JP4260773B2 - 洋生菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油脂を含む洋生菓子の製造方法に関する。
洋生菓子は、小売店においてショーケースに陳列され、販売されることが多いが、特に洋生菓子が透明容器に包装されたものである場合、ショーケースの照明からの光により風味劣化することが知られている。
このような光照射による風味劣化は、光により励起されたラジカルによる酸化反応であって、水分が多い食品で進行が速く、油脂を含む食品では風味劣化が著しいことがわかっている。洋生菓子は、水分と油脂とを多く含むために風味劣化の影響が大きい。また、洋生菓子は、通常流動性が少ないものであるため、特定の部位に連続的に光が照射されることとなり、その結果、酸化反応を引き起こす過酸化物が生じるおそれが高い。
このような問題を解決する方法として、ビタミンC、ビタミンE、アントシアニン、タンニン、クロロゲン酸、カテキン、カロチノイド、酵素処理ルチン、エンジュ抽出物、生コーヒー豆抽出物、米ぬか抽出物、ヤマモモ抽出物、ザクロ抽出物等の酸化防止効果のある物質を、洋生菓子に添加する方法がある。また、特許文献1には、アスコルビン酸の添加により、酸化安定性を向上させる方法が開示されている。
その他には、洋生菓子から酸素を排除する方法、洋生菓子の包装にUVカット剤が添加された容器を使用する方法等がある。
特開平10−84866号公報
しかしながら、酸化防止効果のある物質を添加する方法では、このような物質は特有の色調や風味を有している場合や、自身の酸化により色調や風味が変化する場合が多い。よって、風味、色調やその変化が問題にならない範囲内で添加される必要があり、十分な効果が得られていない。
酸素を排除する方法としては、ガスバリア性のある素材の容器を使用し、その中に洋生菓子を満量充填して密封することにより、容器内に酸素を含む空間部分が存在しないようにする方法と、容器内の空間部分の空気を窒素や炭酸ガスで置換する方法とがある。
ところが、これらの方法は、洋生菓子に溶け込んでいる溶存酸素により酸化が起こる場合には効果がない。また、デコレーションされた洋生菓子については、満量充填する方法は適用困難であり、仮に適用できたとしても、容器の蓋を開封する際に洋生菓子が飛び出るおそれなどがあり、好ましい方法ではない。一方、窒素や炭酸ガスで容器内の空気を置換する方法は、デコレーションされ複雑な外形を有する洋生菓子では置換率が低くなり、十分な効果が得られない。
UVカット剤が添加された容器を使用する方法では、太陽光に対してはある程度の効果を発揮するが、蛍光灯からの可視光はカットしないので、蛍光灯が設置されたショーケースでは効果が認められない。
また、他の方法として、包装用の容器を着色したり遮光したりする方法があるが、透明容器で洋生菓子を見せて販売するという商品設計には採用できない方法である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、洋生菓子の色調、風味に悪影響を与えたり、洋生菓子のデコレーション方法や包装方法などに制限を加えたりすることなく、洋生菓子の光照射による風味劣化を効果的に抑制することを課題とする。
本発明者らは、油脂を含む洋生菓子に酸化防止効果のある物質を添加して、光照射による風味劣化を抑制しようとする場合について鋭意検討した結果、油脂と酸化防止効果のある物質とを分けてそれぞれ殺菌してから、油脂と酸化防止効果のある物質とを混合するとともに、特に油脂の殺菌を、特定の方法で行うことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の洋生菓子の製造方法は、油脂と酸化防止効果のある物質とを含有する洋生菓子の製造方法であって、前記油脂と前記酸化防止効果のある物質とを分けて殺菌する殺菌工程と、該殺菌工程の後に、前記油脂と前記酸化防止効果のある物質とを混合する混合工程とを有するとともに、前記殺菌工程での前記油脂の殺菌は、前記油脂に加熱媒体を接触させた後、該加熱媒体を回収する方法によりなされることを特徴とする。
前記酸化防止効果のある物質は、ビタミンE、ザクロ抽出物、カテキン、酵素処理ルチン、エンジュ抽出物、生コーヒー豆抽出物、米ぬか抽出物、ヤマモモ抽出物からなる群より選ばれる1種類以上であることが好ましい。
本発明によれば、洋生菓子の色調、風味に悪影響を与えたり、洋生菓子のデコレーション方法や包装方法に制限を加えたりすることなく、洋生菓子の光照射による風味劣化を効果的に抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法で製造される洋生菓子は、プリン、ババロア、ムース、ブラマンジェ、フラワーペースト、ホイップクリーム、クリームトッピングされたデザートのクリーム部分などであって、油脂を含むものである。
なお、本明細書で「クリーム」とは、食品衛生法の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令でいう「クリーム」に限定されず、所謂コンパウンドクリーム(乳脂肪以外の脂肪を含む)及びノンデイリークリーム(乳脂肪を含まない)を含めて「クリーム」という。
本発明の製造方法は、このような洋生菓子に対して酸化防止効果のある物質(以下、酸化防止物質という。)を添加して、光照射による風味劣化(以下、光風味劣化という。)が抑制された洋生菓子を製造するものであって、まず、油脂と酸化防止物質とを分けて、それぞれ個別に殺菌し(殺菌工程)、その後、これらを混合する(混合工程)。
このように殺菌工程と混合工程とを行うことにより、添加される酸化防止物質の効果を十分に生かすことができる。すなわち、洋生菓子の光風味劣化は、まず、洋生菓子中の水を連続相とする部分(水相部分)に光が照射されることで過酸化物が生じ、ついで、この過酸化物が洋生菓子中の油脂と接触することで油脂が酸化され風味劣化するというメカニズムで進行すると考えられる。そのため、酸化防止物質の効果を十分に生かすためには、酸化防止物質を洋生菓子の油脂ではなく水相部分にできるだけ存在させ、水相部分での過酸化物の発生を抑えることが重要であると推察できる。よって、油脂と酸化防止物質とを分けてそれぞれ個別に殺菌してから、これらを混合することにより、酸化防止物質の作用部位を油脂側に存在させることなく、水相部分に安定に存在させることができ、その結果、水相部分での過酸化物の発生を抑制できると考えられる。ここで、仮に油脂と酸化防止物質とを殺菌前に共存させると、酸化防止物質の効果が十分に発現しなくなるが、それは、殺菌時の加熱により酸化防止物質の作用部位の少なくとも一部が油脂側に含まれやすくなるためと考えられる。
酸化防止物質としては、ビタミンE、ザクロ抽出物、カテキン、酵素処理ルチン、エンジュ抽出物、生コーヒー豆抽出物、米ぬか抽出物、ヤマモモ抽出物、アントシアニン、タンニン、クロロゲン酸、カロチノイドなどが例示できる。これら酸化防止物質のうち、特に、ビタミンE、ザクロ抽出物、カテキン、酵素処理ルチン、エンジュ抽出物、生コーヒー豆抽出物、米ぬか抽出物、ヤマモモ抽出物は、洋生菓子の色調や風味に与える影響が少なく、汎用的に使用でき好ましい。これら酸化防止物質は1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
酸化防止物質の好ましい添加量は、洋生菓子中100〜500ppmとなる範囲である。添加量が100ppm以上であると、光風味劣化を抑制する効果が十分に得られ、500ppm以下であると、酸化防止物質の添加が洋生菓子の色調や風味に悪影響を与えることがない。
また、上述したように、酸化防止物質の作用部位が、洋生菓子中において、水相部分に存在することがその効果を十分に生かす点で重要であると推察される。よって、酸化防止物質をあらかじめ適当な溶媒に分散させ製剤化しておくなどして、水相部分に分散しやすい形態としておくことが好ましい。
油脂としては、動物性、植物性のいずれでもよく、また、乳製品やチョコレート等のように、食品素材由来のものでもよい。また、油脂として水素添加硬化油脂を使用してもよい。水素添加硬化油脂を使用すると、得られる洋生菓子の光風味劣化を著しく抑制できるものの、風味、食感及び栄養的価値を低下させる傾向があるため、これらの点を考慮して使用することが望ましい。
殺菌工程では、油脂と酸化防止物質とを別々にして、それぞれ個別に殺菌する限り、他の成分が油脂や酸化防止物質と共存していてもよい。
他の成分としては、例えば、乳・乳製品、糖類、でん粉類、卵・卵加工品、豆・豆加工品、果実・野菜類、ナッツ類、チョコレート類、酒類等の食品素材や、甘味料、香料、着色料、乳化剤、調味料、酸味料、強化剤、ゲル化剤、増粘安定剤等の添加物がある。
具体的には、A成分として、油脂と、必要に応じて他の成分や水などが配合された原料液を調製し、B成分として、酸化防止物質と、必要に応じて他の成分や水などが配合された原料液を調製し、その後、これらをそれぞれ殺菌すればよい。ただし、添加物として乳化剤を使用する場合には、乳化剤をB成分ではなくA成分に添加して、酸化防止物質とは分けておくことが好ましい。ここで乳化剤と酸化防止物質とを分けておくことにより、殺菌工程後の混合工程で油脂と酸化防止物質とを混合しても、酸化防止物質の作用部位が油脂に含まれにくく、洋生菓子の水相部分に安定に存在しやすくなると考えられる。また、その他の食品素材を使用する場合、食品素材は油脂を含有することがあるため、A成分に添加しておくことが好適である。さらに、糖類、ゲル化剤、酸味料を使用する場合、これらは、A成分のホイップ適性や乳化安定性を阻害するおそれがあるため、B成分に添加されることが好ましい。また、増粘安定剤を使用する場合、その増粘安定剤がA成分のホイップ適性や乳化安定性を阻害するおそれがある場合にはB成分に添加され、寄与する場合にはA成分に添加されることが好ましい。
殺菌工程における油脂の殺菌は、油脂に加熱媒体を接触させた後、この加熱媒体が油脂中に残存しないように回収する方法で行う。加熱媒体としては、通常、水蒸気が使用される。このような殺菌方法によれば、油脂に加熱媒体を直に接触させるため、加熱されたプレートを用いるプレート式殺菌法などの他の方法に比べて、香味成分や色調の変化を抑制しながら殺菌できる。さらに、加熱媒体を油脂に接触させた後、回収することにより、加熱媒体が油脂中に残存せず、加熱媒体中の溶存酸素による油脂の酸化を防止でき、それに起因した光風味劣化を抑制できる。
このような油脂の殺菌は、水蒸気を加える加熱部と、加えた水蒸気を減圧下で回収する減圧槽を備えた冷却部とを有する直接加熱式殺菌機により行うことができる。このような殺菌機としては、例えば、スチームインジェクション式殺菌機(例えば、商品名:インジェクション式UHT殺菌機;APV社製)、スチームインフュージョン式殺菌機(例えば、商品名:インフュージョン式UHT殺菌機;APV社製)、直接加熱式UHT殺菌機(商品名:MDU;森永乳業社製)が例示できる。
油脂の殺菌条件は、120〜140℃で、2〜4秒間保持する条件が望ましい。ここで120〜140℃とは、殺菌機の加熱部において最も高温部分の温度である。温度が低い場合や保持時間が短すぎる場合には殺菌効果が不十分となり、温度が高い場合や保持時間が長過ぎる場合には、香味成分の変化や色調の褐変化が起り易い。
このようにして油脂を殺菌した後、3〜7℃程度まで冷却する。
なお、油脂を殺菌する際の加熱中またはその後の冷却中には、必要に応じて、油脂を均質機で均質化してもよい。
殺菌工程における酸化防止物質の殺菌は、どのような方法および条件で行ってもよいが、通常110〜130℃で1〜5秒間保持に相当する条件が好適である。
殺菌後には、酸化防止物質を40〜50℃程度まで冷却する。
以上のように油脂と酸化防止物質とを分けて、それぞれ殺菌した後、冷却された油脂と酸化防止物質とを混合する。そして、洋生菓子の種類に応じて必要な処理(冷却、デコレーションなど)を適宜行うことにより、洋生菓子が製造できる。
このような製造方法によれば、油脂を含む洋生菓子に酸化防止物質を添加して光風味劣化を抑制するに際して、油脂と酸化防止物質とを分けて殺菌してから混合するので、酸化防止物質の効果を十分に発揮させることができる。よって、酸化防止物質を過剰に添加する必要がなく、酸化防止物質の添加が洋生菓子の色調、風味などに悪影響を与えることがない。さらに、このような製造方法によれば、油脂の殺菌を、油脂に加熱媒体を直に接触させた後、この加熱媒体を回収する方法により行うので、短時間で殺菌でき、香味成分や色調の変化が抑制されるうえ、加熱媒体中の溶存酸素による油脂の酸化を防ぐことができ、光風味劣化を一層低減できる。
また、このような製造方法は、洋生菓子のデコレーション方法や包装方法などに制限を加えることなく光風味劣化を抑制でき、その点でも非常に優れている。
光照射による酸化反応は、(1)活性酸素を減らす、(2)ラジカル反応を終止させる、(3)電子伝達を媒介する金属イオンをキレートする、(4)光を吸収する、といった複数の方法で抑制できると考えられる。以上説明した製造方法によれば、油脂と酸化防止物質とを個別に殺菌してから混合することで、酸化防止物質による(2)〜(4)の効果を十分に発現させることが期待でき、油脂の殺菌を上述の特定の方法で行うことで(1)の効果が期待できる。さらに、油脂と酸化防止物質とを個別に殺菌してから混合するとともに、油脂の殺菌を上述の特定の方法で行うことにより、詳細は明らかではないが、相乗効果により一層効果的に光風味劣化が抑制されると推察される。
以下、試験例と実施例により本発明を具体的に説明する。なお以下、表中の配合割合は、質量比で示している。
[試験例]
(A成分とB成分の調製)
(1)A成分
A成分として、No.1〜3の原料液を調製した。
No.1の調製は次のようにした。まず、表1の(a)の配合割合に従い、原料を混合し、65℃に加温した。ついでこれを、均質機を内蔵するプレート式UHT殺菌機(商品名:MAU;森永乳業社製)で、130℃で2秒保持する条件で殺菌し、冷却部で80℃に冷却したところで、均質機で1段目50MPa、2段目10MPaの条件で均質化し、さらに、冷却部で5℃に冷却した後、5℃,14時間のエージングを行った。
No.2の調製は、殺菌機として、均質機を内蔵する直接加熱式UHT殺菌機(商品名:MDU;森永乳業社製)を使用した以外は、No.1と同一の条件で実施した。
No.3の調製は、配合割合を表1の(b)とした以外は、No.2と同一の条件で実施した。
なお、直接加熱式UHT殺菌機(商品名:MDU;森永乳業社製)は、加熱媒体として水蒸気を加える加熱部と、加えた水蒸気を減圧下で回収する減圧槽を備えた冷却部とを有する直接加熱式殺菌機である。
(2)B成分
B成分として、No.11〜20の原料液を調製した。
いずれも表2の配合割合に従って原料を混合した後85℃に加温し、10分間保持した後45℃に冷却して、調製した。
Figure 0004260773
Figure 0004260773
[試験1]
(目的)
この試験は、A成分の殺菌方法の違いと酸化防止物質の有無による、光風味劣化の程度を比較する目的で実施された。
(試料の調製:テストNo.21〜24)
A成分は、No.1と2を用い、B成分は、No.11と12を用い、表3に示すように組み合わせ、試料を調製した。具体的には、A成分を卓上ホイッパー(商品名:MOホイッパー;森永乳業社製)でホイップして180%のオーバーランを出させた後、A成分:B成分の比が85:15(質量)になるようにB成分を添加し均一に混合した。ついで、これを透明プラスチックカップ(商品名:PPカップ;大日本印刷社製)に50gずつ充填し、透明プラスチックフィルム(商品名:PET蓋フィルムロール;東洋アルミニウム社製)を被せ、ヒートシール装置(商品名:オートカップシーラー;サニーパッケージ社製)でシールし、冷蔵庫で10℃に冷却して、調製した。
(評価方法)
試料をショーケース(商品名:SAR-360FLG;サンヨー電機社製)に入れ、1500Lxで5日間連続光照射したものを官能評価した。
官能評価は、「順位法の検定表を用いる方法」(古川秀子、おいしさを測る−食品官能検査の実際−、p28,幸書房、1994年)に基づき、10人の味覚審査員に風味の良い順に試料に順位をつけさせ、各試料の順位合計を求め、各試料間の順位合計差の絶対値を求め、その数値から順位法の検定表から有意水準を判定した。
また、これ等の試料の光照射前と後について、光風味劣化の指標物質であるヘキサナール(Hexanal)の量を液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS、商品名:SL;Agilent Technologies社製)にて求めた。その際の測定条件は、以下の通りである。また、これらの結果を表3に示す。
(a)HPLC
移動相 A;30mM CHCOONH
B;AcCN
A:B=20:80
カラム SUPELCO Discovery HS C18
25cm×2.1mm、0.5um
カラム流速 0.200ml/min
カラム温度 40.0℃
試料量 1.0μl
(b)検出器
検出器 マススペクトロメータ
イオン化モード API−ES
極性 (−)
検出モード SIM
Figure 0004260773
(結果)
表3より、官能評価では、風味が良いテストNo.の順に、24>22≧23≧21であった。
>:記号の左が右より上位で統計的有意差がある。
≧:記号の左が右より上位であるが統計的な有意差はない。
ヘキサナール(Hexanal)の量は、光照射後と光照射前の差が少ない順に、24、22、23、21であり、ほぼ官能評価の順位と一致している。
(考察)
この試験の結果より、加熱媒体として水蒸気を加える加熱部と、加えた水蒸気を減圧下で回収する減圧槽を備えた冷却部とを有する直接加熱式殺菌機で殺菌したA成分に、酸化防止物質を含むB成分を混合することにより、光風味劣化が軽減されることが分かった。
[試験2]
(目的)
この試験は、酸化防止物質を添加する成分を比較する目的で実施された。
(試料の調製:テストNo.31〜32)
A成分はNo.2と3を用い、B成分はNo.11と12を用い、表4に示すように組み合わせ、試験1と同一の方法で試料を調製した。
(評価方法)
光照射は、試験1と同一条件で行い、官能評価は、2点嗜好試験法(古川秀子、おいしさを測る−食品官能検査の実際−、p21,幸書房、1994年)に基づき、20人の味覚審査員に風味の良い方を選択させた。
テストNo.、A成分とB成分の組み合わせ、官能評価の結果を表4に示す。
Figure 0004260773
(結果)
表4より、No.31が32より有意に風味が良いとして選択された。
(考察)
この試験の結果より、酸化防止物質をB成分に添加した方が、光風味劣化が少ないことが分かった。
[試験3]
(目的)
この試験は、酸化防止物質を検索する目的で実施された。
(試料の調製:テストNo.41〜48、51〜58)
A成分はNo.1と2を用い、B成分はNo.13〜20を用い、表5に示すように組み合わせ、試験1と同一の方法で調製した。
(評価方法)
光照射は、試験1と同一条件で行い、官能評価は、2点嗜好試験法(古川秀子、おいしさを測る−食品官能検査の実際−、p21,幸書房、1994年)に基づき、20人の味覚審査員に風味の良い方を選択させた。
テストNo.、A成分とB成分の組み合わせ、比較テストNo.の組み合わせ、官能試験の結果を表5に示す。
Figure 0004260773
(結果)
表5より、51>41、52>42、53>43、54>44、55>45、56>46、57>47、58>48であった。(>:記号の左が右より上位に統計的有意に風味がよい。)
(考察)
この試験の結果より、どの酸化防止物質を用いても、A成分を加熱媒体として水蒸気を加える加熱部と、加えた水蒸気を減圧下で回収する減圧槽を備えた冷却部とを有する直接加熱式殺菌機で殺菌した方が、光風味劣化が少ないことが分かった。
[実施例1]
A成分は、表6のテストNo.61の配合割合に従い、試験例と同一の直接加熱式UHT殺菌機を用い、試験例と同一条件で調製した。B成分は、表7のNo.71の配合割合に従い、混合溶解した後、チューブラー式UHT殺菌機(商品名:チューブラー殺菌機;森永エンジニアリング社製)を用い、100℃、2秒保持で殺菌し、冷却して45℃にして調製した。A成分を試験1と同一条件でホイップし、A成分とB成分の比が60:40(質量)になるように混合し、カップ充填機(商品名:MTYパッカー;トーワテクノ社製)で、透明プラスチックカップ(商品名:PPカップ;大日本印刷社製)に60g充填した。そして、これに透明プラスチックフィルム(商品名:PET蓋フィルムロール;東洋アルミニウム社製)を被せ、ヒートシール装置でシールし、冷蔵庫にて10℃に冷却してストロベリーババロア製造した。
このストロベリーババロアは、ショーケース(商品名:SAR-360FLG;サンヨー電機社製)に入れ、1500Lxで5日間連続光照射しても、光風味劣化が少なく、良好な風味であった。
[実施例2]
A成分は、表6のテストNo.62の配合割合に従い、試験例と同一の直接加熱式UHT殺菌機を用い、試験例と同一条件で調製した。B成分は、表7の72の配合割合に従い、混合溶解した後、プレート式UHT殺菌機(商品名:MAU;森永乳業社製)を用い、120℃,2秒保持で殺菌し、冷却して50℃にして調製した。A成分とB成分の比が50:50(質量)になるように混合し、カップ充填機(商品名:MTYパッカー;トーワテクノ社製)で、透明プラスチックカップ(商品名:PPカップ;大日本印刷社製)に120g充填した。そして、これに透明プラスチックフィルム(商品名:PET蓋フィルムロール;東洋アルミニウム社製)を被せ、ヒートシール装置でシールし、冷蔵庫にて10℃に冷却してブラマンジェを製造した。
このブラマンジェは、ショーケース(商品名:SAR-360FLG;サンヨー電機社製)に入れ、1500Lxで5日間連続光照射しても、光風味劣化が少なく、良好な風味であった。
Figure 0004260773
Figure 0004260773

Claims (2)

  1. 油脂と酸化防止効果のある物質とを含有する洋生菓子の製造方法であって、
    前記油脂と前記酸化防止効果のある物質とを分けて殺菌する殺菌工程と、該殺菌工程の後に、前記油脂と前記酸化防止効果のある物質とを混合する混合工程とを有するとともに、
    前記殺菌工程での前記油脂の殺菌は、前記油脂に加熱媒体を接触させた後、該加熱媒体を回収する方法によりなされることを特徴とする洋生菓子の製造方法。
  2. 前記酸化防止効果のある物質は、ビタミンE、ザクロ抽出物、カテキン、酵素処理ルチン、エンジュ抽出物、生コーヒー豆抽出物、米ぬか抽出物、ヤマモモ抽出物からなる群より選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の洋生菓子の製造方法。
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