JP4267697B2 - 免疫抑制性化合物および方法 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は、免疫抑制および抗炎症処置における使用のため、ならびに雄性受精能を低減させるための化合物および方法に関する。
参考文献
Figure 0004267697
Figure 0004267697
発明の背景
免疫系は、侵入してくる生命体により生じる疾患に対する身体の主要な防御として機能する。この複雑な系は、侵入物(例えば、細菌、ウイルス、寄生虫、またはガン細胞)を死滅させる一方で身体の正常な組織を無傷なまま保つことにより疾患と闘う。身体の正常組織あるいは自己を外来組織またはガン化した組織あるいは非自己から識別する免疫系の能力は、正常免疫系機能の本質的な特徴である。第二の本質的な特徴は、記憶、すなわち、特定の外来の侵入物を覚え、以前に遭遇した侵入物が再びやってきた場合に増強された防御応答を提示する能力のことである。特定の組織の自己としての認識およびそれに続くその組織に対して指向する免疫応答の損失は、重篤な疾病を引き起こす。
自己免疫疾患は、身体の自己の器官または組織を攻撃する免疫系により生じ、その組織の破壊に関連する臨床状態を引き起こす。関節を覆う組織に対して指向する自己免疫攻撃は、慢性関節リウマチを生じ、神経系の伝導線維に対する攻撃は、多発性硬化症を生じる。自己免疫疾患は、おそらく、共通の病原性ならびに安全で効果的な療法への必要性を共有する。
慢性関節リウマチは、自己免疫疾患の最も一般的な疾患の一つである。現在の処置は、3つの一般的分類の薬物を利用する(Schumacher, 1988)。それらは、抗炎症剤(アスピリン、非ステロイド系抗炎症薬、および低用量のコルチコステロイド)、疾患改変抗リウマチ薬(「DMARD」として知られる)(抗マラリア剤、金塩、ペニシラミン、およびスルファサラジン)および免疫抑制剤(アザチオプリン、クロラムブシル、高用量のコルチコステロイド、シクロホスファミド、メトトレキサート、ナイトロジェンマスタード、6-メルカプトプリン、ビンクリスチン、ヒドロキシ尿素、およびシクロスポリンA)である。いかなる入手可能な薬物も完全に効果的であることはなく、そしてほとんどが重篤な毒性により制限される。
自己免疫状態の処置におけるそれらの薬物の使用に加えて、免疫抑制剤もまた、移植拒絶を処置または予防する際に使用されている。ヒトの臓器提供者およびヒトの受容者(同種移植)、ならびに非ヒト霊長類提供者およびヒト受容者(異種移植)を含む臓器移植は、相当の医学的かつ科学的注目を浴びてきた(Roberts, 1989;Platt,1990;Keown, 1991;WangおよびMorris、1991;Hasan、1992;Murase、1993)。大部分は、これらの努力は、移植された器官の拒絶問題を除去するかまたは少なくとも低減することを目的にしてきた。適切な免疫抑制療法が欠如すると、移植された器官は、宿主の免疫系により破壊される。
臓器移植における別の障害は(これは、骨髄移植(BMT)に特に限定されているが)、移植片対宿主疾患(GVHD)である。GVHDは、移植された骨髄細胞が受容者側の細胞を攻撃する状態である(Thomas, 1975;Storb, 1984)。混合リンパ球反応(MLR)においてネガティブと判定されるHLAが同一の骨髄を受容するBMTの患者の多くが、それでもなおGVHDを発症する。これはおそらく、受容者と提供者との間の多型非HLA決定因子における不同性のためである。GVHD罹患個体の大部分が、GVHDの結果として死亡する(Weidenら、1980)。
現在のところ、移植拒絶を防ぐために最も一般的に使用される薬剤には、コルチコステロイド、DNA合成およびRNA合成を阻害することによりリンパ球増殖を低減する抗代謝薬(例えば、アザチオプリン)、T細胞活性化を特異的に阻害する免疫抑制薬(例えば、シクロスポリンA)、およびTリンパ球またはそれらの活性化を媒介する表面レセプターに対して指向する特異的抗体が含まれる(Briggs,1991;Kennedy,1983;Storb,1985;Storbら、1986)。これらの薬物療法の全てが、有効性において制限されており、なぜなら部分的には、移植拒絶の有効な処置のために必要な用量が、種々の日和見性の侵入物による感染に対する患者の感受性を増加させ得、そして部分的には直接の毒性および他の副作用のためである。例えば、シクロスポリンA(現在最も一般的に使用される薬物)は、腎臓に対して有意に毒性である。この腎毒性は、安全に投与され得る薬剤の量を制限する。
最近、中国の医用植物Tripterygium Wilfordii(TW)からの多数の化合物が、免疫抑制活性を有するものとして同定されている。TWから単離された代表的な化合物には、トリプトライド、16-ヒドロキシトリプトライド、トリプトフェノライド、トリプダイオライド、およびセラストロールが含まれる(例えば、Lipskyら、(1994)およびZhengら(1991;1994)に記載される)。しかし、これらの化合物の投与および治療的有効性は、それらの低い水溶解度により制限されている
これらの化合物の有効性を改善するための一つのアプローチは、それらの化合物をエタノールおよびポリエトキシ化ヒマシ油(例えば、「CREMOPHOR EL」)の混合物に処方し、続いて静脈内投与のための生理的食塩水において希釈を可能にすることである。しかし、このような処方物は、これらの化合物を溶解させるために必要とされる溶解剤の高濃度のために、高毒性という欠点を有している。例えば、このような処方物における溶解剤(エタノール+「CREMOPHOR EL」)のトリプトライドに対する比は、トリプトライドの乏しい溶解性のため、代表的には、およそ1000対1以上である(Morris,1991;Morrisら、1991)。投与量の標準化もまた、溶液よりは、懸濁液においてより問題である。
それゆえ、改善された水溶解度および低毒性を有する免疫抑制化合物を提供することが所望されていた。さらに、このような化合物が、水溶性形態において免疫抑制活性を提示するか、またはインビボの代謝プロセスにより免疫抑制形態に変換されることが所望されていた。さらに、避妊剤として有用である改善された水溶解度を有する化合物を提供することが所望されていた。
発明の要旨
本発明は、1つの局面において、以下の式1により示される構造を有する化合物を包含する。
Figure 0004267697
ここで、X1はOHまたはOR1であり、ならびにX2およびX3が独立してOH、OR1またはHであり、但しここで、X1、X2およびX3の少なくとも1つがOR1であり、そしてX2およびX3の少なくとも1つがHであり;そして
R1は-C(O)-Y-Zであり、ここで
Yは、側鎖を有するかまたは有さないC1-C6アルキル鎖またはアルケニル鎖であり;そして
Zは、COOR2、NR3R3’または+NR4R4’R4”であり、ここでR2はカチオンであり;R3およびR3’は独立してHまたは側鎖を有するかまたは有さないC1-C6アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、あるいはR3およびR3’は共同で、環原子が炭素窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される5〜7員のヘテロ環を形成し、ここで環原子は、2〜6炭素原子、1つ以上の窒素原子、および必要に応じて1つ以上の酸素または硫黄原子を含み、そしてここで環は置換されていないか、またはR5、OR5、NR5R6、SR5、NO2、CN、C(O)R5、C(O)NR5R6、OC(O)R5、OC(O)NR5R6、およびハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)(ここで、R5およびR6は、独立して水素、低級アルキルまたは低級アルケニルである)から選択される1つ以上の基で置換されており、そして、R4、R4’およびR4”は、独立して側鎖を有するかまたは有さないC1-C6アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルである。
1つの一般的な実施態様において、この化合物は、トリプトライドの誘導体であり、ここでX1はOHまたは上記で定義されたOR1であり、そしてX2およびX3はHである。第二の一般的な実施態様において、この化合物は、16-ヒドロキシルトリプトライドの誘導体であり、ここで、X1およびX3はOHまたはOR1であり、そしてX2はHである。第三の一般的な実施態様において、この化合物は、トリプダイオライド(2-ヒドロキシトリプトライド)の誘導体であり、ここでX1およびX2はOHまたはOR1であり、そしてX3はHである。
1つの好ましい実施態様において、ZはCOOHまたはCOOR2であり、ここでR2は金属イオンであり、好ましくはNa+またはK+である。代替の実施態様において、R2は、陽性に荷電されたアミンであり、好ましくはリジン、トリエチルアミン、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。好ましくは、R2はNa+、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタンまたはリジンであり、そしてYはC1-C4アルキル鎖である。
別の好ましい実施態様において、ZはNR3R3’であって、ここでR3およびR3’は独立してHまたは側鎖を有するかまたは側鎖を有さないC1-C6アルキルであるか、あるいは、2〜6個の炭素原子、1つ以上の窒素原子、および必要に応じて1つ以上の酸素原子または硫黄原子を含む5〜7員ヘテロ環式環を共同で形成する。好ましくは、Zはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、またはN-モルフォリノであり、そしてYはC1-C4アルキル鎖である。
Zが第四級アミノ基またはプロトン化第三級アミノ基の場合、この化合物はまた、陰イオン性の対イオンを含む。陰イオン性対イオンは、好ましくはハライドまたはカルボキシルイオン、スルホン酸イオン、または硫酸含有イオンである、より好ましくは、この対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、メタンスルホン酸イオン、またはトルエンスルホン酸イオンである。
別の局面において、本発明は、被験体において免疫抑制を実現する方法を含み、ここで、上記の組成物は、このような処置を必要とする被験体に投与される。本方法は、同種移植拒絶、異種移植拒絶、および移植片対宿主疾患を阻害するために、および慢性関節リウマチのような自己免疫疾患の処置において有用である。
本発明の組成物および方法はまた、喘息、内因性および外因性の症状の療法の処置のために有用である。喘息の処置のために、この組成物は、好ましくは吸引により投与される。この組成物および方法はまた、他の炎症症状(例えば、頭部または頚部の障害を伴う外傷性炎症を含む外傷性炎症)の処置のために有用であり得る。
本発明はまた、哺乳動物の雄、特にヒトにおいて、この哺乳動物に上記構造式1の化合物を、哺乳動物の受精能を阻害するために有効な量で投与することにより、雄性受精能を低減させる方法を提供する。
他の局面において、本発明は、免疫抑制処置、抗炎症処置のため、および雄性受精能を低減するための薬学的組成物および医薬品を含む。このような組成物は、薬学的に受容可能なビヒクル中に上記構造式1の化合物を含む。好ましい実施態様において、このビヒクルは水溶性キャリアである。
本発明のこれらの、および他の目的ならびに特徴は、本発明の以下の詳細な説明が、添付の図面と組み合わせて読まれたときに、より完全に明確になる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるカルボキシル化トリプトライド化合物を調製する模式図を示す。
図2は、本発明によるトリプトライドのアミノ誘導体を調製する模式図を示す
図3は、16-ヒドロキシトリプトライドのモノアミノおよびジアミノエステル誘導体を調製するための模式図を示す。
図4は、16-水酸基の保護化および脱保護化の手段により16-ヒドロキシトリプトライドの14-アミノエステル誘導体を調製するための模式図を示す。
図5Aは、処置していない動物(黒四角)、および2つの異なる量のコハク酸トリプトライドトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(YM-273)(白丸および黒丸)で処置した動物についての同種移植片移植生存時間のプロットを示す。
図5Bは、処置していない動物(黒四角)、および2つの異なる量のコハク酸トリプトライドナトリウム塩(YM-274)(白三角および黒三角)で処置した動物についての同種移植片移植生存時間のプロットを示す。
図6は、処置していない動物(黒四角)、およびトリプトライド(T10、白四角)、コハク酸トリプトライドトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(YM-273、黒四角)、およびコハク酸トリプトライドナトリウム塩(YM-274、黒三角)で処置した動物についての同種移植片移植生存時間のプロットを示す。
図7は、雄マウスを種々の用量のコハク酸トリプトライド(YM-272)を用いて処置した場合の精巣重量(中央および右のカラム)における効果を、処置していないマウス(左のカラム)と比較したものを示す(5、6匹のマウスの群について、平均(塗られた領域)および平均の標準誤差(SE、白い領域)を示す)。
図8は、雄マウスを種々の用量のコハク酸トリプトライド(YM-272)で処置することの共棲させてから第一子の誕生までに費やした時間における効果を、処置していないマウスと比較したものを表す(5匹のマウスの群について、平均および平均の標準誤差(SE)を示す)。
発明の詳細な説明
I.定義
以下の用語は、別に指示しない限り以下の意味を有する。
「トリプトライド誘導体」または「トリプトライドアナログ」は、トリプトライド、16-ヒドロキシトリプトライドおよびトリプトライド(2-ヒドロキシトリプトライド)の誘導体をいう。これらは、上記のように1つ以上の水酸基で誘導体化されている。
「アルキル」は、炭素および水素を含む完全に飽和された一価のまたは二価のラジカルをいい、これは、環状、側鎖があり、または直鎖(側鎖のない)基であり得る。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-ブチル、n-ヘプチル、イソプロピル、2-メチルプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルエチル、およびシクロヘキシルである。
「低級アルキル」は、1〜4の炭素原子のアルキルラジカルをいい、例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、およびt-ブチルがある。
「アルケニル」は、炭素および水素を含有する一価のまたは二価の不飽和の、好ましくは1不飽和のラジカルであり、これは環状、側鎖を有するか、または直鎖であり得る。「低級アルケニル」は、1〜4の炭素原子を有するこのようなラジカルをいう。
「環原子が、炭素、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択され、ここでこの環原子は2〜6個の炭素原子および1つ以上の窒素原子を含む、5〜7員複素環式環」は、環原子が、1つ以上の窒素原子および、必要に応じて1つ以上の酸素原子または硫黄原子を含む、複素環式環をいう。例は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、チオモルホリン、およびイミダゾールである。
「アルコキシアルキル」は、アルコキシ置換基をさらに含む上記のアルキル基をいう。好ましくは、このアルコキシ(alkyloxy)置換基のアルキル部分は、低級アルキル基である。
用語「哺乳動物」は、通常の意味を有するように意図され、そしてヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ネズミ、マウス、ラットなどを含む。
本開示の目的のために、以下の数字を付した模式図が、トリプトライドおよびトリプトライドのアナログのために使用される:
Figure 0004267697
II.トリプトライドアナログの合成
この章では、上記の式Iで定義される本発明による化合物の合成を記載する。通常、この化合物は、トリプトライド、トリプジオライド、または16-ヒドロキシトリプトライドのエステル誘導体であり、ここで付属するエステル置換基は、1つ以上のアミノ基またはカルボキシル基を含む。この化合物は、誘導体化されていない出発化合物よりも大きい水溶性を有し、免疫抑制剤、抗炎症剤、および雄性避妊剤の適用のためのプロドラッグとして有用である。
本発明の化合物は、漢方植物Tripterygium Wilfordii(TW)の根の木質部または他の公知の供給源から得られるトリプトライド、トリプジオライド、または16-ヒドロキシトリプトライドから調製され得る。TW植物は、福建省および他の中国南部地方で見出される;TW植物物質は、一般に中国において、または米国では市場から入手可能である。トリプトライド、トリプジオライド、および16-ヒドロキシトリプトライドを調製するための方法は、当該分野で公知で、そして、例えば、Kupchanら(1972);Kupchanら(1977);Lipskyら(1994);Puら(1990);およびMaら(1992)に記載される。
本発明に従うトリプトライドのカルボキシル化誘導体を調製する合成模式図は、図1に示される。図で示される上の反応経路に関連して、トリプトライド(1)は、過剰のジカルボン酸(HO2C(CH2mCO2Hの形態であり、ここでmは1〜4である)と、カップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および触媒量のアシル化触媒(例えば4-(ジメチルアミノ)ピリジン)(DMAP))の存在下、反応させる。反応条件は、ジカルボン酸における1つまたは両方のカルボキシル基を(1)の14-水酸基と反応させ、その結果エステル産物(2)が形成されるように活性化するのに有効である。(2)において遊離のカルボキシル基が付属する任意の残留DCCは、水の添加(好ましくは塩基性条件下で)により遊離される。
(1)のカルボキシル化誘導体を調製する第二の方法は、図1の下の反応経路に示される。このアプローチにおいて、(1)を、(1)の14-水酸基が無水物カルボニル基の1つを攻撃して産物(2)を産生するために有効な条件下で、選択されたジカルボン酸無水物と反応させる。このアプローチの条件の例は、実施例1において見出され得る。
より一般には、図1に示される方法は、上記の式1に従ったトリプトライド誘導体(ここで、X2およびX3はHであり、そしてX1は-C(O)-Y-Z-(すなわち式1におけるR1であり、ここで、Yは即鎖のあるか、または側鎖のないC1〜C6アルキルまたはアルケニル鎖であり、そしてZはCOOR2で、R2がカチオンである)である)を調製するために使用され得る。
図2は、トリプトライドのアミノエステル誘導体を調製するための方法を示す。トリプトライド(1)は、カップリング剤(例えば、DCC)およびアシル化触媒(例えば、DMAP)の存在下、アミン置換されたカルボン酸(RNCO2H)と反応させる。これらの反応条件は、アミノ酸出発物質に依存して、多数のアミノ誘導体を調製するために使用され得る。例えば、(1)とN,N-ジメチルグリシンとの反応は、エステル産物(3a)(図2に示され、そして実施例5に記載される)を生じる。同様に、(1)と3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピオン酸、4-ピロリジノブチル酸、または5-モルホリノペンタン酸との反応は、それぞれ、産物(3b)、(3c)または(3d)を生じ、実施例7〜9に記載される。本発明に従うアミン塩は、実施例6のように選択された酸との処理によるか、または実施例7および8のように、カップリング工程でアンモニウム塩の形態(RNCO2H)を用いて、容易に調製される。
従って、図2のアプローチが、図2の構造式(3)に従うアミノ誘導体を適切な出発物質(ここで、RNが発明の要旨に記載のY-Zの形態を有する)を使用することにより調製するために使用され得ることが理解される。ここで、Yは、側鎖のあるか、または側鎖のないC1-C6アルキル鎖またはアルケニル鎖であり、Zは、NR3R3’または+NR4R4’R4”であり、R3およびR3’が独立してHまたは側鎖のあるか、または側鎖のないC1-C6アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、あるいは共同で5〜7複素環式環を形成し、ここで環原子は、2〜6炭素原子、1つ以上の窒素原子、および必要に応じて1つ以上の酸素または硫黄原子を含み、そしてここで環は置換されていないか、またはR5、OR5、NR5R6、SR5、NO2、CN、C(O)R5、C(O)NR5R6、OC(O)R5、OC(O)NR5R6、およびハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)(ここで、R5およびR6は、独立して水素、低級アルキルまたは低級アルケニルである)から選択される1つ以上の基で置換されており;そして、R4、R4’およびR4”は、独立して側鎖を有するかまたは有さないC1-C6アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルである。ZがNR3R3’でR3およびR3’が共同して複素環式環を形成する場合は、好ましい環部分には、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、およびピペラジンが挙げられる。
さらに、図1および2がトリプトライドを出発物質として用いた反応模式図を示す一方、同様の合成反応模式図が16-ヒドロキシトリプトライドおよびトリプジオライドの対応するエステル誘導体を調製するために使用され得ることが理解される。
図3は、16-ヒドロキシトリプトライド(4)(2つの遊離水酸基を含有する化合物)のモノおよびジエステル誘導体を調製するための合成アプローチを示す。図から理解され得るように、化合物(4)は、14位に水酸基を含有し、この水酸基は第二級炭素原子に結合しており、そして16位の第二の水酸基が第一級炭素原子に結合している。16位の水酸基が、立体的な理由で14位の水酸基より反応性であるため、モノエステルおよびジエステル誘導体が、適切な反応条件を用いて選択的に調製され得る。
図3の上の反応経路に示されるように、(4)と選択されたカルボン酸の化学量論的な量との反応は、16位で誘導体化され、14-水酸基が遊離のままのモノエステル(5)を生じる。逆に、下の反応経路において示されるように、(4)と過剰量のカルボン酸との反応は両方の水酸基を誘導体化させ、ジエステル(6)を生じるのに有効である。
16位ではなく、16-ヒドロキシトリプトライド(4)の14位におけるモノエステル誘導体は、図4に示される一般アプローチにより調製され得る。このアプローチは、16-水酸基の求電子試薬に対するより大きい反応性をうまく利用する。ここで16-水酸基は、図4の第一工程に示されるように選択的に保護基(PRT)により保護化され得る。次いで、保護化された化合物(7)は、選択されたカルボン酸(RCO2H)と反応して14-水酸基をエステル化して、化合物(8)を形成する。次いで、保護基を脱保護化により除去し、所望の14-モノエステル(9)を得る。図4の保護化/脱保護化模式図の目的のための適切な水酸基保護基は公知であり、そして、例えば、Kociensky(1994)により記載される。1つの好ましい保護基は、ベンジルエーテルであり、これは、触媒的水素化により除去され得る(Kocienski,1994、46頁)。あるいは、t-ブチルジメチルシリルエーテルが使用され得る。この基は、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)との処理により除去され得る。
選択的な単一のトリプジオライド(2-ヒドロキシトリプトライド)の誘導体化は、より困難である。なぜなら、2つの第二級水酸基が同様に反応性を有するからである。従って、2-モノエステルおよび14-モノエステルは、(1)トリプジオライドをカルボン酸の比較可能な量(例えば、1〜3当量)と反応させること、または、(2)短時間過剰量のカルボン酸と反応させ、引き続き素早く過剰量のアルコール(例えば、エタノール)を添加して過剰量のカルボン酸をクエンチすることによるかのいずれかにより混合物として調製され得る。いずれの場合においても、モノエステル形態およびジエステル形態の混合物が得られ得、次いで、HPLCのような標準的なクロマトグラフィー法により分離され得る。
本発明のアミノおよびカルボキシルエステル化合物の金属塩およびアミン塩は、実施例2〜4および6に記載のように、適切な対イオンとの反応または交換により容易に調製される。(2)のようなカルボキシルエステル化合物の場合において、適切な対イオンには、ナトリウムイオンおよびカリウムイオン、ならびに有機アミン(モノ、ジ、トリ、またはテトラアルキルアミンであり、ここでアルキル基は低級アルキルまたはアルコキシ基である)が挙げられる。
III.トリプトライド誘導体の安定性
コハク酸トリプトライドナトリウム(YM-274と命名)は、D2Oに溶解させ、水溶液を室温に貯蔵した。プロトンNMRスペクトルを実施例10Aに記載のような間隔でとった。すると、この化合物は、溶液において3ヶ月後においても変化がないことが示された。5ヶ月後には、分解が少し観察された。
血液血清におけるコハク酸トリプトライドの安定性は、実施例10Bに記載されるように決定された。この研究において、DMSO中のコハク酸トリプトライド(YM-262、遊離酸)の溶液をラット血清と混合し、37℃でインキュベートした。この混合物を、薄層クロマトグラフィー(TLC)により定期的にアッセイし、時間の経過によるコハク酸トリプトライドの加水分解を追跡した。最初の3〜5分以内では、コハク酸トリプトライドのほとんどが残留していた(Rf=0.45)。15分後には、コハク酸トリプトライドスポットは消え、そしてトリプトライドに対応する新しいスポット(Rf=0.60)が現れた。最後に、45分後には、トリプトライドスポットも消え、低Rf物質(血液血清成分および分解産物)のみが残留した。これらの結果は、トリプトライドエステルが、1時間未満で血清中で加水分解されて、遊離のトリプトライドを遊離することを示す。
IV.生物学的活性
本発明に従う多数のコハク酸塩誘導体が、いくつかの生物学的アッセイを用いて免疫抑制活性について試験された。試験された化合物は、実施例1〜4に詳細に説明されるように、トリプトライドのコハク酸化に引き続く塩形成により調製されたトリプトライドのカルボキシル化エステルであり、これらは以下のように命名された:遊離酸、YM-262;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris)塩、YM-273;ナトリウム塩、YM-274;およびL-(+)-リジン塩、YM-276。コハク酸トリプトライド(遊離酸、YM-262)はまた、避妊能についても試験された。
A. IL-1作用の阻害
上記の化合物のインビトロでのIL-1βの細胞増殖効果を抑制する能力(O’Gara、1990)は、実施例11に記載のように試験した。培養物中のマウス胸腺細胞は、植物性凝集素(PHA)存在下で、そしてトリプトライド(コントロール)およびトリプトライド誘導体の濃度を増大させ、IL-1βで刺激した。この細胞は、72時間培養し、そして最後の18時間の間、トリチウム標識のチミジンとともにインキュベートした。DNA合成を、放射標識チミジンの取り込みを測定することにより評価した。IC50(増殖の50%抑制を生じるのに有効な濃度)で表した結果は、表Iに示される。
Figure 0004267697
表Iの3列目に関して、トリプトライドは、約0.005nmol/mlのIC50値を示した。これは、遊離の(誘導体化されていない)化合物がIL-1β作用の強力な阻害剤であることを示している。トリプトライド14-コハク酸エステルの遊離酸および塩の形態は、このインビトロアッセイにおいて遊離のトリプトライドの値より約45〜150倍高いIC50値を示した。全てのエステル誘導体は、MTTアッセイで測定されるように(実施例13)、低い細胞毒性(表II、第4列)を示した。
B.混合リンパ球反応(MLR)
本化合物による細胞増殖の阻害は、混合リンパ球反応(MLR)(Bradley、1980;Mishell、1980)でアッセイした。雌C57BL/6マウス由来の脾臓細胞(「応答」細胞)を調製し、そして単独でまたは種々の濃度の試験化合物の存在下で、雌Balb/Cマウスから調製した照射した脾臓細胞(「刺激」細胞)と共に培養した。刺激細胞の前照射により増殖を不可能にさせた。応答細胞の試料もまたコントロールとしての使用のために照射された。非照射応答細胞は、同種異系刺激細胞の存在下で増殖する。78時間のインキュベーション後、トリチウム標識のチミジンを混合細胞培養物に添加し、そしてDNAへの標識されたヌクレオチドの取り込みを細胞増殖の指標として測定した。結果を表IIに表す。
Figure 0004267697
理解され得るように、このインビトロアッセイにおけるデータは、量的には上記表IでIL-1アッセイで得られたデータに類似しており、トリプトライド14-コハク酸エステルの遊離酸および塩形態が、遊離のトリプトライドよりも約40〜125倍高いIC50値を示した。表IIに示されるように、全てのエステル誘導体は、低細胞毒性を示し、そしてMTTアッセイで測定した場合(実施例13)遊離型トリプトライドよりもはるかに低い毒性を示した。
C.同種間心臓移植片の生存
本発明に従う移植拒絶の処置は、実施例14において使用されるインビボ心臓移植モデルにより同種移植の拒絶について示される。この方法は、十分特徴づけられたラットモデル系(OnoおよびLindsey、1969)を含み、この系で移植された心臓は、同種移植の受容動物の腹部大血管に付着させ、そして移植された心臓の生存度は、受容動物において拍動する心臓の能力により測定される。
1つの研究において、動物には、心臓移植の前1日から後14日まで、コントロール溶液(5%エタノール、10ml/kg)、トリプトライド(T10と命名する)、または2つの濃度のYM-273およびYM-274のいずれかを腹腔内注射により投与した。各群には3匹動物がおり、例外としてコントロール群は5匹の動物を使用した。結果を図5Aおよび5Bに示す。
図5Aから理解されるように、0.1mg/kgの用量レベル(白丸)でのYM-273では、平均生存日数は7日であり、コントロール群で得られた結果に類似していた。しかし、0.4mg/kgの用量(黒丸)は、コントロールに対し実質的な改善を示し、平均生存日数は24日であった。
図5Bに関連して、0.0837mg/kg(白三角)の用量レベルで投与されたYM-274は、平均10日の生存時間を与えた一方、0.33mg/kg(黒三角)の用量は、約50日の平均生存時間を与えた。
図6は上記のYM-273およびYM-274のより高い用量での免疫抑制効果を比較すると、トリプトライド(T-10)と等価な用量(モル基準で)であった。理解され得るように、以下のコハク酸誘導体YM-273(トリス塩)の次の投与後に得られた平均生存時間は、誘導体化されていないトリプトライドで観察されるものよりいくらか良好であり、そしてコハク酸誘導体YM-274(ナトリウム塩)の場合において実質的により良好であった(50±7日)。
上記の結果は、本発明の水溶性エステル化合物が、インビボで有意に免疫抑制活性を有することを示す。上記の第III章に記載されるように、コハク酸トリプトライドは、約15分以内に血清中で加水分解されて、トリプトライドになる。本発明の化合物は、プロドラッグとして作用するようである。これは、エステル基がインビボで開裂されてより活性のある誘導体化されていないトリプトライド化合物を生成するからである。
D.雄性受精能の阻害
本発明の化合物はまた、雄性受精能を低減または阻害させることにおいて有効であり、ここで本発明の化合物の哺乳動物の雄への投与は、雄の精子の能力を低減させるために有効であり、それゆえ受精を低減するかまたは遮断させる。コハク酸トリプトライド(YM-262)は、実施例15に記載のプロトコルに従って雄BDF1マウスにおける受精能の阻害について試験された。この化合物は、生理的食塩水溶液で腹腔内(IP)に投与された。投与は、毎日の投与を5日間継続した後、引き続いて2日間の処置停止というサイクルを用いた。用量レベルは、0.04〜0.13mg/kg/日であった。サイクルは、5週間反復した後、生理学的効果(精巣の重量)および生殖能の評価を行った。
図7に示されるように、上記のスケジュールに従ったYM-262の0.13mg/kg/日の投与は、生理的食塩水処理のコントロール群に比べて精巣重量の約13%の低減を起こした。
化合物の受精能への影響は、同じスケジュールに従って処置された5匹の雄マウスの群で試験した。各雄は、YM-262処置の終了後、第32日に2匹の雌と共に収容した。
共棲開始から子の誕生までの時間は図8に示される。生理的食塩水処置(コントロール)群は、平均24日後に第一子が誕生しており、これは、生理的食塩水コントロール群について見い出されるように予想妊娠期間(約20日)よりも約4日長い。YM-262を0.04mg/kg/日で投与された群の値は、28日(17%の遅延)であり、これは非生産的交配が約4日であったことを示す。YM-262を0.13 mg/kg/日で投与された群については、共棲開始から誕生までの時間は45日であり、コントロール群に比較して88%の妊娠期間の増大であった。
これらの結果は、32日間の期間にわたるYM-262の0.13 mg/kg/日での処置が処置の終了後の受精能の回復を21日遅らせたことを示す。さらに、避妊効果は、可逆的である。なぜなら薬物投与の中止が、引き続いて妊娠の成功をもたらしたからである。本発明に従ったトリプトライド化合物の継続した投与により長期間の雄不妊が達成され得ることが理解される。この化合物は、改善された効果のために他の避妊剤とともに投与され得る。
V.治療的組成物
本発明のトリプトライドアナログを含む処方は、固体の形態、半固体、凍結乾燥粉末、または液体剤形(例えば、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、徐放剤、液剤、懸濁液、乳化液、坐剤、持続性洗腸、クリーム、軟膏、ローション、エアロゾルなどのような)であり得る(好ましくは、正確な用量の簡便な投与に適切な剤形単位である)。
組成物は、代表的には、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤を含み、さらに、他の医薬品、キャリア、補助剤などを含み得る。好ましくは、組成物は、本発明の化合物(単数または複数)の約0.5重量%〜約75重量%で、残りが適切な薬学的賦形剤からなるものである。経口投与については、このような賦形剤には、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、ゼラチン、ショ糖、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。所望の場合、組成物はまた、非毒性の補助物質(例えば、湿潤剤、乳化剤、または緩衝液)を少量含み得る。
液体組成物は、トリプトライドアナログ(約0.5%〜約20%)、必要に応じて、薬学的補助剤を、キャリア中(例えば、水溶性生理的食塩水、水溶性デキストロース、グリセロール、またはエタノール)において溶解または分散させることにより調製され得、溶液または懸濁液を形成し得る。
組成物は、被験体に経口的に、経皮的に、または非経口的に(例えば、静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、または筋肉内注射)投与され得る。経口的な液体調製物における使用のために、この組成物は、溶液、懸濁液、乳化液、またはシロップとして調製され得、これは、水中または通常の生理的食塩水中での水和に適切な、液体の形態または乾燥形態のいずれかで供給される。非経口的な投与については、非経口的な投与のための注射用組成物は、代表的には、適切な静脈内用溶液(例えば、無菌の生理的塩類溶液)中にトリプトライドアナログを含む。この組成物が、経口投与のための固体調製物の形態で使用される場合、この調製物は、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などであり得る。錠剤処方において、この組成物は、代表的には、添加物(サッカライドまたはセルロース調製物のような賦形剤、スターチペーストまたはメチルセルロースのような結合剤、充填剤、崩壊剤、そして医学的な調製物の製造において代表的に通常使用される他の添加物)とともに処方される。
本発明の化合物の高度の水溶性は、この化合物の水溶液(例えば、腹腔内注射による)での投与に特に有利とした。本発明の支持の基に行われた溶解性研究は、この化合物が粉末形態で調製される場合に、本発明の化合物が容易に水溶液で溶解することを示した。従って、この化合物は、錠剤処方またはカプセル処方に特に適切である。本発明に従う組成物または医薬品はまた、脂肪(例えば、トリグリセリドもしくはポリエトキシル化ひまし油(例えば、「CREMOPHOREL」))またはリン脂質中の懸濁液、リポソーム懸濁液、あるいは水溶性乳化液として処方され得る。
この化合物はまた、エアロゾル粒子の形態(固体または液体のいずれか)、好ましくは呼吸に適した大きさで、吸引により投与され得る。このような粒子は、吸引の際に口および咽頭を通過してそして気管支および肺胞に達するのに十分小さい。一般に、大きさ約1〜10ミクロンの範囲の粒子が、そして好ましくは大きさ約5ミクロンより小さい粒子が呼吸に適している。
微小化した活性薬剤の呼吸に適した乾燥粒子を含む組成物は、乾燥活性薬剤を粉砕し、そして400メッシュ篩に微小化した組成物を通して大型の塊を破砕するか分離することにより調製され得る。活性薬剤の固体の粒子形態はエアロゾルの形成を容易にするための分散剤を含み得る。適切な分散剤は、ラクトースであり、これは、任意の適切な比(例えば、重量比で1:1)で活性薬剤と混合され得る。
任意の固体粒子薬物エアロゾル生成器が固体粒子を投与するために使用され得る。このような生成器(DeVilbiss噴霧器(DeVnbiss Co., Somerset, Pa))は、上記で説明した呼吸に適した粒子を生成し、そしてヒト投与に適した比での薬物の所定の測定された用量を含む一定量のエアロゾルを生成する。吸引のための液体組成物は、水溶性キャリア(例えば、発熱物質を含まない無菌の生理的食塩水または発熱物質を含まない無菌の水)に分散させた活性薬剤を包含する。所望の場合、プロペラントと混合して組成物のスプレーおよびエアロゾルの形成を補助し得る。
このような投与形態を調製するための方法は、公知であるか、または当業者に明らかである。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)を参照のこと。投与されるべき組成物は、被験体において免疫抑制を行うためまたは受精能の低減のために薬学的に効果的な量である量の選択された化合物を含む。
V.処置方法
本発明の組成物は、免疫抑制治療において、特に、自己免疫疾患、移植片対宿主疾患(GVHD)、または移植拒絶(特に、同種移植片拒絶または異種移植片拒絶)の処置における治療において、使用され得る。この組成物はまた、雄性受精能を阻害するため、喘息の内因性および外因性形態のいずれの処置のため、および他の炎症状態(例えば、外傷性炎症)の処置のために有用である。
以下の表IIIは、免疫治療に適切な自己免疫疾患のリストを挙げる。
Figure 0004267697
自己免疫状態を処置することにおいて、患者は定期的に組成物を投与される(例えば、症状を低減し、患者の状態を改善するために十分な用量レベルで1週間に1、2回)。
慢性関節リウマチの処置のために、この組成物は、静脈注射によるかまたは患部関節への直接注射により投与され得る。患者は、少なくとも24時間の反復間隔をおいて患者において疾患の症状の発症を追跡しながら数週間の期間にわたり処置され得る。
全身性エリテマトーデス(SLE)の処置のために、別の例として、この組成物は、経口投与または非経口投与(例えば、静脈内(IV)投与)により投与され得る。
投与される用量は、好ましくは1〜25mg/kg患者体重/日の範囲であり、非経口投与のためには低用量が好ましく、そして経口投与には高用量が好ましい。最適な投与量は、当業者に公知の方法に従い日常の実験により決定され得る。
移植拒絶(例えば、同種移植片拒絶または異種移植片拒絶)の治療のために、心臓、腎臓、肝臓、細胞および骨髄移植の拒絶の処置のために、この方法が特に意図される。この方法はまた、移植された免疫細胞が同種の宿主を攻撃する移植片対宿主疾患(GVHD)の処置に使用され得る。最初の処置は手術中に実施される。さらに、この組成物は、移植片拒絶を防ぐために、または後期移植片拒絶の急性発症の処置において常習的に投与し得る。上記のように、投与された用量は、好ましくは、1〜25mg/kg患者体重/日であり、非経口投与については低用量が好ましく、そして経口投与については高用量が好ましい。用量は、適切に増加または減少させ得、これは、患者の応答および処置の期間、患者の感染への抵抗する能力に依存する。
処置は、代表的には、外科的移植手順の直前あるいは直後のいずれかで手術中に開始され、急性移植拒絶の処置のために毎日投与の療法で少なくとも数週間は継続する。処置期間の間、患者は定期的に免疫抑制レベル(例えば、同種移植片リンパ球を含む混合リンパ球反応、または移植された組織の生検により)について試験され得る。
別の局面において、上記の免疫抑制処置について、本発明には、宿主被験体において同種移植片拒絶、異種移植片拒絶、または移植片対宿主疾患を抑制する方法を含み、ここで、本発明の化合物は、別の免疫抑制剤とともに同時に投与される。この方法は、化合物を単独で投与する場合、同種移植片拒絶の効果的な抑制を達成するために必要とされる用量より実質的に少ない量で、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA、FK506、アザチオプリン、ラパマイシン、マイコフェノール酸、またはグルココルチコイド)を被験体に投与する工程を含む。免疫抑制化合物と組み合わせて投与する場合、上記のような式1のトリプトライドアナログを含む増強剤を、宿主における同種移植片拒絶、異種移植片拒絶、またはGVHDを抑制するために有効な量で投与する。「化合物を単独で投与する場合、同種移植片拒絶(または、異種移植片拒絶、あるいはGVHDのための拒絶)の効果的な抑制を達成するために必要とされる用量より実質的に少ない量」は、本発明のトリプトライドアナログなしで使用した場合に投与する量の50%より少ない、好ましくは33%より少ない免疫抑制剤の量を意味する。移植物または移植片の宿主における生存時間が免疫抑制治療の非存在下で宿主における生存時間に比べて統計的に有意な時間延長される場合に、同種片移植拒絶または異種移植片拒絶は、宿主において「効果的に抑制される」または「抑制される」。代表的には、効果的な移植片拒絶の抑制は、少なくとも1週間またはそれ以上の期間であり、数ヶ月以上にもなり得る。あるいは、トリプトライド化合物(「増強剤」)および免疫抑制剤は、生じる免疫抑制が、予測されるかまたは免疫抑制剤およびトリプトライド化合物を単独で用いて得られる効果の合計より得られるものよりも大きいような量で投与される。
免疫抑制剤および増強剤は、両方が通常の間隔で少なくとも2週間以上の期間投与され得、そして経口的または非経口的のいずれかで投与され得る。投与する免疫抑制剤の量は、代表的には宿主において拒絶を抑制するのに必要とされる薬物量の約20%〜100%である。
本発明の増強された免疫抑制治療法において、上記の式1のトリプトライドアナログは、同じ処方中で免疫抑制剤と一緒にか、または別の処方で別々に投与され得る。別々の処方を使用する場合、トリプトライドアナログまたは化合物および免疫抑制剤は、別々の経路で投与し得る。
トリプトライドアナログとともに投与する免疫抑制剤は、好ましくは以下の一つである:
(a)シクロスポリンAまたはシクロスポリンC(「シクロスポリン」)、非極性環状オリゴペプチド;
(b)FK506、真菌性マクロライド免疫抑制剤
(c)アザチオプリン、または6-[(1-メチル-4-ニトロ-1H-イミダゾール-5イル)チオ]1H-プリン:
(d)メトトレキサート
(e)ラパマイシン、真菌性マクロライド免疫抑制剤
(f)マイコフェノール酸、または6-(1,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-メトキシ-7-メチル-3-オキシ-5-イソベンゾフラニル)-4-メチル-4-ヘキサン酸;および
(g)免疫抑制性グルココルチコイド(例えば、プレドニゾロンまたはデキサメタゾン)
2成分(トリプトライドアナログおよび免疫抑制剤)の割合は、好ましくは、重量比で1:50から50:1の割合である。免疫抑制化合物は、好ましくは、シクロスポリンAであり、通常の免疫抑制用量の3分の1より少ない量で投与される。
雄性受精能阻害について、この化合物は、腹腔内注射(IP)または静脈内注射により、あるいは、好ましくは、経口投与により、被験体の受精能を低減または遮断するのに有効な用量および頻度で、投与され得る。有用な用量は、投与経路の機能により変化する。ヒト被験体については、用量は、例えば、成人に経口で投与した場合0.1〜15mg/kg/日と変化する。
喘息の処置において、鼻腔内投与(滴下または噴霧)、口からのエアロゾルの吸引、または従来の経口投与は、一般に好ましい。活性薬剤はまた、局所的に適用される液体薬物として鼻呼吸器上皮細胞に適用され得る。患者が嚥下し得ないか、またはさもなければ経口吸収に障害のある場合、好ましい全身性投与経路は、非経口、鼻腔内、または局所的である。
本発明の化合物はまた、喘息の発症後、呼吸困難を低減するため個体に投与され得るか、あるいはこれらの化合物は、予防的に、すなわち、喘息発作において気管支痙攣が始まる前に、その症状を予防するかまたは最小化するように、投与され得る。
以下の実施例は、説明のために記されるのであって、どのようにも本発明を限定するものではない。
実施例1
コハク酸トリプトライド(YM-262)
トリプトライド(100mg)をピリジン10ml中、室温で無水コハク酸(150mg)で処理した。反応は、85℃で30時間、窒素雰囲気下で実施した。ヘキサン(50ml)を得られた混合物に添加し粗生成物を沈澱させた。この生成物を濾過により採集し、そしてヘキサンで洗浄した。粗生成物を、エーテル/ヘキサンで再結晶化し、90mg(70%)のコハク酸トリプトライド(YM-262)、融点111〜113℃を得た。
Figure 0004267697
実施例2
コハク酸トリプトライドトリス塩(YM-273)
コハク酸トリプトライド(20mg)を、20mlの水中でトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(5.3mg)と混合し、1時間撹拌した。溶液を濾過し、そして濾液を凍結乾燥し、24mg(96%)の白色粉末を得た。
Figure 0004267697
実施例3
コハク酸トリプトライドナトリウム塩(YM-274)
コハク酸トリプトライド(20mg)を、20mlの水中で重炭酸ナトリウム(3.65mg)と混合し、30分間撹拌した。水溶液を濾過し、そして濾液を凍結乾燥し、20mg(95%)の白色粉末を得た。
Figure 0004267697
実施例4
コハク酸トリプトライドリジン塩(YM-276)
20mlの水中でL-(+)-リジン(6.3mg)と混合したコハク酸トリプトライド(20mg)を、1時間撹拌した。溶液を濾過し、そして濾液を凍結乾燥し、25mg(95%)の白色粉末を得た。
Figure 0004267697
実施例5
トリプトライドの14-N,N-ジメチルグリシネートエステルの合成
乾燥した100mlの丸底フラスコに、1当量のトリプトライドならびにそれぞれ2当量の2,2-ジメチルグリシンおよびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)を配置する。フラスコを窒素雰囲気下に配置し、そして無水CH2Cl2(P2O5で乾燥させた)を添加し、続いて触媒量のDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌する。濾過してジシクロヘキシル尿素を取り除き、エバポレーションにより溶媒を除去し、そしてシリカゲル上で得られた固形物をクロマトグラフィーで精製することにより、反応を完了する。
実施例6
トリプトライドの14-N,N-ジメチルグリシネートエステルのメタンスルホン酸塩の合成
乾燥した丸底フラスコに、1当量のトリプトライドの14-N,N-ジメチルグリシネートエステルを配置し、実施例5のように調製する。この化合物を無水CH2Cl2(P2O5で乾燥させた)に溶解し、そして得られた溶液に1当量のメタンスルホン酸のストック溶液(ジエチルエーテル中)を加える。溶媒を直ちに除去し、白色固体を得る。
実施例7
トリプトライドの14-(3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオネート)塩酸塩エステルの合成
乾燥した100mL丸底フラスコに、1当量のトリプトライドおよびそれぞれ2当量のN,N-ジメチルプロピオン酸およびDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)を配置する。このフラスコを窒素雰囲気下に配置し、そして無水CH2Cl2(P2O5で乾燥させた)を添加し、続いて触媒量のDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)を添加する。この溶液を室温で一晩撹拌する。ジシクロヘキシル尿素を濾過して除き、溶媒をエバポレーションで除去する。次いで、粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィー精製する。
実施例8
トリプトライドの14-(4’-N-ピロリジノ)ブチレート)塩酸塩エステルの合成
乾燥した丸底フラスコに、1当量のトリプトライド、2当量の4-ピロリジノ酪酸塩酸塩および無水CH2Cl2(P2O5で乾燥させた)を配置する。得られた溶液を窒素雰囲気下に配置し、そして2当量のDCCおよび触媒量のDMAPを添加する。この溶液を室温で一晩撹拌する。ジシクロヘキシル尿素を濾過して除き、溶媒をエバポレーションで除去し、得られた固体をシリカゲル上でクロマトグラフィー精製することにより、反応を完了する。
実施例9
16-ヒドロキシトリプトライドのビスN,N-ジメチルグリシネートエステルの合成
標題の化合物は、1当量の16-ヒドロキシトリプトライド、3当量のN,N-ジメチルグリシン、3.3当量のDCC、および0.16当量のDMAPの無水CH2Cl2中での反応により合成し、引き続いて先の実施例で記載したように反応を完了する。
トリプトライドの2位および14位におけるビス-N,N-ジメチルグリシネートエステルは、類似の様式で、トリプジオライド(2-ヒドロキシトリプトライド)から調製する。
実施例10
コハク酸トリプトライド(YM-262)の安定性
A.水中での安定性
コハク酸トリプトライドナトリウム(YM-274)のD2O溶液を、3mg/mlの濃度で調製し、室温で保存した。この溶液を1H NMRで、1、3、5、15、45、90、180分間、1、7、14日、および1、2、3、5ヶ月間の間隔で分析した。初めの3ヶ月間は、NMRスペクトルにおいて認められるほどの変化はなかった。5ヶ月間後にはいくらかの分解が明らかとなった。
B.血清中での安定性
コハク酸トリプトライド(遊離酸、YM-262)のDMSO溶液を25mg/mlの濃度で作製し、そしてこの溶液の0.1mlをラット血清0.5mlと混合した。混合物を37℃でインキュベートした。混合物のアリコートを1、3、5、15、45分、および18時間後に採取し、そして薄層クロマトグラフィー(TLC)で分析した。TLCプレートは、1:5 CH2Cl2/Et2O中で展開した。展開後、プレートをヨウ素蒸気で処理し、そしてUVランプ下で試験した。トリプトライドおよびコハク酸トリプトライドを参照化合物(それぞれRf=0.60および0.45)として使用した。
3分後には、コハク酸トリプトライドのみをTLCにより検出した。15分後には、コハク酸トリプトライドのスポットは消え(Rf=0.45)、そしてトリプトライドに対応する新しいスポット(Rf=0.60)が現れた。45分後には、トリプトライドのスポットもまた消え、低Rfの物質(血清成分および分解産物)のみが残った。
実施例11
マウス胸腺細胞におけるIL-1作用の阻害
C3H/HeNマウス胸腺細胞を調製し、そしてPHA(胸腺細胞の増殖を刺激する)と一緒にIL-1の作用を、標準技法を用いて測定した(O’Gara,1990;Mishell,1980)。3〜6週齢のC3H/HeN雄マウス(Simonson Laboratory, Gilroy, CA)をCO2吸引により死亡させた。胸腺を摘出し、接着性の非胸腺組織から分離し、Hankの平衡塩類溶液(HBSS、Gibco)においてガラスホモジェナイザーを使用して均質化し、そして15℃で10分間、200×gで遠心した。HBSSにおけるさらなる洗浄に続いて、胸腺細胞を50μMの2-メルカプトエタノール、2mMグルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および10%熱不活性化ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地中に再懸濁した。
細胞を、100μlの容積中で6×105細胞/ウェルで丸底の96ウェルのマイクロタイター組織培養プレートで培養した。組換えヒトIL-1β(R&D Systems #201-LB)をフィトヘマグルチニンP(PHA、Pharmacia)とともに、ウェル当たり25μlの容積で細胞に加え、それぞれ0.08ng/mlおよび10μg/ml最終濃度を達成した。試料をDMSO(10mg/ml)に溶解し、次いで培養培地に希釈した。25μlの試験試料を各ウェルに加え、各実験について最終化合物濃度を達成した。IL-1と共にPHAを有する細胞をコントロールとして供した。各ウェルの全容積は150μlであった。
プレートを37℃で5%CO2インキュベーター中で72時間インキュベートした。0.5μCi(3H)-チミジン(Amersham, 49 Ci/mmol)を含む培養培地50μlを各ウェルにインキュベーションの最後の18時間の前に添加した。次いで、細胞を回収し、そして細胞数を数えた。結果は、6×105細胞当たりの分当たりカウント(cpm)として報告した。
以下の式を、IL-1活性の抑制割合を計算するために使用し、そしてIC50(増殖の50%抑制を得る試料の濃度)を、試料の抑制活性を示すものとして使用した。
IL-1活性の抑制%=
(1−試料のcpm/(IL-1+PHAコントロールのcpm)×100
結果を上記の表Iで示す。
実施例12
混合リンパ球反応(MLR)アッセイ
この研究において、応答細胞(R)は、雌C57BL/6マウスからの脾臓細胞であり、そして刺激細胞(S)は、6〜8週齢の雌Balb/Cマウス(Jackson、Bar Harbor、Maine)からの脾臓細胞であった。脾臓は、マウスから無菌的に取り出し、そして無菌ペトリ皿中の10mlの冷HBSS中に配置した。脾臓を半分に切り、そして2つの無菌マイクロスライドの白くなった端の間で穏やかに圧迫した。次いで、細胞懸濁液を無菌ナイロンメッシュ(Nytex, Tetco #HD-3-85)を通して濾過し、15mlの円錐状ポリプロピレン遠心チューブに入れ、そしてBeckman GPR卓上遠心器(GH-3.7ローター)にて200×gで10分間遠心した。HBBS中でさらなる洗浄を行った後、脾臓細胞を、50μM 2-メルカプトエタノール、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、100μgストレプトマイシン、および10%熱不活性化ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地(Gibco)に再懸濁した。
刺激細胞(S)および応答細胞(R)の一部を希釈して10×106細胞/mlにし、そしてセシウム照射器(Department of Radiation Oncology, Stanford University, CA)を用いて20cGyで照射し増殖を抑制した。照射した細胞を1回洗浄し、毒性の遊離ラジカルおよび照射から生じるそれらの産物を除去した。応答細胞(R)、照射した刺激細胞(Sx)および照射した応答細胞(Rx)を全て、4×106細胞/mlに希釈した。
アッセイにおいて、4×105細胞のRを4×105細胞のSxとともに丸底96ウェル組織培養プレートにおいて200μlの培地中で共培養した。50μlの試験試料を種々の濃度で細胞に添加した。試験試料を添加しないウェルが最大の増殖を得る。アッセイにおいていくつかのコントロールを使用した。照射した応答細胞(Rx)をまた、試験試料と共におよびなしで応答細胞に添加した。RxまたはSx単独を、照射後に増殖が生じないことを確かめるためにチェックした。Rの自然増殖もまた、測定した。
培養プレートを37℃で5%CO2インキュベーター中で4日間インキュベートした。細胞を1μCiの(3H)-チミジン(Amersham, 49 Ci/mmol)で20μlの培地中で最後の18時間標識した。次いで、細胞を採集し、そして数を数えた。結果は、ウェル当たりの1分当たりカウント(cpm)として報告した。抑制割合およびおよびIC50(増殖の50%抑制を生じる試料濃度)を試料の抑制活性を示すものとして使用した。試料cpmを、(R+Sx+試料)cpm−(R+Rx+試料)cpmとして、コントロールcpmを(R+Sx)cpm−(R+Rx)cpmとして計算した。MLR活性の抑制割合は、(1-試料cpm/コントロールcpm)×100として計算した。IC50は、抑制割合から決定し、試料の抑制活性とした。結果を上記の表IIに示す。
実施例13
細胞毒性の評価
試験試料の潜在的な細胞毒性をそれらのMTT(3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の培養細胞による還元における影響の測定により評価した。MTTは黄色の化合物で、ミトコンドリアの酵素により還元され、紫色の結晶性還元産物ホルマザンを形成し、生存細胞における細胞性呼吸の指標ならびに細胞毒性についての感受性の高いアッセイを提供する(Mossmann,1983)
細胞毒性を、培養ヒトPBMCおよびマウス胸腺細胞において評価した。MTT(Sigma)のストック溶液(リン酸緩衝生理的食塩水(pH7.4)中5mg/ml)を調製し、そして4℃において暗所で保存した。PBMCまたは胸腺細胞を、平底96ウェル組織培養プレート(Costar)中で、上記のものと同じ条件下(ただし、刺激剤(X-35またはIL-1+PHA)を適切な培地で置き換えた)で種々の濃度の試験試料とともに培養した。培地のみで試験試料を含まない非処置細胞をコントロールとして使用した。21時間のインキュベーション後、MTT溶液25μlを各ウェルに添加した。さらなる3時間のインキュベーションの後、実験を10%の硫酸ドデシルナトリウムの溶液(0.01 N HCl中)を添加することにより終了させた。37℃で一晩インキュベーションをしホルマザン結晶を溶解した後、マイクロプレートリーダーで570〜650nmでの光学密度を決定した。以下の式を毒性の%を計算するために使用した。
毒性%=(1−試料OD/コントロールOD)×100
使用したアッセイ系での毒性が25%より大きかった場合、試料を毒性と定義した。結果を上記の表IおよびIIに示す。
実施例14
心臓移植拒絶の処置
異所性全体心臓移植を標準方法にしたがって実施した(OnoおよびLindsey、1969)。供給体は(Brown Norwayラット、200〜255g、Charles River,Wilmington, MA)および受容体(成体雄Lewisラット、225〜275g、Charles River)をペントバルビタールナトリウム(40mg/kg)で麻酔した。引き続いて、ヘパリンを用いて供給体の適切な抗凝固を行い、心臓移植片を取り出し、そして4℃で、PhysioSol Irrigation Solution(Abbott Laboratories, N. Chicago, IL)中に保存した。上行大動脈および肺動脈を横切開し、そして大静脈と肺静脈を連結した。受容体の腹部大動脈および下大静脈を正中腹部の切開に曝した。供給体の心動脈および下大静脈をそれぞれ、受容体の腎臓下の腹部大動脈および下大静脈に8-0モノフィラメントのナイロン縫合糸(Ethilon, Inc., Somerville, NJ)で縫い合わせて端側で吻合した。動脈弁の機能的特徴のため、血液は、左心室には入らないが、むしろ冠動脈を通って右心房、肺動脈、および受容体の大静脈に流れた。全ての心臓移植片の冷虚血時間は45分より短かった。移植片の心拍を腹部の触診によりモニターした。機能的移植片生存の時間は、心臓移植片収縮が腹部触診で検出され得る日数として測定した。結果を開腹により直接視覚化することにより検証した。
上記のように作製した心臓移植受容動物(3-5動物/群)を、(i)コントロール溶液(5%エタノール、10ml/kg)、(ii)0.10mg/kgおよび0.40mg/kgでのYM-273(図5A)、(iii)0.084および0.33mg/kgでのYM-274、(図5B)および(iv)およびT10(トリプトライド)0.25mg/kg(図6)で処置した。T10についての結果を示すのに加えて、図6は、それぞれ0.40および0.33mg/kgでのYM-273およびYM-274についての図5A-5Bの結果を反復しており、その結果、それらの濃度は、T10と比較して等モルであった。全ての化合物を、腹腔内投与で投与した。処置を外科手術の前日に開始し、術後14日または同種移植片の生存の終結まで毎日続けた。結果を図5A-5Bおよび6に示す。
実施例15
コハク酸トリプトライドの雄マウスにおける受精能の影響
コハク酸トリプトライド(YM-262)を、毎日投薬を5日間継続しその後2日間の処置の中止というサイクルを用いて、雄BDF1マウスにおける受精制御について試験した。サイクルを5週間反復し、0〜4、7〜11、14〜18、21〜25および28〜32日目に投与し、その後生理学的影響および生殖能の評価をした。
YM-262投薬溶液を1週間に1回、生理的食塩水中のストック溶液から1.0mg/mlで調製し、4℃で保存した。マウスを生理的食塩水ビヒクルでまたはYM-262(生理的食塩水中0.04または0.13mg/kg/日)で、1mlの無菌の使い捨てプラスチックシリンジおよび25または26ゲージの無菌の皮下針を用いて腹腔内(IP)処置した。化合物を0.1ml/10gマウス体重に相当する容量で投与した。
A.精巣重量への影響
32日目に、マウスを各投薬群から5〜6匹を死亡させ、そして精巣を取り出し、組織学的分析および重量決定のためにホルマリン中に保存した。両方の精巣の平均を各マウスについて計算し、そして、平均および標準平均誤差(S.E.)を決定した。これらのデータを図7に示す。
生理的食塩水コントロール群に比較して、0.1mg/kg/日のYM-262を投与したマウスで穏やかな(約13%)の精巣重量の減少を観察した。
B.受精能への影響
受精能を、各処置群において5匹のさらなる雄マウスで試験した。32日目に雄を1匹の雄当たり2匹の雌マウスと共に収容し、この後は、YM-262の処置を行わなかった。各ケージで子を初めに分娩した雌を取り出し、別のケージにその子とともに移し、そして残った雌を雄と共に収容させておいた。全ての雄マウスが、共棲中の雌の両方に子を作らせた。子孫を誕生日、性別、および皮膚の色に関して番号付けした。
共棲開始から子の誕生までの時間を評価し、そして図8に示す。また、平均および標準平均誤差(S.E.)を示す。生理的食塩水処置(コントロール)群は平均24日後に第一子が誕生していた。YM-262を0.03mg/kg/日で投与された群の値は、28日(17%の遅延)であった。しかし、YM-262を0.1mg/kg/日で投与された群については、共棲開始から誕生までの時間は45日であり、コントロール群に比較して88%の増大であった。
これらの結果は、YM-262の0.1mg/kg/日での32日間という期間にわたる処置が、治療の終結後受精能の回復まで21日も遅延したことを示す。さらに、受精能の制御は可逆的であり、そして継続的な処置は実証された受精制御を維持することが予測される。
本発明は、特定の方法および実施態様に関連して記載されるが、本発明から逸脱することなく種々の改変が行われ得ることが理解される。

Claims (16)

  1. 以下の構造を有する化合物:
    Figure 0004267697
    ここで、X1はOHまたはOR1であり、そしてX2およびX3が独立してOH、OR1またはHであり、但しここで、X1、X2およびX3の少なくとも1つがOR1であり、かつX2およびX3の少なくとも1つがHであり;そして
    R1は-C(O)-Y-Zであり、ここで
    Yは、側鎖を有するかまたは有さないC1-C6アルキル鎖であり;そして
    Zは、COOHまたはCOOR2であり、ここで
    R2はカチオンである、化合物。
  2. X2=X3=Hである、請求項1に記載の化合物。
  3. X2=HまたはX3=Hである、請求項1に記載の化合物。
  4. ZがCOOHである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. ZがCOOR2であり、そしてR2が金属イオンまたは有機アミンである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  6. 前記金属イオンがNa+またはK+である、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記有機アミンがリジン、トリエチルアミン、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項5に記載の化合物。
  8. 前記アニオン対イオンが塩化物イオンまたは臭化物イオンであるか、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、または硫酸イオンを含むか、酢酸イオン、シュウ酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、メタンスルホン酸イオン、またはトルエンスルホン酸イオンである、請求項7に記載の化合物。
  9. YがC1-C4アルキル鎖であり、そしてZがCOOR2であ、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  10. R2がNa+またはトリス(ヒドロキシメチル)アンモニウムメタンまたはリジンである、請求項9に記載の化合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に受容可能なビヒクルとを含む、薬学的組成物。
  12. 前記ビヒクルが水性キャリアである、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の化合物を含む、免疫抑制処置、雄性受精能の低減または喘息の処置のための組成物。
  14. 前記免疫抑制が移植拒絶の阻害、移植片対宿主疾患の阻害または自己免疫疾患の処置を包含する、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記自己免疫疾患が慢性関節リウマチである、請求項14に記載の組成物。
  16. 吸入を介する投与用の、喘息の処置における使用のための、請求項13に記載の組成物。
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