JP4265289B2 - 投写型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルなどのライトバルブ素子を使用して、スクリーン上に映像を投影する投写型表示装置、例えば、液晶投写型表示装置、液晶テレビジョン、投写型ディスプレイ装置等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電球などの光源からの光を、液晶パネルなどのライトバルブ素子で画素毎の濃淡に変えて調節し、スクリーンなどに画像を拡大投射する液晶プロジェクタ等の投写型のプロジェクタ装置が知られている。
【0003】
投写型表示装置においては、照明手段の光源であるランプからの光をライトバルブ手段の光学変調素子で変調し、投射手段によりスクリーンなどに投射して映像として表示をおこなっている。この種の投写型表示装置においては、照明手段としてのランプの光出力以外の発熱成分を、装置外部へ排出する冷却手段を設けるのが通例である。また、ライトバルブ手段である光学変調素子においては、送られてくる光を変調して映像に変換する時に、不要な光を吸収するなどして、素子自体が発熱する。このときに、光学変調素子の温度管理を怠ると素子の寿命が短くなるということが知られており、ライトバルブ素子の冷却手段も設けられているのが通例である。
【0004】
従来、この種の投写型表示装置の排気方向に関しては、たとえば下記特許文献1、下記特許文献2、そして下記特許文献3などに開示される例が知られていた。
【0005】
下記特許文献1に開示される従来技術においては、投写型表示装置の排気口に可撓性のあるダクトを設け、ダクトの方向を適宜変更することにより、排気方向を変更する構成となっていた。このようにすると、排気方向をその設置環境に合わせて適宜変更することが可能であり、設置環境に対応して排気方向を変更するという課題はクリアされている。
【0006】
下記特許文献2に開示される従来技術においては、排気口に設けた排気ガイド(ルーバ)の案内方向を、ルーバの取り付け方向を変更することにより、上下左右設定できる構成となっていた。このようにすることにより、装置外部への排気方向を適宜変更することが可能となり、設置環境に対応して排気方向を変更するという課題はある程度はクリアされている。
【0007】
下記特許文献3に開示される従来技術においては、排気口を複数方向設け、排気口に設けたセンサにより、塞がれた排気口を検出して必要に応じて使用する排気口を変更する構成となっていた。このようにすることにより、設置環境に対応して排気方向を変更するという課題はクリアされている。
【特許文献1】
特開平9−319007号公報
【特許文献2】
特開2000−137291号公報
【特許文献3】
特開2001−185884号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1においては、冷却風の吸気口と排気口が設定状態によっては接近してしまうことがあり、このような場合には熱い排気を再び吸気してしまい、冷却能力が低下することがあるという新たな問題が発生することがある点、また、装置外部に付加したダクトの取り扱い、特に持ち運び時などに不便である点や操作時に熱いダクトに触れなければならない点など、従来十分に考慮されていなかった。
【0009】
また、上記特許文献2においては、たとえば側面に設けた排気口に対して上下左右方向には排気方向が変更できるものの、側面からの排気という点は本質的には変わらず、たとえば完全な前方や完全な後方への排気は実現できない点、従来十分に考慮されていなかった。
【0010】
また、上記特許文献3においては、冷却風の吸気口と排気口が設定状態によっては接近してしまうことがあり、このような場合には熱い排気を再び吸気してしまい、冷却能力が低下することがあるという新たな問題点が発生することがあるという点、また、排気口を複数設ける点や排気方向変更手段として排気ファンの位置を移動したり、複数排気ファンを配置するなど、複数の排気口のスペースが必要となり、装置全体のサイズや重量が増すという点など、従来十分に考慮されていなかった。
【0011】
投写型表示装置の冷却に伴う排気に関しては、高温の排気を装置の投射方向に対して背面や側面側に排気する場合には、装置を設置した会議室などの場合では人のいる方向に熱い空気を吹き出すことになる。また、投射方向と同じ装置前方に排気する場合には、室温によっては排気の空気密度と周囲の空気との温度差により投射する映像に揺らぎが発生することがあるなど、設置する周囲の環境に適合する最適な排気方向に変更する必要がある。
【0012】
上記のように、従来技術では、装置環境に応じて排気方向を適宜変更できるようにすることと、吸気口と排気口とを近接しないようにして排気が吸気側にまわりこまないようにすることの両立の配慮を十分にはなされていない。
【0013】
本願発明はこの点を鑑みて成されたものであり、その目的は、装置の設置環境により排気方向を適宜変更できるようにし、また排気方向を変更した場合には、排気が吸気側に循環するのを低減できる投写型表示装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本願発明は、 光源ユニットと、該光源ユニットを冷却する第1の冷却ファンと、該光源ユニットからの光束を変調するライトバルブと、該ライトバルブを冷却する第2の冷却ファンと、該ライトバルブで変調した光を投射する投射レンズとを有し、前記第1の冷却ファンによる第1の冷却風路と、前記第2の冷却ファンによる第2の冷却風路とは互いに略独立して成り、前記第1の冷却ファンによる第1の冷却風の送風方向を選択的に切り替えるように構成する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本願発明は、光源ユニットと、前記光源ユニットからの光束を変調するライトバルブと、前記ライトバルブで変調した光を投射する投射レンズと、第1の吸排気口と第2の吸排気口とを有する筐体と、前記第1の吸排気口と前記第2の吸排気口とを連結し、前記光源ユニットを含み、且つ前記ライトバルブを含む光学素子が配置された領域とは異なる領域に独立して形成されたダクトと、前記ダクト内に配置され、且つ前記光源ユニットを冷却するための冷却ファンとを有し、前記冷却ファンによる冷却風の送風方向を選択的に切り替えるように構成する。
【0016】
図1から図6は、本発明による、第1の一実施形態の説明図である。図1から順に説明する。
【0017】
図1は、本発明による第1の一実施の形態である投写型表示装置の概観を示す斜視図で、(a)図は、投写型表示装置1の正面側、(b)図は、投写型表示装置の背面側を示す。
【0018】
図1において、本発明による投写型表示装置1は、(a)図のように、吸排気口A2が投射レンズ10と同じ方向すなわち正面側に面して設けてあり、(b)図に示すように、吸排気口B3が背面側に設けてある。その他、操作スイッチ5(詳細は後述)、パネル吸気口4などが装置1外部に面して配置されている。
【0019】
図2は、図1に示した本発明による第1の一実施形態の投写型表示装置1の内部構成を示す斜視図である。
【0020】
図2において、照明手段であるランプ(光源ユニット)の冷却手段であるランプ冷却ダクト200が装置内部に設けてあり、ランプ冷却ダクト200はファン210を中心において、吸排気ダクトU215と吸排気ダクトB216、および反対側のランプダクト213により構成され、両端にダクト吸排気口A211及びダクト吸排気口B212が設けられている。
【0021】
ランプ冷却ダクト200のランプダクト213に隠れているが、この下に照明手段であるランプが設けてある。投写型表示装置の実際の動作の概略は、照明手段であるランプから発生した光を光学エンジン部6内部で図示していないライトバルブ手段により変調した後に、投射手段である投射レンズ10を経て装置外部のスクリーン(図示せず)などに投射して映像として表示する。
【0022】
なお、光学エンジン部6は、照明手段であるランプ(図示せず)からの光をライトバルブ手段に照射する照明光学系(図示せず)と、照明光学系で照射される照射光を映像信号に応じて画素毎の光の濃淡に変える光強度変調を行って光学像を形成するライトバルブ手段(図示せず)と、この光学像を拡大して投射する投射手段である投射レンズ10とから構成されている。図2では、光学エンジン部6はライトバルブ手段として3枚の液晶パネルを用いている。
【0023】
図3は、図2に示した本発明による第1の一実施形態のランプ冷却ダクト200の詳細構成を示す分解図を示す。
【0024】
図3において、ランプ冷却ダクト200は、ファン210に隣接して、ランプ側では、ランプダクト213が配置される。ランプダクト213の内側には、ランプホルダ8に取り付けられたランプ7が収納され、照明手段として構成されている。このランプダクト213の外側がダクト吸排気口B212となる。ファン210の反対側には、吸排気ダクトを構成する吸排気ダクトU215及び吸排気ダクトB216が設けてあり、この2部品の装置外側に向かった部分がダクト吸排気口A211を構成している。
【0025】
図2及び3に示すように、ランプ冷却ダクト200は、一方端のダクト吸排気口A211が装置外部からの風の出入り口である吸排気口A2に、また他方端のダクト吸排気口B212が装置外部からの風の出入り口である吸排気口B3に連結されており、投写型表示装置1のその他の部分とは独立したダクト構成となっている。その他の部分である、光学エンジン部6内部の冷却手段は図示していないが、ランプ冷却ダクト200とは別系統である。
【0026】
図4は、図1に示した本発明による第1の一実施形態の動作状態を示す断面図である。図4(a)は、ファン210の送風方向を装置前方(映像の投射方向)に設定した場合、すなわち吸排気口B3から吸気して、吸排気口A2に排気する動作状態の冷却風の方向を示している。
【0027】
図4(a)において、ファン210は装置前方方向に風を送っており、投写型表示装置1の外部から吸排気口B3より取り込んだ外気は、矢印A700のようにランプ冷却ダクト200のダクト吸排気口B212を経てランプダクト213内のランプ7で発生した熱と熱交換し、ファン210へと達する。そして、ファン210により送りだされた風は、吸排気ダクトを構成する吸排気ダクトU215及び吸排気ダクトB216を経てダクト吸排気口A211を経て吸排気口A2から投写型表示装置1外部へと排出される。
【0028】
図4(b)は、ファン210の送風方向を装置後方の背面側に設定した場合、すなわち吸排気口A2から吸気して、吸排気口B3に排気する動作状態の冷却風の方向を示している。
【0029】
図4(b)において、ファン210は、装置後方方向に風を送っており、投写型表示装置1の外部から吸排気口A2より取り込んだ外気は、矢印B750のように、吸排気ダクト部(吸排気ダクトU215,吸排気ダクトB216)によるダクト吸排気口A211を経て吸排気ダクト部を経由してファン210へと達する。ファン210により送り出された風は、ランプダクト213内部にあるランプ7に吹き当てられて、ランプから発生る熱と熱交換してダクト吸排気口B212及び吸排気口B3から投写型表示装置1の外部へと排出される。
【0030】
これらの図4(a)(b)に示す状態は、ファン210の送風方向を変更することにより実現できる。すなわち、ファン210の回転方向を正逆切り替えることにより、ランプ冷却ダクト200内を流れる風の方向を正逆切り替えることができる。そして、このようにファン210の送風方向を変更すると、投写型表示装置1全体での吸気口と排気口との役割を変更することができる。すなわち、図4(a)のようにすると、吸排気口B3から吸気して吸排気口A2へ排気する動作となる。図4(b)のようにすると、吸排気口A2から吸気して、吸排気口B3へ排気する動作となる。これらにより、投写型表示装置の前方方向への排気状態、すなわち図4(a)の状態の場合と、投写型表示装置の後方への排気状態すなわち図4(b)の状態の、2通りの状態のいずれかを選択することができる。
【0031】
また、ランプ冷却ダクト200側の冷却風のとおる範囲は、その他の光学エンジン部6の範囲とは仕切られており、ランプ冷却ダクト200内の送風方向を変更しても、投写型表示装置1内部の光学エンジン部6などのその他の部分への冷却に関する影響はない。
【0032】
なお、ファン210は、図2,図4から明らかなように、ランプ冷却ダクト200の略中心に配設されているので、ファンの回転によって生じる騒音を低レベルに抑えることができる。
【0033】
図5は、ファン210の送風方向すなわち回転方向を変更する回路のブロック図を示す。図5において、ファンの内部のファンモータ駆動コイルは3相あり、コイルA301、コイルB302、コイルC303の3つに順次電流を流してファンを駆動する。このとき、モータ制御IC300から出力される3相の駆動線すなわちA相ライン304、B相ライン305、C相ライン306の3つの線の内の2つを入れ替えることによりファンの回転方向を変更することができる。たとえば、スイッチ307でA相とB相を入れ替えることにより、回転方向を切り替えることができる。スイッチ307は、投写型表示装置1外部に設けた操作スイッチ5に連動しており、装置外部から、ファンモータの駆動位相を入れ替える設定が可能となっている。このようにすると、装置外部の操作スイッチ5を操作することにより、スイッチ307を動かしてモータの駆動位相A相とB相を入れ替え、結果としてファンモータの駆動位相を変更することにより、ファンモータの回転方向を切り替えることが可能となる。
【0034】
このようにファンモータの回転方向を切り替えることにより、ランプ冷却ダクトの吸気・排気の方向を入れ替えることができる。
【0035】
このようにして、投写型表示装置1の外部に面して設けられた操作スイッチ5を操作することにより、投写型表示装置全体でのランプに関する吸気・排気の方向を同時に入れ替えることが可能となる。
【0036】
図1に戻り、投写型表示装置1全体での動作をまとめて説明する。図1において、投写型表示装置1外側に面して設けられた操作スイッチ5を操作し、たとえば「正転」位置にスイッチを操作すると、内部のファンが正転方向に回転し、図4(a)で示した矢印A700方向に送風動作を行う。このときには、吸排気口B3側から外部の空気を吸気し、内部のランプを冷却した排気を吸排気口A2から排気する。すなわち、投写型表示装置1の投射方向と同方向の前方に排気を行う設定となる。
【0037】
次に、投写型表示装置1外側に面して設けられた操作スイッチ5を操作して、たとえば「逆転」位置にスイッチを操作すると、内部のファンが逆転方向に回転し、図4(b)で示した矢印B750方向に送風動作を行う。このときには、吸排気口A2側から外部の空気を吸気し、内部のランプを冷却した排気を吸排気口B3から排気する。すなわち、投写型表示装置1の投射方向の前方側から吸気し、後方側に排気を行う設定となる。
【0038】
以上述べたように、本実施形態によれば、投写型表示装置の設置環境に応じて、適宜吸排気口方向を変更でき、かつ、吸気口と排気口が装置筐体の対向する2つの面にそれぞれ設けられているので、排気が吸気口側に回り込んで漏れこむのを低減することができる。
【0039】
なお、上記では照明手段であるランプをランプ冷却ダクトで形成された風路中に設けて、ファンからの冷却風で冷却するとしたが、冷却対象はランプに限定されるものではなく、ランプ近傍に配設される光学フィルタや光学レンズ等の照明光学系の一部を含んでも良いことはいうまでもない。
【0040】
図6は、本発明による第2の一実施形態の構成を示す斜視図である。第1の実施形態ではファンの回転方向を操作スイッチで変えて送風方向を適宜選択できるようにしたが、第2の実施形態ではファンを着脱可能にして、回転方向が反転する向きに装着し、送風方向を変えるようしたものである。
【0041】
図6において、投写型表示装置1の上面には、ファン取り出し口400があり、ファン蓋401を開けて内部のファン210を取り出すことができる。図6(a)には、たとえばファン210が回転すると「正」方向に送風する状態を示している。この状態は、説明のために蓋を開けてファンを取り出した状態であるが、実際には装置内部にファンを取り付けて蓋を閉めて動作を行う。この図6(a)の状態では、投写型表示装置1の吸排気口A2側がランプを冷却した排気を排出する排気口として動作する。
【0042】
図6(b)には、たとえばファン210が回転すると「逆」方向に送風する状態を示している。この状態は、説明のために蓋を開けてファンを取り出した状態であるが、実際には装置内部にファンを取り付けて蓋を閉めた状態で動作を行う。この図6(b)の状態では、投写型表示装置1の吸排気口B3側が、ランプを冷却した排気を排出する排気口として動作する。
【0043】
このように、冷却用のファンの取り付け方向を差し替えることにより、冷却風の方向を切り替える構成とすることによっても、吸気・排気の方向を入れ替えることができる。
【0044】
図7は、本発明による第3の一実施形態の構成を示す斜視図である。第3の実施形態ではファンを装着できる箇所を複数(ここでは2箇所)備え、それぞれの箇所には挿入方向を識別する手段(ここでは切り欠き突起)を有してファンの回転方向を指定し、一つのファンの装着場所を変えて、送風方向を変えるようにすることに特徴がある。
【0045】
図7において、投写型表示装置1の上面には図7(a)に示すように、2つのファン取り付部、ファン取り付け部A500とファン取り付け部B501が設けてある。
【0046】
ファン取り付け蓋503にはファン210が取り付けられて、一体として取り扱うことができる。また、ファン取り付け蓋503には方向識別切り欠き504が設けてあり、投写型表示装置1へ取り付ける場合に取り付け方向を規制する構成としてある。図7(a)に示すように、ファン取り付け部A500には、突起A505が設けてある。一方ファン取り付け部B501には、突起B506が設けてある。これらのファン取り付け部に対して、ファンを取り付けると、ファン取り付け蓋503に設けてある方向識別きり欠き504とそれぞれの突起とが適合する方向にしか取り付けることができない。この図7(a)の形態では、ファン取り付け部A500とファン取り付け部B501との間では、ファンの取り付け方向を反転した方向で取り付けることができる。
【0047】
ファンを取り付けた取り付け部の残りの空いている取り付け部には、蓋507を取り付けて開口部を閉じることができる。
【0048】
図7(b)図には、ファン取り付け部B501にファンを取り付けた状態の冷却風の矢印760を示す。すなわち、ランプ冷却ダクト200内のファン210から送り出された風は、ランプ7周りを冷却した後に、投写型表示装置1の投射方向、すなわち前方方向に排気される。
【0049】
図7(c)図には、ファン取り付け部A500にファンを取り付けた状態の冷却風の矢印770を示す。すなわち、ランプ冷却ダクト200内のファン210から送り出された風は、ランプ7周りを冷却した後に、投写型表示装置1の投射方向の反対側、すなわち背面方向に排気される。
【0050】
この図7に示す一実施の形態のようにすると、投写型表示装置1の前方・後方排気の設定をファンの差し替えにより実現でき、また、ランプの冷却は必ず吹き当てで行うことができ、効率よく熱交換することができる。
【0051】
図8は、本発明による第4の一実施形態の内容を示す断面図である。第4の実施形態ではファンの向きを回動可能にして反転させ、送風方向を変更できるようにしている。
【0052】
図8において、投写型表示装置1内部のランプ冷却ダクト200内には、回転部600に取り付けられたファン210がある。回転部600を矢印610のように回動して、ファンの吹き出し方向を変更することができる。このようにしても、投写型表示装置1の吸気・排気の方向を切り替えることが可能となる。
【0053】
第1の実施形態では、ファンの回転方向(送風方向)切り替えにスイッチを用いて3相駆動線を入れ替える例で説明を行ったが、もちろん駆動波形の位相そのものを変更するものや、電流の極性を切り替えるものなど、電気的な切り替えを行う物であっても同様の効果を得られることはいうまでもない。また、ファンの送風方向を切り替える方式としては、ファンの回転方向を換えるもの以外に、ファンの羽根の角度を切り替える、可変ピッチプロペラ方式によるものであっても同様に装置の使用環境に応じて、冷却風の排気口と吸気口を入れ替えることができる。
【0054】
本実施の形態の説明では、吸気・排気の方向を、投写型表示装置の投射方向を前方としてその反対側を後方と定義し、前方/後方での方向切り替えの例で説明したが、右側面と左側面あるいは前面・側面、上面・前面などの組み合わせであっても同様の効果を得られることはいうまでもない。
【0055】
投写型表示装置の説明では、実施の形態として、ライトバルブ手段に液晶を用いた例で説明したが、他のライトバルブ手段、たとえば微少鏡駆動方式、レーザーアドレス液晶方式など、入射光を変調して映像として投影できるものであれば透過式・反射式ともに同様に実現可能である。また、ライトバルブ手段についても3枚使用するいわゆる3板方式、2枚、1枚でも同様の効果を有することは言うまでもない。
【0056】
以上記載のように本発明は、装置の使用環境に応じて冷却風の排気口と吸気口とを入れ替えることができ、使用環境に対応する最適な運転状態を実現する。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、使い勝手を向上させた投写型表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置の内部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るランプ冷却ダクトの構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るランプ冷却ダクトの冷却風の方向を説明する断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るファンの回転方向切り替え回路を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置の外観を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る投写型表示装置のファン交換システムを説明する斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るランプ冷却ダクト周りの冷却風の切り替えの説明図である。
【符号の説明】
1…投写型表示装置、2…吸排気口A、3…吸排気口B、4…パネル吸気口、5…操作スイッチ、6…光学エンジン部、7…ランプ、8…ランプホルダ、200…ランプ冷却ダクト、210…ファン、211…ダクト吸排気口A、212…ダクト吸排気口B、213…ランプダクト、300…制御IC、301…コイルA、302…コイルB、303…コイルC、307…スイッチ、400…ファン取り出し口、500…ファン取り付け部A、501…ファン取り付け部B、600…回転部。
Claims (3)
- 光源ユニットと、
前記光源ユニットからの光束を変調するライトバルブと、
前記ライトバルブで変調した光を投射する投射レンズと、
第1の吸排気口と第2の吸排気口とを有する筐体と、
前記第1の吸排気口と前記第2の吸排気口とを連結し、前記光源ユニットを含み、且つ前記ライトバルブを含む光学素子が配置された領域とは異なる領域に独立して形成されたダクトと、
前記ダクト内に配置され、且つ前記光源ユニットを冷却する冷却ファンと
を有し、
前記ダクト内に、前記冷却ファンを着脱可能な箇所を複数箇所設け、当該着脱可能な箇所への前記冷却ファンの着脱によって、前記冷却ファンによる冷却風の送風方向を選択的に切り替えることを特徴とする投写型表示装置。 - 請求項1に記載の投写型表示装置であって、
前記冷却ファンは、前記冷却ファンからの冷却風を前記光源ユニットに吹き付けるように配置されることを特徴とする投写型表示装置。 - 請求項1乃至請求項2記載の投写型表示装置であって、
前記冷却ファンは、前記筐体の略中央部に配置されることを特徴とする投写型表示装置。
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