JP4266408B2 - 光学活性グリコールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶、医薬、農薬中間原料として有用な、光学活性グリコールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
現在、光学活性グリコールは液晶、医薬、農業中間原料として有用な化合物であり、これまでに多くの化合物が知られている。
本発明者等は、これらの用途に有用な新規な光学活性化合物について検討を重ねた結果、光学活性純度の高いメバロノラクトンを還元、Wittig試薬を反応させた後に水添することにより、光学活性である1,3−ジオール化合物が得られることを見出した。
【0003】
従って、本発明の目的は、光学純度の高い、新規な光学活性グリコールの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、光学活性なメバロノラクトンから、特定構造を有する光学活性純度の高い化合物を合成できることを知見した。
【0005】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(1)で表される光学活性グリコールの製造方法であって、光学活性なR体のメバロノラクトンを還元し、メチレントリフェニルホスホラン、エチリデントリフェニルホスホラン、プロピリデントリフェニルホスホラン、及びブチリデントリフェニルホスホランから選択されるWittig試薬を反応させた後に、接触水素化による水添反応させることを特徴とする、光学活性グリコールの製造方法を提供するものである。
【0006】
【化2】
(式中、nは2〜5の整数)
【0007】
また、本発明は、上記光学活性グリコールの製造方法であって、光学活性なメバロノラクトンを還元し、Wittig試薬を反応させた後に水添反応させることを特徴とする、光学活性グリコールの製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学活性グリコールの製造方法について詳述する。
【0009】
本発明の光学活性グリコールは、上記一般式(1)におけるnが2〜5の整数である化合物である。
【0010】
本発明の光学活性化合物〔前記一般式(1)で表される化合物〕の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、光学活性なメバロノラクトンを金属水素化物により還元して、次にWittig試薬(アルキリデンホスホラン)を用いてカルボニル化合物をアルケンに合成すると知られているWittig反応をさせた後に、接触水素化により水添を行う方法等があげられる。
【0011】
ここで用いられる光学活性なメバロノラクトンは、R体である。また、Wittig試薬としては、メチレントリフェニルホスホラン、エチリデントリフェニルホスホラン、プロピリデントリフェニルホスホラン、ブチリデントリフェニルホスホランを用いる。
【0012】
【実施例】
以下、実施例により本発明の光学活性グリコール及びその製造方法について更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではない。
〔本発明の光学活性グリコールの合成例〕
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
メバロノラクトン20.0g(1.537×10-1mol)にTHF400mlを加えた。内温を−50℃以下とし、水素化ジブチルアルミニウムトルエン溶液(1.0M)340mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後20分攪拌した。反応の処理は10重量%NaOH水溶液40mlを滴下し、ゆっくりと室温に戻した後に析出物をセライトろ過し、脱溶媒することによって行った。収量は15.4g(収率75%)であった。
【0016】
【化5】
【0017】
THF400ml、プロピルトリフェニルホスホニウムブロミド132.9g(3.45×10-1mol)を、よく乾燥させたフラスコに入れ、氷冷下にて攪拌しているところに、カリウム−t−ブトキシド38.7g(3.45×10-1mol)を投入した。氷冷下で20分攪拌した後に室温に戻し、さらに20分攪拌した。このとき反応液が次第に赤橙色に変化していくのを観察し、Wittig試薬(プロピリデントリフェニルホスホラン)の生成を確認した。次に、得られた反応液を氷冷下にし、第一段階で得られたジオールをTHF75mlに溶解させたものを約45分かけて滴下した。滴下終了後室温に戻し、30分攪拌した。TLCで反応を確認した。析出物をろ過後、脱溶媒し、残留物をシリカゲルカラム(展開液CHCl3/メタノール=9/1)により精製した。収量は14.2g(収率78%)であった。
【0018】
【化6】
【0019】
第二段階で得られたジオール14.2g(8.97×10-1mol)をメタノール100mlに溶解させ、さらにPd/C触媒0.356gを加えた。系内を微減圧した後に、H2 ガスの風船を取り付け、室温で3時間攪拌した。反応終了後、セライトろ過し脱溶媒したのちに、シリカゲルカラム(展開液:CHCl3 /メタノール=9/1)により精製し、目的の化合物(無色液体)を得た。収量は14.0g(収率97.4%)であった。
【0020】
上記合成例で使用された光学活性なメバロノラクトン及び合成中間体、上記合成例で得られたの最終化合物は、赤外吸収スペクトル(IR)、旋光度〔α〕D 、 1H−NMRにより目的物であると同定した。分析結果は各々以下の通りである。
【0021】
<光学活性(R)−メバロノラクトン化合物の分析値>
IR(neat) 3442、2972、2922、1727、1473、1401、1263、1131、1071(cm-1)
旋光度〔α〕D =−31.3°(濃度100%、直接測定、20℃)
【0022】
<第一段階で得られた化合物の分析値>
IR(neat) 3382、2964、1459、1378、1257、1104、1071(cm-1)
旋光度〔α〕D =+47.18°(C=2.418、クロロホルム溶液、29℃)
【0023】
<第三段階で得られた化合物の分析値>
IR(neat) 3349、2933、2862、1464、1376、1146、1067、1018(cm-1)
旋光度〔α〕D =+0.572°(C=2.096、クロロホルム溶液、31℃)
1H−NMR(CDCl3 ):δ値
0.90(t、3H)、1.24(S、3H)、1.31−1.83(m、10H)、2.14(S,1H)、2.58(S、1H)、3.88(t、2H)
【0024】
以上のように、本発明の製造方法により得られた本発明の光学活性グリコールは、液晶、医薬、農薬中間原料として有用な化合物であるばかりでなく、次に述べる減炭素反応による1,2−ジオール化合物に応用することが出来る。
【0025】
〔応用合成例〕
上記合成例で得られた化合物(本発明の光学活性グリコール)の減炭素反応により、液晶中間体として有用な光学活性である1,2−ジオール化合物の合成例を述べる。尚、従来の合成例としては、「Tetrahedron」40(8)1313頁〜24(1984年)に記載された乳酸から合成される1,2−ジオール化合物があげられる。
【0026】
【化7】
【0027】
THF120ml、2−ニトロフェニルセレンシアニド12.7g(5.6×10-2mol)、n−トリブチルホスフィン11.37g(5.6×10-2mol)、ジオール6.0g(3.7×10-2mol)を反応フラスコに仕込み、水冷下にて約1時間反応を行った。沈殿物をろ過後、脱溶媒し、ヘキサン/酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製を行い、セレン付加物を得た。
【0028】
精製したセレン付加物、ジエチルエーテル100mlを30重量%過酸化水素水25mlを加え、室温で10時間攪拌した。析出物をろ過して取り除いた後に水50mlを加え油分分離した後に飽和食塩水50mlで2回洗浄し、MgSO4 脱水後、脱溶媒した。
【0029】
【化8】
【0030】
第一段階で得られたアルコール1.20g(8.44×10-3mol)、メタノール30ml、塩化メチレン30mlを反応フラスコに仕込み、ドライアイス−メタノール浴で約−65〜−70℃に冷却し、オゾンガスを吹き込み、約1時間反応を行った。反応終了後アルゴンガスで系内を置換し、NaBH4 1.3gを添加し、室温に戻した。そのまま室温で1時間攪拌した後に、脱溶媒し、残査をシリカゲルカラム(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)精製することにより目的の化合物を得た。収量は145mg(収率11.8%)であった。
尚、第二段階で得られた1,2−ジオール化合物は、パラトルエンスルホニルクロライドを反応させた後、NaOHで処理することによってエポキシ化合物を合成することができる。
【0031】
実施例より、本発明の光学活性グリコールを合成でき、また、該光学活性グリコールから減炭素反応により液晶原料である光学活性1,2−ジオール化合物を製造することができ、該光学活性グリコールはこれらの中間体として有用であることが明らかである。
【0032】
【発明の効果】
本発明の光学活性グリコールの製造方法によれば、光学純度の高い、液晶、医薬、農薬中間原料として有用な光学活性グリコールを得ることができる。
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