側に斜めにハ字状に配置された一対の鋼管から形成されている。その左右の縦メンバ12b,12cは、図4に示すように、側面視して上下方向に屈曲した屈曲部12g,12hを有している。図1に示すように、左右の縦メンバ12b,12cと第1サイドクロスメンバ11aとの連結箇所付近には、サスペンションアーム91,92,93,94をサブフレーム1に固定するためのサスペンションブラケットC1,C2,C3,C4(図4参照)が溶接手段によって設置されている。
左側の縦メンバ12bは、図1に示すように平面視して、前記左サイドメンバ部11cと中部クロスメンバ部11eとの結合箇所付近に、左斜め後側方向に向けて、溶接手段によって一体形成されている。その左側の縦メンバ12bは、図4に示すように側面視して、上側部を水平方向に形成してサイドフレーム2に固定し、下側部を上下方向に向けて形成して、第1サイドクロスメンバ11aに溶接手段によって一体形成された略L字状の骨格部材から構成されている。
右側の縦メンバ12cは、図1に示すように平面視して、その左側の縦メンバ12bに対して対称な位置に設置される部材であり、前記右側のサイドメンバ部11dと中部クロスメンバ部11eとの結合箇所付近に、右斜め後側方向に向けて、溶接手段によって一体形成されている。その右側の縦メンバ12cは、図4に示すように側面視しとこきに、上側部を水平方向に形成してサイドフレーム2に固定し、下側部を上下方向に向けて形成して、第1サイドクロスメンバ11aに溶接手段によって一体形成された略L字状の骨格部材から構成されている。
【0028】
図4に示すように、パワーユニットPを支持するサブフレーム1は、エンジンEを支持する中部クロスメンバ部11eのリヤマウントM1と、トランスミッションTを支持するクロスメンバ11bのトランスマウントM2と、エンジンEを支持するクロスメンバ11bのフロントマウントM3と、を介して浮動マウントされている。
【0029】
図4に示すように、第2井桁部12は、サブフレーム1の後側部を形成する骨格であり、略コ字状の管状部材からなる第2サイドクロスメンバ12aと、この第2サイドクロスメンバ12aの両端部間に設置された左右の縦メンバ12b,12cと、この左右の縦メンバ12b,12c間に設置された前記第1サイドクロスメンバ11aとを溶接して一体形成されている。第2井桁部12は、左側のラジエータ3と右側のラジエータ4と排気系機器5とを設置するための骨格である。
図4に示すように、第2サイドクロスメンバ12aは、従来のサブフレームの左右のサイドメンバと後部側クロスメンバとを一体形成した略コ字状の骨格部材から形成されている。この第2サイドクロスメンバ12aは、車両Aの前後方向に延設され、左側のラジエータ3をサブフレーム1に取り付けるためのラジエータブラケットF1が設置されている左サイドメンバ部12dと、車両Aの前後方向に延設され、右側のラジエータ4をサブフレーム1に取り付けるためのラジエータブラケットF2が設置されている右サイドメンバ部12eと、車両Aの左右方向に延設され、排気系機器5をサブフレーム1に取り付けるための排気系機器用ブラケットG1,G2が設置されている後部クロスメンバ部12fとを一体形成した1本の鋼管等からなる。その第2サイドクロスメンバ12aの両端には、ハ字状に配置された左右の縦メンバ12b,12cが溶接手段によって一体に連結されている。
左サイドメンバ部12dおよび右サイドメンバ部12eは、後部側の下面に、ラジエータブラケットF1,F2が溶接等の手段によって固着され、そのラジエータブラケットF1,F2によってラジエータ3,4がサブフレーム1に吊設されている。
後部クロスメンバ部12fには、左右に、排気系機器用ブラケットG1,G2が取り付けられ、その排気系機器用ブラケットG1,G2によって排気系機器5(図1参照)がサブフレーム1に吊設されている。
【0030】
後部クロスメンバ部12fと中部クロスメンバ部11eとの間には、車両Aの前後方向に向けて配設された支持部材13が架設されている。その支持部材13は、帯状の金属板からなり、リザーブタンク6(図1参照)を保持するための部材である。
【0031】
パワーユニットPは、車両Aを走行させるための動力源であればよく、例えば、エンジンEとトランスミッションTとから構成されている。
【0032】
図1に示すように、サイドフレーム2は、例えば、断面がコ字状の軽溝形鋼から形成された2本の骨格であり、車両Aの前後方向に左右水平に配設される車体を構成する部材である。
なお、サイドフレーム2は、特許請求の範囲における「車体」に相当する。
【0033】
図4に示すように、ラジエータ3,4は、パワーユニットPで熱せられた冷却水を冷却する装置であり、例えば、サブフレーム1の左右に配設されている。ラジエータ3,4は、上方部に空気の取り入れ口3a,4aを有し、その取り入れ口3a,4aから取り入れた空気を電動ファン3b,4b(図2参照)で強制的にラジエータ3,4内のラジエータコア(図示せず)に流してフィン(図示せず)に当てることによって、冷却水を冷却する装置である。
図1に示すように、取り入れ口3a,4aは、車両Aの前後方向に長い形状をし、パワーユニットPより左右方向に設置されている。そのラジエータ3,4には、冷却水をパワーユニットPに設置されたウォータジャケット(図示せず)に循環するためのパイプ71,72,73,74が配管されている。ラジエータ3,4は、サブフレーム1の左右サイドメンバ部12d,12eに設置されたラジエータブラケットF1,F2を、左右のラジエータ3,4の前面部に固定することと、左右のラジエータ3,4に連結したパイプ71,72をパイプ用ブラケット8a,8bによって保持されることとによって吊設されている。また、ラジエータ3,4には、リザーブタンク6が接続されている。
【0034】
図1に示すように、パイプ71は、左側のラジエータ3と右側のラジエータ4とを連結するとともに、その左右のラジエータ3,4の略中央部位で分岐してパワーユニットPに接続したパイプ73に連結されている。
パイプ72は、左側のラジエータ3と右側のラジエータ4とを連結するとともに、その左右のラジエータ3,4の略中央部位で分岐してパワーユニットPに接続したパイプ74に連結されている。
【0035】
図3に示すように、排気系機器5は、例えば、マフラー等であり、排気パイプ10によってパワーユニットPに接続されている。排気系機器5は、その左側のラジエータ3と右側のラジエータ4との間に隣設され、排気系機器用ブラケットG1,G2〔図4参照〕によってサブフレーム1に取り付けられている。
【0036】
次に、図7〜図9を参照して本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームの作用を組み付け手順とともに説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す斜視図である。
まず、図7に示すように、サブフレーム1を溶接手段によって組み立てる。
すなわち、第1サイドクロスメンバ11aの左右の前端部間にクロスメンバ11bを溶接するととともに、その第1サイドクロスメンバ11aの左右の後端部にそれぞれ縦メンバ12b,12cを溶接手段によって固着する。次に、この縦メンバ12b,12cに、第2サイドクロスメンバ12aの両端部を溶接手段によって固着する。これにより、第1井桁部11と第2井桁部12が連設されたサブフレーム1が完成される。
このように、サブフレーム1は、第1サイドクロスメンバ11aと第2サイドクロスメンバ12aとがコ字状に形成されているため、管状部材の本数が少なく、溶接する箇所も少ない。このため、組み付け工数を削減することができる。
【0037】
図8は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、サブフレームに設置される各機器を組み立てるときの状態を示す分解斜視図である。
次に、図7に示すように、サブフレーム1に、各々のブラケット類を溶接手段等によって取り付ける。
すなわち、図8に示すように、第1サイドクロスメンバ11aには、パワーユニットPを設置するためのマウントM1と、サスペンションアーム92,94を設置するためのサスペンションブラケットC2,C4と、を溶接手段等によって固着する。
クロスメンバ11bには、パワーユニットPを設置するためのマウントM2,M3等を溶接手段等によって固着する。
第2サイドクロスメンバ12aには、左右のラジエータ3,4をそれぞれ設置するためのラジエータブラケットF1,F2と、排気系機器5を設置するための排気系機器用ブラケットG1,G2とを溶接手段等によって固着する。その第2サイドクロスメンバ12aと中部クロスメンバ部11eとの間には、支持部材13を溶接手段等によって固着する。
左右の縦メンバ12b,12cには、サスペンションアーム91,93(図8参照)を設置するためのサスペンションブラケットC1,C3を溶接手段等によって固着する。
以上で、サブフレーム1に各々のブラケット類の設置が完了する。
【0038】
次に、図8に示すように、そのサブフレーム1に、各々のブラケット類を介してパワーユニットP、ラジエータ3,4および排気系機器5を組み付ける。
【0039】
すなわち、パワーユニットPを各マウントM1〜M3を介してサブフレーム1に載設する。
ラジエータ3,4を、サブフレーム1に設置されたラジエータブラケットF1,F2の端部にねじ止めすることによってサブフレーム1に固定する。
排気系機器5を、それぞれ排気系機器用ブラケットG1,G2を介してサブフレーム1に設置する。
【0040】
サブフレーム1に、パワーユニットP、ラジエータ3,4および排気系機器5を組み付けるときは、サブフレーム1の周囲にエンジンルームを構成する側壁等の作業の邪魔になるものがないため、組み付け作業が行い易く、作業効率が向上される。
【0041】
次に、各々のパイプ71〜74等を、ナット(図示せず)やパイプ用ブラケット8a,8bや止めバンド(図示せず)等によって、パワーユニットP、ラジエータ3,4および排気系機器5に接続して配管する。
【0042】
すなわち、左側のラジエータ3と右側のラジエータ4とに、それぞれパイプ71,72をナット(図示せず)で接続するとともに、そのパイプ71,72に連結しているパイプ73,74の端部をパワーユニットPに接続する。そのパイプ71,72は、パイプ用ブラケット8a,8bによって保持する。
【0043】
排気系機器5とパワーユニットP間に、排気パイプ10を接続する。吸気系機器(図示せず)やその他のサブフレーム1に設置される付属部品をサブフレーム1に取り付ける。
【0044】
これにより、サブフレーム1に取り付けるパワーユニットPやラジエータ3,4や排気系機器5の組み付けが完了する。
【0045】
各々のパイプ71〜74および排気パイプ10を、パワーユニットP、ラジエータ3,4および排気系機器5に組み付けるときは、サブフレーム1の周囲にエンジンルームを構成する側壁等の作業の邪魔になるものがないため、パイプ類の組み付け作業が行い易く、作業効率が向上される。
【0046】
図9は、本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、サブフレームをサイドフレーム(車体)に取り付けるときの状態を示す分解斜視図である。
そして、図9に示すように、サブフレーム1をサブフレームマウントB1〜B6(図4参照)によってサイドフレーム2に吊設することにより、パワーユニットPやラジエータ3,4や排気系機器5を一度に、サイドフレーム(車体)2に取り付けることができる。
このため、ラジエータ3,4の組み付けが容易で、かつ組み立て工数を削減することができる。
【0047】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、ラジエータ3,4は、ミッドシップエンジン用のラジエータ3,4を例にして説明したが、一般の乗用車のラジエータグリルに設置される薄い箱型のラジエータであってもよく、ラジエータ3,4の個数や形状や形式や設置位置は特に限定せず、サブフレーム1に設置することができるラジエータ3,4であればよい。
例えば、サブフレーム1をフロントサブフレームとして使用し、このフロントサブフレームに薄い箱型のラジエータを設置する場合は、フロントサブフレームの前端に配置されるクロスメンバ部にラジエータ設置用のブラケットを設置して、車両Aの前端部にラジエータを設置するようにすればよい。この場合、第1井桁部11にはパワーユニットPを載設する。
また、そのサブフレーム1、パワーユニットPおよびラジエータ3,4は、車両Aの前部側に設置されるものでも、車両Aの後部側に設置されるものでもどちらであってもよい。
パワーユニットPのエンジンEは、自動車を駆動する動力源であれば良く、例えば、走行モータ等であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の車両用サブフレームによれば、ラジエータは、パワーユニットとともにサブフレームに設置されることにより、そのパワーユニットと略同じ時間工程でサブフレームに組み付けることができるため、作業効率が向上し、組み付け工数を削減することができる。また、ラジエータとパワーユニットとが、同じサブフレームに設置されることにより、そのサブフレームを車体に取り付ければ、ラジエータとパワーユニットとを一度に車体に設置することができる。このため、ラジエータの組み付け工数が削減できるとともに、ラジエータの組み付け作業の作業性が向上される。
【0049】
また、本発明の請求項1に記載の車両用サブフレームによれば、サブフレームは、パワーユニットが設置される第1井桁部と、ラジエータが設置される第2井桁部とから構成されていることにより、エンジンルーム外でラジエータとパワーユニットとを同じサブフレームに組み付けることができる。このため、ラジエータをサブフレームに設置する作業は、エンジンルームの内壁等が作業の邪魔にならないので、ラジエータの組み付け作業が容易となる。
また、その後に行うラジエータとパワーユニットとを接続するパイプの接続作業は、エンジンルーム外で行うことができるようになり、パイプを接続するときにエンジンルームの内壁等が邪魔にならないため、パイプの接続作用が容易になり、組み付け作業の作業性が向上される。
【0050】
さらにまた、本発明の請求項1に記載の車両用サブフレームによれば、サブフレームは、略コ字状の管状部材からなる第1サイドクロスメンバおよび第2サイドクロスメンバを有することにより、サイドメンバとクロスメンバの本数を減少させて溶接箇所を削減できるとともに、管状部材からなるため、剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す車体後部の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、車体の後から見たラジエータの組み付け状態を示す背面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示すサブフレームの斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す拡大要部斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、ラジエータの組み付け状態を示す拡大要部斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、サブフレームに設置される各機器を組み立てるとき状態を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用サブフレームを示す図で、サブフレームをサイドフレーム(車体)に取り付けるときの状態を示す分解斜視図である。
【図10】従来の車両に設置されるラジエータとパワーユニットの組み付け状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 サブフレーム
2 サイドフレーム(車体)
3,4 ラジエータ
11 第1井桁部
11a 第1サイドクロスメンバ
11b クロスメンバ
12 第2井桁部
12a 第2サイドクロスメンバ
A 車両
P パワーユニット(動力源)
Claims (1)
- パワーユニットを支持し、車体に取り付けられるサブフレームであって、
前記サブフレームは、前記パワーユニットが設置され平面視して略井桁状の骨格を形成する第1井桁部と、
前記ラジエータが設置され前記第1井桁部の後方側に連設するとともに、平面視して略井桁状の骨格を形成する第2井桁部と、から構成されて、
前記第1井桁部は、略コ字状の管状部材からなる第1サイドクロスメンバを有し、
前記第2井桁部は、略コ字状の管状部材からなる第2サイドクロスメンバを有するとともに、前記第1サイドクロスメンバが当該第2井桁部の一部を構成することを特徴とする車両用サブフレーム。
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