JP4266420B2 - カーボンシートおよびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、炭素質粉末を主要成分とし、これを少量の有機高分子材料で結合してシート状に形成され、二次電池、電気二重層キャパシタその他の電池の電極材料または除塵膜、吸臭膜、導電膜等に使用可能なカーボンシートおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタ用電極の製法として、炭素微粉、含フッ素重合体樹脂及び液状潤滑剤からなる混和物をシート状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで上記のシート状成形物を一軸又は多軸方向に延伸処理する方法が知られている(特公平7−105316号公報参照)。得られた電気二重層キャパシタ用電極は、炭素微粉を担持した含フッ素重合体樹脂の連続微細多孔質構造体からなり、該構造体において炭素微粉は多数の樹脂の微小結節に含まれており、微小結節は微細構造を通じて、その一部が接触し又は連続するように三次元的に相互に結合されていて、炭素質を主体とする従来の電気二重層キャパシタ電極に比べて機械特性に優れ、小型化が可能である。
【0003】
しかしながら、上記の電気二重層キャパシタ用電極は、炭素微粉の含フッ素重合体樹脂による被覆が不完全であり、表面から炭素微粉が脱落し易く、そのためコイン型セルの電極のように比較的小型の電極に対しては使用できても、コイン型セルに比べて大型の、例えば電気自動車における電気二重層キャパシタ用の分極式電極として使用するには機械強度が不足するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、炭素質粉末を主体とし、この炭素質粉末が樹脂やゴム等の有機高分子材料で完全に被覆されていて、炭素質粉末の脱落がなく、機械的強度に優れ、電気自動車における電気二重層キャパシタ用の分極式電極、その他の電池の電極材料または除塵膜、吸臭膜、導電膜等に使用可能なカーボンシートおよびその製法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、大量の炭素質粉末を少量の有機高分子材料からなる多孔質シートの空隙内に保持させた形態のカーボンシートであり、上記多孔質シートの空隙率が表面層および裏面層よりも中間層で大きく、カーボンシートの表面層および裏面層が主として有機高分子材料で形成され、中間層が主として炭素質粉末で形成されていることを特徴とするカーボンシートである。
【0006】
上記のカーボンシートは、有機高分子材料からなる多孔質シートを炭素質粉末の支持体とし、多孔質シートの空隙内に炭素質粉末を保持した形態をしている。そして、多孔質シートの空隙率は、表面層および裏面層で小さく、中間層で大きいため、炭素質粉末の含有量が表面層および裏面層では少なく、中間層で大量となり、カーボンシートが主に炭素質粉末の重なり合いからなる中間層と主に有機高分子材料からなる表面層、裏面層の3層構造となり、かつ有機高分子材 からなる微量の接結部が中間層を貫通して表面層と裏面層とを連結している。
【0007】
したがって、表面層および裏面層の目が細かいため、炭素質粉末の脱落が無く、かつ強度が高いため取扱いが容易であり、任意の板状体に貼り付けて使用することが可能になる。一方、中間層は、主に炭素質粉末で構成されるため、細孔に富む活性炭素を用いることにより静電容量が高くなり、カーボンブラックを混用して活性炭素をつなぐことにより抵抗が低下し、導電性が良好になる。
【0008】
請求項に係る発明は、上記カーボンシートの製法に関する発明であり、有機高分子材料と溶媒からなる樹脂溶液に炭素質粉末を均一に混合し、この炭素質粉末の混合溶液を離型シート上に塗布し、この離型シートを水平に走行させながら温度60℃以下の温風で徐乾燥し、しかるのち離型シートを剥離することを特徴とする。なお、上記徐乾燥の時間は、温度25〜60℃の範囲では、4〜10分程度が好ましく、低温側では長く、高温側では短く設定する。また、高温に設定する場合は、最初の温度を低温に設定し、徐々に昇温するのが好ましい。この乾燥時間が短か過ぎると表面にひび割れが生じ、長過ぎると厚みのばらつきが大きくなり易い。連続乾燥の場合は、入り口側温度を低く、出口側温度を高く設定し、カーボンシートの走行速度を0.2〜0.5m/分程度に設定し、徐々に昇温させながら行うのが好ましい。
【0009】
上記の製法によれば、炭素質粉末は、離型シートに対する混合溶液の塗布直後には該溶液内で均一に分散しているが、樹脂溶液に比べて比重が大きいので、乾燥の進行に伴って徐々に沈降し、上層部分からは炭素質粉末が消えて樹脂溶液、すなわち有機高分子材料の濃度が高くなる。一方、離型シートに接する最下層の樹脂溶液は、離型シートに吸着されたまま、乾燥によって濃度が増し、粘度が高くなって炭素質粉末の沈降を妨げるため、やはり有機高分子材料の濃度が高くなる。その結果、離型シートを剥離することによって請求項1の発明に係るカーボンシートが得られる。
【0010】
乾燥で得られるカーボンシートの裏面には離型シートの表面形状が転写され、離型シート表面が鏡面であれば、カーボンシートの裏面も鏡面となり、鏡面に形成することにより、金属板等の表面に対する粘着性が向上し、接着剤を用いず、圧着するのみで接着が可能になる。なお、カーボンシートの表面は、乾燥炉内の空気に直接触れるため、若干の凹凸が存在する粗面となる。また、乾燥時の温風温度が60℃を超えると、沸騰が起きて表面層と中間層とが一体になったり、裏面層が離型シートに接着したりして3層構造のカーボンシートが得られない。更に、上記の徐乾燥後、温度80〜180℃の熱空気もしくは紫外線、電子線、γ線等の活性線による架橋処理および温度120〜180℃の熱風による強制乾燥を行うことにより、カーボンシートの耐熱性および耐溶剤性を向上することができる。
【0011】
上記の炭素質粉末としては、活性炭、グラファイト、カーボンブラック、導電性カーボンおよび備長炭の微粉末が例示されるが、これらの炭素質粉末は、いずれか一種の粉末を単独で用いてもよく、また二種以上を混合して用いてもよく、カーボンシートの使用目的に応じて適宜に選択される。例えば、活性炭はキャパシタ用電極の主原料、クラファイトは二次電池用電極の主原料、備長炭は電磁波シールド、除湿、除臭用の主原料、カーボンブラックおよび導電性カーボンは導電材または上記活性炭等のつなぎ材として使用できる。
【0012】
また、有機高分子材料としては、特にPTFE、PHFD、PVDF、PFA等のフッ素樹脂が好適であり、これらのフッ素樹脂は、いずれかを単独で用いることができ、また二元共重合体、三元共重合体として用いることもできる。また、上記の合成樹脂に代えてゴムを用いることができ、好適なゴムとして、フッ素ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムおよびアクリルゴム等が例示される。
【0013】
この発明のカーボンシートにおいて、上記炭素質粉末および有機高分子材料の構成比率は、重量比で98/2〜80/20、すなわち有機高分子材料がカーボンシート全量の2〜20重量%であることが好ましい。有機高分子材料が2%未満であると、カーボンシートの強度が不足して破れ易くなり、実用的でない。反対に20%を超えると、静電容量および導電性が低下する。また、上記カーボンシートの好ましい厚みは、0.05〜2.0mmであり、0.05mm未満では層分離が困難で、単層となり、2.0mmを超えると、表面にひび割れが生じて3層構造の形成が困難になる。
【0014】
上記カーボンシートの製造に際し、炭素質粉末は有機高分子材料を含む樹脂溶液に混合するが、有機高分子材料の溶媒としては沸点が100〜150℃のもの、例えば水、MIBK等があげられ、特に水以外のMIBK等の使用が加工性の点で好ましい。そして、この溶媒に上記の有機高分子材料を投入して濃度が20〜35%の樹脂溶液が調整される。上記濃度が20%未満では裏面層の樹脂成分が不足して2層構造となり、反対に35%を超えると沈降による層分離ができなくなり、単層構造になる。
【0015】
得られた樹脂溶液に前記の炭素質粉末が添加され、均一に混合される。炭素質粉末は、吸溶剤性が高く、継粉になり易いので、樹脂溶液と炭素質粉末とを混合した後、シェアーの掛かる攪拌機、例えばスパイクミルで攪拌して継粉を無くし、炭素質粉末を樹脂溶液に均一に分散させることが必要である。なお、上記の炭素質粉末は、前記の溶媒に有機高分子材料と同時に投入し、有機高分子材料の溶解と炭素質粉末の分散を同時に進行させることができる。
【0016】
樹脂溶液に炭素質粉末を混合して得られた混合溶液は、離型シートに塗工される。この離型シートは、塗工、乾燥後の剥離性が良好なものであれば任意であるが、シリコーン加工の表面処理を施した表面平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。そして、ロールコーターを用いて上記の離型シート上に上記の混合溶液が塗布される。塗布厚みは、乾燥後の厚みが0.05〜2.0mmとなる程度に設定される。
【0017】
離型シートに塗布された混合溶液は、離型シートを水平に走行させて乾燥炉に導入され、温度60℃以下の温風で徐々に乾燥され、その乾燥後に離型シートが剥離される。この剥離は、離型シートを180度折り曲げる形で行うことが好ましく、これによってカーボンシートの破損を防ぐことができる。そして、上記の剥離後または剥離前に、必要に応じて前記の架橋処理および強制乾燥を行ってカーボンシートの耐熱性および耐溶剤性を向上させる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1において、10はカーボンシート、11はフッ素樹脂からなる多孔質シート、12は炭素質粉末粒子であり、この炭素質粉末粒子12が多孔質シート11の空隙を埋めている。そして、表面層10aおよび裏面層10cは主にフッ素樹脂で構成され、中間層10bは主に炭素質粉末粒子で構成され、この中間層10bの炭素質粉末粒子の僅かな隙間を通る多孔質シート11の接結部11aが表面層10aおよび裏面層10cを接結し、フッ素樹脂および炭素質粉末の混合物をシート状に一体化している。なお、炭素質粉末粒子12は、便宜上、球形に図示した。
【0019】
実施形態2
炭素質粉末およびフッ素樹脂を98/2〜80/20の重量比で秤量し、このフッ素樹脂をMIBKに溶解し、濃度20〜35%の樹脂溶液を調整し、続いてこの樹脂溶液に上記の炭素質粉末を投入して混合し、更にスパイクミルを用いてシェアーを掛け、継粉が皆無となるように炭素質粉末を樹脂溶液に均一に分散させる。
【0020】
次いで、表面にシリコーン加工を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(離型シート)をロールコーターに導き、そのシリコーン加工面に上記の炭素質粉末と樹脂溶液とからなる混合溶液を乾燥後厚みが0.05〜2.0mmとなるように塗布する。図2は、この塗布した状態を示し、20は混合溶液、21は樹脂溶液、25はポリエチレンテレフタレートフィルム(離型シート)である。12は前記の炭素質粉末粒子であり、この炭素質粉末粒子12は樹脂溶液21に均一に分散している。
【0021】
上記の混合溶液20はポリエチレンテレフタレートフィルム25と共に乾燥炉に運ばれ、0.2〜0.5m/分の速度で走行しながら、入り口側の25℃から出口側の60℃まで徐々に昇温する温風で乾燥される。図3は乾燥時の状態を示し、混合溶液20の液面20bが乾燥の進行に伴って塗布直後の液面20aよりも低くなり、その間に炭素質粉末粒子12が比重差によって沈降し、表面層部分から炭素質粉末粒子12がほとんど消える。そして、更に乾燥が進むと、図1のフッ素樹脂からなる多孔質シート11を支持体とする3層構造のカーボンシート10となる。
【0022】
乾燥が終わると、更に電子線照射装置に導かれ、電子線照射による架橋処理が施され、更に乾燥炉に導かれ、温度120〜180℃の熱風で強制乾燥されて溶剤が完全に除去され、これによってカーボンシート10の耐熱性および耐溶剤性が向上する。その後、カーボンシート10からポリエチレンテレフタレートフィルム25が剥離される。
【0023】
実施形態3
上記の実施形態2において、そのフッ素樹脂に代えてSBRを使用し、かつ有機過酸化物を添加し、それ以外は実施形態2と同様にしてSBRからなる多孔質シートを支持体とし、その空隙に炭素質粉末を保持させたカーボンシートを得る。このカーボンシートは、多孔質シートがSBRで構成されるので、実施形態2のカーボンシートに比べて伸縮性が良好である。
【0024】
【実施例】
実施例1
活性炭粉末(クレハ化学工業社製「BAC基材」)、導電性カーボン粉末(キャボット社製「バルカンXC−72」)およびフッ素樹脂の三元共重合体(住友スリーエム社製「ダイニオンTHV」)を80:10:10の重量比で秤量し、その全量の65%のMIBK(粘度10000CP)を加えて混合溶液を調整し、これをロールコーターに導き、あらかじめシリコーン加工の表面処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製「7007」)に乾燥後厚みが0.15mmとなるように塗布し、温風乾燥炉(長さ約2m、入り口側温度30℃、中央部温度40℃、出口側温度60℃)に速度0.2m/分で導入して乾燥し、続いて電子線照射による架橋処理および温度150℃の熱風による2時間の強制乾燥を行い、実施例1のカーボンシートを製造した。
【0025】
実施例2
実施例1のフッ素樹脂に代えてSBR(日本合成ゴム社製「S2918」)を使用し、活性炭粉末、導電性カーボン粉末および上記のSBRを87:11:2の重量比で秤量し、溶剤に水(粘度9500CP)を用い、それ以外は実施例1と同様にして実施例2のカーボンシートを製造した。
【0026】
比較例1
上記の実施例1において、徐乾燥の中間部温度を50℃、出口温度を80℃に上昇する以外は、実施例1と同様にして比較例1のカーボンシートを製造した。
【0027】
比較例2
上記の実施例1において、徐乾燥の中間部温度を70℃、出口温度を100℃に上昇する以外は、実施例1と同様にして比較例2のカーボンシートを製造した。
【0028】
比較例3
上記の実施例1において、そのフッ素樹脂の三元共重合体をPTFE(AIF社製「フルオンAD936」)に変更し、溶媒のMIBKを水(粘度15000CP)に変更する以外は実施例1と同様にして得られた混合物をシート状に成形した後、溶媒を除去し、次いで成形物を熱カレンダーで延伸し、温度250℃で熱固定を行って比較例3のカーボンシートを製造した。
【0029】
上記の実施例1、2、比較例1〜3について、構造および性能を比較した。その結果を下記の表に示す。なお、表中の溶媒吸収率、対銅箔および対アルミ箔の接着性、離型性、厚み精度等の測定は以下のようにして行った。
【0030】
溶媒吸収率:作成したカーボンシートから幅20mm、長さ80mmの試料を打抜き、150℃で2時間の熱処理を行った後、重量(a)を測定する。続いて、プロピレンカーボネート液に浸漬し、30秒後に取出して表面の付着液を拭き取って重量(b)を測定し、式「吸収率=(b−a)/a」で算出する。
【0031】
接着性:カーボンシート製造時の離型シート25に代えて酸・アルカリ処理を施した金属箔を用いて試料を作成し、カーボンシート表面に補強用の粘着テープを貼り付け、180度剥離を行って界面の剥離モードを観察する。
【0032】
離型性:カーボンシートの製造終了時、離型シート(ポリエチレンテレフタレートフィルム)25を剥離する前に、幅10mm、長さ100mmの試料を採取し、ナイフで界面出しを行った後、カーボンシートの表面に補強用として粘着テープを貼り付け、180度剥離力をオートグラフで測定する。
【0033】
厚み精度:偏差/元厚を%で示した。
【0034】
炭素粉脱落:触指により判定した。
【0035】
Figure 0004266420
Figure 0004266420
【0036】
上記の表に示すように、実施例1、2は測定項目の全てにおいて優れていた。これに対して比較例1は、最初の徐乾燥の温度を80℃に高く設定したので、実施例の裏面層が消失し、引張強度が半分以下に低下し、接着力が低下し、離型性、表裏両面の平滑性、材料歩留り等が劣っていた。また、比較例2は、最初の徐乾燥の温度を比較例1よりも更に高く100℃に設定したので、実施例の表面層および裏面層が消失して中間層のみとなり、炭素粉末が脱落し、引張強度が1/5程度に低下し、接着力、離型性、表裏両面の平滑性、材料歩留り等が比較例1よりも更に悪化した。また、比較例3は、溶媒に水を使用し、かつ炭素質粉末、フッ素樹脂および水の混合物からなるシートをカレンダー延伸したので、比較例2と同様に中間層のみとなって炭素粉末が脱落し、引張強度が1/4程度に低下し、導電性は比較例2よりも更に低下した。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した発明は、炭素質粉末の脱落がなく、機械的強度に優れているので、電気自動車用電気二重層キャパシタの分極式電極、その他の電池の電極材料または除塵膜、吸臭膜、導電膜等の広い範囲で使用することができる。また、請求項2、3、4に記載した発明によれば、請求項1に記載されたカーボンシートを容易に製造することができ、特に請求項に記載した発明によれば、耐熱性および耐溶剤性に優れたカーボンシートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンシートの断面図である。
【図2】混合溶液の塗工直後の断面図である。
【図3】混合溶液の乾燥時における断面図である。
【符号の説明】
10:カーボンシート 10a:表面層
10b:中間層 10c:裏面層
11:多孔質シート 12:炭素質粉末粒子
20:混合溶液 21:樹脂溶液
25:離型シート(ポリエチレンテレフタレートフィルム)

Claims (4)

  1. 活性炭、グラファイト、カーボンブラックおよび備長炭のいずれか1以上の炭素質粉末が、フッ素系樹脂、フッ素ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムおよびアクリルゴムのいずれかである有機高分子材料に配合され、該有機高分子材料の割合がカーボンシート全重量の2〜20重量%であり、シート厚みが0.05〜2 mm のカーボンシートであり、該カーボンシートの表面層および裏面層が主として上記有機高分子材料で形成され、中間層が主として上記炭素質粉末で形成されていることを特徴とするカーボンシート。
  2. 請求項1記載のカーボンシートの製法であって、
    上記有機高分子材料と上記炭素質粉末と沸点が100〜150℃の溶媒とを均一に混合して混合溶液とし、この混合溶液を離型シート上に塗布し、この離型シートを水平に走行させながら温度25〜60℃、時間4〜10分で、入り口側の温度を低く、出口側の温度を高く設定した乾燥炉にて温風乾燥し、しかるのち離型シートを剥離することを特徴とするカーボンシートの製法。
  3. 上記溶媒が水、またはメチルイソブチルケトンであることを特徴とする請求項2記載のカーボンシートの製法。
  4. 上記温度25〜60℃の温風で乾燥後、電子線による架橋処理および温度120〜180℃の熱風による強制乾燥を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカーボンシートの製法。
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