JP6903309B2 - 印刷用ゴムブランケット - Google Patents

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本発明は、印刷用ゴムブランケットに関する。
印刷用ゴムブランケットは、平滑な表面を有する表面ゴム層と、この表面ゴム層に接合され、2〜4枚の織布からなる基布層とを備える構造のものが知られている。この印刷用ゴムブランケットは、シリンダー上に捲きつけて使用される。例えば、平版印刷用ゴムブランケットを使用した印刷では、文字や画像を形成したロール状の版胴に印刷インキを塗布し、この版胴と密接して回転するゴムブランケットの表面ゴム層の平滑な面に文字や画像を転写する。次いで、このゴムブランケット上の文字や画像を紙面に転写して印刷物を得る。ゴムブランケットが版胴及び被印刷物より繰り返し押圧を受け、基布層の厚みの減少と周方向の長さの伸長が生じ、それに伴ってゴムブランケットの収縮及び伸長が生じる。その結果、版胴から転写された表面ゴム層の文字や画像を紙面に転写する時に、文字や画像が歪む等の問題を生じる。
特許文献1では、耐久性の高いゴムブランケットを提供するため、厚さの減少や伸びを生じにくい高い強度を有する基布層を備える印刷用ゴムブランケットが開示されている。
特開2010−149526号公報
本実施形態は、使用時に基布層の破断や亀裂が生じ難く、耐久性の高い印刷用ゴムブランケットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、支持体層と、当該支持体層の一方の面に設けられた表面ゴム層とを備え、前記支持体層は、前記表面ゴム層側に位置する第1の基布層と、当該第1の基布層の当該表面ゴム層と反対の面側に位置する第1のゴム層と、当該第1のゴム層の当該第1の基布層と反対の面側に位置する第2の基布層と、当該第2の基布層の当該第1のゴム層と反対の面側に位置する第2のゴム層とを備え、前記第2の基布層は、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維層を含むことを特徴とする印刷用ゴムブランケットを提供する。
実施形態に係る印刷用ゴムブランケットの一例を示す拡大断面図。 図1の印刷用ゴムブランケットをシリンダーに装着した状態を示す模式図。 図2の印刷用ゴムブランケットの要部を拡大した断面図。 実施形態に係る印刷用ゴムブランケットの他の例を示す拡大断面図。
以下、実施形態に係る印刷用ゴムブランケットを詳細に説明する。
実施形態に係る印刷用ゴムブランケットは、支持体層と、当該支持体層の一方の面に設けられた表面ゴム層とを備え、支持体層は、表面ゴム層側に位置する第1の基布層と、当該第1の基布層の当該表面ゴム層と反対の面側に位置する第1のゴム層と、当該第1のゴム層の当該第1の基布層と反対の面側に位置する第2の基布層と、当該第2の基布層の当該第1のゴム層と反対の面側に位置する第2のゴム層とを備える。第2の基布層は、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維層を含む。
まず、第2の基布層について詳しく説明する。
1)第2の基布層
第2の基布層を構成するガラス繊維層は、特に限定されないが、例えば、Eガラス、Sガラス、Aガラス、Cガラス及びDガラス等からなるガラス繊維を使用できる。ガラス繊維の織り方は、特に限定されないが平織、綾織、朱子織、模紗織、からみ織、斜紋織及び二重織等が挙げられる。ガラス繊維層は、例えばアクリル樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂、ニトリルゴムなどの各種ゴムを含侵してもよく、メチルエチルケトンなどの溶剤に溶解した前記樹脂またはゴムを含侵させても良い。
第2の基布層の強度は、1%伸度で13N/mm以上であり、好ましくは1%伸度で13N/mm以上60N/mm以下、さらに好ましくは13N/mm以上40N/mm以下である。第2の基布層の強度を1%伸度で13N/mm以上にすることにより、ゴムブランケットの強度を増加できるため、ゴムブランケットの伸長や厚さの減少(ヘタリ)を効果的に抑制できる。第2の基布層の強度を1%伸度で13N/mm未満にすると、第2の基布層の強度が不足してゴムブランケットの伸長及び厚さの減少(ヘタリ)を効果的に抑制することが困難になる。一方、第2の基布層の強度が60N/mmを超えると、第2の基布層が厚くなる傾向があり、ゴムブランケットが折れ曲がり難くなる。そのため、ゴムブランケットを装着されるシリンダーの形状に沿わせるように無理に折り曲げると、使用時に破断するなどの印刷障害が生ずる虞がある。第2の基布層の強度は、ガラス繊維の繊維径に依存する、つまり第2の基布層の厚さに依存する傾向がある。
第2の基布層の厚さは、0.14mm以上0.39mm以下、より好ましくは0.20mm以上0.39mm以下にすることが望ましい。第2の基布層の厚さを0.14mm未満にすると、ガラス繊維層の強度が低下してゴムブランケットの耐久性が低下する傾向があるため好ましくない。一方、第2の基布層の厚さが0.39mmを超えると、ゴムブランケットが折れ曲がり難くなる。そのため、ゴムブランケットを装着されるシリンダーの形状に沿わせるように無理に折り曲げると、使用時に破断するなどの印刷障害が生ずる虞がある。
また、第2の基布層は、1枚又は2枚のガラス繊維布から構成され、望ましくは1枚のガラス繊維布から構成される。ガラス繊維布が2枚である場合、例えば、ゴム材料からなる接着層で互いに接着される。ゴム材料からなる接着層は、例えば後述する第1,2のゴム層で説明するものと同様の材料で作ることができる。第2の基布層を構成するガラス繊維布の枚数が増加すると、第2の基布層の厚さが増加してゴムブランケットが折れ曲がり難くなる。そのため、ゴムブランケットを装着されるシリンダーの形状に沿わせるように無理に折り曲げると、使用時に破断するなどの印刷障害が生ずる虞がある。
次いで、表面ゴム層、第1の基布層、第1,第2のゴム層に関して説明する。
2)表面ゴム層
表面ゴム層のゴム材料は、特に限定されないが、例えばニトリルゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムを用いることができる。
表面ゴム層には、ゴム材料の他に添加剤を配合することを許容する。添加剤は、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、可塑剤等が挙げられる。
表面ゴム層の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下にすることが好ましい。表面ゴム層の厚さが0.1mm未満にすると、表面ゴム層の表面にその下に配置される第1の基布層の布目による凹凸が形成される虞がある。表面ゴム層に凹凸が形成されると、それが印刷物上に転写されて印刷物が不良品となる。一方、表面ゴム層の厚さが1.0mmを超えると、印刷中に加わる圧力によって表面ゴム層の変形歪みが大きくなって円周増加率が大きくなる虞がある。
3)第1の基布層
第1の基布層の厚さは、0.1mmから0.5mmであることが好ましい。第1の基布層の厚さが0.1mm未満にすると、第1の基布層の強度が低下する虞がある。第1の基布層の厚さが0.5mmを超えると、表面ゴム層の表面に第2の基布層の布目に対応する凹凸が形成されやすくなる。このため、表面ゴム層の凹凸が印刷物上に転写されて印刷物が不良品となる虞がある。
第1の基布層は、例えば、織布、不織布等を使用することができる。織布、不織布は、例えば、綿、毛、麻、絹、レーヨン、キュプラ、アセテート、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、アクリレート、ポリイミド、炭素繊維又はアラミド繊維等の繊維からつくることができる。第1の基布層の織り方は、特に限定されないが平織、綾織、朱子織等が挙げられる。
また、第1の基布層は、1枚又は複数枚の織布又は不織布から構成され、望ましくは1枚の織布又は不織布から構成される。第1の基布層が複数の織布又は不織布からなる場合、例えば、ゴム材料からなる接着層で互いに接着される。ゴム材料からなる接着層は、例えば後述する第1,2のゴム層で説明するものと同様の材料で作ることができる。
4)第1,2のゴム層
第1,2のゴム層のゴム材料は、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴムを用いることができる。 第1,2のゴム層の厚さは、例えば、0.1mmから2.0mmである。第1,2のゴム層の厚さは、ゴムブランケット全体の厚さに応じて適宜選択されればよい。第1,2のゴム層には、ゴム材料の他に添加剤を配合することを許容する。添加剤は、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、可塑剤等が挙げられる。
第1,2のゴム層の少なくとも一方は、独立気泡を有する多孔質構造又はソリッド構造のゴム材料から作り、圧縮層として機能させることが好ましい。第1,2のゴム層を圧縮層として用いる場合、例えば0.1mm以上2.0mm以下の厚さを有することが好ましい。多孔質構造のゴム材料を製造するには、例えば、マイクロカプセルを添加する方法、塩の溶出法、発泡剤法等を採用することができる。
なお、印刷用ゴムブランケットは、第2の基布層と反対側の第2のゴム層の面に接着される第3の基布層をさらに備えてもよい。第3の基布層は、材質、厚さを前述した第1の基布層で説明したものと同様にすることができる。第1,第3の基布層は、互いに同じでも、あるいは互いに異なる構成を有していても良い。
また、印刷用ゴムブランケットは、上述する表面ゴム層と第1の基布層との間、第1の基布層と第1のゴム層との間、第1のゴム層と第2の基布層との間、第2の基布層と第2のゴム層の間、第2のゴム層と第3の基布層の間に他の層、例えば接着用ゴム層をさらに備えてもよい。接着用ゴム層は、例えば、前述した第1,2のゴム層で説明したものと同様の材料で作ることができる。接着用ゴム層の厚さは、例えば0.05mm以上であり、隣接するゴム層との合計で2.0mm以下である。
本実施形態に係る印刷用ゴムブランケットの一例を図1から図3を参照して説明する。図1に示す印刷用ゴムブランケット10は、支持体層1と、この支持体層1の一方の面に積層されたニトリルゴムからなる表面ゴム層2とを備える。支持体層1は、表面ゴム層2側から綿布からなる第1の基布層3、ニトリルゴムを含む圧縮層である第1のゴム層4、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維からなる第2の基布層5及びニトリルゴムからなる第2のゴム層6がこの順序で積層された帯状の積層体からなる。
図1に示す印刷用ゴムブランケット10は、図2に示すようにシリンダー11に巻き付けられて使用される。印刷用ゴムブランケット10は、一端がシリンダー11のバー加工部12aに固定され、かつ他端がシリンダー11のバー加工部12bに固定され、これによりゴムブランケット10は張力がかかった状態でシリンダー11に巻き付けられている。
ゴムブランケット10は、使用時に版胴及び被印刷物で繰り返し押圧される。ゴムブランケット10に含まれる第2の基布層5は、高い強度を有するため繰り返し押圧されても押し潰され難く厚さが減少し難い。そのため、第2の基布層5の厚さの減少に伴う表面ゴム層2の収縮及び伸長が生じ難く、耐久性の高いゴムブランケット10が得られる。このようなゴムブランケット10によれば、版胴から転写された表面ゴム層2の文字や画像を紙面に転写する時に、文字や画像が歪まずに正確に転写することができる。
また、図3は図2のゴムブランケット10の巻き付け角部を一部拡大したものである。シリンダー11の角部でゴムブランケット10は、鋭角に折り曲げられるため、ゴムブランケット10の表面に近い基布層ほど延伸され緊張状態になり、かつ裏面に近い層ほど鋭角に折り曲げられ緊張状態になる。ガラス繊維から作られる基布層は高い強度を有するものの、使用時に緊張状態におかれて動的衝撃が与えられると破断や亀裂が生じる虞がある。実施形態に係るゴムブランケット10のガラス繊維から作られる第2の基布層は、高い可撓性を有する第1,2のゴム層4,6の間に配置しているため、前述したように鋭角に折り曲げても当該第2の基布層5が破断したり、亀裂を生じたりするのを抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、使用時に基布層の破断や亀裂が生じ難く、耐久性の高い印刷用ゴムブランケットを提供することができる。
本実施形態に係る印刷用ゴムブランケットの他の例について図4を参照して説明する。図4に示す印刷用ゴムブランケット20は、支持体層1と、この支持体層1の一方の面に積層されたニトリルゴムからなる表面ゴム層2とを備える。支持体層1は、表面ゴム層2側から綿布からなる第1の基布層3、ニトリルゴムを含む圧縮層である第1のゴム層4、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維からなる第2の基布層5及びニトリルゴムからなる第2のゴム層6、綿布からなる第3の基布層7がこの順序で積層された帯状の積層体からになる。
図4に示す印刷用ゴムブランケット20は、図1に示す印刷用ゴムブランケット10と同様の効果を得ることができる。加えて、装着時に第3の基布層7がシリンダーに接するため、シリンダー上でのゴムブランケットの滑り性が向上するので取り扱い性が向上する。
なお、印刷用ゴムブランケットの支持体層は、例えば図4に示す第3の基布層7の下層にさらに第3のゴム層及び第4の基布層がこの順序で積層されてもよい。この場合、ガラス繊維からなる基布層は、表面ゴム層側から数えて1層目の基布層ではなく、支持体層の最下層ではない中間層であればよい。ガラス繊維からなる第2の基布層は、表面ゴム層側から数えて、2層目の基布層である必要はなく、3層目の基布層であってもよい。
以下、本実施形態の実施例1〜3、比較例1〜4を詳細に説明する。
<実施例1のゴムブランケットの作製>
中高ニトリルゴム(NBR)100重量部に、イオウ、加硫促進剤、老化防止剤、補強剤及び可塑剤を混合し、得られた混合物をメチルエチルケトンに溶解させ、ゴムコンパウンドRC1を得た。
ゴムコンパウンドRC1に、メタアクリロニトリルとアクリロニトリルの共重合体製のマイクロカプセル(アクゾ・ノーベル株式会社製、商品名エクスパンセル(登録商標)092DE、平均粒径80μm)を混合し、ゴムコンパウンドRC2を得た。
第1の基布層(厚さ0.25mmの平織の綿織布)上に、ゴムコンパウンドRC2を0.5mmの厚さに塗布した。次いで、塗布されたゴムコンパウンドRC2上に、第2の基布層(厚さ0.14mmのEガラスのガラス繊維の朱子織の織布)を貼り合せた。次に、第2の基布層の他方の面に、ゴムコンパウンドRC1を0.4mmの厚さに塗布した。次いで、塗布されたゴムコンパウンドRC1上に、第3の基布層(厚さ0.35mmの平織の綿織布)を貼り合せた。最後に、第1の基布層の表面にゴムコンパウンドRC1を0.4mmの厚さに塗布して、未加硫のゴムブランケットを得た。その後、この未加硫のゴムブランケットを150℃で4時間加硫した後、冷却して、表面ゴム層をサンドペーパーで研磨して、図4に示す構造の厚さ2.07mmの印刷用ゴムブランケットを得た。
<実施例2,3及び比較例1のゴムブランケットの作製>
第2の基布層の厚さ以外は上述する実施例1と同様に実施例2、実施例3及び比較例1のゴムブランケットを作製した。実施例2、実施例3及び比較例1の第2の基布層の厚さは、それぞれ0.25mm、0.39mm及び0.12mmである。なお、第2の基布層と第3の基布層との間に位置するゴムコンパウンドRC1の厚さを調節することで、第2の基布層の厚さの違いに係わらず実施例1と同様の厚さである2.07mmに作製した。
<比較例2〜4のゴムブランケットの作製>
第1の基布層として厚さ0.25mmのEガラスのガラス繊維の朱子織の織布、第2の基布層として厚さ0.25mmの平織の綿織布を用いた以外は、上述する実施例1と同様に比較例2のゴムブランケットを作製した。
第2の基布層として厚さ0.35mmの平織の綿織布、第3の基布層として厚さ0.25mmのEガラスのガラス繊維の朱子織の織布を用いた以外は、上述する実施例1と同様に比較例3のゴムブランケットを作製した。
第1,3の基布層として厚さ0.25mmの平織の綿織布、第2の基布層として厚さ0.35mmの平織の綿織布を用いた以外は、上述する実施例1と同様に比較例4のゴムブランケットを作製した。
なお、比較例2〜4のゴムブランケットは、第2の基布層と第3の基布層との間に位置するゴムコンパウンドRC1の厚さを調節することで、基布層の厚さの違いに係わらず実施例1と同様の厚さである2.07mmに作製した。
実施例1〜3、比較例1〜4に係るゴムブランケットに対して、各基布層の1%伸度における強度測定をした結果を表1に示す。一方、実施例1〜3、比較例1〜4に係るゴムブランケットに対して、印刷物への布目の転写、基布層の亀裂の有無、円周増加率、使用後のゴムブランケットの厚さの減少量(ヘタリ量)、総合評価を測定した結果を表2に示す。
以下に、各測定の測定方法に関して説明する。
<各基布層の1%伸度における強度測定>
測定機 :TENSILON(登録商標)(ORIENTEC CRTC−1250A)
測定条件:幅20mm、長さ200mm(但し、チャック間)の試験片を、引張速度50mm/minにて1%伸度における強度を測定した。
<印刷物への布目の転写>
各ゴムブランケットについて、RIテスター(簡易印刷試験機、IHI社製)を用いて印刷試験を行い、印刷物に各ゴムブランケットに起因する布目が転写されるかを判定した。結果の判定は、印刷物に布目が転写されなかったものは「A」、布目が少し転写されたが印刷可であるものは「B」、布目が転写され印刷不可であるものは「C」とした。
<基布層の亀裂の有無>
各ゴムブランケットについて、小径シリンダー(装着部分の直径140.4mm、面長170mm)に装着して500rpmの回転速度で0.2mmの印圧をかけて100万回回転させた後、各ブランケットの基布層の亀裂を目視で確認した。結果の判定は、亀裂が生じたものを「有」、亀裂が生じなかったものを「無」とした。
<円周増加率>
各ゴムブランケットについて、小径シリンダー(装着部分の直径140.4mm、面長170mm)に装着して0.2mmの印圧をかけた際の円周増加率を算出した。結果の判定は、円周増加率が0.05%未満のものを「A」、0.05%以上0.2%未満のものを「B」、0.2%以上のものを「C」とした。
<使用後のゴムブランケットのヘタリ量>
各ゴムブランケットの使用後の厚さの減少量を使用後のゴムブランケットのヘタリ量と定義する。初めに各ゴムブランケットについて、使用前のゴムブランケットの厚さを3点測定して平均値を算出した。次いで、各ゴムブランケットを、小径シリンダー(装着部分の直径140.4mm、面長170mm)に装着して500rpmの回転速度で0.2mmの印圧をかけて100万回回転させた。その後、使用後のゴムブランケットの厚さを3点測定して平均値を算出した。結果の判定は、ヘタリ量が0.03mm未満のものは「A」、0.03以上0.045mm未満のものは「B」、0.045mm以上のものは「C」とした。
<総合評価>
総合評価の結果の判定は、基布層の亀裂の発生がなく、印刷物への布目の転写、円周増加率及び使用後のゴムブランケットの厚さの減少量(ヘタリ量)の3項目全てがAであるものを「A」とした。基布層の亀裂の発生がなく、前記3項目がB以上であるものを「B」とた。基布層の亀裂の発生がある、又は前記3項目に一つでもCを含むものを「C」とした。
Figure 0006903309
Figure 0006903309
表1及び表2から明らかなように、1%伸度で13N/mm以上の強度であるガラス繊維で形成される第2の基布層を備える実施例1〜3のゴムブランケットは、いずれの項目でも優れた性能であることがわかる。特に、第2の基布層が1%伸度で26N/mmの強度である実施例2のゴムブランケットは、全ての項目で特に優れた性能を有する。
これに対し、第2の基布層が1%伸度で8N/mmの強度であるガラス繊維で形成される比較例1のゴムブランケットは、円周増加率が劣っていた。比較例1の第2の基布層は1%伸度で13N/mm未満の強度であるため、ゴムブランケット全体の強度が低く、印刷中に加わる圧力によるブランケットの表面ゴム層の変形歪みが大きくなり円周増加率が大きくなった。
一方、第1の基布層又は第3の基布層がガラス繊維で形成される比較例2,3のゴムブランケットは、それぞれガラス繊維からなる基布層に亀裂が生じて使用に耐えなかった。また、ガラス繊維からなる第1の基布層を有する比較例2のゴムブランケットは、印刷物への布目の転写の試験においてガラス繊維の布目に起因する布目が印刷物に転写された。
また、第1〜第3の基布層が綿布の基布層からなる比較例4のゴムブランケットは、使用後の円周増加率及びゴムブランケットのヘタリ量が劣っていた。比較例4のゴムブランケットは、ガラス繊維からなる基布層を備えないためゴムブランケットの強度が低く、印刷中に加わる圧力によるブランケットの表面ゴム層の変形歪みが大きくなり円周増加率が大きくなった。また、第1〜第3の基布層の強度が低いため、使用後のゴムブランケットの厚さの減少量が大きくなった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
支持体層と、当該支持体層の一方の面に設けられた表面ゴム層とを備え、
前記支持体層は、前記表面ゴム層側に位置する第1の基布層と、当該第1の基布層の当該表面ゴム層と反対の面側に位置する第1のゴム層と、当該第1のゴム層の当該第1の基布層と反対の面側に位置する第2の基布層と、当該第2の基布層の当該第1のゴム層と反対の面側に位置する第2のゴム層とを備え、
前記第2の基布層は、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維層を含むことを特徴とする印刷用ゴムブランケット。
[2]
前記ガラス繊維層は、1枚又は2枚のガラス繊維布からなり、前記2枚のガラス繊維布は接着層を介して互いに接着されることを特徴とする[1]に記載の印刷用ゴムブランケット。
[3]
前記支持体層は、前記第2の基布層と反対側の前記第2のゴム層の面に配置される第3の基布層をさらに備えることを特徴とする[1]又は[2]に記載の印刷用ゴムブランケット。
1…支持体層、2…表面ゴム層、3…第1の基布層、4…第1のゴム層、5…第2の基布層、6…第2のゴム層、7…第3の基布層、10,20…印刷用ゴムブランケット、11…シリンダー、12a,12b…バー加工部。

Claims (3)

  1. 支持体層と、当該支持体層の一方の面に設けられた表面ゴム層とを備え、
    前記支持体層は、前記表面ゴム層側に位置する第1の基布層と、当該第1の基布層の当該表面ゴム層と反対の面側に位置する第1のゴム層と、当該第1のゴム層の当該第1の基布層と反対の面側に位置する第2の基布層と、当該第2の基布層の当該第1のゴム層と反対の面側に位置する第2のゴム層とを備え、
    前記第1の基布層は、綿、毛、麻、絹、レーヨン、キュプラ、アセテート、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、アクリレート、ポリイミド、炭素繊維又はアラミド繊維から作られる織布、又は不織布であり、
    前記第2の基布層は、1%伸度で13N/mm以上の強度を有するガラス繊維層を含む
    ことを特徴とする印刷用ゴムブランケット。
  2. 前記ガラス繊維層は、1枚又は2枚のガラス繊維布からなり、前記2枚のガラス繊維布は接着層を介して互いに接着されることを特徴とする請求項1に記載の印刷用ゴムブランケット。
  3. 前記支持体層は、前記第2の基布層と反対側の前記第2のゴム層の面に配置される第3の基布層をさらに備え、
    前記第3の基布層は、綿、毛、麻、絹、レーヨン、キュプラ、アセテート、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、アクリレート、ポリイミド、炭素繊維又はアラミド繊維から作られる織布、又は不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用ゴムブランケット。
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