JP4264936B2 - 印刷用ブランケット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明はオフセット印刷機に用いられる印刷用ブランケットに係り、詳しくは、高速印刷においても十分な接着性と繰り返し圧縮に対する十分な耐久性を有する印刷用ブランケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷は刷版から画像を一度ブランケットに転写し、このブランケットに転写された画像を紙面に印刷するものである。従って、運転中にブランケット胴に装着されたブランケットに弛みやズレが生じると印刷された画像にもズレが生じる。このために、印刷用ブランケットはブランケット胴への装着が容易であるばかりでなく、装着後は確実に固定されていなければならない。このような印刷用ブランケットは、例えば、複数枚の織布による補強層の上に圧縮性層を設け、さらに前記圧縮性層に支持体層を介して印刷面となる表面層を積層してなる。
【0003】
圧縮性印刷用ブランケットは、例えば図1に示すように、印刷面となる表面層1の下面側に1層の織布からなる支持体層2を介して発泡層である圧縮性層3が形成されており、圧縮性層3は織布による補強層4,6及び8が接着層5及び7を介して積層された3層の補強層によって支持されている。
【0004】
表面層の下面に積層される支持体層2には、ブランケット胴への装着のし易さを考慮して、ある程度の残留伸びを残した織布が使用される。また、支持体層2には表面層への布目の影響を少なくするために、細番手の糸を使用した織布が使用される。このような表面層の下面に積層される支持体層には、表面層との接着性を考慮して綿糸単独、綿糸とレーヨン糸の混紡、レーヨン糸単独等による織布が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印刷機の高速化及びブランケット自動洗浄機の普及に伴い、従来の印刷用ブランケットには次のような問題があった。即ち、印刷機の高速化に伴い、ブランケットにかかる繰り返しの圧縮応力の周波数が高くなり、表面層及びその下面近傍の疲労の度合いがより大きくなっている。疲労度が大きくなると、まず表面層1に近接する支持体層2が破断する。支持体層2の破断によってさらに表面層1も破断することになる。
【0006】
また、ブランケット自動洗浄機は、不織布やスポンジなどでブランケット上に堆積したインキや紙紛等を高速回転して洗浄する。そのときに生じるせん断方向の応力により、表面層及びその下面近傍は疲労して剥離及び破断が生じる。
【0007】
このようにブランケットの剥離及び破断が生じると、ブランケットを交換しなければならなくなるから、印刷効率(生産性)が大幅に悪くなる。従来使用されている綿による織布は、接着性が悪く剥離が発生し易いという問題があった。また、レーヨンによる織布は繰り返し圧縮に対する疲労抵抗が十分とはいえず、高速印刷時の繰り返し圧縮に対する耐久性に問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−310570号公報
【0009】
特許文献1には、支持体層に溶剤湿式冷却ゲル紡糸法による紡績糸であるビニロン糸を使用することが提案されているが、ビニロン糸は接着性及び繰り返し圧縮応力に対する耐久性には優れているが、非常に高価であり製品のコストアップになるという問題がある。
【0010】
【発明の目的】
この発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、表面層とその下面に積層される支持体層とを強固に接着することによって、繰り返し圧縮に対する耐久性を向上させ、経済的な印刷用ブランケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る印刷用ブランケットは、印刷面となる表面層の下面に支持体層を設けてなる印刷用ブランケットにおいて、前記支持体層を綿糸による織布によって形成するとともに、織布を形成する綿糸には精練加工した綿糸を使用してなることを特徴とする。
【0012】
綿糸は、ビニロン糸等の合成糸と異なり、繰り返し応力には強いが、表面層との接着性に問題があった。そこで、綿糸が表面層との接着性に劣るのは、綿に含まれる油脂、綿蝋、蛋白質や埃などの夾雑物によるのではないかと想定し、精練加工した綿糸を使用することによって初期の目的を達することができた。
【0013】
前記精練加工は、綿に含まれる不純物を除去して清浄にするものであるが、特に接着性に影響する油脂、綿蝋、蛋白質や埃などの夾雑物を取り除く必要がある。尚、精練加工から時間の経った織布には「湯通し」を行なってもよい。前記印刷用ブランケットは、圧縮性層を有する圧縮性印刷用ブランケットであると、圧縮性層を有しない非圧縮性印刷用ブランケットであるとを問わないが、繰り返し圧縮に対する耐久性が劣る圧縮性印刷用ブランケットに適用するのが好ましい。
【0014】
このように、印刷面となる表面層の下面に積層する支持体層を精練加工した綿糸による織布により形成することによって、接着性が向上し、繰り返し圧縮に対する十分な耐久性を有するブランケットが得られる。
【0015】
この発明に係るブランケットの表面層は、印刷インキ、インキ洗浄剤等を考慮して耐油性ポリマーが用いられ、例えば、クロロプレンゴム(CR)、多硫化ゴム(T)、ポリアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(Q)等によって形成することができる。このような耐油性ポリマーは加硫剤、加硫促進剤、強化剤、老化防止剤等の1種以上を添加したものであってもよい。
【0016】
【実施例】
この発明の具体的実施例について説明する。
まず、ブランケットは図1に示す通常の構造によるブランケットを製造し、表面層1から順に支持体層2、圧縮性層3、補強層4,接着層5、補強層6、接着層7、補強層8とし、順次接着、積層してなる。表面層1の下面に積層される支持体層2をなす織布の経糸及び緯糸は、表1に示すとおりである。尚、ここで、経糸はブランケットをブランケット胴に装着したときのブランケットの回転方向、緯糸はブランケット胴の軸方向をいう。
【0017】
【表1】
【0018】
上記構成の支持体層2の径糸方向における支持体層2と表面層1との接着強度について測定した。測定方法は、JIS K6256「布と加硫ゴムの剥離試験」に準拠した。試料寸法には、幅2504mm×長さ150mmのものを用い、引張速度は、JIS K6256「布と加硫ゴムの剥離試験」に準拠して行った。測定結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
表2から明らかなように実施例は比較例に比べて層間の接着強度が向上しており、表面層と織布との接着は良好であった。
【0021】
次いで、繰り返し圧縮疲労試験を次のように行った。圧縮疲労試験機には、印刷機の圧胴とブランケット胴のユニットを改造したベアラーコンタクト方式の圧縮・回転試験機を用い、圧胴とブランケット胴は、胴径φ173mm、面長414mmである。試験方法は次のようにして行った。まず、ニップでのブランケットの圧縮量が0.30mmになるようにブランケト胴に下敷きを装着してブランケットを胴に張る。次いで、100回転させた後、増し締めを行い圧胴の表面に厚さが0.50mmのフィルムを1枚張り付ける。
【0022】
その後、試験機を回転速度1000rpmの高速で回転させる。5000回転後に試験機を止めてブランケットの表面を観察する。ブランケット表面に破断、亀裂等の問題が見られなければ、更に回転を続け、5000回転毎にブランケット表面を観察する。試験結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
表3から明らかなように、実施例は比較例に比べて明らかに亀裂発生までの回転数が増加しており、圧縮疲労抵抗が向上していることがわかる。圧縮疲労抵抗は織布の素材と表面層と織布の接着性に影響されることが明らかになった。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は支持体層を構成する織布を精練加工した綿糸により形成することにより、表面層と支持体層との接着強度が向上する。また、高い接着強度が得られることから、高速印刷時における繰り返し圧縮に対する耐久性、即ち、耐刷力に優れたブランケットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブランケットの一例を示す説明用拡大断面図である。
【符号の説明】
1 表面層
2 支持体層
3 圧縮性層
4,6,8 補強層
5,7 接着層
Claims (1)
- 印刷面となる表面層の下面に支持体層を設けてなる印刷用ブランケットにおいて、前記支持体層を綿糸による織布によって形成するとともに、織布を形成する綿糸には精練加工した綿糸を使用してなることを特徴とする印刷用ブランケット。
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JP2003187033A JP4264936B2 (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 印刷用ブランケット |
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2003
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