JP4263084B2 - 田植機 - Google Patents

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Description

本発明は、植付け爪の先端が回動軌跡を描いて苗載せ台と植付け土壌面の間を機体上下方向に往復移動するように駆動される苗植付け機構を備えるとともに、前記苗植付け機構に動力伝達する伝動系に、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度を複数段に変速する株間変速装置を備えてある田植機に関する。
上記田植機は、苗植付け機構による植付け苗の機体走行方向での間隔、いわゆる株間を、株間変速装置によって変更できるようになったものである。
この種の田植機として、従来、例えば特許文献1に示されるように、株間変更用の植付変速機構54(株間変速装置に相当)を備えたものがあった。また、特許文献2に示されるように、株間変速部7a(株間変速装置に相当)を備えたものがあった。
株間を大きくするには、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度が遅くなるようにする必要がある。ところが、苗植付け機構が単に遅い駆動速度で駆動されると、植付け爪が苗を圃場に植え付ける工程において、植付け爪が圃場内に突入している時間が長くなって植付け爪によって圃場にあけられる植付け穴が走行方向に長くなり、苗の植付け姿勢が悪くなるなどの植付け不良が発生しやすくなる。
従来、特許文献2に示されるように、株間変速部7aと、苗植付具35を不等速に作動させる不等速伝動部59とを、互いに直列に苗植付具35への伝動系に設けるとともに、不等速伝動部59の不等速比を変更可能にし、植付け土壌面の植付跡が小さくなるようにしながら株間を大きくすることが可能なものがあった。
すなわち、植付伝動軸14と一体回転する出力軸57と、カウンタ軸53との間に、伝動角速度比の異なる円形の偏心ギヤ58を2組設け、偏心ギヤ58のいずれかを介して出力軸57を不等速回転させるようになっており、偏心ギヤ58により、苗植付具35を不等速に作動させるように不等速伝動部59を構成している。つまり、偏心ギヤ58の伝動により、カウンタ軸53の回転に対して出力軸57の回転が最も速くなるときに苗植付装置22の苗植付具35がループ状の作動軌跡Tの下死点付近を通過するように伝動される。株間変速部7aによる設定株間に応じて不等速伝動部59を操作することにより、不等速伝動部59の不等速比を変更することができるものがあった。
特開2000−270625号公報 ( 〔0023〕,〔0029〕欄、図6 ) 特開2000−312514号公報 ( 〔0005〕,〔0021〕,〔0022〕欄、図3,4 )
小さい株間で苗植付けされるようにするには、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度が速くなるようにして苗植付け機構を駆動する必要がある。このため、従来の不等速伝動手段を採用した場合、株間変速装置として変速幅が広いものを採用し、この株間変速装置を小さい株間が現出されるように操作すると、苗植付け機構が高速で苗植え運動するように駆動される上に、植付け爪が下死点付近を高速通過するように駆動されることになり、駆動振動が発生しやすくなっていた。また、走行速度に対する爪土壌内速度が速くなって植付け爪によって圃場に開けられる植付け穴が走行方向に長くなりやすくなっていた。
本発明の目的は、株間変速装置として変速幅が広いものを採用して、株間が小さくなるように変速しても大になるように変速しても、駆動振動や長い植付け穴を発生しにくくしながら苗植付けすることができる田植機を提供することにある。
本第1発明にあっては、植付け爪の先端が回動軌跡を描いて苗載せ台と植付け土壌面の間を機体上下方向に往復移動するように駆動される苗植付け機構を備えるとともに、前記苗植付け機構に動力伝達する伝動系に、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度を複数段に変速する株間変速装置を備えてある田植機において、等速伝動状態と、伝動角速度比が異なる複数段の不等速伝動状態とに変速操作自在な伝動切り換え装置を、前記伝動系に前記株間変速装置と直列に配置して設け、前記伝動切り換え装置の前記各不等速伝動状態を、前記植付け爪の先端が前記回動軌跡の下死点付近をその下死点付近の前後よりも高速で通過する状態で苗植付け機構が駆動されるように伝動するよう設定し、前記伝動切り換え装置を、入力軸の回動力を中間伝動軸に対して等速伝達する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を出力軸に対して等速伝達して前記等速伝動状態を現出する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して前記複数段の不等速伝動状態を各別に現出する複数の偏芯ギヤ対を備えて構成してある。
すなわち、株間変速装置として小株間が現出される高速域の速度状態にも、大株間が現出される低速域の速度状態にも切り換えることができるものを採用し、この株間変速装置を低速域の速度状態に変速操作して苗植付け機構が低速駆動されることになっても、伝動切り換え装置を不等速伝動状態に変速操作すれば、この伝動切り換え装置による不等速伝動のために植付け爪が下死点付近を高速で通過するようになる。このとき、株間変速装置の低速域の速度状態として株間の大きさが異なる速度状態を選択したとしても、伝動切り換え装置を複数の不等速伝動状態から株間変速装置の速度状態に対応した適切な不等速伝動状態を選択することにより、植付け爪の下死点付近を通過する速度が株間に対応した適切なものになる。
また、株間変速装置を高速域の速度状態に変速操作して苗植付け機構が高速駆動されることになっても、伝動切り換え装置を等速伝動状態に変速操作すれば、この伝動切り換え装置による等速伝動のために植付け爪が下死点付近を高速通過しなくなる。
また、等速伝動状態では、入力軸の回動力が入力軸と中間軸の間の円形ギヤ対、中間軸と出力軸の間の円形ギヤ対を介して出力軸に対して等速伝達され、複数段の不等速伝動状態のそれぞれでは、入力軸の回動力が入力軸と中間軸の間の円形ギヤ対、中間軸と出力軸の間の偏芯ギヤ対を介して出力軸に対して不等速伝達されるものであるから、不等速伝動状態を現出する変速段数に等しい数の偏芯ギヤ対を設けることにより、等速伝動状態と複数段の不等速伝動状態に変速操作自在な伝動切り換え装置を得ることができる。
従って、本第1発明によれば、株間変速装置として低速から高速まで変速幅の広いものを採用して、株間の大きさが幅広く異なる状態での苗植付けをすることができ、しかも、株間を大小いかなるものにして苗植付けする場合も、伝動切り換え装置を株間変速装置の速度状態に対応した等速伝動状態や不等速伝動状態に、かつ、適切な伝動角速度比を備えた不等速伝動状態に切り換え操作して植付け爪が下死点付近を株間の大きさに応じた適切な速度で通過するようにし、駆動振動や長い植付け穴が発生しにくくて苗の植付け姿勢が良いなど仕上がりが良い植付け作業を静かに行なうことができる。
また、等速伝動状態と複数段の不等速伝動状態に変速自在でありながら、不等速伝動状態を現出する変速段数に等しい数の偏芯ギヤ対を設けるだけで構造簡単に得ることができて安価に済む。
本第2発明にあっては、植付け爪の先端が回動軌跡を描いて苗載せ台と植付け土壌面の間を機体上下方向に往復移動するように駆動される苗植付け機構を備えるとともに、前記苗植付け機構に動力伝達する伝動系に、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度を複数段に変速する株間変速装置を備えてある田植機において、等速伝動状態と、伝動角速度比が異なる複数段の不等速伝動状態とに変速操作自在な伝動切り換え装置を、前記伝動系に前記株間変速装置と直列に配置して設け、 前記伝動切り換え装置の前記各不等速伝動状態を、前記植付け爪の先端が前記回動軌跡の下死点付近をその下死点付近の前後よりも高速で通過する状態で苗植付け機構が駆動されるように伝動するよう設定し、前記伝動切り換え装置を、入力軸の回動力を中間伝動軸に対して不等速伝達する偏芯ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して前記等速伝動状態を現出する偏芯ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して等速伝達して不等速伝動比が低い前記不等速伝動状態を現出する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して不等速伝動比が高い前記不等速伝動状態を現出する偏芯ギヤ対を備えて構成してある。
すなわち、株間変速装置として小株間が現出される高速域の速度状態にも、大株間が現出される低速域の速度状態にも切り換えることができるものを採用し、この株間変速装置を低速域の速度状態に変速操作して苗植付け機構が低速駆動されることになっても、伝動切り換え装置を不等速伝動状態に変速操作すれば、この伝動切り換え装置による不等速伝動のために植付け爪が下死点付近を高速で通過するようになる。このとき、株間変速装置の低速域の速度状態として株間の大きさが異なる速度状態を選択したとしても、伝動切り換え装置を複数の不等速伝動状態から株間変速装置の速度状態に対応した適切な不等速伝動状態を選択することにより、植付け爪の下死点付近を通過する速度が株間に対応した適切なものになる。
また、株間変速装置を高速域の速度状態に変速操作して苗植付け機構が高速駆動されることになっても、伝動切り換え装置を等速伝動状態に変速操作すれば、この伝動切り換え装置による等速伝動のために植付け爪が下死点付近を高速通過しなくなる。
また、等速伝動状態では、入力軸の回動力が入力軸と中間軸の間の偏芯ギヤ対、中間軸と出力軸の間の偏芯ギヤ対を介して出力軸に対して等速伝達され、不等速伝動比が低い不等速伝動状態では、入力軸の回動力が入力軸と中間軸の間の偏芯ギヤ対、中間軸と出力軸の間の円形ギヤ対を介して出力軸に対して不等速伝達され、不等速伝動比が高い不等速伝動状態では、入力軸の回動力が入力軸と中間軸の間の偏芯ギヤ対、中間軸と出力軸の間の偏芯ギヤ対を介して出力軸に対して不等速伝達されるものであるから、各偏芯ギヤ対の偏芯ギヤの偏芯率を極力小に設定しながら、等速伝動状態と複数段の不等速伝動状態に変速操作自在で、かつ、各不等速伝動状態において所定の伝動角速度比が現出される伝動切り換え装置を得ることができる。
従って、本第2発明によれば、株間変速装置として低速から高速まで変速幅の広いものを採用して、株間の大きさが幅広く異なる状態での苗植付けをすることができ、しかも、株間を大小いかなるものにして苗植付けする場合も、伝動切り換え装置を株間変速装置の速度状態に対応した等速伝動状態や不等速伝動状態に、かつ、適切な伝動角速度比を備えた不等速伝動状態に切り換え操作して植付け爪が下死点付近を株間の大きさに応じた適切な速度で通過するようにし、駆動振動や長い植付け穴が発生しにくくて苗の植付け姿勢が良いなど仕上がりが良い植付け作業を静かに行なうことができる。
また、等速伝動状態と複数段の不等速伝動状態に変速自在でありながら、各偏芯ギヤ対における偏芯ギヤの噛合い率を良くしてスムーズに効率よく動力伝達されるようにすることができる。また、各偏芯ギヤを偏芯率の面から容易に製作して安価に得ることができる。
第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記株間変速装置に、入力軸の動力を出力軸に対して不等速伝達して大株間を現出する偏芯ギヤ対を設け、前記偏芯ギヤ対のうちの入力側偏芯ギヤを前記入力軸に対して相対回転自在に外嵌させ、前記入力側偏芯ギヤを前記入力軸に対して係脱させるように前記入力軸に一体回転自在に装着したクラッチ体、前記入力軸の内部をスライド操作されて前記クラッチ体を前記入力側偏芯ギヤに対して係合させるシフト部材を備え、前記入力側偏芯ギヤの周方向での複数箇所に、前記クラッチ体が係脱する凹部を設けてある。
すなわち、株間変速装置に入力軸と出力軸を連動させる偏芯ギヤ対を設け、この偏芯ギヤ対によって入力軸の動力が出力軸に対して不等速伝達されるように、かつ、大株間が現出されるように構成すると、この大株間を設定したときのための不等速伝動状態が現出されるように伝動切り換え装置に設ける偏芯ギヤの偏芯率を極力小にしながら、植付け爪が下死点付近を設定株間に応じた高速で通過するようにして苗植付け機構を駆動することができる。
この場合、株間変速装置の偏芯ギヤ対のうちの出力側偏芯ギヤが出力軸に対して相対回転自在に外嵌する構成を採用すれば、出力側偏芯ギヤにクラッチ用の凹部を設け、出力軸に対して一体回転自在に装着したクラッチ体が出力側偏芯ギヤの凹部に係入されることにより、出力側偏芯ギヤが出力軸に対して一体回転自在に連結するようになる。この場合、出力側偏芯ギヤの凹部を出力側偏芯ギヤの周方向での複数箇所に設けて、出力側偏芯ギヤが出力軸に対して種々異なる回転位相で一体回転自在に連結されるようにすると、出力側偏芯ギヤが出力軸に対して連結された際の回転位相によっては、植付け爪が下死点付近以外の部位を高速で通過して、下死点付近を高速で通過しなくなる事態が発生する。このため、出力側偏芯ギヤのクラッチ用の凹部を周方向での特定箇所のみに配置し、出力側偏芯ギヤは出力軸に対して植付け爪が下死点付近を高速で通過することになる特定の回転位相のみで連結されるようにする必要がある。
すると、クラッチ体を入り状態に切り換え操作する際、出力側偏芯ギヤが特定の回転位相になければ、出力軸と出力側偏芯ギヤが相対回転して出力側偏芯ギヤが特定の回転位相になるように位相調節する必要があり、出力軸と出力側偏芯ギヤを比較的大回転角にわたって相対回転させないと出力側偏芯ギヤが特定の回転位相にならなくて手間が掛かるという問題が発生しやすくなる。
これに対し、本第3発明では、偏芯ギヤ対のうちの入力側偏芯ギヤを入力軸に対して相対回転自在に外嵌させ、入力軸に一体回転自在に装着したクラッチ体を入力側偏芯ギヤの凹部に係入させることにより、入力側偏芯ギヤを入力軸に対して一体回転自在に連結して動力伝達するようにしたものであるから、入力側偏芯ギヤの周方向での複数箇所にクラッチ用の凹部を設け、その複数箇所のいずれの凹部にクラッチ体が係入されて入力側偏芯ギヤが入力軸に対して連結されても、植付け爪が下死点付を高速で通過するようにして苗植付け機構を駆動することができる。これにより、入力側偏芯ギヤを入力軸に対して連結する際、クラッチ体と凹部が合致していなくても、入力側偏芯ギヤと入力軸をわずかに相対回転させることにより、クラッチ体と凹部が合致して連結操作することができる。
従って、本第3発明によれば、株間変速装置に大株間を現出するように設けた偏芯ギヤ対の作用によって伝動切り換え装置の偏芯ギヤの偏芯率を小に済ませて、その偏芯ギヤを容易に製作して安価に得ることができる。
しかも、株間変速装置を偏芯ギヤ対によって伝動される伝動状態に切り換え操作する際、クラッチ体と凹部が合致していない場合でも入力軸と入力側偏芯ギヤをわずかに相対回転させるだけで合致させて迅速に切り換え操作することができる。
第4発明にあっては、本第3発明の構成において、前記クラッチ体の複数個を、前記入力軸の周方向に並べて前記入力軸に設けてある。
すなわち、入力軸の周方向に並ぶ複数個のクラッチ体によって入力軸と、これに相対回転自在に外嵌の入力軸ギヤとを一体回転自在に連結させて伝動状態を現出するものである。
従って、本第4発明によれば、入力軸と入力軸ギヤを複数個のクラッチ体によって強固に連結させて高トルクの動力伝達を確実に行なうことができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対の操向操作自在な前車輪1、及び、左右一対の後車輪がを原動部のエンジンEからの駆動力によって駆動されて走行するように構成し、かつ、原動部の後方に位置する運転座席3を有した運転部、原動部の両横側に位置する予備苗載せ台装置4を備えた自走車体の車体フレーム5の後部に、リフトシリンダ6が付いたリンク機構7を介して苗植付け装置10を連結するとともに、前記エンジンEからの駆動力が回転軸8を介して苗植付け装置10に伝達されるように構成し、自走車体の後部に施肥装置30を設けて、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。
この田植機は、複数条の稲苗の植付けと施肥を行なうものであり、リフトシリンダ6を操作すると、このリフトシリンダ6がリンク機構7を自走車体に対して上下に揺動操作して苗植付け装置10を整地フロート11が植付け土壌面Tに接地した下降作業状態と、整地フロート11が植付け土壌面Tから高く浮上した上昇非作業状態とに昇降操作する。苗植付け装置10を下降作業状態にして自走車体を走行させると、苗植付け装置10は、これの機体横方向に並ぶ複数の苗植付け機構20によって整地フロート11が整地した後の植付け土壌面に稲苗を植え付けていく。これとともに、施肥装置30は、肥料タンク31の下部に連結している繰り出し機構32によって肥料タンク31から肥料を繰り出し、繰り出し機構32からの肥料を電動ブロワ33からの搬送風によって複数本の施肥ホース34に送り込む。すると、苗植付け装置10の整地フロート11に機体横方向に並べて設けてある複数個の作溝施肥器35のそれぞれが、苗植付け機構20による苗植付け箇所の横側近くで圃場に施肥溝を形成し、この施肥溝に施肥ホース34からの肥料を供給していく。
苗植付け装置10についてさらに詳述すると、この苗植付け装置10は、図1,3に示すように、植付け機体横方向に沿う角形鋼管材で成るメインフレーム12、このメインフレーム12の中央部に連結するフィードケース13、メインフレーム12の複数箇所から植付け機体後方向きに延出する植付け伝動ケース14などで成る植付け機体、前記各植付け伝動ケース14の後端部の両横側に駆動自在に取り付けた前記苗植付け機構20、前記植付け機体の上側に植付け機体横方向に摺動自在に取り付けた苗載せ台15、前記植付け機体の下部に植付け機体横方向に並べて取り付けた前記複数個の整地フロート11を備えて構成してある。
図1,3に示すように、前記各苗植付け機構20は、前記植付け伝動ケース14に植付け機構駆動軸21を介して回転自在に取り付けたロータリケース22、このロータリケース22の両端部に回転自在に取り付けた植付けアーム23、各植付けアーム23に一体回動自在に取り付けた植え付け爪24などを備えて構成してあり、前記回転軸8からフィードケース13の内部に位置する伝動機構16、この伝動機構16の出力軸に一体回転自在に連結している回転伝動軸17、植付け伝動ケース14の内部に位置する伝動チェーン利用の伝動機構18を介して植付け機構駆動軸21に動力伝達されてこの植付け機構駆動軸21が回転駆動されると、この植付け機構駆動軸21によってロータリケース22が植付け機構駆動軸21の軸芯まわりで回転するように駆動され、前記植付け機構駆動軸21の駆動力によって駆動されるようにしてロータリケース22の内部に設けたアーム駆動機構(図示せず)によって各植付けアーム23がロータリケース22の駆動に連動してロータリケース22に対して自転回動するように駆動されて、図8に示す如く駆動される。すなわち、各植付けアーム23の植付け爪24の先端が回動軌跡Pを描いて苗載せ台15の下端部と植付け土壌面Tの間を植付け機体上下方向に往復移動するように、かつ、一方の植付けアーム23の植付け爪24の先端が回動軌跡Pの上端部に位置するタイミングでは、他方の植付けアーム23の植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下端部に位置するように駆動される。これにより、各苗植付け機構20は、一対の植付け爪24によって交互に、ガイドレール19の切欠き部で成る苗取り出し口19aにおいて苗載せ台15上のマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を切断して取り出し、植付け土壌面Tに下降搬送して植え付けるように苗植え運動を行なう。
苗載せ台15は、フィードケース13からの駆動力によって回動駆動される横送り軸15aを有した横送り機構によって苗植付け機構20の苗植え運動に連動して前記ガイドレール19に沿って植付け機体横方向に往復移送されるように構成してあり、各苗植付け機構20の植付け爪24がマット状苗の下端部の横一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取り出していくように、マット状苗を前記苗取り出し口19aに対して植付け機体横方向に往復移動させる。
図2に示すように、前記エンジンEの駆動力を、自走車体の前部に位置する静油圧式無段変速装置で成る主変速装置40、この主変速装置40が連結しているフロントミッションケース41の内部に位置する副変速装置50及び前輪差動機構42、自走車体の後部に設けた後輪駆動ケース43を備えた走行用伝動系によって前後輪1,2に伝達するように構成してある。図3に示すように、前記主変速装置40の出力を、前記フロントミッションケース41の内部に位置する株間変速装置60、作業用伝動系においては前記株間変速装置60と互いに直列に位置し合うように配置して自走車体の後部に設けた伝動切り換え装置70、前記回転軸8を備えた作業用伝動系によって苗植付け装置10の入力軸としての前記フィードケース13の入力軸13aに伝達するように構成してあり、さらに詳述すると、次の如く構成してある。
すなわち、図2に示すように、エンジンEの出力軸44の駆動力を伝動ベルト45を介して主変速装置40の入力軸40aに伝達し、この主変速装置40の出力軸40bを、伝動ギヤ46を介して移動作業切り換えミッションとしての副変速装置50の入力ギヤ51に連動させ、この副変速装置50の走行用出力軸52を、伝動ギヤ53を介して前輪用差動機構42の入力ギヤ42aに連動させ、前輪用差動機構42の前記入力ギヤ42aと一体回動するデフケースの駆動力を、前記後輪駆動ケース43を有する後輪伝動機構を介して左右後輪2,2に伝達するようにしてある。
図3に示すように、前記副変速装置50の前記入力ギヤ51が一体回転自在に連結している入力筒軸54の端部に一体部品に形成した作業用出力ギヤに兼用の低速伝動ギヤ55を、伝動ギヤ体80を介して株間変速装置60の入力ギヤ61に連動させ、株間変速装置60の出力ベベルギヤ62を、定位置停止機構が装備された植付けクラッチ81を有した回転伝動軸82を介して伝動切り換え装置70の入力軸71に連動させ、この伝動切り換え装置70の出力軸72を前記回転軸8を介してフィードケース13の入力軸13aに連動させてある。
図2に示すように、前記副変速装置50は、前記入力筒軸54と一体部品に形成してあることによって入力筒軸54と一体回転する高速伝動ギヤ56及び前記低速伝動ギヤ55、前記走行用出力軸52にスプライン構造を介して摺動及び一体回動自在に外嵌しているシフトギヤ体57を備えて構成してあり、このシフトギヤ体57が摺動操作されてシフトギヤ体57の一端側に位置する高速伝動ギヤ57aが入力筒軸54の高速伝動ギヤ56に噛合うと、主変速装置40から入力ギヤ51を介して入力筒軸54に導入した駆動力を両高速伝動ギヤ56,57aを介して走行用出力軸52に伝達してこの走行用出力軸52から前輪差動機構42及び後輪駆動ケース43に伝達するように移動走行用の高速伝動状態になり、前記シフトギヤ体57の他端側に位置する低速伝度ギヤ57bが入力筒軸54の低速伝動ギヤ55に噛合うと、入力筒軸54の駆動力を両低速伝動ギヤ55,57bを介して走行用出力軸52に伝達してこの走行用出力軸52から前輪差動機構42及び後輪駆動ケース43に伝達するように作業用の低速伝動状態になる。
図4に示すように、前記株間変速装置60は、副変速装置50の前記入力筒軸54を相対回転自在に支持する支軸に兼用してあるとともに株間変速装置60の前記入力ギヤ61が中間部に一体回転自在に連結している入力軸63、前記出力ベベルギヤ62が中間部に外嵌しているとともにキー62aによって一体回転自在に係合している出力軸64、この出力軸64と前記入力軸63の間に設けた5組みの非偏芯ギヤ対65A〜65E及び2組の偏芯ギヤ対66,67、前記入力軸63の内部と、フロントミッションケース41のボス部41aにわたって摺動自在に設けたロッド状のシフト部材90を備えて構成してある。
前記5組の非偏芯ギヤ対65A〜65Eは、入力軸63に相対回転自在に外嵌するとともに回転軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ65a〜65eと、出力軸64に対してキーによって一体回転自在に係合した状態で外嵌しているとともに回転軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ65a′〜65e′とによって構成してある。前記2組みの偏芯ギヤ対66,67は、入力軸64に対して相対回転自在に外嵌するとともに回転軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ66a,67aと、出力軸64に対してキーによって一体回転自在に係合した状態で外嵌しているとともに回転軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ66b,67bとによって構成してある。
図5に偏芯ギヤ対66,67の場合を例示する如く、各ギヤ対65A〜65E、66,67の入力軸63に付いている方のギヤ65a〜65e,66a,67aの内周側のギヤ周方向での複数箇所にクラッチ用凹部91を設け、入力軸63の周方向及び軸芯方向に並ぶ複数個の球体で成るクラッチ体92を、1個のギヤ65a〜65e,66a,67aに対して2個ずつ対応するように配置して、かつ、1個のギヤ65a〜65e,66a,67aに対応する2個のクラッチ体92,92がギヤ65a〜65e,66a,67aの回転方向に等間隔で並ぶように配置して入力軸63に設けてある。前記シフト部材90の前記ボス部41aから外部に突出する端部に連結した変速レバー(図示せず)によってシフト部材90をスライド操作して、シフト部材90の入力軸内端部に位置する操作部93を複数のギヤ65a〜65e,66a,67aから選択した1個のギヤ65a〜65e,66a,67aに合致させると、シフト部材90の前記操作部93が合致したギヤ65a〜65e,66a,67aの前記2個のクラッチ体92をギヤ65a〜65e,66a,67aの方に押圧操作し、この2個のクラッチ体92の一部を入力軸63の保持孔からギヤ65a〜65e,66a,67aの方に突出させてギヤ65a〜65e,66a,67aの前記凹部91に係入させるように、かつ、操作部93が外れた他の各ギヤ65a〜65e,66a,67aの各クラッチ体92は、操作部93による押圧操作が解除されることのために入力軸63の保持孔の方に引退してギヤ65a〜65e,66a,67aの凹部91から離脱するように構成してある。各クラッチ体92は、入力軸64の保持孔に入り込んでいて、入力軸63に対して一体回転自在に係合しており、一部がギヤ65a〜65e,66a,67aの凹部91に係入されると、ギヤ65a〜65e,66a,67aと入力軸63を一体回転自在に連結し、ギヤ65a〜65e,66a,67aの凹部91から離脱すると、ギヤ65a〜65e,66a,67aと入力軸63の連結を解除してそれらの相対回転を許容するようになっている。
各ギヤ対65A〜65E,66,67は、入力軸側のギヤ65a〜65e,66a,67aが前記2個のクラッチ体92によって入力軸63に連結されると、入力軸63の駆動力を出力軸64に伝達するように伝動入り状態になり、入力軸63の等速回転の駆動力を所定の回転速度に変速して出力軸64に伝達するように、かつ、各ギヤ対65A〜65E,66,67が伝動入り状態になったときの各苗植付け機構20による植付け苗の株間Dが図9に示す如くなるように、各ギヤ対65A〜65E,66,67の伝動比を設定してある。5組の非偏芯ギヤ対65A〜65Eは、入力軸63の等速回転の駆動力を等速回転のままで出力軸64に伝達して、ロータリケース22が等速回転する状態に各苗植付け機構20を駆動することになるように、各非偏芯ギヤ対65A〜65Eの伝動角速度比を設定してある。2組の偏芯ギヤ対66,67は、入力軸63の等速回転の駆動力を不等速の回転駆動力に変換して出力軸64に伝達して、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過する状態に各苗植付け機構20を駆動することになるように、かつ、一方の偏芯ギヤ対67が伝動入り状態になって植付け爪24が下死点付近を通過する速度が、他方の偏芯ギヤ対66が伝動入り状態になって植付け爪24が下死点付近を通過する速度よりも高速になるように、2組の偏芯ギヤ対66,67の伝動角速度比を設定してある。
これにより、株間変速装置60は、伝動切り換え装置70とは別に単独で切り換え操作するための専用の切り換えレバー(図示せず)によるシフト部材90の摺動操作により、7組のギヤ対65A〜65E,66,67を入力側ギヤ65a〜65e,66a,67aが2個のクラッチ体92によって入力軸63に連結された伝動入り状態と、入力側ギヤ65a〜65e,66a,67aと入力軸63の連結が解除された伝動切り状態とに切り換わるように、かつ、いずれか1組のギヤ対65A〜65E,66,67だけが伝動入り状態になるように切り換え操作されて、ギヤ対65Aが伝動入り状態になった第1変速伝動状態、ギヤ対65Bが伝動入り状態になった第2変速伝動状態、ギヤ対65Cが伝動入り状態になった第3変速伝動状態、ギヤ対65Dが伝動入り状態になった第4変速伝動状態、ギヤ対65Eが伝動入り状態になった第5変速伝動状態、ギヤ対66が伝動入り状態になった第6変速伝動状態、ギヤ対67が伝動入り状態になった第7変速伝動状態の7段階の変速伝動状態に変速操作され、自走車体の走行速度に対する各苗植付け機構20の駆動速度を7段階に変速して図9に示す7種の株間Dを択一的に現出する。第1〜5変速伝動状態に操作された場合には、入力軸63の駆動力をその等速回転のままで出力ギヤ62から出力し、ロータリケース22が等速回転して苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するが、第6及び第7変速伝動状態に操作された場合には、入力軸63の駆動力を等速回転から不等速回転に変換して出力ギヤ62から出力し、植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過するようにして各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。第7変速伝動状態に操作された場合には、第6変速伝動状態に操作された場合よりも高速で植付け爪24の先端が下死点付近を通過する駆動状態を現出する。
図6に示すように、前記伝動切り換え装置70は、これのミッションケース73の内部に、前記入力軸71と前記出力軸72を同軸芯状に配置するとともに筒軸形の中間伝動軸74を回転自在に設け、入力軸71と中間伝動軸74の間に1組の非偏芯ギヤ対75を設け、中間伝動軸74と出力軸72の間に1組の非偏芯ギヤ対76及び2組の偏芯ギヤ対77,78を設け、中間伝動軸74の内部と、ミッションケース73のボス部73aとにわたってシフトロッド100を摺動自在に設けて構成してある。
入力軸71と中間伝動軸74の間の非偏芯ギヤ対75は、入力軸71に対してスプライン噛合いによって一体回動自在に係合しているとともに回動軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ75aと、中間伝動軸74に一体形成してあることによって中間伝動軸74と一体回動するとともに回動軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ75bとで成り、入力軸71の回転駆動力を変速しないで中間伝動軸74に伝達する。
中間伝動軸74と出力軸72の間の非偏芯ギヤ対76は、中間伝動軸74に対して相対回転自在に外嵌するとともに回転軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ76aと、出力軸72に対してキー72aによって一体回転自在に係合した状態で外嵌しているとともに回転軸芯が円形の中心に合致した円形の非偏芯ギヤ76bとによって構成してある。中間伝動軸74と出力軸72の間の2組の偏芯ギヤ対77,78は、中間伝動軸74に対して相対回転自在に外嵌するとともに回転軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ77a,78aと、出力軸72に対してキー72aによって一体回転自在に係合した状態で外嵌しているとともに回転軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ77b,78bとによって構成してある。
図7に偏芯ギヤ対77,78の場合を例示した如く、中間伝動軸74と出力軸72の間の各ギヤ対76,77,78の中間伝動軸74に付いている方のギヤ76a,77a,78aの内周部にキー溝101を設け、前記シフトロッド100の前記ボス部73aから外部に突出する端部に連結した切り換えレバー102によってシフトロッド100をスライド操作すると、シフトロッド100の伝動軸内端部に装着してあるクラッチキー103が中間伝動軸74のキー溝104に沿って各ギヤ76a,77a,78aのキー溝101に係脱しながら移動して、いずれか1個のギヤ76a,77a,78aのキー溝101に係入するように構成してある。クラッチキー103は、ギヤ76a,77a,78aのキー溝101に係入すると、ギヤ76a,77a,78aのキー溝101と中間伝動軸74のキー溝104にわたって入り込むことによって、そのギヤ76a,77a,78aと中間伝動軸74を一体回動自在に連結する。
中間伝動軸74と出力軸72の間の各ギヤ対76,77,78は、中間伝動軸74のギヤ76a,77a,78aがクラッチキー103によって中間伝動軸74に連結されると、中間伝動軸74の駆動力を出力軸72に伝達するように伝動入り状態になり、中間伝動軸74と出力軸72の間の非偏芯ギヤ対76は、中間伝動軸74の駆動力を出力軸72に対して等速伝達し、入力軸71が等速回転する場合、出力軸72を入力軸71と同一の回転数で等速回動させ、ロータリケース22が等速回転する状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するように構成してある。
中間伝動軸74と出力軸72の間の一方の偏芯ギヤ対77は、中間伝動軸74の回転駆動力を出力軸72に対して不等速伝達し、入力軸71が不等速回転する場合、出力軸72を入力軸71の角速度変化とは異なる角速度変化を備えた不等速回転で回動させ、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過する状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するように構成してある。
中間伝動軸74と出力軸72の間の他方の偏芯ギヤ対78は、中間伝動軸74の回転駆動力を出力軸72に対して前記偏芯ギヤ対77の伝動角速度比とは異なる伝動角速度比で不等速伝達し、入力軸71が不等速回転する場合、出力軸72を入力軸71の角速度変化とは異なる角速度変化を備えた不等速回転で回動させ、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で、前記偏芯ギヤ対77が伝動入り状態になった場合よりもさらに高速で通過する状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するように構成してある。
これにより、伝動切り換え装置70は、株間変速装置60とは別に単独で切り換え操作するための専用の切り換えレバー102の揺動操作によるシフトロッド100の摺動操作により、中間伝動軸74と出力軸72の間の3組のギヤ対76,77,78をギヤ76a,77a,78aがクラッチキー103によって中間伝動軸74に連結された伝動入り状態と、ギヤ76a,77a,78aと中間伝動軸74の連結が解除された伝動切り状態とに切り換わるように、かつ、いずれか1組のギヤ対76,77,78だけが伝動入り状態になるように切り換え操作されて、非偏芯ギヤ対76が伝動入り状態になった等速伝動状態と、偏芯ギヤ対77が伝動入り状態になった低速側の不等速伝動状態と、偏芯ギヤ対78が伝動入り状態になった高速側の不等速伝動状態の3段階の伝動状態に変速操作され、等速伝動状態に変速操作されると、株間変速装置60からの等速回転の駆動力を変速しないでその等速回転のままで出力軸72から出力し、ロータリケース22が等速回転する状態で各植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。低速側又は高速側の不等速伝動状態に変速操作されると、株間変速装置60からの不等速回転の駆動力をその角速度変化とは異なる角速度変化を備えた不等速回転の駆動力に変換して出力軸72から出力し、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過するようにして各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。そして、高速側の不等速伝動状態に操作されると、ロータリケース22が低速側の不等速伝動状態に操作された場合とは異なる角速度変化を備えた不等速回転で回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近を通過する速度が低速側の不等速伝動状態に操作された場合のその速度より高速になる状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。
つまり、植付け作業を行なうに当たり、副変速装置50を低速伝動状態に切り換え操作し、主変速装置40からの駆動力が副変速装置50で走行用と作業用とに分岐されて前後輪1,2と各苗植付け機構20が主変速装置40からの駆動力によって連動させて駆動されるようにしながら、かつ、前後輪1,2に対して比較的低速で出力されて前後輪1,2が圃場泥土による抵抗に抗して強固に駆動されるようにしながら走行する。
このとき、株間変速装置60を第1〜第7変速伝動状態のいずれかの変速伝動状態に変速操作して、自走車体の走行速度に対する苗植付け機構20の駆動速度を所望の株間Dが現出される速度に調節設定しておき、各苗植付け機構20を所望の株間Dで苗植付けしていくように駆動する。さらに、このとき、図9に示すように、株間変速装置60を第1〜第5変速伝動状態のいずれかの変速伝動状態に変速した場合、すなわち株間Dが12〜21cmになるように変速操作した場合、伝動切り換え装置70を等速伝動状態に切り換え操作しておいてロータリケース22が等速回転する状態で苗植付け機構20が駆動されるようにしておく。株間変速装置60を第6変速伝動状態に変速した場合、すなわち株間Dが24cmになるように変速操作した場合、伝動切り換え装置70を低速側の不等速伝動状態に切り換え操作しておいてロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が下死点付近をその前後よりも高速で通過する状態で苗植付け機構20が駆動されるようにしておく。株間変速装置60を第7変速伝動状態に変速した場合、すなわち株間Dが28cmになるように変速操作した場合、伝動切り換え装置70を高速側の不等速伝動状態に切り換え操作しておいてロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が下死点付近をその前後よりも高速で、かつ、伝動切り換え装置70を低速側の不等速伝動状態に変速した場合より高速で通過する状態で苗植付け機構20が駆動されるようにしておき、いずれの場合も、植付け爪24によって植付け土壌面Tに形成される植付け穴が走行方向に長くなることを回避しながら植付け作業する。
図10は、別の実施形態を備えた伝動切り換え装置110を示し、この伝動切り換え装置110にあっては、ミッションケース111の内部において、株間変速装置60から動力伝達される入力軸112と、筒軸形の中間伝動軸113の間に1組の偏芯ギヤ対114を設け、中間伝動軸113と、前記回転軸8を介して苗植付け装置10に動力伝達する出力軸115の間に、2組の偏芯ギヤ対116,117と、この偏芯ギヤ対116,117どうしの間に位置する非偏芯ギヤ対118を設け、中間伝動軸113の内部とミッションケース111のボス部111aにわたって摺動自在に設けたシフトロッド100を設けて構成してある。
入力軸112と中間伝動軸113の間の偏芯ギヤ対114は、入力軸112に対してスプライン噛合いによって一体回動自在に係合しているとともに回動軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ114aと、中間伝動軸113に一体形成してあることによって中間伝動軸113と一体回動するとともに回動軸芯が円形の中心から外れた円形の偏芯ギヤ114bとで成り、入力軸111の回転駆動力を不等速回転の駆動力に変換して中間伝動軸113に伝達する。
シフトロッド100は、図6に示す伝動切り換え装置70のシフトロッド100と同様に構成してあり、ミッションケース111の外部に位置する切り換えレバー102によって摺動操作されることにより、シフトロッド100の伝動軸内端部に装着してあるクラッチキー103によって2組の偏芯ギヤ対116,117と1組の非偏芯ギヤ対118を、ギヤ116a,117a,118aが中間伝動軸113に対して一体回動自在に連結した伝動入り状態と、ギヤ116a,117a,118aと中間伝動軸113の連結が解除した伝動切り状態とに切り換え操作し、かつ、2組の偏芯ギヤ対116,117と1組の非偏芯ギヤ対118の計3組のギヤ対116,117,118を択一的に伝動入り状態に操作する。
中間伝動軸113と出力軸115の間の一方の偏芯ギヤ対116を構成している各偏芯ギヤ116a,116bは、入力軸112と中間伝動軸113の間の偏芯ギヤ対114を構成している各偏芯ギヤ114a,114bと同一の偏芯率を備えているが、この各偏芯ギヤ114a,114bとは互いに逆向きに偏芯する偏芯ギヤで成り、中間伝動軸113と出力軸115の間の前記偏芯ギヤ対116は、中間伝動軸113の駆動力を出力軸115に対して不等速伝達して、入力軸112が等速回転する場合、出力軸115を入力軸112と同一の回転速度で等速回動させてロータリケース22が等速回転する状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。
中間伝動軸113と出力軸115の間の非偏芯ギヤ対118は、中間伝動軸113の回転駆動力を出力軸115に対して等速伝達し、入力軸112が不等速回転する場合、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過するようにして各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するように構成してある。
中間伝動軸113と出力軸115の間の他方の偏芯ギヤ対117は、前記偏芯ギヤ対116とは異なる伝動角速度比を備えていて、中間伝動軸113の駆動力を出力軸115に対して不等速伝達し、入力軸112が不等速回転する場合、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で、前記非偏芯ギヤ対118が伝動入り状態になった場合よりも高速で通過するようにして各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出するように構成してある。
つまり、この伝動切換装置110は、株間変速装置60とは別に単独で切り換え操作するための専用の切り換えレバー102の揺動操作によるシフトロッド100の摺動操作により、中間伝動軸113と出力軸115の間の3組のギヤ対116,117,118をギヤ116a,117a,118aがクラッチキー103によって中間伝動軸113に連結された伝動入り状態と、ギヤ116a,117a,118aと中間伝動軸113の連結が解除された伝動切り状態とに切り換わるように、かつ、いずれか1組のギヤ対116,117,118だけが伝動入り状態になるように切り換え操作されて、偏芯ギヤ対116が伝動入り状態になった等速伝動状態と、非偏芯ギヤ対118が伝動入り状態になった低速側の不等速伝動状態と、偏芯ギヤ対117が伝動入り状態になった高速側の不等速伝動状態の3段階の伝動状態に変速操作され、等速伝動状態に変速操作されると、株間変速装置60から入力軸112に伝達された等速回転の駆動力を変速しないでその等速回転のままで出力軸115から出力し、ロータリケース22が等速回転する状態で各植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。低速側又は高速側の不等速伝動状態に変速操作されると、株間変速装置60から入力軸112に伝達された不等速回転の駆動力をその角速度変化とは異なる角速度変化を備えた不等速回転の駆動力に変換して出力軸115から出力し、ロータリケース22が不等速回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近をその前後よりも高速で通過するようにして各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。そして、高速側の不等速伝動状態に操作されると、ロータリケース22が低速側の不等速伝動状態に操作された場合とは異なる角速度変化を備えた不等速回転で回転して各植付け爪24の先端が回動軌跡Pの下死点付近を通過する速度が低速側の不等速伝動状態に操作された場合のその速度より高速になる状態で各苗植付け機構20が駆動される駆動状態を現出する。
〔別実施形態〕
苗植付け装置に対する伝動系に株間変速装置60と伝動切り換え装置70,110を設けるのに、上記実施形態に如く株間変速装置60より伝動方向下手側に伝動切り換え装置70,110を配置して実施する他、株間変速装置60を伝動切り換え装置70,110より伝動下手側に配置して実施してもよいのであり、いずれの配置を選択しても本発明の目的は達成できる。
施肥装置付き乗用型田植機全体の側面図 走行用伝動系の概略図 作業用伝動系の概略図 株間変速装置の断面図 株間変速装置の偏芯ギヤ対の側面図 伝動切り換え装置の断面図 伝動切り換え装置の偏芯ギヤ対の側面図 苗植付け機構の苗植え運動を示す説明図 株間変速装置、伝動切り換え装置の変速要領を示す説明図 別の実施形態を備える伝動切り換え装置の断面図
符号の説明
20 苗植付け機構
24 植付け爪
60 株間変速装置
63 株間変速装置の入力軸
64 株間変速装置の出力軸
66,67 株間変速装置の偏芯ギヤ対
66a,67a 株間変速装置の偏芯ギヤ対の入力軸側ギヤ
70,110 伝動切り換え装置
7,111 伝動切り換え装置の入力軸
72,115 伝動切り換え装置の出力軸
74,113 伝動切り換え装置の中間伝動軸
75,76,118 伝動切り換え装置の円形ギヤ対
77,78,114,116,117 伝動切り換え装置の偏芯ギヤ対
90 シフト部材
91 クラッチ凹部
92 クラッチ体
P 植付け爪先端の回動軌跡
T 植付け土壌面

Claims (4)

  1. 植付け爪の先端が回動軌跡を描いて苗載せ台と植付け土壌面の間を機体上下方向に往復移動するように駆動される苗植付け機構を備えるとともに、前記苗植付け機構に動力伝達する伝動系に、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度を複数段に変速する株間変速装置を備えてある田植機であって、
    等速伝動状態と、伝動角速度比が異なる複数段の不等速伝動状態とに変速操作自在な伝動切り換え装置を、前記伝動系に前記株間変速装置と直列に配置して設け、
    前記伝動切り換え装置の前記各不等速伝動状態を、前記植付け爪の先端が前記回動軌跡の下死点付近をその下死点付近の前後よりも高速で通過する状態で苗植付け機構が駆動されるように伝動するよう設定し、
    前記伝動切り換え装置を、入力軸の回動力を中間伝動軸に対して等速伝達する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を出力軸に対して等速伝達して前記等速伝動状態を現出する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して前記複数段の不等速伝動状態を各別に現出する複数の偏芯ギヤ対を備えて構成してある田植機。
  2. 植付け爪の先端が回動軌跡を描いて苗載せ台と植付け土壌面の間を機体上下方向に往復移動するように駆動される苗植付け機構を備えるとともに、前記苗植付け機構に動力伝達する伝動系に、走行速度に対する苗植付け機構駆動速度を複数段に変速する株間変速装置を備えてある田植機であって、
    等速伝動状態と、伝動角速度比が異なる複数段の不等速伝動状態とに変速操作自在な伝動切り換え装置を、前記伝動系に前記株間変速装置と直列に配置して設け、
    前記伝動切り換え装置の前記各不等速伝動状態を、前記植付け爪の先端が前記回動軌跡の下死点付近をその下死点付近の前後よりも高速で通過する状態で苗植付け機構が駆動されるように伝動するよう設定し、
    前記伝動切り換え装置を、入力軸の回動力を中間伝動軸に対して不等速伝達する偏芯ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して前記等速伝動状態を現出する偏芯ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して等速伝達して不等速伝動比が低い前記不等速伝動状態を現出する円形ギヤ対、前記中間伝動軸の回動力を前記出力軸に対して不等速伝達して不等速伝動比が高い前記不等速伝動状態を現出する偏芯ギヤ対を備えて構成してある田植機。
  3. 前記株間変速装置に、入力軸の動力を出力軸に対して不等速伝達して大株間を現出する偏芯ギヤ対を設け、
    前記偏芯ギヤ対のうちの入力側偏芯ギヤを前記入力軸に対して相対回転自在に外嵌させ、前記入力側偏芯ギヤを前記入力軸に対して係脱させるように前記入力軸に一体回転自在に装着したクラッチ体、前記入力軸の内部をスライド操作されて前記クラッチ体を前記入力側偏芯ギヤに対して係合させるシフト部材を備え、前記入力側偏芯ギヤの周方向での複数箇所に、前記クラッチ体が係脱する凹部を設けてある請求項1又は2記載の田植機。
  4. 前記クラッチ体の複数個を、前記入力軸の周方向に並べて前記入力軸に設けてある請求項3記載の田植機。
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