JP4879078B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジング内にモータと圧縮機構とを備える圧縮機に関し、特に電動圧縮機における軸受部の潤滑の改善に関する。
従来より電動圧縮機の内部には、その軸受部を適切に滑動させるために潤滑油が供給される。そのような電動圧縮機として、潤滑油を電動圧縮機内で繰り返し循環させる構成のものが知られている。これは圧縮機構から吐出された圧縮後の高圧冷媒を外郭ハウジング内に充満させる一方で、冷媒とともに圧縮機構から吐出された潤滑油を外郭ハウジングの下部に貯め、その潤滑油を圧縮機構の軸受け部に送給する。その潤滑油を送給する構成として、特許文献1のように、低圧潤滑油が貯留する低圧室と高圧潤滑油が貯留する高圧潤滑油室との圧力差により供給するものが知られている。
特開2002−295369号公報
特許文献1による低圧シェル式電動横型スクロール圧縮機は、図3に示すような構成となっている。即ち、固定スクロール2aの一端面にはセンタケーシング2cの一端面が接合されており、そのセンタケーシング2cの他端面にはモータハウジング1aが接合されている。また、固定スクロール2aの他端面にはフロントハウジング1bが接合されている。こうして、フロントハウジング1b、固定スクロール2a、センタケーシング2c及びモータハウジング1aで圧縮機の外郭ハウジング1が形成されていて、この外郭ハウジング1内に、固定スクロール2a、旋回スクロール2b及びセンタケーシング2c等からなる圧縮機構部2と、モータハウジング1a内に配置されて、旋回スクロール2bを旋回駆動する電動機部3とが配設されている。
モータハウジング1a内は、冷媒吸入側と連通しており、低圧室Sを形成している。電動機部3の主軸4はセンタケーシング2cの軸受部5aで軸支され、主軸4の先端に形成されたクランク軸4aが旋回スクロール2bのボス部の軸受部5bで支承されることによって、旋回スクロール2bは電動機部3により旋回駆動される。
フロントハウジング1bには、旋回スクロール2bから吐出された吐出冷媒中の潤滑油を分離するオイルセパレータ8が設けられている。このオイルセパレータ8は、遠心力を用いた分離機構を有するタイプである。分離された潤滑油は、点線に示すように、フィルター8aを通過して高圧貯油室6に一旦貯留される。
高圧貯油室6に貯留された潤滑油は、点線に示すように、ガスケット9に形成された溝(図示せず)、固定スクロール2a及び旋回スクロール2bに形成された給油路7を通って、旋回スクロール2bの背面側に圧送され、クランク軸4aの軸受部5bとセンタケーシング2cの軸受部5aとに給油するようになっている。
このようにして、高圧貯油室6から給油路7を通って旋回スクロール2bの背面側に圧送され、軸受部5a及び5bに供給される。このとき、潤滑油を軸受部5a,5bに過剰に送給しないように、給油路7に絞り部7aを設けている。潤滑油を過剰に送給すると、高圧貯油室6に貯留された潤滑油が無くなる恐れがあるからである。
軸受部5a,5bに供給された潤滑油は、軸受部5a,5bから自重落下し、モータハウジング1a内の底部に形成された、低圧の貯油部1cに貯留されるようになっている。センタケーシング2cの低所には、この貯油部1cに対応した位置に移送路2dが穿設されていて、モータハウジング1aの貯油部1cと、圧縮機構部2の吸入部とを連通している。このようにして、潤滑油は圧力差を利用して軸受部に供給され、圧縮機構部2を介して循環されるようになっている。
上記構成よりなる従来の電動圧縮機において、以下のような問題がある。すなわち、運転時には、高圧貯油室6の内圧が高いため、絞り部7aにより適正量の潤滑油が軸受部5a,5bに送給される。しかし、運転停止状態が所定時間継続した後に起動した時、高圧貯油室6の内圧は、低圧室Sと同じ低い圧力になっている。このため、絞り部7aの作用効果と相まって、潤滑油は、軸受部5a,5bへすぐには供給されない。また、潤滑油は、供給され始めたとしても少量である。このため、所定時間の運転停止状態の後に起動するとき、軸受部5a,5bが焼き付き等の損傷を受ける恐れがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定時間の運転停止状態の後に起動する時にも運転時と同様に、軸受部に起動後短時間で適正量の潤滑油を送給する圧縮機を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項の記載の圧縮機を提供する。
請求項1に記載の圧縮機は、容器11内に、主軸40が連結された可動部材22が作動することで、吸入部26を介して圧縮室25へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部20と、主軸40の圧縮機構部側を回転可能に軸支する軸受部50と、容器11内に設けられた低圧油溜り19と、圧縮機構部20の吐出室27内に設けられる高圧貯油室29と、高圧貯油室29から軸受部50へと開口されている給油通路70,21b,23cと、を備え、軸受部50に、高圧貯油室29側から給油通路70,21b,23cを介してオイルを強制的に送給し、さらに、給油通路70,21b,23cの最小通路断面積を、起動時には、運転時よりも大きくする手段74を備えたことを特徴とする。
運転時には、高圧貯油室6の内圧が高いため、給油通路70,21b,23cの最小通路断面積を小さくし、起動時には、高圧貯油室6の内圧が低いため、最小通路断面積を大きくする。これにより、所定時間の運転停止状態の後に起動する時にも運転時と同様に、軸受部に適正量の潤滑油を送給することが可能となる。
さらに、請求項の圧縮機は、給油通路70,21b,23cは、第1通路70と第2通路21b,23cとから構成されており、第1通路70は、絞り部71を有しており、第2通路21b,23cは、第1通路70を迂回して高圧貯油室29から軸受部50へと開口されており、第2通路21b,23cには、起動時に第2通路21b,23cを開き、運転時に第2通路21b,23cを閉じる弁が設けられていることを特徴とする。これにより、発の具体的構成が提示される。
請求項の圧縮機は、弁74は、逆止弁74であることを特徴とする。これにより、簡素な構造の弁にすることが可能となる。
請求項の圧縮機は、冷媒はCO冷媒であることを特徴とする。CO冷媒は超臨界の高圧状態で使用されるため、運転時の軸受部への過剰な潤滑油送給を避けるように、第1通路70の絞り部71を通常のフロン冷媒よりも小さくする必要がある。このため、CO冷媒を使用する圧縮機は、高圧貯油室29の内圧が低い起動時には軸受に潤滑油が送給されにくい構造となっていた。このため、冷媒がCO冷媒であるときは、本発明の作用効果は顕著となる。
請求項の圧縮機は、主軸40を回転駆動する電動機部30を備えることを特徴とする。
なお、上記各手段の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、図面に従って本発明の実施形態の電動圧縮機について説明する。以下の説明においては、本発明をスクロール型圧縮機に具体化させた実施形態に基づいて説明するが、本発明はスクロール型に限定されるものではなく他の回転式の圧縮機にも適用できるものである。図1は、本発明の実施形態の電動圧縮機の断面図である。
電動圧縮機10は、密閉容器としての外郭ハウジング11と、この外郭ハウジング11内に収容された圧縮機構部20、及び電動機部30とから構成されている。この電動圧縮機10は、横置きの電動圧縮機とされ、図1において下面が設置面とされ、右側に圧縮機構部20が左側に電動機部30が配置され、両者は、主軸としてのシャフト40によって接続されている。そして電動機部30により圧縮機構部20が駆動されるようになっている。
外郭ハウジング11は、円筒状の本体ハウジング12、前部ハウジング13及び後部ハウジング14とから構成されている。これらのハウジング12,13,14が固着されて、外郭ハウジング11内には密閉された空間が形成されるようになっている。本体ハウジング12には、圧縮機構部20の吸入部に接続する吸入パイプ15と、同じく圧縮機構部20の吐出部に接続する吐出パイプ16とが設けられている。この吸入パイプ15から冷凍サイクルからの低圧の冷媒及び低温のオイル(潤滑油)とが混合したガスが、外郭ハウジング11内に流入するようになっている。
電動機部30は、主軸としてのシャフト40に固定される回転子31と、この回転子31の外周側に配置される固定子32とから構成されている。固定子32は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。この電動機部30には、図示しない外部電源から電力が供給されるようになっており、これにより回転子31が回転駆動され、それとともにシャフト40も回転駆動するようになっている。
圧縮機構部20は、センタケーシング21と、可動部材としての旋回スクロール部材22、固定スクロール部材23及び後部ケーシング24を備えている。センタケーシング21は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。センタケーシング21の中心部には、シャフト40を貫挿する孔が設けられており、この孔に軸受が固定されて、シャフト40を回転可能に軸支する主軸受部50となっている。一方、本体ハウジング12の電動機部側には、シャフト40を支持するための支持部材17が本体ハウジング12の内周面に固定されており、この支持部材17の中央部には、芯出し部材18が固着されている。芯出し部材18の中央部にもシャフト40を貫挿する孔が設けられ、この孔に軸受が固定されてシャフト40を回転可能に軸支する副軸受部60となっている。
シャフト40内には、内部を軸方向に貫通しているオイル通路41が設けられていると共に、シャフト40の先端には、シャフト40の中心軸から偏心したクランク部42が設けられていて、このクランク部42が旋回スクロール部材22に連結されることで、シャフト40の回転に伴なって、旋回スクロール部材22が偏心回転運動をするようになっている。
旋回スクロール部材22は、略円形をした旋回スクロール端板部22aと、この端板部22aの片側に形成され、円筒形状をしたボス部22cと、このボス部22cが形成されている端板部22aの他面側に形成されている渦巻き形状をした旋回スクロール羽根部22bとからなる。ボス部22bには、軸受が圧入固定されていてシャフト40のクランク部42に回転自在に支持されている。
旋回スクロール部材22に対して偏心した位置で対向して、回転方向に180度ずらして噛み合う固定スクロール部材23が設けられ、この固定スクロール部材23はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。固定スクロール部材23は、略円形をした固定スクロール端板部23aと、旋回スクロール羽根部22bと略同形状をした渦巻状の固定スクロール羽根部23bとからなり、この旋回スクロール羽根部22bと相対するように組み付けられる。旋回スクロール羽根部22bと固定スクロール羽根部23bとが噛み合うことによって、それらの渦巻状の羽根部22b,23b間に冷媒を取り込んで圧縮する三日月状の作動室(圧縮室)25が複数個形成されるが、2つのスクロール部材22,23の共通の中心部領域には、圧縮された冷媒の圧力が最も高くなる高圧作動室が1つだけ形成される。この固定スクロール端板部23aの略中央には、高圧作動室から圧縮された冷媒を吐出するための吐出口23dが形成されている。
固定スクロール部材23と旋回スクロール部材22の2つの渦巻状の羽根部23b,22bとが噛み合わされた外周側に位置する固定スクロール部材23に吸入室である吸入部26が形成されている。この吸入部26は吸入パイプ15に接続していて、この吸入パイプ15が図示しない冷凍サイクルの低圧側と接続している。
固定スクロール部材23の羽根部23bと反対側には、吐出室27を形成する後部ケーシング24が設けられている。この後部ケーシング24はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。吐出室27は、吐出口23dを介して高圧作動室(圧縮室)25と連通している。吐出室27にはリード弁27aが設けられている。このリード弁27aは吐出室27側に開く構成とされており、吐出室27内の高圧冷媒が作動室25に逆流することを防止する弁である。
更に吐出室27内にはオイル分離機構28が設けられており、このオイル分離機構28の下部には高圧貯油室29が設けられている。したがって、吐出室27内に吐出された、冷媒とオイルとが混合した吐出ガスはオイル分離機構28によって高圧冷媒ガスと高温のオイル(潤滑油)とに分離され、高圧冷媒ガスは吐出管16より図示しない冷凍サイクルの高圧側へと送られ、高温のオイルは高圧貯油室29内に一時的に貯溜する。
一方、外郭ハウジング11内をセンタケーシング21によって仕切られた、電動機部30が収容された密閉空間S内の下部には、低圧油溜り19が形成されている。なお、冷媒ガスの吸入部26は、センタケーシング21に設けた連通孔21aによって低圧油溜り19が形成されている低圧側の密閉空間Sと連通している。また、支持部材17には、複数の連通孔17aが設けられ、センタケーシング21にも複数の連通孔21bが設けられ、固定スクロール部材23にも複数の連通孔23b(図示せず)が設けられており、低圧油溜り19が連通するようになっている。
固定スクロール部材23及び旋回スクロール部材22には、高圧貯油室29内のオイルを旋回スクロール部材22のボス部22c内の底部へと導入する運転時給油通路(第1通路)70が形成されている。この運転時給油通路70には絞り部71が設けられている。ボス部22c内の底部に達したオイルは、一部はシャフト40内のオイル通路41を副軸受部60側の端部から、低圧油溜り19へと回収される。
シャフト40の主軸受部50には、シャフト40内のオイル通路41と連通し、主軸受部50を通って圧縮機構部20の吸入部26へと開口している高温オイルの主軸受側オイル通路51が形成されている。この主軸受側オイル通路51は、主軸受部50に対応するシャフト40の外周面に軸方向に延びている略矩形状の主溝43を形成することによって形成される。主溝43の一端は、孔44によってオイル通路41に連通し、主溝43の他端は、センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を介して吸入部26に連通している。
また、シャフト40の副軸受部60にも、シャフト40内のオイル通路41と連通し、副軸受部60を通って低圧油溜り19へと放出される高温オイルの副軸受側オイル通路61が形成されている。この副軸受側オイル通路61は、副軸受部60に対応するシャフト40の外周面を軸方向に平面でカットすることによって得られる略円弧状断面の副溝45によって得られる。副溝45の一端は、孔46によってオイル通路41に連通し、副溝45の他端は開放されている。
このようにして、高圧貯油室29のオイルは、運転時給油通路70、絞り部71を通り、その一部はシャフト40内のオイル通路41から主軸受側オイル通路51を通って主軸受部50に供給され、その後、圧縮機構部20の吸入部26に取り込まれ冷媒中に混合される。オイル通路41を通る他の一部のオイルは、副軸受側オイル通路61を通って副軸受部60に供給され、その後低圧油溜り19へ放出される。オイル通路41を通る残りのオイルは、シャフト40の開放側からそのまま低圧油溜り19へと放出される。
この場合、主軸受側オイル通路51である主溝43の通路断面積が、副軸受側オイル通路61である副溝45の通路断面積よりも大きくする。これにより、主軸受側オイル通路51を通って吸入部26に取り込まれる高温オイルの量を大きくし、低圧油溜り19への高温オイルの流入を最低限とすることができる。
また、主軸受部50の電動機部側には、低圧油溜り19側へのオイルの流出を防ぐ流出防止部80が設けられている。即ち、主軸受部50よりも電動機部側である、センタケーシング21のシャフト40を貫挿する孔の内周面にはリング状の溝21bが形成されており、この溝21bに円筒状のシール部材81を嵌合することで流出防止部80を形成している。これにより、主軸受部50の電動機部側がシールされることになり、主軸受部50から低圧側である電動機部側へのオイルの流出が防止できる。
主軸受部50の電動機部側に流出防止部80が設けられる場合は、前述した主軸受部50から圧縮機構部20の吸入部26へと開口している主軸受側オイル通路51が形成されなくてもよい。或いは、流出防止部80と主軸受側オイル通路51の両者を併用してもよい。なお、主軸受側オイル通路51が形成されない場合は、主軸受部50及びセンタケーシング21と旋回スクロール部材22との当接部の微小な間隙を通って、主軸受部50のオイルが吸入部26へと流出することになる。いずれにせよ、本実施形態においては主軸受部50から電動機部側へのオイルの流出を防止するようにしている。
次に上記のように構成された電動圧縮機10の作動について説明する。電動機部30に外部から電力が供給されると、回転子31が回転駆動し、それに伴いシャフト40が回転する。このシャフト40が回転することに伴いシャフト40の先端のクランク部42が所定の偏心量をもってシャフト40のまわりを回転し、クランク部42に連結された旋回スクロール部材22は旋回する。これにより、圧縮機構部20の作動が行われる。
圧縮機構部20の作動に伴う冷媒及びオイル(潤滑油)の流れは以下のように行われる。まず圧縮機構部30作動により、外部の冷凍サイクル系から吸入パイプ15から圧縮機構部20の吸入部26内に低圧の冷媒と低温のオイルの混合ガスが流入する。なお、吸入パイプ15から流入する冷媒は原則として気体である。この混合ガスは、圧縮機構部20の作動室25内に入り圧縮された後に吐出口23dから吐出室27内に吐出される。なお、吸入部26内の混合ガスの一部は、センタケーシング21の連通孔21aを通って低圧側密閉空間S内に流入する。
吐出室27内の圧縮された混合ガスは、オイル分離機構28によって高温の冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高温の冷媒ガスは吐出管16から外部の冷凍サイクル系に送られる。一方、高温のオイルは高圧貯油室29に一時的に貯溜され、その後運転時給油通路70を通って、シャフト40のオイル通路41から主軸受部50及び副軸受部60に供給されて、それらの軸受を潤滑する。主軸受側オイル通路51によって主軸受部50に供給される高温オイルは、その後センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を通って吸入部26に取り込まれ、吸入パイプ15から吸入された混合ガス(冷媒と低温のオイル)と一緒になって作動室25内に流入する。
一方、副軸受側オイル通路61によって副軸受部60に供給された高温オイルは、そのまま低圧油溜り19へと流出される。なお、一部の高温オイルはオイル通路41を通ってそのまま低圧油溜り19へと流出される。低圧油溜り19の油量が増加した場合は、センタケーシング21の連通孔21aを通って、吸入部26内に運ばれる。
なお、本発明においては、冷媒として吸入ガスの加熱度が大きいCO2を使用することで大きな効果が得られる。CO冷媒は超臨界の高圧状態で使用されるため、運転時の軸受部への過剰な潤滑油送給を避けるように、第1通路70の絞り部71を通常のフロン冷媒よりも小さくする必要がある。このため、CO冷媒を使用する電動圧縮機は、高圧貯油室29の内圧が低い起動時には軸受に潤滑油が送給されにくい構造となっていた。このため、冷媒がCO冷媒であるときは、本発明の作用効果は顕著となる。
次に本実施形態の特徴とする構成について図2を参照しながら説明する。図2は、図1の逆止弁室73を拡大した図である。後部ケーシング24の下部には、高圧貯油室29が設けられている。そして、高圧貯油室29の一部を形成する固定スクロール部材の下部23aには、固定スクロール部材23を貫通するバイパス用貫通孔23c(第2通路)が、高圧貯油室29の最底面29aよりやや上の位置に配置されている。バイパス用貫通孔23cは、センタケーシング21の下側に穿設されたバイパス用連通孔21bと接続されて、スラスト軸受け油溜り21c、旋回スクロール部材22に配置された貫通孔22c、オイル通路41、孔44を経由して主軸受け部50へ給油するための通路を形成している。
これにより、起動時には、高圧貯油室29の潤滑油は、図2の点線に示す如く、オイル通路41を経て主軸受部50へ送給される。バイパス用貫通孔23cとバイパス用連通孔21bとこれに付随する通路とから、運転時給油通路70に関連するバイパス用通路(第2通路)が形成される。
そして、バイパス用連通孔21bの中間部に逆止弁室73が設けられている。逆止弁室73には、バイパス用連通孔21bを開閉する逆止弁機能を持つボール弁74が、配置されている。そして、ボール弁74の上下方向の移動を規制する弁座面74aが、逆止弁室73の上部に形成されている。弁座面74aとボール弁74との間には隙間が存在しており、ボール弁74が、所定距離の制限を受けて上下に移動することを可能にしている。また、ボール弁74の移動を制限するストッパ72がセンタケーシング21に圧入固定されている。
ボール弁74が重力方向に往復動することにより、弁は開閉する。そして、異物が流入したとき、異物自身の重力により逆止弁室73の下方に落下するため、異物は弁座面には付着しにくい。このため、ボール弁74が異物を噛み込みにくくなる。ボール弁を採用することにより、逆止弁を簡素な構造とすることが可能となり、また弁の質量を小さくすることにより弁の応答性を向上することが可能となる。図2におけるボール弁74は、電動圧縮機の停止時の位置状態を示している。
電動圧縮機の運転時には、高圧貯油室29の内圧が約10MPaとなり、低圧油溜り19を押圧する圧力が約3MPaとなる。このため、ボール弁74には高圧貯油室29側から低圧油溜り19側に約7MPaの差圧を受ける。これにより、ボール弁74は上方向に押されて、弁座面74aに着座して連通孔21bを閉塞する。これにより、運転時に高圧貯油室29から潤滑油がバイパス通路へ流出して、主軸受部50に過剰に潤滑油が送給されることが無くなる。
一方、電動圧縮機の運転停止時より所定時間経過後には、高圧貯油室29の内圧は、低圧油溜り19を押圧する圧力と同じ圧力の約3MPaとなる。すなわち、高圧貯油室29の内圧が低圧室Sの内圧と均等となる。このため、起動時には、高圧貯油室29の内圧と低圧室Sの内圧の差圧がゼロに近くなる。このため、ボール弁74は、差圧により上方向に押されることは無く、自重によりストッパ72に当接しており、バイパス通路が開放されている。こうして、運転停止時より所定時間経過後に電動圧縮機を起動するとき、スラスト軸受部52および主軸受部50に高圧貯油室29側から、起動後短時間で適正量のオイルを送給することが可能となる。
なお、起動後、経過時間とともに上記差圧が大きくなり、73を通過する潤滑油流量が増加し、ボール弁74に作用する流体力が大となる。そして、所定の差圧に達した時、流体力は、ボール弁74の自重に打ち克ち、ボール弁74を弁座74aまで押し上げ閉弁させる。この閉弁により、73を通過する潤滑油の流量はゼロとなり、潤滑油は運転時給油通路70のみを通過して主軸受部50へ送給される。
なお、給油通路(第1通路および第2通路)の通路断面積は、運転時には運転時給油通路70(第1通路)の断面積であり、運転停止時には運転時給油通路70(第1通路)の断面積とバイパス通路23c,21b(第2通路)の断面積を合計したものである。以上より、給油通路(第1通路および第2通路)の最小通路断面積を、起動時には、運転時よりも大きくすることが可能となる。
こうして、ボール弁74は、電動圧縮機の運転時には連通孔21bを閉じ、電動圧縮機の運転停止時および起動後所定時間までは連通孔21bを開く。このボール弁74には、小さいバネ定数および小さい荷重でセットされたバネを付勢させても良い。また、ボール弁に替えて、板弁やスプール弁を配置しても良い。さらには、自動弁である逆止弁に替えて、例えば、電子制御弁を配置しても良い。さらには、使用冷媒をCO冷媒に替えて、通常のフロン冷媒にしても勿論良い。
以上説明したように、本発明の電動圧縮機では、所定時間の運転停止状態の後に起動する時にも運転時と同様に、軸受部に起動後短時間で適正量の潤滑油を送給することができる。
本発明の実施形態の電動圧縮機の断面図である。 図1の逆止弁室の拡大断面図である。 従来の電動圧縮機の断面図である。
符号の説明
10 電動圧縮機
11 外郭ハウジング(密閉容器)
17 支持部材
19 低圧側油溜め
20 圧縮機構部
21 センタケーシング
22 旋回スクロール部材(可動部材)
23 固定スクロール部材
24 後部ケーシング
25 作動室(圧縮室)
26 吸入部
27 排気室
28 オイル分離機構
29 高圧貯油室
30 電動機部
31 回転子
32 固定子
40 シャフト(主軸)
41 オイル通路
43 主溝(主軸受側オイル通路)
44 孔
45 副溝(副軸受側オイル通路)
50 主軸受部
51 主軸受側オイル通路
52 スラスト軸受部
60 副軸受部
61 副軸受側オイル通路
70 運転時給油通路
71 絞り部
72 ストッパ
73 逆止弁室
74 ボール弁
80 流出防止部

Claims (4)

  1. 容器(11)内に、
    主軸(40)が連結された可動部材(22)が作動することで、吸入部(26)を介して圧縮室(25)へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部(20)と、
    前記主軸(40)の圧縮機構部側を回転可能に軸支する軸受部(50)と、
    前記容器(11)内に設けられた低圧油溜り(19)と、
    前記圧縮機構部(20)の吐出室(27)内に設けられる高圧貯油室(29)と、
    前記高圧貯油室(29)から前記軸受部(50)へと開口されている給油通路(70,21b,23c)と、を備え、
    前記軸受部(50)に、前記高圧貯油室(29)側から前記給油通路(70,21b,23c)を介してオイルを強制的に送給する圧縮機(10)において、
    前記給油通路(70,21b,23c)の最小通路断面積を、起動時には、運転時よりも大きくする手段(74)を備え
    前記給油通路(70,21b,23c)は、第1通路(70)と第2通路(21b,23c)とから構成されており、
    前記第1通路(70)は、絞り部(71)を有しており、
    前記第2通路(21b,23c)は、前記第1通路(70)を迂回して前記高圧貯油室(29)から前記軸受部(50)へと開口されており、
    前記第2通路(21b,23c)には、起動時に前記第2通路(21b,23c)を開き、運転時に前記第2通路(21b,23c)を閉じる弁(74)が設けられていることを特徴とする圧縮機(10)。
  2. 前記弁(74)は、逆止弁(74)であることを特徴とする請求項に記載の圧縮機(10)。
  3. 前記冷媒はCO冷媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機(10)。
  4. 前記主軸(40)を回転駆動する電動機部(30)を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機(10)。
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