JP4261707B2 - ボーリング廃泥水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ボーリング廃泥水の処理方法に関し、特に、濃度の高いボーリング廃泥水を環境に害のないような形で処理するボーリング廃泥水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石油、天然ガス、地熱発電用蒸気、温泉及び各種鉱物などを採掘のためのボーリングや地震観測坑用のボーリングのうち、深度が概ね1000mを超えるようなボーリングには、地層の崩壊を抑えたり、地熱による泥水の劣化に対処したり、その他の多くの役割を担う調泥剤と呼ばれている一群の薬剤が、循環泥水に添加される。この調泥剤は、分散解膠剤、増粘剤、脱水調整剤、加重剤、造壁剤、潤滑剤(表面活性剤)、頁岩安定剤、逸泥防止剤などに細かく分類されている。また、状況に応じ、これらのうちの数種から数十種が泥水中に加えられるのが通例である。
【0003】
かかる調泥剤は、地層の掘削をスムーズに進めるために必須なものである。しかし、これらの調泥剤は凝集処理しにくい分散性を有すること、黒または濃茶に着色していること、重金属類を多く含んでいること、油や界面活性剤を含んでいること、かなりつよいアルカリ性であること、及び、その成分、濃度、発生量などが激しく変化することなどにより、この調泥剤を大量に含むボーリング廃泥水を、一般の産業廃水として環境に害の無い形に処理するには、困難がある。
【0004】
従来では、かかる調泥剤を大量に含むボーリング廃泥水、濃度の低い作業排水を蒸発濃縮処理して得られる濃縮泥、また、かかる作業排水を凝集沈殿処理して得られる沈殿スラッジなどに無機系固化材を単独で添加して固めるか、水溶性高分子と2価または3価の無機塩と無機系固化材とを併用して固める方法がもっぱら取られている。
【0005】
例えば、ボーリング廃泥水(濃度の高いものに限る)の発生量は、5000m級の石油井で5千トンにも達するが、従来の方法で、セメント系か石灰系の固化材で全量固化するしか方法がなく、その処分費用は莫大である。
また、従来の凝集操作はスクリュー(3枚羽根)型攪拌機付反応槽で行うことが多く、そこで、処理対象液等の濃度が高くなると、それがゲル化して固まり、処理不能に陥るおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来から行われているボーリング廃泥水の無機系固化材による固化材処理方法は、産業廃棄物である処理物の処分地を確保するのが困難であること、1現場あたりの発生量が膨大のため運搬費用、処分費用がかさむことなどの問題があり、また、その減量化も大きい課題である。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ボーリング廃泥水に対し、水溶性高分子物質を添加して混合する高分子物質添加ステップと、2価または3価の水溶性金属無機塩を添加して混合する無機塩添加ステップと、上記ステップで得られる処理物を脱水する脱水ステップを施すボーリング廃泥水の処理方法(以下第1方法という)によって達成される。
【0008】
また、本発明は、上記ステップを基礎として、ボーリング廃泥水に対し、古紙の破砕物を添加して混合する古紙添加ステップをさらに加えるボーリング廃泥水の処理方法(以下第2方法という)によって達成される。
さらに、本発明は、かかるボーリング廃泥水に対し、無機系固化材を添加して混合する固化材添加ステップをさらに加えるボーリング廃泥水の処理方法(以下第3方法という)によって達成される。
【0009】
本発明の対象であるボーリング廃泥水は、石油、天然ガス、地熱発電用蒸気、温泉及び各種鉱物などの探査や採掘のためのボーリング、地震観察坑用ボーリング等から発生する上記劣化泥水や余剰泥水等を含むボーリング廃泥水と、ボーリング工事現場から、掘り管の洗浄水などより、発生した大量の汚濁水を蒸発濃縮処理して得られた濃縮泥と、または、かかる汚濁水を凝集沈殿処理して得られた沈殿スラッジとなどを含む。
【0010】
本発明において、上記ボーリング廃泥水の含水比は、150%〜900%(重量水分率60%〜90%)であることが好ましく、特に、含水比が150%〜400%(重量水分率60%〜80%)であるのが好ましい。含水比が150%以下では、脱水しても減量率が低く、脱水工程を設ける経済的メリットがない場合が多い。逆に、含水比が900%以上の薄い廃泥水では、脱水に伴って大量に発生する分離水の浄化処理に多大の費用がかかるから、希薄な廃泥水は、蒸発濃縮法や凝集沈殿法で処理して、濃度を高めてから、本発明による処理に供するのが良い。
【0011】
本発明の第1方法は、上記含水比のボーリング廃泥水に、水溶性高分子物質を添加して混合する高分子物質添加ステップと、2価または3価の水溶性金属無機塩を添加して混合する無機塩添加ステップと、上記ステップで得られる処理物を脱水する脱水ステップからなる。
本発明においては、前記ステップを高分子物質添加ステップ、無機塩添加ステップ、最後に脱水ステップの順に行うのが好ましい。
【0012】
本発明で用いる水溶性高分子物質は、たとえば、少なくとも、カルボキシ基を含む水溶性合成高分子物質からなるグループから選ばれた1種類または2種類以上の高分子を用いることが好ましい。かかるカルボキシル基を含む水溶性合成高分子物質としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダまたはその誘導体、アクリル酸又はその塩とアクリルアミドとの共重合物、アクリルアミド重合物の部分加水分解物、マレイン酸又はその塩と酢酸ビニルとの共重合物、イタコン酸又はその塩とアクリルアミドとの共重合物などがある。
【0013】
これらの高分子は、ボーリング廃泥水のなかの微細粒子と吸着点で結合し、さらに高分子物質はお互いに絡み合って、微細粒子を包含しながら巨大粒子に成長する。上記水溶性高分子物質は、粉末で加えても、逆相エマルジョンの形で加えてもよく、その添加量は、ボーリング廃泥水1m3に対し、純分換算0.2〜5.0kgであり、特に、0.5〜3.0kgであるのが好ましい。
【0014】
本発明では、水溶性高分子物質を添加したあとに、2価または3価の水溶性金属塩を添加する。2価又は3価の水溶性金属塩の働きは、前項の巨大粒子を凝結させて、脱水に適した強度を有するフロックに変えることである。本発明で用いる2価または3価の水溶性金属塩としては、上記本発明の目的を達成できるものであれば特に限定されないが、特に、硫酸ばん土、PAC、塩化カルシウム、塩化第一鉄、及び、塩化第二鉄等が用いられることが好ましい。
本発明に用いる2価または3価の水溶性金属塩は、一般に流通している濃厚の水溶液の状態で添加され、その添加量は、特に限定されないが、ボーリング廃泥水1m3に対し、無水物換算で5〜20Kgであることが好ましい。
【0015】
本発明の第2方法は、より効果的にボーリング廃泥水を処理するために、上記処理ステップに古紙の破砕物をさらに添加して混合する古紙添加ステップをさらに加えるものである。本発明においては、前記ステップを古紙添加ステップ、高分子物質添加ステップ、無機塩添加ステップ、最後に脱水ステップの順に行うことが好ましい。
【0016】
本発明で用いられる古紙の破砕物は、最近、家畜の敷料として注目されており、他の吸収材にない特徴を有するものである。すなわち、含水比30〜150%の上記ボーリング廃泥水、濃縮泥または沈殿スラッジに、古紙の破砕物を添加して混合すると、1〜3分の間に吸水が進み、該ボーリング廃泥水等の流動性が著しく低下する。
【0017】
一方、他の吸水材、たとえば、衛生用品に広く使われている吸水性ポリマーは、吸水力があるものの、吸水後もポリマー同士間にすべり現象が残り、処理物の改良効果が弱い。また、天然鉱物ではベントナイトの吸水力がずば抜けているが、粉末品は水を吸うと再生土の障害になる粘着性を生じることと、その破砕品のコストが高いことから、天然鉱物の使用は本発明の目的にそぐわない。さらに、本発明において、コットン、わら、もみがら、おがくず、及び、材木チップなども良好な結果が得られない。
【0018】
本発明で用いる古紙の破砕物は、例えば古新聞、古雑誌、古ダンボール、古電話帳などを、20mm四方以下にカットしたものが好ましく、特に、5mm四方以上10mm四方以下にカットしたものが好ましい。20mm四方より大きな古紙破砕物の取り扱いの難があるので好ましくない。また、5mm四方未満のサイズの古紙をつくるのは、コストがかかり過ぎて実用的でない。
【0019】
なお、本発明でいう古紙の破砕物は、厳密なものではなく、たとえば、製紙工場や紙、出版関係の工場などからでる紙を主体とする廃材をも含む。それも、古紙の破砕物と同じく利用できる。
かかる古紙破砕物の添加量は、汚泥1m3あたり、(含水比×25)/(含水比+40)Kg〜(含水比×150)/(含水比+40)Kgの範囲にあることが好ましい。例えば、含水比が200%の汚泥の場合、古紙破砕物の添加量は21〜125Kgである。この程度の添加量では、処理後の汚泥の増量はわずかである。
【0020】
本発明の第3方法は、ボーリング廃泥水処理の必要に応じ、無機系固化材をさらに添加して混合する固化材添加ステップを加えるものである。該固化材添加ステップの目的は、ボーリング廃泥水に含まれている有害物資、とくに、有害重金属の溶出を抑えることと、処理物に一定の強度をつけて、最終処分地での埋立作業をやりやすくすることにある。
【0021】
本発明においては、かかる該固化材添加ステップを、脱水ステップ前の任意の時点に加えることが好ましい。すなわち、該固化材添加ステップは、前記古紙添加ステップ、高分子物質添加ステップ、無機塩添加ステップとの順序関係無く、脱水ステップの前に任意に行うことができる。
本発明で用いる無機系固化材は、本発明の目的を達成するものであれば特に限定されないが、特に、生石灰、消石灰、普通セメント、高炉セメント、無水石膏、半水石膏、2水石膏、フライアッシュ、水砕スラグ等が用いられることが好ましい。これらの固化材を単独で添加、または、併用して添加することができる。また、場合によって、使用の用途に応じたその他の添加物を上記固化材とブレンドして特殊固化材として用いることもできる。
【0022】
上記無機系固化材の合計の添加量は、対象ボーリング廃泥水の性状により異なるが、概ね、ボーリング廃泥水1m3に対し、20〜100kgであり、一般では、予備実験により正確な添加量を決定することができる。
また、かかる無機固化材の添加による処理物を7日間以上養生すると、予め設定した強度を示すようになり、重金属等の有害物質の溶出もなくなる効果がある。
【0023】
また、本発明において、ボーリング廃泥水を、水溶性高分子と2価または3価の無機塩、または、古紙又は無機系固化材若しくはその両方とを混合する装置としては、重機による現地混合のほか、バッチ式あるいは連続式の混練ミキサーなどの混合機械によって行うことができる。例えば、バッチ式パドルミキサー、または、連続式のパドルミキサー、ラインミキサー、スタテックミキサー等から少なくとも一つ選んで使用するのが好ましい。
【0024】
本発明の脱水ステップにおいて、水分を含んだ固形物を脱水する方法であれば任意の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。
また、脱水機としては、大きく分けて、機械式脱水機によるもの、原位置での脱水工法によるもの等がある。一般に、フィルタープレスやベルトプレスのように濾過布の表面に薄く広げて加圧するタイプのものがあるが、本発明の場合は、比較的流動性のない対象物の脱水に適するような機種、すなわち、スクリュープレス、ドラムプレスなどを使用するのが好ましい。
【0025】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の1実施態様を用いて本発明を詳述するが、それには限らない。かかる実施態様は図1に記載のような連続式2軸パドルミキサーとスクリュープレス脱水機(脱水機は示さず)を組み合わせた施工方法である。
【0026】
まず、2台の幅長さ3〜4mの連続式2軸パドルミキサーを、図1に示すように、1台目の入り口1と2台目の出口2に接続するように、上下段差を設けて直列につなぐ。また、本実施態様で使用するパドルミキサーは、2台直列配置が好ましいが、状況により、1台のみでも、3台以上を図1のように直列につないでもよい。
【0027】
次いで、その1段目のパドルミキサー1入り口2へポンプを使って定量的にボーリング廃泥水を供給する。供給された廃泥水は、パドルで攪拌されながら出口3に向かって進んでいくが、その間に添加口Aから水溶性高分子を添加し、充分に反応させる。約1〜2分後、廃泥水は、2段目のパドルミキサー4の入り口5に入る。その間に、添加口Dから2価または3価の無機塩溶液を添加し、良く攪拌する。
【0028】
その結果、廃泥水は脱水性に優れたスラッジにかわり、廃泥水投入開始から数えて2〜4分後には2段目のパドルミキサー出口6からは排出されるので、それをスクリュープレス(脱水機)に送って脱水する。
ミキサー内の滞留時間はパドルの回転数、羽根の取付角度、ミキサー自体の傾斜などにより異なるから、反応の進行状態で適宜調節できる。
【0029】
また、本発明の固化材等を添加する場合には、上記添加順に図1に例示する添加口A〜Eの何れかの添加口から添加することができる。例えば、本発明の固化材、水溶性高分子及び2価または3価の無機塩を、添加口A、B、D、または、添加口D、A、E、または、添加口E、A、Dからそれぞれ投入したり、本発明の古紙、水溶性高分子及び2価または3価の無機塩を、添加口A、B、Dからそれぞれ投入したりすることができる。
【0030】
本発明の別の添加例として、本発明の古紙、固化材、水溶性高分子及び2価または3価の無機塩を、添加口B、A、C、E、または、添加口A、B、C、E、または、添加口A、D、B、E、または、添加口A、E、B、Dからそれぞれ投入することができる。
【0031】
【実施例】
本発明の実施の形態を実施例をあげて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
含水比312%の石油掘削ボーリングからの廃泥水1.0リットルを卓上型ミキサーにとり入れ、はじめに、ポリアクリルアミド・アクリル酸の共重合物の逆相エマルジョン液(三井サイテック製、濃度40%、比重1.05)を6mL添加して1分間混合し、次に塩化第二鉄水溶液(濃度38%、比重1.38)を12g添加して1分間混合した。処理物の外見等を表1に示す。さらに、得られたボーリング廃泥水を、卓上型圧搾機にかけ、15kg/cm2の圧力で3分間脱水し、性状試験に供した。その結果も表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004261707
【0033】
実施例2
含水比312%の石油掘削ボーリングからの廃泥水1.0リットルを卓上型ミキサーにとり入れ、はじめに、ポリアクリルアミド・アクリル酸の共重合物の逆相エマルジョン液(三井サイテック製、濃度40%、比重1.05)を6mL添加して1分間混合し、次に塩化第二鉄水溶液(濃度38%、比重1.38)を12g添加して1分間混合した。さらにセメント系固化材(日本セメント社アサノクリーンセット10)を80g添加し、同じく1分間混合した。さらに、得られたボーリング廃泥水を、卓上型圧搾機にかけ、15kg/cm2の圧力で3分間脱水した。処理物を室温、飽和湿度下で7日間養生し、性状試験に供した。その結果も表1に示した。
【0034】
実施例3
含水比389%の石油掘削ボーリングからの廃泥水1.0リットルを卓上型ミキサーにとり入れ、はじめにジャパンクリエチティブル社製の古紙破砕品(商品名があんしん君で、大きさが10mm以下)を70g添加して1分間混合した。次に、ポリアクリルアミド・アクリル酸の共重合物の逆相エマルジョン液(三井サイテック製、濃度40%、比重1.05)を5mL添加して1分間混合し、次に、塩化第二鉄水溶液(濃度38%、比重1.38)を10g添加して1分間混合した。さらに、得られたボーリング廃泥水を、卓上型圧搾機にかけ、15kg/cm2の圧力で3分間脱水し、性状試験に供した。その結果も表1に示した。
【0035】
実施例4
含水比389%の石油掘削ボーリングからの廃泥水1.0リットルを卓上型ミキサーにとり入れ、はじめにジャパンクリエチティブル社製の古紙破砕品(商品名があんしん君で、大きさが10mm以下)を70g添加して1分間混合した。次に、ポリアクリルアミド・アクリル酸の共重合物の逆相エマルジョン液(三井サイテック製、濃度40%、比重1.05)を5mL添加して1分間混合し、次に、塩化第二鉄水溶液(濃度38%、比重1.38)を10g添加して1分間混合し、最後にセメント系固化材(日本セメント社アサノクリーンセット10)を70g添加し、同じく1分間混合した。さらに、得られたボーリング廃泥水を、卓上型圧搾機にかけ、15kg/cm2の圧力で3分間脱水した。処理物を室温、飽和湿度下で7日間養生し、性状試験に供した。その結果も表1に示した。
【0036】
表1に示すように、実施例1〜4とも脱水後の処理物は、外見がパサパサで、好ましい改良状態であった。本発明の最大の目的である減量率は、45.6%から54.8%に達し、処理物の運搬及び最終処分費用を大幅に削減できることが確認された。固化材を使った実施例2と4では、重金属の溶出も認められまかった。7日後のコーン指数も固化材を使わない場合の1.3〜2.9から、固化材を使う場合の4.6〜7.2に達し、最終処分場での取扱安さが、大きく改善されることが分かった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、ボーリング廃泥水に水溶性高分子と2価または3価の無機塩と、必要に応じて古紙または無機固化材若しくはその両方を添加、混合し、最後に脱水することにより、ボーリング廃泥水の大幅減量化が達成でき、結果として処分費用を大幅に削減できる。また、無機系固化材を、脱水工程前の一連の混合工程の中に添加すれば、有害物の溶出を容易に抑えることができるから、減量効果とあわせ、得られる経済効果は非常に大きい。
【0038】
また、本発明によれば、パドルミキサー等の強制攪拌式混合機を反応機として用いることで、たとえゲルしても、凝集反応を完結させることができること、また、はじめに大過剰の水溶性高分子を加えて、微細粒子を水溶性高分子ともども一緒に凝集させることで、高濃度のボーリング廃泥水を、機械脱水可能な強いフロック状態に変えることができた。
【0039】
さらに、本発明によれば、脱水前に固化材を添加することにより、脱水ケーキに固化材を混ぜるという厄介な操作をなくすことができることを見出したため、特に、含水比が150%〜400%の高濃度のボーリング廃泥水を、直接、凝集させて強いフロックを作り、50%前後という高い減量率を達成することができる。よって、ボーリング廃泥水を短時間に処理することが出来、かつ、得られる処理物は、従来の全量固化法に比べて、約半分に減量される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の1実施態様の概略図。
【符号の説明】
1 1段目のパドルミキサー
2 1段目のパドルミキサーの入り口
3 1段目のパドルミキサーの出口
4 2段目のパドルミキサー
5 2段目のパドルミキサーの入り口
6 2段目のパドルミキサーの出口
A 1段目のパドルミキサーの添加口
B 1段目のパドルミキサーの添加口
C 1段目のパドルミキサーの添加口
D 2段目のパドルミキサーの添加口
E 2段目のパドルミキサーの添加口

Claims (13)

  1. 調泥剤を含み、含水比が150%〜400%のボーリング廃泥水に、古紙の破砕物を添加して混合する古紙添加ステップと、
    水溶性高分子物質を添加して混合する高分子物質添加ステップと、
    2価または3価の水溶性金属無機塩を添加して混合する無機塩添加ステップと、
    天然鉱物を含まない無機系固化材を添加して混合する固化材添加ステップと、
    上記ステップで得られる処理物を脱水する脱水ステップをこの順に含むボーリング廃泥水の減量化処理方法
  2. 調泥剤を含み、含水比が150%〜400%のボーリング廃泥水に、古紙の破砕物を添加して混合する古紙添加ステップと、
    水溶性高分子物質を添加して混合する高分子物質添加ステップと、
    天然鉱物を含まない無機系固化材を添加して混合する固化材添加ステップと、
    2価または3価の水溶性金属無機塩を添加して混合する無機塩添加ステップと、
    上記ステップで得られる処理物を脱水する脱水ステップをこの順に含むボーリング廃泥水の減量化処理方法
  3. 前記無機系固化材が、少なくとも、生石灰、消石灰、普通セメント、高炉セメント、無水石膏、半水石膏、2水石膏、フライアッシュ、水砕スラグから選ばれた1種類または2種類以上の固化材を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の減量化処理方法。
  4. 前記無機系固化材の合計の添加量が、前記ボーリング廃泥水1mに対し、20Kg〜100Kgであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の減量化処理方法。
  5. 前記古紙の破砕物の大きさが20mm四方以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の減量化処理方法。
  6. 前記古紙破砕物の添加量が、前記ボーリング廃泥水1mあたり、(含水比×25)/(含水比+40)Kg〜(含水比×150)/(含水比+40)Kgの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の減量化処理方法。
  7. 前記2価または3価の水溶性金属無機塩が、少なくとも、硫酸ばん土、PAC、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄から選ばれた1種類または2種類以上の無機塩を含んでなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の減量化処理方法。
  8. 前記2価または3価の水溶性金属無機塩の添加量が、前記ボーリング廃泥水1mに対し、無水物換算で5〜20Kgであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の減量化処理方法。
  9. 前記水溶性高分子物質が、少なくとも、カルボキシル基を含む水溶性合成高分子物質からなるグループから選ばれた1種類または2種類以上の高分子物質を含んでなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の減量化処理方法。
  10. 前記水溶性高分子物質の添加量が、前記ボーリング廃泥水1mに対し、純分換算0.2〜5.0Kgであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の減量化処理方法。
  11. 前記各ステップにおいて、前記ボーリング廃泥水に、水溶性高分子物質と2価または3価の無機塩、さらに、古紙の破砕物または無機系固化材若しくはその両方を混合するのに、バッチ式パドルミキサーを使用するか、または、連続式のパドルミキサー、ラインミキサー、スタテックミキサーから選んだ少なくとも1つを使用することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の減量化処理方法。
  12. 前記脱水ステップが、スクリュープレスまたはドラムプレスを使用して行うことを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の減量化処理方法。
  13. 前記固化材添加ステップの後、得られた処理物を7日間以上養生する請求項1ないし12のいずれかに記載の減量化処理方法。
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