JP2016156297A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、背圧付与により運転時の旋回スクロールとフレームの接触を回避し、旋回スクロールと固定スクロールの摺動は潤滑油で保護し、且つ、起動時の旋回スクロールとフレームの焼付を回避することを目的とする。
【解決手段】本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールと噛み合わされて圧縮室を形成する旋回スクロールと、固定スクロールを支持するフレームと、旋回スクロールの固定スクロールと噛み合わされる面と反対側に設けられ吸込圧力と吐出圧力の間の圧力により旋回スクロールを固定スクロールに押付けるための背圧室と、を備え、旋回スクロールとフレームが同材料で構成され、旋回スクロールとフレームの間に鉄系鋳物材又は鉄系の焼結材で形成された受圧部材を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールと噛み合わされて圧縮室を形成する旋回スクロールと、固定スクロールを支持するフレームと、旋回スクロールの固定スクロールと噛み合わされる面と反対側に設けられ吸込圧力と吐出圧力の間の圧力により旋回スクロールを固定スクロールに押付けるための背圧室と、を備え、旋回スクロールとフレームが同材料で構成され、旋回スクロールとフレームの間に鉄系鋳物材又は鉄系の焼結材で形成された受圧部材を有する。
【選択図】図1
Description
本発明はスクロール圧縮機に関する。
特許文献1は、「一方の摺動面と、該一方の摺動面に対向する他方の摺動面とを有するスラスト軸受を備えた圧縮機において、前記一方の摺動面には、溝に囲まれて互いに独立した浮島形状の複数の受圧部が形成されており、前記他方の摺動面は、前記一方の摺動面に比べて平坦に形成されており、前記他方の摺動面には、ダイヤモンドライクカーボン層が形成されていることを特徴とする圧縮機。」を開示する。特許文献1に記載の圧縮機は、常に摺動するスラスト軸受を有する圧縮機において、ダイヤモンドライクカーボン層を用いて信頼性を確保する。
一般に、旋回スクロールと固定スクロールを異なる材料で構成すると、熱膨張率や剛性の差により隙間が発生し、圧縮機効率が低下する。従って、旋回スクロールと固定スクロールは同材料で構成することが望ましい。さらに、互いに締結される固定スクロールとフレームの熱膨張率の差による固定スクロール又はフレームの変形を回避するためには、固定スクロールとフレームも同材料であることが望ましい。しかしながら、このように、旋回スクロール、固定スクロール、及びフレームを同材料とすると、同材料同士のため、摺動部では焼付が発生しやすくなる。
ここで、本発明の前提として、旋回スクロールが固定スクロール側へ押し付けられる背圧の付与により運転時の旋回スクロールとフレームが非接触となること、及び、旋回スクロールと固定スクロールとの摺動は潤滑油で保護されることを考える。ここで、背圧とは、旋回スクロールが固定スクロールと噛み合う面と反対側の面を、吸込圧力と吐出圧力の間の圧力として、適度な押付力で旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける圧力である。この際、圧縮機の起動時においては給油ポンプも起動を始めた状態であるため、旋回スクロールとフレームの摺動面における潤滑油が僅少である。また、背圧が適度な圧力まで上昇するのに時間を要するため、起動後に旋回スクロールとフレームの接触が回避できるまでには時間がかかる。潤滑油が僅少な状態で旋回スクロールとフレームが摺動する場合、旋回スクロールとフレームが同材料であると焼付が発生するという課題がある。
本発明は、背圧付与により運転時の旋回スクロールとフレームの接触を回避し、旋回スクロールと固定スクロールの摺動は潤滑油で保護し、且つ、起動時の旋回スクロールとフレームの焼付を回避することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールと噛み合わされて圧縮室を形成する旋回スクロールと、固定スクロールを支持するフレームと、旋回スクロールの固定スクロールと噛み合わされる面と反対側に設けられ吸込圧力と吐出圧力の間の圧力により旋回スクロールを固定スクロールに押付けるための背圧室と、を備え、旋回スクロールとフレームが同材料で構成され、旋回スクロールとフレームの間に鉄系鋳物材又は鉄系の焼結材で形成された受圧部材を有する。
本発明によれば、固定スクロール、旋回スクロール及びフレームを同材料で構成して熱膨張による隙間や応力の発生を最小限として効率を向上させつつ、且つ、起動時に潤滑油が僅少な状態となる旋回スクロールとフレームとの間においても良好な摺動特性を保持して焼付を回避したスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の実施例について図面を用いて説明する。本実施例は、冷凍用や空調用などの冷凍サイクルに使用されるスクロール圧縮機、空気やその他のガスを圧縮するスクロール圧縮機などに適用される。以下、空調用のスクロール圧縮機への適用を例にして説明する。
まず、スクロール圧縮機の基本的な構造について説明する。図1はスクロール圧縮機の縦断面図である。
図1に示すように、固定スクロール7は、円板状の固定側平板部7aと、固定側平板部7aの上に渦巻き状に立設された第1ラップ7bと、固定側平板部7aの外周側に位置し、第1ラップ7bの先端面と連続する鏡板面を有して第1ラップ7bを囲む支持部7dとを有する。第1ラップ7bが立設された固定側平板部7aの表面は、第1ラップ7bの間にあるため歯底7cと呼ばれる。また、支持部7dが旋回スクロール8の旋回側平板部8aと接する面は、固定スクロール7の鏡板面7eとなる。固定スクロール7の支持部7dはボルト等によりフレーム17に固定される。固定スクロール7と一体となったフレーム17は溶接等の固定手段により密閉容器9に固定される。
旋回スクロール8は、固定スクロール7に対向して配置され、固定スクロール7の第1ラップ7bと旋回スクロール8の第2ラップ8bとが噛み合わされて、フレーム17内に旋回可能に設けられる。旋回スクロール8は、円板状の旋回側平板部8a、旋回側平板部8aの表面である歯底8cから渦巻き形状に立設した第2ラップ8b、旋回側平板部8aの背面中央に設けられたボス部8dとを有する。旋回側平板部8aの外周部の固定スクロール7と接する表面が、旋回スクロール8の鏡板面8eとなる。第2ラップ8bと第1ラップ7bとが噛み合いながら、固定スクロール7に対して旋回スクロール8が旋回することにより、圧縮室13の容積が縮小し、圧縮室13内の冷媒が圧縮される。
密閉容器9は、固定スクロール7と旋回スクロール8からなるスクロール部、電動機部16(16a:回転子、16b:固定子)、及び、油溜り53などを内部に収納する。電動機部16の回転子16aと一体に固定された回転軸10は、フレーム17に主軸受5を介して回転自在に支持され、固定スクロール7の中心軸線と同軸となる。
回転軸10の先端にはクランク部10aが設けられる。クランク部10aは旋回スクロール8のボス部8dに設けられた旋回軸受11に挿入され、旋回スクロール8は回転軸10の回転に伴い旋回可能に構成される。旋回スクロール8の中心軸線は固定スクロール7の中心軸線に対して所定距離だけ偏心する。また、旋回スクロール8の第2ラップ8bは、固定スクロール7の第1ラップ7bに対して周方向に所定角度だけずらして重ね合わせられる。オルダムリング12により旋回スクロール8は固定スクロール7に対して自転せずに旋回運動する。
図2は本実施例の固定スクロールと旋回スクロールとの噛み合い状態を示す平面図である。図2に示すように、ラップ7b、8b間には三日月状の複数の圧縮室13(13a、13b)が形成される。即ち、旋回スクロールラップ8bの内線側及び外線側に、それぞれ旋回内線側圧縮室13a及び旋回外線側圧縮室13bが形成される。旋回スクロール8を旋回運動させると、各圧縮室13(13a、13b)は中央部に移動するに従い、連続的に容積が縮小される。
吸込室20は流体を吸入している途中の空間である。吸込室20は、旋回スクロール8の旋回運動の位相が進んで、流体の閉じ込みを完了した時点から圧縮室13となる。
図2に示すように、吸込ポート14は固定スクロール7に設けられる。吸込ポート14は吸込室20と連通するように固定側平板部7aの外周側に穿設される。また、吐出ポート15は、最内周側の圧縮室13と連通するように固定スクロール7の固定側平板部7aの渦巻中心付近に穿設される。
電動機部16により回転軸10が回転駆動すると、回転軸10のクランク部10aから旋回軸受11を介して回転動力が旋回スクロール8に伝えられる。旋回スクロール8は、固定スクロール7の中心軸線を中心に、所定距離の旋回半径をもって旋回運動する。
旋回スクロール8の旋回運動によって、各第1ラップ7b、第2ラップ8bの間に形成された圧縮室13が中央に連続的に移動し、圧縮室13の容積が連続的に縮小する。これにより、吸込ポート14から吸込まれた流体、例えば、冷凍サイクルを循環する冷媒ガスは各圧縮室13内で順次圧縮され、圧縮された流体は吐出ポート15から密閉容器上部の吐出空間54に吐出される。吐出された流体は、吐出空間54から密閉容器9内の電動機室52に流入し、吐出パイプ6から圧縮機外(例えば冷凍サイクル)に供給される。
潤滑油は密閉容器9底部の油溜り53に貯留されており、回転軸10の下端には容積型の給油ポンプ21を備える。回転軸10の回転とともに給油ポンプ21も回転させ、ポンプケース22に設けられた潤滑油吸込口25から潤滑油を吸入して、給油ポンプ21の吐出口28から吐出する。吐出された潤滑油は回転軸10に設けた油通路3を通って上部へ供給される。潤滑油の一部は、回転軸10に設けた横穴24を通って副軸受23を潤滑し、密閉容器底部に戻る。その他の大部分の潤滑油は、油通路3を通って回転軸10のクランク部10a上部に達し、クランク部10aに設けた油溝57を通って旋回軸受11を潤滑する。旋回軸受11の下部に設けた主軸受5を潤滑した後、排油穴26a及び排油パイプ26bを通って密閉容器底部へ戻る。
ここで、フレーム17内において旋回軸受11と主軸受5を収め、シール部材32およびフレームシール56により区切られる空間を第1の空間33とする。第1の空間33は吐出圧力に近い圧力を有する空間である。主軸受5及び旋回軸受11の潤滑のために第1の空間33に流入した潤滑油の大部分は、排油穴26a及び排油パイプ26bを通ってケース底部へ戻る。一方、一部の潤滑油は、オルダムリング12の潤滑、固定スクロール7と旋回スクロール8との摺動部の潤滑及びシールに必要な最低限の量が、シール部材32の上端面と旋回ボス部材34の端面間の油漏出手段を介して、第2の空間である背圧室18に入る。
シール部材32がフレーム17に設けられた円環溝31に波状バネ(図示せず)と共に挿入される。シール部材32は、吐出圧力となっている第1の空間33と、吸込圧力と吐出圧力の中間の圧力となっている背圧室18とを仕切る。油漏出手段は、例えば旋回ボス部材34に設けられた複数の穴30とシール部材32とで構成される。複数の穴30は、旋回スクロール8の旋回運動に伴いシール部材32を跨いだ円運動を行い、第1の空間33と背圧室18との間を移動する。これにより、第1の空間33の潤滑油を穴30に溜め、背圧室18に間欠的に移送して排出することにより、必要最小限の油を背圧室18に導くことができる。複数の穴30の代わりにスリットなどを設けて背圧室への油漏出手段としてもよい。
背圧室18に入った潤滑油は、背圧が高くなると、背圧室18と圧縮室13を連通する背圧孔35を通って圧縮室13へ入り、吐出ポート15から吐出される。吐出ポート15から吐出された潤滑油の一部は、例えば冷媒ガスと共に吐出パイプ6から冷凍サイクルへ吐出され、残りはケース9内で冷媒ガスと分離されてケース底の油溜り53に貯留される。
なお、上記で説明したように第1の空間33と背圧室18と油漏出手段を備えることで、各軸受部に必要な給油量と圧縮室に必要な給油量を独立に制御することができる。従って、圧縮室給油量の適正化が可能となり、高効率な圧縮機を得ることができる。
次に、背圧の詳細について述べる。スクロール圧縮機では、その圧縮作用により、固定スクロール7と旋回スクロール8を互いに引離そうとする軸方向の力が発生する。この軸方向の力により、両スクロールが引離される現象(旋回スクロール8の離脱現象)が生じると、圧縮室の密閉性が悪化して圧縮機の効率が低下する。そこで、旋回スクロール8の鏡板の背面側に、吐出圧力と吸込圧力の間の圧力となる背圧室18を設け、その背圧により引離し力を打ち消すと共に、旋回スクロール8を固定スクロール7に押付ける。このとき、押付力が大きすぎると旋回スクロール8の鏡板面8eと固定スクロール7の鏡板面7eとの摺動損失が増大し、圧縮機効率が低下する。つまり、背圧には最適な値が存在し、小さすぎると圧縮室の密閉性が悪化して熱流体損失が増大し、大きすぎると摺動損失が増大する。よって、背圧を最適な値に維持することが、圧縮機の高性能化、高信頼性化において重要である。
以下、本実施例の構成について詳細を説明する。まず、図3を用いて本発明を適用しない場合の課題について説明する。図3は、固定スクロール7、旋回スクロール8、フレーム17、オルダムリング12を模式的に示した図である。
一般に、固定スクロール7、旋回スクロール8、フレーム17は、アルミニウム、アルミニウム合金又は鉄系材料により構成される。旋回スクロール8をアルミニウムにより構成すると、鉄系材料により構成する場合と比べて軽量化され、旋回運動の遠心力による軸受負荷が低減し、信頼性が向上するとともに摺動損失が低減する。また軸受負荷の低減に伴い、より高速まで運転することが可能となる。
ここで、旋回スクロール8をアルミニウム又はアルミニウム合金により構成した場合、固定スクロール7を異なるにより構成すると、熱膨張率や剛性の差により隙間が生じ圧縮機効率が低下する。さらに、固定スクロール7とフレーム17は締結されているため、フレーム17を異なる同材料で構成すると、熱膨張率の差により固定スクロール7又はフレーム17に変形が発生する。この場合、固定スクロール7、旋回スクロール8、フレーム17は全て同材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金で構成できる。しかし一般に、摺動面に油がない状態では同材料同士の摺動では焼付が発生しやすく、特にアルミニウム又はアルミニウム合金は焼付が発生しやすい。
スクロール圧縮機の運転時は背圧が発生し、旋回スクロール8が固定スクロール7に押し付けられて摺動する。このとき、旋回スクロール8と固定スクロール7の表面は、背圧室18への油供給手段30により供給される潤滑油により保護され、原則として焼付は発生しない。
一方、スクロール圧縮機の起動時においては、背圧が十分に上昇する前に圧縮室13の圧力が上昇するため、旋回スクロール8は圧縮反力および重力によりフレーム17に押し付けられる。また、起動時には給油ポンプ21も起動を始めた状態であり、背圧室18に潤滑油を移送できていないため、背圧室18には以前に運転した際の潤滑油のうち排油されていない分のみが残る状態となる。このように潤滑油が僅少な状態では、旋回スクロール8がフレーム17との間で焼き付く虞がある。
そこで、本実施例においては、固定スクロール7、旋回スクロール8、フレーム17の全てをアルミニウム又はアルミニウム合金で構成し、旋回スクロール8とフレーム17の焼き付きの発生を回避するために異なる材質の受圧部材100を挿入する。
図4は本実施例の構造を示す図である。図3に示した構成と同様の構成については、詳細な説明は省略する。本実施例は旋回スクロール8とフレーム17の間の焼付を防ぐため、起動時に旋回スクロール8を支持する受圧部材100を有する。旋回スクロール8とフレーム17の間は潤滑油が僅少な状態で摺動するため、摺動面に表面処理を施す方法では地金との間ではく離が発生し焼付く虞がある。そこで、受圧部材100は一定の厚さを有する部材であることが必要となる。
受圧部材100は、例えば鋳鉄などの鉄系材料により構成される。鋳鉄は多量な炭素含有量に起因する自己潤滑性があり、潤滑油の僅少な状態での摺動特性に優れる。また、受圧部材100を鋳鉄により構成する代わりに、鉄系材料の焼結材により構成してもよい。焼結材は粉末を冶金して製造し気孔を多く含むため、潤滑油の保持性に優れ、背圧室18内の潤滑油が少ない場合でも、良好な摺動特性を示す。
本実施例の構成によれば、起動時の潤滑油が僅少な状態において、アルミニウム又はアルミニウム合金製の旋回スクロール8と、鋳鉄又は鉄系の焼結材により構成された受圧部材100が摺動する。アルミニウム系の材料と、鉄系の材料が摺動するため、同材料の部材の摺動により生じる図3の構成での起動時の焼付を回避することができる。さらに、鋳鉄又は鉄系の焼結材により構成された受圧部材100を用いるので、起動時に潤滑油が僅少な状態となる旋回スクロール8とフレーム17との間であっても良好な摺動特性を得ることができる。
図5は受圧部を示す図であり、一例として受圧部材を半円状とした構成を示す。受圧部材100はリング状として構成することができる。ここで、受圧部材100の熱膨張による変形を考慮すると、複数に分割したリング状に構成し(複数の円弧状の部材が円環形状を形成するように構成し)、リング端部を開放することがより望ましい。図5のようにリング端部を開放することで、受圧部材100が熱膨張により周方向に伸びた際、フレーム17や受圧部材100の変形や応力発生を抑制でき、信頼性を向上できる。
さらに、旋回スクロール8を背圧により安定して支えるためには、背圧室18の空間は大きい方が望ましい。背圧室18の空間を大きく構成するためには、自転防止機構としてオルダムリング12を用いた機構が適している。旋回スクロール8を安定して運動させ、オルダムリング12との間に発生する面圧を小さくするためには、オルダムリング12の支持部の位置を旋回スクロール8の外径に近い位置とすることが必要となる。一方、コストや軽量化の観点から、フレーム17内径も旋回スクロール8の外径に近い大きさとすることが望ましい。これらを総合して、本実施例においては、図5に示すように受圧部材100をリング状ではなく半円状とすることで、オルダムリング12を支持する溝102をフレーム17内に設けることができ、かつ旋回スクロール8を安定して運動可能で、オルダムリング12との間に発生する面圧を小さくした上で、フレーム17のコストを低く抑えることができる。
さらに、受圧部材100は簡単に固定可能で、アルミニウムと鉄の熱膨張の差により緩みが発生しないことが望ましい。つまり、図6に示すようにフレーム17に溝を設け、受圧部材100を挿入又は圧入してもよい。
また、他の方法として図7に示すように受圧部材100の断面を凸形状とし(受圧部材100が台部200と台部200に接続された凸部201とを有することにより、断面が凸形状に形成される)、フレーム17に設けた溝に挿入又は圧入した後、フレーム17の溝端部101を圧し潰してかしめてもよい。さらに、ネジやピンなどの別部材による締結手段で受圧部材100をフレーム17と締結してもよい。
特に、図8に示すように、旋回スクロール8の外径部に受圧部材100を圧入した場合、アルミニウム又はアルミニウム合金により構成した旋回スクロール8の外径部の方が、鉄系部材により構成した受圧部材100の内径部より熱膨張量が大きい。従って熱が加えられた場合、旋回スクロール8と受圧部材100の間の隙間103はより締まるため、より確実な固定が可能となる。さらにこの場合、受圧部材100の断面をL字型で構成(受圧部材は、旋回スクロール8の端部を囲うように配置された側部300と、側部に接続されて旋回スクロールとフレームとの間に位置する底部301とを有して、断面がL字型で構成)することで、旋回スクロール8がフレーム17に押付けられた際に、受圧部材100が固定スクロール7の方向(上方)にずれることを防止できる。
なお、同様の挿入、圧入、かしめ、別部材による締結の方法で、受圧部材100をフレーム17でなく旋回スクロール8に固定してもよい。
3 油通路
5 主軸受
6 吐出パイプ
7 固定スクロール(7a:固定側平板部、7b:第1ラップ、7c:歯底、7d:支持部、7e:鏡板面)
8 旋回スクロール(8a:旋回側平板部、8b:第2ラップ、8c:歯底、8d:ボス部、8e:鏡板面)
9 密閉容器
10 回転軸(10a:クランク部)
11 旋回軸受
12 オルダムリング
13 圧縮室
14 吸込ポート
15 吐出ポート
16 電動機部(16a:回転子、16b:固定子)
17 フレーム
18 背圧室
20 吸込室
21 給油ポンプ
23 副軸受
30 穴
52 電動機室
53 油溜り
100 受圧部材
101 溝端部
102 オルダムリングを支持する溝
103 旋回スクロールと受圧部材の間の隙間
5 主軸受
6 吐出パイプ
7 固定スクロール(7a:固定側平板部、7b:第1ラップ、7c:歯底、7d:支持部、7e:鏡板面)
8 旋回スクロール(8a:旋回側平板部、8b:第2ラップ、8c:歯底、8d:ボス部、8e:鏡板面)
9 密閉容器
10 回転軸(10a:クランク部)
11 旋回軸受
12 オルダムリング
13 圧縮室
14 吸込ポート
15 吐出ポート
16 電動機部(16a:回転子、16b:固定子)
17 フレーム
18 背圧室
20 吸込室
21 給油ポンプ
23 副軸受
30 穴
52 電動機室
53 油溜り
100 受圧部材
101 溝端部
102 オルダムリングを支持する溝
103 旋回スクロールと受圧部材の間の隙間
Claims (8)
- 固定スクロールと、
前記固定スクロールと噛み合わされて圧縮室を形成する旋回スクロールと、
前記固定スクロールを支持するフレームと、
前記旋回スクロールの、前記固定スクロールと噛み合わされる面と反対側に設けられ、吸込圧力と吐出圧力の間の圧力により前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押付けるための背圧室と、
を備え、
前記旋回スクロールと前記フレームが同材料で構成され、
前記旋回スクロールと前記フレームの間に鉄系の鋳物材又は鉄系の焼結材で形成された受圧部材を配置した
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記旋回スクロールと前記フレームがアルミニウム又はアルミニウム合金で構成された
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記受圧部材は複数の部材から構成され、
前記複数の部材はそれぞれ間隙を有して配置された
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項3において、
前記受圧部材は複数の円弧形状部材から構成され、
前記複数の円弧形状部材はそれぞれ間隙を有し、且つ、円環形状を形成するように配置された
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項4において、
前記旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングを備え、
前記フレームは前記オルダムリングを支持するオルダム溝を有し、
前記受圧部材は半円形状であって、前記オルダム溝を挟み込むように配置された
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記旋回スクロール又は前記フレームは前記受圧部材が配置される受圧部材溝を有し、
前記受圧部材が前記受圧部材溝に配置された
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項6において、
前記受圧部材は台部と前記台部に接続された凸部とを有し、
前記台部が前記受圧部材溝に配置され、前記受圧部材溝の端部をかしめることにより前記受圧部材を固定した
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
前記受圧部材は、前記旋回スクロールの端部を囲うように配置された側部と、前記側部に接続されて前記旋回スクロールと前記フレームとの間に位置するように配置された底部とを有する
ことを特徴とするスクロール圧縮機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015033483A JP2016156297A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | スクロール圧縮機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2016156297A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018071512A (ja) * | 2016-11-04 | 2018-05-10 | 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 | 電動圧縮機及び冷凍空調装置 |
US11002272B2 (en) | 2016-09-29 | 2021-05-11 | Hanon Systems | Gaseous fluid compression device |
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2015
- 2015-02-24 JP JP2015033483A patent/JP2016156297A/ja active Pending
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