JP4261999B2 - 横形密閉圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば冷凍機や空気調和機の冷凍サイクルを構成する圧縮機に係わり、特に、横置き形の密閉圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば冷凍機や空気調和機に用いられる圧縮機として種々のタイプのものがあるが、中でも信頼性が高く、かつ運転騒音の小さいロータリ式圧縮機が多用されている。
通常のタイプとしては据付け面積が小さくてすむ縦長形状のものがほとんどであり、他の冷凍サイクル構成部品との配置やその他の特別な条件によっては、たとえば、[特許文献1]に開示されるような横置きタイプの密閉圧縮機が用いられる。
【0003】
この種の圧縮機は、横長形状の密閉容器内に軸方向を水平に向けた電動圧縮機本体が収容される。上記電動圧縮機本体は、軸受けを介して支持される回転軸の一端部に圧縮機構部が設けられ、他端部に電動機部が設けられてなる。
【0004】
【特許文献1】
実公昭61−80385号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記密閉容器内には潤滑油が集溜されていて、上記圧縮機構部の一部が潤滑油に浸漬状態にあり、この圧縮機構部の側部に設けられる上記電動機部の一部も潤滑油に浸漬している。
上記回転軸の回転にともなって潤滑油を吸い上げ、圧縮機構部を構成する各摺動部に給油する。このとき、電動機部を構成するローターが潤滑油に浸漬していると、回転軸と同時に回転するローターが潤滑油を跳ね上げてしまい、これらの回転抵抗となる。
【0006】
圧縮効率の低下をきたすとともに、圧縮機構部に充分な給油ができなくなる虞れがある。そのため従来は、ローターが潤滑油に浸漬しない程度の潤滑油を封入することによる対策をなしており、横置き型の密閉圧縮機の場合は縦型の密閉圧縮機と比較して潤滑油の封入量が少ないことが特徴である。
特に、ロータリ式圧縮機の場合は、圧縮機構部に給油された潤滑油が、圧縮機構部で圧縮されたガスとともに一旦密閉容器内に吐出され、密閉容器内に充満したあと吐出管から外部に吐出される、ケース内高圧型である。
【0007】
ロータリ式圧縮機のように、ケース内高圧型で横形密閉圧縮機は潤滑油の封入量が少ないうえに、潤滑油分が圧縮ガスに含まれたまま外部に吐出され易く、潤滑油量が不足して圧縮機構部における潤滑性を確保し難い傾向にある。そのため、密閉容器内で圧縮ガスに含まれる潤滑油分を効率よく回収することが重要な課題となっている。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機構部で圧縮されたガスに含まれる潤滑油分を密閉容器内で効率よく回収して充分な潤滑油量を保持し、圧縮機構部における潤滑性を向上させ、高い信頼性を得られる横形密閉圧縮機を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明の横形密閉圧縮機は、内底部に潤滑油を集溜する油溜り部を備えた横長形状の密閉容器と、この密閉容器内に収容され水平方向に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の一端部に設けられる圧縮機構部および回転軸の他端部に設けられる電動機部とからなる電動圧縮機本体と、圧縮機構部と電動機部との境部でかつ圧縮機構部の一部に重ね合わせて設けられ密閉容器内を二分して一方側を圧縮機構部が位置する第1の空間部とし、他方側を電動機部が位置する第2の空間部とする圧力仕切板と、この圧力仕切板と圧縮機構部とに連通して設けられ圧縮機構部で圧縮されて第2の空間部に吐出され充満する高圧ガスを第1の空間部へ導くガス案内通路とを具備し、圧力仕切板が重ね合わされる圧縮機構部はシリンダであり、このシリンダは鋳物製であって鋳物成形時に形成される鋳抜き部をガス案内通路とし、圧力仕切板に設けられるガス案内通路は、圧力仕切板を打抜き、かつ切起し加工による切起し片を備え、この切起し片はシリンダの鋳抜き部に挿入される
【0010】
このような課題を解決する手段を採用することにより、圧縮機構部で圧縮されたガスに含まれる潤滑油分を密閉容器内で効率よく回収して、充分な潤滑油量を保持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1はたとえば冷凍サイクルを構成するロータリ式の横形密閉圧縮機1の正面断面図、図2は同圧縮機1の側面断面図である。
図中、2は密閉容器であり、この密閉容器2内に電動圧縮機本体3が収容されている。上記密閉容器2の内底部は潤滑油を集溜する油溜り部Tとなっていて、上記電動圧縮機本体3の一部が油溜り部Tの潤滑油中に浸漬している。
【0012】
この横形密閉圧縮機1の側部にはアキュムレータ(図示しない)が配置され、密閉容器2下部とは吸込み管6を介して連通される。ここでは2シリンダタイプであるので、2本の吸込み管6が接続される。
上記吸込み管6とは180度対称の位置に吐出冷媒管7が接続され、開口端部が密閉容器2内に臨ませられる。上記吐出冷媒管7は冷凍サイクルを構成する凝縮器と連通され、この凝縮器から膨張機構と蒸発器(以上、図示しない)を介して上記アキュームレータに連通され、これらで冷凍サイクルが構成される。
【0013】
上記電動圧縮機本体3は、主軸受け10と副軸受け11を介して水平方向に回転自在に支持される回転軸12と、この回転軸の一端部に設けられるロータリ式の圧縮機構部13および、回転軸12の他端部に設けられる電動機部14とから構成される。
【0014】
上記圧縮機構部13は、中間仕切り板15の左右両側に設けられる第1の圧縮機構部13Aと第2の圧縮機構部13Bを備えてなる。第1の圧縮機構部13Aは中間仕切り板15の左側である電動機部14側にあり、第2の圧縮機構部13Bは中間仕切り板15の右側である反電動機部側にある。
上記第1、第2の圧縮機構部13A,13Bは、それぞれ第1、第2のシリンダ16a,16bを備えている。第1のシリンダ16aは、外径が上記密閉容器2の内径とほぼ同一であり、密閉容器2内周壁に嵌合状態で取付けられる。第1のシリンダ16aの電動機部14側の側面には、リング状の圧力仕切板17が第1のシリンダ16aに重ね合わされた状態で取付けられる。
【0015】
上記圧力仕切板17の外径は第1のシリンダ16aと同様、密閉容器2の内径とほぼ同一に形成されていて、圧力仕切板17が第1のシリンダ16aに重ね合わされているところから、第1のシリンダ16aと圧力仕切板17とで密閉容器2内を左右に仕切ることになる。
上記シリンダ16aと圧力仕切板17を境にして、密閉容器2内の一方側を上記圧縮機構部13が位置する第1の空間部Saと呼び、他方側を上記電動機部14が位置する第2の空間部Sbと呼ぶ。
【0016】
上記第1のシリンダ16aは鋳物製であって、この周辺部には複数の円弧状の鋳抜き部18が所定間隔を存して設けられている。この鋳抜き部18は、第1のシリンダ16aの鋳物成形時にガス抜き用として設けられていて、製品としての状態で鋳抜き部18がそのまま残る。
上記圧力仕切板17は、下部側が台状に切欠加工され、上記第1のシリンダ16a下部側の鋳抜き部18との組み合わせ位置から、潤滑油が連通する油連通孔19となっている。
【0017】
さらに、圧力仕切板17上部で、第1のシリンダ16a上部側の鋳抜き部18と連通する位置にガス連通孔20が設けられる。特に図2に示すように、円弧状に形成される鋳抜き部18に対して、ガス連通孔20は矩形状に形成され、しかもガス連通孔20は鋳抜き部18の一部に正しく対向して設けられる。
なお説明すると、ガス連通孔20は矩形状のうちの上部辺を残して左右両辺と下部辺が打抜かれ、残された上部辺を折曲部とする切起し加工をなし、切起し片aが一体に設けられる。
【0018】
上記第1のシリンダ16aに設けられる鋳抜き部18と、圧力仕切板17に設けられるガス連通孔20とでガス案内通路Kが形成され、このガス案内通路K中に上記切起し片aが突出している。そして、ガス案内通路Kの長さをL、切起し片aの高さ(突出量)をhとしたとき、ガス案内通路Kの長さLに対する切起し片aの切起し高さhの割合(h/L)が1/2未満に設定されている。
【0019】
一方、圧力仕切板17の内径部には主軸受け10が位置し、第1のシリンダ16aの一側面に取付け固定される。第1のシリンダ16aの他側面には中間仕切り板15が密着する。第2のシリンダ16bの外径は第1のシリンダ16aの外径よりも小さく、一部は外方に突出し周面が密閉容器2の内周面に密着する。
【0020】
第2のシリンダ16bの一側面に中間仕切り板15が密着し、他側面に上記副軸受け11が取付け固定される。上記主軸受け10には第1の吐出カバー22およびバルブカバー23が取付けられ、上記副軸受け11には第2の吐出カバー24が取付けられている。
各シリンダ16a,16bの内径開口部は、左右両側を各軸受け10,11と中間仕切り板15で囲まれるシリンダ室25a,25bとなっている。それぞれのシリンダ室25a,25bに対向する回転軸12部位には、偏心ローラ26a,26bがシリンダ室内を偏心回転自在に嵌め込まれている。
【0021】
第2の圧縮機構部13Bのみ示すが、ローラ26b周面に軸方向に沿ってブレード27の先端が弾性的に押圧された状態で接触し、各シリンダ室25a,25b内を高圧側と低圧側に仕切っている。
上記アキュームレータと連通する2本の吸込み管6は密閉容器2を貫通し、各シリンダ16a,16bと密閉容器2に設けられる取付け用孔28に挿入固着される。上記取付け用孔28は上記シリンダ室25a,25bに対し開口していて、各吸込み管6はシリンダ室と直接的に連通する。
【0022】
上記主軸受け10と副軸受け11には、各シリンダ室25a,25bと連通する吐出弁機構30が設けられている。主軸受け10に取付けられる第1の吐出カバー22は主軸受けの吐出弁機構30をカバーし、副軸受け11に取付けられる第2の吐出カバー24は副軸受けの吐出弁機構30をカバーしている。
第1の吐出カバー22はガス案内孔を備えていて、通過したガスを上記バルブカバー23内に案内するようになっている。第2の吐出カバー24には特にガス案内孔が設けられていない。
【0023】
その代りに、図示していないが第1のシリンダ16aと中間仕切り板15を介して第2のシリンダ16bに連通する通路が設けられていて、第2の吐出カバー24内に吐出されるガスを上記通路を介して第1の吐出カバー22内に案内するようになっている。
すなわち、第1の吐出カバー22内には第1のシリンダ室25aで圧縮されたガスと、第2のシリンダ室25bで圧縮されたガスとが合流し、第1の吐出カバー22のガス案内孔からバルブカバー23内に導かれる。
【0024】
上記バルブカバー23にはガス孔31が設けられていて、合流したガスが流通して密閉容器2内に吐出案内される。なお、バルブカバー23は電動機部14側の第2の空間部Sbに突出して設けられているので、上記ガス孔31を介して吐出されるガスは第2の空間部Sbに充満する。
一方、上記回転軸12の副軸受け11側端面から主軸受け10対向部までに亘り、この中心軸に沿って給油用センター孔33が設けられている。この給油用センター孔33の中途部と、上記第1のシリンダ室25aと第2のシリンダ室25bの偏心ローラ26a,26bの内側とをそれぞれ連通する油案内孔34が設けられる。
【0025】
給油用センター孔33の回転軸12端面開口部は上記第2の吐出カバー24で閉成されていて、給油用センター孔33は密閉構造となっている。上記第2の吐出カバー24には油吸い上げ管35が接続されていて、この開口端は上記給油用センター孔33に対向している。
上記油吸い上げ管35の他端部は、密閉容器2内底部の油溜り部Tに集溜する潤滑油中に浸漬される。したがって、油吸い上げ管35から給油用センター孔33と油案内孔34とで給油路36が構成され、油溜り部Tと第1・第2の圧縮機構部13A,13Bの各摺動部と連通している。
【0026】
図2のみに示すように、密閉容器2をインジェクション管40が貫通して設けられる。インジェクション管40の先端は上記中間仕切板15に設けられる孔部に接続される。この孔部は、中間仕切板15の外径と内径との略中間部において左右に分岐され、上記シリンダ室25a,25bにおいて開口している。
【0027】
このインジェクション管40は、上記凝縮器の冷媒導出側から分岐されていて、必要条件に応じて液冷媒の一部を直接シリンダ室25a,25bに導くことができる。
具体的には、予め上記密閉容器2の所定部位に孔部bが設けられていて、この孔部bに筒体からなるソケット41の一端部が嵌め込まれ仮固定される。この状態で上記ソケット41端部と密閉容器2とをロー付けなどの溶着手段で取付け固定する。
【0028】
このとき、溶融したローが孔部bとソケット41との隙間から密閉容器2の内面側に侵入し、かつ冷却して固形化すると、あとから密閉容器2内に組立てられた圧縮機構部13を挿入するときに、特に第1のシリンダ16aの外周部が固形化したローに引っ掛って挿入が不可能になる虞れがある。
その一方で、溶融したローは液体状であるので、密閉容器2内面側への侵入を完全に阻止することは極めて困難である。そこで、予め、第1のシリンダ16aの外周部でソケット41と対向する部位に切欠き部42を設けておく。
【0029】
上記ソケット41の溶着にあたって、ある程度の量のローが密閉容器2の内周面側に侵入し固形化しても、第1のシリンダ16aを円滑に挿入できることとなり、作業に支障をきたすようなことはない。
これらの作業が終わったあと、上記ソケット41にインジェクション管40を挿通し、この先端部を中間仕切板15に設けられる孔部に圧入固定する。ソケット41の端部とインジェクション管40とをロー付けなどの溶着手段で取付け固定すれば、インジェクション管40の取付けが終了する。
【0030】
再び図1に示すように、上記電動機部14は、密閉容器2の内面に固定されたステータ45と、このステータの内側に所定の隙間を介して配置され、かつ上記回転軸12が介挿されるロータ46とからなる。
【0031】
このようにして構成される横形密閉圧縮機であって、電動機部14に通電することにより回転軸12が回転駆動され、冷凍サイクルからアキュームレータ4と2本の吸込み管6を介して圧縮機1に蒸発した冷媒ガスが導かれる。
第1、第2の圧縮機構部13A,13Bにおける各シリンダ室25a,25bでは偏心ローラ26a,26bが偏心回転していて、各シリンダ室内に冷媒ガスを導入し、圧縮する。
【0032】
圧縮され高圧化したガスは、それぞれ第1、第2の吐出カバー22,24内へ吐出される。全ての高圧ガスはバルブカバー23に導かれて充満し、ここでマフラー効果が得られたあと、ガス孔31を介して電動機部14側である第2の空間部Sbに放出される。
高圧ガスは第2の空間部Sbで充満し、さらに圧力仕切板17のガス連通孔20と、第1のシリンダ16aの鋳抜き部18とからなるガス案内通路Kを介して第1の空間部Saへ導かれる。この第1の空間部Saに充満する高圧ガスは、吐出冷媒管7から吐出され凝縮器に導かれて冷凍サイクルを構成する。
【0033】
密閉容器2底部に形成される油溜り部Tにおいて、圧力仕切板17と第1のシリンダ16a下部で形成される油連通孔19と鋳抜き部18によって第1の空間部Saと第2の空間部Sbとが連通状態になる。
運転を停止した状態、すなわち静止時の油溜り部Tにおける油面の高さLaは、第1の空間部Saと第2の空間部Sbが同一であるが、運転が開始され継続すると、バルブカバー23から吐出される高圧ガスが第2の空間部Sbに充満するので、第2の空間部が第1の空間部Saよりも高圧条件下になる。
【0034】
上記第1の空間部Saには圧力仕切板17のガス連通孔20と第1のシリンダの鋳抜き部18とからなるガス案内通路Kを介して導かれる高圧ガスが充満するが、順次吐出冷媒管7から吐出されるので、第2の空間部Sbよりも低圧条件下になる。
したがって、運転時の油面は第2の空間部Sbにおいて低く(Lb)なり、第1の空間部Saにおいてこれよりも高く(Lc)なる。この状態で、電動機部14を構成するロータ46が油面高さLbよりも上方部位にあるので、ロータが潤滑油を跳ね飛ばしながら回転することがなく、エネルギーロスを防止できる。
【0035】
第1の空間部Saにおいて油面高さLcが高くなる一方で、偏心ローラ26a,26bの偏心回転にともない各シリンダ室25a,25bがブレード27によって高圧室と低圧室とに仕切られる。
シリンダ室25a,25bの偏心ローラ26a,26b内側は中間圧となり、油案内孔34を介して連通する給油用センター孔33も中間圧となって、センター孔33と第1の空間部Saとは圧力差が生じる。
【0036】
そのため、第1の空間部Saの下部に満たされている潤滑油が油吸い上げ管35に吸い上げられる。潤滑油は、油溜り部Tから油吸い上げ管35などで構成される給油路36に沿って導かれ、第1・第2の圧縮機構部13A,13Bの各摺動部に確実に給油され、これらの充分な潤滑性が保証される。
また、圧縮機構部13において圧縮され、第2の空間部Sbに吐出される高圧ガスには、給油路36に沿って導かれ圧縮機構部13を潤滑した潤滑油分がミスト状となって含まれる。したがって、正確には高圧ガスと潤滑油分との混合気が第2の空間部Sbに充満することになる。
【0037】
そして、混合気は圧力仕切板17に設けられるガス連通孔20と第1のシリンダ16aの鋳抜き部18とからなるガス案内通路Kに導かれる。このガス案内通路Kにおいては切起し片aが介在しているので、ガス連通孔20に入った混合気の全ては必ず切起し片aと衝突する。
上記切起し片aは、縦型圧縮機の回転軸に取付けられる油分離板と全く同様の作用をなし、混合気から潤滑油分を分離する。潤滑油分のほとんどが分離された高圧ガスは、ガス連通孔20と切起し片aとの隙間を介して第1のシリンダ16aの鋳抜き部に導かれる。
【0038】
上述したように、第1のシリンダ16aは鋳物製であって、その表面はいわゆる鋳肌特有の細かく多数の凹凸が形成されている。当然、鋳抜き部18の周面も同様の鋳肌面であり、ここを高圧ガスが接触しながら通過する。このとき、高圧ガスに残っていた潤滑油分がさらに分離されて第1の空間部Saに導かれる。
【0039】
結局、第1の空間部Saに充満する高圧ガスにはほとんど潤滑油分が含まれず、吐出冷媒管7からはほとんど純然たる高圧ガスのみが吐出される。そのため圧縮機1からの吐油量が低減して、常に油溜り部Tに充分な量の潤滑油が集溜され、圧縮機構部13に対する潤滑性が確保され、焼損事故の発生を防止して信頼性の向上を得られる。
【0040】
なお、圧力仕切板17と第1のシリンダ16aとに亘って設けられるガス案内通路Kの長さLに対する上記切起し片aの切起し高さhの割合(h/L)を、1/2未満としたことの設定理由は、図3に示す実験結果から求められる。
横軸にh/Lをとり、縦軸に吐油量(相対比)をとって種々設定条件を変えてみた結果、切起し片aがないときの吐油量を1として、目標値の吐油量を約0.7とすると、h/Lが0.5(1/2)以上で目標値以上の吐油量となってしまう。すなわち、h/Lを0.5(1/2)未満に設定することにより、目標値以下の吐油量に抑制でき、上述した作用効果を得られる。
【0041】
【発明の効果】
上記説明したように本発明によれば、圧縮機構部で圧縮されたガスに含まれる潤滑油分を密閉容器内で効率よく回収して充分な潤滑油量を保持し、圧縮機構部における潤滑性を向上させ、高い信頼性を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す、横形密閉圧縮機の正面断面図。
【図2】 同実施の形態の、横形密閉圧縮機の側面断面図。
【図3】 ガス案内通路の長さL/切起し片の切起し高さhと、吐油量との関係を表す特性図。
【符号の説明】
2…密閉容器、12…回転軸、13…圧縮機構部、14…電動機部、3…電動圧縮機本体、Sa…第1の空間部、Sb…第2の空間部、17…圧力仕切板、K…ガス案内通路、16a…第1のシリンダ、18…鋳抜き部、20…ガス連通孔、a…切起し片。

Claims (2)

  1. 内底部に潤滑油を集溜する油溜り部を備えた横長形状の密閉容器と、
    この密閉容器内に収容され、水平方向に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の一端部に設けられる圧縮機構部および、回転軸の他端部に設けられる電動機部とからなる電動圧縮機本体と、
    上記圧縮機構部と上記電動機部との境部でかつ圧縮機構部の一部に重ね合わせて設けられ、上記密閉容器内を二分して、一方側を圧縮機構部が位置する第1の空間部とし、他方側を電動機部が位置する第2の空間部とする圧力仕切板と、
    この圧力仕切板と上記圧縮機構部とに連通して設けられ、上記圧縮機構部で圧縮されて上記第2の空間部に吐出され充満する高圧ガスを上記第1の空間部へ導くガス案内通路とを具備し、
    上記圧力仕切板が重ね合わされる上記圧縮機構部はシリンダであり、
    このシリンダは鋳物製であって、鋳物成形時に形成される鋳抜き部を上記ガス案内通路とし
    上記圧力仕切板に設けられる上記ガス案内通路は、圧力仕切板を打抜き、かつ切起し加工による切起し片を備え、この切起し片は上記シリンダの鋳抜き部に挿入される
    ことを特徴とする横形密閉圧縮機。
  2. 上記圧力仕切板とシリンダとに亘って設けられるガス案内通路の長さLに対する上記切起し片の切起し高さ(突出量)hの割合(h/L)を、1/2未満としたことを特徴とする請求項1記載の横形密閉圧縮機。
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