JP4259219B2 - モータ駆動装置およびそれを搭載した自動車 - Google Patents

モータ駆動装置およびそれを搭載した自動車 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ駆動装置に関し、より特定的には、複数のスイッチング素子を含むインバータ回路を備えたモータ駆動装置およびそれを搭載した自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング素子によって構成されたインバータ回路により変換された交流電圧によって交流モータを駆動制御するモータ駆動装置では、スイッチング素子を通過してモータへ供給されるモータ電流を、モータ制御のために検出する必要がある。
【0003】
一般的には、ホール素子を用いた電流センサを設けて、モータ電流を検出する構成が知られているが、電流センサの配置により、回路規模の増大および製造コストの増加といった問題点が生じてしまう。
【0004】
このため、電流センサを用いることなく、モータモデルより計算されたシミュレート電流に基づいてインバータ回路のスイッチングパターンを制御する、いわゆる電流センサレスドライブシステムが提案されている(たとえば、非特許文献1)。
【0005】
あるいは、三相ブラシレスDCモータ用インバータ装置において、インバータ装置の下アーム側の各スイッチング素子と電源ラインとの間に電流検出用の抵抗素子を接続して、この抵抗素子での電圧降下の検出に基づいて、モータ電流を検出する構成も開示されている(たとえば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−374693号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−197723号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−14007号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平6−132800号公報
【0010】
【非特許文献1】
森本茂雄、外2名,「低分解能位置センサのみによる同期モータの電流センサレスドライブシステム」,電気学会論文誌D,121巻11号,平成13年,第1126−1113頁
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記非特許文献1に開示される電流センサレスドライブシステムでは、モータモデル誤差がシミュレート電流の精度に影響する。特に、モータトルク(インバータ出力電流)によって、モータモデル内のインダクタンス値(d軸,q軸)が変化するため、この影響でモータ電流の推定に誤差が生じる可能性が高い。
【0012】
一方、上記特許文献1に開示された構成では、スイッチング素子のターンオン・ターンオフ時にサージ電流が生じるため、スイッチング素子および検出抵抗素子の間にフィルタを挿入する必要が生じる。このため、電流検出に誤差が生じてしまう。さらに、スイッチング素子を通過する主電流が全て検出用の抵抗を通過する構成となっているので、電圧降下に伴う電力損失も無視できないという問題点もある。
【0013】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、電流センサを用いずにモータ電流を高精度に検出可能な構成を備えたモータ駆動装置、およびこのようなモータ駆動装置を搭載した自動車を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、モータ駆動装置は、交流モータの駆動を制御するモータ駆動装置であって、インバータ回路と、電流検出回路と、電流算出部と、制御装置とを備える。インバータ回路は、直流電圧および交流電圧の間で電力変換を行なうための複数のスイッチング素子を含み、かつ、変換された交流電圧によって交流モータが駆動されるように設けられる。電流検出回路は、複数のスイッチング素子のうちの少なくとも1つに対応して設けられ、対応のスイッチング素子を通過する主電流から一時的に分流された分流電流を検出する。電流算出部は、電流検出回路によって検出された分流電流に基づいて、交流モータを流れるモータ電流を推定する。制御装置は、電流算出部によって推定されたモータ電流に基づいて、複数のスイッチング素子のオンおよびオフを制御する。
【0015】
この発明による制御装置においては、交流モータの制御に用いるモータ電流を、スイッチング素子の通過電から分流された分流電流に基づいて推定する。
【0016】
したがって、この発明によれば、電流センサを設けることなく、かつ、電力損失を軽減して、高精度にモータ電流を推定できる。この結果、交流モータの制御精度が向上する。
【0017】
好ましくは、電流検出回路は、検出抵抗と、増幅回路と、ローパスフィルタと、ラッチ回路とを含む。検出抵抗は、分流電流を通過させ、かつ、通過した分流電流が主電流の経路へ再び合流するように対応のスイッチング素子と接続される。増幅回路は、分流電流の通過によって検出抵抗に生じた電圧を増幅する。ローパスフィルタは、増幅回路の出力を平均化する。ラッチ回路は、対応のスイッチング素子へターンオン指示が発せられてから所定時間経過後に、ローパスフィルタの出力電圧をラッチする。電流算出部は、ラッチ回路によってラッチされた電圧に基づいて、モータ電流を推定する。
【0018】
したがって、この発明によれば、スイッチング素子のオン・オフ直後に発生する過渡的なサージ電流が消滅した後に、分流電流に応じた電圧をラッチして、ラッチされた電圧に基づいて、モータ電流を推定することができる。この結果、分流電流の経路にフィルタを設ける必要がないので、モータ電流をさらに高精度に推定できる。
【0019】
好ましくは、電流算出部は、分流電流からモータ電流を算出し、さらに、算出されたモータ電流を、交流モータおよびインバータ回路の動作条件の少なくとも一方に応じて予め定められた補正係数を用いて補正してモータ電流の推定値を求める。
【0020】
補正係数は、少なくとも交流モータの回転速度に応じて予め定められる。また、補正係数は、少なくとも対応のスイッチング素子の動作温度に応じて予め定められる。あるいは、補正係数は、少なくとも算出されたモータ電流の電流値(大きさ)に応じて予め定められる。
【0021】
したがって、この発明によれば、モータの出力トルクに対応するモータ電流あるいはモータ速度やスイッチング素子の動作温度等の動作条件によるパラメータ変動を反映して、モータ電流をさらに高精度に推定できる。
【0022】
好ましくは、交流モータは三相モータであり、上側アーム素子および下側アーム素子の各々は、三相モータの三相のコイルとそれぞれ電気的に接続された3個のスイッチング素子を有し、電流算出部は、複数のスイッチング素子の6種類のスッチングパターンの各々における、電流検出回路によって検出される分流電流と、三相のコイルをそれぞれ通過する三相電流との対応関係を示すテーブルを有する。
【0023】
また、電流算出部は、テーブルに基づいて、検出した分流電流から三相電流を算出し、かつ、算出された三相電流を交流モータの角度位置に応じて回転座標上の二相電流に変換してモータ電流の推定値を求める。
【0024】
したがって、この発明では、電流センサを設けることなく、分流電流を用いることにより電力損失を軽減して三相モータのモータ電流を高精度に推定することができるので、モータの制御精度を向上できる。
【0025】
好ましくは、モータ駆動装置は、電流検出回路と対応のスイッチング素子の間に設けられる分流比切換回路をさらに備え、分流比切換回路は、分流電流のレベルが維持されるように、主電流に対する分流電流の分流比を切換える。
【0026】
分流比切換回路は、交流モータのトルク指令値に応じて、分流比を切換える。また、スイッチング素子の各々は、それぞれが独立に分流電流をそれぞれ取り出し可能な複数のタップを有し、分流比切換回路は、複数のタップと電流検出回路との間にそれぞれ設けられた複数のスイッチ回路を含み、スイッチ回路の各々は、対応のタップを、電流検出回路へ至る経路および主電流の経路のいずれかと選択的に接続可能である。
【0027】
したがって、この発明によれば、モータ電流が小さい動作領域においても、分流電流のレベルを維持することにより電流検出回路の検出精度を確保できる。この結果、広い動作範囲においてモータ電流の推定精度を維持して、交流モータの制御精度が向上できる。
【0028】
また、この発明によれば、自動車は、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ駆動装置と、モータ駆動装置によって駆動制御される交流モータによって駆動可能な車輪とを備えるしたがって、交流モータによって車輪を駆動制御する自動車において、その走行制御を高精度化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0030】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置100は、交流モータM1の駆動を制御する。モータ駆動装置100は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑用のコンデンサC1,C2と、インバータ回路14と、制御装置30と、電流算出部40と、電流検出回路50とを備える。
【0031】
直流電源Bの供給電圧および交流モータM1の駆動に必要な電圧を考慮して、必要に応じて、インバータ回路14への入力電圧を昇圧するための昇圧コンバータ12がさらに備えられる。
【0032】
図1の例では、交流モータM1は、三相モータである。交流モータの回転位置および回転速度に相当するモータ角度θおよびモータ角速度ωを検出する位置センサ19が、交流モータM1に設けられている。
【0033】
また、直流電源Bの供給電圧を検出するための電圧センサ10と、コンデンサC2の電圧(すなわち、インバータ回路14への入力電圧)を検出するための電圧センサ13とが設けられている。
【0034】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1およびNPNトランジスタQ2の接続ノード、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインPLとアースラインGLとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインPLに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインGLに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が配置されている。
【0035】
インバータ回路14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインPLとアースラインGLとの間に並列に設けられる。
【0036】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すためのダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0037】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0038】
これらのNPNトランジスタQ3〜Q8のオン・オフ制御によって、直流−交流間の電力変換が実現される。なお、以下においては、NPNトランジスタQ3〜Q8を「スイッチング素子」とも称する。また、これらのスイッチング素子のうち、電源ラインPLおよび各相コイルの間に接続されたNPNトランジスタQ3,Q5,Q7を「上側アーム素子」とも称し、アースラインGLおよび各相コイルの間に接続されたNPNトランジスタQ4,Q6,Q8を「下側アーム素子」とも称する。
【0039】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサ10は、直流電源Bから出力される電圧V1を検出し、その検出した電圧V1を制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオンされる。コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0040】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWUを受けると、信号PWUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWUによってオフされている。また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ回路14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0041】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ回路14へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧V2(インバータ回路14への入力電圧に相当)を検出し、その検出した出力電圧V2を制御装置30へ出力する。
【0042】
インバータ回路14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値Trefによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ回路14は、回生制動時に交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMUに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0043】
電流検出回路50は、下側アーム素子として設けられた、スイッチング素子Q4,Q6,Q8の各々に対応して設けられる。電流検出回路50は、対応のスイッチング素子を通過する主電流から分流された分流電流を測定し、測定後に分流電流を主電流の経路へ再び合流させる。すなわち、電流検出回路50によって検出される分流電流は、主電流から一時的に分流される。
【0044】
電流算出部40は、各電流検出回路50での検出値を基に、所定の演算処理によって三相のモータ電流iu,iv,iwを算出して、さらにd−q軸変換を施してモータ電流id,iqを推定する。推定されたモータ電流id,iqは、制御装置30へ与えられる。
【0045】
制御装置30は、モータ駆動装置100の外からのトルク指令値Tref、電圧センサ10からの電圧V1、電圧センサ13からの出力電圧V2、位置センサ19からのモータ角度θおよびモータ角速度ω、ならびに、電流算出部40によって推定されたモータ電流id,iqに基づいて、昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWUとインバータ回路14を駆動するための信号PWMIとを生成する。生成された信号PWUおよび信号PWMIは、昇圧コンバータ12およびインバータ回路14へそれぞれ与えられる。
【0046】
信号PWUは、昇圧コンバータ12がコンデンサC1からの直流電圧を出力電圧V2に変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧を出力電圧V2に変換する場合に、出力電圧V2をフィードバック制御し、出力電圧V2が指令された電圧指令に一致するように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWUを生成する。
【0047】
また、制御装置30は、交流モータM1が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部から受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMUを生成してインバータ回路14へ出力する。この場合、インバータ回路14のスイッチング素子Q4,Q6,Q8は信号PWMCによってスイッチング制御される。すなわち、交流モータM1のU相で発電されるときスイッチング素子Q6,Q8がオンされ、V相で発電されるときスイッチング素子Q4,Q8がオンされ、W相で発電されるときスイッチング素子Q4,Q6がオンされる。これにより、インバータ回路14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0048】
さらに、制御装置30は、上記回生制動モードに入ったことを示す信号を外部から受けると、インバータ回路14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成し、その生成した信号PWDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0049】
さらに、制御装置30は、交流モータM1の運転指示期間中において、システムリレーSR1,SR2をオンするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0050】
次に、モータ電流の検出機構として備えられた、電流検出回路50および電流算出部40の構成について詳細に説明する。
【0051】
図2には、スイッチング素子Q4に対応して設けられた電流検出回路50の構成が代表的に例示される。
【0052】
図2を参照して、スイッチング素子Q4を始めとする各スイッチング素子は、並列接続された複数のトランジスタユニットQu(1)〜Qu(n)によって構成される。ここで、nは少なくとも2以上の任意の整数とする。
【0053】
図1に示した信号PWUおよび信号PWMIは、各スイッチング素子のオン・オフを制御するドライブ信号Sdvを含む。ドライブ信号Sdvは、各スイッチング素子ごとに独立に生成される。
【0054】
スイッチング素子ごとに設けられるゲートドライブ回路32は、対応のドライブ信号Sdvに応答して、トランジスタユニットQu(1)〜Qu(n)のベース電圧を共通に制御する。これにより、ドライブ信号Sdvに応答して、トランジスタユニットQu(1)〜Qu(n)の各々は、共通にオンまたはオフされる。
【0055】
一部のトランジスタユニット(図2の例では、Qu(n)のみ)のエミッタは、分流電流取出し用のタップSTと接続され、残りのトランジスタユニット(図2の例では、Qu(n)以外の各トランジスタユニット)のエミッタは、主電流用のタップMTと接続される。主電流用のタップMTは、アースラインGLと接続される。一方、分流電流取出しタップSTは、電流検出回路50を介してアースラインGLと接続される。トランジスタユニットQu(1)〜Qu(n)の全通過電流に対する、取出しタップSTと接続されたトランジスタユニットの通過電流の比によって、主電流と分流電流との分流比が示される。
【0056】
実施の形態1による電流検出回路50は、検出抵抗52と、増幅回路54と、ローパスフィルタ56と、ラッチ回路58とを含む。
【0057】
検出抵抗52は、対応のスイッチング素子の分流電流取出し用のタップSTとアースラインGLとの間に接続される。したがって、タップSTから取出された分流電流は、検出抵抗52に電圧降下を生じさせるとともに、アースラインGLでは主電流と合流する。
【0058】
なお、インバータ回路14の動作に対応した、検出抵抗52に生じる電圧の波形図は、分流電流を通過させることによりその電圧レベルが相対的に小さくなる以外は、上記特許文献1(特開2002−374693号公報)の図3と同様となるので、これを援用して詳細な説明は省略する。
【0059】
増幅回路54は、演算増幅器55と、抵抗素子R1〜R4とを含む。増幅回路54は、検出抵抗52での電圧降下を増幅する非反転増幅回路を構成している。
【0060】
ローパスフィルタ56は、抵抗素子RLおよびコンデンサCLを含む。ローパスフィルタ56は、増幅回路54によって増幅された電圧の高周波成分をカットして平均化して出力する。
【0061】
ラッチ回路58は、アナログラッチで構成され、電流算出部40からのトリガ信号42に応答したタイミングで、ローパスフィルタ56の出力電圧をラッチする。ラッチ回路58によってラッチされた電圧は、検出された分流電流を示す検出電圧Vltとして、電流算出部40へ与えられる。
【0062】
次に図3を用いて、電流検出回路50の動作を説明する。
ドライブ信号Sdvによって指示されるスイッチング素子のオン期間(時刻t0〜t2)において、スイッチング素子を電流が通過する。これに応じて、分流電流に応じた電圧が検出抵抗52に生じて、増幅回路54へ入力される。増幅回路54で増幅された電圧は、ローパスフィルタ56によって鈍らされてラッチ回路58への入力電圧となる。
【0063】
ドライブ信号Sdvの立上がりエッジ、すなわち対応のスイッチング素子に対してターンオンが指示されたタイミング(時刻t0)から、所定時間Tmが経過した時刻t1において、トリガ信号42がパルス状に生成される。この結果、トリガ信号42が生成された時刻t1におけるラッチ回路58への入力電圧が検出電圧Vltとなる。
【0064】
なお、所定時間Tmは、スイッチング素子のターンオン時に生じるサージ電流の影響が消滅して、検出される分流電流が定常値に達したタイミングでトリガ信号42が生成されるように考慮して定められる。トリガ生成回路41は、所定時間Tmに対応した遅延段と、一般的なワンショットパルス発生回路との組合せによって実現できるので、回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0065】
再び図2を参照して、電流算出部40は、トリガ信号42を生成するトリガ生成回路41と、演算部45を含む。演算部45は、分流電流に応じた検出電圧Vltに基づき、モータ電流を推定するための所定の演算処理を行なう。
【0066】
次に、演算部45での演算処理について詳細に説明していく。
図4を参照して、モータ電流検出のための演算処理が開始されると(ステップS100)、トリガ信号42が生成されたタイミングで、図1に示した位置センサ19により検出されたモータ角度θが求められる(ステップS110)。既に説明したように、トリガ信号42が生成されたタイミングでは、下側アーム素子に対応して設けられた電流検出回路50において、スイッチング素子の通過電流の分流電流に応じた検出電圧Vlt(図2)が、ラッチ回路58にラッチされる。
【0067】
下側アーム素子の通過電流と三相のモータ電流との対応付けは、以下のようにして行なわれる。
【0068】
図5を参照して、電気角360°を1周期とする周期的な三相のモータ電流iu,iv,iwは、等振幅(電流係数=1.0)で、かつ、位相が電気角120°ずつずれている。インバータ回路14のスイッチングパターンは、電気角60°刻みの6個の角度範囲61〜66ごとに異なる。角度範囲61〜66での各スイッチグパターンにおいて、ターンオンされるスイッチング素子は区別され、かつ、これらのスイッチング素子のうち上側アーム素子のオン期間は、通常のPWM(Pulse Width Modulation)方式に従って制御される。
【0069】
したがって、各下側アーム素子の通過電流とモータ電流iu,iv,iwとの対応関係は、角度範囲61〜66ごと(すなわち、スイッチングパターンごと)に異なり、かつ、それぞれのスイッチングパターンにおいて実際に電流が通過するスイッチング素子も異なってくる。
【0070】
すなわち、角度範囲61〜66ごとに通過電流の検出が必要なスイッチング素子も異なってくるため、本実施の形態では、スイッチングパターンのそれぞれにおいて3個の下側アーム素子Q4,Q6,Q8のうちの2個を選択的にX相およびY相と定義して、電流検出回路50による電流検出を行なう。
【0071】
一例として、図6に示すテーブルに従ってX相,Y相とU相,V相,W相とが対応するように、それぞれのスイッチングパターンにおいてX相,Y相に対応するスイッチング素子を定めることができる。これにより、図6の対応テーブルに基づいて、下側アーム素子の通過電流であるX相およびY相の電流を三相電流iu,iv,iwへ換算することができる。
【0072】
再び図4を参照して、検出電圧Vltがラッチ回路58にラッチされると、演算部45は、まず、ラッチ回路58からX相の検出電圧Vltをサンプリングする(ステップS120)。
【0073】
ステップS120でサンプリングされた検出電圧Vltに基づき、増幅回路54での増幅率を考慮して分流電流が算出される。さらに、分流比を考慮して、X相のスイッチング素子の通過電流(主電流)の振幅が算出される(ステップS130)。
【0074】
同様に、演算部45は、ラッチ回路58からY相の検出電圧Vltをサンプリングし(ステップS140)、増幅回路54での増幅率および分流電流の分流比を考慮して、Y相のスイッチング素子の通過電流(主電流)の振幅を算出する(ステップS150)。
【0075】
次に、図6に示した対応テーブルに基づいて、検出されたX相およびY相の電流が三相電流iu,iv,iwのうちの二相に換算され、さらに、“iu+iv+iw=0”から、残る一相も求めることができる(ステップS160)。
【0076】
ステップS160で求められた三相電流iu,iv,iwは、ステップS110で検出したモータ角θに応じて、下記の式(1)によってd−q軸変換を施される。
【0077】
【数1】
Figure 0004259219
【0078】
これにより、回転座標軸上の二相のモータ電流id♯,iq♯が算出される(ステップS170)。
【0079】
さらに、本実施の形態によるモータ駆動装置では、ステップS160で算出されたモータ電流id♯,iq♯を、交流モータM1またはインバータ回路14の動作条件に応じて予め定められた補正係数を用いて補正する(ステップS180)。
【0080】
ステップS180での補正を経て、モータ電流id,iqの推定値が算出される(ステップS190)。これにより、モータ電流検出のための演算処理は終了される。推定されたモータ電流id,iqは、制御装置30に与えられ、モータ制御に用いられる(ステップS200)。
【0081】
図7および図8は、図4でのステップS180におけるモータ電流id,iqの補正に用いられる補正係数の設定例を説明する図である。
【0082】
図7を参照して、補正係数αは、少なくとも、モータ電流id♯,iq♯の電流値(電流の大きさ)に応じて設定可能である。モータ電流id♯,iq♯をI個(I:2以上の整数)の範囲に分割すれば、範囲1〜範囲Iのそれぞれにおいて独立に補正係数αを設定可能なように、補正係数テーブルが構成される。なお、モータ電流id♯,iq♯は、交流モータの代表的な動作条件である出力トルクレベル(大きさ)に対応している。
【0083】
図7の例では、さらに、交流モータの動作条件の1つであるモータ回転速度のレベルに応じて、補正係数をさらに独立に設定可能なように、補正係数テーブルが構成されている。モータ回転速度は、位置センサ19によって検出されるモータ角速度ωによって示される。
【0084】
モータ角速度ωはJ個(J:2以上の整数)の範囲に分割される。この結果、モータ電流id♯,iq♯の範囲と、モータ角速度ωの範囲との組合せに対応して、独立に設定可能な補正係数α(1,1)〜α(I,J)から、補正に用いる補正係数αを選択できる。補正係数α(1,1)〜α(I,J)は、たとえば、実験結果等から予め定数として設定できる。
【0085】
上記のように決められる補正係数αを用いて、図4のステップS180では、下記の式(2),(3)に示すように、モータ電流が補正される。
【0086】
id=id♯・α …(2)
iq=iq♯・α …(3)
図7に例示した補正係数テーブルを用いることにより、交流モータの動作条件であるモータ電流およびモータ角速度を反映して、電流検出回路50によって検出された分流電流に基づくモータ電流id♯,iq♯を補正して、モータ電流id,iqをより高精度に推定できる。
【0087】
あるいは、図8に示すように補正係数テーブルを構成することも可能である。図8を参照して、補正係数βは、図7に示した補正係数αと同様に、モータ電流id♯,iq♯の範囲1〜範囲Iのそれぞれにおいて独立に設定可能である。
【0088】
さらに、図8では、インバータ回路の代表的な動作条件であるスイッチング素子の動作温度Tのレベルに応じて、補正係数βがさらに独立に設定可能なように、補正係数テーブルが構成されている。
【0089】
図9は、スイッチング素子の動作温度の検出手法を説明する図である。
一般に、スイッチング素子のモジュール内には、図9(a)に示すような、温度検出用ダイオード71が設けられている。温度検出用ダイオード71へは、定電流源72によって、一定電流Id♯が供給される。
【0090】
ダイオードの通過電流Idおよび電圧Vdの間には、図9(b)に示すようなV−I特性が存在する。すなわち、温度Tに依存して、同一電流に対する電圧降下Vdが変化する。したがって、図9(b)のV−I特性より、図9(c)に示されるような、一定電流Id♯の供給時における電圧降下Vdと動作温度Tとの関係を予め求めておくことができる。
【0091】
したがって、電流検出回路50が設けられたスイッチング素子について、温度検出用ダイオード71での電圧降下Vdから動作温度Tが検出可能である。
【0092】
再び図8を参照して、動作温度TはJ個(J:2以上の整数)の範囲に分割される。この結果、モータ電流id♯,iq♯の範囲と、動作温度Tの範囲との組合せに対応して、独立に設定可能な補正係数β(1,1)〜β(I,J)から、補正に用いる補正係数βを選択できる。補正係数β(1,1)〜β(I,J)は、たとえば、実験結果等から予め定数として設定できる。
【0093】
上記のように決められる補正係数βを用いて、図4のステップS180では、下記の式(4),(5)に示すように、モータ電流が補正される。
【0094】
id=id♯・β …(4)
iq=iq♯・β …(5)
あるいは、図7および図8に示した補正係数テーブルの両方を用いて、モータ電流を下記の式(6),(7)に示すように補正することも可能である。
【0095】
id=id♯・α・β …(6)
iq=iq♯・α・β …(7)
なお、図7および図8では、2つの動作条件の組合せによって、すなわち2次元のテーブルによって補正係数が設定される例を示した。しかしながら、補正係数の設定はこのような例に限定されるものではなく、3つ以上の動作条件の組合せ、もしくは単一の動作条件のみによって補正係数を設定することも可能である。特に、交流モータの出力トルクに応じてモータモデルに誤差が生じる点を考慮すれば、モータ電流id♯,iq♯のみに基づく1次元のテーブルを作成して補正係数を設定してもよい。
【0096】
また、式(6),(7)でも示したように、複数の補正係数テーブルから得られた補正係数の組合せによって、モータ電流の補正を行なうこともできる。この場合には、補正テーブルの個数は特に限定されず3つ以上の補正係数テーブルから複数の補正係数を求めてもよい。さらに、補正係数の組合せについても式(6),(7)に示すような単なる乗算のみならず、任意の計算式に従って、複数の補正係数を用いたモータ電流補正を行なうことができる。
【0097】
なお、補正係数の設定に用いられる動作条件としては、上述のモータ電流id♯,iq♯、モータ角速度ωおよび動作温度Tに限定されず、交流モータM1およびインバータ回路14の他の動作条件を用いることもできる。
【0098】
以上説明したように、本発明の実施の形態1によるモータ駆動制御装置では、電流センサを用いることなく、スイッチング素子の分流電流が通過する検出抵抗に生じる電圧の検出に基づいて、モータ制御に用いるモータ電流を推定することができる。検出抵抗では分流電流に応じた電力損失しか発生しないので、電力損失を低減できる。
【0099】
また、ラッチ回路でのラッチタイミングの設定によってサージ電流の影響を排除するので、検出抵抗と直列に、すなわち検出対象である分流電流の経路にフィルタを挿入する必要がない。したがって、スイッチング素子の通過電流をより高精度に検出できる。
【0100】
さらに、検出された分流電流に基づいて算出したモータ電流を、交流モータの動作条件やインバータ回路の動作条件を反映した補正係数によって修正できるので、モータ電流をより高精度に推定できる。
【0101】
[実施の形態2]
実施の形態2では、分流電流をより高精度に検出するための構成について説明する。
【0102】
図10は、この発明の実施の形態2によるモータ駆動装置の構成を説明するためのブロック図である。図10には、本発明の実施の形態2によるモータ駆動装置と実施の形態1によるモータ駆動装置との相違点が示される。
【0103】
図10を参照して、本発明の実施の形態2によるモータ駆動装置は、実施の形態1によるモータ駆動装置と比較して、分流比切換回路70と、分流比設定回路80とをさらに備える。
【0104】
さらに、各スイッチング素子において、分流電流取出し用のタップが複数個設けられる。図10に示す例では、トランジスタユニットQu(n)〜Qu(n−k)のエミッタとそれぞれ接続されたタップST(0)〜ST(k)が設けられる。ただし、kは、n未満の自然数である。トランジスタユニットQu(n)〜Qu(n−k)以外のトランジスタユニットのエミッタは、主電流用のタップMTと接続されている。
【0105】
分流比切換回路70は、各電流検出回路50と対応のスイッチング素子との間に設けられる。分流比切換回路70は、タップST(0)〜ST(k)にそれぞれ対応するスイッチSW(0)〜SW(k)を有する。スイッチSW(0)〜SW(k)は、分流比設定回路80からの制御信号S(0)〜S(k)にそれぞれ応答して、タップST(0)〜ST(k)を電流検出回路50へ至る経路73および主電流が通過するアースラインGLへ直接至る経路72のいずれかと選択的に接続する。
【0106】
分流比設定回路80は、トルク指令値Trefに応じて、制御信号S(0)〜S(k)を設定する。
【0107】
スイッチSW(0)〜SW(k)によって電流検出回路50と接続されたタップを流れる分流電流は、検出抵抗52を通過した後に、主電流へ合流してアースラインを流れる。一方、アースラインGLへ直接至る経路と接続されたタップを流れる分流電流は、検出抵抗52を通過することなく主電流へ合流する。
【0108】
したがって、電流検出回路50へ至る経路73と接続されるタップの個数に応じて、分流電流の分流比が可変となる。
【0109】
図11は、図10に示した分流比設定回路の動作を説明する図である。
図11を参照して、分流比設定回路80は、トルク指令値Trefが範囲a〜範囲zのいずれに属するかに応じて、制御信号S(0)〜S(k)を設定する。スイッチSW(0)〜SW(k)は、対応する制御信号S(0)〜S(k)が“ON”設定されると、対応のタップを経路73と接続し、対応する制御信号S(0)〜S(k)が“OFF”設定されると、対応のタップを経路72と接続する。
【0110】
分流比設定回路80は、トルク指令値Trefは、トルク指令値Trefに応じて分流比を切換えるように、制御信号S(0)〜S(k)を設定する。具体的には、トルク指令値Trefが大きい範囲では分流比が小さくなるように、“ON”設定される制御信号は少なくなる。一方、トルク指令値Trefが小さい範囲では分流比が大きくなるように、“ON”設定される制御信号が多くなる。
【0111】
このように、トルク指令値Trefに応じて分流比を切換えることにより、検出抵抗52を通過する分流電流のレベルが維持される。したがって、検出電圧Vltを始めとして、電流検出回路50で処理される電圧のレンジが大きく変わらなくなるので、電流検出回路50での分流電流の検出精度が悪化することを防止できる。
【0112】
なお、図11に示した範囲a〜範囲zに対応して分流比が異なるので、サンプリングされた検出電圧Vltからスイッチング素子の通過電流(主電流)の振幅の振幅を求める際に、すなわち図4におけるステップS130,S150において、分流比を正しく反映する必要がある。したがって、分流比設定回路80は、範囲a〜範囲zのそれぞれでの分流比ka〜kzのうちの、トルク指令値Trefの範囲に応じた1つを選択的に電流算出部40へ与える。
【0113】
本発明の実施の形態2によるモータ駆動装置のこれ以外の部分の構成は、実施の形態1によるモータ駆動装置と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0114】
以上説明したように、実施の形態2によるモータ駆動装置によれば、実施の形態1によるモータ駆動装置での効果に加えて、モータ電流が小さい動作領域においてもモータ電流を高精度に推定できる。この結果、広い動作範囲においてモータ電流の推定精度を維持して、交流モータの制御精度を向上できる。
【0115】
なお、実施の形態1および2によるモータ駆動装置は、ハイブリッド自動車、電気自動車または燃料電池自動車等の、交流モータによって車輪の少なくとも一部を駆動制御可能な自動車に搭載可能である。
【0116】
図12は、この発明の実施の形態1または2によるモータ駆動装置が搭載された自動車の構成を示す概略ブロック図である。
【0117】
図12を参照して、この発明の実施の形態による自動車200は、バッテリ110と、PCU(Power Control Unit)120と、動力出力装置130と、ディファレンシャルギア(DG:Differential Gear)140と、前輪150L,150Rと、後輪160L,160Rと、フロントシート170L,170Rと、リアシート180とを備える。
【0118】
バッテリ110は、図1での直流電源Bに相当し、PCU(Power Control Unit)120としては、実施の形態1または2によるモータ駆動装置が適用される。
【0119】
PCU120および動力出力装置130は、ダッシュボード190よりも前側のエンジンルームに配置される。PCU120は、動力出力装置130と電気的に接続される。動力出力装置130は、DG140と連結される。
【0120】
バッテリ110は、直流電圧をPCU120へ供給するとともに、PCU120からの直流電圧によって充電される。PCU120は、バッテリ110からの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を交流電圧に変換して動力出力装置130に含まれるモータジェネレータ(図示せず)を駆動制御する。すなわち、モータジェネレータは、実施の形態1または2によるモータ駆動装置によって駆動制御される交流モータM1(図1)に相当する。また、PCU120は、動力出力装置130に含まれるモータジェネレータが発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ110を充電する。
【0121】
動力出力装置130は、エンジンおよび/またはモータジェネレータによる動力をDG140を介して前輪150L,150Rに伝達して前輪150L,150Rを駆動する。また、動力出力装置130は、前輪150L,150Rの回転力によって発電し、その発電した電力をPCU120へ供給する。
【0122】
DG140は、動力出力装置130からの動力を前輪150L,150Rに伝達するとともに、前輪150L,150Rの回転力を動力出力装置130へ伝達する。
【0123】
このように、実施の形態1または2によるモータ駆動装置を搭載して、車輪を駆動可能な交流モータを制御する構成とすることにより、実施の形態1および2で説明した効果を享受して、自動車の走行制御を高精度化できる。
【0124】
なお、本発明の実施の形態においては、三相モータを負荷とするモータ駆動装置を代表的に示したが、本願発明の適用はこのような場合に限定されるものではない。すなわち、本願発明は、負荷となる交流モータの種類を特に限定することなく、モータ駆動装置およびそれを備える自動車に適用可能である。
【0125】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の構成を説明する概略ブロック図である。
【図2】 図1に示した電流検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】 図1に示した電流検出回路の動作を説明する波形図である。
【図4】 図3に示した演算部45の演算処理を説明するフローチャートである。
【図5】 三相のモータ電流のパターンを説明する波形図である。
【図6】 下側アーム素子の通過電流と三相のモータ電流との対応テーブルを説明する図である。
【図7】 算出されたモータ電流id,iqの補正に用いられる補正係数の設定例を説明する第1の図である。
【図8】 算出されたモータ電流id,iqの補正に用いられる補正係数の設定例を説明する第2の図である。
【図9】 スイッチング素子の動作温度の検出手法を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態2によるモータ駆動装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】 図10に示した分流比設定回路の動作を説明する図である。
【図12】 この発明の実施の形態1または2によるモータ駆動装置が搭載された自動車の構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
12 昇圧コンバータ、14 インバータ回路、19 位置センサ、30 制御装置、40 電流算出部、41 トリガ生成回路、42 トリガ信号、45 演算部、50 電流検出回路、52 検出抵抗、54 増幅回路、56 ローパスフィルタ、58 ラッチ回路、70 分流比切換回路、71 温度検出用ダイオード、73,74 経路、80 分流比設定回路、100 モータ駆動装置、150L,150R 前輪、160L,160R 後輪、200 自動車、GLアースライン、M1 交流モータ、MT タップ(主電流用)、PL 電源ライン、Q1,Q2 NPNトランジスタ(昇圧コンバータ)、Q3〜Q8 NPNトランジスタ(インバータ回路のスイッチング素子)、Qu(1)〜Qu(n) トランジスタユニット、ST タップ(分流電流用)、SW(0)〜SW(k) スイッチ、Tref トルク指令値、Vlt 検出電圧、id,iq モータ電流(二相変換)、iu,iv,iw モータ電流(三相)、ka〜kz 分流比、α,β 補正係数、θ モータ角度、ω モータ角速度。

Claims (12)

  1. 交流モータの駆動を制御するモータ駆動装置であって、
    直流電圧および交流電圧の間で電力変換を行なうための複数のスイッチング素子を含み、かつ、変換された前記交流電圧によって前記交流モータが駆動されるように設けられたインバータ回路と、
    前記交流モータの回転角度位置を検出するための位置センサと、
    前記複数のスイッチング素子のうちの少なくとも1つに対応して設けられ、対応の前記スイッチング素子を通過する主電流から一時的に分流された分流電流を検出するための電流検出回路と、
    前記電流検出回路によって検出された前記分流電流に基づいて、前記交流モータを流れるモータ電流を推定する電流算出部と、
    前記位置センサによって検出された前記回転角度位置および前記電流算出部によって推定された前記モータ電流に基づいて、前記複数のスイッチング素子のオンおよびオフを制御する制御装置とを備え、
    前記複数のスイッチング素子は、第1の電圧を供給する第1の電源ラインと前記交流モータの電機子コイルとの間に電気的に接続される上側アーム素子と、前記第1の電源ラインより低い第2の電圧を供給する第2の電源ラインと前記電機子コイルとの間に電気的に接続される下側アーム素子とに分類され、
    前記電流検出回路は、前記下側アーム素子の各々に対応して設けられ、
    前記交流モータは三相モータであり、
    前記上側アーム素子および下側アーム素子の各々は、前記三相モータの三相のコイルとそれぞれ電気的に接続された3個の前記スイッチング素子を有し、
    前記電流算出部は、前記複数のスイッチング素子の6種類のスッチングパターンの各々における、前記電流検出回路によって検出される前記分流電流と、前記三相のコイルをそれぞれ通過する三相電流との間の予め定められた対応関係に従って、検出した前記分流電流から三相電流を算出するように構成される、モータ駆動装置。
  2. 前記電流検出回路は、
    前記分流電流を通過させ、かつ、通過した前記分流電流が前記主電流の経路へ再び合流するように前記対応のスイッチング素子と接続された検出抵抗と、
    前記分流電流の通過によって前記検出抵抗に生じた電圧を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の出力を平均化するためのローパスフィルタと、
    前記対応のスイッチング素子へターンオン指示が発せられてから所定時間経過後に、前記ローパスフィルタの出力電圧をラッチするラッチ回路とを含み、
    前記電流算出部は、前記ラッチ回路によってラッチされた電圧に基づいて、前記モータ電流を推定する、請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記電流算出部は、前記分流電流から前記モータ電流を算出し、さらに、算出されたモータ電流を、前記交流モータおよび前記インバータ回路の動作条件の少なくとも一方に応じて予め定められた補正係数を用いて補正して前記モータ電流の推定値を求める、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記補正係数は、前記交流モータの回転速度に応じて予め定められる、請求項3記載のモータ駆動装置。
  5. 前記補正係数は、前記対応のスイッチング素子の動作温度に応じて予め定められる、請求項3記載のモータ駆動装置。
  6. 前記補正係数は、前記算出されたモータ電流の電流値に応じて予め定められる、請求項3記載のモータ駆動装置。
  7. 前記電流算出部は、前記対応関係を示すテーブルに基づいて、検出した前記分流電流から前記三相電流を算出し、かつ、算出された前記三相電流を、前記位置センサによって検出された前記回転角度位置に基づいて回転座標上の二相電流に変換して前記モータ電流の推定値を求める、請求項記載のモータ駆動装置。
  8. 前記電流検出回路と前記対応のスイッチング素子の間に設けられる分流比切換回路をさらに備え、
    前記分流比切換回路は、前記分流電流のレベルが維持されるように、前記主電流に対する前記分流電流の分流比を切換える、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  9. 交流モータの駆動を制御するモータ駆動装置であって、
    直流電圧および交流電圧の間で電力変換を行なうための複数のスイッチング素子を含み、かつ、変換された前記交流電圧によって前記交流モータが駆動されるように設けられたインバータ回路と、
    前記複数のスイッチング素子のうちの少なくとも1つに対応して設けられ、対応の前記スイッチング素子を通過する主電流から一時的に分流された分流電流を検出するための電流検出回路と、
    前記電流検出回路によって検出された前記分流電流に基づいて、前記交流モータを流れるモータ電流を推定する電流算出部と、
    前記電流算出部によって推定された前記モータ電流に基づいて、前記複数のスイッチング素子のオンおよびオフを制御する制御装置と、
    前記電流検出回路と前記対応のスイッチング素子の間に設けられる分流比切換回路とを備え、
    前記分流比切換回路は、前記分流電流のレベルが維持されるように、前記主電流に対する前記分流電流の分流比を切換える、モータ駆動装置。
  10. 前記分流比切換回路は、前記交流モータのトルク指令値に応じて、前記分流比を切換える、請求項8または9に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記スイッチング素子の各々は、それぞれが独立に分流電流をそれぞれ取り出し可能な複数のタップを有し、
    前記分流比切換回路は、前記複数のタップと前記電流検出回路との間にそれぞれ設けられた複数のスイッチ回路を含み、
    前記スイッチ回路の各々は、対応の前記タップを、前記電流検出回路へ至る経路および前記主電流の経路のいずれかと選択的に接続可能である、請求項10記載のモータ駆動装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ駆動装置と、
    前記モータ駆動装置によって駆動制御される前記交流モータによって駆動可能な車輪とを備える、自動車。
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