JP4267127B2 - 露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス面にスクリーン版の型枠が当たらず、真空にする容積が少ないために短時間で減圧することができる露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリーン印刷版を製版するためには、各種の工程を経て製造されているが、その中でも特に重要な露光工程は、写真製版したマスクフイルムの画像を精度良く転写するために、マスクフィルムと感光性樹脂層とを重ね合わせて、両者間を真空に減圧して密着させなければならない。
それ故、一般に以下に示す方法で露光が行われている。
図4の(a)の正面図及び(b)の右側面図に示すような、上面に真空密着用ゴムシートカバー20を備えた露光装置21が用いられる。
そして、先ず最初に、図5の(a)に示すように、該露光装置21の透明ガラス板7の上にマスクフィルム8を置き、更にその上にスクリーンPS版(Presensitized Plate)9を置いてマスクフィルム8とスクリーンPS版9とを重ね合わせる。
次に、図5の(b)に示すように、該スクリーンPS版9の上にスポンジ22を載せて、真空用ホース23を導き、その上から真空密着用ゴムシートカバー20を被せる。
そして、図5の(c)に示すように、スクリーンPS版9の上の真空用ホース23を通じて真空ポンプ13によって真空密着用ゴムシートカバー20とガラス板7との間の空気を吸引することにより真空密着用ゴムシートカバー20で被せられた部分を真空状態にして、該真空密着用ゴムシートカバー20の上から大気圧で押圧して、スクリーンPS版9とマスクフィルム8とガラス板7とを密着させる。
この様に密着させた状態で、下方側に配置した露光用ランプ5を点灯することによりマスクフィルム8を介して露光を行って、マスクフィルム8の画像を、スクリーンPS版9の感光樹脂層9aに潜像画像として形成する。
露光終了後に真空ポンプ13を止めて、真空密着用ゴムシートカバー20の下側を常圧に戻し、露光したスクリーンPS版9を取り出し、更に、次の工程で現像・乾燥することによりスクリーン印刷用版が製造されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この様にして製版されたスクリーン印刷版は、
▲1▼.真空密着が必要な画像部以外の部分の、スクリーンPS版の枠を含めた状態で真空密着を行わなければならないため、真空に減圧しなければならない部分の容積が大きくなり、減圧機で真空にして密着させるまでに30秒から1分間の時間を必要としていた。
それ故、露光工程の生産効率が向上せず、経済的にも不利なものであった。
▲2▼.上部から真空密着用ゴムシートカバーを被せるため、ゴムシートカバーが露光時に紫外線を受けて老化し消耗するので、該ゴムシートカバーを屡々交換取り替えをしなければならないとの欠点があった
▲3▼.露光用の透明ガラス板に直接スクリーンPS版を金属製の枠ごと載せるため、スクリーンPS版の金属枠と透明ガラス板とが接触して、更に、真空にして密着させる必要があるために、強く減圧にするのでガラス面が傷つき易い。
この様な傷の付いた透明ガラス板上で露光された版で露光すれば、品質を悪化させるので、時々、透明ガラス板の交換をしなければならなかった。
▲4▼.未露光部分があると、印刷時にインキが透過して、不鮮明な画像にしてしまうので、スクリーンPS版全体を露光させなければならなく、スクリーンPS版全体を露光しなければならなかった。
それ故、光源及びレンズが大型のものでなければならず、露光エリアが大きくなるのに伴い、装置費やランニングコストが顕著に増加するだけでなく、製版精度も低下する。
▲5▼.真空にしなければならない部分の容積が大きいため、真空密着用ゴムシートカバーが真空時に大きく伸びて張力がかかった状態でスクリーンPS版等を押圧する。
それ故、スクリーンPS版が張力がかかった状態で露光されるので、得られる版の精度を低下させてしまう。
等の欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、真空にする容積を少なくするため、スクリーンPS版全体を覆うことなく、部分的に露光して露光精度を向上させ、未露光部分はスクリーンPS版の感光性樹脂層の両面から露光することにより、上記課題を解決し得るとの知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の露光装置は、底部にスクリーンPS版の感光性樹脂層を下面側から光を照射するための主露光器を内蔵し、上端部にマスクフィルムを載置するための水平方向にスライド自在な透明ガラス板を備えていると共に、スクリーンPS版の感光性樹脂層と透明ガラス板との間に挟んだマスクフィルムをスクリーンPS版に密着させるための減圧機器を備えた画像部露光用函体部と、天井部分付近にスクリーンPS版の感光性樹脂層を上面側から光を照射するための従露光器を内蔵すると共に、該従露光器の下側にスクリーンPS版を挿入自在としたガイドレールを配設した画像周辺部露光用函体部と、前記画像部露光用函体部の上方で前記画像周辺部露光用函体部を昇降自在とする昇降機とから構成されていること、を特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
[I] 露光装置
(1) 構成要素
本発明の露光装置1は、図1及び図2に示す様な、画像部露光用函体部2と、画像周辺部露光用函体部3と、該画像周辺部露光用函体部3を前記画像部露光用函体部2の上方で昇降自在とした昇降機4とから基本的に構成されている。
(A) 画像部露光用函体部
上記画像部露光用函体2には、図1に示すように、該函体2内の底部2aに配置される主露光器5と、該函体2の上端部に配置されるマスクフィルム8を載置するための水平方向にスライド自在な透明ガラス板7と、スクリーンPS版9の感光性樹脂層9aと透明ガラス板7とを密着させるための減圧機器14とが配置されている。
【0006】
(a) 主露光器
上記画像部露光用函体2内の底部2aに配置される主露光器5は、その上部に主露光器5の光源5aより放射された光線5bを平行光線5cとするためのフレンネル6が配置されている。それ故、函体2の上端部2bの透明ガラス板7に到達する際には平行光線5cであり、その上に載置されたマスクフィルム8には平行光線5cとして照射される。
この様な主露光器5はスクリーンPS版9の感光性樹脂層9a全体を照射する必要がないことから、上記透明ガラス板7との距離を大きく離す必要がないので、主露光器5の光源5aに大出力のものを使用する必要がなく、露光装置1をコンパクトに設計して安価に製造することができる。
【0007】
(b) 透明ガラス板
小型化
上記透明ガラス板7は、スクリーンPS版9の感光性樹脂層9a全体を照射する必要がないことから、透明ガラス板7もスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aよりも大きくする必要がないし、小型化することもできる。
それ故、透明ガラス板7がスクリーンPS版9の枠9bの金属と接触することがないので傷が付かず、透明ガラス板の交換が不要となった。
スライドレール
上記透明ガラス板7は、図2に示すように、マスクフィルム8を上面に載置して、位置決め操作を行わなければならないため、透明ガラス板7を手前側(左側)にスライドさせて取り出すことができる様にスライドレール10a,10bが設けられている。
また、該マスクフィルム8を上面に載置した透明ガラス板7には、マスクフィルム8と透明ガラス板7とを密着させるために、マスクフィルム8の上から押圧するローラー11を備えていることが好ましい。
凸状周縁部
上記透明ガラス板7の周縁部には、マスクフィルム8の厚みとほぼ同等の厚みの凸状周縁部7aを形成することが好ましく、この凸状周縁部7aがスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aと当接することにより、このスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aと透明ガラス板7と該凸状周縁部7aとによって囲まれた空間部分12を後記減圧機器13に接続された減圧用ホース14によって減圧することができる。
【0008】
(c) 減圧機器
上記減圧機器13は、スクリーンPS版9の感光性樹脂層9aと透明ガラス板7との間に挟んだマスクフィルム8をスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aに密着させるため、透明ガラス板7に孔7bが開けられて、該孔7bの下方側に減圧用ホース14が接続されており、この減圧用ホース14を通じて前記感光性樹脂層7aと透明ガラス板7との空間部12の空気を吸引することによって真空となり、感光性樹脂層7aが大気圧によって押圧されて、感光性樹脂層7aとマスクフィルム8とが透明ガラス板7上で密着する。
なお、真空ポンプ等の減圧機13と連結された真空用ホース14は、透明ガラス板7に固着されていることから、透明ガラス板7がスライドレール10a,10b上をスライドして出入りする際にも伸縮して透明ガラス板7を前後に移動させることができる。
【0009】
(B) 画像周辺部露光用函体部
上記画像周辺部露光用函体部3は、函体3内の天井部分3aにスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aの上面側から光を照射するための従露光器15を内蔵し、函体3内の該従露光器15の下側にはスクリーンPS版9を挿入自在としたガイドレール16a,16bが配置されている。
(a) 従露光器
上記画像周辺部露光用函体3内の天井部分3a付近には、スクリーンPS版9の感光性樹脂層9aの上面側から感光性樹脂層9aの全面に光を照射して感光性樹脂層9aの全面を光硬化させるための従露光器15が内蔵されている。
【0010】
(b) スクリーンPS版挿入用ガイドレール
該画像周辺部露光用函体3内の従露光器15の下側には、スクリーンPS版9を挿入自在としたガイドレール16a,16bが配置されている。
凸状遮光板の載置
スクリーンPS版9の感光性樹脂層9aの上面の中心部付近の画像形成部分に凸状遮光板17を載置することにより、その重みで、その中心部付近を頂点として下方側に凸状に撓む。
それ故、画像周辺部露光用函体部3を降下させてマスクフィルム8上に積層して、減圧ポンプ14で吸引すると、凸状遮光板17を載置した感光性樹脂層9aの中心部より徐々に密着して減圧することができるので、空気を巻き込んだ状態で密着することがない。
この凸状遮光板17は、スクリーンPS版9の感光性樹脂層9aの画像形成を予定する部分に配置されて、従露光器15より照射された光を遮蔽することによりスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aが露光しないようにして、主露光器5の光源5aより放射された平行光線5cのみをマスクフィルム8を介して露光するのでマスクフィルム8の正確な画像を形成することができる。
【0011】
(C) 昇降機
上記画像周辺部露光用函体部3を前記画像部露光用函体部2の上方で昇降自在とする昇降機4は、画像周辺部露光用函体部3全体を降下させて、画像周辺部露光用函体部3に配置されているガイドレール16a,16b上のスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aを、前記画像部露光用函体部2の透明ガラス板7上に載置されたマスクフィルム8に密着させることができる。
該昇降機4は、前記画像部露光用函体部2及び画像周辺部露光用函体部3にそれぞれ一部が収納されて、モーターの回転により、或いは、エアーシリンダー18や油圧等によって画像周辺部露光用函体部3を画像部露光用函体部2の上方で昇降自在とさせている。
【0012】
[II] 操 作
本発明の露光装置の操作は、次のようにして実施される。
(1) マスクフィルムのセット
先ず最初に、透明ガラス板7をスライドさせて引き出し、該透明ガラス板7上にポジフイルム等のマスクフィルム8を載置し、その位置を決めて、フィルム密着用ローラー11によりその上から押圧してポジフィルム8と透明ガラス板7との間の空気を追い出して、ポジフィルム8を透明ガラス板7上に密着固定する。その後、透明ガラス板7を画像部露光用函体部2内にスライドさせて挿入する。
【0013】
(2) スクリーンPS版のセット
図3(a)に示すように、別途製作したスクリーンPS版9の印刷面側を下側に向け、スクリーンPS版9の裏側のスキージー面を上側に向けて、更に、スクリーンPS版9の中央部付近の画像形成部分に画像部凸状遮光板17の凸状面を下側に向けて載置する。
この様に画像部凸状遮光板17をセットしたスクリーンPS版9を、スクリーンPS版挿入用ガイドレール16a,16b上に挿入する。
【0014】
(3) 画像周辺部露光函体の降下
図3(b)に示すように、画像周辺部露光函体3の壁面に形成された制御盤19のスイッチを入れて昇降機4のエアーシリンダー18を作動させて、画像周辺部露光函体3全体を降下させ、画像周辺部露光函体3のスクリーンPS版挿入用ガイドレール16a,16b上に挿入されるスクリーンPS版9の最下部を透明ガラス板7の凸状周縁部7aやポジフィルム8に接触するまで降下させ、スクリーンPS版9の感光性樹脂層7aを透明ガラス板7の凸状周縁部7aに当接する。
次いで、制御盤19のスイッチを入れて減圧装置13を作動させ、減圧用ホース14より吸引してスクリーンPS版9の感光性樹脂層9aと透明ガラス板7と該凸状周縁部7aとによって囲まれた空間部分12を真空に減圧する。
それによって、画像部凸状遮光板17を乗せたスクリーンPS版9の中心部のポジフイルム8と接触した部分から同心円上にスクリーンPS版9の外周に向かって真空密着され、完全に空気溜まりがない状態で密着することができる。
【0015】
(4) 露 光
感光性樹脂層9aとポジフィルム8とが密着されると、図3(c)に示すように、制御盤19のスイッチを入れて予め設定された露光条件の通り条件で露光が行われる。
露光時間は画像を形成する主露光ランプ5と画像周辺部を露光する従露光ランプ15とに時間差があるのが通常である。
【0016】
(5) スクリーンPS版の取り出し
両露光ランプ5,15の露光が終了した時、制御盤19の露光終了ランプが点灯し、減圧装置13が停止となり、昇降機4のエアーシリンダー18が作動して、画像周辺部露光函体3が上昇して、スクリーンPS版9が10mm上昇することにより、露光されたスクリーンPS版9が取り出し可能な状態となる。
そして、画像部凸状遮光板17を取り除き、スクリーンPS版9をその後の工程の現像工程に移動させる。
本発明の露光装置1は、制御盤19の自動又は手動をスイッチの切り替えによって自動操作、手動操作を自由に選択することができる。
【0017】
[III] 用 途
この様な本発明の露光装置は、スクリーン印刷用版を製版する際の最も重要な露光装置として用いることができ、しかも、その露光の際に、必要な画像部の付近のみを真空にするため、真空容量を小さくして、短時間で真空密着させることができるので、露光工程の作業時間を短縮できる。
更に、スクリーンPS版とマスクフィルムとの空間が殆ど無く、真空容積が小さいため、真空による感光性樹脂層の伸びが小さい状態で露光するので、製版精度が著しく向上し、良好な画像が得られる。
スクリーンPS版の画像部の付近のみを光露光するため、露光面積を小さくすることができ、露光距離の短縮に伴う光源とレンズ等の小型化を行うことができるので、装置を安価にすることができる。
また、従来法に比較して、スクリーンPS版の金属の枠が透明ガラス板に直接触れることがないため、ガラス損傷が防止され、ガラス板の取り替えが不要となる。
更に、従来法に比較して、真空密着用ゴムシートカバーを使用しないため、露光によるゴムシートカバーの劣化による交換がないので、取り替え作業と取り替え品のコストがかからない。
【0018】
【実施例】
以下に示す実施例によって、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
マスクフィルムのセット
透明ガラス板をガラス板枠に取り付けて、透明ガラス板をガラス板枠と共にガラス板ガイド上にセットされて、画像部露光用函体部の正面側に透明ガラス板ガイド面上をスライドできるように形成されており、画像部露光用函体部の正面側に引き出すことができる用になっている。
この様にして引き出した透明ガラス板上で、ポジフイルムの位置を決め、フィルム密着用ローラーで透明ガラス板とポジフィルムとの間の空気を追い出して、ポジフィルムを透明ガラス板上に密着固定し、透明ガラス板をスライドさせて画像露光装置内にポジフィルムを載置した透明ガラス板を挿入する。
この様な装置とすることによりポジフィルムのセットが容易になり、位置が決め易く確認もできる。
【0019】
スクリーンPS版のセット
別途製作したスクリーンPS版の印刷面側を下側に向け、スクリーンPS版の裏側のスキージー面を上側にして、更に、画像部凸状遮光板の凸状面を下側に向けてスクリーンPS版の中央部付近に載せ、該凸状遮光板の重みでスクリーンPS版の中央部が逆円錐状に下がるように形成する。
この様に画像部凸状遮光板をセットしたスクリーンPS版をスクリーンPS版挿入用ガイドレール上に挿入する。
【0020】
画像周辺部露光函体の降下
スクリーンPS版挿入用ガイドレール上に挿入したスクリーンPS版を、画像周辺部露光函体の壁面に形成された制御盤のスイッチを入れて昇降装置を作動して、スクリーンPS版の最下部を透明ガラス板上のポジフィルムに接触するまで降下させる。
透明ガラス板には微細な真空用溝が付けられており、更に、透明ガラス板の周縁部分にマスクフィルムの厚みとほぼ同等の厚みの凸状周縁部が形成されており、この凸状周縁部をスクリーンPS版の感光性樹脂層と当接することにより、このスクリーンPS版の感光性樹脂層と透明ガラス板と該凸状周縁部とによって囲まれた空間部分を制御盤のスイッチを入れて真空ポンプを作動させ、減圧用ホースより吸引して真空に減圧することができる。
上記真空ポンプを作動させることによって、画像部凸状遮光板を乗せたスクリーンPS版の中心部のポジフイルムと接触した部分から同心円上にスクリーンPS版の外周に向かって真空密着され、完全に空気溜まりがない状態で密着させることができる。
【0021】
露 光
感光性樹脂層とポジフィルムとが密着されると、予め設定された露光条件の通り条件で露光が行われる。
露光時間は画像を形成する主露光のランプと画像周辺部を露光する従露光ランプとに時間差があり、両ランプの露光が終了した時、制御盤の露光終了ランプが点灯し、真空ポンプが停止となり、スクリーンPS版の昇降機が作動してスクリーンPS版が10mm上昇して露光されたスクリーンPS版が取り出し可能な状態となる。
【0022】
スクリーンPS版の取り出し
露光されたスクリーンPS版を取り出し、画像部凸状遮光板を取り除き、スクリーンPS版をその後の工程の現像工程に移動させる。
なお、真空ポンプと連結された真空用ホースは、透明ガラス板に固着されていることから、透明ガラス板がスライドレール上をスライドして出入りする際にも伸縮して前後に移動する。
【0023】
【発明の効果】
このような本発明の露光装置は、スクリーン印刷用版を製版する際の最も重要な露光装置として用いることができ、しかも、その露光の際に、必要な画像部の付近のみを真空にするため、真空容量を小さくして、短時間で真空密着させることができるので、露光工程の作業時間を短縮できる。
更に、スクリーンPS版とマスクフィルムとの空間が殆ど無く、真空容積が小さいため、真空による感光性樹脂層の伸びが小さい状態で露光するので、製版精度が著しく向上し、良好な画像が得られる。
スクリーンPS版の画像部の付近のみを光露光するため、露光面積を小さくすることができ、露光距離の短縮に伴う光源とレンズ等の小型化を行うことができるので、装置を安価にすることができる。
また、従来法に比較して、スクリーンPS版の金属の枠が透明ガラス板に直接触れることがないため、ガラス損傷が防止され、ガラス板の取り替えが不要となる。
更に、従来法に比較して、真空密着用ゴムシートカバーを使用しないため、露光によるゴムシートカバーの劣化による交換がないので、取り替え作業と取り替え品のコストがかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明実施例の露光装置の正面断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3の(a)、(b)及び(c)は、本発明実施例の露光装置の作動説明図であり、 (a)は透明ガラス板にマスクフィルムをローラーで密着させている断面図であり、(b)は透明ガラス板とマスクフィルムとスクリーンPS版の感光性樹脂層を積層し、真空ポンプで減圧にして密着させた状態を表す断面図であり、(c)はスクリーンPS版の感光性樹脂層に両面露光を行っている状態を表す断面図である。
【図4】図4の(a)及び(b)は、従来の露光装置の正面図及び右側面図である。
【図5】図5の(a)、(b)及び(c)は、従来の露光装置の作動説明図である。
【符号の説明】
1 露光装置
2 画像部露光用函体部
2a 底部
2b 上端部
3 画像周辺部露光用函体部
3a 天井部分
4 昇降機
5 主露光器
5a 光源
5b 放射された光線
5c 平行光線
6 フレンネル
7 透明ガラス板
7a 凸状周縁部
7b 孔
8 マスクフィルム
9 スクリーンPS版
9a 感光性樹脂層
9b 枠
10a,10b スライドレール
11 ローラー
12 空間部分
13 減圧機器
14 減圧用ホース
15 従露光器
16a,16b ガイドレール
17 凸状遮光板
18 エアーシリンダー
19 制御盤
20 真空密着用ゴムシートカバー
21 従来の露光装置
22 スポンジ
23 真空用ホース
Claims (3)
- 底部にスクリーンPS版の感光性樹脂層を下面側から光を照射するための主露光器を内蔵し、上端部にマスクフィルムを載置するための水平方向にスライド自在な透明ガラス板を備えていると共に、スクリーンPS版の感光性樹脂層と透明ガラス板との間に挟んだマスクフィルムをスクリーンPS版に密着させるための減圧機器を備えた画像部露光用函体部と、天井部分付近にスクリーンPS版の感光性樹脂層を上面側から光を照射するための従露光器を内蔵すると共に、該従露光器の下側にスクリーンPS版を挿入自在としたガイドレールを配設し、かつ該ガイドレールに挿入したスクリーンPS版の感光性樹脂層の上面に、該スクリーンPS版の感光性樹脂層の画像形成部分に凸状遮光板を載置した画像周辺部露光用函体部と、前記画像部露光用函体部の上方で前記画像周辺部露光用函体部を昇降自在とする昇降機とから構成されていることを特徴とする露光装置。
- 透明ガラス板の周縁部に、スクリーンPS版の感光性樹脂層に当接自在とした凸状周縁部を形成した、請求項1に記載の露光装置。
- 透明ガラス板上に載置したマスクフィルムを押圧するローラーを備えた、請求項1または2に記載の露光装置。
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