JP2005319448A - 有機物を含む汚水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明が解決しようとする問題点は、大量に排出される動物性有機物を含む汚水を簡単な設備で迅速に処理が出来る処理方法を提示することにある。
【解決手段】 本発明の有機物を含む汚水処理方法は汚水である原水に300〜2,000ppmのポリ硫酸第二鉄を加えて攪拌反応させ、その後10ppm以上の濃度の有機凝集剤を加え、上層スカム層と中間層の水と下層の固形沈殿物とに分離させ、その状態に於いて中間層の液体を排出させ、固形物を残す。また、上記の有機物を含む汚水処理方法において遅くとも有機凝集剤を加える前の段階で古紙/活性炭添加を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の有機物を含む汚水処理方法は汚水である原水に300〜2,000ppmのポリ硫酸第二鉄を加えて攪拌反応させ、その後10ppm以上の濃度の有機凝集剤を加え、上層スカム層と中間層の水と下層の固形沈殿物とに分離させ、その状態に於いて中間層の液体を排出させ、固形物を残す。また、上記の有機物を含む汚水処理方法において遅くとも有機凝集剤を加える前の段階で古紙/活性炭添加を実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は屠殺場や食肉処理場、水産物加工場等から排出される動物性有機物を含む汚水の処理方法に関する。
畜産物を解体処理し食肉や皮革等を得る所謂屠殺場では、その処理に際して多量の洗浄水を必要とし、多量の汚水を排出する。例えば、成豚1頭を解体処理するに当たり、約1tの洗浄水が必要とされる。食肉、骨、内臓、皮等が分別取得され、洗浄水には血液や脂肪分、毛、臓器廃棄物や腸内汚物そして肉洗浄油といったものが混入されて排出される。その汚水が活性汚泥法で処理されると液体の他約10kgの汚泥が排出される。
この多量の汚水原液(以下原水という)は畜舎から出る屎尿処理とほぼ同様の方法で処理される。すなわち、原水槽に貯留して、そこからポンプにより固液分離装置に供給して糞等の固形分と液分に分離してそれぞれを処理する方法が採られている。従来の活性汚泥法による汚水処理装置に採用されている振動篩方式及び傾斜スクリーン方式の固液分離システムは、ホッパー状の汚水受けの傾斜開口部に傾斜状の網目スクリーンを配置してなり、傾斜スクリーンの上部に糞尿を含む原水をポンプにより供給して、網目スクリーンに沿って落下させることにより、液分はスクリーンの網目より落下しホッパー状の汚水受けから濾液槽に一旦ためてから、曝気槽等の次処理工程に送られる。一方、固形分はスクリーンに沿って流れてスクリーンの下端部から固形分収納ピッチに落下して堆積される。曝気槽では、エアレータにより曝気が行なわれて汚水中の汚泥物が活性汚泥微生物により分解される。曝気槽には一般には固定式のエアレータが設けられ、このエアレータにより微細な気泡を尿汚水に吹き込むことにより槽内を一定流速で攪拌して槽内の溶存酸素濃度を一定にし、活性汚泥微生物を培養して汚水処理をするのであるが、各自治体が定める排水基準を満たすまで約1週間かけて処理する。
ところで、従来からこの種糞尿が含まれる汚水を取り扱う活性汚泥処理は大がかりな設備が必要となって、土地の確保とその設備に莫大な費用が掛かるものであった。例えば特許文献1には畜産廃水等を浄化する工程において、曝気槽内の混合液の活性汚泥濃度の制御及び管理を煩雑な作業をすることなく簡単に、かつ効率よく行うことができるようにすることを課題とした廃水処理システムとして、廃水から固形物を除去するスクリーンと、該スクリーンで処理した廃水を攪拌する攪拌槽と、該攪拌槽から送られる廃水の残余固形物を除去する初期沈殿槽と、該初期沈殿槽から送られる廃水の曝気処理と分離膜による固液分離処理を行う曝気槽と、該曝気槽から送られる余剰汚泥と前記初期沈殿槽から送られる沈殿物を含む混合汚泥を曝気処理する汚泥貯留槽と、該汚泥貯留槽から送られる汚泥を脱水するフィルタープレスを備えたものが提示されている。曝気槽は、曝気を所定時間ごとに停止し、曝気停止後、所定時間静置して活性汚泥を沈殿させ、沈殿した活性汚泥を所定量残して抜き取り、曝気から活性汚泥の抜き取りまでの工程を繰り返すように制御されるものであり、設備的にはやはり大がかりなものとなっている。
特開2003−53364号公報 「曝気槽内の混合液の活性汚泥 濃度を制御する方法及び廃水処理 システム」 平成15年2月25日公開
本発明が解決しようとする問題点は、大量に排出される動物性有機物を含む汚水を簡単な設備で迅速に処理が出来る処理方法を提示することにある。
本発明の有機物を含む汚水処理方法は動物性有機物を含む汚水である原水に300〜2,000ppmのポリ硫酸第二鉄を加えて攪拌反応させ、その後10ppm以上の濃度の有機凝集剤を加え、上層スカム層と中間層の水と下層の固形沈殿物とに分離させ、その状態に於いて中間層の液体を排出させ、固形物を残す。
有機高分子凝集剤としてはアニオン系、カチオン系又はノニオン系のいずれかから選択するものとした。
また、上記の有機物を含む汚水処理方法において有機凝集剤を加える前の段階で古紙/活性炭添加を実行する。
有機高分子凝集剤としてはアニオン系、カチオン系又はノニオン系のいずれかから選択するものとした。
また、上記の有機物を含む汚水処理方法において有機凝集剤を加える前の段階で古紙/活性炭添加を実行する。
本発明の有機物を含む汚水処理方法は、原水にポリ硫酸第二鉄を加えて攪拌させることにより、一次反応を行わせ、しかる後カチオン系有機凝集剤を加えることにより、上層スカム層と中間層の水と下層の固形沈殿物とに綺麗に分離させることができ、その状態に於ける中間層の液体はそのままで、BOD、COD、SS値においてほぼ排出基準を満たすまでの清浄度が得られる。しかもその反応時間は1時間以内通常は30分程度で済むことから、従来大量に排出される洗浄液を何日間もかけて処理する大規模な処理施設は不要となり、コンパクトな処理槽で対応することが出来る。
排出される中間層の液体は高い清浄度を示すので、これを洗浄液として再利用することが出来るため、多量に必要とされている新たな洗浄液を大幅に減少させることが出来る。最終的に下水に排水する際に、排水基準を満たしていない場合には曝気処理を行って排水することになるが、本発明の方法によって排出される液体は基準値と遠く離れたものではないため、従来の曝気処理に比べ格段に簡単となる。
本発明で使用する有機高分子凝集剤としてはアニオン系、カチオン系又はノニオン系のいずれを選択しても基本的処理効果は変わらないが、排水する際の魚毒性の観点からは陽イオンであるカチオン系のものは魚の鰓に付着する問題があり、アニオン系とノニオン系のものは魚毒性の観点からも問題を生じることがない。
上記の有機物を含む汚水処理方法においてカチオン系有機凝集剤を加える前の段階で古紙添加を実行すると、液中に含まれる微細な膜状の固形物、すなわち濾過処理を行う際に厄介な目詰まりを起こさせる元凶となるこの微細な膜状の固形物が古紙に吸着され、後の処理が容易になる。
また、活性炭添加を行うと色抜け効果があり、透明度の高い処理液が得られ、特に処理水の洗浄液二次利用においては効果的である。
排出される中間層の液体は高い清浄度を示すので、これを洗浄液として再利用することが出来るため、多量に必要とされている新たな洗浄液を大幅に減少させることが出来る。最終的に下水に排水する際に、排水基準を満たしていない場合には曝気処理を行って排水することになるが、本発明の方法によって排出される液体は基準値と遠く離れたものではないため、従来の曝気処理に比べ格段に簡単となる。
本発明で使用する有機高分子凝集剤としてはアニオン系、カチオン系又はノニオン系のいずれを選択しても基本的処理効果は変わらないが、排水する際の魚毒性の観点からは陽イオンであるカチオン系のものは魚の鰓に付着する問題があり、アニオン系とノニオン系のものは魚毒性の観点からも問題を生じることがない。
上記の有機物を含む汚水処理方法においてカチオン系有機凝集剤を加える前の段階で古紙添加を実行すると、液中に含まれる微細な膜状の固形物、すなわち濾過処理を行う際に厄介な目詰まりを起こさせる元凶となるこの微細な膜状の固形物が古紙に吸着され、後の処理が容易になる。
また、活性炭添加を行うと色抜け効果があり、透明度の高い処理液が得られ、特に処理水の洗浄液二次利用においては効果的である。
本発明者は従来の大がかりな浄化処理設備を要する廃水処理を抜本的に改革するため、種々の試みの中で原水をまず最初に固形物を除去する固液分離を行い、分離液に対して曝気処理を施すという固定観念を捨て、原水に直接凝集剤を投下して固液を分離してしまうことに想到し、屠殺場から出される血液や糞尿、臓器廃物等が含まれる洗浄排水を凝集させるのに効果的な凝集剤として第1段の処理にポリ硫酸第二鉄を用い、第2段の処理にカチオン系、アニオン系若しくはノニオン系いずれかの有機凝集剤を組み合わせると抜群の分離効果が得られることに行き着いたものである。この処理により中間層に分離された液体は驚くほど澄み切っており、分析によって確認したところ千葉県が定める排水基準に見合うレベルに達していた。原水を直接処理するだけで、しかも30分程度の凝集反応を起こさせるだけの処理で直接排水が可能な程度まで分離できることが確認された。用いるポリ硫酸第二鉄の量は原水の汚れの程度に合わせて調合されるが、好ましくは400ppm〜2000ppmを用い、有機凝集剤の量は10ppm以上が目安となる。
また、本発明者は有機物を含む汚水処理方法においてカチオン系有機凝集剤を加える前の段階で細かい古紙繊維を原水に混ぜて上記の処理を実行すると、液中に含まれる微細な膜状の固形物が古紙に吸着され、後の処理が容易になるとの知見を試行を繰り返す中で得ることが出来た。古紙に換えておが屑を使用することも出来るが、その場合、おが屑から木の色素が抽出され、水の透明度を落とすため、古紙繊維を用いる方がよい。この古紙を加える時点は基本的にカチオン系有機凝集剤を加える前の段階であればよいが、ポリ硫酸第二鉄を用いる第1段の処理の前に原水に混入させるのが最も効果的である。混入する古紙の量は原水1tに対し1kg〜2kgが目安となる。なお、本処理によって除去される液中に含まれる微細な膜状の固形物は、濾過処理を行う際に厄介な目詰まりを起こさせる元凶である。
図1に本発明の汚水処理のフローチャートを示す。ステップ1で原水貯留槽に細かくされた古紙を投入し、攪拌する。古紙が均一に混合されたならステップ2としてポリ硫酸第二鉄を投入して攪拌する。ステップ3として10ppm以上の有機凝集剤を加えてから攪拌し、凝集反応を行わせる。凝集反応が完結した後、ステップ4として攪拌を停止して放置する。すると上層にスカム層が、中間層に水が、そして下層に沈殿固形物と分離されるので、ステップ5では中間層の水を二次槽に排出させる。この二次槽の水は解体処理の際に食肉洗浄以外の洗浄水として再利用することができる。ステップ6で原水貯留槽に残った上層のスカム層と下層の沈殿固形物とを一緒にして汚泥槽に排出させる。この汚泥は微生物を用いて堆肥処理して土地還元させる。ここで処理をすべき原水が他にあるかを判断し、ある場合にはステップ7に進み、次のバッチの原水を原水貯留槽に導入し再度ステップ1からの作業を繰り返す。原水処理作業を終えた段階でステップ8に進み二次槽の水は二次処理のため他の処理槽に移して二次処理を行い排出基準を満たす処理を行う。ステップ9で処理水を排水路に放出して作業を終了する。
次ぎに、屠殺場から排出された排水を槽内に溜め、処理原水に対しポリ硫酸第二鉄を加えてから攪拌して第1段処理を施し、カチオン系の有機凝集剤(KP201G:ダイヤニトリックス(株)の商品名)を30ppm加えてから攪拌して第2段処理を施す本発明の処理方法を条件を変えて実行したものから中間層の液体を取り出し、サンプルとして分析した結果を以下に示す。サンプル1は500ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたもの、サンプル2は1000ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたものでPH値は4.4、サンプル3は1000ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたものでPH値を苛性ソーダを用いて6.0 に調整したもの、サンプル4は2000ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたものでPH値を苛性ソーダを用いて6.0に調整したもの、サンプル5は500ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたものに古紙繊維を加え混合したもの、そしてサンプル6は原水を比較用にサンプルとしたものである。試験法はJISK 0102 21及び32.3 による。
計量結果は表1に示すとおりである。
ここで、BODとは生化学的酸素要求量、CODは化学的酸素要求量、そしてSSは固形物・浮遊物質量を示している。生物の住み難さを示すBODについては原水(サンプル6)が2,240 であったものが本発明のサンプル1では51に、サンプル2では42に、サンプル3では75に、サンプル4では86に、そしてサンプル5では86にそれぞれ激減しているのが確認できる。また、水の汚染度を示すCODについては原水(サンプル6)が540であったものが本発明のサンプル1では25に、サンプル2では24に、そしてサンプル5では23とやはりこの値もそれぞれ激減しているのが確認できる。固形異物含有量を示すSS値は原水(サンプル6)が1,232であったものが本発明のサンプル1では56に、サンプル2では54に、そしてサンプル5では42とやはりこの値もそれぞれ激減しているのが確認できる。ここで注目すべきはサンプル1とサンプル5の値であるが、同じ500ppmのポリ硫酸第二鉄を加えて処理したものであるが、古紙添加を行った方がBOD値に於いて51から70へとかえって悪くなっている。しかし、COD値に於いては25から23へと若干良くなっており、SS値に於いて56から42へとかなり改善されている。これは古紙に吸着された微細な膜状の固形物の量の減少を示しており、前述したように後の処理が容易となるメリットを伴う。したがって、本発明者はサンプル1よりサンプル5の方を好適条件とする。
また、同じ1000ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えたものであってもPH値が4.4 であるものと苛性ソーダを用いて6.0に調整したものとではBODの値が異なることから本発明の反応にはPH値が影響することが推測されるが、この点の解析はまだできていない。PH値が4.4 であったもののBOD値はサンプル1よりも良い値であるが、PH値をサンプル1、サンプル5と同様に6程度としたものでは75に落ちていることから、PH値を調整することで更に良い処理が可能となる可能性があるが、とりあえず500ppmの割合でポリ硫酸第二鉄を加えるのが優れた条件と判断した。
次ぎに、有機凝集剤としてノニオン系のものを用いた例を示す。カチオン系は陽イオンであるため、河川に処理水を排水した場合、電気的に陰性を示す魚の鰓に付着し魚に害を及ぼすという問題が生じる。この魚毒性を考慮すると本発明において用いる有機凝集剤は陰イオンであるアニオン系若しくは中性であるノニオン系のものを採用するのが好適である。また、脱色効果を向上させるため、古紙と共に活性炭を混入することが有効であることからどの程度の添加量が必要であるかの試験を行った。
屠殺場から排出された処理原水に古紙と活性炭を混合したものを投入して攪拌した後、攪拌を続けながらポリ硫酸第二鉄を400ppm加えて第1段処理を施した。なお、このポリ硫酸第二鉄の量は原水の状態を観察して調整するが、原水の状態により300ppm程度の使用量から実施出来る。ノニオン系の有機凝集剤(NP780:ダイヤニトリックス(株)の商品名)を30ppm加えてから攪拌して第2段処理を施す。このようにした処理槽から中間層の液体を取り出し、サンプルとして分析した結果を以下に示す。サンプル1は添加物なしのもの、サンプル2は原水300ccにつき古紙を0.3g、活性炭は0.3gだけ加えたもの、サンプル3は原水300ccにつき古紙を0.3gと活性炭を0.5g加えたもの、サンプル4は原水300ccにつき古紙を0.3gと活性炭を0.7g加えたもの、そしてサンプル0は原水を比較用にサンプルとしたものである。活性炭を添加することにより、処理液の色抜け効果が顕著に現れる。試験法はPHについてはJISK 0102 12.1、BODについてはJIS K 0102 21及び32.3、 CODについてはJIS K 0102 17、そしてSSについてはS46環告第59号付表8によった。なお、原水のPHは7.6であったが、本発明の処理では苛性ソーダを使用してPH値を5.9に調整した。
屠殺場から排出された処理原水に古紙と活性炭を混合したものを投入して攪拌した後、攪拌を続けながらポリ硫酸第二鉄を400ppm加えて第1段処理を施した。なお、このポリ硫酸第二鉄の量は原水の状態を観察して調整するが、原水の状態により300ppm程度の使用量から実施出来る。ノニオン系の有機凝集剤(NP780:ダイヤニトリックス(株)の商品名)を30ppm加えてから攪拌して第2段処理を施す。このようにした処理槽から中間層の液体を取り出し、サンプルとして分析した結果を以下に示す。サンプル1は添加物なしのもの、サンプル2は原水300ccにつき古紙を0.3g、活性炭は0.3gだけ加えたもの、サンプル3は原水300ccにつき古紙を0.3gと活性炭を0.5g加えたもの、サンプル4は原水300ccにつき古紙を0.3gと活性炭を0.7g加えたもの、そしてサンプル0は原水を比較用にサンプルとしたものである。活性炭を添加することにより、処理液の色抜け効果が顕著に現れる。試験法はPHについてはJISK 0102 12.1、BODについてはJIS K 0102 21及び32.3、 CODについてはJIS K 0102 17、そしてSSについてはS46環告第59号付表8によった。なお、原水のPHは7.6であったが、本発明の処理では苛性ソーダを使用してPH値を5.9に調整した。
サンプル液の色抜けの程度を図2の写真に示す。カラー写真でないのでその状態は判り難いがサンプル0の原水は褐色に懸濁している。添加する活性炭は量が多いほど透明度を増すであろうことは予測できるが、事実サンプル1から4まで順番に透明度が増しているのが確認できる。サンプル1はやや濁りをが気になるがサンプル2以上は洗浄水に再利用可能な水である。計量結果は表2に示すとおりである。この場合、活性炭の量は原水300ccに対して0.5gで十分な効果が見られた。
目視上最も良好であったサンプル4について、BOD値は61mg/l,COD値は37mg/l,SS値は12mg/lであった。
千葉県が定めている排出基準は旧江戸川河口から富津岬までの海域と、印旛沼、手賀沼等の第1種水域、富津岬から須崎灯台までの第2水域、そして第1,2以外の海域の第3水域に分けて基準が決められているが、ここに参考のため、第1水域の排水基準を表3に示す。
この表から判るように排水量による区分と新規施設と既設の施設に課せられる条件は異なっている。しかし、ここで着目すべきは本発明の処理法による中間水は既にこの基準が定めるBOD、COD、SSのオーダーに届いており、新設の施設などでは直接排水ができず、二次処理が必要となる可能性があるが、既に規制値近くまでできあがっているので従来のような長時間にわたる曝気処理や大型の設備は必要がなく、設備にかかる経済的負担が格段に低くなることは明らかである。
ここに、カチオン系の有機凝集剤を用いた本発明の実施例を示す。この実施例では図3に示すようにステップ1で原水貯留槽にポリ硫酸第二鉄を500ppm の量に相当する725mg/lを投入して攪拌する。この量はポリ硫酸第二鉄の比重を1.45とし、比重換算して算出したものである。全体に均一に混合し反応が開始されたなら、ステップ2として細かくされた古紙を10kg/1tの割合で投入し、攪拌する。このタイミングは処理量にもよるがポリ硫酸第二鉄が混合されてから5分程度でよい。古紙が均一に混合されたならステップ3としてカチオン系の有機凝集剤(KP201G:ダイヤニトリックス(株)の商品名)を30ppm加えてから攪拌し、凝集反応を行わせる。凝集反応が完結した後、ステップ4として攪拌を停止して30〜40分放置する。すると上層にスカム層が、中間層に水が、そして下層に沈殿固形物と分離されるので、ステップ5では中間層の水を二次槽に排出させる。この二次槽の水は解体処理の際に食肉洗浄以外の洗浄水として再利用することができる。ステップ6で原水貯留槽に残った上層のスカム層と下層の沈殿固形物とを一緒にして汚泥槽に排出させる。この汚泥は微生物を用いて堆肥処理して土地還元させる。ここで処理をすべき原水が他にあるかを判断し、ある場合にはステップ7に進み、次のバッチの原水を原水貯留槽に導入し再度ステップ1からの作業を繰り返す。原水処理作業を終えた段階でステップ8に進み二次槽の水は二次処理のため他の処理槽に移して二次処理を行い排出基準を満たす処理を行う。ステップ9で処理水を排水路に放出して作業を終了する。
次ぎにノニオン系の有機凝集剤を用いた本発明の実施例を示す。図1のフローチャートに沿って、まずステップ1で細かくされた古紙と活性炭を等重量分づつ混合したものを6.6g/1リットルの割合で原水貯留槽に投入し、攪拌する。古紙が均一に混合されたならステップ2として原水貯留槽にポリ硫酸第二鉄を400ppmの量に相当する580mg/1リットルを投入して攪拌する。この量はポリ硫酸第二鉄の比重を1.45とし、比重換算して算出したものである。全体に均一に混合し反応が開始されたなら、タイミングは処理量にもよるがポリ硫酸第二鉄が混合されてから5分程度でよい。ステップ3としてノニオン系の有機凝集剤(NP780:ダイヤニトリックス(株)の商品名)を30ppm加えてから攪拌し、凝集反応を行わせる。凝集反応が完結した後、ステップ4として攪拌を停止して30〜40分放置する。すると上層にスカム層が、中間層に水が、そして下層に沈殿固形物と分離されるので、ステップ5では中間層の水を二次槽に排出させる。この二次槽の水は解体処理の際に食肉洗浄以外の洗浄水として再利用することができる。ステップ6以下は先のカチオンの場合と同様である。古紙と活性炭の添加は有機凝集剤の投入前であれば良いが、最も効果的なのはポリ硫酸第二鉄の投入前の原水に混入しておくのが最も効果的である。
本発明は屠殺場から排出される廃水を処理する技術として開発されたが、この処理方法は畜舎から出される糞尿処理や水産物処理場、その他食品洗浄水等動物性有機物を含む汚水の処理に応用することができる。いずれの場合も従来設備による処理に比べ格段に簡便且つ迅速な処理が可能となる。
Claims (6)
- 動物性有機物を含む汚水である原水にポリ硫酸第二鉄を加えて攪拌反応させ、その後有機高分子凝集剤を加えて攪拌し、上層スカム層と中間層の水と下層の固形沈殿物とに分離させ、その状態に於いて中間層の液体を排出させ、固形物を残すステップを踏む有機物を含む汚水処理方法。
- ポリ硫酸第二鉄は300〜2,000ppmの濃度となる量を、有機高分子凝集剤は10ppm以上の濃度となる量を加える請求項1に記載の有機物を含む汚水処理方法。
- 有機高分子凝集剤はアニオン系、カチオン系又はノニオン系のいずれかから選択されるものである請求項1または2に記載の有機物を含む汚水処理方法。
- 遅くとも有機高分子凝集剤を加える前の段階で古紙添加を実行する請求項1乃至3のいずれかに記載の有機物を含む汚水処理方法。
- 遅くとも有機高分子凝集剤を加える前の段階で活性炭添加を実行する請求項1乃至4のいずれかに記載の有機物を含む汚水処理方法。
- 古紙と活性炭を混合したものを原水に投入して攪拌した後、ポリ硫酸第二鉄を加えるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の有機物を含む汚水処理方法。
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