JP4258885B2 - ポリウレタン系セメント組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、耐衝撃性、および耐摩耗性に優れ、食品工場、化学工場、機械工場などの工場床等、産業床用途に適したポリウレタン系セメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の塗り床材としては、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、メチルメタクリレート(MMA)系などの床材があった。しかし、これらは食品工場、化学工場機械工場などの産業床用としては耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などが必ずしも充分でなく、さらに優れる材料が求められていた。また上記床材のなかには、溶剤を多く含む材料や臭気を強く発する材料もあり、これらは、食品工場などには好ましくなかった。
【0003】
そこで、水硬性セメント、骨材、水、ポリオール、および2個以上のイソシアネート基を有する化合物からなるポリウレタン系セメント組成物が提案された(特開平8−169744)。このポリウレタン系セメント組成物は現場で上記各成分を混合することにより、水と水硬性セメントの水和反応、ポリオールとイソシアネートとのウレタン化反応およびイソシアネートと水による炭酸ガスの発生を伴うウレア化反応が同時に進行する。そして、硬化後の組成物は硬く、耐摩耗性に優れ、加えて耐熱性や耐薬品性を持つことより、食品工場、化学工場、機械工場をはじめとする工場床等、産業床における耐久性に優れた床材として使用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし実際の現場においては個々に施工環境が異なる。低温における高い硬化性が要求される冬場の施工において、または、工程上の養生時間の硬化時間短縮が要求される場合において、触媒を増加することにより硬化性を高める、または硬化を速める方法が採用されうる。しかし、上記のポリウレタン系セメント組成物のように、複数の反応が同時に進行して硬化する系においては、触媒を増加すると、各反応の制御が困難になる問題がある。そのため可使時間が確保できず、施工作業性が悪くなり、かつ得られた硬化物に穴があいたり、フクレや亀裂が発生する問題がおこっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、反応制御性に優れるポリウレタン系セメント組成物を提供することであり、低温の条件において硬化時間を短縮しても作業性、外観を損なわず、かつ優れた機能を維持する硬化物を与える、ポリウレタン系セメント組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の問題点を解決した、下記発明である。
水硬性セメント(A)と、イソシアネート基を有する化合物(B)と、水(C)と、3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物(E)と、有機酸(F)とを含有し、前記活性水素含有化合物(E)の窒素原子のモル数と、前記有機酸(F)のカルボキシル基のモル数の比が、カルボキシル基/アミノ原子で、1/3〜30/1である硬化反応調整剤(I)と、前記活性水素含有化合物(E)以外の活性水素化合物であって、水酸基数が2以上である活性水素含有化合物(H)と、を含有することを特徴とする、ポリウレタン系セメント組成物、および、該ポリウレタン系セメント組成物を施工した床。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明でいう水硬性セメント(A)とは、水と混和することにより硬化または凝結するセメント類を示す。ポルトランドセメントや高アルミナ含量の迅速硬化型セメントが好ましい。ポルトランドセメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、鉄、および炭素含量の低いセメントである白色ポルトランドセメント(白色セメント)などがある。
【0008】
イソシアネート基を有する化合物(B)としては、特に限定されないが、2個以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましい。低分子量ポリイソシアネート化合物またはイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが好ましい。
【0009】
低分子量ポリイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルポリイソシアネート(粗MDI)、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族系ジイソシアネートが挙げられる。また、それらのウレチジオン変成体、ヌレート変成体、カルボジイミド変成体、ビュレット変成体であってもよい。
【0010】
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは上記低分子量ポリイソシアネート化合物と後記のポリオールとをイソシアネート基過剰で反応させることにより得られるものが好ましい。
【0011】
イソシアネート基を有する化合物(B)の配合量は特に限定されないが、水硬性セメント(A)100重量部に対して10〜200重量部が好ましく、50〜100重量部がより好ましい。
【0012】
本発明において水(C)は必須である。水(C)の配合量は水硬性セメント(A)100重量部に対して5〜500重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましく、10〜50重量部が特に好ましい。
【0013】
本発明においては、水酸基、1級アミノ基および2級アミノ基から選ばれる活性水素含有基を有する活性水素含有化合物(D)を使用し、かつ活性水素含有化合物(D)の少なくとも一部が窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)であることを必須とする。活性水素含有化合物(E)は後で説明する有機酸(F)とともに硬化反応調整剤の働きをすると考えられる。
【0014】
該活性水素含有化合物(E)としては、1級アミノ基を有する化合物、2級アミノ基を有する化合物、ならびに、3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物が挙げられる。1級アミノ基を有する化合物または2級アミノ基を有する化合物を硬化反応調整剤として使用すると反応が速すぎることが多いので、3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物が特に好ましい。
【0015】
3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物としては下記の化合物が挙げられる。
【0016】
3級アミノ基を有するアルカノールアミン。1級アミノ基、2級アミノ基または3級アミノ基を有するアルカノールアミンにアルキレンオキシドを開環付加して得られるポリエーテルモノオールまたはポリオール。アルカノールアミン以外の、1級アミノ基および/または2級アミノ基を有する化合物にアルキレンオキシドを開環付加して得られるポリエーテルポリオール。
【0017】
3級アミノ基を有するアルカノールアミンとしては、N,N−ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N’,N’−トリメチル−N−アミノエチルエタノールアミン[(CH3)2NCH2CH2N(CH3)CH2CH2OH]、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0018】
1級アミノ基または2級アミノ基を有するアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
【0019】
1級アミノ基および/または2級アミノ基を有する化合物としては、1級アミノ基を1個以上(好ましくは2個以上)有する化合物、2級アミノ基を2個以上有する化合物があり、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどが挙げられる。
【0020】
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドなどが挙げられる。プロピレンオキシド、または、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が好ましい。
【0021】
また、上記窒素原子を有するポリエーテルモノオールまたはポリオールの分子量は100〜1000が好ましく、200〜600が特に好ましい。官能基数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。
【0022】
活性水素含有化合物(E)の配合量は、イソシアネート基を有する化合物(B)100重量部に対して0.001〜50重量部が好ましく、0.01〜20重量部が、特に好ましい。
【0023】
活性水素化合物(D)のうち、上記活性水素含有化合物(E)以外のもの(以下、活性水素含有化合物(E)以外の活性水素含有化合物を活性水素含有化合物(H)という)としては、該活性水素含有基を2個以上有する化合物が好ましく、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油またはその誘導体、ポリブタジエン系ポリオールなどのポリオールが挙げられる。
【0024】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0025】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロースなどの多価アルコールを開始剤として前記アルキレンオキシドを開環付加して得られるポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0026】
ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸と2価アルコールを反応させて得られるポリエステルジオールが挙げられる。ひまし油またはその誘導体としては、ひまし油またはひまし油を変性して得られるひまし油ポリオールが挙げられる。水酸基数が2以上が好ましく、伊藤製油(株)製ユーリックH−30、ユーリックH−57、ユーリックH−52などが挙げられる。
【0027】
活性水素含有化合物(H)の分子量は、300〜3000が好ましく、500〜2000が特に好ましい。水酸基数は2〜5が好ましい。
【0028】
上記活性水素含有化合物(H)の配合量は水硬性セメント(A)100重量部に対して5〜5000重量部が好ましく、10〜250重量部が特に好ましい。
【0029】
本発明では有機酸(F)を使用する。該有機酸(F)は、それのみを配合したのみでは、効果を発揮しないが、前記窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)とともに配合することにより、とも硬化反応調整剤として働くと考えられる。
【0030】
有機酸(F)としては、炭素数1〜20のカルボン酸が好ましい。具体的には、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸などの脂肪族系のモノカルボン酸、安息香酸などの芳香族系のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、などの脂肪族系のジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族系のジカルボン酸などが、挙げられる。
【0031】
有機酸(F)としては、脂肪族系のカルボン酸が特に好ましく、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸などの脂肪族系のモノカルボン酸が特に好ましい。
有機酸(F)の配合量は、イソシアネート基を有する化合物(B)100重量部に対して0.01〜50重量部が好ましく、0.1〜20重量部が、特に好ましい。
【0032】
本発明において、硬化反応調整剤として使用する、前記窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)の窒素原子のモル数と、有機酸(F)のカルボキシル基のモル数の比は、特に限定されないが、カルボキシル基/アミノ原子がモル比で、1/3〜30/1が好ましい。
【0033】
本発明において骨材(G)を使用してもよく、使用することが特に好ましい。骨材(G)としては、公知の無機系骨材、有機系骨材が使用できる。無機系骨材としては川砂、ケイ砂などの天然ケイ酸質材料、ガラス、セラミックス、電融アルミナ、炭化ケイ素などの無機材料を粉砕したものが使用できる。また、ガラスバルーンやシラスバルーンのような中空材料も使用できる。
【0034】
無機系骨材は粒径が0.05〜4mmであるものが好ましいが、粒径が0.05mm以下の微小なガラス、セラミックス、シラスバルーンを併用してもよい。これらの材料は天然または粉砕されたままの状態でもよく、例えば染料や顔料の使用により人工的に着色されたものでもよい。有機系骨材としてはプラスチックの粉砕物などが使用できる。
【0035】
骨材(G)の配合量は水硬性セメント(A)100重量部に対してして10〜10000重量部が好ましく、25〜5000重量部がより好ましく、100〜1000重量部が特に好ましい。
【0036】
本発明のポリウレタン系セメント組成物は、セメント減水剤を含有することが好ましい。セメント減水剤としては、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物系減水剤、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物系減水剤、ポリカルボン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、ポリスチレンスルホン酸系減水剤、フェノールホルムアルデヒド縮合物系減水剤、およびアニリンスルホン酸系減水剤などが挙げられる。
【0037】
セメント減水剤は、界面活性剤的な性質を持ち、水(C)と活性水素含有化合物(D)を混合して得られる分散液を安定に分散させる乳化剤の役割を果たす。また本発明のポリウレタン系セメント組成物の流動性を良くし、施工性、作業性を改善できる。
【0038】
本発明のポリウレタン系セメント組成物が、セメント減水剤を含有する場合、その配合量は、水硬性セメント(A)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。
【0039】
また、本発明のポリウレタン系セメント組成物は、上記以外に、可塑剤、消泡剤、炭酸ガス吸収剤、顔料などの添加剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジオクチルなどが挙げられる。
【0040】
本発明のポリウレタン系セメント組成物を調製するための各成分の混合方法としては、次のような方法が挙げられる。すなわち、窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)を含む活性水素含有化合物(D)、有機酸(F)、および、任意にセメント減水剤を水(C)に分散させて予め乳濁液を調製する。水硬性セメント(A)と任意に骨材(G)を混合してセメント成分を調製する。該乳濁液、セメント成分、ならびに、イソシアネート基を有する化合物(B)の3成分を現場で混合する。
【0041】
なお、本発明において、硬化反応調整剤として作用する、窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)と有機酸(F)は、予め混合して用いることもできる。
【0042】
本発明のポリウレタン系セメント組成物は、水硬性セメント(A)、イソシアネート基を有する化合物(B)、水(C)、3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物(E)と、有機酸(F)とを含有し、前記活性水素含有化合物(E)の窒素原子のモル数と、前記有機酸(F)のカルボキシル基のモル数の比が、カルボキシル基/アミノ原子で、1/3〜30/1である硬化反応調整剤(I)、前記活性水素含有化合物(E)以外の活性水素化合物であって、水酸基数が2以上である活性水素含有化合物(H)、ならびに、任意にセメント減水剤および骨材を現場で混合することにより、速やかに硬化反応が起こり、硬化物が得られる。その際、前記活性水素含有化合物(E)と有機酸(F)を所定の割合で使用することにより、これらが硬化反応調整剤として作用し、硬化を促進するので、硬化速度が速くなり、硬化時間が短縮される。
【0043】
本発明の特徴である活性水素含有化合物(E)と有機酸(F)を併用する点は、従来の触媒を増加させた方法に比べて、反応制御性が優れるため、速硬化にもかかわらず、フクレ等の不具合のない、優れた外観仕上がりの硬化物が得られる。
【0044】
本発明において、窒素原子を有する活性水素含有化合物(E)と有機酸(F)(両者を併せて硬化反応調整剤という)の配合量を調整することにより、ポリウレタン系セメント組成物の硬化速度を調整が容易である。すなわち、夏場や温度の高い条件下においては、硬化反応調整剤配合量は比較的少なくてすみ、冬場や温度の低い条件下においては、硬化反応調整剤の配合量は、比較的多くなる。硬化反応調整剤の配合量を調整することにより、通常考えられる施工現場のあらゆる温度条件下において、優れた作業性を確保でき、また硬化後は優れた外観仕上がりの床面を得ることができる。
【0045】
本発明のポリウレタン系セメント組成物は、建築物の床面、階段、または道路の舗装面などの床面を形成する塗り床材およびその下地調整材として適する。建築物の床面、特に、食品工場、化学工場、機械工場などの工場床等、産業床用途に特に適する。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例(例1〜9、14〜17)および比較例(例10〜13)によって具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。部は重量部を示す。
なお、本実施例、比較例では、硬化反応調整剤(I)を構成する活性水素含有化合物(E)として、後述するポリオールA、ポリオールB、ポリオールC、ポリオールD、N,N−ジメチルアミノアルコールを使用した。また、有機酸(F)として、酢酸、2−エチルヘキサン酸、オクタデカン酸を使用した。活性水素含有化合物(H)として、ヒマシ油ポリオールを使用した。
【0047】
使用した原料は次のとおりである。
ポリオールA:エチレンジアミンにプロピレンオキシド次いでエチレンオキシドを開環付加させて得られたオキシエチレン基含量40重量%、分子量500の窒素原子含有のポリオキシアルキレンテトラオール、
ポリオールB:エチレンジアミンに4モルのプロピレンオキシドを開環付加させて得られた分子量292の窒素原子含有のポリオキシアルキレンテトラオール、
ポリオールC:ジエチレントリアミンに5モルのプロピレンオキシドを開環付加させて得られた分子量391の窒素原子含有のポリオキシアルキレンペンタオール、
ポリオールD:モノエタノールアミンにプロピレンオキシドを開環付加させて得られた分子量340のポリオキシアルキレントリオール、
触媒E:ジブチル錫ジラウレート、
触媒F:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン。
【0048】
(評価法)
作業性:可使時間が15分以上あり、かつコテ作業が軽快である場合を〇、可使時間が15分未満である、または、コテ作業が重い場合を×、とした。
【0049】
硬化性:タックフリーとなり歩行可能になるまでの時間を測定した(単位:時間)。
仕上がり外観:フクレおよびピンホールがない場合を〇、フクレまたはピンホールがある場合を×、とした。
【0050】
(ポリウレタン系セメント組成物)
34部のヒマシ油ポリオール(伊藤製油(株)製 ユークリックH−30、分子量950、官能基数2.7)、34部のフタル酸ブチルベンジル、1.5部のナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物系セメント減水剤(花王(株)製、マイティ2000R)、および、0.5部のポリシロキサン系消泡剤を、30部の水の中で撹拌混合し、ヒマシ油の水分散液を調製した。
【0051】
135部の白色セメント、860部の砂(セラミック粉砕品とケイ砂の混合物)、5部の酸化クロム顔料を混合し、セメント成分を調製した。
【0052】
100部の上記水分散液、100部の粗MDI、および1000部の上記セメント成分の3成分を混合したものに、表に示す添加剤を表に示す部数添加し、均一な組成物が得られるまで混合した。
【0053】
(例1〜13)
得られた組成物をコンクリート下地に塗布し10mm厚さに延展し、20℃で相対湿度65%の恒温恒湿槽内で養生し、床面を製造した。得られた床面を上記評価法にしたがって評価した。結果を表1〜2に示す。
【0054】
(例14〜15)「低温試験」
得られた組成物をコンクリート下地に塗布し10mm厚さに延展し、5℃で相対湿度65%の恒温恒湿槽内で養生し、床面を製造した。得られた床面を上記評価法にしたがって、評価した。結果を表3に示す。
【0055】
(例16〜17)「高温試験」
得られた組成物をコンクリート下地に塗布し10mm厚さに延展し、35℃で相対湿度50%の恒温恒湿槽内で養生し、床面を製造した。得られた床面を上記評価法にしたがって評価した。結果を表3に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】
実施例で示したように、本発明は、冬場の低温から夏場の高温まで、充分な可使時間および優れた作業性を確保でき、また硬化性が速く、硬化後は、優れた外観仕上がりの床面を得ることができる。
Claims (6)
- 水硬性セメント(A)と、
イソシアネート基を有する化合物(B)と、
水(C)と、
3級アミノ基と水酸基とを併有する活性水素含有化合物(E)と、有機酸(F)とを含有し、前記活性水素含有化合物(E)の窒素原子のモル数と、前記有機酸(F)のカルボキシル基のモル数の比が、カルボキシル基/アミノ原子で、1/3〜30/1である硬化反応調整剤(I)と、
前記活性水素含有化合物(E)以外の活性水素化合物であって、水酸基数が2以上である活性水素含有化合物(H)と、
を含有することを特徴とする、ポリウレタン系セメント組成物。 - さらに、骨材(G)を含有する、請求項1に記載のポリウレタン系セメント組成物。
- 有機酸(F)が炭素数1〜20のカルボン酸である、請求項1または2に記載のポリウレタン系セメント組成物。
- 前記活性水素含有化合物(E)が、アルカノールアミン、1級アミノ基を有する化合物、および2級アミノ基を有する化合物から選ばれる化合物にアルキレンオキシドを開環付加して得られるポリエーテルポリオール、である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン系セメント組成物。
- 前記活性水素含有化合物(H)は、分子量が300〜3000で、水酸基数が2〜5である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン系セメント組成物。
- 請求項1、2、3、4または5に記載のポリウレタン系セメント組成物を施工した床。
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