JP4265929B2 - 変位測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式リニアエンコーダ等の位置検出手段の基準位置を決定するための原点検出方式に関し、特に簡素で小型のエンコーダに適した原点検出方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
接触式エンコーダでは、接触式のギャップ保持機構により検出部のギャップを狭く且つ一様に規制することができるため、原点検出パターンにおいて急峻な立ち上がり、もしくは立下りエッジを安定的に得ることが容易である。しかし、セパレート型のような非接触エンコーダでは、広いギャップを有し、且つその変動許容幅を大きくすることが必要であるため、一般的には緩慢な立ち上がり、又は立下りエッジを生成する原点パターンを設けている。このような緩慢な立ち上がり、立下りエッジを立ち上がりエッジを生成する原点パターンを使用した非接触式エンコーダでは、温度変動等に基づく信号変動により、2値化する位置、すなわち原点信号を発生させる位置が大きな影響を受けるため、差動信号を作り出して2値化の位置を安定させることが必要である。しかしながら、差動処理を行う2つの信号の変動特性が一致していない限り、それらの相対差によって生じる原点信号発生位置に誤差が生じる。そして、この誤差は、原点パターンのエッジが緩慢であるほど大きくなる。
【0003】
このような問題点を解決した技術として、特許文献1に開示された原点検出方式が知られている。この方式では、原点信号がピークに対する軸対称性を持つこと、及びピーク位置の長さ方向、すなわち計数方向に対する位置安定性が良いことを応用しており、原点原信号を2値化した結果、得られるゲート信号幅を1/2にすることにより、原点原信号の中心からの現在位置を求めている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−97726公報(段落0017〜0018、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に開示された原点検出方法は、温度特性等に起因する信号強度変化が生じても、原点出力位置が非常に影響を受け難いという特徴を有し、同一方向からの繰り返し再現性に優れている。しかしながら、反対方向から原点を検出した場合にはオフセットを持つため、同一方向からの原点検出に用途が限られるという課題を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、測定軸に沿う双方向からの再現性に優れ、容易に実現できる信頼性の高い原点検出を行うことができる変位測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る変位測定装置は、メインスケールとインデックススケールの相対位置の変化に応じた位置検出信号を出力すると共に、前記メインスケールとインデックススケールとに両スケールの相対移動方向の2箇所を検出するようにそれぞれ形成された原点原信号パターンの重なりの度合いに応じてレベルが変化する原点原信号を出力する位置検出手段と、前記原点原信号を所定の基準レベルでスライスして原点信号を生成出力する原点信号発生手段と、前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間及びその間の期間を前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数によって計数し、この計数結果に基づいて前記原点信号の2つのアクティブ期間のうちの一方のアクティブ期間の中心位置から両アクティブ期間の一方の中心位置と他方の中心位置との間の区間の中心位置までの計数値を計測し記憶する原点位置設定手段と、前記両スケールを任意の方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの最初のアクティブ期間の中心位置からの前記位置パルスの計数値が、前記原点位置設定手段に記憶された計数値と一致したときに原点出力パルスを出力する原点位置再現手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、メインスケールとインデックススケールとに両スケールの相対移動方向の2箇所を検出するようにそれぞれ原点原信号パターンが形成され、両スケールを所定方向に相対移動させたときに生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの一方のアクティブ期間の中心位置から、両アクティブ期間の一方の中心位置と他方の中心位置との間の区間の中心位置までの計数値を計測し、これを原点位置を示すものとして記憶するようにしている。このため、両スケールの相対移動方向のいずれの方向から計測しても、原点位置は、同じ位置に設定される。そして、原点位置の再現時には、原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの最初のアクティブ期間の中心位置からの前記位置パルスの計数値が、原点位置設定手段に記憶された計数値と一致したときに原点出力パルスを出力するようにしているので、両スケールがいずれの方向に相対移動した場合でも、同じ原点位置が再現される。
【0009】
原点原信号が緩やかに変化する場合、それを2値化したときのエッジ位置は温度ドリフトなどにより大きく変動するが、エッジとエッジの中間点、即ち原点原信号のピーク位置は殆ど変動しない。本発明では、原点位置は、原点信号のアクティブ期間の中心位置を基準に設定されているので、原点原信号のエッジの傾斜が緩慢であっても、それによる影響は殆ど無い。このため、再現性にすぐれた原点検出が可能になる。
【0010】
なお、本発明において、前記原点位置設定手段としては、例えば、前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段からの原点信号が最初にアクティブになってから前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数を開始し前記原点信号が非アクティブになったときに計数値を1/2にする第1の位置パルス計数手段と、この第1の位置パルス計数手段で1/2になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始し前記原点信号が次にアクティブになったときに計数値を2倍にする第2の位置パルス計数手段と、前記第2の位置パルス計数手段で2倍になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始し前記原点信号が再度非アクティブになったときに計数値を1/4にする第3の位置パルス計数手段と、この第3の位置パルス計数手段で1/4になった後の計数値を記憶する記憶手段とを備えて構成することができる。
【0011】
また、本発明において、前記原点位置再現手段としては、例えば前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段からの原点信号が最初にアクティブになってから前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数を開始し前記原点信号が非アクティブになったときに計数値を1/2にする第4の位置パルス計数手段と、この第1の位置パルス計数手段で1/2になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始する第5の位置パルス計数手段と、この第5の位置パルス計数手段での計数値と前記原点位置設定手段に記憶された計数値とを比較して両者が一致したら原点出力パルスを生成出力するコンパレータとを備えて構成することができる。
【0012】
このような構成であると、原点位置設定手段および原点位置再現手段を、計数回路を主体として簡単に構成することができる。
更に、前記位置検出手段は、前記メインスケールとインデックススケールとにゲート原信号パターンが形成され、このゲート原信号パターンに基づいて前記原点信号の2つのアクティブ期間を包含する1つのアクティブ期間を有するゲート原信号を生成出力するものであり、前記原点信号発生手段は、前記ゲート原信号を所定の基準レベルでスライスしてゲート信号を生成し、前記原点原信号を所定の基準レベルでスライスして得た2値化信号を前記ゲート信号でゲートすることにより前記原点信号を生成出力するようにしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る変位測定装置に使用される位置検出手段、即ち原点原信号φZ、ゲート原信号φM及び位置検出信号としての2相正弦波からなるメイン信号φA,φBを出力するリニアスケールの概略構成を示す斜視図である。このリニアスケールは、透過型光電式エンコーダで、メインスケール1とインデックススケール2とを対向配置させ、両スケール1,2に所定ピッチの光学格子3,4を形成している。両スケール1,2を挟んでLED等の光源5とフォトダイオード等の受光素子6とが向かい合っている。インデックススケール2、光源5及び受光素子6で、メインスケール1に対して相対的に移動する検出部7が構成されている。検出部7が移動すると、各スケール1,2の光学格子3,4を透過する光は、格子ピッチと同じ周期で明暗を繰り返す。光学格子4は、さらに4つに分割され、それぞれの空間位相が90°ずつ異なっているため、明暗の周期も90°異なっている。受光素子6は、この変化を電気信号に変換し、90°位相差の位置検出信号、即ち2相正弦波信号であるメイン信号φA,φBを出力する。また、両スケール1,2の所定箇所に原点原信号パターン8,9,10及びゲート原信号パターン11,12がそれぞれ形成されており、受光素子6は、これらパターン8,9,11とパターン10,12との重なり具合によって後述する原点原信号φZ及びゲート原信号φMを出力する。
【0014】
図2は、メインスケール1に形成される原点現信号パターン8,9及びゲート原信号パターン11の具体的な実施形態を示す平面図である。
図2(a)〜(b)から明らかなように、原点原信号パターン8,9は、メインスケール1とインデックススケール2の相対移動方向に所定の距離だけ隔てて配置されており、ゲート原信号パターン11は、これら原点原信号パターン8,9を内側に含むような両スケール1,2の相対移動方向の長さを持つ。
図2(a)は、原点原信号パターン8,9の部分を透過型スリット、その周りの部分を遮光パターンとし、ゲート原信号パターン11の部分をメイン信号φA,φBを生成出力するための回折格子(メイン信号パターン)3と同一の回折格子、その周りの部分を遮光パターンとした例である。
図2(b)は、原点原信号パターン8,9及びゲート原信号パターン11の部分を、共に遮光型スリット、その周りの部分をそれぞれ透過パターンとした例である。
図2(c)は、原点原信号パターン8,9の部分を遮光型スリット、その周りの部分を透過パターンとし、ゲート原信号パターン11の部分をメイン信号パターン3と同一の回折格子、その周りの部分を透過パターンとした例である。
図2(d)に示すように、スリットの部分は、単純なスリットでも良いし、ランダムパターンとしても良い。ランダムパターンの場合には、より急峻なパルスが得られるという利点がある。
なお、これらのパターンは、位置検出手段が透過型エンコーダであることを前提として説明したが、位置検出手段が反射型エンコーダであっても良く、この場合には、遮光部が反射部となる。
【0015】
図3は、これらメイン信号φA,φB、原点原信号φZ及びゲート原信号φMから原点出力信号PZを生成出力するための原点検出回路を示す図である。2相正弦波からなるメイン信号φA,φBは、内挿回路21に入力され、ここでメイン信号φA,φBの周期が所定数分割されて2相方形波信号PA,PBが生成される。例えば、スケール1,2の格子ピッチが20μmであると、内挿回路21はこれを100分割することにより、0.2μmピッチで分解能0.05μmの2相方形波信号PA,PBを生成出力する。これら2相方形波信号PA,PBは、位相が例えば90°ずれていて、いずれの立ち上がりエッジが先行しているかをもってインデックススケール2の移動方向が定まるようになっている。位置パルス計数手段としてのカウンタ22,23は、この2相方形波信号PA,PBを導入し、これら信号PA,PBの各立ち上がり及び立ち下がりエッジを検出することで、例えば0.05μmピッチの位置パルスPULSEを内部に生成すると共に、2相方形波信号PA,PBの位相関係に基づいて移動方向DIRをデコードし、移動方向DIRに基づいて位置パルスPULSEをアップカウント又はダウンカウントする。
【0016】
一方、原点信号発生回路24は、原点原信号φZを所定の基準レベルVRefでスライスして原点信号Zを生成すると共に、ゲート原信号φMを所定の基準レベルVRefでスライスしてゲート信号Mを生成し、原点信号Zをゲート信号Mでゲートする。この原点信号Zは、極性・ゲート制御回路25に供給されている。極性・ゲート制御回路25は、原点信号Zの2つのアクティブ期間と、その間の非アクティブ期間を検出して、カウンタ22,23の計数動作を切り換える。カウンタ22は、原点信号Zの2つのアクティブ期間に位置パルスPULSEをカウントする。カウンタ23は、原点信号Zの2つのアクティブ期間の間の期間に位置パルスPULSEをカウントする。原点信号Zの最初のアクティブ期間でのカウンタ22の計数値は、1/2回路26で1ビットシフトにより1/2にされてカウンタ23にプリセットされる。原点信号Zの最初のアクティブ期間に続く非アクティブ期間でのカウンタ23の計数値は、原点設定時には、2倍回路27で1ビットシフトにより2倍にされてカウンタ22にプリセットされる。原点信号Zの次のアクティブ期間でのカウンタ22の計数値は、1/4回路28で2ビットシフトにより1/4にされてメモリ29に記憶される。原点信号Zの前記非アクティブ期間でのカウンタ23の計数値は、原点再生時には、コンパレータ30に供給され、メモリ29に記憶された計数値と比較される。コンパレータ30は、カウンタ23の計数値がメモリ29に記憶された計数値と一致したときに原点出力パルスPZを出力する。なお、原点設定回路31は、原点設定スイッチ32がONになったときに、表示器33を点灯させて原点設定モードであることを表示すると共に、極性・ゲート制御回路25を「原点設定モード」に設定する。
【0017】
なお、このように構成された原点検出回路は、上述した「原点設定モード」と「原点再現モード」の2つのモードの動作を行うが、「原点設定モード」では、カウンタ22及び1/2回路26は、第1の位置パルス計数手段を構成し、カウンタ23及び2倍回路27は、第2の位置パルス計数手段を構成し、カウンタ22及び1/4回路28は第3の位置パルス計数手段を構成する。そして、これらカウンタ22,23、1/2回路26、2倍回路27、1/4回路28およびメモリ29で、原点位置設定手段を構成している。
【0018】
また、「原点再現モード」では、カウンタ22及び1/2回路26は、第4の位置パルス計数手段を構成し、カウンタ23は、第5の位置パルス計数手段を構成する。そして、これらカウンタ22,23、1/2回路26及びコンパレータ30で、原点位置再現手段を構成している。
【0019】
次にこのように構成された原点検出回路の動作について説明する。
(1)原点位置の設定(原点設定モード)
図4は、原点設定モード時の各部の信号波形を示す波形図である。
【0020】
▲1▼まず、+移動方向における動作について説明する。
原点設定を有効にするため原点設定スイッチ32が押されると、原点設定回路31は、表示器33を点灯させ、設定動作中であることを表示する。次に検出部7を+移動方向に移動開始させる。検出部7がゲート原信号パターン11を検出すると、図4に示すように、ゲート原信号φMが緩やかに立下り、このゲート原信号φMを基準電圧VRefで2値化して作られたゲート信号Mが立ち上がる。更に、検出部7が図4中左側の原点原信号パターン8を検出すると、原点原信号φZが緩やかに立下り、この原点原信号φZを基準電圧VRefで2値化して作られた原点信号Zの左側パルスZLが立ち上がる。この左側パルスZLがHレベルである間の位置パルスPULSEをカウンタ22が計数し、計数値kを得る。左側パルスZLが立ち下がると同時に、1/2回路26により、この計数値の1/2、すなわちk/2がカウンタ23にプリセットされ、カウンタ23がk/2を初期値として原点信号Zの左右パルスZL,ZR間の区間ZC={ZLR−(ZL+ZR)/2}(但し、ZLRは原点原信号φZのピーク間距離)の位置パルスnの計数を開始し、原点信号Zが再度立ち上がり、ZRに入ると同時に、カウンタ23の計数値(k/2+n)を2倍回路27で2倍した値、すなわち(k+2n)を再度カウンタ22にプリセットする。以降カウンタ22は(k+2n)を初期値としてZRの間の位置パルスmを計数する。ZRが立ち下がった時点でのカウンタ1の計数値は(k+2n+m)となっている。この計数値は1/4回路28で1/4、すなわち{(k+2n+m)/4}にされてメモリ29に記憶される。メモリ29への記憶動作が終了すると同時に表示器33が消灯する。この記憶された値{(k+2n+m)/4}は、2つの原点原信号φZの左のピーク位置から左右のピークの中央位置までの距離となっている。
【0021】
▲2▼−移動方向から原点設定を行った場合でも+移動方向と同様の手順を経ることにより、2つの原点原信号φZの右のピーク位置から左右のピークの中央位置までの距離{(k+2n+m)/4}がメモリに記憶される。この値は+移動方向と同じ値となる。
【0022】
▲3▼前述の▲1▼または▲2▼の手順を経て記憶された値は、装置の電源の切断、再投入によっても失わないように保持される。すなわち意図的に▲1▼または▲2▼の手順で再度、原点設定をし直す場合以外、失われないようにする。原点設定は、エンコーダを装置に組み込んだ最初か、あるいは保守時に行う。
【0023】
(2)原点位置の再現(原点再現モード)
原点位置の設定を一度行った後は、原点位置を通過する毎に原点出力パルスPZを発生させる。ここではこれを原点位置の再現と呼ぶ。図5は、原点再現モード時の各部の信号波形を示す波形図である。動作は、以下の手順で行われる。
【0024】
▲1▼電源を投入し、検出部7を+移動方向に移動開始させる。移動に従い、原点原信号φZのピークに近づくと原点信号Zが右側パルスZLを発生する。このパルスZLが立ち上がるのと同時に、カウンタ22が位置パルスの計数を開始する。さらに移動を続け、パルスZLが立ち下がると同時にカウンタ22の計数値が1/2回路26で1/2、すなわちk/2にされ、これをカウンタ23にプリセットする。カウンタ23は、このプリセットされた値を初期値として、以降位置パルスPULSEを計数する。この計数値と(1)の原点位置の設定でメモリ29に記憶された値とをコンパレータ30で比較し、カウンタ23の計数値がメモリ29に記憶された値、すなわち{(k+2n+m)/4}と一致した時点で原点位置パルスを発生させる。移動を続けるとカウンタ23の計数値がオーバーフローし、周期的に原点位置パルスPZSが発生する。この原点位置パルスPZSとスケール上のパターンから得られるゲート信号Mとの論理積をとることで、原点出力パルスPZを特定することができる。また、1度原点出力パルスPZが発生すると、以降は移動方向が反転しても原点出力パルスPZは、2つの原点原信号の中央位置のみで出力され、それ以外の位置では出力されない。
【0025】
▲2▼検出器を−移動方向に移動させても同様に、ゲート信号Mとの積をとることで原点出力パルスPZは、2つの原点原信号の中央位置でのみ出力される。
【0026】
なお、ゲート信号Mは、以下の3つの役割を持っている。
▲1▼電源立上げ時にゲート信号Mが"1"である場合、「原点の設定」および「原点の再現」の動作を開始させない。電源投入時に"0"である場合、あるいは一度、ゲート信号Mが"1"から"0"となった場合に「原点の設定」あるいは「原点の再現」の動作を開始させる。
▲2▼ゲート信号Mが立ち上がった時点での移動の極性を見て、カウンタ22およびカウンタ23の計数絶対値が増加するように設定する。たとえば、ゲート信号Mが立ち上がった時点で+移動している場合には、計数絶対値を+移動では増加、−移動では減少とする。逆にゲート信号Mが立ち上がった時点で−移動している場合には、計数絶対値を−移動では増加、+移動では減少とする。
▲3▼原点位置パルス列から原点出力パルスPZを特定する。
ゲート信号Mは原点信号Zが"1"となるZLとZRを包含する幅を持たせる。ただし、特定する原点位置パルスPZS以外の周期的に発生する不要な原点位置パルスPZSが含まれない幅にしておく。
【0027】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
▲1▼シンプルなパターンで原点原信号パターンを構成でき、反射型、透過型、いずれにも対応が可能である。
▲2▼スリットパターンでも、従来に比べて原点出力パルスの再現性が大幅に改善されているが、図2に示したランダムパターンのような、より急峻なエッジが得られるパターンを適用すると、更に再現性が向上する。
▲3▼本発明では、2つの原点信号Zの幅の計数値kとm、および2つの原点信号Zの間の計数値nを用いて{(k+2n+m)/4}の計算を行っていることになるが、CPU等による演算を行わずに、カウンタのデータ・プリセットとビットシフトのみで処理を行うことができる。よって、FPGAやゲートアレイに容易に組み込むことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、メインスケールとインデックススケールとに両スケールの相対移動方向の2箇所を検出するようにそれぞれ原点原信号パターンが形成され、両スケールを所定方向に相対移動させたときに生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの一方のアクティブ期間の中心位置から、両アクティブ期間の一方の中心位置と他方の中心位置との間の区間の中心位置までの計数値を計測し、これを原点位置を示すものとして記憶するようにしている。このため、両スケールの相対移動方向のいずれの方向から計測しても、原点位置は、同じ位置に設定され、原点位置の再現時には、原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの最初のアクティブ期間の中心位置からの前記位置パルスの計数値が、原点位置設定手段に記憶された計数値と一致したときに原点出力パルスを出力するようにしているので、両スケールがいずれの方向に相対移動した場合でも、同じ原点位置が再現されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る原点検出方式に適用されるリニアエンコーダの分解斜視図である。
【図2】 同リニアエンコーダに使用可能なメイン信号パターン、原点原信号パターン及びゲート原信号パターンを示す平面図である。
【図3】 同実施形態に係る原点検出回路のブロック図である。
【図4】 同回路の原点設定時の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】 同回路の原点再現時の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1…メインスケール、2…インデックススケール、3,4…回折格子、5…光源、6…受光素子、7…検出部、8〜10…原点原信号パターン、11,12…ゲート原信号パターン、21…内挿回路、22,23…カウンタ、24…原点信号発生回路、25…極性・ゲート制御回路、26…1/2回路、27…2倍回路、28…1/4回路、29…メモリ、30…コンパレータ、31…原点設定回路。
Claims (5)
- メインスケールとインデックススケールの相対位置の変化に応じた位置検出信号を出力すると共に、前記メインスケールとインデックススケールとに両スケールの相対移動方向の2箇所を検出するようにそれぞれ形成された原点原信号パターンの重なりの度合いに応じてレベルが変化する原点原信号を出力する位置検出手段と、
前記原点原信号を所定の基準レベルでスライスして原点信号を生成出力する原点信号発生手段と、
前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間及びその間の期間を前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数によって計数し、この計数結果に基づいて前記原点信号の2つのアクティブ期間のうちの一方のアクティブ期間の中心位置から両アクティブ期間の一方の中心位置と他方の中心位置との間の区間の中心位置までの計数値を計測し記憶する原点位置設定手段と、
前記両スケールを任意の方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段から生成出力される原点信号の2つのアクティブ期間のうちの最初のアクティブ期間の中心位置からの前記位置パルスの計数値が、前記原点位置設定手段に記憶された計数値と一致したときに原点出力パルスを出力する原点位置再現手段と
を備えたことを特徴とする変位測定装置。 - 前記原点位置設定手段は、
前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段からの原点信号が最初にアクティブになってから前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数を開始し前記原点信号が非アクティブになったときに計数値を1/2にする第1の位置パルス計数手段と、
この第1の位置パルス計数手段で1/2になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始し前記原点信号が次にアクティブになったときに計数値を2倍にする第2の位置パルス計数手段と、
前記第2の位置パルス計数手段で2倍になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始し前記原点信号が再度非アクティブになったときに計数値を1/4にする第3の位置パルス計数手段と、
この第3の位置パルス計数手段で1/4になった後の計数値を記憶する記憶手段と
を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。 - 前記原点位置再現手段は、
前記両スケールを所定方向に相対移動させたときに前記原点信号発生手段からの原点信号が最初にアクティブになってから前記位置検出信号に基づく位置パルスの計数を開始し前記原点信号が非アクティブになったときに計数値を1/2にする第4の位置パルス計数手段と、
この第1の位置パルス計数手段で1/2になった後の計数値がプリセットされて前記位置パルスの計数を開始する第5の位置パルス計数手段と、
この第5の位置パルス計数手段での計数値と前記原点位置設定手段に記憶された計数値とを比較して両者が一致したら原点出力パルスを生成出力するコンパレータと
を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。 - 前記位置検出手段は、前記メインスケールとインデックススケールとにゲート原信号パターンが形成され、このゲート原信号パターンに基づいて前記原点信号の2つのアクティブ期間を包含する1つのアクティブ期間を有するゲート原信号を生成出力するものであり、
前記原点信号発生手段は、前記ゲート原信号を所定の基準レベルでスライスしてゲート信号を生成し、前記原点原信号を所定の基準レベルでスライスして得た2値化信号を前記ゲート信号でゲートすることにより前記原点信号を生成出力するものである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の変位測定装置。 - 前記位置検出信号である2相正弦波信号をそれぞれ内挿して2相方形波信号を生成出力する内挿手段を更に備え、
前記位置パルス計数手段は、前記2相方形波信号から生成される前記位置パルスを前記2相方形波信号の位相関係に基づいてアップカウント又はダウンカウントするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の変位測定装置。
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