JP4811200B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

電動圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4811200B2
JP4811200B2 JP2006237501A JP2006237501A JP4811200B2 JP 4811200 B2 JP4811200 B2 JP 4811200B2 JP 2006237501 A JP2006237501 A JP 2006237501A JP 2006237501 A JP2006237501 A JP 2006237501A JP 4811200 B2 JP4811200 B2 JP 4811200B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
compression mechanism
bearing portion
main
main shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006237501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008031976A (ja
Inventor
裕康 加藤
重樹 岩波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2006237501A priority Critical patent/JP4811200B2/ja
Publication of JP2008031976A publication Critical patent/JP2008031976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4811200B2 publication Critical patent/JP4811200B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ハウジング内にモータと圧縮機構とを備える電動圧縮機に関し、特に電動圧縮機における軸受部の潤滑の改善に関する。
従来より電動圧縮機の内部には、その軸受部を適切に滑動させるために潤滑油が供給される。そのような電動圧縮機として、潤滑油を電動圧縮機内で繰り返し循環させる構成のものが知られている。これは圧縮機構から吐出された圧縮後の高圧冷媒を外郭ハウジング内に充満させる一方で、冷媒とともに圧縮機構から吐出された潤滑油を外郭ハウジングの下部に貯め、その潤滑油を圧縮機構の軸受け部に送油する。その潤滑油を送油する構成としては、オイルポンプを用いて圧送するものや、圧縮前の低圧冷媒が位置する低圧室と高圧となっている潤滑油が貯められた部位との圧力差により供給するものが知られている。例えば、このような従来技術として特許文献1によるスクロール圧縮機が知られている。
特開2002−295369号公報
上記特許文献1による低圧シェル式電動横型スクロール圧縮機は、図4に示すような構成となっている。即ち、固定スクロール2aの一端面にはセンタケーシング2cの一端面が接合されており、そのセンタケーシング2cの他端面にはモータハウジング1aが接合されている。また、固定スクロール2aの他端面にはフロントハウジング1bが接合されている。こうして、フロントハウジング1b、固定スクロール2a、センタケーシング2c及びモータハウジング1aで圧縮機の外郭ハウジング1が形成されていて、この外郭ハウジング1内に、固定スクロール2a、旋回スクロール2b及びセンタケーシング2c等からなる圧縮機構部2と、モータハウジング1a内に配置されて、旋回スクロール2bを旋回駆動する電動機部3とが配設されている。電動機部3の主軸4はセンタケーシング2cの軸受部5aで軸支され、主軸4の先端に形成されたクランク軸4aが旋回スクロール2bのボス部の軸受部5bで支承されることによって、旋回スクロール2bは電動機部3により旋回駆動される。
圧縮機構部2によって圧縮された冷媒が吐出される、高圧側であるフロントハウジング1b内に設けられた高圧側貯油室6に貯留された潤滑油(高圧高温冷媒から分離されたオイル)は、ガスケット、固定スクロール2a及び旋回スクロール2bに形成された給油路7を通って、旋回スクロール2bの背面側に圧送され、クランク軸4aの軸受部5bとセンタケーシング2cの軸受部5aとに給油するようになっている。
このようにして、高圧側貯油室6から給油路7を通って旋回スクロール2bの背面側に圧送され、軸受部5a及び5bで使用され、或いはこれら軸受部5a,5bに過剰に供給された潤滑油は、軸受部5a,5bから自重落下し、モータハウジング1a内の底部に形成された、低圧側の貯油部1cに貯留されるようになっている。センタケーシング2cの低所には、この貯油部1cに対応した位置に移送路2dが穿設されていて、モータハウジング1aの貯油部1cと、圧縮機構部2の吸入部とを連通している。このようにして、潤滑油は圧力差を利用して軸受部に供給され、圧縮機構部2を介して循環されるようになっている。
上記構成よりなる従来の電動圧縮機において、軸受部5a,5bの強制潤滑を行うと、高温の潤滑油が電動機室(モータハウジング)に流れ込み、電動機の冷却が阻害されるという問題がある。
また、潤滑油が放熱する時間が長いため、圧縮機構部への吸入冷媒ガスが加熱され圧縮効率が低下するという問題もある。特にCO2冷媒においては加熱度が大きく性能低下が懸念された。
更には、電動機室内の潤滑油溜りの油面が変動し易く、電動機の回転子の撹拌抵抗が増し、電力増加を招くという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動機の加熱の低減化及び吸入冷媒ガスの加熱の低減化を図ると共に、電動機室内の潤滑油溜りの油面の安定化を図ることができる電動圧縮機を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項の記載の電動圧縮機を提供する。
請求項1に記載の電動圧縮機は、容器11内に、主軸40を回転駆動する電動機部30と、主軸40が連結された可動部材22が作動することで、吸入部26を介して圧縮室25へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部20と、主軸40の電動機部側を回転可能に軸支する副軸受部60と、主軸40の圧縮機構部側を回転可能に軸支する主軸受部50と、容器11内の電動機部30に設けられた低圧側油溜り19と、圧縮機構部20の吐出室27内に設けられる高圧側貯油室29とを備えていて、高圧側から主軸受部50にオイルを強制的に圧送するものにおいて、主軸受部50に圧縮機構部20の吸入部26へと開口されている主軸受側オイル通路51,43を設けるともに、主軸40内にオイル通路41を形成し、副軸受部60にも高圧側からオイルが圧送されるようにしており、かつ副軸受部60には低圧側油溜り19へと開口されている副軸受側オイル通路61,45が設けられていて、副軸受部60から低圧側油溜り19へと流れる流路抵抗の方が、主軸受部50から吸入部26へと流れる流路抵抗よりも大きくしたものである。これにより、高温のオイルが多量に電動機部30の低圧側油溜り19に流入することがなくなり、電動機の冷却が阻害されることが阻止される。また、低圧側油溜り19へのオイル流入量が少なくなることから油面の変動を抑制することができ、電動機の消費電力増加およびオイル切れを防止できる。また、主軸受部50及び副軸受部60の両者に圧力差によってオイルを供給できる。さらに、低圧側油溜り19への高温オイルの流入を最低限にして、電動機の加熱を低減している。また、オイルが放熱する時間も短くすることができ、吸入冷媒ガスを加熱し圧縮性能が低下することを抑制できる。
請求項の電動圧縮機は、主軸受側オイル通路43の断面積を副軸受側オイル通路45の断面積よりも大きくしたものであり、これにより、低圧側油溜り19への高温オイルの流入を最低限にして、電動機の加熱を低減することができる。また、オイルが放熱する時間も短かくすることができ、吸入冷媒ガスを加熱し圧縮性能が低下するのを抑制できる。
請求項の電動圧縮機は、圧縮機構部20を可動部材22が旋回スクロール部材22であって固定スクロール部材23との間で圧縮室25を形成するスクロール型圧縮機構部としたものであり、本発明の電動圧縮機は、スクロール型圧縮機に好適である。
請求項の電動圧縮機は、冷媒としてCO2を使用したものであり、このCO2は加熱による吸入ガスの密度低下の影響が大きいので、本発明のように吸入ガスの加熱を低減することができる電動圧縮機は特に有効である。
請求項に記載の電動圧縮機は、容器11内に、主軸40を回転駆動する電動機部30と、主軸40が連結された可動部材22が作動することで、吸入部26を介して圧縮室25へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部20と、主軸40の電動機部側を回転可能に軸支する副軸受部60と、主軸40の圧縮機構部側を回転可能に軸支する主軸受部50と、主軸40内に形成されたオイル通路41と、容器11内の電動機部30に設けられた低圧側油溜り19と、圧縮機構部20の吐出室27内に設けられる高圧側貯油室29とを備えていて、高圧側から主軸受部50及び副軸受部60にオイルを強制的に圧送するものにおいて、主軸受部50に低圧側油溜り側へのオイル流出を防止する流出防止部80を設けたものであり、これにより、主軸受部50から吸入部26へと開口されている主軸受側オイル通路51,43を設けることなく、低圧側油溜り19に高温のオイルが流入するのを防止することが可能となる。したがって、電動機の冷却が阻害されることが阻止される。また、低圧側油溜り19へのオイル流入量が少なくなることから、油面の変動を抑制でき、電動機の消費電力の増加及びオイル切れを防止できる。
以下、図面に従って本発明の実施の形態の電動圧縮機について説明する。以下の説明においては、本発明をスクロール型圧縮機に具体化させた実施形態に基づいて説明するが、本発明はスクロール型に限定されるものではなく他の回転式の圧縮機にも適用できるものである。図1は、本発明の実施の形態の電動圧縮機の断面図である。
電動圧縮機10は、密閉容器としての外郭ハウジング11と、この外郭ハウジング11内に収容された圧縮機構部20、及び電動機部30とから構成されている。この電動圧縮機10は、横置きの電動圧縮機とされ、図1において下面が設置面とされ、右側に圧縮機構部20が左側に電動機部30が配置され、両者は、主軸としてのシャフト40によって接続されている。そして電動機部30により圧縮機構部20が駆動されるようになっている。
外郭ハウジング11は、円筒状の本体ハウジング12、前部ハウジング13及び後部ハウジング14とから構成されている。これらのハウジング12,13,14が固着されて、外郭ハウジング11内には密閉された空間が形成されるようになっている。本体ハウジング12には、圧縮機構部20の吸入部に接続する吸入パイプ15と、同じく圧縮機構部20の吐出部に接続する吐出パイプ16とが設けられている。この吸入パイプ15から冷凍サイクルからの低圧の冷媒及び低温のオイル(潤滑油)とが混合したガスが、外郭ハウジング11内に流入するようになっている。
電動機部30は、主軸としてのシャフト40に固定される回転子31と、この回転子31の外周側に配置される固定子32とから構成されている。固定子32は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。この電動機部30には、図示しない外部電源から電力が供給されるようになっており、これにより回転子31が回転駆動され、それとともにシャフト40も回転駆動するようになっている。
圧縮機構部20は、センタケーシング21と、可動部材としての旋回スクロール部材22、固定スクロール部材23及び後部ケーシング24を備えている。センタケーシング21は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。センタケーシング21の中心部には、シャフト40を貫挿する孔が設けられており、この孔に軸受が固定されて、シャフト40を回転可能に軸支する主軸受部50となっている。一方、本体ハウジング12の電動機部側には、シャフト40を支持するための支持部材17が本体ハウジング12の内周面に固定されており、この支持部材17の中央部には、芯出し部材18が固着されている。芯出し部材18の中央部にもシャフト40を貫挿する孔が設けられ、この孔に軸受が固定されてシャフト40を回転可能に軸支する副軸受部60となっている。
シャフト40内には、内部を軸方向に貫通しているオイル通路41が設けられていると共に、シャフト40の先端には、シャフト40の中心軸から偏心したクランク部42が設けられていて、このクランク部42が旋回スクロール部材22に連結されることで、シャフト40の回転に伴なって、旋回スクロール部材22が偏心回転運動をするようになっている。
旋回スクロール部材22は、略円形をした旋回スクロール端板部22aと、この端板部22aの片側に形成され、円筒形状をしたボス部22cと、このボス部22cが形成されている端板部22aの他面側に形成されている渦巻き形状をした旋回スクロール羽根部22bとからなる。ボス部22bには、軸受が圧入固定されていてシャフト40のクランク部42に回転自在に支持されている。
旋回スクロール部材22に対して偏心した位置で対向して、回転方向に180度ずらして噛み合う固定スクロール部材23が設けられ、この固定スクロール部材23はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。固定スクロール部材23は、略円形をした固定スクロール端板部23aと、旋回スクロール羽根部22bと略同形状をした渦巻状の固定スクロール羽根部23bとからなり、この旋回スクロール羽根部22bと相対するように組み付けられる。旋回スクロール羽根部22bと固定スクロール羽根部23bとが噛み合うことによって、それらの渦巻状の羽根部22b,23b間に冷媒を取り込んで圧縮する三日月状の作動室(圧縮室)25が複数個形成されるが、2つのスクロール部材22,23の共通の中心部領域には、圧縮された冷媒の圧力が最も高くなる高圧作動室が1つだけ形成される。この固定スクロール端板部23aの略中央には、高圧作動室から圧縮された冷媒を吐出するための吐出口23cが形成されている。
固定スクロール部材23と旋回スクロール部材22の2つの渦巻状の羽根部23b,22bとが噛み合わされた外周側に位置する固定スクロール部材23に吸入室である吸入部26が形成されている。この吸入部26は吸入パイプ15に接続していて、この吸入パイプ15が図示しない冷凍サイクルの低圧側と接続している。
固定スクロール部材23の羽根部23bと反対側には、吐出室27を形成する後部ケーシング24が設けられている。この後部ケーシング24はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。吐出室27は、吐出口23cを介して高圧作動室(圧縮室)25と連通している。吐出室27にはリード弁27aが設けられている。このリード弁27aは吐出室27側に開く構成とされており、吐出室27内の高圧冷媒が作動室25に逆流することを防止する弁である。
更に吐出室27内にはオイル分離機構28が設けられており、このオイル分離機構28の下部には高圧側貯油室29が設けられている。したがって、吐出室27内に吐出された、冷媒とオイルとが混合した吐出ガスはオイル分離機構28によって高圧冷媒ガスと高温のオイル(潤滑油)とに分離され、高圧冷媒ガスは吐出管16より図示しない冷凍サイクルの高圧側へと送られ、高温のオイルは高圧側貯油室29内に一時的に貯溜する。
一方、外郭ハウジング11内をセンタケーシング21によって仕切られた、電動機部30が収容された密閉空間S内の下部には、低圧側油溜り19が形成されている。なお、冷媒ガスの吸入部26は、センタケーシング21に設けた連通孔21aによって低圧側油溜り19が形成されている低圧側の密閉空間Sと連通している。また、支持部材17には、複数の連通孔17aが設けられていて、低圧側油溜り19が連通するようになっている。
次に本実施形態の特徴とする構成について説明する。
固定スクロール部材23及び旋回スクロール部材22には、高圧側貯油室29内のオイルを旋回スクロール部材22のボス部22c内の底部へと導入する給油通路70が形成されている。この給油通路70には絞り部71が設けられている。ボス部22c内の底部に達したオイルは、一部はシャフト40内のオイル通路41を副軸受部60側の端部から、低圧側油溜り19へと回収される。
シャフト40の主軸受部50には、シャフト40内のオイル通路41と連通し、主軸受部50を通って圧縮機構部20の吸入部26へと開口している高温オイルの主軸受側オイル通路51が形成されている。この主軸受側オイル通路51は、図2(a)に示すように主軸受部50に対応するシャフト40の外周面に軸方向に延びているV字状の主溝43を形成することによって形成される。主溝43の一端は、孔44によってオイル通路41に連通し、主溝43の他端は、センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を介して吸入部26に連通している。
また、シャフト40の副軸受部60にも、シャフト40内のオイル通路41と連通し、副軸受部60を通って低圧側油溜り19へと放出される高温オイルの副軸受側オイル通路61が形成されている。この副軸受側オイル通路61は、図2(b)に示すように副軸受部60に対応するシャフト40の外周面を軸方向に平面でカットすることによって得られる円弧状断面の副溝45によって得られる。副溝45の一端は、孔46によってオイル通路41に連通し、副溝45の他端は開放されている。
このようにして、高圧側貯油室29のオイルは、給油通路70を通り、その一部はシャフト40内のオイル通路41から主軸受側オイル通路51を通って主軸受部50に供給され、その後、圧縮機構部20の吸入部26に取り込まれ冷媒中に混合される。オイル通路41を通る他の一部のオイルは、副軸受側オイル通路61を通って副軸受部60に供給され、その後低圧側油溜り19へ放出される。オイル通路41を通る残りのオイルは、シャフト40の開放側からそのまま低圧側油溜り19へと放出される。
この場合、主軸受側オイル通路51である主溝43の通路断面積が、副軸受側オイル通路61である副溝45の通路断面積よりも大きくする。これにより、主軸受側オイル通路51を通って吸入部26に取り込まれる高温オイルの量を大きくし、低圧側油溜り19への高温オイルの流入を最低限とすることができる。
また、主軸受部50の電動機部側には、図3に示すように低圧側油溜り19側へのオイルの流出を防ぐ流出防止部80が設けられている。即ち、主軸受部50よりも電動機部側である、センタケーシング21のシャフト40を貫挿する孔の内周面にはリング状の溝21bが形成されており、この溝21bに円筒状のシール部材81を嵌合することで流出防止部80を形成している。これにより、主軸受部50の電動機部側がシールされることになり、主軸受部50から低圧側である電動機部側へのオイルの流出が防止できる。
主軸受部50の電動機部側に流出防止部80が設けられる場合は、前述した主軸受部50から圧縮機構部20の吸入部26へと開口している主軸受側オイル通路51が形成されなくてもよい。或いは、流出防止部80と主軸受側オイル通路51の両者を併用してもよい。なお、主軸受側オイル通路51が形成されない場合は、主軸受部50及びセンタケーシング21と旋回スクロール部材22との当接部の微小な間隙を通って、主軸受部50のオイルが吸入部26へと流出することになる。いずれにせよ、本願発明では、主軸受部50から電動機部側へのオイルの流出を防止するようにしている。
次に上記のように構成された電動圧縮機10の作動について説明する。電動機部30に外部から電力が供給されると、回転子31が回転駆動し、それに伴いシャフト40が回転する。このシャフト40が回転することに伴いシャフト40の先端のクランク部42が所定の偏心量をもってシャフト40のまわりを回転し、クランク部42に連結された旋回スクロール部材22は旋回する。これにより、圧縮機構部20の作動が行われる。
圧縮機構部20の作動に伴う冷媒及びオイル(潤滑油)の流れは以下のように行われる。
まず圧縮機構部30作動により、外部の冷凍サイクル系から吸入パイプ15から圧縮機構部20の吸入部26内に低圧の冷媒と低温のオイルの混合ガスが流入する。なお、吸入パイプ15から流入する冷媒は原則として気体である。この混合ガスは、圧縮機構部20の作動室25内に入り圧縮された後に吐出口23cから吐出室27内に吐出される。なお、吸入部26内の混合ガスの一部は、センタケーシング21の連通孔21aを通って低圧側密閉空間S内に流入する。
吐出室27内の圧縮された混合ガスは、オイル分離機構28によって高温の冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高温の冷媒ガスは吐出管16から外部の冷凍サイクル系に送られる。一方、高温のオイルは高圧側貯油室29に一時的に貯溜され、その後給油通路70を通って、シャフト40のオイル通路41から主軸受部50及び副軸受部60に供給されて、それらの軸受を潤滑する。主軸受側オイル通路51によって主軸受部50に供給される高温オイルは、その後センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を通って吸入部26に取り込まれ、吸入パイプ15から吸入された混合ガス(冷媒と低温のオイル)と一緒になって作動室25内に流入する。
一方、副軸受側オイル通路61によって副軸受部50に供給された高温オイルは、そのまま低圧側油溜り19へと流出される。なお、一部の高温オイルはオイル通路41を通ってそのまま低圧側油溜り19へと流出される。低圧側油溜り19の油量が増加した場合は、センタケーシング21の連通孔21aを通って、吸入部26内に運ばれる。
なお、本発明においては、冷媒として吸入ガスの加熱度が大きいCO2を使用することで大きな効果が得られる。
以上説明したように本発明では、主軸受部を潤滑したオイルを圧縮機構側に戻すようにし副軸受部潤滑のためのオイルのみを電動機室へ落下させ、電動機部の低圧側油溜りに多量の高温オイルが流入するのを低減することによって、電動機の冷却が阻害されることが防止できる。また、圧縮機構部への吸入ガスの加熱も低減でき、圧縮効率の低下も防止できる。更に低圧側油溜りの油面の上昇も防止でき、回転子がオイルを撹拌することがなく、消費電力を低減できる。
本発明の実施の形態の電動圧縮機の断面図である。 (a)は図1のI−I線によるシャフトの断面図であり、(b)は図1のII−II線によるシャフトの断面図である。 流出防止部の拡大断面図である。 従来の電動圧縮機の断面図である。
符号の説明
10 電動圧縮機
11 外郭ハウジング(密閉容器)
17 支持部材
19 低圧側油溜め
20 圧縮機構部
21 センタケーシング
22 旋回スクロール部材(可動部材)
23 固定スクロール部材
24 後部ケーシング
25 作動室(圧縮室)
26 吸入部
27 排気室
28 オイル分離機構
29 高圧側貯油室
30 電動機部
31 回転子
32 固定子
40 シャフト(主軸)
41 オイル通路
43 主溝(主軸受側オイル通路)
45 副溝(副軸受側オイル通路)
50 主軸受部
51 主軸受側オイル通路
60 副軸受部
61 副軸受側オイル通路
70 給油通路
80 流出防止部

Claims (5)

  1. 容器(11)内に、
    主軸(40)を回転駆動する電動機部(30)と、
    前記主軸(40)が連結された可動部材(22)が作動することで、吸入部(26)を介して圧縮室(25)へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部(20)と、
    前記主軸(40)の電動機部側を回転可能に軸支する副軸受部(60)と、
    前記主軸(40)の圧縮機構部側を回転可能に軸支する主軸受部(50)と、
    前記容器(11)内の前記電動機部(30)に設けられた低圧側油溜り(19)と、
    前記圧縮機構部(20)の吐出室(27)内に設けられる高圧側貯油室(29)と、
    を備えていて、前記主軸受部(50)に高圧側からオイルを強制的に圧送する電動圧縮機(10)において、
    前記主軸受部(50)には、前記圧縮機構部(20)の前記吸入部(26)へと開口されている主軸受側オイル通路(51,43)が形成されており、また
    前記主軸(40)内にオイル通路(41)が形成されていて、前記副軸受部(60)にも高圧側からオイルが圧送されるようになっており、かつ
    前記副軸受部(60)には、前記低圧側油溜り(19)へと開口されている副軸受側オイル通路(61,45)が設けられていて、前記副軸受部(60)から前記低圧側油溜り(19)へと流れる流路抵抗の方が、前記主軸受部から前記吸入部(26)へと流れる流路抵抗よりも大きいことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記主軸受側オイル通路(43)の断面積が、前記副軸受側オイル通路(45)の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の電動圧縮機。
  3. 前記圧縮機構部(20)は、前記可動部材(22)が旋回スクロール部材(22)であって固定スクロール部材(23)との間で圧縮室(25)を形成するスクロール型圧縮機構部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
  4. 冷媒がCO2であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 容器(11)内に、
    主軸(40)を回転駆動する電動機部(30)と、
    前記主軸(40)が連結された可動部材(22)が作動することで、吸入部(26)を介して圧縮室(25)へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部(20)と、
    前記主軸(40)の電動機部側を回転可能に軸支する副軸受部(60)と、
    前記主軸(40)の圧縮機構部側を回転可能に軸支する主軸受部(50)と、
    前記主軸(40)内に形成されたオイル通路(41)と、
    前記容器(11)内の前記電動機部(30)に設けられた低圧側油溜り(19)と、
    前記圧縮機構部(20)の吐出室(27)内に設けられる高圧側貯油室(29)と、
    を備えていて、前記主軸受部(50)及び前記副軸受部(60)に高圧側からオイルを強制的に圧送する電動圧縮機(10)において、
    前記主軸受部(50)には、前記低圧側油溜り側へのオイル流出を防いでいる流出防止部(80)が設けられていることを特徴とする電動圧縮機。
JP2006237501A 2006-06-27 2006-09-01 電動圧縮機 Expired - Fee Related JP4811200B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237501A JP4811200B2 (ja) 2006-06-27 2006-09-01 電動圧縮機

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006176731 2006-06-27
JP2006176731 2006-06-27
JP2006237501A JP4811200B2 (ja) 2006-06-27 2006-09-01 電動圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008031976A JP2008031976A (ja) 2008-02-14
JP4811200B2 true JP4811200B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=39121670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006237501A Expired - Fee Related JP4811200B2 (ja) 2006-06-27 2006-09-01 電動圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4811200B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001763A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Denso Corp 圧縮機
KR101001596B1 (ko) 2008-08-06 2010-12-17 주식회사 두원전자 벨트구동식 스크롤 압축기의 오일 급유구조

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH062682A (ja) * 1992-06-17 1994-01-11 Zexel Corp スクロールコンプレッサ
JPH074374A (ja) * 1993-06-21 1995-01-10 Nippon Soken Inc 電動圧縮機
JP2000161266A (ja) * 1998-11-20 2000-06-13 Fujitsu General Ltd スクロール圧縮機
JP2002054586A (ja) * 2000-08-11 2002-02-20 Fujitsu General Ltd 密閉型圧縮機
JP2002295369A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Toyota Industries Corp 電動圧縮機および電動圧縮機の潤滑油循環方法
JP4261999B2 (ja) * 2003-06-27 2009-05-13 東芝キヤリア株式会社 横形密閉圧縮機
JP2006132403A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Sanden Corp スクロール型圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008031976A (ja) 2008-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4074886B2 (ja) 膨張機一体型圧縮機
US8992191B2 (en) Scroll compressor with differential pressure hole
US8182251B2 (en) Expander-compressor unit
EP2689137B1 (en) Scroll compressor
EP2224095A1 (en) Compressor integral with expander
JP2009097486A (ja) 圧縮機
US8323010B2 (en) Expander-compressor unit
JP4804437B2 (ja) 膨張機一体型圧縮機
US9435337B2 (en) Scroll compressor
WO2016125228A1 (ja) 圧縮機
JP4811200B2 (ja) 電動圧縮機
JP2008267345A (ja) 電動圧縮機
JP4848844B2 (ja) 電動圧縮機
JP5291423B2 (ja) 流体機械
JP2008008165A (ja) 圧縮機
GB2562643A (en) Scroll compressor
JP4879078B2 (ja) 圧縮機
JP4306771B2 (ja) 圧縮機
CN114651128A (zh) 涡旋式压缩机
JP6611648B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2016156297A (ja) スクロール圧縮機
JP2007162679A (ja) 流体機械
JP4797548B2 (ja) 密閉型電動圧縮機
JP5701112B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4935511B2 (ja) スクロール圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110726

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110808

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4811200

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees