JP4128869B2 - マヨネーズソースおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、工業的規模で生産される新しいマヨネーズソースに関し、このマヨネーズソースは特有の、また新しい特徴として、下記特徴を示す:油性成分は、その最大パーセンテージがエキストラバージンオリーブ油から構成されており、風味および食感は最良のホームメードマヨネーズに類似しており、延長された期間にわたり安定であり、添加剤を含有しておらず、またテトラブリック(Tetra Brik)に包装される。本発明はまた、このような新規マヨネーズの製造および包装方法に関する。
【0002】
(発明の背景および技術水準の説明)
マヨネーズソースは非常に古い調理用製品であり、歴史学者はその名前の語源および起源について一致していない。或る情報によれば、この名前は「マホネサ」(mahonesa)の別名を有し、この名前は1756年6月28日にフランス国によって占領されたマオンのミノルカン市(minorcan city of Mahon)に由来する。フランス国軍司令官であるデューク オブ リチェリュウ(Duke of Richelieu)の料理人が、彼に「マホネサ」を提供し、彼はこれが大変に気に入りフランス国に持ち帰りここで名前が変えられ、有名になった。別の著作者の中で、Catalan writer, Josep Plaは、デューク オブ リチェリュウとは少し相違する意見を述べており、彼はミノルカ島の食物を試すことを望み、オリーブ油から製造され、ガーリックにより極端にスパイスをきかせた「アリ−オリ」(ali-oli)ソース(ガーリックおよびオリーブ油)を入手したが、彼はガーリックを好まず、ガーリックを省略し、マヨネーズ(mayonnaise)という語源を与えた。
【0003】
“Art de la cuina”(調理技術)の標題を有し、また“Libre de la cuina menorquina del segle XVIII”(18世紀のミノルカ島料理法)の副題を有するミノルカ島の聖職者であるFrances Rogerの研究書には、このソースに類似する調理製品が挙げられていないという事実に基づき、上記従来の主張には問題がある。フランス人はこの製品を代表的フランスの調理用製品であるとする証拠を提示しようと試み、19世紀初頭に、この言葉が“マニエル”(manier)[マニピュレート(manipulate)]に由来する用語であると書き記した者がいた。他方で、確実な語源として、マイオン(Maionne)またはマエン(Mayenne)の都市名に由来する語であるとも考えられるが、ミノルカ島の場合とは異なり、これらの都市にはオリーブ油は存在していなかった。この系統に基づき、別のフランス人著作者であるProsper Montaigneは、「マヨネーズ」(mayonnaise)という言葉が「モヨネーズ」(moyeunaise)からきた言葉であり、この言葉はまた、卵黄を意味する古いフランス語である「モヨ」(moyeu)からきた言葉であると考えた。その真正成分:卵黄、オリーブ油、塩および酢の種類に与えられるその純粋な地中海民族の特徴的表現によるものであるとすることに疑いの余地はないものと思われる。
【0004】
さらなる詳細については、ノーベル賞受賞者であるCamilo Jose Celaの本を参照することができ、この本は、題名“Losvasos comunicantes”(Ensayos,Verdades y Libertades)[コミュニケーションの容器(エッセイ、真実および自由)]中の“Salsa mahonesa”(マヨネーズソース)、Bruguera.Col.Narradores de Hoy(現在のナレーター)、45〜55頁、第1版、Barcelona 1981である。
【0005】
公知参考書によれば、マヨネーズソースは、卵黄および油のエマルジョンであり、そこにフレーバーが酢、レモンジュース、マスタード、塩、コショーなどとともに添加されているものである。家庭で製造する場合、卵黄は同一方向にコンスタントにかき混ぜ、他方、油類は混合物の凝集を回避するために、最初は一滴づつ、次いで細かくたらたらと混合する。充分に混合された時点で、残りの成分を加え、ソースを味付けする。現在では、電気式ビーターおよび調理用具が迅速で、間違いのない製造を可能にしている。その割合は、卵黄1個当り、油1カップ、酢大匙2または3、マスタードおよび味付け用塩である[Maria Jesus gil de Antunanoおよびその他によるE1 Libro de las Tecnicas de Cocina(調理技術の本)、256頁、E1 Paris/Aguilar、Madrid、1997]。
【0006】
本発明者は、その基本的油成分としてエキストラバージンオリーブ油およびその二番目の油成分としてオリーブ油を含有する工業生産マヨネーズを見出すために特許データに基づき徹底的調査を行ったが、特許としての登録は見出されなかった。しかしながら、従来技術水準を説明する目的で、その題名にマヨネーズの語が見出される下記特許について検討した。
1984年8月2日付けで出願され、1985年10月4日付けで特許権を得たスペイン特許第534830号は、「ライトマヨネーズ型食品の製造方法」(Preparation process for light mayonnaise-type food products)に関するものであり、この製品は3種の基本的成分とともに、他の成分、特に安定剤が使用されており、さらにこの製品は発泡物であって、空気が分散されて微細な泡を形成しているものである。従って、この特許の目的製品には、エキストラバージンオリーブ油は使用されておらず、また本発明による製品とは相違して、安定剤が使用されている。さらにまた、この製品は発泡物として提供されている。
【0007】
1989年12月21日付けで出願されたヨーロッパ特許出願公開第0377312号は、「低油分マヨネーズ」(A low degree oil mayonnaise)に関するものである。この製品は、エキストラバージンオリーブ油ではない油を65〜72重量%の範囲の割合で含有し、残りの成分は、コーンシロップ4〜15重量%、卵黄4〜8%、水5〜15%および0.3〜0.5%酢酸を付与するのに充分な量の食用酸である。
1991年9月23日付けで出願され、1995年8月9日付けで特許権を得たヨーロッパ特許第0477827号は、「低脂肪含有マヨネーズ製品およびその製造方法」(A low fat content mayonnaise product and the production method thereof)に関するものである。このマヨネーズの構成成分は、10重量%よりも少ない割合の食用油、水、卵白、微結晶セルロースおよびポリデキストロースである。
【0008】
1991年12月12日付けで出願され、1998年4月1日付けで特許権を得たヨーロッパ特許第0546215号は、「水中油型熱安定性エマルジヨンその製造方法」(An oil-in-water type stable emulsion against heat and its preparation process)に関するものである。このエマルジョンは、油10〜85%、卵黄1〜10%、酢酸、塩、水および当該エマルジョン1000グラムあたり0.1〜5グラムの大豆リソホスファチジルコリンから構成されている。
1995年5月30日付けで出願され、2000年11月8日付けで特許権を得たヨーロッパ特許第0689773号は、「グルコノ−デルタ−ラクトンを基材とする保存剤を含有する低脂肪マヨネーズ」(Low-fat mayonnaise with a glucono-delta-lactone based preservative)に関するものである。この製品のpHは3.3〜3.5付近であり、安定剤の種類および特定のpHを得るための酢酸の使用を特徴とするものである。
【0009】
1996年8月2日付けで出願されたヨーロッパ特許第0758531号は、「低または無脂肪マヨネーズ組成物」(Low or non-fat mayonnaise compounds)に関するものである。この製品の主要特徴は、伝統的マヨネーズの脂肪分(油)の一部または全部として、アミド化合物とともに、またはアミド化合物を用いることなく、ガラクツロン酸メチルエステルを使用することにある。
1996年9月18日付けで出願されたヨーロッパ特許第0855863号は、「食用ソース」(Food sauce)に関し、これは油10〜60重量%、および水、卵タンパク質、牛乳、野菜または果実を含有する。従って、この製品は、そのタンパク質が独占的に卵に由来していないかぎり、マヨネーズと称することは明白にできないエマルジョン製品である。
【0010】
1997年7月3日付けで出願された国際特許出願WO9901042は、「マヨネーズプレミックスおよびその製造方法」(Mayonnaise pre-mix and its preparation process)を目的とするものである。この製品は、消費者が卵成分(または卵黄のみ、または全卵)を単に添加するだけで、生成する混合物を引き続きかき混ぜることによってマヨネーズを製造することを可能にする製品である。このプレミックスは、基本的成分として、植物油、食用酢、乳化剤(卵黄は明白に除外されている)、香辛料およびスパイスを含有する。この製品の特徴は、酸素が存在していない容器に包装することにある。
【0011】
1999年11月24日付けで出願された国際特許出願WO0030473は、「オリーブ油およびホエーを含有するマヨネーズ」(Mayonnaise comprising olive oil and whey)に関するものである。この出願ではオリーブ油が用いられているが、ライトマヨネーズを製造するという目的で、別種の食用油または水の代用品としてホエーを使用している。このホエーの使用目的は、アミノ酸および必須および非必須タンパク質を提供し、これにより栄養価を改良することにある。他方で、ホエーはまた、マヨネーズの味付けおよび酸度調節剤としても作用する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
古典的刊行物およびさらに最近のインターネットは、エキストラバージンオリーブ油を基材とするマヨネーズ調製レシピにかかわる多くの情報を提供しているが、現実として、このソースの工業的製造にかかわる数少ない試みは失敗に終わっている。
本発明者は、これらの失敗を不適当な油類の使用にあることを見出すことができ、この場合、実際の製造技術は、別種のマヨネーズの製造には、充分なものであっても、エマルジョンを得ることができないか、または数日間を越えることができないエマルジョンを提供するものである。同様に、刊行物中に常にあるレシピは一般に、すぐに使用するためのマヨネーズの製造には完全であって、一般に得られるpH値は通常、4.50程度またはそれよりも大きい範囲内にある。このpH値は、マヨネーズソースの衛生技術的規則(Sanitary Technical Regulations (STR)for Mayonnaise Sauce)に適合していないことに加えて、衛生上の観点から製品にとって有害である一連の病原性微生物の増殖を可能にする。
【0013】
本発明者およびその協同会社の忠実な知識および理解に従い、その主要油成分としてエキストラバージンオリーブ油を含有し、その二番目の油成分としてオリーブ油を含有し、最良のホームメードマヨネーズと同様の風味および食感を有し、延長された期間にわたり安定であり、添加剤を含有しておらず、また12℃の最高温度においてテトラブリック(Tetra Brik)包装内(この条件において、6ヶ月の保存寿命を有する)に入れ、出荷および保存することができる工業生産マヨネーズを始めて得たという驚くべき技術的進歩が、本発明によって達成された。これらの特徴は、マヨネーズを格別の美食家向製品に変換する。
【0014】
マヨネーズは、大規模な宴会の貧弱な条件下にマヨネーズを摂取した結果として生じるサルモネラ(Salmonella)中毒の危険性を示すメデァのデモンストレーションにおいてニュースとして危険性が指摘される食品であることは明白である。マヨネーズには、数種の危険因子が存在し、これが同時的に生じると中毒の重篤度は倍増される:
(1)生卵の使用(卵それ自体は、格別の微生物汚染源であり、卵の微生物学的分析で通常的に存在する腸内細菌、糸状菌、カビ類、スタフィロコツシ類(staphylococci)などの汚染源である);
(2)マヨネーズを、製造された時点で冷蔵庫内に保存しないような不適切な取り扱い条件;および
(3)4.5またはそれ以上のpH値を有するソースが得られること。
【0015】
4.5付近のpH値が一連の有害な細菌(中でも、サルモネラ菌)の増殖を可能にすることは刊行物で証明されている。全部の工業的生産マヨネーズがこの条件(STRによる、4.2のpH)に合致したとしても、問題は家庭、レストランおよびホテルにおけるマヨネーズの製造に付随して生じる。このような場所におけるその生産の管理は、保険所(Health Authorities)などによってなされており、例えばホームメードマヨネーズを調製する場合、4.2の最高pH値をもって製造すべきことが定められている(一例として、アンダルシアにおける、1999年6月8日付けのBoard of Andalusia's Health and Social Service Council Mandate)。
【0016】
予想することができるように、レストラン経営者の場合、この要件に対する合致は、望ましいほど厳しいものではない。これらの偶発的事故によって、ホテル関係者に包含される人々はしばしば、マヨネーズを、「権限を有する保健所により悩まされる製品」として認識している(権限譲渡された自治体の場合、Ministry of Health and ConsumptionまたはHealth Councill による)。この問題を回避するために、彼等は下記の点に頼っている:
【0017】
(1)pH制御測定、例えば上記範囲;
(2)殺菌した卵の使用;および
(3)レストランの調理場およびかなりの家庭の台所におけるホームメードマヨネーズの製造を回避し、その代わりに種子油(基本的に、大豆油および紅花油)からの工業的生産マヨネーズの使用する。スペイン料理家は食品安全性の観点では勝利し始めているが(工業生産マヨネーズによる中毒情報は、現実に存在していない)、エキストラバージンオリーブ油を用いて製造される伝統的ソースの絶妙な味の全部が失われている。
【0018】
本発明により提供される新規性の中で、下記諸点を指摘することができる:
a)既定の最高酸度を有するエキストラバージンオリーブ油の選択、
b)エマルジョン温度、
c)卵黄配合温度、
d)配合時機、
e)エマルジョン割合、
f)酸化および微生物成長現象の発現に必要な光および空気から製品を保護し、酸化および微生物成長現象の発現を回避するためのテトラブリックのような包装材内への包装。
【0019】
本発明の新規マヨネーズの構成成分は:
A)エキストラバージンオリーブ油40%〜80%(重量/総重量)。
B)オリーブ油20%〜40%(重量/総重量)。
C)卵黄10%〜20%(重量/総重量)。
D)リンゴ酢2%〜5%(重量/総重量)。
E)レモンジュース0.5%〜2%(重量/総重量)。
F)塩0.5%〜1.5%(重量/総重量)。
【0020】
上記成分の性質を下記に詳細に説明する。
A)エキストラバージンオリーブ油。本発明の目的物である工業生産マヨネーズにおけるその存在は、本発明の特異な特徴の一つである。
エキストラバージンオリーブ油は、国際オリーブ油協議会(International Olive Oil Council)(IOOC)、食品法(Food Code)(世界保健機構)およびヨーロッパ連合(EU)規制の定義によれば、「オリーブ樹木の果実から機械的手段またはその他の物理的手段により、特に油の変質を導かない加熱条件下に得られ、また洗浄、デカンテーシヨン、遠心分離、および濾過以外のいかなる処置も受けていない」、特定のタイプのバージンオリーブ油である。この油は、緑色ないし帯緑黄色〜金色にわたる色を有する。遊離オレイン酸含有量として表わされる、その遊離酸度は3.3%を超えてはならない。
【0021】
エキストラバージンオリーブ油は、その酸度が1%を越えず、また中でも、パネル試験で6.5の最低値に達する欠点のない感覚的特徴を有するバージンオリーブ油であると定義される。
オリーブの種類およびオリーブ樹木が栽培されている場所の相違する土壌および相違する気候に応じて、全部のエキストラバージンオリーブ油が同一の性質を持って存在するわけではなく、前述の要件に対応することさえある。一例として、「アルベギナ」(arbequina)、「ホジブランカ」(hojiblanca)、「ピキュアル」(picual)および「ピキュダ」(picuda)種オリーブを処理することにより Palma del Rio(Cordoba)からArteOlive社によって製造されたエキストラバージンオリーブ油の特徴を下記に示す;色、芳香および0.5%の最高酸度。
【0022】
感覚的特徴:
フルーツアロマ(fruit aroma) >2
苦味(bitterness) <2
刺激的味(pungent taste) <2
欠点(defects) 0
【0023】
【0024】
使用可能な標準−ArteOlivaエキストラバージンオリーブ油は、Spanish Sanitary Technical Regulation、European Union Regulation、R.CEE2568/91および引き続く修正によりエキストラバージンオリーブ油について確立された基準を満足し、Codex Alimentarious and International Olive Oil Councilの推奨に一致する。従って、ヒトの消費に適合している。
【0025】
オリーブ油(バージンまたは精製)は、それらの入手法(化学的溶剤は使用しない)およびそれらの脂肪酸成分の両方で種子油と相違している。オリーブ油は、それらの主要成分としてリノール酸を含有するヒマワリ油または大豆油に比較し、オレイン酸に富んでいる。中でも、オリーブ油は、重要な心臓保護活性を有し、従ってこの油に基づく食事は、下記作用を補助する:
(1)有害なコレステロール、すなわち低密度リポタンパク質(LDL−C)を伴うコレステロールを減少させる;
(2)血中トリグリセライドレベルを減少させる;
(3)アテローム発生指数(atherogenesis index)の減少;
(4)有益コレステロール、すなわち高密度リポタンパク質(HDL−C)を伴うコレステロールを増加させる。
【0026】
他方で、種子油の効果は、有害なコレステロールの減少に制限される。
我々がバージンオリーブ油と別種の油との区別を開始し、バージンオリーブ油の場合に精製操作は存在しないのに対して、その他の油の全部は脱酸、脱色および脱臭操作を受けるものと言わなければならない。バージンオリーブ油中に存在する2種の天然成分、トコフェロール類およびポリフェノール類は栄養学的に重要であることに注目することは非常に重要である。別の研究では、細胞レベルストレス反応における酸化防止剤の重要な役割が証明されており、エキストラバージンオリーブ油に富んだ食事(高められたこれら2種の酸化防止剤一族レベルを有する)と老化および細胞死に対するラットの生物抵抗性との間の関係が証明されている。
【0027】
B)オリーブ油。オリーブ油はエキストラバージンオリーブ油と精製オリーブ油とを混合することによって得られる油である。この油は次いで、本発明によるマヨネーズの成分B)として使用するのに適する特徴を有し、ArteOliva社からのオリーブ油である。
感覚的特徴。−僅かに果実様で、柔らかく、また味覚上で好ましい味を有する。
【0028】
【0029】
使用可能な標準−ArteOlivaオリーブ油はSpanish Health Technical Regulation、European Union Regulation、R.CEE2568/91および引き続く修正によりオリーブ油について確立された基準と満足し、Codex Alimentarious and International Olive Oil Councilの推奨に一致する。従って、ヒトの消費に適合している。
【0030】
C)卵黄:全体的に添加剤を含有していない産業用超殺菌液状卵黄および別の非卵黄成分を使用する。一例として、産業的規模で使用するために市場から入手することができる卵黄の詳細を下記に示す。
製造業者−Pascual de Aranda S.A.
製造業者コード−LD−028
製品名称−超殺菌液状卵黄(Ultrapasteurized liquid yolk)
その他の成分および添加剤−なし
感覚的特徴−最近では最上の卵黄の特徴的色、臭いおよび芳香を示す。
【0031】
物理化学的特徴−
総固形分 20℃において最低40°ブリックス
(Brix)
脂肪 >27%
タンパク質 >15%
3−OH−ブチル酸 <10mg/kg
乳酸 <1mg/kg
コハク酸 <25mg/kg
指示密度 1028g/l(20℃、45°ブリックス(この密度は、温度が10℃に減少すると、ほぼ1g/lづつ増加する)
pH 6.25〜6.95
【0032】
D)リンゴ酢(APPLE)。この成分において、その酸度、色指数、芳香および臭いは、特に重要な指摘点である。一例として、Lecumberri(Navarre)からEnvasados Eva S.A.社により製造された市販品は下記の特徴を備えている。
【0033】
E)レモンジュース。天然レモンジュースを使用する。これは、強力な酸芳香および好ましい臭いを有する僅かに濁った帯黄色液体である。クエン酸6.7〜8.6%を含有し、残りの成分は糖、ガムおよび痕跡量の炭酸カリウムである。
F)塩。精製食卓塩を使用する。一例として、下記特徴を有する登録商品名Disal食卓および台所塩が挙げられる:
精製塩 100%
ヨウ素(KIとして) 60mg/kg
結合防止剤536 10mg/kg
【0034】
テトラブリック包装材料の性質の説明
前記したように、本発明の重要な特徴は、マヨネーズ製品をテトラブリック包装材内に包装することにある。この包装材の性質を説明する場合、気密性、液体および気体の両方に対する不透過性、不透明性、衝撃耐性および経済性を獲得することは特に重要である。このタイプの積層構造材料(Tetra Pak社により製造)の特徴として、下記概略に従う様相で配置されている層構造を示す:
【0035】
【0036】
本発明の目的であるマヨネーズの製造方法
本発明の目的であるマヨネーズの製造方法は、下記操作を包含する:
(1)(i)リンゴ酢、レモンジュースおよび塩からなる酸性マッシユおよび(ii)卵黄+油相エマルジョンを、別々に、同時的に、または任意の順次で調製する;
(2)酸マッシュ(i)をエマルジョン(ii)と撹拌しながら混合し、均質分散液を得る;
(3)得られたマヨネーズを、自動式包装装置によりテトラブリック内に装填する。
【0037】
操作(1)は、これら3種の成分を70〜90℃の範囲の温度に1〜4分にわたり加熱しながら、撹拌して混合を行い、次いで直ちに、管状交換器により冷却を行い、次いでこの混合物を最終的に、23℃よりも低い温度にすることによって行う。
操作(2)を行うためには、マヨネーズの製造に使用する前の1時間の時点で、卵黄を冷蔵庫から取り出すと便利である。この時間の終了後、卵黄をエマルジョン系容器、好ましくはKORUMAに導入し、ここで18〜23℃の温度にする。次いで、全操作にわたり−0.4〜−0.5大気圧の減圧状態に維持しながら、エキストラバージンオリーブ油を、20〜25kg/分の初期流動速度で導入する。この期間中、エマルジョン系混合装置は、2800〜3100rpmの回転速度で動作させ、またエマルジヨン温度を23℃よりも低い温度に維持する。エキストラバージンオリーブ油の導入後、残りの油相成分を、50〜60kg/分の流動速度を用いて導入し、30〜50秒後、相当する量の酸性マッシュを、40〜60kg/分の流動速度で添加する。成分混合が完了した時点で、エマルジョン処理を2800〜3100rpmにおいて1〜3分間、継続する。
【0038】
生成物のpHが4.00〜4.10の範囲であることを検査した後、このバッチは、テトラパック充填機などの自動式包装装置で行われる包装操作(3)に付す用意ができている。この包装装置は、平坦な材料のコイルから包装材を形成し、同時的に、包装形成動作、包装殺菌および包装装填を行う装置である。
この操作において、包装操作は最終操作として、製造操作の一部を構成していることを指摘する必要がある。製品の特性および特別に構成された包装材料を用いて保護する必要性があることを考慮し、この包装操作は、上記酸性マッシュおよび卵黄+油相エマルジョンを混合し、均質にした後、遅延させることはできない。
【0039】
本発明の製品の場合、Annex Vに記載されている高品質の包装材料を選択する。材料の組成は、製品の要求に適応するものであって、製品を優れた様相で保護し、また消費される時点まで、その品質を維持する。
テトラブリック無菌システム(Tetra Brik Aseptic system)は、包装物を液体のレベル以下でシールするという原則に基づいており、従って全体的に不透明な包装物であって、完全に充填されている、すなわち空気を含有していない包装物が得られる。脂肪性製品において(本発明の場合、最終製品中の脂肪性物質の割合は、約80%であると言われる)、高度の損傷が空気および光によりもたらされることは知られていることから、このことは本発明の製品の最も大きい革新の一つである。
【0040】
PLC[パネルライトコントロール(Panel Light Control)]システムは、機械の機能を制御する。このシステムは迅速に、また正確に動作し、格別の信頼性を有する。制御パネルの信号灯によって、機械操業者は注意しなければならないほとんどの情報を受け取ることができる。
この包装材料は、標準的または大型のコイルとして供給される。機械は自動式結合装置を備えており、これにより機械作動者によるこの操作の開始を要することなく、コイル状包装材料を自動的に結合させることができる。結合された包装物は機械により自動的に分離される。
【0041】
この包装材料は、72℃に加熱された35%過酸化水素浴に通し、直後に、ローラーにより取り出す。ストリップ状材料を次いで、無菌空気が噴射されているノズルに通す。この操作により、残留する可能性がある過酸化水素が除去される。この包装材料は直ちに、管状形態になる。この管の殺菌および形成は、完全に閉鎖されている機械の一部で行い、これにより材料の再汚染が防止される。
この機械は、高級パターンマッチングシステム(advanced pattern matching system)を備えている。光電気電池がストリップ状材料の位置を検知し、パターンマッチングシステムに情報を送る。ここで、必要に応じて、ストリップ状材料を製造中に矯正する。
【0042】
完全な包装を形成するためには、上方および下方のリブを良好にシールすることは非常に重要である。このシール時間は、徹底的形成が2個のトラツクで生じたことが充分に認識されるほど長くなければならない。この機械は、高速に維持することができ、また同時的に、各特定の包装材料に対し適当な処理を提供することができる。
包装材料の無菌処理時間は、この操作に格別の信頼性を付与する、強く、充分な長さの殺菌浴による。
【0043】
この機械は、停止が生じた場合のための非無菌包装排除システムを備えており、これらはまた低重量ブリックを排除するための機能を備えている。
包装完了後、包装物はケースに入れ、次いでパレットに入れ、次いで保存する。
エマルジョン安定性を保存するために、製品の保存および供給は、10〜12℃で行わなければならない。
本発明を次いで、下記例により説明する。これらの例は例示的特徴を有するものであって、特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0044】
例1
本発明による目的の工業生産マヨネーズのバッチを、マヨネーズソース600kgバッチを製造するKORUMAブランドバッチエマルジョン系を用いて製造した。
最初に、リンゴ酢、レモンジュースおよび塩の混合物からなる酸性マッシュを調製した。この混合物を撹拌しながら、85℃の温度に2分間かけて加熱した。次いで直ちに管状交換器により冷却を行い、次いで最終的に、混合物の温度を23℃よりも低くした。
【0045】
卵黄を保存されている冷蔵庫から取り出し、使用前、約15℃に達するのに要する時間にわたり保持した。上記時間後、18〜23℃の温度に維持されているエマルジョン系中に導入した。次いで、全製造工程中にわたり維持されている−0.4〜−0.5大気圧の減圧条件下に、エキストラバージンオリーブ油150kgを、20〜25kg/分の初期流動速度でエマルジョン系中に導入した。エマルジョン系撹拌機は、2800〜3100rpmの回転速度に調節し、またエマルジョン温度は23℃よりも低い数値に維持した。この温度は、15℃よりも低い温度で水が循環されている冷蔵ケーシングを用いて得た。
【0046】
エキストラバージンオリーブ油150kgを導入した後、残りの油相成分(前記成分B)の導入を、50〜60kg/分の流動速度を用いて行い、30〜50秒後、相当する量の酸マッシュを40〜60kg/分の流動速度で添加した。
成分導入が完了した時点で、エマルジョン処理を、1〜3分間かけて2800〜3100rpmで継続した。
【0047】
生成物のpHが4.00〜4.10の範囲にあることを検査した後、この仕上げられたマヨネーズバッチをテトラパックTBA19充填機に送り、ここで包装材形成操作、包装殺菌操作および包装装填操作を行った。前記高品質包装材料を使用した。この包装材料は、製品が優れた様相で保存され、また消費される瞬間まで、製品が10〜12℃の温度に維持され、その品質が保持されるという製品要件に適合する。
【0048】
例2
本発明による目的のマヨネーズの品質を、客観的に、また独立して評価するために、ブラインド試験を行った。この試験は、10人の試験パネラーが本発明によるマヨネーズを2種の市販マヨネーズ(これらのマヨネーズは、それらの組成および製造方法に加えて、これらがガラス内に包装されている点で、本発明によるマヨネーズと相違している)と、およびその組成が本発明によるマヨネーズと類似しているホームメードマヨネーズと比較するものである。
市販マヨネーズはそれぞれ、IおよびIIで表わし、ホームメードマヨネーズはIIIで表わし、また本発明によるマヨネーズはIVで表わした。
これら4種のマヨネーズの油成分およびpHを、下表に示す:
【0049】
【0050】
ホームメードマヨネーズは製造後、その中の250mlをスプーンにより皿に移し、IIIの表示ラベルを付けた。次いで、マヨネーズIおよびIIの各250mlをそれぞれ、ガラスジャーから取り出し、またマヨネーズIVはテトラブリック包装から取り出し、それぞれI、IIおよびIVのラベルを付けた皿に入れた。従って、被験者は各マヨネーズの構成を知らなかった。
4試料の味を試験した後の評価結果は、下記のとおりであった:
最もマイルドで最も味がよいものとして、7人がIVを挙げ、また3人がIIIを挙げた。10人の試験者がマヨネーズIおよびIIを、最低の風味を有し、また最悪の味を有するものとして区別した。
Claims (6)
- ホームメードマヨネーズに類似する風味および食感を有する工業生産マヨネーズであって、前記マヨネーズは、
(A)エキストラバージンオリーブ油40%〜80%(重量/重量);エキストラバージンオリーブ油と精製オリーブ油との混合物20%〜40%(重量/重量);卵黄10%〜20%(重量/重量);リンゴ酢2%〜5%(重量/重量);レモンジュース0.5%〜2%(重量/重量);塩0.5%〜1.5%(重量/重量)を含有し、
(B)いずれの酸化防止添加剤も含有せず、
(C)そのpH値は4.00〜4.10の範囲にあり、
(D)光および空気を防除するテトラブリック内に包装されていることを特徴とする、上記工業生産マヨネーズ。 - 10〜12℃で保存される、請求項1に記載の工業生産マヨネーズ。
- 下記操作:
(1)(i)リンゴ酢2%〜5%(重量/重量)、レモンジュース0.5%〜2%(重量/重量)および塩0.5%〜1.5%(重量/重量)を包含する酸性マッシュおよび(ii)卵黄10%〜20%(重量/重量)、エキストラバージンオリーブ油40%〜80%(重量/重量)およびエキストラバージンオリーブ油と精製オリーブ油との混合物20%〜40%(重量/重量)を包含する油性相エマルジョンを、別々に、同時に、または任意の順次で製造する;
(2)酸性マッシュ(i)をエマルジョン(ii)と撹拌しながら混合し、均一な分散液を生成させる、次いで
(3)生成した酸化防止添加剤を含有せず、pH4.00〜4.10のマヨネーズを自動式包装装置を用いて光および空気を防除するテトラブリック包装材内に包装する、
を含む、請求項1または2に記載の工業生産マヨネーズの製造方法。 - 酸性マッシュ(i)を、23℃よりも低い温度でエマルジョン(ii)中に配合することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- エマルジョン(ii)の製造にあたり、卵黄を保存されている冷蔵庫から取り出し、使用前に、15℃の温度に達するまで保持することを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
- 工程(2)を、23℃の最高温度および−0.4〜−0.5大気圧減圧下において行うことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
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