JP5941881B2 - 容器詰トマト濃縮ソース - Google Patents

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本発明は、容器詰トマト濃縮ソースに関する。
トマトは栄養価が高く、しかもその鮮やかな赤色から食欲増進効果も期待され、手軽に摂取できるトマトジュースのみならず、例えばトマトソースとして種々の料理に幅広く使用されている。従来のトマトソースに関する技術として、食品、特にパスタ、蓄肉、魚肉、野菜の味付けのためのトマト組成物であって、保存料を添加したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来のトマト組成物は、保存料の添加によって保存性を向上させるものであるが、近年、健康意識の高まりから、保存料の少ないトマトソースへの関心や開発ニーズが高まっている。
また、トマトソースを缶詰、パウチ、成形容器等に詰めて加熱殺菌したものが数多く販売されており、その保存性や利便性の良さも相まって、家庭における容器詰トマトソースの需要が一層高まっている状況もある。
しかしながら、容器詰トマトソースは、いったん開封・開栓すると、その保存性が急激に低下する問題があった。すなわち、開封・開栓した時点から空気とともに雑菌が侵入することがあるため、容器詰トマトソースの一部を残して保存するのには不向きであり、保存料の少なため、容器詰トマトソースの一部を残して保存するのには不向きであり、保存料の少ないものであればなおさら、その一部を残して保存するのは困難であった。そのため、一度に少量だけ使って、余った分を保存し、引き続いて使用可能な保存性に優れた容器詰トマトソースをいかにして提供するかは、解決が待たれる重要な課題であった。
特表2005−534338号公報
本発明は、このような事情に鑑み、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースを提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明の第1の態様は、容器に充填してなる容器詰トマト濃縮ソースであって、トマトが質量比で2〜8倍に濃縮されたトマト濃縮物と、酢酸と、を含み、前記トマト濃縮物の含有量が30〜50質量%であり、前記酢酸の濃度が.0〜5.0質量%であことを特徴とする容器詰トマト濃縮ソースにある。
かかる第1の態様では、例えば料理に使用される時(以下、使用時)には、酢酸が比較的低い濃度まで希釈されるため、酢酸の酸味によって料理の風味が阻害されることがなくなる。しかも、濃縮タイプであるため、使用時の希釈によってトマトの風味が薄くなり過ぎることはない。一方、例えば家庭で保存される時(以下、保存時)には、酢酸の濃度が比較的高い状態にあるため、静菌作用によって雑菌の繁殖を抑えることができる。よって、保存料の添加量が少ない場合であっても、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースを提供することができるようになる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか一つの態様に記載する容器詰トマト濃縮ソースにおいて、前記酢酸が食酢由来であることを特徴とする容器詰トマト濃縮ソースにある。
かかる第4の態様では、入手が容易な食酢を用いて酢酸を含有せしめることができるため、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースを容易に製造できるようになる。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか一つの態様に記載する容器詰トマト濃縮ソースにおいて、鳥、牛、豚、魚から選択される少なくとも一種の食肉及び/又はその骨から抽出されたブイヨンをさらに含有することを特徴とする容器詰トマト濃縮ソースにある。
かかる第5の態様では、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースの風味をより豊かなものにすることができ、また、酢酸の酸味をマスキングすることができるようになる。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか一つの態様に記載する容器詰トマト濃縮ソースにおいて、たまねぎ又はニンニクの少なくとも1つの野菜をさらに含有することを特徴とする容器詰トマト濃縮ソースにある。
かかる第6の態様では、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースの風味をさらに豊かなものにすることができ、また、容器詰トマト濃縮ソースに含まれる酢酸の酸味をマスキングすることができるようになる。さらに、たまねぎやニンニクの配合量を調節することで、容器詰トマト濃縮ソースの風味を調節できるようになり、消費者の嗜好に合わせた風味を実現しやすくなる。
本発明によれば、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースが提供される。
以下、本発明の容器詰トマト濃縮ソースを詳細に説明する。
本発明に係る容器詰トマト濃縮ソースは、所望のトマト濃縮ソースを容器に詰めてなるものである。容器は、本発明の要旨を変更しない限りにおいて制限されないが、例えば、上端開口部に開閉可能なキャップが取り付けられたボトル形状の成形容器を用いることができる。かかる成形容器によれば、使用時には、ボトルを押圧・傾斜することで、料理の内容や味付け等に応じた必要な量のトマト濃縮ソースを手軽に取り出すことができる。また、保存時には、ボトルを倒立状態にでき、漏れ等のおそれなくトマト濃縮ソースを安定的に保存できる。尚、トマト濃縮ソースを容器に充填する方法は特に制限されず、常温で充填してもよいし、殺菌を兼ねて高温で充填してもよい。
ここで、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、トマト濃縮物と酢酸とを含むものである。これによれば、使用時の希釈によって酢酸の濃度が低濃度とされ、酢酸の酸味を抑えることができ、トマトの風味が薄くなり過ぎることもない。そして、保存時には、高濃度の酢酸の静菌作用によって、保存料を使用しなくても、保存性を向上させることができる。
このような本発明のトマト濃縮物は、トマトやその果汁を濃縮することにより得ることができる。トマト濃縮物の濃縮倍率は特に制限されないが、例えば、トマトを2〜8倍(質量比)に濃縮したものとすることができる。これによれば、トマトの含有量を所望の値に調節しやすくなるため、目的の容器詰トマト濃縮ソースを実現しやすくなる。
濃縮方法としては、煮沸濃縮、減圧濃縮、凍結濃縮及び膜濃縮等が挙げられるが、前記に制限されず、トマト等を濃縮できる方法であればよい。トマト濃縮物の性状は、液状、ゲル状、ペースト状、半固体状、固体状の何れであってもよい。
本発明において、トマト濃縮物の原料となるトマトは、加工用に栽培される赤色系のトマト、及び生食用に栽培される桃色系のトマトの何れも用いることができる。加工用の赤色系トマトとしては、NDM051、カゴメ77等の品種が挙げられる。これらの赤色系トマトを原料とした場合、完熟した甘みが引き出されたトマト系ソースを得ることができる。また、生食用の桃色系トマトとしては、桃太郎、りんか409、麗容、ぜいたくトマト等の品種が挙げられる。これらの桃色系トマトを原料とした場合、程よい酸味と甘みが引き出されたトマト系ソースを得ることができる。尚、トマトは、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。加工・生食兼用のトマトとして知られるキッコーオレンジイエローA2号等も使用可能である。
トマト果汁もトマト濃縮物の原料とすることができる。トマト果汁は、前記のトマトを洗浄後、例えば破砕又は裏ごしし、皮、種子等を除去することにより得ることができる。トマト果汁として、日本農林規格に規定されているトマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト等のトマト加工品を用いてもよい。トマト果汁は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、トマト果汁を透明化処理して製造又はこれを濃縮して製造されたトマト透明果汁を同様に使用してもよい。
また、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、上述のように酢酸(CHCOOH)を含有している。酢酸は静菌作用に優れているため、酢酸の濃度を所望の範囲内の値とすることで、開封・開栓後、空気とともに侵入する雑菌の繁殖を防止し、保存性を向上させることができるようになる。
本発明では、容器詰トマト濃縮ソースが使用時に希釈される分、酢酸を高濃度に調製可能であり、酢酸の静菌作用を有効に得ることができる。よって、酢酸の濃度が比較的高い状態で製造販売されるとともに、家庭内で保管される。
そして、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、調理の内容や味付けの好み等に応じて所望の倍率で希釈される。本発明では、このような使用時の希釈倍率に基づいてトマト濃縮物や酢酸の割合を所定範囲に調節することにより、優れた保存性と良好な風味とを両立できるようになっている。
このような本発明に用いられる酢酸は食酢由来であることが好ましい。これによれば、入手が容易である食酢を用いて酢酸を含有せしめることができ、容器詰トマト濃縮ソースの製造が容易となる。また、食酢は身近な食品であるため、安心感が得られやすい。
食酢の種類は特に制限されず、醸造酢、米酢、米黒酢、りんご酢及びワインビネガー等を用いることができる。食酢はそのまま用いてもよいし、適宜希釈して用いてもよい。希釈するための水としては、水道水、井戸水及びイオン水等を挙げることができるが、飲料水であれば特に制限されない。このような食酢は、酢酸の濃度が3〜5質量%であり、一般に、バクテリアの発酵によって製造されるものである。
また、酢酸として、化学的に合成されたものを用いることも可能である。食酢には、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム等の化学調味料が添加されている場合が多いため、食酢と併せて、又は食酢に代えて、化学的に合成された酢酸を用いるようにすれば、このような食酢の使用量を少なくできる。よって、化学調味料の含有量の少ない容器詰トマト濃縮ソースを得ることができるようになる。
酢酸にはツンとする強い酸味があるが、上述のように、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは使用時に所望の倍率で希釈されるものであり、飲食時の酢酸の濃度は比較的低いものとされる。このため、酢酸の酸味によって料理の風味が阻害されることはない。
このように、本発明によれば、保存性に優れ、かつ、酢酸の酸味によって料理の風味が阻害されず、その上、トマトの風味が薄くなり過ぎない容器詰トマト濃縮ソースが提供される。よって、容器詰トマト濃縮ソースを一度に少量だけ使って、余った分を保存し、引き続き使用したいという消費者の需要に応えることができるようになる。
以下、本発明における酢酸の濃度やトマトの含有量等について、具体的に説明する。
本発明において、家庭で保存される時(保存時)の酢酸の濃度は1.0〜5.0質量%である。保存時の酢酸の濃度が上記範囲内より小さいと、酢酸の静菌作用を有効に得ることができず、一度開封・開栓したらすぐ(例えば数日以内)に使い切る必要があった従来のトマトソースに比べ、保存性を向上させることができない。一方、保存時の酢酸の濃度が上記範囲内より大きいと、所定の範囲で希釈しても酢酸の酸味で料理の風味が阻害されるようになる。
従って、保存時の酢酸の濃度は、1.0〜5.0質量%が好ましく、1.0〜3.0質量%がより好ましい。保存時の酢酸の濃度が上記範囲内であれば所望の保存性を得ることができ、また、通常の料理の範囲内の希釈(例えば、トマト濃縮ソース100gに対して水100〜400g)によって、酢酸の酸味を抑えやすくなる。
また、本発明において、料理に使用される時(使用時)の酢酸の濃度は1.2質量%以下である。使用時の酢酸の濃度が上記範囲内より小さいと、静菌作用が得られる保存時の酢酸の濃度を実現できなくなり、従来のトマトソースに比べ、保存性を向上させることができない。一方、使用時の酢酸の濃度が上記範囲内より大きいと、酢酸の酸味で料理の風味が阻害されるようになる。
従って、使用時の酢酸の濃度は、1.2質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましく、0.8質量%以下がより好ましい。使用時の酢酸の濃度が上記範囲内であれば、所望の保存性を得ることができる程度まで、保存時の酢酸の濃度を高めることができ、また、酢酸の酸味によって料理の風味が阻害されにくくなる。
すなわち、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは2〜5倍に希釈して使用するものである。この希釈倍率を考慮し、保存時のトマト濃縮物の含有量を設定することができる。
具体的に、保存時のトマト濃縮物の含有量は、15〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがさらに好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。保存時のトマト濃縮物の含有量が上述の範囲内の値であることにより、使用時の希釈によって適度なトマト感を付与することができる。また、一回の料理に使用する容器詰トマト濃縮ソースの量も少なくて済み、料理の内容や味付け等に応じて風味を調節することも容易となる。
ここで、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、消費者の嗜好や需要に応じて、ブイヨン、野菜及び香辛料等を1種類又は2種類以上を組み合わせ、さらに含有することができる。これによれば、容器詰トマト濃縮ソースの風味をより豊かなものとし、また、酢酸の酸味をマスキングすることができるようになる。尚、必要がない場合にはこれらを含有しなくてもよい。保存料や化学調味料等の食品添加物も含有することは可能であるが、消費者の健康志向に合わない場合には含有しなくてもよい。
具体的に、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、鳥、牛、豚、魚から選択される少なくとも一種の食肉及び/又はその骨から抽出されたブイヨンをさらに含有することができる。これによれば、他の味付けをせずとも、容器詰トマト濃縮ソースのみの味付けによって、まろやかでコクのある味わいのトマト料理を実現しやすくなる。このようなブイヨンは、日本農林規格に規定されているように、トマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト及びトマトケチャップ等には含まれていないものである。
かかるブイヨンは、例えば、上述の食肉及び/又はその骨に野菜を加えたものをそのまま、又は加熱した後、乾燥させ、粉末化することにより得ることができる。ブイヨンとして市販のものを用いることも可能ではあるが、市販のブイヨンに保存料や化学調味料等が添加されている場合、市販のものの使用量を少なくすれば、消費者の健康志向に合った容器詰トマト濃縮ソースを得ることができるようになる。ブイヨンの性状は粉末に制限されず、固体状、ペースト状及び液状等であっても構わない。また、ブイヨンを得るにあたり、例えば、上述の食肉及び/又はその骨のエキスを用いてもよい。
たまねぎやニンニクは、例えば、比較的大きな粒子状で含有することができる。これによれば、野菜の歯ごたえを感じられるようになり、容器詰トマト濃縮ソースを使用した料理の食感を豊かなものとすることができる。一方、これらをペースト状で含有してもよい。これによれば、容器詰トマト濃縮ソースにおける野菜の分布を均質なものとしやすくなる。このように、たまねぎやニンニクの性状は制限されない。また、容器詰トマト濃縮ソースに含有可能な野菜は、たまねぎやニンニクに制限されない。
また、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、香辛料をさらに含有することができる。これによれば、消費者の嗜好や需要に合わせた容器詰トマト濃縮ソースを製造しやすくなる。香辛料としては、ペッパー、ハーブ、山椒、唐辛子等が挙げられるが、前記に制限されない。その他、本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、糖類、食塩、植物性油脂、酵母エキス等を必要に応じてさらに含有してもよい。
以上説明した本発明の容器詰トマト濃縮ソースは、例えば以下の方法により製造される。すなわち、トマトを洗浄、選別、破砕して予備加熱した後、裏ごしして皮や種子を取り除き、トマト果汁を得る。得られたトマト果汁を、例えば煮沸濃縮してトマト濃縮物を得る。
このトマト濃縮物に、食酢と水を加えるとともに、必要に応じてブイヨンや予め加工した野菜を加えて撹拌する。水は飲料水であれば制限されない。また、これらトマト濃縮物、食酢、水、ブイヨン及び野菜等を加える順番も、適宜変更が可能である。
そして、酢酸の濃度が1.0〜5.0質量%、使用時の酢酸の濃度が1.2質量%以下となるように調製し、トマト濃縮ソースを得る。得られたトマト濃縮ソースを所望の容器に充填し、殺菌処理を施すことにより、容器詰トマト濃縮ソースを製造することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
(1)トマト濃縮物[a1]
加工用トマト(品種:NDM051、カゴメ77等)を洗浄、選別、破砕して加熱した後、裏ごしして皮や種子を取り除き、トマト果汁を得た。得られたトマト果汁を、減圧濃縮や膜濃縮等によって濃縮し、トマト濃縮物[a1]を得た。
(2)トマト濃縮物[a2]
生食用トマト(品種:桃太郎、りんか409、麗容、ぜいたくトマト等)を洗浄、選別、破砕して、加熱した後、裏ごしして皮や種子を取り除き、トマト果汁を得た。得られたトマト果汁を、減圧濃縮や膜濃縮等によって濃縮し、トマト濃縮物[a2]を得た。
(3)容器詰トマト濃縮ソース[A1]
水100質量部に対して、得られたトマト濃縮物[a1]40質量部と、酢酸の濃度が5質量%である食酢60質量部とを混合し、さらに、たまねぎ、ニンニク、糖類、食塩、植物性油脂、チキンブイヨン、酵母エキスを混合し、容器詰トマト濃縮ソース[A1]を製造した(実施例1)。尚、たまねぎ、ニンニク、糖類、食塩、植物性油脂、チキンブイヨン、酵母エキスの含有量は、たまねぎ10質量部、ニンニク1質量部、糖類10質量部、食塩5質量部、植物性油脂1質量部、チキンブイヨン5質量部、酵母エキス0.5質量部とした。
実施例1で製造した容器詰トマト濃縮ソース[A1]では、保存時の酢酸の濃度を3質量%、使用時の酢酸の濃度を0.75質量%とした。また、トマト濃縮物の含有量を40質量%とした。
[実施例2〜5]及び[比較例1〜2]
保存時の酢酸の濃度を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰トマト濃縮ソース[A2]〜[A5]及び[B1]〜[B2]を製造した(実施例2〜5、及び比較例1〜2)。尚、比較例2では、保存時の酢酸を0質量%、すなわち、酢酸を含有せしめなかった。
[試験例1(保存性試験)]
実施例1〜5及び比較例1〜2の容器詰トマト濃縮ソースの一定量を取り出して、カビ、酵母及び乳酸菌をそれぞれ接種して、前記菌類の生育適正温度で静置して保管し、30日間まで一定の間隔で、トマト濃縮ソースの状態を観察し評価した。評価は以下の方法により行った。すなわち、変色の有無、成分の分離の有無、接種した菌の状態について評価し、変色の発生、成分の分離、接種した菌の増殖の何れか1項目にも該当しなかった場合を○、1項目以上に該当した場合を×とした。結果を表1に示す。
Figure 0005941881
[実施例6〜13]
保存時の酢酸の濃度、使用時の酢酸の濃度、トマト濃縮物の含有量、用いたトマト濃縮物を表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰トマト濃縮ソース[A6]〜[A13]を製造した(実施例6〜13)。尚、実施例13では、加工用トマトによるトマト濃縮物[a1]の代わりに生食用トマトによるトマト濃縮物[a2]を用い、実施例1と同様の手法によって容器詰トマト濃縮ソース[A13]を製造した。
[比較例3〜6]
保存時の酢酸の濃度、使用時の酢酸の濃度、トマト濃縮物の含有量、用いたトマト濃縮物を表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰トマト濃縮ソース[B3]〜[B6]を製造した(比較例3〜6)。尚、比較例6では、トマト濃縮物を含有せしめなかった。
[試験例2(官能評価)]
実施例1、6〜13及び比較例3〜6の容器詰トマト濃縮ソースについて、識別能力を有する専門パネラーによる官能検査を実施した。官能検査は、「美味しさ」、「酸味のなさ」及び「トマト感」の各項目について実施した。これらを総合的に評価した結果、トマト濃縮ソースの品質が極めて良好である場合は◎、良好である場合は○、概ね良好である場合は△、良好でない場合は×とした。表2〜3に、官能評価等の結果を示す。
Figure 0005941881
Figure 0005941881
以上、試験例1〜2の結果から、保存時の酢酸の濃度を1.0〜5.0質量%とし、使用時の酢酸の濃度を1.2質量%以下とすることで、保存性に優れた容器詰トマト濃縮ソースを実現できることが分かった。

Claims (4)

  1. 器に充填してなる容器詰トマト濃縮ソースであって、
    トマトが質量比で2〜8倍に濃縮されたトマト濃縮物と、酢酸と、を含み
    記トマト濃縮物の含有量が30〜50質量%であり、前記酢酸の濃度が.0〜5.0質量%であ
    ことを特徴とする容器詰トマト濃縮ソース。
  2. 前記酢酸が食酢由来であることを特徴とする請求項1に記載の容器詰トマト濃縮ソース。
  3. 鳥、牛、豚、魚から選択される少なくとも一種の食肉及び/又はその骨から抽出されたブイヨンをさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰トマト濃縮ソース。
  4. たまねぎ又はニンニクの少なくとも1つの野菜をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の容器詰トマト濃縮ソース。
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