JP4263842B2 - 建物の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物を短時間かつスムーズに構築することのできる建物の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の建築工事において、積層工法的に建物躯体を構築する場合、ある階層での柱・梁・壁の型枠作業完了後に、該階層より1つ上の階層の床スラブについての床型枠またはこれに相当する床デッキ、床半PCa板など(以下、これらを床構成部材と称する)の配置を行う。この方法を第1の方法とする。
【0003】
一方、上記第1の方法とは別の第2の方法では、ある階層で柱・梁・壁の型枠作業を行う前に、該階層より1つ上の階層の床スラブについての床構成部材を配置する。この第2の方法によると、先行して配置した前記上の階層の床構成部材を利用し、該上の階層で行う鉄骨工事、柱・梁・壁配筋、床配筋など作業を、下の階層で行う柱・梁・壁の型枠作業と並行して行うことができ、工期を大幅に短縮させることができる。
【0004】
従来、上記第2の方法では、上の階層の床構成部材を先行して配置するため、例えばSRC造の場合には、内蔵する本設鉄骨に仮設のブラケット等を設けるか、または床構成部材にブラケット等を仮設的に取付けていた。即ち、このブラケット等の支持金物を介して床構成部材の端部を梁鉄骨等に支持する方法がとられてきた。
【0005】
しかし上記第2の方法では、仮設的に設ける支持金物に多大なコストが必要になる。また、支持金物を取付けるために鉄骨に対して事前に細工が必要となる、或いは床構成部材に仮設的な金物等を事前に取付けておく必要がある、といったように作業が煩雑であった。
【0006】
ところで、上述した第2の方法を低コストでしかも簡単に実現する方法が提案されている。この方法を図4で説明する。図4は従来提案されている建物の構築方法を説明する側断面図である。
【0007】
構築中の建物60において、図4に示すように、最下階層(不図示)からある階層Fn(n=1、2、3、…)までは、柱1、梁2、壁3、床スラブ5等からなる構造体が構築完了している。該階層Fnの1つ上の階層Fn+1においては床スラブ5の構築が完了しているが、柱1については柱鉄骨10だけが立設され、梁2についても前記柱鉄骨10に支持された状態の梁鉄骨11だけが設けられている状態である。
【0008】
上記階層Fn+1において柱1や梁2についての型枠作業を行う前に、更に1つ上の階層Fn+2の床スラブ5についての床構成部材15(図4では床半PCa板の例)を次のように仮設する。即ち図4に示すように、下の階層Fn+1において床スラブ5等の上に立設させる形で支保工20(サポート)を配置する。そしてこの支保工20により階層Fn+2の床構成部材15を支持する。
【0009】
上記のように支持した階層Fn+2の床構成部材15を利用して、該階層Fn+2では、鉄骨工事、柱・梁・壁配筋、床配筋などの作業を行いながら、下の階層Fn+1では、柱・梁・壁の型枠作業を並行して行う。このような方法によると、支持金物の仮設が不要なので、コスト増や作業の煩雑化を避けることができそうである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した図4の方法は実現が困難である。即ち、階層Fn+1での柱・梁・壁の型枠作業をスムーズに行うためには、該作業の邪魔にならない位置に支保工20を配置しなければならない。よって床構成部材15の縁端部15aの位置から水平方向に所定の型枠作業用間隔Dをあけて支保工20を配置せざるを得ない。ところが支保工20を縁端部15aの位置から離すと、該縁端部15a側が図4の符号70で示すように下方に撓んでしまうことが知られている。このように撓んでしまうと型枠作業等が不可能となるのである。
【0011】
そこで本発明は、建物を短時間かつスムーズに構築する方法であって、床構成部材を支持するための支持金物を必要としないことから低コストかつ簡単に作業が行える、建物の構築方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のうち請求項1は、複数の階層をもつ建物(60)を構築する際に、1の階層において床構成部材(15)を仮設しておき、該床構成部材を利用した前記1の階層における作業と、前記1の階層の下の階層での型枠作業とを並行して行うようにする、建物の構築方法において、前記1の階層において床構成部材を仮設する際には、前記下の階層より支保手段(20)を介して前記床構成部材を支持すると共に、該支保手段による前記床構成部材の支持レベルを、前記床構成部材についての本設高さレベル(L1)よりも高い仮設高さレベル(L2)に設定し、前記下の階層での型枠作業の後、前記支保手段による前記床構成部材の支持レベルを前記本設高さレベルに変更して該床構成部材を本設する、ことを特徴とする。
【0013】
また本発明のうち請求項2は、前記支保手段は、該支保手段により支持する床構成部材の縁端部(15a)より、水平方向において所定の型枠作業用間隔(D)を空ける形で配置する、ことを特徴とする。
【0014】
また本発明のうち請求項3は、前記仮設高さレベルは、前記床構成部材を前記支保手段により支持した際の該床構成部材の縁端部撓み量(Q)を前記本設高さレベルに加えた値より大きい、ことを特徴とする。
【0015】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0016】
【発明の効果】
上記構成により本発明のうち請求項1によると、上下2つの階層で作業を同時進行できることから、建物を短時間かつスムーズに構築できる。しかも、床構成部材を下の階層からの支保手段で支持するため、従来のような支持金物等を必要とせず低コストかつ簡単に作業が行える。また、床構成部材を支保手段により支持することで、該床構成部材の縁端部が下方に撓むことになるが、床構成部材の仮設時には本設高さレベルよりも高い仮設高さレベルで支持するので、下の階層での型枠作業等に支障を来たさず好都合である。
【0017】
また本発明のうち請求項2によると、支保手段は所定の型枠作業用間隔を空けて配置するので、下の階層での型枠作業は支障なくスムーズに行える。
【0018】
また本発明のうち請求項3によると、床構成部材の仮設時には、該床構成部材の縁端部が下方に撓んでも、該撓んだ縁端部が本設高さレベルより上方にあるので、下の階層での型枠作業は支障なくスムーズに行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は本実施形態における建物の構築方法を説明する側断面図である。構築中の建物60において、図1に示すように、最下階層(不図示)からある階層Fn(n=1、2、3、…)までは、柱1、梁2、壁3、床スラブ5等からなる構造体が構築完了している。該階層Fnの1つ上の階層Fn+1においては床スラブ5の構築が完了しているが、柱1については柱鉄骨10だけが立設され、梁2についても前記柱鉄骨10に支持された状態の梁鉄骨11だけが設けられている状態である。
【0020】
上記状態において階層Fn+1で柱1や梁2についての型枠作業を行う前に、更に1つ上の階層Fn+2の床スラブ5についての床構成部材15(図1では床半PCa板の例)を次のように仮設する。即ち図1に示すように、階層Fn+1において床スラブ5等の上に複数の支保工20を立設する。そしてこれら支保工20により階層Fn+2の床構成部材15を支持する。
【0021】
上記支保工20は、下の階層Fn+1での柱・梁・壁の型枠作業等の邪魔にならないように、床構成部材15の縁端部15aから水平方向に所定の型枠作業用間隔D(ここに作業員が入って型枠作業を行える大きさの間隔)を空けて支保工20を配置する。但し、この型枠作業用間隔Dは大きければ良いというものではなく、床構成部材15に転倒などが生じない範囲内での大きさとする。
【0022】
支保工20に支持される床構成部材15の縁端部15a側は、図1の符号70に示すように、支保工20による支持位置及び床構成部材15自体の剛性等に応じて所定の縁端部撓み量Qで下方に撓むことになる。そこで、上記支保工20による床構成部材15の支持レベルを所定の仮設高さレベルL2に設定している。即ち、この仮設高さレベルL2は図1に示すように、床構成部材15を支保工20により支持した際の上記縁端部撓み量Qを、該床構成部材15を本設する場合の本設高さレベルL1に加えた値と同値(或いは、これより大きな値)になっている。これにより、符号70のように撓んだ縁端部15aが、該縁端部15aの設計上配置されるべき本設高さレベルL1(或いは、本設高さレベルL1より上方)に位置する。
【0023】
上記のように床構成部材15を仮設した後、図2に示すように、該床構成部材15を利用して階層Fn+2では、鉄骨工事、柱・梁・壁配筋、床配筋などの作業を行う。これと並行して下の階層Fn+1では、柱・梁・壁等の型枠25を設置する型枠作業等を行う。床構成部材15の縁端部15a側は撓んでいるが、上述したように本設高さレベルL1(或いは、本設高さレベルL1より上方)に配置されているので、下の階層Fn+1での型枠作業等は支障なく行える。更に、床構成部材15の縁端部15aの位置から水平方向に所定の型枠作業用間隔Dをあけて支保工20を配置しているので型枠作業は十分な作業スペースでスムーズに行える。
【0024】
下の階層Fn+1での型枠作業が完了した後、図3に示すように、支保工20による床構成部材15の支持レベルを変更して本設高さレベルL1まで下げる。上記型枠作業の完了により床構成部材15の縁端部15a側は下の階層Fn+1での型枠25等により支持されるので、床構成部材15の撓みは解消され本設高さレベルL1で水平な状態となる。
【0025】
その後、床構成部材15を本設高さレベルL1で本設すると共に、従来よりの工法と同様に、下の階層Fn+1で設置した型枠25内及び階層Fn+2の床構成部材15上などにコンクリートを打設して、階層Fn+1における柱1、梁2、壁3等を構築完了し、階層Fn+2における床スラブ5を構築完了する。
【0026】
以降、階層Fn+2における柱1、梁2、壁3等の構築及び階層Fn+3における床スラブ5の構築を、上述した階層Fn+1と階層Fn+2の場合と同様に行い、更に上の階層でも同様の作業を繰り返すことにより建物60の構築を行う。
【0027】
以上のように本実施形態で説明した構築方法は、上下2つの階層で作業を並行して進行できることから、建物60を短時間かつスムーズに構築できる方法であり、しかも床構成部材15を支保工20だけで支持するため、従来のような支持金物等を必要としないことから低コストかつ簡単に作業が行える方法である。
【0028】
なお、上記実施形態では床構成部材15として床半PCa板を示しているが、床構成部材にはこれ以外にも、床型枠、床デッキ、等を採用することが可能である。また上述した実施形態では建物60はSRC造であったが、建物の構造はこれ以外にもRC造等の他の構造であっても構わない。
【0029】
また、上述した実施形態では支保工20を床スラブ5上に立設したが、支保工20は床構成部材15上に立設するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における建物の構築方法を説明する側断面図。
【図2】本実施形態における建物の構築方法を説明する側断面図。
【図3】本実施形態における建物の構築方法を説明する側断面図。
【図4】従来提案されている建物の構築方法を説明する側断面図。
【符号の説明】
15 床構成部材
15a 縁端部
20 支保手段(支保工)
60 建物
D 型枠作業用間隔
L1 本設高さレベル
L2 仮設高さレベル
Q 縁端部撓み量
Claims (3)
- 複数の階層をもつ建物を構築する際に、1の階層において床構成部材を仮設しておき、該床構成部材を利用した前記1の階層における作業と、前記1の階層の下の階層での型枠作業とを並行して行うようにする、建物の構築方法において、
前記1の階層において床構成部材を仮設する際には、前記下の階層より支保手段を介して前記床構成部材を支持すると共に、該支保手段による前記床構成部材の支持レベルを、前記床構成部材についての本設高さレベルよりも高い仮設高さレベルに設定し、
前記下の階層での型枠作業の後、前記支保手段による前記床構成部材の支持レベルを前記本設高さレベルに変更して該床構成部材を本設する、ことを特徴とする建物の構築方法。 - 前記支保手段は、該支保手段により支持する床構成部材の縁端部より、水平方向において所定の型枠作業用間隔を空ける形で配置する、ことを特徴とする請求項1記載の建物の構築方法。
- 前記仮設高さレベルは、前記床構成部材を前記支保手段により支持した際の該床構成部材の縁端部撓み量を前記本設高さレベルに加えた値より大きい、ことを特徴とする請求項1又は2記載の建物の構築方法。
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