JP4261786B2 - 銀コート銅粉の製造方法、その製造方法で得られた銀コート銅粉、その銀コート銅粉を用いた導電ペースト、及びその導電ペーストを用いたプリント配線板 - Google Patents

銀コート銅粉の製造方法、その製造方法で得られた銀コート銅粉、その銀コート銅粉を用いた導電ペースト、及びその導電ペーストを用いたプリント配線板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本件出願に係る発明は、銀コート銅粉の製造方法、その製造方法で得られた銀コート銅粉、その銀コート銅粉を用いた導電ペースト、及びその導電ペーストを用いたプリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から銅粉は、導電ペーストの原料として広く用いられてきた。導電ペーストは、その取り扱いの容易さ故に、実験目的の使用から、電子産業用途に到るまで広範な領域において使用されてきた。
【0003】
中でも、銀層を表面に備えた銀コート銅粉は、導電ペーストに加工され、スクリーン印刷法を用いたプリント配線板の回路形成、各種電気的接点部等に応用され、電気的導通確保の手段に用いられてきた。即ち、表面に銀層を備えていない銅粉と比較したときに、銀コート銅粉は銅よりも電気的伝導性に優れた低抵抗の銀層が表面を被覆しているため、導電特性に優れたその銀コート銅粉を用いた導電ペーストを用いて、導体形成を行うと低抵抗の導体の形成が可能となることが知られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、銀コート銅粉は、その表層に銀単独の層が存在するため、電子部品材料の導体形成に用いた場合の通電使用時、若しくは、高温高湿環境におかれた場合など、マイグレーション現象を起こしやすく、回路ショートを起こしやすくなるため、高密度配線回路の導体形成には向かないものとされてきた。
【0005】
このマイグレーション現象は、銀コート銅粉の内部歪みに起因する問題と考えられている。そして、この銀コート銅粉の内部歪みを除去するため、高温雰囲気下に一定時間保持することで、内部歪み除去を目的とした加熱処理を行うことが行われてきたが、問題を完全に解決するには到ってはいない。
【0006】
また、従来の加熱処理は、高温の大気雰囲気下若しくは不活性ガスで置換した雰囲気下で行われるが、このときに銀コート銅粉の粉粒同士が凝集して、粉粒同士の分散性が失われる結果となっていた。このように粉粒の凝集が起こると、この銀コート銅粉を用いて導電ペーストに加工したときの、導電ペーストの粘度が高くなるという現象が発生していた。
【0007】
導電ペーストの粘度は、経時的に変化していくものである。従って、導電ペーストに加工したときの初期ペースト粘度が高く、しかも、経時変化により増粘することとなれば、銀コート銅粉で形成した導体抵抗が低いという長所を備えていても、電子部品材料の微細な導体形成等の用途には不向きであり、導電ペーストとしての品質管理、品質維持に費やす管理が煩雑となる。
【0008】
以上のことから、銀コート銅粉と同様の低抵抗を実現でき、しかも、導電ペーストに加工したときのペースト粘度を低くできる新たな製品が市場で望まれてきたのである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、以下に説明する発明をもって、上述した課題を解決できることに想到したのである。
【0010】
本件発明の説明を行う前に、本件発明者等が、マイグレーション現象をどのように捉えたかを最初に説明することとする。マイグレーション現象とは、ある種の金属の上に異種金属をメッキ形成した場合に起こりやすい現象であるが、そのメカニズムは明確にはなっていない。
【0011】
そこで、本件発明者等は、銀コート銅粉の場合のマイグレーション現象のメカニズムは、次の2種類のいずれかであると考えた。一つは、銅粉の表面に形成される銀層は、その銀層の形成方法によっても異なるが、一般的に、その銅粉の内部歪みの影響を受け、銀層も一定の内部歪みがパッケージされた状態になる。このような銀コート銅粉を用いて、上述した環境下に置くと、経時的に歪みエネルギーが解放される方向に動くことになる。このとき、銀層の銀が酸化銀として、内部応力を緩和する方向で結晶成長するように成長を初め、隣接する導体回路に成長した酸化銀が到達すると、回路間ショートを起こすことになるのである。
【0012】
また、もう一つの考え方は、銀と銅との原子半径の違いにより、原子半径の小さな銅粉の銅が、銀層中に内部応力緩和と同時に拡散し針状の結晶成長をすることにより、ウイスカー状に成長することになり、上述したと同様の回路ショートを引き起こすものとなることが考えられるのである。
【0013】
本件発明者等は、これらのことを前提として、単なる歪み取り加熱だけで銀層と銅層との内部歪みを完全に除去することは困難であり、それぞれの層が独立した状態で存在する限り、マイグレーション問題の解決は非常に困難であると考えた。そこで、本件発明者等は、導体回路を形成した段階での銀コート銅粉の銀層と銅粉との間では、銅粉の銅と銀層の銀とが相互拡散を起こし、銀−銅の合金層を銅粉の表面に備えた銀コート銅粉とし、この合金層を備えた状態で、歪みの少ない状態を形成できれば良いのではないかと考えた。
【0014】
短時間で銀と銅との相互拡散を起こさせる程度の加熱を行うとなると、加熱工程は、かなりの高温雰囲気中での加熱を行わなければならないと考えられる。ところが、銀コート銅粉は、導電ペーストに加工され、その後導体形状がスクリーン印刷法により製造され、最終的に導電ペーストを熱硬化させ、導体回路の形成を行う加熱工程(以下「最終加熱工程」と称する。)を経ることになる。従って、最終加熱工程が終了した段階で合金層を形成していればよいと考えられる。
【0015】
これらのことを考えるに、銀コート銅粉の製造過程においては、加熱工程として銀コート銅粉の歪み取り焼鈍に相当する処理を十分に施し、最終加熱工程で合金化を完了させるものとすればよいと判断した。このときに問題となるのが、銅粉としての表面酸化の問題である。単に大気中で加熱する加熱工程であれば、加熱途中で粉粒の凝集を起こしやすく分散性が損なわれるため、導電ペーストに加工した際のペースト粘度が高くなる点が新たな問題となるのである。
【0016】
これらのことを背景に、本件発明者等は、新たな銀コート銅粉の製造方法を見いだし、その結果得られた銀コート銅粉は、従来の銀コート銅粉では達成し得なかった耐マイグレーション性能と高分散性を備えるものとなったのである。
【0017】
請求項1には、導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、当該銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法としている。
【0018】
この製造方法の特徴は、銅粉の粉粒表面に銀層を一旦形成し、加熱することにより銀層と銅層との拡散合金層を形成する前の歪み取り加熱に相当する加熱工程として、加熱雰囲気に湿式還元雰囲気を用いる点にある。通常採用される、乾式の加熱の場合には、複数の粉粒同士が一塊りに連結して接合することで2次構造を形成し、いわゆる凝集した状態を形成するのである。ところが、このように湿式の雰囲気で加熱すると、銀層を備えた銅粉の粉粒同士の、加熱による凝集を防止することができるのである。そして、還元性の雰囲気とするのは、粉粒表面の加熱時の酸化を防止するためである。
【0019】
ここで言う湿式還元雰囲気とは、ヒドラジンに代表される還元剤を含んだ水溶液中、高温水蒸気を含んだ一酸化炭素雰囲気若しくは水素雰囲気の如きものを言う。水溶液を用いる場合の、湿式還元雰囲気中での加熱方法は、銀コート層と銅粉との歪み取りが可能であることが求められる。歪み取りを行う場合の加熱温度として考えれば、通常は200℃以上の温度を用いるのが通常である。ところが、溶液を用いる場合には、溶質濃度を増やしたとしても大気中で100℃以上の温度を維持することは困難であり、歪み取り加熱を行うことは出来ないと考えられる。
【0020】
しかし、現実の銅粉及びその表層に形成した銀層は、かなり高い転位密度を持っているものと考えられ、しかも、銀コート銅粉の粉粒自体が微小で熱の良導体で構成されているため熱伝導効率に優れるため、低温加熱での歪み取りが可能であると判断できるのである。そこで、水溶液を用いる場合には、用いる水溶液の種類により異なるが、その溶液の沸点温度に昇温して処理することが望ましい。
【0021】
また、溶液温度を更に上昇させる手段としては、高圧雰囲気内に銀コート銅粉を添加した水溶液を入れ、加熱することで100℃以上の温度に加熱することも可能であり、例えば、単なる水を用いた場合でも2気圧の高圧下であれば、121℃の溶液温度とすることが出来るのである。
【0022】
なお、高温水蒸気を含んだ一酸化炭素雰囲気若しくは水素雰囲気の如き加熱雰囲気を用いる場合にも、大気圧状態での加熱を行うことも可能であるが、高圧状態で水若しくはエタノール等の有機溶媒の蒸気を雰囲気中に含ませた湿潤状態で、そこに一酸化炭素若しくは水素ガス等の還元ガスをスローリークしながら加熱処理を行い、銅粉と銀コート層との歪み取りを行うだけの熱量を供給することが可能となるのである。
【0023】
請求項2には、導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀コート工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程、銀層を平滑化した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法としている。
【0024】
この請求項2に記載の銀コート銅粉の製造方法は、請求項1に記載の製造方法の銀コート工程と、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程との間に、銀コート工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程を設けた点が特徴である。このように銀層平滑化工程で採用する手法としては、衝突摩擦式粉砕装置である、いわゆるジェットミル、ディスインテグレータ、ハイブリタイザー等が使用でき、各々の略球形の銅粉の粉粒同士を衝突させることで、粉粒表面の微細な凹凸を消失させ、滑らかな表面を形成することができる。また、単なる攪拌翼を備えた攪拌機内で銀コート銅粉を攪拌する方法、銀コート銅粉を溶液中に入れ溶液攪拌を行う方法、ボールミルの如きメカニカルな手法等を用いることも可能である。
【0025】
このような手法を採用することで、銀コート銅粉の粉粒表面の微細な凹凸形状が消失するとともに、銀コート工程で生じていた銀コート銅粉の凝集状態を破壊して、凝集した粉粒の分離を行い、導電ペーストに加工した際の銀コート銅粉の分散性を高めることが出来るという効果が、重畳して同時に得られるのである。
【0026】
そして、最後に請求項1に記載の製造方法の場合と同様に、当該銀コート銅粉を還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程を経て銀コート銅粉を得るのである。
【0027】
この請求項2に記載の製造方法と同様の効果を得る方法として、請求項3には、導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀層を形成した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程、加熱工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法としている。
【0028】
この請求項3に記載の製造方法は、銀コート工程で銅粉の粉粒の表面に銀層を形成し、加熱工程により銀層と銅粉との歪み取りを行い、その後、歪み取りの終了した銀層の表面を平滑化させるための銀層平滑化処理を行うのである。即ち、請求項2に記載した加熱工程と表面平滑化工程との順序を入れ替えたものであるが、請求項2の製造方法を採用する場合と同様の効果が得られるのである。従って、ここで詳細に説明すると、殆どが請求項2に記載の発明の場合と重複するため、省略することとする。但し、ここで明記しておくが、請求項3に記載の銀層平滑化工程で用いる手法は、請求項2に記載した銀層平滑化工程で用いる手段と同じ方法を用いることが可能である。
【0029】
請求項4には、導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程、表面を平滑化した銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀コート工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程、銀層を平滑化した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行う加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法としている。
【0030】
この製造方法は、請求項2に記載の製造方法と基本的手順は同じであるが、銀コート工程に入る前の、銅粉の粉粒表面の形状を、予め平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程を備えている点に特徴がある。この銅粉粒の平滑化工程で用いる手法も、銀層平滑化工程で用いると同様の手法を用いることが可能である。このようにして、銀層を形成する前の、銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかなものとしておけば、後に銀コート工程で、銅粉粒の表面に形成する銀層が、銅粉粒の凹凸形状による影響を受けないため、均一な厚さで形成できることになる。銀層を銅粉粒の表面に均一に形成できていれば、最終焼成で得られる合金層の銀濃度のバラツキを最小限に抑制することが可能となり、高品質の銀コート銅粉の製造が可能となるのである。
【0031】
請求項4に記載の製造方法と同様の効果の得られる製造方法として、請求項5には、導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程、表面を平滑化した銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀層を形成した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行う加熱工程、加熱工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法としている。
【0032】
この製造方法は、請求項3に記載の製造方法と基本的手順は同じであるが、銀コート工程に入る前の、銅粉の粉粒表面の形状を、予め平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程を備えている点に特徴がある。そして、請求項4に記載の製造方法の場合と同様に、銀層を形成する前の、銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかなものとしておけば、後に銀コート工程で、銅粉粒の表面に形成する銀層が、銅粉粒の表面形状による影響を受けないため、均一に形成できることになり、加熱工程で加熱して得られる合金層の銀濃度のバラツキを最小限に抑制することが可能となり、高品質の銀コート銅粉の製造が可能となるのである。
【0033】
以上に述べた製造方法を採用することで、銀コート銅粉の表面酸化を極力抑制し、銀コート銅粉の粉粒表面を凹凸のない滑らかな形状とすることで、これらを導電ペーストに加工した場合のペースト粘度を低くして、しかも経時変化を抑制することが可能となるのである。そして、従来の銀コート銅粉は、かなり凝集した2次構造体となっており、凝集度合いが著しい場合の銀コート銅粉を用いた導電ペーストは、電子産業分野で電気的導通確保の回路形成に用いても、微細な回路形成が不可能となる傾向にあったが、本件発明に係る製造方法で得られた銀コート銅粉は、凝集度合いが小さく、導電ペースト中での分散性を高めるため、微細回路の導体形成用に用いても十分な品質が得られるのである。更に、これらの銀コート銅粉は、耐マイグレーション性能に優れ、プリント配線板の導体形成用のペースト材料として用いることが好適なものとなる。
【0034】
従って、請求項6には、請求項1〜請求項5に記載の銀コート銅粉の製造方法で得られた銀コート銅粉であって、銀の含有量が2wt%〜20wt%であることを特徴とする銀コート銅粉としている。請求項1〜請求項5に記載した製造方法をもってすれば、ここで示した銀の含有量範囲よりも広範な任意の含有量とすることも可能である。しかし、銀が最低限2wt%含まれていなければ、導電ペーストに加工して導体形成したときの、導体の電気抵抗を低くするという効果を得ることは出来ず、20wt%を超える含有量とする場合には、最終焼成の段階で完全な合金層とするための加熱時間を極めて長く採らざるを得ず、工業的な生産性の視点から見て困難と判断できるためである。
【0035】
そして、請求項7には、請求項6に記載の銀コート銅粉を用いて製造した導電ペーストとしている。本件発明に係る銀コート銅粉を用いることで、導電ペーストに加工したときの初期粘度を低減させ、経時的に変化するペースト粘度の変化を小さくすることが可能となるのである。
【0036】
更に、請求項8には、請求項7に記載の導電ペーストを用いて形成した導体を備えたプリント配線板としている。近年は、電子産業の分野でも、特にプリント配線板用途においての需要が増加してきている。今日のプリント配線板業界に対しては、我国の電機業界が厳しい国際価格競争に晒されていることもあり、コストダウン要求が一層厳しさを増すこととなっている。このような市場の動向を受け、近年は、4層以上の多層プリント配線板において、層間導電性を確保する手段として、スルーホールメッキ法、バイアホール形成法等に変わって、導電ペーストを用いて多層プリント配線板の層間導通を確保する手法が行われるようになってきた。
【0037】
これは、予め基材に層間導通部を形成する穴を形成し、この穴に導電ペーストを充填して硬化させ、その表層に銅箔を張り付けた銅張積層板を用いてプリント配線板を製造する方法や、予め銅箔の基材との接着面に層間導通部となる突起を導電ペーストを硬化させることで形成し、これを基材と積層して張り付ける方法等により銅張積層板製造時に層間導通を確保する等の種々の方法が採用されていおり、安定した層間導通性能の確保は必要最低限の条件となる。本件発明に係る導電ペーストを用いると、その粘度が低いため、穴への導電ペーストの充填性を良好にすることでき、導電ペーストを用いて層間導通部となる突起を銅箔表面に形成する等の作業が容易となるのである。
【0038】
このとき導電ペーストの原料に銀コート銅粉を使用し、この導電ペーストを用いて多層プリント配線板の層間導通の形成用に用いると、層間抵抗を低く維持することが可能となる。特に、配線回路の形成に用いた銅箔が亜鉛等の無機防錆層を備えていると、その部分での電気抵抗が上昇する傾向にあり、その銅箔回路と接触して層間導通を得るための硬化した導電ペースト部の抵抗が低いことは、トータル的に見たプリント配線板の電気的導電性を良好な状態に保ち、電子機器の誤動作を防止するものとなるのである。
【0039】
また、上述した導電ペースト粘度の経時変化が小さいと言うことは、導電ペーストとしての粘度管理が容易になり、導電ペーストの品質変動が小さいと言うことになる。このような導電ペーストを用いると、製造する回路の厚さ、幅、回路エッジの直線性等に高い精度のプリント配線板が得られることになるのである。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態を通じて、比較例と対比しつつ、本件発明に関し、より詳細に説明する。
【0041】
第1実施形態: 本実施形態では、請求項1に記載した製造方法を用いて、銀コート銅粉を製造し、その銀コート銅粉を用いて導電ペーストを製造し、導電ペーストの粘度の変化率を測定したのである。
【0042】
最初に銅粉粒の表面に銀層を形成する銀コート工程のプロセスについて説明する。平均粒径4.18μmの銅粉1kgを、水9リットルにEDTA160gを溶解させた溶液中に分散させ、ここに硝酸銀溶液1000mlを添加し、30分間の攪拌を行った。このときの硝酸銀溶液とは、アンモニア水溶液220mlに硝酸銀180gを溶解させ、水を添加して1リットルとして調整したものである。その後、更に、ロッシェル塩140gを添加して、30分間攪拌を継続し、銀コート銅粉を得た。そして、吸引濾過することで、銀コート銅粉と溶液とを濾別し、水洗し、当該銀コート銅粉を70℃の温度で5時間の乾燥を行った。
【0043】
次に、加熱工程では、上述のようにして得られた銀コート銅粉を湿式還元雰囲気中で加熱し、歪み除去を行った。このときの湿式還元雰囲気は、銀コート銅粉1kgあたり、純水2リットルに50gのヒドラジン水和物を添加した溶液に入れ、攪拌を行いながら、溶液温度を100℃として、30分間処理した。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0044】
続いて、この銀コート銅粉を用いて、エポキシ系導電ペーストを製造した。当該銀コート銅粉を90重量部、第1のエポキシ樹脂には油化シェル社製のエピコート806を2.3重量部、第2のエポキシ樹脂には東都化成株式会社製のYD−141を6.8重量部、エポキシ樹脂硬化剤として味の素株式会社製のアミキュアMY−24を0.9重量部として、これらを混錬してエポキシ系導電ペーストを得たのである。
【0045】
以上のようにして得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度を測定すると600Pa・sという結果が得られている。なお、本件明細書における粘度の測定には、東機産業社製の粘度計であるRE−105Uを用いて、0.5rpmの回転数で測定したものである。
【0046】
上述した導電ペーストを用いて、スクリーン印刷法で100μmFR−4ガラス基板の上に、回路幅100μm、回路間ギャップ100μm、長さ10cmの100本の直線導体を描き、その内、50本の電源の陽極と接続する直線導体と50本の電源の陰極と接続する直線導体とが平行且つ交互に配置される櫛形回路を形成し、230℃の温度で、導電ペースト回路の硬化を行い導体回路を形成し、これを耐マイグレーション性評価のためのテスト用プリント配線回路を製造した。そして、この櫛形回路の導体に1ボルト電源を接続した状態で、10−6mol/l濃度の塩酸溶液中に浸漬し、マイグレーションを起こさせ隣接する直線導体回路間で、50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間を測定した。その結果、687秒であった。
【0047】
また、上述の導電ペーストを金型に入れ、加圧して加熱硬化させ直径10mm、厚さ10mmの形状を持つペレットを製造し、四探針の電圧測定器を用いて、このペレットに電流を通電した場合の電圧を測定し、抵抗値に換算するという手法で導電性を評価した。その結果の抵抗値は、1.8×10−6Ω・mであった。
【0048】
第2実施形態: 本実施形態では、請求項2に記載した製造方法を用いて、銀コート銅粉を製造し、その銀コート銅粉を用いて導電ペーストを製造し、導電ペーストの粘度の変化率を測定したのである。
【0049】
第1実施形態で用いたと同様の銅粉を用いて、同様の銀コート工程で銀コート銅粉を製造した。従って、銀コート工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0050】
銀コート工程にて得られた銀コート銅粉を、表面平滑化工程で、銀コート銅粉の表面凹凸を消失させ、滑らかな表面を持つ銀コート銅粉とした。銀層平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行った。
【0051】
次に、加熱工程では、上述のようにして表面の平滑化が行われた銀コート銅粉を第1実施形態と同様の湿式還元雰囲気で処理し、銀層と銅粉との歪み除去を行った。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0052】
そして、第1実施形態で用いたと同様の樹脂組成のエポキシ系導電ペーストを製造し、この粘度を測定した。その結果、エポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は300Pa・sであり、第1実施形態の銀コート銅粉よりも低粘度なものとなっていることが分かる。
【0053】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、754秒であり、第1実施形態以上の良好な結果が得られている。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、1.8×10−6Ω・mであった。
【0054】
第3実施形態: 本実施形態では、請求項3に記載した製造方法を用いて、銀コート銅粉を製造し、その銀コート銅粉を用いて導電ペーストを製造し、導電ペーストの粘度の変化率を測定したのである。
【0055】
第1実施形態で用いたと同様の銅粉を用いて、同様の銀コート工程で銀コート銅粉を製造した。従って、銀コート工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0056】
次に、加熱工程では、上述のようにして得られた銀コート銅粉を第1実施形態と同様の湿式還元雰囲気で処理し、銀層と銅粉との歪み除去を行った。従って、加熱工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0057】
更に、表面平滑化工程で、加熱工程にて得られた銀コート銅粉の表面凹凸を消失させ、滑らかな表面を持つ銀コート銅粉とした。銀層平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行った。この段階の銀コート銅粉の形状は、非常に平滑な表面を持つ粉粒が得られている。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0058】
そして、第1実施形態で用いたと同様の樹脂組成のエポキシ系導電ペーストを製造し、この粘度を測定した。その結果、得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は100Pa・sであり、第1実施形態の銀コート銅粉よりも低粘度なものとなっていることが分かる。
【0059】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、748秒であり、第1実施形態以上の良好な結果が得られている。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、1.8×10−6Ω・mであった。
【0060】
第4実施形態: 本実施形態では、請求項4に記載した製造方法を用いて、銀コート銅粉を製造し、その銀コート銅粉を用いて導電ペーストを製造し、導電ペーストの粘度の変化率を測定したのである。
【0061】
最初に、第1実施形態で用いたと同様の銅粉を用い、銅粉粒平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行い、銅粉の粉粒表面の形状を滑らかなものとした。
【0062】
次に、その銅粉の粉粒の表面に銀層を形成する銀コート工程で、銀コート銅粉を製造した。この銀コート工程の諸条件は第1実施形態と同様である。従って、銀コート工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0063】
銀コート工程にて得られた銀コート銅粉を、表面平滑化工程で、銀コート銅粉の表面凹凸を消失させ、滑らかな表面を持つ銀コート銅粉とした。銀層平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行った。この段階の銀コート銅粉の形状は、非常に平滑な表面を持つ粉粒が得られている。
【0064】
次に、加熱工程では、上述のようにして表面の平滑化が行われた銀コート銅粉を第1実施形態と同様の湿式還元雰囲気で処理し、銀層と銅粉との歪み除去を行った。従って、加熱工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0065】
そして、第1実施形態で用いたと同様の樹脂組成のエポキシ系導電ペーストを製造し、この粘度を測定した。その結果、得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は220Pa・sであり、第1実施形態の銀コート銅粉よりも低粘度なものとなっていることが分かる。
【0066】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、800秒であり、第1実施形態以上の良好な結果が得られている。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、1.6×10−6Ω・mであった。
【0067】
第5実施形態: 本実施形態では、請求項5に記載した製造方法を用いて、銀コート銅粉を製造し、その銀コート銅粉を用いて導電ペーストを製造し、導電ペーストの粘度の変化率を測定したのである。
【0068】
最初に、第1実施形態で用いたと同様の銅粉を用い、銅粉粒平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行い、銅粉の粉粒表面の形状を滑らかなものとした。
【0069】
次に、その銅粉の粉粒の表面に銀層を形成する銀コート工程で、銀コート銅粉を製造した。この銀コート工程の諸条件は第1実施形態と同様である。従って、銀コート工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0070】
次に、加熱工程では、上述のようにして表面の平滑化が行われた銀コート銅粉を第1実施形態と同様の湿式還元雰囲気で処理し、銀層と銅粉との歪み除去を行った。従って、加熱工程についての説明は重複するものとなるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
続いて、加熱工程を経た銀コート銅粉を、表面平滑化工程で、銀コート銅粉の表面凹凸を消失させ、滑らかな表面を持つ銀コート銅粉とした。銀層平滑化工程として、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間の処理を行った。この段階の銀コート銅粉の形状は、非常に平滑な表面を持つ粉粒が得られている。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0072】
そして、第1実施形態で用いたと同様の樹脂組成のエポキシ系導電ペーストを製造し、この粘度を測定した。その結果、得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は80Pa・sであり、第1実施形態の銀コート銅粉よりも低粘度なものとなっていることが分かる。
【0073】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、790秒であり、第1実施形態以上の良好な結果が得られている。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、1.6×10−6Ω・mであった。
【0074】
比較例1: 本件発明者等は、上述した本実施形態の効果を確認するため、比較に用いる実施形態として、以下の内容を実施した。ここでは、第1実施形態の銀コート工程で単に銀をコートしただけで加熱処理していない銀コート銅粉として、銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0075】
そして、第1実施形態と同様のエポキシ系導電ペーストを製造し、この粘度を測定した。その結果、得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は800Pa・sであり、本実施形態の銀コート銅粉の場合と比較して粘度が非常に大きいことが分かる。
【0076】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、354秒であり、上述した実施形態で得られた結果よりも短時間である。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、1.7×10−6Ω・mであった。
【0077】
比較例2: 本件発明者等は、上述した本実施形態の効果を確認するため、比較に用いる実施形態として、以下の内容を実施した。ここでは、第1実施形態で用いたと同様の銅粉を用い、その銅粉を銀コート工程で銀コート銅粉とした。
【0078】
そして、加熱工程を設けたのであるが、この加熱処理は、大気中で200℃の温度で60分間加熱することにより行った。このようにして銀を10wt%含んだ銀コート銅粉を得た。
【0079】
以上のようにして得られた銀コート銅粉を用いて、第1実施形態と同様のエポキシ系導電ペーストを製造し、これらの粘度を測定した。その結果、得られたエポキシ系導電ペーストの製造直後の粘度は1000Pa・sであり、本実施形態の銀コート銅粉の場合と比較して粘度が非常に大きいことが分かる。
【0080】
更に、第1実施形態と同様の手法で耐マイグレーション性評価を行い、その結果、導体回路間で50mAのショート電流が流れ始めるまでの時間は、623秒であり、上述した実施形態で得られた結果よりも短時間である。また、第1実施形態と同様の手法で抵抗値を測定した、その結果は、2.1×10−6Ω・mと高い値を示した。
【0081】
【発明の効果】
本件発明に係る製造方法を用いて得られる銀コート銅粉は、銀と銅とが合金化した状態であるため、導電ペーストに加工して形成した導体でマイグレーションが起こりにくく、しかも、その粉粒表面の形状が非常に滑らかであるため、その銀コート銅粉を用いて製造した導電ペーストは、ペースト粘度が低くなる。しかも、歪み取り加熱の際に、湿式還元処理を用いているため、加熱時の粉粒の凝集が起こりにくく、ペースト中での銀コート銅粉の分散性に優れたものとなる。従って、導電ペーストとしての品質管理が非常に容易なものとなる。この導電ペーストを用いることで、プリント配線板の層間導通部の穴部への充填性が向上するとともに、微細回路の作成にも対応できる事となるのである。

Claims (8)

  1. 導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、当該銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
  2. 導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀コート工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程、銀層を平滑化した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
  3. 導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀層を形成した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程、加熱工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
  4. 導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程、表面を平滑化した銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀コート工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程、銀層を平滑化した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
  5. 導電ペースト用の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅粉の粉粒表面を平滑で滑らかな形状にするための銅粉粒平滑化工程、表面を平滑化した銅粉の表面に銀層を形成し銀コート銅粉とする銀コート工程、銀層を形成した銀コート銅粉を大気圧〜2気圧以下の湿式還元雰囲気である還元剤を含んだ水溶液中で加熱し、銀層と銅粉との歪み取りを行うための加熱工程、加熱工程で得られた銀コート銅粉の粉粒表面の平滑化を行う銀層平滑化工程とを備えたことを特徴とする銀コート銅粉の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5に記載の銀コート銅粉の製造方法で得られた銀コート銅粉であって、銀の含有量が2wt%〜20wt%であることを特徴とする銀コート銅粉。
  7. 請求項6に記載の銀コート銅粉を用いて製造した導電ペースト。
  8. 請求項7に記載の導電ペーストを用いて形成した導体を備えたプリント配線板。
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